JP5854753B2 - 消臭剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、調理で発生するにおいや、調理によって付着した汚れから発生するにおいを消臭する消臭剤組成物に関するものである。
近年の住宅の高気密化により、調理で発生したにおいは、調理後もキッチン、リビングに長く残る。生活スタイルの向上に伴ってこれらの残留臭を嫌う人が増加傾向にある。
調理の際に発生する臭気は換気等を行うことで一時的に低減する。しかしながら、一部の臭気物質は、キッチン・リビングの壁、床、カーテン等に付着し、時間の経過とともに徐々に再放出されるため、上述の残留臭の原因となると考えられている(以下、調理直後の臭気を「調理臭」、時間経過後の臭気を「残留臭」という場合がある。)。
特に、焼肉、揚げ物、焼魚の調理後の残留臭の不快度が高い。これらの残留臭には炭素数が2から6のアルデヒドが多く含まれており、これらが不快臭の原因となる。
不快臭の消臭方法としては、香料等を含んだ芳香剤でマスキングする方法、活性炭やゼオライト等の多孔質体に吸着する方法、化学的に不快臭を無臭化する方法があり、これまでに様々な消臭剤が提案されてきた。
芳香剤でマスキングする方法は、芳香剤の強いにおいが料理のにおいを邪魔するなどキッチンでの使用にそぐわない場合がある。多孔質体に吸着する方法は、酸性、塩基性等の化学的性質の違う臭気物質の種類にあまり影響を受けずに様々な種類の臭気物質を吸着することができる点で優れている。しかしながら、多孔質体の温度が上昇した場合や、臭気物質が多孔質体に多量に吸着して飽和してしまった場合に、一旦吸着した臭気物質の脱着が起こる欠点がある。一方、化学的に無臭化する方法は、消臭剤と臭気物質が化学結合により結合することにより消臭する方法であり、結合力が吸着に比べて強いため、温度上昇によって臭気物質が脱着する恐れは少ない。しかしながら、臭気物質との結合に選択性があるため、消臭が可能な臭気物質の種類が限定される。また、一旦臭気物質と結合した消臭剤は、新たに臭気物質と反応することが出来ないため、臭気物質の濃度が高い場合に、消臭剤が多量に必要となるという欠点がある。
臭気物質の中でもアルデヒドは、アミノ基を持つ化合物と化学結合することから、アミノ基を持つ化合物を消臭剤として使用しうる。しかしながら、アミノ基を持つ化合物の中には、化合物自体のにおいが悪臭であるもの、化合物自体が有色であるもの、アルデヒドと結合することにより着色したりするものがあり、これらの化合物は、使用用途が限定される等の欠点がある。このため、アミノ基を持つ化合物単独ではなく、アミノ基を持つ化合物を多孔質体に担持させる等の方法で、上記の欠点を改良した消臭剤が提案されている。例えば、特許文献1には、分子内にNH結合を有する化合物を固体に担持させたアルデヒド消臭剤が提案されている。また、特許文献2には、アミノ基とカルボキシル基とを含有する化合物をハイドロタルサイトの層間にインタカレートした脱臭剤が提案されている。
特開2001−120649号公報 特許第4490058号公報
特許文献1や2に記載された消臭剤を、調理臭や残留臭の消臭に用いた場合、調理直後はアルデヒド濃度が高いために多量の消臭剤が必要になったり、脱臭速度が不十分な場合があった。また、調理直後に消臭剤を使用しただけでは残留臭に対し充分な消臭効果を発揮できない場合があった。このため、残留臭が強い場合には、再度消臭剤を使用しなければならない場合があった。
以上のような問題に鑑み、本発明は、調理直後に1回の使用で、濃度の高いアルデヒドに即効的に消臭効果を発揮し、更に時間が経過して徐々に発生するアルデヒドに対しても持続的に消臭効果を発揮することができる消臭剤組成物、すなわち、1回の使用で調理臭及び残留臭の両方に消臭効果を発揮することができる消臭剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルドール反応性を有する特定のpHの消臭剤組成物を用いることで、調理臭に対して即効的に消臭効果を発揮し、更に残留臭に対して持続的に消臭効果を発揮することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、ハイドロタルサイト類と、酸性基及び塩基性基を有し、等電点が5.8〜9.0である化合物と、水と、を含み、上記の化合物は、ハイドロタルサイト類の層間にインタカレートしており、pHが5〜9.5である、消臭剤組成物を提供する。
上記の消臭剤組成物は、1モル%n−ブチルアルデヒド水溶液に5容量%添加した場合に、20℃で24時間経過後の2−エチル−2−ヘキセナールの濃度Bとn−ブチルアルデヒドの濃度Aとの比B/Aが0.3以上であることが好ましい。
上記の消臭剤組成物は、上記の化合物の酸性基がカルボキシル基又はスルホ基であり、塩基性基がアミノ基又はイミノ基であることが好ましい。
上記の消臭剤組成物は、分散剤を更に含むことが好ましい。
本発明の消臭剤は、1回の使用で調理臭及び残留臭の両方に消臭効果を発揮することができる。
人がにおい物質のにおいを感じるためには、においとして感知可能な濃度以上に、におい物質が雰囲気中に存在する必要がある。この感知可能な下限濃度をにおい閾値とよび、個人差は有るものの、様々なにおい物質についてのにおい閾値が測定されている(日本環境衛生センター所報 No.17、1990)。
調理臭に含まれるアルデヒドは、炭素数2から6で、1〜200ppbの濃度で含まれており、不快を感じる主な原因物質である。におい閾値以下とするためには、調理臭に含まれるアルデヒドの濃度をおよそ0.1〜1ppb以下にすればよい。したがって、調理臭に含まれるアルデヒドの濃度を、初期濃度に対して1/100程度にまで低減する必要がある。
一方、アルデヒドと化学的に結合しうる化合物を担体に担持させた消臭剤を、アルデヒドの濃度に対して10000倍の濃度で使用しても、24時間経過後のアルデヒドの濃度は、初期濃度に対して1/100以下に低下しない。これは、アルデヒドと上記の化合物が化学的に結合する反応速度が遅いことが原因と考えられる。アルデヒドとアミノ基との結合反応はシッフ反応と呼ばれている。本発明者はシッフ反応より反応速度を高めるべくアルドール反応に着目した。
アルドール反応とは、アルデヒド分子がエノールもしくはエノラートの中間体を経て更にアルデヒド分子が付加反応し2量体を形成した後、水分子が脱離して反応が完了する機構であり、酸又は塩基が反応の触媒として寄与する。この際に、酸又は塩基は触媒的に作用するので、反応が終了すると新たな反応に寄与することが可能となる。このことから、反応の進行に伴い、酸又は塩基の触媒活性が低下しにくく、高い反応速度が期待できる。
アルドール反応の触媒として酸又は塩基を用いる場合、一般的には、pHが3以下の強酸又は11以上の強塩基が用いられる。しかしながら、人体に接触する可能性の高い所では、強酸又は強塩基の使用は好ましくない。このことから、本発明の消臭剤組成物のpHは5〜9.5であり、好ましくは7〜9.5である。
アルドール反応性は、例えば、1モル%n−ブチルアルデヒド水溶液に対して消臭剤組成物を5容量%添加し、20℃で24時間経過後に、ガスクロマトグラフを用いてn−ブチルアルデヒドの濃度A(体積ppm)と2−エチル−2−ヘキセナールの濃度B(体積ppm)を測定し、B/Aの濃度比を算出した値で示すことができる。
消臭剤組成物は、n−ブチルアルデヒドの濃度Aと2−エチル−2−ヘキセナールの濃度Bの比で表されるn−ブチルアルデヒドのアルドール反応性B/Aが0.3以上であり、好ましくは0.5以上である。0.3以上であると、アルドール反応性が高く、調理臭や残留臭などのアルデヒドを含む臭気に対して消臭の即効性と持続性の両方を発揮することが可能となる。
消臭剤組成物は、ハイドロタルサイト類と、酸性基及び塩基性基を有し、等電点が5.8〜9.0である化合物と、水と、を含み、上記の化合物は、前記ハイドロタルサイト類の層間にインタカレートしており、pHが5〜9.5である。
本発明の消臭剤に用いるハイドロタルサイト類は、[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO]で示される層状複水酸化物で、式中M2+は2価金属イオンを表し、例えばMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等が挙げられる。また、M3+は3価の金属イオンを表し、例えば、Al3+、Cr3+、Fe3+、Co3+、In3+等が挙げられる。An−はn価のアニオンを表し、例えば、OH、F、Cl、Br、I、NO 、ClO 、HPO 、SO 2−、CO 2−、SiO 2−、HPO 2−、PO 3−等が挙げられる。これらのハイドロタルサイト類は、天然のものでも合成品でもよいが、性能、純度の観点から合成品であることが好ましい。代表的なハイドロタルサイト類としては、Mg−Alハイドロタルサイトが挙げられ、協和化学工業製(キョーワード500)等が市販されている。
これらのハイドロタルサイト類は、2価金属水酸化物と、3価金属水酸化物で構成される基本層(ホスト)と、アニオン化合物(ゲスト)及び層間水で構成される中間層とが互いに層状に重なった構成をとっており、基本層の層間に様々な分子やイオンを挿入することをインタカレーションという。ハイドロタルサイト類の基本層同士の結合力は比較的弱いため、層間のアニオン化合物が他のアニオン化合物と交換しやすい性質がある。この性質を利用して、インタカレーションさせたい化合物の水溶液中にハイドロタルサイト類を浸すことで、目的の化合物をインタカレートさせることができる。この方法では、層間にインタカレートしやすい化合物に序列があり、価数が高く半径の小さいイオンや炭酸イオンがより層間に取り込まれやすい性質がある。
ハイドロタルサイト類を450℃前後の適当な温度で焼成することで、基本層の構造を壊さずに層間のアニオン化合物や層間水を除去することができる。また、焼成したハイドロタルサイト類は、水等の溶媒に浸すことにより、溶媒中に存在するアニオンを取り込んで再生する性質がある。このため、あらかじめインタカレートさせたい化合物の水溶液中に、焼成したハイドロタルサイト類を浸すことにより、より多くの目的化合物をインタカレートさせることができる。
消臭剤組成物に用いるハイドロタルサイト類の平均粒子径は、水を含溶媒中に分散させるために0.01〜10μmが好ましい。0.01μm以下であると粒子同士が凝集して沈殿が生じやすくなる場合がある。また、10μm以上では消臭剤をスプレーした際に、スプレーノズルにつまりを生じる場合がある。
酸性基及び塩基性基を有する化合物としては、塩基性基として、アミノ基、イミノ基等を有し、酸性基として、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、フェノール性水酸基等を有する化合物が挙げられる。特に、アミノ基及びカルボキシル基を有するアミノ酸類、アミノ基及びスルホ基を有するアミノスルホン酸類から選ばれる化合物が好ましい。酸性基及び塩基性基を両方備えることにより、ハイドロタルサイト類にインタカレートした際に、酸性基がハイドロタルサイト類側に配位し、塩基性基が外側に向くので、塩基性基とアルデヒドが配位しやすくなりアルドール反応の触媒が可能になる。
酸性基及び塩基性基を有する化合物を水に溶解して電離させた際に、化合物全体の電荷平均が0となるpHを等電点という。酸性基及び塩基性基を各1つ持つ化合物の等電点は、酸解離定数pKと塩基解離定数pKの値の平均値として求められる。一般に化合物中に酸性基を多く含む化合物は等電点が低く、塩基性基を多く含む化合物は等電点が大きい。消臭剤組成物に用いる、酸性基及び塩基性基を有する化合物の等電点は、5.8〜9.0であることが好ましく、5.8〜7.0であることがより好ましい。等電点が5.8〜9.0の範囲である上記化合物をハイドロタルサイト類にインタカレートすると、アルドール反応の反応性が顕著に現れる。この理由としては定かではないが、等電点が5.8〜9.0の範囲である上記化合物は、ハイドロタルサイト類にインタカレートした際に、外側に向いた塩基性基がアルデヒドと配位してアルドール反応の中間体であるエノラートを形成する能力に優れているのではないかと推定される。
酸性基及び塩基性基を有する化合物の例としては、トレオニン、ヒスチジン、グリシン、トリプトファン、プロリン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸類や、2アセトアミド2アミノエタンスルホン酸、トリヒドロキシメチルメチル2アミノエタンスルホン酸、トリヒドロキシメチルメチル3アミノプロパンスルホン酸等のアミノスルホン酸類等が挙げられる。中でも分子の大きさが小さいグリシン、プロリンがハイドロタルサイト類にインタカレートしやすいのでより好ましい。
消臭剤組成物の製造方法としては、酸性基及び塩基性基を有し、等電点が5.8〜9.0である化合物を水等の適当な溶媒に溶解した後に、ハイドロタルサイト類を添加して、攪拌しながら5時間から24時間保持する。この際、上記化合物以外の物質がインタカレートするのを防止するためになるべくイオンを含まない溶媒を使用することが好ましい。この観点から、雰囲気中の気体分子(特に炭酸ガス)が溶媒中に溶け込まないように窒素パージをしながら攪拌することが好ましい。温度は、上記化合物が溶媒に溶解しやすいよう20℃〜80℃の範囲で適当な温度を選択する。
ハイドロタルサイト類は、あらかじめ400℃〜500℃の温度で8時間程度焼成したハイドロタルサイト類を用いることが好ましい。
ハイドロタルサイト類の層間に分子やイオンがインタカレートすると体積が増加する。したがって、反応終了後の反応液をしばらく静置した後に生じた沈殿の体積を測定することで、インタカレートの確認ができる。
消臭剤組成物において、好ましいハイドロタルサイト類の添加量は、水を含む溶媒に対して0.1〜20質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。添加量が0.1質量%以上であると消臭剤組成物としての効果が十分得られる。また、20質量%以下であると溶媒に分散しやすく、沈殿が生じにくい。
消臭剤組成物において、酸性基及び塩基性基を有し、等電点が5.8〜9.0である化合物の好ましい添加量は、水を含む溶媒に対して0.1〜20質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。0.1質量%以上であると消臭剤組成物としての効果が十分得られる。20質量%以下であると溶媒に溶解しやすく、ハイドロタルサイト類へのインタカレートがスムースに行え、酸性基及び塩基性基を有し、等電点が5.8〜9.0である化合物の存在量が適度である。
得られた上記反応液はそのまま消臭剤組成物として使用してもよい。また、上記反応液を濾過して、濾物を乾燥し、乾燥した濾物を水を含む溶媒に分散させたものを消臭剤組成物として使用してもよい。乾燥した濾物は、粒子径が0.01〜10μmとなるように粉砕すると、溶媒に分散しやすいので好ましい。
消臭剤組成物には、ハイドロタルサイト類の沈殿を防止する目的で更に分散剤を添加してもよい。分散剤は公知の分散剤を用いることができ、例えば、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム等が挙げられる。
分散剤の添加量は、水を含む溶媒に対して1〜10質量%が好ましい。添加量が1質量%以上であると凝集の防止効果が得られやすい。また、分散剤の量が10質量%以下であると消臭剤組成物の粘度が適度になり、取扱いやすい。
消臭剤組成物には、更に公知のpH調整剤を添加してもよい。pH調整剤は、併用することによりpH緩衝性を発揮するpH調整剤の組み合わせであることが好ましい。好ましいpH調整剤の組み合わせとしては、クエン酸及びクエン酸ナトリウムの組み合わせ等が例として挙げられる。消臭剤組成物のpHは5〜9.5である。より好ましくは7〜9.5である。pHが5〜9.5であると、人体に接触する可能性のある所での使用に支障がないため好ましい。
消臭剤組成物には必要に応じて公知のゲル化剤を添加してもよい。例としては、カラギーナン、ジェランガム、ゼラチン、寒天、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。好ましい添加量は消臭剤組成物に対して0.1〜10質量%である。
消臭剤組成物には必要に応じて有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤を添加することで、相溶性の向上、消臭効果の向上、除菌効果の向上等が期待できる。有機溶剤の例としては、エタノール、プロパノール、アセトン等が挙げられる。好ましい添加量は、消臭剤組成物に対して1〜50質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。50質量%以下であると有機溶剤を添加しても消臭剤の燃焼性を低く維持でき、スプレー時に引火する可能性を低くすることができる。
消臭剤組成物に対する水の含有量は、50〜95質量%が好ましく、80〜95質量%がより好ましい。50質量%以上であると、消臭剤組成物の粘度が適度に保て、原材料コストを低くすることが出来る。
消臭剤組成物には、その他、必要に応じて公知の香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤等を添加してもよい。
消臭剤組成物は、アルデヒド用消臭剤として用いることができる。
消臭剤組成物の使用方法としては、スプレーボトルに充填して、スプレーする方法や、容器にゲル化剤とともに充填して置き型の消臭剤組成物として使用する方法が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
後述する実施例及び比較例の消臭剤組成物を、次の試験方法によって評価した。得られた結果を表1に示す。
<試験方法>
1.アルドール反応性
1モル%濃度のn−ブチルアルデヒド水溶液2mlに、実施例及び比較例の消臭剤組成物を0.1ml添加して試験液を作成して、これを20℃で24時間保持した。24時間経過後に、試験液から1μlを採取し、ガスクロマトグラフ(島津GC2014)を用いて試験液中のn−ブチルアルデヒドの濃度A(体積ppm)及び2−エチル−2−ヘキセナールの濃度B(体積ppm)を測定し、B/Aの値を求めた。結果を表1に示す。表1中、酸性基及び塩基性基を有する化合物を「ゲスト化合物」と表記した。
2.消臭剤組成物のpH
実施例及び比較例の消臭剤組成物のpHを、堀場製作所製pH測定器(F−52)を用いて、JIS Z8802に規定された方法にしたがって測定した。
3.調理臭消臭効果試験
調理臭モデル臭気として、内容積が5Lのテドラー(登録商標)バッグに、あらかじめn−ブチルアルデヒド濃度が200体積ppmとなるように調整したガスでバッグを満たした後、いったんガスを排出し、再度新たに濃度200体積ppmのn−ブチルアルデヒドガスで満たしたものを用意した。注射器を用いて上記のテドラー(登録商標)バッグに実施例及び比較例の消臭液を1ml注入し、2時間保持した。2時間経過後にバッグ内の気体を1L吸着剤(tenaxTA、商品名、ジーエルサイエンス株式会社製)に吸着採取し、ガスクロマトグラフ(島津GC2014)を用いてn−ブチルアルデヒドの濃度を測定し、以下の指標により4段階で評価した。
◎非常に優れる n−ブチルアルデヒドの濃度が1体積ppm未満
○やや優れる n−ブチルアルデヒドの濃度が1体積ppm以上〜10体積ppm未満
△やや劣る n−ブチルアルデヒドの濃度が10体積ppm以上〜100体積ppm未満
×劣る n−ブチルアルデヒドの濃度が100体積ppm以上
4.残留臭の消臭効果試験
植物油(日清サラダ油)にn−ブチルアルデヒド(東京化成)0.2質量%添加して残留臭モデル油を作成した。このモデル油1mlを30cm×30cmのアルミ板に均一に塗布した後、実施例及び比較例の消臭剤組成物をアルミ板全体に均一に1回スプレーで噴霧した。1回の噴霧量は1mlであった。その後直ちにアルミ板を内容積が6Lのコック付デシケーターに入れて、密閉し保持した(室内温度25℃)。24時間経過後にコックからデシケーター内部の気体を1L吸着剤(tenaxTA、商品名、ジーエルサイエンス株式会社製)に吸着採取し、ガスクロマトグラフ(島津GC2014)を用いてn−ブチルアルデヒドの濃度を測定し、以下の指標により4段階で評価した。
◎非常に優れる n−ブチルアルデヒドの濃度が1体積ppb未満
○やや優れる n−ブチルアルデヒドの濃度が1体積ppb以上〜10体積ppb未満
△やや劣る n−ブチルアルデヒドの濃度が10体積ppb以上〜100体積ppb未満
×劣る n−ブチルアルデヒドの濃度が100体積ppb以上〜1000体積ppb未満
〔実施例1〕
比抵抗が2MΩ・cmの純水100mlに、等電点が5.97のグリシン(酸性基:カルボキシル基、塩基性基:アミノ基)(関東化学)1gを溶解し、続いてMg−Al系ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製 KW2200)1gを投入し、30℃で24時間攪拌しながら保持した。この液をしばらく静置して固形物を沈殿させて、沈殿物の体積を確認したところハイドロタルサイト類が約1.4倍に膨潤しており、インタカレートされていることが確認された。この液を実施例1の消臭剤組成物とした。実施例1の消臭剤組成物をスプレー可能なボトルに充填し、調理臭及び残留臭の消臭効果試験を行った。結果を表1に示す。消臭効果試験の際には液を攪拌して沈殿が生じないようにしてからスプレーを行った。
〔実施例2〕
エタノール100mlに、等電点が6.30のプロリン(酸性基:カルボキシル基、塩基性基:イミノ基)(関東化学)1gを溶解し、続いてMg−Al系ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製 KW2200)を1g投入し、30℃で24時間攪拌しながら保持した。この液をしばらく静置して固形物の沈殿を確認したところハイドロタルサイト類が約1.4倍に膨潤しており、インタカレートされていることが確認された。沈殿物を濾過、乾燥し、乾燥物1.5gを得た。得られた乾燥物を比抵抗が2MΩ・cmの純水100mlに投入し5時間攪拌しながら保持して実施例2の消臭剤組成物を得た。実施例2の消臭剤組成物を用いて実施例1と同様に消臭効果試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
グリシンの代わりに等電点が6.9の2−アセトアミド−2−アミノエタンスルホン酸(酸性基:スルホ基、塩基性基:アミド基、イミノ基)(東京化成)1gを用いた以外は実施例1の消臭剤組成物と同様にして実施例3の消臭剤組成物を得た。この液をしばらく静置して固形物の沈殿を確認したところ、ハイドロタルサイト類が約1.3倍に膨潤しており、インタカレートされていることが確認された。この液を用いて実施例1の消臭剤組成物と同様に消臭効果試験を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
グリシンの代わりに等電点が3.22のグルタミン酸(酸性基:カルボキシル基2、塩基性基:アミド基)(シグマアルドリッチ)1gを用いた以外は、実施例1の消臭剤組成物と同様にして比較例1の消臭剤組成物を得た。この液をしばらく静置して固形物の沈殿を確認したところハイドロタルサイト類が約1.1倍に膨潤しており、インタカレートされていることが確認された。比較例1の消臭剤組成物を用いて実施例1の消臭剤組成物と同様に消臭効果試験を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
グリシンの代わりに等電点が5.48のフェニルアラニン(酸性基:カルボキシル基、塩基性基:アミド基)(関東化学)1gを用いた以外は実施例1の消臭剤組成物と同様にして比較例2の消臭剤組成物を得た。この液をしばらく静置して固形物の沈殿を確認したところハイドロタルサイト類が約1.3倍に膨潤しており、インタカレートされていることが確認された。比較例2の消臭剤組成物を用いて実施例1の消臭剤組成物と同様に消臭効果試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
グリシンの代わりに等電点が10.76のアルギニン(酸性基:カルボキシル基、塩基性基:アミド基2、イミノ基2)(関東化学)1gを用いた以外は実施例1の消臭剤組成物と同様にして比較例3の消臭剤組成物を得た。この液をしばらく静置して固形物の沈殿を確認したところハイドロタルサイト類が約1.1倍に膨潤しており、インタカレートされていることを確認した。比較例3の消臭剤組成物を用いて実施例1の消臭剤組成物と同様に消臭効果試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005854753
本発明の消臭剤組成物は調理等で発生したにおいや調理後に残留するにおいを消臭でき、台所用の消臭剤組成物として好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. ハイドロタルサイト類と、
    酸性基及び塩基性基を有し、等電点が5.8〜9.0である化合物と、
    水と、を含み、
    前記化合物は、前記ハイドロタルサイト類の層間にインタカレートしており、
    pHが5〜9.5である、消臭剤組成物であって、
    前記化合物がグリシン、プロリン又は2アセトアミド2アミノエタンスルホン酸である、消臭剤組成物。
  2. 分散剤を更に含む、請求項1に記載の消臭剤組成物。
  3. 前記化合物がプロリン又は2アセトアミド2アミノエタンスルホン酸である、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
  4. 前記pHが9.09〜9.5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の消臭剤組成物。
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