JP5425588B2 - 間仕切り家具の組付構造 - Google Patents

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本発明は、住宅等の部屋を間仕切りして二つの部屋空間を形成するための間仕切り家具の組付構造に関するものである。
図10は、従来の間仕切り家具の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この間仕切り家具51は、家屋内に第一の部屋と第二の部屋とを区画形成するために、左右端及び内側の幅狭な各側板52と、側板52と同じ幅の上下の天板53及び底板54と、両部屋を仕切る幅広の背板(図示せず)と正面側の扉55と、内側の棚板56等とを組み合わせて、洋服ダンス57やロッカ58やガラス戸棚59等といった収納部をユニット式に構成したものである。
左右端の側板52はゴム材60を介して部屋の側壁61に隙間なく接し、天板53と底板54はねじ式のアジャスタ62を介して部屋の天井63と床板64に押接固定され、天板53と天井63との間、及び底板54と床板64との間には、隙間を隠す化粧幅木65が設けられている。
上記以外の間仕切り家具(図示せず)としては、例えば特許文献2に、一つの部屋内で事務スペースと待合スペースとを区画するために、家屋内の複数の収納部を略L字状に配置して、安定性を高めたものが記載されている。
特開昭60−261843号公報(第1図) 特開2009−121170号公報(図1)
しかしながら、上記従来の間仕切り家具51にあっては、床側に固定用のアジャスタ62を必要とするために、見栄えが悪くなったり、床板64に傷が付きやすくなるという懸念があった。また、底板54が床板64よりも一段高く位置するために、収納物の出し入れをスムーズに行いにくいと共に、隣接する部屋の出入口としての貫通部を形成する場合に、底板54が邪魔になって出入りをスムーズに行いにくく、出入口の底板54をなくした場合には、間仕切り家具51の強度が低下してしまうという懸念があった。また、背板(図示せず)の位置が一定であるために、第一の部屋と第二の部屋とで収納部57〜59の奥行きを変更したい場合に対応できないという懸念があった。
本発明は、上記した点に鑑み、間仕切り家具の固定を見栄えの低下や床板の傷付き等なく行うことができると共に、間仕切り家具の底板に影響されずに収納物の出し入れや出入口の通過をスムーズに行うことができ、それに加えて、間仕切り家具の表裏の収納部の奥行きを適宜変更することのできる間仕切り家具の組付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る間仕切り家具の組付構造は、建物の床の下板に前後の段差を設けて、該段差間に凹部を形成し、該凹部内に間仕切り家具の底板を収容し、該下板と該底板との上面に、前後方向に連続する床板を配設し、該底板に立設した側板を該床板に貫通させたことを特徴とする。
上記構成により、下板の凹部内に間仕切り家具の底板が収納・位置決めされ、床板で上から押さえられて固定される。底板を床板が覆うことで、底板の出っ張りがなくなる。床板から上方に突出した側板には、棚板等が適宜形態に配設される。
請求項2に係る間仕切り家具の組付構造は、請求項1記載の間仕切り家具の組付構造において、前記間仕切り家具を前後に貫通して、前記床板の上面を床面とした出入り用のトンネルを設けたことを特徴とする。
上記構成により、間仕切り家具の底板の上に配置された床板がトンネルの床面を成し、人(幼児)の出入りが底板への干渉なくスムーズに行われる。トンネルの左右両側の間仕切り家具部分が底板で連結されることで、間仕切り家具の剛性が高まる。トンネルの下側だけ底板を省略する(トンネルの左右両側の間仕切り家具部分にのみ底板を設ける)ことも可能である。
請求項3に係る間仕切り家具の組付構造は、請求項1又は2記載の間仕切り家具の組付構造において、前記間仕切り家具の背板を板厚方向に移動可能として、該背板の前後の収納部の奥行きを可変としたことを特徴とする。
上記構成により、背板を移動して間仕切り家具の前後の収納部の奥行きを適宜変更可能となる。背板の移動(固定)手段としては、例えば側板に複数列に設けたピン孔に選択的にピンを挿入し、背板に設けたケーシングをピンに嵌合係止させたり、あるいは側板間に配設した棚板の前後の端面を背板の表裏面に当接させたりすることが挙げられる。
請求項1記載の発明によれば、間仕切り家具の底板を床板で上から押さえることで、例えばねじ式のアジャスタ等を用いた場合に較べて、間仕切り家具の固定を見栄えの低下や床板の傷付き等なくスマートに行うことができる。また、間仕切り家具の底板が床板で完全に隠されるから、底板に干渉することなく、収納物等の出し入れをスムーズに行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、間仕切り家具の底板が床板で隠され、床板の上面がトンネルの床面になるから、幼児等が底板につまずくことなくトンネルの出入りをスムーズ且つ安全に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、間仕切り家具で仕切られた前後の各部屋の収納物の多少に応じて、間仕切り家具の前後の収納部の奥行きを適宜変更することで、間仕切り家具の使い勝手を高めることができる。
本発明に係る間仕切り家具の組付構造の一実施形態を示す縦断面図である。 同じく間仕切り家具の組付構造を示す分解斜視図である。 置き床上に間仕切り家具とフローリングを配置した状態を示す斜視図である。 間仕切り家具の底板上にフローリングを配置した状態を示す斜視図である。 間仕切り家具の完成状態を示す斜視図である。 間仕切り家具におけるキッズトンネルの一例を示す斜視図である。 背板を厚み方向中央に配置した状態の間仕切り家具内部の側面図である。 背板を移動させた状態の間仕切り家具内部の側面図である。 側板への背板の一固定手段を示す分解斜視図である。 従来の間仕切り家具の一形態を示す正面図である。
図1〜図4は、本発明に係る間仕切り家具の組付構造の一実施形態を示すものである。
この間仕切り家具1の組付構造は、図1,図2の如く、家屋の床側のパーティクルボード(下板)2,2’を前後の段差2aを設けて配設し、図1の如く、前後の段差2a間の凹部3内に間仕切り家具1の底板4を収容嵌合して、パーティクルボード2の上面2bと底板4の上面4bとを同一の水平面とし、図1,図3,図4の如く、パーティクルボード2の上面2bと底板4の上面4bとに沿ってフローリング(床板)16を配設したものである。なお、「前後」とは間仕切り家具1の厚み方向(各部屋の並び方向)を意味する。
図1,図2の如く、前後のパーティクルボード2よりも中央のパーティクルボード2’が一段低く配置され、中央のパーティクルボード2’の上側に凹部空間3が形成される。凹部3の前後の段差面2aに底板4の前後の端面が当接して、間仕切り家具1が前後方向に位置決めされる。図1の如く、各パーティクルボード2,2’は板厚の範囲内で上下にラップすることが好ましく(凹部3の深さはパーティクルボード2の板厚以下に設定される)、その状態で各パーティクルボード2,2’の端面を相互に突き当わせるか、あるいは各端面の間に縦方向の短いパーティクルボード2cを介在させる。
図1の如く、各パーティクルボード2,2’は、段差部2aにおいて段付5aの受板5で支持され、受板5はねじ込み調整式の支柱6に固定され、支柱6は台座7に固定され、台座7は、セルフレベリング仕上げされた床下面9で支持されている。パーティクルボード2,2’は置き床であり、受板5と支柱6と台座7とで成る床置き治具8で置床工事が行われ、防音性や保温性が高められる。図1で、符号10は間仕切り家具1の側板、11は同じく扉、12は、側板10と扉11とを連結するヒンジをそれぞれ示している。
図2の如く、パーティクルボード2,2’の凹部3は間仕切り家具1の左右方向(幅方向)に延長されている。図2においては間仕切り家具1の一部の収納部本体(符号1で代用する)を図示している。図4の如く、本例の間仕切り家具1は、凹部3に係合した水平な底板(横板)4と、底板4から垂直に立設された複数枚(本例で四枚)の側板(縦板)10と、各側板10の上端を連結した水平な天板(横板)13と、各側板10間に配置された水平な棚板(固定棚)14とを少なくとも備えている。各側板10の間に、前後の部屋を仕切る垂直な隔壁18(図5)や、複数の可動棚14(図5)等が後付けされる。
図4の間仕切り家具1の底板4は天板13のように横長に連続していることが好ましいが、中央寄りの二枚の側板10の間を除いて左右二枚の短い底板4を分離して設けることも可能である。その場合、図2の如く左右の各二枚の側板10が短い各底板4で連結され、図4の中央寄りの二枚の側板10は水平な固定棚板(例えば図5の符号15)で連結補強される。
図2の如く、側板10がフローリング16の切欠溝(孔)16aを貫通し、側板10の内面が切欠溝16aの内面に接し、側板10の外面が隣接のフローリング16の外面に接する。底板4の下面は凹部3の上面(中央のパーティクルボード2’の上面)に当接し、底板4の上面はフローリング16の下面に当接して、フローリング16で下向きに押されて中央のパーティクルボード2’の上面に押し付けられる。フローリング16は接着剤で前後のパーティクルボード2の上面に接着固定される。この際、底板4の上面をフローリング2’の下面に接着剤で固定することも可能である。
何れの場合でも、パーティクルボード2に接着したフローリング16で底板4が押さえられて、パーティクルボード2とフローリング16との間にしっかりと固定される。これにより、少なくとも間仕切り家具1の床側の固定部材(たとえば図10の従来例のアジャスタ62)が不要となる。また、図3,図4の如く、底板4がフローリング16で完全に覆われて隠されるから、底板4に起因する段差がなくなり、収納物の出し入れや、図5,図6に示すキッズトンネル(トンネル)17への出入りがスムーズに行われる。
図5,図6は、間仕切り家具1の完成状態を示すものであり、図5の如く、各側板10の間に垂直な背板18と水平な棚板14とが配設され、側板10に扉11が開閉自在に設けられ、中央寄りの二枚の側板10の間に出入口としてのキッズトンネル17が設けられ、キッズトンネル17は手前側の部屋19と奥側の部屋(図示せず)とを前後に連通している。背板18と棚板14とは側板10に後述の連結具31(図9)で固定されている。
本例においては、キッズトンネル17を除いて、左右の収納部20の底部(フローリング16上)に台板21をあえて配置して、収納物(図示せず)の出し入れによるフローリング16の傷付きを防いでいる。台板21を用いずに、フローリング16上に掃除機等の収納物を直接収納することも可能である。キッズトンネル17は左右の側板10と上側の水平な中間天板(固定棚)15と下側のフローリング16とで囲まれて矩形状に構成されている。キッズトンネル17の床面16に段差がないので、幼児がつまずいたりすることなくスムーズにフローリング16上を行き来することができる。
図6の如く、キッズトンネル17内にはキッズキャスタ22等を収納しておくことができ、キッズキャスタ33等の出し入れもフローリング26の上面に沿って自在に行うことができる。図6では各扉11を閉めた状態を示している。
図5の如く、間仕切り家具1の天板13は化粧幅木25を介して部屋19の天井23にほぼ隙間なく接し、左右端の側板10も部屋19の側壁19aにほぼ隙間なく接している。本例の間仕切り家具1は前述の如く底板4をフローリング16とパーティクルボード2’との間に挟み込んで固定したものであるが、天板13側の幅木25が天井23に接し、側板10が側壁19aに接したことで、倒れ方向の力がフローリング16以外に天井23や側壁19aにも作用して補強されることで、十分な固定強度を維持している。棚板14の数や配置を適宜変えることで、クローゼットや物入れや引出し付きクローゼットやデスク(ミニ書斎)等を必要に応じて適宜形成することができる。
図7,図8は、上記間仕切り家具1の垂直な背板18の奥行きを可変とした構造例を示すものである。
図7において背板18は奥行き方向の中央に配置され、図8において背板18は中央よりも他方の部屋26寄りに配置されている。図7の背板18は間仕切り家具1の幅方向中央のもので、背板18の下側にキッズトンネル17が設けられている。図8の背板18は間仕切り家具1の幅方向右側又は左側のものである。各背板18は左右及び中央の各収納部本体(符号1で代用)ごとに独立して移動させることもできる。
なお、間仕切り家具1の底板4は、前述の如く段付のパーティクルボード2,2’の凹部3内に収容され、底板4の上にフローリング16が配設され、パーティクルボード2,2’は段付の治具8で支持され、治具8はセルフレベリング面9で支持されている。
間仕切り家具1の側板10には、複数の等ピッチの孔27が縦方向に複数列に設けられており、図9の如く、孔27に着脱自在なピン28を選択的に挿入ないし螺挿し、ピン28で図7,図8の水平な棚板(可動棚)141,142や垂直な背板18のケーシング部分29を所望の位置に固定する。
棚板14はピン28に対して自重で支持させればよいが、背板18は、例えば図9の例の如く孔部30に短円柱状のケーシング29を嵌め込み、ケーシング29の溝29a内に、ピン28を挿入した状態で係止させる図示しない可撓性の係止爪(係止部)を設けたり、あるいはケーシング29の鍔側の端面29bにねじ固定されるカバー(図示せず)に、溝29a内に進入してピン28の抜け止めをする係止突部(係止部)を設けたりすることで、背板18の倒れを防止することができる。これら係止部を有するケーシング29とピン28とで金属製ないし合成樹脂製の連結具31が構成される。
あるいは、図7,図8に示すように、背板18の表面18aと裏面18bとに前後の各種長さの棚板14の端面14aを当接させることで、背板18の倒れを防ぐことも可能である。棚板14は図9の背板18と同様に市販のケーシング29(係止部は形成されていない)を備えており、側板10から突出したピン28にケーシング29の溝29aを上から係合させ、溝29aの終端面にピン28を当接停止させる。少なくとも背板18の倒れ方向の面(表面又は裏面)に棚板14の端面14aを当接させる。連結具31を用いなくとも、背板18の表面と裏面とに前後の各棚板14の端面14aを当接させれば、背板18の倒れは防止することができる。
図7の例では前後の各収納部20において同じ長さの棚板14,141を用い、図8の例では前側の収納部20において長い棚板14と短い棚板142とを用い、後側の収納部20において短い棚板142を用いて、各棚板14の端面14aを背板18の表裏面18a,18bに当接させている。各棚板14と各ピン28を外して、背板18を所望の位置に移動させ、各ピン28と各棚板14を装着して背板18を表裏から挟むように確実に固定することができる。
なお、上記実施形態においては、下板としてパーティクルボード(チップボード)2を用いたが、パーティクルボード2に代えて高強度の石膏ボードや木板等を用いることも可能である。また、床板としてフローリング16に代えてタイル等を用いることも可能である。また、上記実施形態においては、間仕切り家具の組付構造として説明したが、本発明は、それ以外に間仕切り家具の施工方法等としても有効なものである。
本発明に係る間仕切り家具の組付構造は、住宅やオフィスや各種教室等において、床板として例えばフローリングを配置する部屋を二つに仕切るために利用することができる。
1 間仕切り家具
2,2’ パーティクルボード(下板)
2a 段差
3 凹部
4 底板
10 側板
16 フローリング(床板)
17 キッズトンネル(トンネル)
18 背板
20 収納部

Claims (3)

  1. 建物の床の下板に前後の段差を設けて、該段差間に凹部を形成し、該凹部内に間仕切り家具の底板を収容し、該下板と該底板との上面に、前後方向に連続する床板を配設し、該底板に立設した側板を該床板に貫通させたことを特徴とする間仕切り家具の組付構造。
  2. 前記間仕切り家具を前後に貫通して、前記床板の上面を床面とした出入り用のトンネルを設けたことを特徴とする請求項1記載の間仕切り家具の組付構造。
  3. 前記間仕切り家具の背板を板厚方向に移動可能として、該背板の前後の収納部の奥行きを可変としたことを特徴とする請求項1又は2記載の間仕切り家具の組付構造。
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