JP6178606B2 - 収納部構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の収納家具は収納部内に設置され、方立の位置を横方向に調整することで、収納区画を必要に応じて自在に設定できるようになっている。このため、市販の収納ボックスを当該収納家具の収納スペースに設置しても、横に隙間が生じくいという利点がある。
ところが、このように天板上に物品が収納されることを考慮した場合に、収納ボックスを設置するために方立の位置を自在に設定してしまうと、バランスよく荷重を支持する上では好ましくない。特に、当業者ではない居住者の判断だけで方立の位置を調整することは極めて困難である。
そこで、天板(以下、上部棚板)上に物品を収納でき得る構造を担保した範囲内で、収納スペースの幅方向の広さを調整できるような技術の開発が望まれていた。
前記収納部1(11)の左右側壁4,5間に、当該収納部1(11)の天井2と間隔を空けて水平に架設される上部棚板20(20A)と、
前記収納部1(11)の床3上に立設され、当該床3と前記上部棚板20(20A)の下面間の長さと略等しい高さに設定されて前記上部棚板20(20A)を支持するとともに前記上部棚板20(20A)の長さ方向に沿って移動自在とされた支持体21と、
前記上部棚板20(20A)の下面に突出して設けられ、前記支持体21による前記上部棚板20(20A)の支持可能範囲A1(A2)を超えて当該支持体が21移動することを規制するストッパーS,Sと、
前記収納部11の床3上に立設されるとともに前記収納部11の背面壁16に固定され、前記支持体21と略等しい高さに設定されて前記上部棚板20Aを支持する固定支持体22と、を備え、
前記固定支持体22は、前記支持体21による前記上部棚板20Aの支持可能範囲A2外に配置されていることを特徴とする。
さらに、前記固定支持体22は、前記支持体21による前記上部棚板20Aの支持可能範囲A2外に配置されているので、前記支持体21は、当該固定支持体22の有無に関わりなく、前記上部棚板20Aの長さ方向に沿って移動させることができる。その上で、前記支持体21と共に当該固定支持体22によって前記上部棚板20Aを支持できるので、前記上部棚板20Aの長さが長い場合であっても確実に前記上部棚板20Aの支持が可能となる。
前記ストッパーS,Sは、前記支持体21の一方の側面(例えば一方の側板24)側と他方の側面(例えば他方の側板24)側の双方に配置されていることを特徴とする。
前記固定支持体22は、前記左右側壁4,5から離間して配置されていることを特徴とする。
前記上部棚板20(20A)の下部には、当該上部棚板20(20A)の長さ方向に沿ってハンガーパイプ23(23A)が設けられており、
前記支持体21の上端部には、前記ハンガーパイプ23(23A)が挿入されるパイプ溝24aが形成されていることを特徴とする。
また、前記支持体21によって前記ハンガーパイプ23(23A)に掛けられる衣類等の重量を支えることができるので、衣類等が掛けられた際の前記ハンガーパイプ23(23A)の撓みを抑えることができる。
前記支持体21は、前記床3と前記上部棚板20(20A)の下面間の長さと略等しい高さに設定された左右の側板24,24と、
前記左右の側板24,24に架設されるとともに当該側板24,24の高さ方向に間隔を空けて配置された複数の棚板25…と、を有することを特徴とする。
図1〜図3において符号1は、建物に設けられる押入れやクローゼット等の収納部を示す。本実施の形態においてはクローゼットが採用されている。
この収納部1は、建物の天井2と床3との間に、互いに対向する左右の側壁4,5と、これら左右側壁4,5間に直交するようにして背面壁6とが設けられることによって構成されている。前面は開口しており、図示しない戸が設けられる。そして、天井2と、床3と、左右側壁4,5と、背面壁6とで囲まれた空間が収納スペースとなっている。
建築用壁パネルとは、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面に面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填されるものである。
また、左右側壁4,5および背面壁6のうち、後述する上部棚板20が設けられる高さ位置に合わせて、上端面で当該上部棚板20を受ける受桟4a,5a,6aがそれぞれ取り付けられている。
これら受桟4a,5a,6aや巾木4b,5b,6bの取り付けはビスや接着剤等が適宜用いられる。
なお、本実施の形態の裏側下地材7は、建築用壁パネルの製造段階で予め取り付けられるものとする。また、左右側壁4,5および背面壁6を建築用壁パネルで構成しない場合には現場で裏側下地材7を取り付けるようにしてもよい。
上部棚板20は、収納部1の左右側壁4,5間に、当該収納部1の天井2と間隔を空けて水平に架設される矩形状の板材である。また、この上部棚板20は、側壁4と側壁5との間にわたって長尺に形成されている。また、長さ方向両端部が左右側壁4,5の前記受桟4a,5aに載置固定され、背面側端部が背面壁6の前記受桟6aに載置固定されている。
そして、上部棚板20は、天井2との間に間隔を空けて設けられているため、その上面に物品を置いて収納することが可能となっている。
なお、本実施の形態では収納部1はクローゼットであるが、例えば収納部1を押入れとした場合には、当該押入れの中央に設けられる段板を上部棚板として使用してもよい。
本実施の形態の支持体21は、左右の側板24,24と、複数の棚板25…と、背板26と、天板27と、を有し、略ボックス状に形成されている。
また、左右の側板24,24の背面側上端部には、前記受桟6aが係合する凹部が切欠形成されている。さらに、背面側下端部には、前記巾木6bが係合する凹部が切欠形成されている。
そして、支持体21の上端部、すなわち左右の側板24,24の上端部には、ハンガーパイプ23が挿入されるパイプ溝24a,24aがそれぞれ形成されている。これによって、支持体21を、ハンガーパイプ23に沿って移動できるようになる。
これら複数の棚板25…のうち、最上段の棚板25と最下段の棚板25は、左右の側板24,24に固定された状態となっている。これら最上段の棚板25と最下段の棚板25の間に設けられる棚板25は、従来公知のダボおよびダボ穴等の棚板支持手段を採用することによって上下方向に位置の調整が行えるものとする。
さらに、このように配置された背板26の上端部に前記最上段の棚板25が設けられ、下端部に前記最下段の棚板25が設けられている。なお、最上段の棚板25と最下段の棚板25の間に設けられる棚板25の奥行き寸法は、背板26の厚み分、最上段の棚板25と最下段の棚板25の奥行き寸法よりも短く設定されている。
本実施の形態の支持体21は、以上のように構成されている。
このストッパーSの形状は特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、突起状に形成されている。また、その他にも、形状を上部棚板20の奥行き方向に沿って長尺な突条としてもよいし、突起状のものを上部棚板20の奥行き方向に複数並べて配置してもよいものとする。また、ストッパーSの材料も特に限定されるものではなく、例えばゴムや木材、金具等、様々なものを用いることが可能である。
なお、ストッパーSの取り付けは、ビスや接着剤等が適宜用いられる。
そして、これら左右のストッパーS,S間が、前記支持体21による前記上部棚板20の支持可能範囲A1とされている。
また、建物を構築する際、設計段階から構造計算が行われることによって安全性に配慮された建物を構築できるが、このような構造計算を行う際には、前記基準寸法も加味して計算が行われるため、本実施の形態においても、前記支持可能範囲A1の数値を導き出す際に、前記基準寸法が好適に使用される。
すなわち、本実施の形態においては、左側のストッパーSは、当該ストッパーSに前記支持体21の左の側板24が当接した時に、右の側板24と右の側壁5との間の間隔が1000mmを超えない位置に配置されている。一方の右側のストッパーSは、当該ストッパーSに前記支持体21の右の側板24が当接した時に、左の側板24と左の側壁4との間の間隔が1000mmを超えない位置に配置されている。
本実施の形態においては、上述のように基準寸法に基づいて前記支持可能範囲A1を決定するものとしたが、これに限られるものではなく、より詳細に構造計算を行ってストッパーS,Sの位置を決めてもよいし、前記支持可能範囲A1が限界値よりも狭くなるようにストッパーS,Sの位置を設定して確実に上部棚板20を支持し得るようにしてもよい(例えば、支持体21を中央側に寄せて配置するとともに当該支持体21の移動距離も短くする等)。
すなわち、本実施の形態の収納部1は、上部棚板20と支持体21とによって収納部1の収納スペースを区画する収納家具を構成し、当該収納家具を収納スペース内に含んだ構成となっている。
また、例えば収納部1内の床3に設置する収納ボックス(図示せず)を、横方向に大きな隙間が生じないように配置するには、当該収納ボックスを側壁4(5)に近づけて(例えば巾木に当接するまで近づけて)配置し、さらに支持体21を収納ボックスの側面に当接するまで移動させる。これによって、支持体21によって上部棚板20を確実に支持しつつ、収納ボックスの横に大きな隙間が生じなくなる。
また、支持体21によってハンガーパイプ23に掛けられる衣類等の重量を支えることができるので、衣類等が掛けられた際のハンガーパイプ23の撓みを抑えることができる。
図4および図5は、収納部構造の他の一例を示す。本実施例の収納部11が上述の収納部1と異なる点は、当該収納部11の幅方向の広さを大きくした点である。以下の説明では上述の収納部1の構造と同様の構成要素には、同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
そして、上述の収納部1の場合と比して、左右側壁4,5間の間隔が広く設定されている。なお、天井高は上述の収納部1の場合と同様である。
なお、上部棚板20Aは、異なる長さの矩形板材を繋ぎ足して長く形成してもよい。
固定支持体22の構成は、前記支持体21の構成と同様であり、左右の側板24,24と、複数の棚板25…と、背板26と、天板27と、を有する略ボックス状体である。
また、左右の側板24,24の上端部には、ハンガーパイプ23Aを挿入するパイプ溝24a,24aが形成されている。ただし、固定支持体22は移動しないため、ハンガーパイプ23Aによるガイド機能はなく、左右の側板24,24によって当該ハンガーパイプ23Aの支持のみ行っている。
また、固定支持体22の右側の側板24と右の側壁5との間の間隔が大きすぎると、上部棚板20Aの右側の端部側で荷重を支えにくくなるため、固定支持体22と側壁5(支持体21との並び順によっては側壁4の場合もある)との間隔にも、支持可能範囲の数値が適用される。すなわち、本実施例においては1000mm以上の間隔ができないように固定支持体22が配置されている。
そして、これら左右のストッパーS,S間が、本実施例における支持可能範囲A2とされている。固定支持体22は、当該支持可能範囲A2外に配置されているので、支持体21は、当該固定支持体22の有無に関わりなく、上部棚板20Aの長さ方向に沿って移動させることができる。その上で、支持体21と共に当該固定支持体22によって上部棚板20Aを支持できるので、上部棚板20Aの長さが長い場合であっても確実に上部棚板20Aの支持が可能となる。
以上のようにして収納部11が構成されている。
2 天井
3 床
4 側壁
5 側壁
6 背面壁
11 収納部
16 背面壁
20,20A 上部棚板
21 支持体
22 固定支持体
S ストッパー
A1 支持可能範囲
A2 支持可能範囲
Claims (5)
- 建物に設けられる押入れやクローゼット等の収納部の構造において、
前記収納部の左右側壁間に、当該収納部の天井と間隔を空けて水平に架設される上部棚板と、
前記収納部の床上に立設され、当該床と前記上部棚板の下面間の長さと略等しい高さに設定されて前記上部棚板を支持するとともに前記上部棚板の長さ方向に沿って移動自在とされた支持体と、
前記上部棚板の下面に突出して設けられ、前記支持体による前記上部棚板の支持可能範囲を超えて当該支持体が移動することを規制するストッパーと、
前記収納部の床上に立設されるとともに前記収納部の背面壁に固定され、前記支持体と略等しい高さに設定されて前記上部棚板を支持する固定支持体と、を備え、
前記固定支持体は、前記支持体による前記上部棚板の支持可能範囲外に配置されていることを特徴とする収納部構造。 - 請求項1に記載の収納部構造において、
前記ストッパーは、前記支持体の一方の側面側と他方の側面側の双方に配置されていることを特徴とする収納部構造。 - 請求項1又は2に記載の収納部構造において、
前記固定支持体は、前記左右側壁から離間して配置されていることを特徴とする収納部構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納部構造において、
前記上部棚板の下方には、当該上部棚板の長さ方向に沿ってハンガーパイプが設けられており、
前記支持体の上端部には、前記ハンガーパイプが挿入されるパイプ溝が形成されていることを特徴とする収納部構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の収納部構造において、
前記支持体は、前記床と前記上部棚板の下面間の長さと略等しい高さに設定された左右の側板と、
前記左右の側板に架設されるとともに当該側板の高さ方向に間隔を空けて配置された複数の棚板と、を有することを特徴とする収納部構造。
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