JP5854892B2 - ワーク加工用治具、ワーク自動加工装置、ワーク加工方法、ワーク加工プログラム及び記録媒体 - Google Patents

ワーク加工用治具、ワーク自動加工装置、ワーク加工方法、ワーク加工プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ワークの加工時に該ワークを固定するワーク加工用治具に関するものである。また、このワーク加工用治具を備えるワーク自動加工装置、そのワーク加工方法、ワーク加工プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体に関するものである。
ワークに対して孔開け加工等の加工を行う場合、専用の治具盤でワークを固定した状態で行う方法が一般的になされている。この際、例えば時計用ムーブメントを構成する地板(ワーク)を加工する場合には、複数の微細な時計用部品を精度良く組み付けるために、皿取り加工(サライ加工)や孔開け加工等を精度良く行う必要がある。
そこで、地板に形成された案内孔に挿通可能な案内ピンを治具盤側に設け、この案内ピンをガイドとして地板を治具盤にセットする方法が知られている(特許文献1参照)。
特開平5−215869号公報
しかしながら、上記地板は、一般的にその両面側に多数の時計用部品が組み付けられるため、両面側にそれぞれ皿取り加工や孔開け加工等を行うことが必要とされる。従って、地板を加工する場合には、両面加工に対応するために少なくとも専用の治具盤を2つ用意する必要があった。
その加工方法としては、例えば第1の治具盤に地板をセットして表面側の加工を行い、その後、第2の治具盤に地板をセットして裏面側の加工を行うといった工程が必要とされる。特に、表面側の加工及び裏面側の加工のいずれについても、反対面側の加工を行った後に行う場合もあるので、何度も地板の保持換え(段取り換え)を行う必要があった。従って、この保持換えに手間がかかってしまうものであった。しかも、この保持換えは、マニュアルで行うため、上記加工を無人で連続して行うといったことは実際上難しい。
これらのことにより、1枚の地板を仕上げるにあたって、多大な手間と時間がかかってしまい、製品のコストUPに繋がってしまうものであった。しかも、治具盤の案内ピンをガイドして地板をセットするため、どうしての案内孔のがた分位相がずれてしまう。しかも、治具盤を換える度にこのずれが生じるので、結果的に地板の加工精度の劣化を招いてしまうものであった。
そこで、これらの点の解決を図るため、例えばワークを治具盤で固定したまま、ワークを加工する加工治具を、表裏の加工エリア分を逃げた位置で回転させることで、ワークを一度も取り外すことなく表裏加工を可能とさせる構成が考えられる。
しかしながら、この場合には、加工時にワークを受ける受け治具を具備していないので、加工負荷によりワークが変形し易く、加工深さばらつきが生じてしまい、精度の良い加工が行えない。
そこで、例えば、退避位置とワーク当接位置との間を往復移動自在な受け治具を具備することが考えられるが、該受け治具を大きなストロークで移動させる必要があるので、その動作は大きなものとなってしまう。また、動作が大きくなればなるほど、受け治具は長大となり、熱変形が大きく、位置決め誤差の原因となってしまう。そのため、ワークを確実に支持できない場合があり、やはり精度の良い加工を行い難かった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、受け治具をワークに対して確実に当接させて該ワークを安定して支持でき、精度の良い加工を行わせることができると共に、保持換えすることなくワークの異なる複数の被加工面を連続加工させることができるワーク加工用治具を提供することである。
更には、上記ワーク加工用治具を備えるワーク自動加工装置、そのワーク加工方法、ワーク加工プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係るワーク加工用治具は、ワークの加工時に該ワークを固定するワーク加工用治具であって、前記ワークの被加工面を外部に露出させた状態で前記ワークを着脱自在に保持すると共に、軸線回りに回転自在に支持され、且つ前記ワークの第1加工位置から軸線回りに回転させられる回転治具体と、前記第1加工位置で前記ワークを支持する受け治具と、を備え、前記軸線は、前記回転治具体が回転時において前記受け治具と干渉しない位置に配置されていることを特徴とする。
本発明に係るワーク加工用治具によれば、回転治具体が第1加工位置に配置されている場合、受け治具を利用してワークを支持できるので、ワークの変形を抑制しながら加工することができる。よって、加工深さばらつきを生じさせることなく精度良く加工を行える。また、加工後、回転治具体を第1加工位置から軸線回りに回転させることで、ワークを保持したまま該ワークの姿勢を変化させることができ、ワークの異なる複数の被加工面を加工させることも可能である。
特に、回転治具体の回転中心線である軸線は、該回転治具体が回転時において受け治具と干渉しない位置(偏心位置)に配置されているので、第1加工位置に配置された上記受け治具を退避させなくても回転治具体を回転させることができる。従って、該受け治具を第1加工位置に精度良く配置でき、該受け治具をワークに対して確実に当接させて、該ワークを安定且つ確実に支持できる。従って、ワークの変形を効果的に抑制でき、精度の良い加工を行なわせることができる。
また、回転治具体の回転に伴って受け治具を退避させる必要がないので、退避ストロークを考慮しなくて済み、回転治具体の位置を設置面に近い低位置に配置し易い。従って、ワーク加工用治具全体の高さを低く抑えることができ、高剛性な設計にし易い。
(2)本発明に係るワーク加工用治具において、前記回転治具体は、前記第1加工位置と、前記ワークが表裏反転させられる第2加工位置と、の間で往復回転させられ、前記第2加工位置で前記ワークを支持する反転受け治具を備え、前記軸線は、前記回転治具体が回転時において前記反転受け治具と干渉しない位置に配置されていることが好ましい。
この場合には、回転治具体を第1加工位置と第2加工位置との間で往復回転させることで、ワークを表裏反転させることができるので、少なくともワークの表面及び裏面の2つの被加工面の加工を行わせることができる。
特に、第2加工位置に反転受け治具が具備されているので、第2加工位置においてもワークを支持することができる。従って、ワークの表面及び裏面のいずれを加工する場合であっても、ワークの変形を抑制でき、加工深さばらつきを生じさせることなく精度良く加工させることができる。
しかも、軸線は回転治具体が回転時において、反転受け治具に対しても干渉しない位置に配置されているので、反転受け治具を退避させなくても回転治具体を回転させることができる。従って、反転受け治具を第2加工位置に精度良く配置でき、該反転受け治具をワークに対して確実に当接させて、該ワークを安定且つ確実に支持できる。
(3)本発明に係るワーク加工用治具において、前記反転受け治具を前記ワークに対して接近離間する方向に往復移動させる移動機構を備え、前記移動機構は、前記回転治具体が前記第2加工位置に配置された後、前記反転受け治具を前記ワークに対して接近移動させ、該反転受け治具を前記ワークに対して当接させることが好ましい。
この場合には、移動機構によって反転受け治具を移動させることができるので、ワークの厚みにばらつきがあったとしても、そのばらつきに柔軟に対応でき、反転受け治具をワークに対してより確実に当接させることができる。また、厚みの異なるワークについても、柔軟に対応することができ、反転受け治具をワークに対して確実に当接させることができる。従って、厚みの異なる各種のワークに幅広く対応でき、製品価値を高めることができる。
なお、ワークの厚み変化に対応する程度に反転受け治具を移動させるだけであるので、反転受け治具を大きく動作させる必要がない。
(4)本発明に係るワーク加工用治具において、前記移動機構は、電圧印加による変形により前記反転受け治具を往復移動させる圧電体を具備していることが好ましい。
この場合には、圧電体を利用するので、位置決め誤差を極力抑えながら反転受け治具を微細且つ高精度に移動させることができ、ワークに対して反転受け治具をさらに精度良く当接させることができる。
(5)本発明に係るワーク加工用治具において、前記回転治具体が前記第2加工位置に配置された際、前記ワークの位置を検出する位置検出部を備え、前記移動機構は、前記位置検出部による検出結果に基づいて前記反転受け治具を前記ワークに対して接近移動させることが好ましい。
この場合には、位置検出部による検出結果に基づいて反転受け治具を移動させるので、さらに精度良く反転受け治具をワークに対して当接させ易い。
(6)本発明に係るワーク加工用治具において、前記回転治具体は、前記ワークが載置される載置部材と、該載置部材との間で前記ワークを押さえ込むワーク押さえと、該ワーク押さえを前記載置部材側に押圧して、前記ワークを押さえ込みによって保持させるクランプ部と、を備え、前記クランプ部は、開閉自在とされ、開閉動作に伴って前記押圧及びその解除が切り替わることが好ましい。
この場合には、クランプ部を利用して、載置部材とワーク押さえとの間でワークを押さえ込んで保持するので、加工中にワークをがたつかせることなく安定して保持でき、加工負荷に対応することができる。よって、高精度な加工に繋げることができる。
しかも、従来のような治具盤側の案内ピンとワーク側の案内孔との組み合わせによるセット方法とは異なり、ワーク押さえを利用した押さえ込みによるセット方法であるので、ワークのセット時にがたつきが生じ難く、この点においても高精度な加工に繋げることができる。また、クランプ部の開閉動作によって、ワークの保持及びその解除を容易且つスムーズに行えるので、ワークのセットや交換等をスムーズに行える。
(7)本発明に係るワーク自動加工装置は、上記本発明のワーク加工用治具と、該ワーク加工用治具に固定された前記ワークの前記被加工面を加工する加工機構と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るワーク自動加工装置によれば、ワーク加工用治具を備えているので、ワークの保持換えを行うことなく、加工機構を利用してワークの異なる複数の被加工面を一連の流れ中で連続加工することができる。特に、受け治具を利用してワークの変形を抑制しながら加工できるので、加工深さばらつきを生じさせることなく精度良く加工を行える。
(8)本発明に係るワーク加工方法は、ワークの被加工面を外部に露出させた状態で前記ワークを着脱自在に保持すると共に、軸線回りに回転自在に支持され、且つ前記ワークの第1加工位置から軸線回りに回転させられる回転治具体と、前記第1加工位置で前記ワークを支持する受け治具と、を備え、前記軸線が、前記回転治具体が回転時において前記受け治具と干渉しない位置に配置されているワーク加工用治具と、前記ワークの前記被加工面を加工する加工機構と、を具備するワーク自動加工装置を利用したワーク加工方法であって、前記回転治具体を第1加工位置で停止させて、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第1の加工工程と、前記回転治具体を軸線回りに回転させて前記第1加工位置とは異なる位置で停止させ、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第2の加工工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るワーク加工方法によれば、ワーク自動加工装置を利用して、ワークの保持換えを行うことなく、ワークの異なる複数の被加工面を一連の流れ中で連続加工することができる。特に、ワークの保持換えを行う必要がないので、従来のような保持換えに伴う加工精度の低下を招くことがなく、高精度な加工を行えることができると共に、効率良く連続加工できるので加工品質の向上化及び製品コストの低減を図ることができる。
(9)本発明に係るワーク加工プログラムは、ワークの被加工面を外部に露出させた状態で前記ワークを着脱自在に保持すると共に、軸線回りに回転自在に支持され、且つ前記ワークの第1加工位置から軸線回りに回転させられる回転治具体と、前記第1加工位置で前記ワークを支持する受け治具と、を備え、前記軸線が、前記回転治具体が回転時において前記受け治具と干渉しない位置に配置されているワーク加工用治具と、前記ワークの前記被加工面を加工する加工機構と、を具備するワーク自動加工装置のコンピュータに、前記回転治具体を第1加工位置で停止させて、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第1の加工工程と、前記回転治具体を軸線回りに回転させて前記第1加工位置とは異なる位置で停止させ、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第2の加工工程と、を実行させることを特徴とする。
本発明に係るワーク加工プログラムによれば、ワーク自動加工装置のコンピュータに第1の加工工程及び第2の加工工程を確実に実行させることができるので、ワークの保持換えを行うことなく、ワークの異なる複数の被加工面を一連の流れ中で連続加工させることができる。
(10)本発明に係る記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、請求項9に記載のワーク加工プログラムが記録されたことを特徴とする。
本発明に係る記録媒体によれば、例えばワーク自動加工装置のコンピュータに対してインストール等することで、上述した連続加工を確実に実行させることができる。特に、プログラムの流通等に好適に対応できる。
本発明によれば、受け治具をワークに対して確実に当接させて該ワークを安定して支持でき、精度の良い加工を行わせることができると共に、保持換えすることなくワークの異なる複数の被加工面を連続加工させることができる。
本発明に係るワーク自動加工装置のブロック図である。 図1に示すワーク加工用治具の全体上面図である。 図2に示すワーク加工用治具の縦断面図である。 図2に示すA−A線に沿った断面図である。 図2に示すワーク加工用治具の斜視図である。 図5に示すワーク加工用治具を逆方向から見た斜視図である。 図2に示すワーク加工用治具で固定されるワークの斜視図である。 図2に示すワーク加工用治具における回転ブロックの拡大上面図である。 図8に示す回転ブロックの縦断面図である。 図9に示す載置リングの平面図である。 図10に示すB−B線に沿った断面図である。 図10に示すC−C線に沿った断面図である。 図9に示す押さえワークの平面図である。 図13に示すD−D線に沿った断面図である。 図13に示す押さえワークを裏側から見た平面図である。 図5に示す状態から、回転治具体を90度回転させた状態を示す斜視図である。 図15に示す状態から、回転治具体をさらに90度回転させた状態を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
<ワーク自動加工装置>
図1に示すように、本実施形態のワーク自動加工装置1は、ワークWにおける異なる複数の被加工面を自動的に加工する装置であって、ワーク加工用治具1と、複数のワークWが収納されたパレット1(収納トレー)201と、パレット201内に収納されている加工前のワークWをワーク加工用治具1に搬送すると共に、加工終了後に、そのワークWを再度パレット201内に搬送する搬送ロボット202と、ワーク加工用治具1に固定されたワークWに対して加工を行う加工機構203と、これら各構成品を総合的に制御する制御部95と、を備えている。
搬送ロボット202は、例えば多関節型のロボットであり、複数の爪部を有するハンド部を具備している。ハンド部は、これら爪部を利用してワークWを自在に把持することが可能とされている。ワーク加工用治具1は、搬送ロボット202によってワークWの着脱が行われるセットポジションS1と、加工機構203によってワークWの加工が行われる加工ポジションS2と、の間を例えば往復移動自在とされている。
加工機構203は、複数の加工具(例えば径の異なる加工ドリル等)203aを具備しており、加工ポジションS2に移動してきたワーク加工用治具1に固定されているワークWに対して、加工具203aを適宜交換しながら予め入力された加工データに基づいてワークWの加工を行うことが可能とされている。この際、加工機構203は、ワークWに対して一方向側からアプローチして加工を行うように配置されている。
なお、ワーク加工用治具1には、ワークWの加工中に加え、任意のタイミングで切削液が供給される。これにより、加工屑の除去やワークWの洗浄、加工中におけるワークWの冷却等が可能とされている。
上記制御部95は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory )、ROM(Read Only Memory )、各種インターフェース等に加え、後述する記録媒体95aを有している。
この制御部95は、その動作の一例として、例えばCPUが記録媒体95aに記憶される本発明におけるワーク加工プログラムを読み出し実行することにより、後述する本発明における第1加工工程及び第2加工工程を実行している。
なお、ワーク加工プログラムとは、ワークWを加工するためにワーク自動加工装置1を制御するためのプログラムである。このワーク加工プログラムは、コンピュータ読み取り可能な上記記録媒体95aに記録されている。
なお、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROMや半導体メモリ等の可搬媒体であり、ドライブ装置(例えば、CD−ROMドライブ装置等)やインターフェース(例えば、USBインターフェース等)を介して読み込まれるものである。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、上記可搬媒体に限られず、コンピュータシステム(OSや周辺機器等のハードウェアを含むものをいう)に内蔵されるハードディスク等の記憶部であっても良い。
更に、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。
(ワーク加工用治具)
以下、上記したワーク加工用治具1の構成について詳細に説明する。
ワーク加工用治具1は、ワークWの加工時に該ワークWを固定するための治具であって、図2〜図6に示すように、ワーク加工用治具1は、ワークWを着脱自在に保持すると共に、軸線O1回りに回転自在に支持された回転治具体2と、回転治具体2を回転自在に支持する支持体3と、回転治具体2を軸線O1回りに回転させると共に、選択された複数の回転角度で該回転治具体2を停止可能なモータ部(回転駆動部)4と、を備えている。
なお、本実施形態では、図2及び図3に示す状態において方向を定義する。即ち、上記軸線O1の延在方向を左右方向L1といい、該左右方向L1に直交し、且つ支持体3における後述する底壁部81と回転治具体2における後述する載置リング20とを結ぶ方向を上下方向L2といい、左右方向L1及び上下方向L2にそれぞれ直交する方向を前後方向L3という。
また、左右方向L1のうち、ワークWに向かう方向を左右方向L1の内方といい、その反対を左右方向L1の外方という。更に、上下方向L2のうち、底壁部81から載置リング20に向かう方向を上方、その反対を下方とする。
本実施形態のワークWは、図7に示すように、略円板状に形成され、その第1主面(表面及び裏面のうちの一方)W1、第2主面(表面及び裏面のうちの他方)W2、及び外周面W3が被加工面とされているものとして説明する。このようなワークWとしては、例えば時計用ムーブメントを構成する地板等が挙げられる。
なお、図示の例では、ワークWの外周縁部の一部に直線状に切り欠かれたオリフラ部W4(orientation flat )が形成されており、これによりワークWの向きを判断することが可能とされている。
(回転治具体)
上記回転治具体2は、図2〜図6に示すようにモータ部4によって複数の回転角度で停止させられると共に、各回転角度で加工に供されるワークWの被加工面(即ち、第1主面W1、第2主面W2及び外周面W3)を外部に露出させた状態で該ワークWを保持する部材である。
具体的には、この回転治具体2は、回転ブロック10と、回転ブロック10の左右方向L1の両端部にそれぞれ連結され、左右方向L1の外方に向けて延びた第1回転軸部11及び第2回転軸部12と、を備えている。
ところで、本実施形態では、回転治具体2を構成する第1回転軸部11及び第2回転軸部12は、軸線O1と同軸に配設されているが、回転ブロック10は軸線O1に対して平行に延びるブロック軸O3を中心に配設されている。これら軸線O1とブロック軸O3とは、前後方向L3に間隔を開けた状態で左右方向L1に互いに平行に延び、且つ上下方向L2には高さが一致している。この際、軸線O1とブロック軸O3とは、軸線O1がワークWを横切らない程度、前後方向L3に間隔を開けて配置されている。
これにより、回転治具体2は、ブロック軸O3に対して偏心した軸線O1回りに回転させられる。より具体的には、図4に示すように、ワークWの第1主面W1が加工させられる第1加工位置P1と、ワークWが表裏反転させられて第2主面W2が加工させられる第2加工位置P2と、の間で軸線O1回りに往復回転させられる。
回転ブロック10は、図8及び図9に示すように、ワークWが載置される載置リング(載置部材)20と、この載置リング20における載置面22aとの間でワークWを押さえ込むワーク押さえ30と、ワーク押さえ30を載置リング20側に押圧して、ワークWを押さえ込みによって保持させるクランプ部40と、載置リング20が固定されると共に上記クランプ部40が開閉自在に取付けられたブロック本体50と、を備えている。
(回転治具体:ブロック本体)
上記ブロック本体50は、左右方向L1に延在すると共に、上記ブロック軸O3を中心に所定の直径で概略円柱状に形成されている。このブロック本体50における左右方向L1の中央部は、例えば上下方向L2から切削加工されることで所定の厚みに形成されたベース板51とされている。よって、このベース板51における上面51a及び下面51b(図16及び図17参照)は、上下方向L2に直交する水平面に対して平行な平坦面とされている。
ベース板51における中央部分には、該ベース板51を上下方向L2に貫通する平面視円形状の貫通孔52が形成されている。更に、ベース板51の上面51a側及び下面51b側には、この貫通孔52よりも拡径した平面視円形状の開口凹部53、54がそれぞれ所定の深さで形成されている。この際、開口凹部53、54は、上下方向L2に伸びる貫通孔52の貫通軸O2と同軸に形成されている。
そして、上記した貫通孔52及び2つの開口凹部53、54によって、ベース板51には貫通軸O2を中心とした環状鍔部55が形成されている。この際、環状鍔部55の上面に沿ってブロック軸O3が延在するように高さ設定されている。
また、ベース板51には、ブロック本体50の外部と貫通孔52内とを連通する連通孔56(図5参照)が前後方向L3の一方向側から形成されている。従って、この連通孔56を通じて、ブロック本体50の外部から貫通孔52内への加工具203a(図1参照)の進入が可能とされている。
また、ブロック本体50において、上記したベース板51を間に挟んで左右方向L1の両側に位置する両端部には、水平面に対して平行な上端面及び下端面が形成されていると共に、上端面側に開口した平面視四角形状の陥没凹部57がベース板51の上面51aよりも深い位置まで形成されている。
(回転治具体:載置リング)
上記載置リング20は、ブロック本体50における環状鍔部55に対して下方側から固定される部材であって、貫通軸O2を中心としてリング状に形成されている。
この載置リング20は、図9〜図11に示すように、環状鍔部55の下面に当接する第1リング21と、この第1リング21に対して一体的に形成され、貫通孔52内に進入すると共に環状鍔部55の径方向内側に配設される第2リング22と、を備えている。
第1リング21は、ブロック本体50におけるベース板51の下面51b側に形成された開口凹部54内に収納可能な外径サイズとされており、周方向に一定の間隔を開けて複数のねじ孔21aが形成されている。そして、この第1リング21は、上記各ねじ孔21aに挿通された固定ねじによって環状鍔部55に固定されている。これにより、載置リング20の全体が、ブロック本体50に対して一体的に固定されている。
第2リング22は、その上面が環状鍔部55の上面に対して面一とされている。そして、この第2リング22の上面にワークWが載置される。従って、第2リング22の上面は、ワークWが載置される載置面22aとして機能する。
なお、この載置面22aは、上記したように環状鍔部55の上面に対して面一とされているので、該載置面22aに沿ってブロック軸O3が左右方向L1に延在している。
上記載置面22aには、ワークWの形状に倣った図示しない窪み部が形成され、これにより微小な段差が付いている。そして、この窪み部を利用することで、ワークWを決められた方向に向けた状態(オリフラ部W4をベース板51に形成された連通孔56側に向けた状態)で載置することが可能とされている。なお、載置されたワークWは、第2リング22の開口部及び第1リング21の開口部を通じて、その第2主面W2が外部に露出される。
第2リング22には、ワークWに一対の位置決め孔を形成する際の加工具203aの干渉を回避するための一対の逃がし孔24が形成されている。図示の例では、貫通軸O2を挟んで左右方向L1の反対側に位置する部分において、第2リング22を貫通するように形成されている。
また、載置リング20には、図10及び図12に示すように、ベース板51側に形成された連通孔56に対応した位置において、第1リング21から第2リング22に亘って切欠溝25が形成されている。この切欠溝25は、ブロック本体50の外部から連通孔56内に加工具203aが進入した際、該加工具203aとの干渉を回避するための逃がし部として機能する。
(回転治具体:ワーク押さえ)
上記ワーク押さえ30は、図8及び図9に示すように、載置リング20の載置面22aに載置されたワークWの第1主面W1側に重ねられ、上記したクランプ部40による押圧力によって、載置面22aとの間で該ワークWを押さえ込んで保持する部材であって、貫通軸O2を中心とした環状に形成されている。
このワーク押さえ30は、図8、図9、及び図13〜図15に示すように、ブロック本体50におけるベース板51の上面51a側に形成された開口凹部53内に収納可能な外径サイズとされた環状の押さえ本体31を備えている。
この押さえ本体31は、上記した開口凹部53内に収納可能な厚みとされている。これにより、ワーク押さえ30は、この開口凹部53によって左右方向L1及び前後方向L3への位置決めがなされると共に、クランプ部40によって上方への抜けが規制される。
押さえ本体31の開口部31aは、平面視円形状に形成されており、載置リング20における第2リング22の開口部と略同サイズとされている。そのため、ワーク押さえ30に押さえ込まれたとしても、ワークWの第1主面W1は、押さえ本体31の開口部31aを通じてブロック本体50の外部に露出可能とされている。
また、押さえ本体31の上面側には、上記開口部31aを径方向の外側から囲む第1段差部32が形成されている。図示の例では、この第1段差部32は外形が平面視円形状に形成されている。同様に、押さえ本体31の下面側にも、上記開口部31aを径方向の外側から囲む第2段差部33が形成されている。この第2段差部33は、載置面22aに形成された窪み部と同様に、平面視の形状がワークWの形状に倣って形成されている。これにより、載置面22aに載置されたワークWは、この第2段差部33内に収納可能とされている。
そして、上記した第1段差部32及び第2段差部33によって、環状の押さえリング34が形成されている。この押さえリング34は、第2段差部33内に収納されたワークWの外周縁部を略全周に亘って押さえ付ける役割を果しており、これによって載置面22aとの間でワークWを押さえ付けて保持することが可能とされている(図9参照)。
なお、第2段差部33の深さは、ワークWが第2段差部33内に収納された際に該ワークWを押さえ本体31の下面側に突出させる程度の深さとされている。これにより、クランプ部40の押圧力に応じて確実にワークWだけを押さえ付けて保持することが可能とされている。
また、押さえ本体31の外周縁部には、ベース板51側に形成された連通孔56に対応した位置において切欠孔35が形成され、さらに押さえ本体31の下面側には、この切欠孔35に連通して切欠溝36が形成されている。これら切欠孔35及び切欠溝36は、ブロック本体50の外部から連通孔56内に加工具203aが進入した際、該加工具203aとの干渉を回避するための逃がし部として機能する。
更に、押さえリング34には、ワークWに対して一対の位置決め孔を形成する際の加工具203aが挿通される一対の加工孔37が形成されている。図示の例では、貫通軸O2を挟んで左右方向L1の反対側に位置する部分において、押さえリング34を貫通するように形成されている。よって、ワーク押さえ30側の一対の逃がし孔24と、載置リング20側の一対の加工孔37とは、上下方向L2にその位置が対応している(図9参照)。
ところで、上記のように構成されたワーク押さえ30は、先に述べた搬送ロボット202によってワークWと同様に取り扱われる。
具体的には、図1に示すように、ワーク加工用治具1へのワークWのセット時やワークWの回収時等、搬送ロボット202は、ワーク押さえ30をワーク加工用治具1から仮置き場205に一旦搬送する作業を行う。その際、搬送ロボット202におけるハンド部の爪部が係合する図示しない係合孔が、例えば第1段差部32の側壁に形成されている。
また、図13〜図15に示すように、ワーク押さえ30の向きを位置決めさせた状態で仮置き場205にセットさせるための位置決め孔38が押さえ本体31に形成されている。
これら位置決め孔38は、押さえ本体31を貫通する貫通孔とされ、一対の加工孔37よりもさらに左右方向L1の外方に位置した部分に形成されている。この際、一方の位置決め孔38は平面視円形状とされ、他方の位置決め孔38は平面視楕円形状とされており、その形状の違いによってワーク押さえ30の向きを規制することが可能とされている。
なお、仮置き場205には、上記一対の位置決め孔38に応じた図示しない位置決めピンが立設されている。これによって、搬送ロボット202は、ワーク押さえ30の向きを間違えることなく、ワーク加工用治具1と仮置き場205との間で往復移動させることが可能とされている。
(回転治具体:クランプ部)
図8及び図9に示すように、上記クランプ部40は、ブロック本体50に開閉自在に取付けられており、その開閉動作に伴って、ワーク押さえ30の押圧及びその解除を切り替えることが可能とされている。
本実施形態のクランプ部40は、ワーク押さえ30を挟んで左右方向L1の反対側に向かい合うように一組設けられている。なお、クランプ部40の構成は同じであるので、以下では一方のクランプ部40について説明し、他方のクランプ部40の説明は省略する。
なお、図8では、一方のクランプ部40が押さえワーク30をクランプし、他方のクランプ部40がクランプを解除している状態を図示している。
このクランプ部40は、ワーク押さえ30を上方から押さえ付ける押さえアーム41と、後述するピストンロッド70の上端部に連結される連結アーム42と、を備え、ブロック本体50の両端部に形成された陥没凹部57内に配設された状態で前後方向L3に延びるクランプ軸43に軸支されている。
押さえアーム41は、前後方向L3に間隔を開けながら左右方向L1の内方に向けて平行に延びたアームであり、その先端部がワーク押さえ30の押さえ本体31を上方から覆うように配設されている。これにより、クランプ部40をクランプ軸43回りに回転させることで、この押さえアーム41の先端部を介してワーク押さえ30を押さえ込むことが可能とされている。
なお、押さえアーム41の先端部には、ゴム等の弾性部材41aが取付けられており、ワーク押さえ30に対して傷等を付けることなく接することが可能とされている。
連結アーム42は、押さえアーム41の内側に配設されており、前後方向L3に間隔を開けながら左右方向L1の外方に向けて平行に延びたアームとされている。連結アーム42の先端部は、後述するピストンロッド70の上端部を前後方向L3から挟んでおり、これら先端部及びピストンロッド70の上端部は前後方向L3に伸びる連結ピン44によって互いに連結されている。
この際、連結ピン44は、連結アーム42の先端部に形成された長穴42a内に挿通されている。これにより、ピストンロッド70の上下方向L2の往復移動に伴って、連結ピン44が長穴42a内で相対的にスライド移動するので、連結アーム42はクランプ軸43回りに回転運動させられる。
つまり、クランプ部40は、ピストンロッド70の上下方向L2の往復移動に伴ってクランプ軸43回りに回転し、押さえアーム41の先端部を開閉させることが可能とされている。これにより、ワーク押さえ30の押さえ付け及びその解除を切り替えがなされる。
上記ピストンロッド70は、上下方向L2に沿って往復移動可能にブロック本体50内に配設されており、その下端部にはシリンダ室71内に収納されたピストン部70aが取付けられ、且つその上端部は上記したように陥没凹部57内にてクランプ部40の連結アーム42に連結されている。
シリンダ室71内には、図示しない作動油が、ピストン部70aよりも上方に位置する上部空間及びピストン部70aよりも下方に位置する下部空間にそれぞれ任意の圧力で供給されている。これにより、ピストン部70aの上下に作動油の圧力差(油圧差)が生じ、この油圧差によってピストンロッド70は上下方向L2に往復移動するように制御されている。
(第1回転軸部、第2回転軸部)
以上のように構成された回転ブロック10には、先に述べたように、軸線O1と同軸に配設された第1回転軸部11及び第2回転軸部12が図3に示すように連結されている。
第1回転軸部11は、左右方向L1に延びた第1回転筒部11aと、該第1回転筒部11aの左右方向L1の内方に形成された第1フランジ部11bと、を備え、該第1フランジ部11bを介して回転ブロック10におけるブロック本体50に連結されている。
第1回転筒部11aは、軸線O1と同軸に配設された第1支持筒75内に略全長に亘って挿入されており、第1軸受部76を介してこの第1支持筒75に回転自在に支持されている。第1フランジ部11bは、平面視楕円状に形成されており、第1回転筒部11aと、軸線O1に対して偏心しているブロック軸O3を中心に配設されたブロック本体50と、を連結している。
第2回転軸部12は、左右方向L1に延びた第2回転筒部12aと、該第2回転筒部12aの左右方向L1の内方に形成された第2フランジ部12bと、を備え、該第2フランジ部12bを介して回転ブロック10におけるブロック本体50に連結されている。
なお、ブロック本体50と第2フランジ部12bとの間には、平面視楕円状に形成された中間板77が介在されており、該中間板77を介して、第2フランジ部12bと、軸線O1に対して偏心しているブロック軸O3を中心に配設されたブロック本体50とは連結されている。
第2回転軸部12は、軸線O1と同軸に配設され、左右方向L1の両側が開口した第2支持筒78内に一方の開口側から挿入されており、第2軸受部79を介して回転自在に支持されている。この際、第2回転軸部12は、第2フランジ部12bが第2支持筒78の径方向の内側に配置されるように、この第2支持筒78内に挿入されている。なお、第2フランジ部12bの外周縁部には、ラビリンスシール等のシール部12cを介して第2支持筒78に摺接されている。
(支持体)
次に、上述した回転ブロック10、第1回転軸部11及び第2回転軸部12を具備する回転治具体2を回転自在に支持する上記支持体3について説明する。
この支持体3は、図2〜図6に示すように、上記した第1支持筒75及び第2支持筒78と、これら第1支持筒75及び第2支持筒78を互いに連結した状態で支持する支持台80と、を備えている。
支持台80は、移動プレート206(図1参照)上に取付けられた底壁部81と、該底壁部81上における左右方向L1の両端部側に設けられ、第1支持筒75及び第2支持筒78を各別に支持する支持枠82と、を備えている。
(モータ部)
次に、回転治具体2を回転させる上記モータ部4について説明する。
このモータ部4は、例えばハーモニック減速機付きのサーボモータであって、図3に示すように、第2支持筒78内に他方の開口側から挿入されることで取付けられている。この際、モータ部4の出力軸部4aの一部は、第2回転筒部12a内に挿入されており、セットねじ90を介して第2回転筒部12aに対して連結されている。これにより、モータ部4の駆動に伴って回転治具体2を軸線O1回りに回転させることが可能とされている。
なお、上記セットねじ90は、第2支持筒78及び支持枠82を連続して形成された連結孔91を通じて取付けることが可能である。なお、この連結孔91は、ねじ部材91a(図5及び図6参照)によって塞がれている。
また、モータ部4は、制御部95によってその回転方向及び回転量が制御されている。本実施形態の場合では、図4に示すように、ワークWの第1主面W1が加工させられる第1加工位置P1と、該位置から180度回転した位置、即ち、ワークWが表裏反転させられて第2主面W2が加工させられる第2加工位置P2と、の間で正逆回転させられる。この際、第1加工位置P1及び第2加工位置P2に加え、第1加工位置P1から90度回転した第3加工位置P3の、3つの加工位置で回転治具体2を停止させるように制御される。
(クランプ部の作動機構)
ところで、図2及び図3に示すように、第1回転筒部11aには、ロータリージョイント等を介して上記作動油を供給及び排出する作動油配管100が接続されている。一方の作動油配管100は、シリンダ室71内におけるピストン部70aの上部空間側に作動油を供給すると共に、この上部空間側から作動油を排出するための管路である。また、他方の作動油配管100は、シリンダ室71内におけるピストン部70aの下部空間側に作動油を供給すると共に、この下部空間側から作動油を排出するための管路である。
従って、これら作動油配管100を利用することで、ピストン部70aの上下に油圧差を作り出すことができ、ピストンロッド70を上下方向L2に往復移動させることが可能とされている。
なお、これら作動油配管100は、例えば図示しないソレノイドバルブに接続され、該ソレノイドバルブによる開閉操作に伴って上記油圧差を逆転させることが可能とされている。
(ワークの受け治具)
また、本実施形態のワーク加工用治具1は、図2〜図6に示すように、第1加工位置P1でワークWを支持する第1受け治具(受け治具)110と、第2加工位置P2でワークWを支持する第2受け治具(反転受け治具)111と、を備えている。
第1受け治具110は、第1加工位置P1に配置されたブロック本体50におけるベース板51の真下に配置されており、上記底壁部81上に立設された第1土台部115によって支持されている。
この第1受け治具110は、上端面が支持面とされた円柱状に形成されており、その直径は載置リング20における第2リング22の開口部よりも縮径している。そして、この第1受け治具110は、支持面の高さがブロック軸O3に一致した状態で、貫通軸O2と同軸に配置されるように第1土台部115によって支持されている。
これにより、第1受け治具110は、ブロック本体50が第1加工位置P1に配置された際に、載置リング20の径方向の内側に配置され、露出しているワークWの第2主面W2の略全面に亘って支持面が当接し、該ワークWを支持することが可能とされている。
なお、支持面は、ワークWの第1主面W1側を加工する際のワーク受け面として機能し、その加工に応じた凹凸形状とされている。
第2受け治具111は、第2加工位置P2に配置されたブロック本体50におけるベース板51の真下に配置されており、上記底壁部81上に立設された第2土台部120によって支持されている。
この第2受け治具111は、第1受け治具110と同様に、上端面が支持面とされた円柱状に形成されており、その直径は第1受け治具110と同径で、且つワーク押さえ30の開口部よりも縮径している。そして、この第2受け治具111は、支持面の高さがブロック軸O3よりもワークWの厚み分だけ下方に位置した状態で、貫通軸O2と同軸に配置されるように第2土台部120によって支持されている。
これにより、第2受け治具111は、ブロック本体50が第2加工位置P2に配置されてワークWが反転された際に、ワーク押さえ30の径方向の内側に配置され、露出しているワークWの第1主面W1の略全面に亘って支持面が当接し、該ワークWを支持することが可能とされている。
なお、支持面は、ワークWの第2主面W2側を加工する際のワーク受け面として機能し、その加工に応じた凹凸形状とされている。
ところで、ブロック軸O3に対して偏心している軸線O1は、図4に示すように、回転治具体2が第1加工位置P1と第2加工位置P2との間で往復回転させられる際に、該回転治具体2が第1受け治具110及び第2受け治具111に対してそれぞれ干渉しない位置に配置されている。
具体的には、第1受け治具110の支持面に亘って上下方向L2に通過する第1投影領域E1、及び第2受け治具111の支持面に亘って上下方向L2に通過する第2投影領域E2に対してそれぞれ非交差となるように軸線O1が配置されている。そのうえで、この軸線O1は、ブロック軸O3に対して上下方向L2の高さを一致させた状態で平行に配置されている。
また、上記第2受け治具111を支持する第2土台部120は、底壁部81に取付けられた固定筒121と、該固定筒121の上端部に、上下方向L2に移動可能に取付けられた可動筒122と、を備え、第2受け治具111をワークWに対して接近離間する上下方向L2に沿って往復移動させる移動機構として機能する。
固定筒121の内部には、電圧印加による伸縮変形によって可動筒122を上下方向L2に往復移動させる圧電アクチュエータ(圧電体)123が内蔵されている。これにより、圧電アクチュエータ123を利用して、可動筒122を介して第2受け治具111を上下方向L2に移動(微動)させることが可能とされている。
また、固定筒121には、回転治具体2が第2加工位置P2に配置された際、ワークWの位置を検出する位置検出部125が取付けられている。この位置検出部125は、上方付勢状態で上下移動可能に立設された押し込みピン126を有している。
この押し込みピン126は、その先端部がブロック軸O3と同じ高さに位置しており、ワークWの第1主面W1によって図4に示す如く押し込まれるピンとされている。つまり、押し込みピン126は、ワークWの厚み分だけ押し込まれる。よって、その押し込み量に基づいて、ワークWの第1主面W1の高さを正確に検出することが可能とされている。
制御部95は、上記圧電アクチュエータ123に電圧を印加する印加部を有しており、第2受け治具111の移動を制御している。
具体的には、回転治具体2が第2加工位置P2に配置される前段階では、第2受け治具111を下方に退避させ、回転治具体2が第2加工位置P2に配置された後に、第2受け治具111をワークWに対して接近移動させるように制御している。この際、制御部95は、押し込みピン126の押し込み量に基づいて、第2受け治具111をワークWに対して接近移動させている。
<ワークの加工方法>
次に、上記のように構成されたワーク加工用治具1を具備するワーク自動加工装置1を利用して、複数枚のワークWを連続的且つ自動で加工する場合について説明する。
なお、初期状態としては、ワーク加工用治具1にワークWがまだ保持されていないものとする。また、ワーク加工用治具1は、ワークWの着脱が行われるセットポジションS1に移動しているものとする。更に、回転治具体2は、第1加工位置P1に配置されているものとする。
このような初期状態のもと、制御部95に加工開始の信号が入力されると、制御部95が各構成品の作動を、記録媒体95aに記録されたワーク加工プログラムに基づいて開始する。作動が開始されると、まずソレノイドバルブが開操作され、ピストン部70aよりも上方に位置する上部空間側の油圧が高くなるように、作動油配管100を通じてシリンダ室71内に作動油が供給される。これにより、ピストンロッド70が下方移動すると共に、これに伴ってクランプ部40が開操作(アンクランプ)される。つまり、クランプ部40は、押さえアーム41の先端部が上方移動するようにクランプ軸43回りに回転する。
すると、搬送ロボット202は、複数の爪部を有するハンド部を利用してクランプが解かれたワーク押さえ30を把持し、該ワーク押さえ30をワーク加工用治具1から仮置き場205に搬送して、該仮置き場205に一旦載置する。次いで、搬送ロボット202は、ハンド部を利用してパレット201内に収納されている未加工のワークWを把持し、該ワークWをワーク加工用治具1まで搬送して、載置リング20の載置面22a上に載置する。この際、載置面22a上に形成された窪み部の形状に合わせてワークWを載置できるので、ワークWの向きを位置決めした状態で載置することが可能である。これにより、ワークWのオリフラ部W4がブロック本体50に形成された連通孔56側に向いた状態となる。
ワークWを載置した後、搬送ロボット202は、ハンド部を利用して仮置き場205に一旦載置していたワーク押さえ30を把持し、該ワーク押さえ30をワーク加工用治具1まで搬送する。そして、ワークWに被せるように、ブロック本体50における開口凹部53内に嵌め込む。これにより、ワーク押さえ30が開口凹部53によって前後方向L3及び左右方向L1に位置決めされ、ワーク押さえ30の第2段差部33内にワークWが確実に入り込んだ状態で該ワーク押さえ30がワークWに対して重ねられる。
そして、このワーク押さえ30をそのまま搬送ロボット202で押さえつけながら、クランプ部40を閉操作してクランプ作業に移行する。
つまり、ソレノイドバルブを閉操作して、ピストン部70aよりも下方に位置する下部空間側の油圧が高くなるように作動油の油圧差を調整し、ピストンロッド70を上方移動させる。これにより、図9に示すように、押さえアーム41の先端部が下方移動するようにクランプ部40をクランプ軸43回りに回転させることができ、ワーク押さえ30を載置リング20側に押圧することができる。これにより、押さえリング34と載置面22aとの間でワークWを押さえ込んで保持することができる。
また、ワークWが保持されると、その第2主面W2は、載置リング20の径方向の内側に配置されている第1受け治具110の支持面に当接して支持される。そして、この状態のまま、移動プレート206をスライド移動させて、ワーク加工用治具1をセットポジションS1から加工ポジションS2に移動させる。そして、ワーク加工用治具1が加工位置に移動した後、回転治具体2を適宜回転させながら加工機構203を作動させて、ワークWの第1主面W1、第2主面W2及び外周面W3を予め入力された加工データにしたがって連続的に加工する作業に移行する。
この際、回転治具体2が回転するので、ワークWの異なる3面を一連の流れの中で連続的に加工することが可能である。また、その加工順番及び加工回数は加工データに応じて任意に設定することが可能である。
ここでは、その一例として第1主面W1、外周面W3及び第2主面W2の順に加工する場合を例に挙げて説明する。なお、加工具203aは、ワーク加工用治具1の上方に位置しており、上方側からワークWにアプローチして加工を行うように構成されている。
まず、図4及び図9に示すように、回転治具体2が第1加工位置P1に位置している場合には、ワークWの第1主面W1がワーク押さえ30の開口部を通じて上方に露出しているので、回転治具体2を回転させることなく加工具203aを利用して第1主面W1を加工することができる。即ち、第1主面W1に対して、孔開け加工、溝加工や皿取り加工等を行うことができる。
換言すれば、回転治具体2を第1回転位置P1停止させて、ワークWを加工に供することができる(本発明の第1の加工工程の一例)。
この際、ワークWは第1受け治具110によって支持されているので、ワークWの変形を抑制しながら加工することができる。よって、加工深さばらつきを生じさせることなく、精度良く加工を行える。
また、本実施形態では、ワーク押さえ30に形成された一対の加工孔37を利用して、ワークWに一対の位置決め孔を形成することも可能である。
なお、この位置決め孔は、ワーク自動加工装置1による加工が終了した後に行われるワークWの各種後工程において、該ワークWを位置決めするための孔として利用される。また、この一対の位置決め孔を形成する際、加工具203aがワークWを貫通したとしても載置リング20側に一対の逃げし孔24が形成されているので、加工具203aの干渉を防止できる。
次いで、ワークWの外周面W3を加工する場合には、モータ部4を駆動させて、図4及び図16に示すように、回転治具体2を第1加工位置P1から軸線O1回りに90度回転させた第3加工位置P3で停止させる。これにより、ブロック本体50に形成された連通孔56を上方に向けることができ、ワークWの外周面W3をこの連通孔56を通じて上方に露出させることができる。従って、この連通孔56内に加工具203aを進入させることで、該加工具203aをワークWの外周面W3にアプローチさせることができ、外周面W3を加工することができる。
換言すれば、回転治具体2を第1回転位置P1とは異なる位置(第3加工位置P3)で停止させて、ワークWを加工に供することができる(本発明の第2の加工工程の一例)。
次いで、ワークWの第2主面W2を加工する場合には、モータ部4を駆動させて、図4及び図17に示すように、回転治具体2を第1加工位置P1から軸線O1回りに180度回転させた第2加工位置P2で停止させる。これにより、ワークWが表裏反転されるので、載置リング20における第1リング21の開口部及び第2リング22の開口部を通じて、ワークWの第2主面W2を上方に露出させることができる。
換言すれば、回転治具体2を第1回転位置P1とは異なる位置(第2加工位置P2)で停止させて、ワークWを加工に供することができる(本発明の第2の加工工程の別の一例)。
ところで、回転治具体2を第2加工位置P2に配置させると、図43に示すように、位置検出部125の押し込みピン126がワークWの第1主面W1によって押し下げられる。この際、押し込みピン126の押し込み量は、ワークWの厚み分に相当する。すると、制御部95は、その押し込み量に基づいてワークWの第1主面W1の高さを正確に検出し、圧電アクチュエータ123に電圧を印加して第2受け治具111をワークWに対して接近移動させる。これにより、第2受け治具111の支持面をワークWの第1主面W1に対して確実に当接させることができ、第2受け治具111を利用してワークWを支持することができる。
その後、加工具203aを利用して、露出しているワークWの第2主面W2を加工する。この場合であっても、ワークWは第2受け治具111によって支持されているので、ワークWの変形を抑制しながら加工することができる。よって、加工深さばらつきを生じさせることなく、精度良く加工を行える。
このように、回転治具体2を適宜回転させることで、ワークWの第1主面W1、外周面W3及び第2主面W2を連続的に加工することができる。
なお、加工途中の切粉(加工屑)は、切削液を適宜供給することで洗い流すことができる。この際、例えば加工具203aの交換タイミング等を利用して、回転治具体2を回転させることで切粉を効率良く洗い流すこともできる。
そして、ワークWの加工終了後、再度切削液を供給して切粉を洗い流しながら、回転治具体2を図5に示す第1加工位置P1に戻した後、移動プレート206を逆方向にスライド移動させて、ワーク加工用治具1を加工ポジションS2からセットポジションS1に移動させる。
次いで、クランプ部40を開操作してアンクランプ作業に移行する。つまり、ソレノイドバルブを開操作してピストンロッド70を下方移動させる。これにより、クランプ部40を、押さえアーム41の先端部が上方移動するようにクランプ軸43回りに回転させることができ、ワーク押さえ30の押圧を解除できる。
ワークWの押さえ付けが解除されると、搬送ロボット202は、ハンド部を利用してクランプが解かれたワーク押さえ30を把持し、該ワーク押さえ30をワーク加工用治具1から仮置き場205に搬送して、該仮置き場205に一旦載置する。次いで、搬送ロボット202は、ハンド部を利用して加工が終了したワークWを把持し、該ワークWをワーク加工用治具1からパレット201に搬送して、該パレット201内に収納する。
ここで、ワーク加工用治具1に対して切削液を再び供給して、載置面22aに残った切粉を洗い流して清掃する。その後、搬送ロボット202は、ハンド部を利用してパレット201内から新たな未加工のワークWを把持して、ワーク加工用治具1の載置面22aにセットする作業を行い、その後、上述した一連の工程を繰り返し行う。
その結果、複数のワークWの連続的で且つ自動的な加工を行うことができる。
特に、本実施形態のワーク加工用治具1によれば、回転治具体2を回転させることで、ワークWの異なる被加工面、即ち第1主面W1、外周面W3及び第2主面W2を加工することができる。従って、ワークWの保持換えを行うことなく上記3つの被加工面を一連の流れの中で連続加工させることができる。しかも、ワークWの保持換えを行う必要がないので、保持換えに伴う加工精度の低下を招くことがなく、高精度な加工を行える。また、保持換えを行うことなく、ワークWを素材の状態から最終加工工程まで連続加工できるので、加工品質の向上化を図ることができると共に、無人運転が可能となり製品コストの低減化を図ることができる。
しかも、回転治具体2の回転中心線である軸線O1は、図4に示すように、該回転治具体2が回転時において第1受け治具110と干渉しない位置(偏心位置)に配置されているので、第1加工位置P1に配置された第1受け治具110を退避させなくても回転治具体2を回転させることができる。従って、第1受け治具110を第1加工位置P1に精度良く配置でき、該第1受け治具110をワークWに対して確実に当接させて、ワークWを安定且つ確実に支持できる。従って、ワークWの変形を効果的に抑制でき、精度の良い第1主面W1の加工を行なわせることができる。
同様に、上記軸線O1は、回転治具体2が回転時において第2受け治具111についても干渉しない位置に配置されているので、第2加工位置P2に配置された第2受け治具111を退避させなくても回転治具体2を回転させることができる。従って、第2受け治具111を第2加工位置P2に精度良く配置でき、該第2受け治具111をワークWに対して確実に当接させて、ワークWを安定且つ確実に支持できる。従って、ワークWの変形を効果的に抑制でき、精度の良い第2主面W2の加工を行なわせることができる。
また、回転治具体2の回転に伴って、第1受け治具110及び第2受け治具111を退避させる必要がないので、退避ストロークを考慮しなくて済み、回転治具体2の位置を底壁部81に近い低位置に配置し易い。従って、ワーク加工用治具1全体の高さを低く抑えることができ、高剛性な設計にし易い。
また、圧電アクチュエータ123を具備する第2土台部120を利用して、第2受け治具111を移動させることができるので、ワークWの厚みにばらつきがあったとしても、そのばらつきに柔軟に対応でき、第2受け治具111をワークWに対してより確実に当接させることができる。
なお、ワークWの厚み変化に対応する程度に第2受け治具111を移動させるだけであるので、第2受け治具111を大きく動作させる必要性がない。
しかも、圧電アクチュエータ123を利用するので、位置決め誤差を極力抑えながら第2受け治具111を微細且つ高精度に移動させることができ、ワークWに対して第2受け治具111をさらに精度良く当接させることができる。また、圧電アクチュエータ123を利用するので、第2受け治具111の剛性低下を招き難い。
加えて、位置検出部125による検出結果に基づいて第2受け治具111を移動させるので、この点においても精度良く第2受け治具111をワークWに対して当接させ易い。
また、クランプ部40を利用して、載置リング20とワーク押さえ30との間でワークWを押さえ込んで保持するので、加工中にワークWをがたつかせることなく安定して保持でき、加工負荷に十分対応することができる。よって、高精度な加工に繋げることができる。しかも、従来のような治具盤側の案内ピンとワークW側の案内孔との組み合わせによるセット方法とは異なり、ワーク押さえ30を利用した押さえ込みによるセットであるので、ワークWのセット時にがたつきが生じ難く、この点においても高精度な加工に繋げることができる。
また、油圧を利用したクランプ部40の開閉動作によって、ワークWの保持及びその解除を容易且つスムーズに行えるので、ワークWのセットや交換等をスムーズに行える。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、被加工面が第1主面W1、第2主面W2及び外周面W3とされた板状のワークWを例に挙げて説明したが、ワークの形状及び被加工面の数はこの場合に限定されるものではない。なお、被加工面の数等に応じて、回転治具体2を任意の回転角度で停止させれば良い。
また、上記実施形態では、油圧を利用してクランプ部40を開閉させたが、空気圧や流体等を利用して開閉させても構わない。また、開閉動作に伴ってワーク押さえ30を押圧及びその解除ができれば、クランプ部40の構成は自由に設計して構わない。
また、上記実施形態では、第1受け治具110及び第2受け治具111を具備していたが、第2受け治具111は必須なものではなく具備しなくても構わない。但し、第2受け治具111を具備することで、第1主面W1及び第2主面W2のいずれを加工する場合であっても、ワークWの変形を防止できるので、好ましい。
特に、第2受け治具111を具備している場合には、例えば第2加工位置P2にて、載置リング20における第2リング22の開口部の内周縁の全周に沿ってワークWを切断加工しても良い。こうすることで、第1主面W1、第2主面W2及び外周面W3への加工が全て完了したワークWの切り離しを行うことができ、切り離したワークWを第2受け治具111上にそのまま載置しておくことができる。従って、回転治具体2を第1加工位置P1に回転させた後、切り離したワークWを第2受け治具111から回収することも可能である。
また、第2受け治具111をワークWに対して接近移動させることができるので、ワークWの厚みのばらつきに対応するだけでなく、厚みの異なるワークWについても柔軟に対応することができ、第2受け治具111をワークWの第2主面W2に確実に当接させることができる。このように、厚みの異なる各種のワークWに幅広く対応でき、製品価値を高めることができる。
なお、上記実施形態において、載置リング20とワークWとの間の隙間を検出するギャップ検出部(例えばエアギャップセンサ)を設け、ワークWの保持状態を判別しても構わない。この場合には、ワーク押さえ30によって確実にワークWが押さえ込まれて保持されているときだけに加工を行わせることが可能である。従って、ワークWの固定の信頼性を高めることができると共に、加工品質を効果的に向上させることができる。
O1…軸線
P1…第1加工位置
P2…第2加工位置
W…ワーク
W1…第1主面(ワークの被加工面)
W2…第2主面(ワークの被加工面)
W3…外周面(ワークの被加工面)
1…ワーク加工用治具
2…回転治具体
20…載置リング(載置部材)
30…ワーク押さえ
40…クランプ部
95…制御部
95a…記録媒体
110…第1受け治具(受け治具)
111…第2受け治具(反転受け治具)
120…第2土台部(移動機構)
123…圧電アクチュエータ(圧電体)
125…位置検出部
200…ワーク自動加工装置
203…加工機構

Claims (10)

  1. ワークの加工時に該ワークを固定するワーク加工用治具であって、
    前記ワークの被加工面を外部に露出させた状態で前記ワークを着脱自在に保持すると共に、軸線回りに回転自在に支持され、且つ前記ワークの第1加工位置から軸線回りに回転させられる回転治具体と、
    前記第1加工位置で前記ワークを支持する受け治具と、を備え、
    前記軸線は、前記回転治具体が回転時において前記受け治具と干渉しない位置に配置されていることを特徴とするワーク加工用治具。
  2. 請求項1に記載のワーク加工用治具において、
    前記回転治具体は、前記第1加工位置と、前記ワークが表裏反転させられる第2加工位置と、の間で往復回転させられ、
    前記第2加工位置で前記ワークを支持する反転受け治具を備え、
    前記軸線は、前記回転治具体が回転時において前記反転受け治具と干渉しない位置に配置されていることを特徴とするワーク加工用治具。
  3. 請求項2に記載のワーク加工用治具において、
    前記反転受け治具を前記ワークに対して接近離間する方向に往復移動させる移動機構を備え、
    前記移動機構は、前記回転治具体が前記第2加工位置に配置された後、前記反転受け治具を前記ワークに対して接近移動させ、該反転受け治具を前記ワークに対して当接させることを特徴とするワーク加工用治具。
  4. 請求項3に記載のワーク加工用治具において、
    前記移動機構は、電圧印加による変形により前記反転受け治具を往復移動させる圧電体を具備していることを特徴とするワーク加工用治具。
  5. 請求項3又は4に記載のワーク加工用治具において、
    前記回転治具体が前記第2加工位置に配置された際、前記ワークの位置を検出する位置検出部を備え、
    前記移動機構は、前記位置検出部による検出結果に基づいて前記反転受け治具を前記ワークに対して接近移動させることを特徴とするワーク加工用治具。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のワーク加工用治具において、
    前記回転治具体は、
    前記ワークが載置される載置部材と、
    該載置部材との間で前記ワークを押さえ込むワーク押さえと、
    該ワーク押さえを前記載置部材側に押圧して、前記ワークを押さえ込みによって保持させるクランプ部と、を備え、
    前記クランプ部は、開閉自在とされ、開閉動作に伴って前記押圧及びその解除が切り替わることを特徴とするワーク加工用治具。
  7. 請求項1に記載のワーク加工用治具と、
    該ワーク加工用治具に固定された前記ワークの前記被加工面を加工する加工機構と、を備えることを特徴とするワーク自動加工装置。
  8. ワークの被加工面を外部に露出させた状態で前記ワークを着脱自在に保持すると共に、軸線回りに回転自在に支持され、且つ前記ワークの第1加工位置から軸線回りに回転させられる回転治具体と、前記第1加工位置で前記ワークを支持する受け治具と、を備え、前記軸線が、前記回転治具体が回転時において前記受け治具と干渉しない位置に配置されているワーク加工用治具と、
    前記ワークの前記被加工面を加工する加工機構と、を具備するワーク自動加工装置を利用したワーク加工方法であって、
    前記回転治具体を第1加工位置で停止させて、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第1の加工工程と、
    前記回転治具体を軸線回りに回転させて前記第1加工位置とは異なる位置で停止させ、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第2の加工工程と、
    を備えることを特徴とするワーク加工方法。
  9. ワークの被加工面を外部に露出させた状態で前記ワークを着脱自在に保持すると共に、軸線回りに回転自在に支持され、且つ前記ワークの第1加工位置から軸線回りに回転させられる回転治具体と、前記第1加工位置で前記ワークを支持する受け治具と、を備え、前記軸線が、前記回転治具体が回転時において前記受け治具と干渉しない位置に配置されているワーク加工用治具と、
    前記ワークの前記被加工面を加工する加工機構と、を具備するワーク自動加工装置のコンピュータに、
    前記回転治具体を第1加工位置で停止させて、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第1の加工工程と、
    前記回転治具体を軸線回りに回転させて前記第1加工位置とは異なる位置で停止させ、前記加工機構により前記ワークを加工に供する第2の加工工程と、
    を実行させることを特徴とするワーク加工プログラム。
  10. コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、請求項9に記載のワーク加工プログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
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