JP5852220B1 - 家具転倒防止金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁面に固定する壁用金具と家具天板に装着する家具用金具を組み合わせ、直下型地震による複雑な揺れによる衝撃を吸収・緩和し、壁内部の縦桟の損傷と壁用金具や木ネジの破断・脱離を回避するとともに、壁面及び家具への損傷を最小限に止め、室内の美観を損なうことのない家具転倒防止金具を提供する。【解決手段】壁用・家具用金具1、6は金属製素材で作製し、壁用金具1のネジ止めによる縦桟等の壁内部の部材の破損を避けるためネジ孔は縦横方向共同一線上に設けず、家具用金具6の裏面に粘着性部材7を装着して家具Bの天板後部に密着させ、直下型地震による上下動、前後揺れによる家具後部の迫り上がり等に対応するため、家具用金具6の幅を壁用金具1の挿通孔の幅より狭く、且つ長さを壁用金具1の縦幅より長くして壁用金具1と家具用金具6を緩やかに連結し、家具の損傷と家具の転倒を最小限に止める。【選択図】図1

Description

本発明は、地震発生時の家具の転倒を防止するため、壁面用金具と家具用金具を用いた家具転倒防止金具に関する。
従来の家具転倒防止金具は、木造住宅では壁面内部に存する柱および縦桟乃至横桟等に補強板を装着し、家具天板にL型金具を木ネジで直接固定する方法が費用も安く、取り付けも安易であり主流となっているが、家具に木ネジで固定するため、家具に傷がつくため敬遠される側面があった。
また、コイルばねを装着した蝶番で壁面と床面の歪みを調節するL型の転倒防止金具や壁面と家具背面との隙間を調整するためのネジ孔を選択できるスライド式L型金具もある。(例えば、特許文献1参照)
さらに、また、平板状の金具にバネ鋼を用い、金具の略中央部をループ状に成形し、ループ部分のたわみの反復作用で地震による振動時の衝撃を吸収・緩和する家具転倒防止金具がある。(例えば、特許文献1参照)
他に、特許や実用新案の登録はされていないが、縦横に回転し壁面と家具背面の間隔と高さを数センチメートル調整できる自在タイプの転倒防止金具があるが、家具に損傷を与える欠点があった。
また、発泡ダンパーに粘着剤を装着したABS樹脂製のL型乃至T型の制震器具がネット販売されているが、壁下地材に石膏ボードが使用される場合が多く、壁紙と石膏ボード表装材の剥離や破れが生じ、本来の機能が発揮されない恐れがある。
特許公開2008−48765号公報 登録実用新案第3174297号
以上に述べた従来の家具転倒防止対策では、地震の前後方向の揺れには有効であるが、壁面と家具に損傷を与え、横揺れ・縦揺れ・捻じれ揺れ等の複雑な揺れや直下型地震による瞬間的な下方からの突き上げに対し、木ネジや転倒防止金具の破損や脱離する懸念があり、金具が視界に入り室内の美観を損なう欠点があった。
また、金具を装着するには家具天板と壁面部分をビス止めする必要がある。マンション等の壁面が共有部分であるコンクリートの場合は、アンカー用穴を開ける必要があり、マンション管理組合の承認を得る必要があり、実質的には装着が難しく、金具の装着は専用部分である室内の壁面に限定されるものであった。
本発明は、このような従来の対策が有していた問題を解決しようとするものであり、木造住宅の壁面構造の複雑さや天井の耐圧力の脆弱性や家具の構造・材質・強度を考慮し、汎用性があり、家具の高さ・横幅の多様性に対応し、家具に損傷を与えることなく美観を損なわず、取り付けが容易な家具転倒防止金具を実現することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、壁用金具と家具用金具で構成され家具背面側に配置する家具転倒防止金具において、壁用金具は、家具用金具を捜通する捜通孔と取り付けネジ孔を有し、壁面内部に存する縦桟乃至横桟に木ネジで固定する略矩形の板状金属性素材であって、家具用金具は、側面視し略U字形の一端を延設した前記壁用金具の捜通孔の幅より広い家具取り付け部の裏面に粘着性部材を装着し、略U字形の他端部の一部に切り込みを入れた家具用金具を壁用金具の挿通部を挿通して壁用金具と連結し、家具の転倒を防止するものである。
第2の解決手段は、壁用金具を壁面に固定するネジ孔は、縦・横両方向ともに同一線上に並ばないように配置したものである。
第3の解決手段は、上記家具用金具の長さを上記壁用金具の縦幅より長くし、壁用金具の捜挿通孔より狭くし、該壁用金具と該家具用金具へ衝撃を吸収・緩和するための遊び空間を設けたものである。
以上の説明で明らかなように、本発明は次に列記する効果が得られる。
本発明は、壁の内部に存する柱および縦桟乃至横桟又は構造用合板に装着する上記壁用金具と家具天板に装着する上記家具用金具の2種類の金具で構成し、家具転倒防止金具装着の作業性を高める。
上記壁用金具のネジ孔は縦・横方向ともに一直線上に配置せず、壁面内部の柱および縦桟乃至横桟への衝撃による負荷を分散させ、ねじ止めによる壁面内の縦桟乃至横桟のひび割れや損傷による金具の脱離を回避する。
上記家具用金具の家具取り付け部の裏面に緩衝緩和と滑り止め効果を有する粘着性部材を装着して家具天板後部に密着させ、家具から該家具用金具が脱離することによる家具の転倒を防止し、家具の損傷を最小限に止める。
直下型地震による瞬間的上下動への対応と複雑な揺れによる上記壁用金具および上記家具用金具への衝撃を緩和するため、該家具用金具の長さを該壁用金具の縦幅より長く、該壁用金具の挿通孔より狭くして遊び空間を設け、地震による複雑な揺れに柔軟に対応する。
上記壁用金具は家具背後の壁面に装着し、上記家具用金具は家具天板後部に装着することにより視界に入ることを最小限に止め、室内美観を保持する。
前記壁用金具は、柱および縦桟は垂直方向に存するため、多様な家具の高さに合わせて装着することができる。
(A)本発明の実施形態を示す壁面及び家具への装着状態を示す側面図である。 (B)本発明の実施形態を示す家具転倒防止金具の平面図である。 (A)本発明の実施形態を示す壁用金具の正面図である。 (B)本発明の実施形態を示す壁用金具の平面図である。 (C)本発明の実施形態を示す壁用金具の側面図である。 (A)本発明の実施形態を示す家具用金具の正面図である。 (B)本発明の実施形態を示す家具用金具の平面図である。 (C)本発明の実施形態を示す家具用金具の側面図である。 本発明の実施形態を示す家具転倒防止金具の装着位置を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1(A)に示すとおり、1は壁用金具で、6は家具用金具で、7は家具用金具の裏面に装着する粘着性部材であり、7aは粘着性部材カバーシールで、Aは家具天板フレームコアで、Bは家具で、Cは壁面で、Dは壁下地材で、Eは壁面内部に存する柱および縦桟乃至横桟で、Fは床面であり、上記壁面Cと上記家具Bの間に上記壁用金具1と上記家具用金具6の装着状態を示す側面図であり、該壁用金具1の縦幅と該家具用金具6の長さを長くし、直下型地震に依る上下動振動を吸収・緩和する機能を有することを示している。
図1(B)は、上記壁用金具1と上記家具用金具6が組み合わされた状態を示す平面図であり、該壁用金具1と該家具用金具6間に遊び空間8を設け、地震による複雑な振動に柔軟に対応することを示している。
図2(A)は、上記壁用金具1の正面図であり、2は該壁用金具1を壁面に固定する際のドライバービット挿入孔2であり、3は木ネジ5を装着した際に上記木ネジ5の頭部の突出を避けるための座刳り3であり、4は取り付けネジ孔であり、5は木ネジであり、上記取り付けネジ孔4は、壁面内部に存する柱および縦桟乃至横桟の損傷を避けるため、縦横両方向に一直線上に並ばないよう配置されていることを示している。
図2(B)は、上記壁用金具1の平面図であり、1aは、壁用金具挿通孔1aで、該壁用金具1の横幅より狭く、縦幅より狭いことを示し、該上記壁用金具1の横幅と壁面C内の柱および縦桟乃至横桟Eに適応することを示している。
図2(C)は、上記壁用金具1の側面図であり、上記ドライバービット挿入孔2と上記取り付けネジ孔4との位置関係を示している。
図3(A)は、上記家具用金具6の正面図であり、6aは、上記家具用金具6の幅より広い家具用金具取り付け部6aであり、該家具用金具6に施された切り込み6cの位置を示し、7は、該家具用金具6の裏面に装着される粘着性部材であり、7aは、粘着性部材カバーシールであり、該家具用金具6を家具天板フレームコアA部分の家具取り付け部6aに密着する際に剥がされる。
図3(B)は、上記家具用金具6の平面図であり、6aは、家具用金具取り付け部であり、幅が広く、長さが長いことを示し、上記家具天板フレームコアA部分への密着面積を広くすることにより、該家具用金具6と家具天板フレームコアA部分との密着度が向上することを示している。
図3(C)は、上記家具用金具6の側面図であり、7は、該家具用金具の裏面に貼付する上記粘着性部材7であり、7aは上記粘着性部材カバーシールであり、該粘着性部材カバーシール7aを剥がして上記家具用金具取り付け部6aに密着させ、家具用金具ア部分を上記切り込み6cと連動して家具方向に曲げることにより該家具用金具6と上記壁用金具1とを一体化させて連結力を高めることを示す側面図である。
図4は、上記壁用金具1と家具用金具6の装着位置を示す側面図であり、該壁用金具1と該家具用金具6が視界に入らず、室内美観を損なわないことを示している。
本発明は、木造住宅の居室内での家具転倒防止金具として利用する他、オフィスビルや生産工場等の部品、サンプル、生産・品質管理等の書類保管庫の転倒防止金具としての利用・応用が可能である。特に、ビルや倉庫、生産工場等が自社所有であれば、壁面に金属製の縦残や横桟の取り付けが可能であり、壁用金具としてボルト等を使用すれば、重量物の保管庫の転倒防止金具として利用・応用が可能である。
本発明は、病医院の医薬品・医療用器具・カルテ保管キャビネットの転倒防止金具として利用・応用が可能である。特に、瓶容器を使用した液状医薬品の保管キャビネット等の転倒防止金具として利用・応用が可能である。
本発明は、既存の金属素材、機械・装置、既存技術による製造が可能であり、新たな投資を要せず、生産コストの低減を図ることができる。
又、家具転倒防止金具の装着に要する道具は、壁下地センサー・巻き尺・電動ドライバー・金鎚・ペンチで可能であり、装着費用と時間を最小限に抑えることができる。
1 壁用金具
1a 壁用金具挿通孔
2 ドライバービット挿入孔
3 座刳り
4 取り付けネジ孔
5 木ネジ
6 家具用金具
6a 家具用金具取り付け部
6b 家具用金具挿通部
6c 切り込み
7 粘着性部材
7a 粘着性部材カバーシール
8 遊び空間
A 家具天板フレームコア
B 家具
C 壁面
D 壁下地材
E 柱および縦桟乃至横桟
F 床面
ア 家具用金具操作点

Claims (3)

  1. 壁用金具と家具用金具で構成され家具背面側に配置する家具転倒防止金具において、前記壁用金具は、板状金属性素材からなり、前記家具用金具を挿通する挿通孔と取り付けネジ孔を有する金具であって、
    前記家具用金具は、側面視略U字形の一端を延設した前記壁用金具の挿通孔の幅より広い家具取り付け部の裏面に粘着性部材を装着し、
    略U字形の他端部の一部に切り込みを入れた前記家具用金具を前記壁用金具の挿通部を挿通して前記壁用金具を連結することを特徴とする家具転倒防止金具。
  2. 前記壁用金具を壁面に固定するネジ孔は、縦・横両方向ともに同一線上に並ばないように配置された請求項1記載の家具転倒防止金具。
  3. 前記家具用金具の挿通部の長さを前記壁用金具の挿通部より長くし、前記壁用金具と前記家具用金具への衝撃を吸収・緩和する遊び空間を設けたことを特徴とする請求項1記載の家具転倒防止金具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3041247U (ja) * 1997-03-07 1997-09-09 株式会社栗山百造 筋交い固定金具
JP2012005822A (ja) * 2010-05-27 2012-01-12 Yuichi Kinjo 装着箇所が任意に選択でき、固定と固定解除がワンタッチ操作で可能となる連結装具着脱方式の家具転倒防止装具

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