JP5851750B2 - クレンジング料 - Google Patents

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Description

本発明はクレンジング料に関し、さらに詳細には、クレンジング力が非常に高く、使用性にも優れる水性クレンジング料に関する。
メイクアップ化粧料や皮脂などの皮膚に付着した汚れを取り除くために洗浄剤として界面活性剤を用いたクレンジング料が使用されている。近年、汗や油にも強いウォータープルーフタイプのメイクアップ化粧料の開発などに伴い、クレンジング料にはより高い洗浄効果が求められている。
クレンジング料は、油性タイプ、乳化タイプ、水性タイプなどに大別でき、それぞれ使用感や洗浄力に特徴がある。このうち、水性タイプのクレンジング料は、べたつかずさっぱりした使用感を有するものの、油性タイプ等と比べ一般的にクレンジング力に劣るとされている。
このため、水性タイプのクレンジング料のクレンジング力を改善する技術が検討されている。例えば、多価アルコールは、皮膚に塗布すると皮膚上の微量の水分と反応して水和熱を発生させるため、その発熱作用による洗浄効果の向上を図って基剤として用いられる。具体的には、多価アルコール、非イオン界面活性剤及びオリゴエステル系ゲル化剤を含有する固形状クレンジング料や多価アルコールとポリグリセリン脂肪酸エステルを配合したクレンジング化粧料などが提案されている(特許文献1および2)。しかし、これらのクレンジング料でも、強固な油汚れなどを十分に除去することは困難であった。
特許第4090384号公報 特開平11−263719号公報
したがって、水性クレンジング料においてクレンジング力を向上させる技術が望まれており、本発明はそのような高いクレンジング力を有する水性クレンジング料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、非イオン界面活性剤を水性溶媒中に溶解させるのではなく、分散状態で存在させることによって、汚れに対して非イオン界面活性剤が高濃度で接触し、洗浄効果が顕著に向上するという知見を得た。しかし水性溶媒中で非イオン界面活性剤を安定して分散させることは非常に困難であり、直ちに分離してしまうなど安定性の問題に直面した。これに対し、安定性を改善する方法を種々検討した結果、水性溶媒としてグリセリンを用い、また特定のアクリル酸系水溶性高分子を組み合わせて用いることにより、伸び広がり等の使用性に優れながらも、非イオン界面活性剤の分散安定性を著しく向上できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)グリセリン
(B)アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー及び/又はアク
リルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマー
(C)アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマー
(D)25℃で液状であって、成分(A)に溶解しない非イオン性界面活性剤
を含有し、成分(A)を連続相とし、成分(D)が成分(A)中に分散していることを特徴とするクレンジング料である。
本発明のクレンジング料は、クレンジング力が非常に高く、また、適度な温感が感じら
れ、伸び広がりが良いため使用性に優れるものである。さらに安定性が高いため長期間にわたって分離等の発生を抑制することが可能である。
本発明のクレンジング料には成分(A)グリセリンを含有する。本発明では、水性溶媒の中でもグリセリンを用いて連続相を形成させることにより、非イオン界面活性剤をその中に安定して分散させることができる。クレンジング料中の成分(A)の含有量は、好ましくは70〜95質量%(以下、「%」で示す)であり、より好ましくは75〜85%である。この範囲であるとグリセリンによって連続相が形成され、温感にさらに優れたものとなり、また、それによってクレンジング力が向上するため好ましい。
また本発明のクレンジング料には、成分(B)アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー及び/又はアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマーを用いる。アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマーは、アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体であり、International Cosmetic Ingredient Dictionaryに「SODIUM ACRYLATE/SODIUM ACRYLOYLDIMETHYL TAURATE COPOLYMER」と記載されている物質があげられ、これをコポリマー単独でも、或いは、他の成分を含む組成物としても使用できる。他の成分を含む組成物としては、当該コポリマーを35%含有する分散物がSIMULGEL EGとしてSEPPIC社から市販されている。アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマーは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の中和剤により部分又は全体的に中和された架橋コポリマーである。この架橋コポリマーは、例えばアゾビスイソブチロニトリル型の開始剤を用いてアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムとをラジカル共重合すること等により製造でき、International Cosmetic Ingredient Dictionaryに「POLYACRYLAMIDE」と記載されている物質があげられる。架橋コポリマーは、例えば、イソパラフィン等の炭化水素や非イオン性界面活性剤と共に、水中に分散された組成物としても使用可能であり、当該架橋コポリマーを40%含む分散物がセピゲル305としてSEPPIC社から市販されている。
クレンジング料中の成分(B)の含有量は0.01〜2%が好ましく、より好ましくは0.1〜1%である。この範囲であると伸び広がりに優れるために好ましい。また成分(A)と成分(B)は、含有質量比が1500:1〜200:1、より好ましくは1000:1〜400:1の範囲となるように含有させると、伸び広がりに優れながらも安定性に優れるため好適である。
また本発明のクレンジング料には、成分(C)アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーを用いる。ここで、「カルボキシビニルポリマー」とは、重合性ビニル基と、カルボキシル基又はアルキル変性カルボキシル基とを少なくとも有する重合性モノマーを構成単位として含む重合体の総称である。これらの中でもアルキル変性カルボキシビニルポリマーが安定性に優れ、さらに伸び広がりに優れるために好ましい。ここで、「アルキル変性」とは、カルボキシル基の一部又は全部がアルキルエステル化していることをいい、例えば、少なくとも1種のアクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類を構成モノマーとして含む重合体は、アルキル変性されたカルボキシビニルポリマーの例に含まれる。アルキル変性のアルキル基の炭素数は、限定されるものではないが、10以上30以下が好ましく、18以上24以下がより好ましい。アルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品としてCARBOPOL1342、CARBOPOL1382(以上、LUBRIZOL ADVANNCED MATERIALS社製)、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(以上、NOVEON社製)等が挙げられ、カルボキシビニルポリマーの市販品としてはCARBOPOL940、CARBOPOL941、CARBOPOL980、CARBOPOL934(以上、LUBRIZOL ADVANNCED MATERIALS社製)等が挙げられる。
クレンジング料中の成分(C)の含有量は0.01〜2%が好ましく、0.05〜1%がより好ましい。この範囲であると伸び広がりに優れるために好ましい。また成分(B)と(C)を含有質量比が4:1〜1:2さらに2:1〜1:1の範囲となるように含有することが好ましく、この範囲であると伸び広がりや安定性においてさらに優れたものとなる。
さらに本発明のクレンジング料には、成分(D)25℃で液状であって、成分(A)に溶解しない非イオン性界面活性剤を用いる。25℃で液状とは、例えばブルックフィールド型回転粘度計を用いて25℃で測定した粘度が10〜5000mPa・s、好ましくは100〜3000mPa・sの範囲である。また成分(A)に溶解するか否かは、25℃において、成分(A)中に非イオン界面活性剤を5〜10%程度添加、撹拌して光学顕微鏡にて分散滴の有無を観察する方法によって確認することができる。具体的には、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(10モル)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの中でもポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルがクレンジング力やクレンジング後の肌のさっぱり感に優れるため好適に用いられる。その中でも、ポリオキシエチレンの付加モル数は10〜20モルが好ましく、脂肪酸は炭素数12〜22及び分岐していることが好ましく、HLBは8〜13が好ましい。
クレンジング料中の成分(D)の含有量は、0.1〜20%が好ましく、5〜15%がより好ましい。この範囲であるとクレンジング力がさらに優れるために好ましい。
本発明のクレンジング料には、さらに必要に応じて成分(E)非極性油を含有させることにより、使用した際の伸び広がりやクレンジング力を向上することができる。非極性油としては、流動パラフィン、イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油、アミノ変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン等の変性シリコーン油等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも25℃における動粘度が5〜100mm/sである低粘度の鎖状及び環状のシリコーン油等が、クレンジング力を向上させクレンジング後の肌のさっぱり感に優れるため好適に用いられる。
クレンジング料中の成分(E)の含有量は0.1〜10%が好ましく、2〜8%がより好ましい。この範囲であるとクレンジング力が良好であるため好ましい。
本発明のクレンジング料は、また必要に応じて成分(F)ゼオライトを含有することができる。ゼオライトを含有することによって、より温感が向上しクレンジング力を高めることができる。ゼオライトとしては、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、ベータ型、ZSM−5等が挙げられる。
これらの中でも合成ゼオライト粉末が好ましく用いられ、例えば(1−x)NaO・xKO・Al・2SiO(x≧0.3)の合成ゼオライト3A型、NaO・Al・2SiOの合成ゼオライト4A型、(1−x)NaO・xCaO・Al2SiO(x≧0.7)の合成ゼオライト5A型等が好適である。また粒径は、10〜300μmが好ましく、市販品としてゼオラムA3、ゼオラムA4、ゼオラムA5(東ソー社製)等が好適に用いられる。
クレンジング料中の成分(F)の含有量は0.01〜20%が好ましく、5〜10%がより好ましい。この範囲であると温感に優れ、物理的刺激も少ないため好ましい。
本発明のクレンジング料に含有し得るその他の成分としては、成分(A)〜(F)以外の界面活性剤、油剤、保湿剤、粉体、色素、香料、殺菌剤、消炎剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、美容成分等が例示できる。また成分(A)グリセリン以外の水性溶媒も本発明の効果を損ねない範囲において使用することができるが、その含有量は20%以下とすることが好ましく、10%以下とすることがより好ましく、5%以下とすることがさらに好ましく、実質的に含まないことが最も好ましい。水性溶媒としては、例えば、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
上記成分(A)〜(D)および必要に応じ成分(E)、(F)やその他の任意成分を常法に従って混合することにより、成分(A)が連続相を形成し、その中に(D)が分散状態で存在する本発明のクレンジング料を調製することができる。例えば、成分(A)及び(C)を予め室温で混合し、ディスパーにより攪拌し、減圧を保持したまま80℃まで加温し、次いで成分(B)及び(D)やその他の任意成分を添加して攪拌し、35℃まで冷却することによって製造することができる。成分(D)が成分(A)中に分散している状態とは、連続相である成分(A)中に成分(D)が滴として存在している状態であり、成分(D)が分子レベルで存在している溶解状態とは異なる。成分(D)が成分(A)中に分散していることは光学顕微鏡により分散滴を観察する方法によって確認できる。成分(D)の分散滴の平均粒子径は0.5〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。このような範囲であると分散滴の合一をおこしにくく安定性に優れ、高いクレンジング力が得られる。なお平均粒子径は、光学顕微鏡にて分散滴100個の粒子径を測定し、平均を算出した値である。またクレンジング料は25℃での粘度が3500〜20000mPa・sであることが好ましく、5000〜7500mPa・sの範囲がより好ましい。このような範囲であると安定性に優れながらも伸び広がりに優れるため好ましい。この粘度はブルックフィールド型回転粘度計を用いて25℃で測定される値である。
本発明のクレンジング料の剤型としては、クレンジングローション、クレンジングジェル等が例示できる。またその使用方法としては、クレンジング料を乾いた手のひらにとり、ファンデーションや口紅などのメイクアップ料とよくなじませ、水等で洗い流すことによる。使用部位としては顔や唇、目の周辺等が好ましく、不織布に含浸させて含浸シート型クレンジング料として使用することもできる。
以上のようにして得られる本発明のクレンジング料は、非イオン性界面活性剤が水性溶媒中に溶解している従来のクレンジング料と比較してクレンジング力が著しく高いものである。すなわち、非イオン性界面活性剤が水性溶媒中に溶解している場合は、その非イオン性界面活性剤は水性溶媒と結合しており、汚れに対して作用する際にその結合を切るエネルギーが必要である。それに対して、非イオン性界面活性剤が分散状態で存在している場合は、水性溶媒と結合していない非イオン性界面活性剤が多く、結合を切るエネルギーが低くて済むため、汚れに対して作用しやすい。このように本発明のクレンジング料は、成分(D)の非イオン性界面活性剤が分散滴として存在することにより、溶解状態と比べて結合を切るエネルギーが小さくて済み、汚れに対して非イオン性界面活性剤が高濃度のまま接触し、効率良く機能するため、従来の水性クレンジング料と比べ、飛躍的にクレンジング力が向上すると考えられる。また、グリセリンやゼオライトの水和熱による温度上昇も加わることで、クレンジング料と汚れとの相溶性が高まり、また、毛穴が開いて汚れが落としやすくなるといったクレンジング力のさらなる向上につながる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実施例1〜5および比較例1〜7
非イオン性界面活性剤の検討:
下記表1に示す組成および下記製法によりクレンジング料を調製した。得られたクレンジング料について、下記処方及び下記製法で調製した「口紅」を洗い落とす際の伸び広がりの良さ、温感、クレンジング力について化粧品評価専門パネル10名が下記基準より5段階評価し、さらにその平均点を求め判定した。
口紅の処方
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 9.0
2.ポリエチレンワックス(平均分子量5000) 8.0
3.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
4.精製ホホバ油 0.2
5.ラノリン 8.0
6.リンゴ酸ジイソステアリル 15.0
7.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残 量
8.イソプロピルミリスチン酸エステル 8.0
9.雲母チタン(注1) 3.0
10.二酸化チタン 3.0
11.黄色4号アルミニウムレーキ 0.6
12.赤色202号 1.0
13.天然ビタミンE 0.05
14.香料 0.1
15.フェノキシエタノール 0.2
(注1)チミロンスーパーゴールド(メルク社製)
口紅の製法
A:成分1〜15を加熱溶解し、ローラー処理する。
B:Aを容器に充填成型し、口紅とした。
(評価基準)
(評価) (内容)
5 : 非常に良好
4 : 良好
3 : 普通
2 : やや不良
1 : 不良
(判定基準)
(判定) (平均点)
◎ : 平均点4.5以上
○ : 平均点3.5以上4.5未満
△ : 平均点2.5以上3.5未満
× : 平均点2.5未満
またクレンジング料を50℃の恒温槽に4週間静置し、分離の程度を目視にて観察し、下記基準よりその安定性を評価した。これらの結果を表1に併せて示す。
(評価) (内容)
◎ : 全く分離せず変化なし
○ : 分離が若干観察されるが使用性に問題なし
△ : 分離が観察され、不均一であり使用性に問題あり
× : 製造後すぐに分離が観察される
(製法)
A:成分1,2を室温で混合し、ディスパーにて2500rpmで5分間攪拌した。この液を減圧を保持したまま、ディスパー2500rpmで攪拌しながら80℃まで加温し、その後20分間攪拌した。
B:Aを減圧に保持したまま3〜18を加え、ディスパーにて3000rpmで攪拌しながら15分混合し、40℃まで冷却した。
C:Bに19を加えディスパーにて2500rpmで5分攪拌混合し、35℃まで冷却しクレンジング料を得た。

Figure 0005851750
※1 ペミュレンTR−1(NOVEON社製)
※2 SIMULGEL EG(SEPPIC社製)
※3 ゼオラムA−4 100♯(東ソー社製)
※4 RGL−20TIS(青木油脂工業社製)
※5 EMALEX GWIS−120 (日本エマルジョン社製)
※6 EMALEX PEIS−10EX(日本エマルジョン社製)
※7 ニッコールHCO−20(日本サーファクタント工業社製)
※8 ニッコールHCO−10(日本サーファクタント工業社製)
※9 ニッコールTS−10V(日本サーファクタント工業社製)
※10 ニッコールPBC−34(日本サーファクタント工業社製)
※11 ニッコールMYS−40V(日本サーファクタント工業社製)
※12 ニッコールHCO−40(日本サーファクタント工業社製)
※13 サンファクトM−12J(太陽化学社製)
※14 ノニオンOT−221R(日油社製)
※15 アミゼット5C(川研ファインケミカル社製)
表1に示すとおり、本発明に係る実施例1〜5は、成分(D)の非イオン性界面活性剤が分散状態で存在しており、優れた伸び広がり、温感、クレンジング力を有し、安定性にも優れるものであった。また、実施例1〜5は25℃における粘度が7000mP・s程度であり、成分(D)の平均粒子径が10μm程度であった。それに対し、成分(D)をモノラウリン酸ポリグリセリル(10モル)に換えた比較例1はモノラウリン酸ポリグリセリル(10モル)がグリセリンに溶解しており、クレンジング力に劣るものであった。また、成分(D)をモノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンに換えた比較例2、ポリオキシエチレン(5モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドに換えた比較例3は界面活性剤が溶解している状態であるが、高温での安定性に劣り、また伸び広がりやクレンジング力にも劣るものであった。成分(D)を半固形〜固形状の非イオン性界面活性剤に換えた比較例4〜7は製造直後から界面活性剤が析出してしまい、安定なものが得られなかった。
実施例6〜19及び比較例8〜21
上記実施例1〜5および比較例1〜7と同様にして下記表2、3に示す組成および下記製法によりクレンジング料を調製し、得られたクレンジング料について、使用した際の伸び広がりの良さ、温感、クレンジング力、安定性について評価した。結果を表2および3に示す。
(実施例6〜19及び比較例8〜18の製法)
A:成分1〜6を室温で混合し、ディスパーにて2500rpmで5分間攪拌した。この液を減圧を保持したまま、ディスパー2500rpmで攪拌しながら80℃まで加温し、その後20分間攪拌した。
B:Aを減圧に保持したまま7〜18を加え、ディスパーにて3000rpmで攪拌しながら15分混合し、40℃まで冷却した。
C:Bに20を加えディスパーにて2500rpmで5分攪拌混合し、35℃まで冷却しクレンジング料を得た。
(比較例19の製法)
A:成分8及び21に、成分17及び18を室温にて加え、均一に混合溶解した後、成分22に添加してクレンジング料を得た。
(比較例20、21の製法)
A:成分9、17〜19を加温溶解し、室温まで冷却して、クレンジング料を得た。
Figure 0005851750
Figure 0005851750
※1 ペミュレンTR−1(NOVEON社製)
※2 SIMULGEL EG(SEPPIC社製)
※3 ゼオラムA−4 100♯(東ソー社製)
※4 RGL−20TIS(青木油脂工業社製)
※5 EMALEX GWIS−120 (日本エマルジョン社製)
※16 カーボポール940(日本ルーブリゾール社製)
※17 メトローズ 65SH4000(信越化学工業社製)
※18 サンフレッシュST-500MPSC(三洋化成工業社製)
※19 アロンビスS(日本純薬社製)
※20 セピゲル305(SEPPIC社製)
※21 アキュリン22(ROHM GMBH製;コポリマー含量30%)
※22 アキュリン33A(ROHM GMBH製;コポリマー含量28%)
※23 シリコンKF−96A(6CS)(信越化学工業社製)
※24 ノムコートHK−P (日清オイリオグループ社製)
表2に示すとおり、本発明に係る実施例6〜19では、成分(D)の非イオン性界面活性剤が分散状態で存在しており、優れた伸び広がり、温感、クレンジング力を有し、安定性にも優れるものであった。それに対して、成分(B)を含有しない比較例8は安定性やクレンジング力に劣り、成分(B)を含有せずに成分(C)を増量した比較例9は安定性が良くなるものの、伸び広がりが非常に悪くなり使用性に劣るものであった。成分(C)を含有しない比較例10は安定性が悪く製造直後から分離してしまった。成分(C)をヒドロキシプロピルメチルセルロースに換えた比較例11はヒドロキシプロピルメチルセルロースがグリセリンに膨潤しないため十分な粘度が得られず分離してしまった。成分(C)を他のアクリル酸ポリマーのゲル化剤に換えた比較例12及び13も十分な粘度が得られず分離してしまった。また、成分(B)を他のアクリル酸ポリマーのゲル化剤に換えた比較例14及び15においても十分な粘度が得られず分離してしまった。成分(D)を含有しない比較例16はクレンジング力の悪いものであった。成分(A)をポリエチレングリコール400やジプロピレングリコールに換えた比較例17及び18は十分な粘度が得られないため安定性が悪く、温感が劣るものであった。また、外層である成分(A)を精製水に換えた比較例19は、成分(D)が精製水に溶解した状態であり、クレンジング力が劣るものであった。成分(B)及び成分(C)をゲル化剤である(ベヘン酸/エイコ酸二酸)デカグリセリルに換えた比較例20は液状であり、また成分(D)は分散滴になっておらず、クレンジング力や安定性に劣るものであった。比較例20から成分(D)を減量した比較例21は固形状であり、成分(D)は分散滴になっておらず、伸び広がりが悪くクレンジング力も悪いものであった。このことから成分(D)を分散状態で保つには成分(B)及び成分(C)が必要であることがわかる。
実施例20:クレンジング料
(成分) (%)
1.グリセリン 10
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー ※25 0.1
3.グリセリン 残量
4.アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー溶液 ※4
0.5
5.アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリ
マー溶液 ※5 0.3
6.ゼオライト ※6 10
7.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
8.軽質流動イソパラフィン ※26 2
9.2−エチルヘキサン酸セチル 2
10.流動パラフィン 3
11.トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル※27 5
12.イソステアリン酸ポリエチレングリコール(10モル) ※10 5
13.ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 ※7 0.5
14.エタノール 0.5
※25 CARBOPOL1382(LUBRIZOL
ADVANNCED MATERIALS社製)
※26 IPソルベント2028MU(出光興産社製)
※27 EMALEX GWIS−320 (日本エマルジョン社製)
(製法)
A:成分1,2を室温で混合し、ディスパーにて2500rpmで5分間攪拌した。この液を減圧を保持したまま、ディスパー2500rpmで攪拌しながら80℃まで加温し、その後20分間攪拌した。
B:Aを減圧に保持したまま3〜13を加え、ディスパーにて3000rpmで攪拌しながら15分混合し、40℃まで冷却した。
C:Bに14を加えディスパーにて2500rpmで5分攪拌混合し、35℃まで冷却しクレンジング料を得た。
実施例20のクレンジング料は、非イオン性界面活性剤が分散状態で存在しており、優れた伸び広がり、温感、クレンジング力を有し、安定性にも優れるものであった。
本発明は、非常にクレンジング力が高く、使用感にも優れた水性クレンジング料として有用なものである。

Claims (12)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)グリセリン
    (B)アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー及び/又はアク
    リルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマー
    (C)アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマー
    (D)25℃で液状であって、成分(A)に溶解しない非イオン性界面活性剤
    を含有し、成分(A)を連続相とし、成分(D)が成分(A)中に分散していることを特徴とするクレンジング料。
  2. 25℃における粘度が3500〜20000mPa・sである請求項1記載のクレンジング料
  3. 成分(D)が成分(A)中に平均粒子径0.5〜30μmの範囲で分散している請求項1又は2記載のクレンジング料。
  4. 成分(D)がポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルである請求項1ないし3のいずれかの項記載のクレンジング料。
  5. 成分(C)がアルキル変性カルボキシビニルポリマーである請求項1ないし4のいずれかの項記載のクレンジング料。
  6. 成分(A)と成分(B)の含有質量比が1500:1〜200:1である請求項1ないし5のいずれかの項記載のクレンジング料。
  7. 成分(A)の含有量が70〜95質量%である請求項1ないし6のいずれかの項記載のクレンジング料。
  8. 成分(B)の含有量が0.01〜2質量%である請求項1ないし7のいずれかの項記載のクレンジング料。
  9. 成分(C)の含有量が0.01〜2質量%である請求項1ないし8のいずれかの項記載のクレンジング料。
  10. 成分(B)と成分(C)の含有質量比が4:1〜1:2である請求項1ないし9のいずれかの項記載のクレンジング料。
  11. さらに成分(E)非極性油を含有する請求項1ないし10のいずれかの項記載のクレンジング料。
  12. さらに成分(F)ゼオライトを含有する請求項1ないし11のいずれかの項記載のクレンジング料。
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