JP5851305B2 - 中空スタビライザ - Google Patents

中空スタビライザ Download PDF

Info

Publication number
JP5851305B2
JP5851305B2 JP2012076133A JP2012076133A JP5851305B2 JP 5851305 B2 JP5851305 B2 JP 5851305B2 JP 2012076133 A JP2012076133 A JP 2012076133A JP 2012076133 A JP2012076133 A JP 2012076133A JP 5851305 B2 JP5851305 B2 JP 5851305B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness
thin
range
hollow stabilizer
thick
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012076133A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013203309A (ja
Inventor
守 明田
守 明田
健二 山本屋
健二 山本屋
陽介 片山
陽介 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NHK Spring Co Ltd filed Critical NHK Spring Co Ltd
Priority to JP2012076133A priority Critical patent/JP5851305B2/ja
Publication of JP2013203309A publication Critical patent/JP2013203309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5851305B2 publication Critical patent/JP5851305B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

この発明は、自動車等の車両の懸架機構部に設けられる中空スタビライザに関する。
車両の懸架機構部に設けるスタビライザは、車両の幅方向に延びるトーション部(ねじり部)と、このトーション部の両端に連なるアーム部(腕部)と、これらトーション部とアーム部との間に形成された曲がり部とを有している。懸架機構部の一例では、前記トーション部がゴムブッシュ等を介して車体に支持され、アーム部がスタビライザリンクを介して懸架機構部のサスペンションアーム等に連結される。懸架機構部に組付けられたスタビライザは、車両の進路変更時等に生じる車体のローリング挙動に対して前記アーム部や曲がり部およびトーション部がばねとして機能することにより、車体のロール剛性を高めることができる。
車両の軽量化を図るために、鋼管からなる中空スタビライザが実用化されている。中空スタビライザの材料である鋼管は、一般に径方向の断面の肉厚が周方向に一定である。このような鋼管を曲げ加工機によって成形すると、前記曲がり部において、曲げ内側(曲げ中心側)では材料が圧縮されるため厚さが増加し、曲げの外側では材料が引っ張られるため厚さが減少することが知られている。
図8は従来の中空スタビライザの曲がり部100の径方向の断面の一例を示している。
図9はこの曲がり部100の周方向の位置と厚さとの関係を表している。従来の中空スタビライザは、一般的な鋼管(肉厚が周方向に一定)を曲げ加工しているため、曲げ内側に厚さt1の厚肉部101が形成され、曲げ外側に厚さt2の薄肉部102が形成される。厚肉部101と薄肉部102との間では、厚肉部101から薄肉部102に向かって厚さが減少し、かつ、曲げ外側の180°を中心として90°から270°の範囲は扁平な断面形状となっている。図8に示す2点鎖線Q1は、曲げ加工前の鋼管の外面(実質的に真円)を示している。このような曲がり部100(図8)を有する従来の中空スタビライザに荷重が入力したとき、曲がり部100の一部にアーム部やトーション部よりも大きな応力(引張りの応力)が生じることがある。
中空スタビライザの曲がり部の応力を下げるための1つの手段として、例えば特許文献1に開示されているように、曲がり部の内面を楕円形の断面とし、かつ、曲がり部の断面積をアーム部やトーション部の断面積よりも大きくすることが提案されている。
特開昭62−224422号公報
本発明者達が鋭意研究してきた結果、図8と図9に示された肉厚分布の曲がり部を有する中空スタビライザでは、曲がり部の内面の一部に応力の高い箇所がいくつか存在し、中空スタビライザの耐久性に影響を与えていることがわかった。中空スタビライザの耐久性を向上させるには、例えば内面ショットピーニングを実施するなどして内面応力のピーク値を下げることが有効である。しかし曲げ加工された中空スタビライザに内面ショットピーニングを行なうことは技術的に簡単ではないため、内面ショットピーニングを行なわずとも曲げ部の内面応力のピーク値を下げることが望まれている。前述の特許文献1のように楕円形の内面を有する曲がり部は、断面の周方向の一部に応力のピーク値を下げる上で必ずしも有効でない箇所(肉厚が必要以上に大きい箇所)が存在するため、軽量化を図る上で十分ではなかった。
従って本発明の目的は、曲がり部の周方向の応力分布のピーク値を下げることができる中空スタビライザを提供することにある。
本発明の中空スタビライザは、車両の幅方向に延びるトーション部と、前記トーション部の両端に連なる曲がり部と、前記それぞれの曲がり部に連なるアーム部とを具備している。そして前記曲がり部の径方向の断面に関し、曲げ内側の中心を0°、曲げ外側の中心を180°としたとき、0°から90°の範囲は、0°から30°の範囲に形成された第1の薄肉部と、略30°から60°の範囲に形成され前記第1の薄肉部よりも厚さが大きい第1の厚肉部と、略60°から90°の範囲に形成され前記第1の厚肉部よりも厚さが小さい第2の薄肉部とが0°から90°に向かって周方向に連続し、90°から180°の範囲は、90°から150°の範囲に形成され前記第2の薄肉部よりも厚さが大きい第2の厚肉部と、略150°から180°の範囲に形成され前記第2の厚肉部よりも厚さが小さい第3の薄肉部とが90°から180°に向かって周方向に連続する断面分布である。また、180°から360°の範囲の肉厚分布は、0°と180°を結ぶ基準線を対称軸として前記0°から180°の肉厚分布と対称形であり、かつ、前記基準線と直角な90°と270°とを結ぶ垂線を境に、0°を中心とする曲げ内側の肉厚分布と、180°を中心とする曲げ外側の肉厚分布とが互いに非対称形である。
本発明の1つの実施形態では、前記第2の薄肉部の厚さが前記第1の薄肉部の厚さより小さい。また、前記第2の厚肉部の厚さが前記第1の厚肉部の厚さより小さくてもよい。さらに前記第3の薄肉部の厚さが前記第1の薄肉部および第2の薄肉部の厚さよりも小さくてもよい。
本発明によれば、中空スタビライザの曲がり部の周方向の応力分布のピーク値を下げることができ、特に内面応力のピーク値が下がることにより、中空スタビライザの耐久性を向上させることができる。
車両の一部とスタビライザを示す斜視図。 中空スタビライザの一例を模式的に示す平面図。 図2中のF3−F3線に沿う中空スタビライザの曲がり部の断面図。 図3に示された曲がり部の周方向の肉厚分布を示す図。 図3に示された曲がり部の曲げ加工前の断面図。 図3に示された曲がり部の内面側の応力分布を示す図。 図3に示された曲がり部の外面側の応力分布を示す図。 従来の中空スタビライザの曲がり部の断面図。 図8に示された曲がり部の周方向の肉厚分布を示す図。
以下に本発明の1つの実施形態に係る中空スタビライザについて、図1から図7を参照して説明する。
図1は、中空スタビライザ10を備えた車両11の一部を示している。中空スタビライザ10は、車両11の懸架機構部に配置されている。この中空スタビライザ10は、車体12の幅方向(図1に矢印Wで示す方向)に延びるトーション部20と、トーション部20の両端に連なる一対の曲がり部21と、それぞれの曲がり部21に連なる一対のアーム部22とを含み、曲げ加工機によって成形されている。中空スタビライザ10の材料は、焼入れ等の熱処理によって強度を向上できる鋼種のばね鋼、例えば材質ASB25N等の鋼管10Aからなる。曲げ加工前の鋼管10Aの外径の一例は25mmである。
前記トーション部20は、ゴムブッシュ等を備えた一対の支持部30を介して、例えば車体12の一部に支持されている。一対のアーム部22は、それぞれスタビライザリンク等の接続部材31を介して、例えば懸架機構部のサスペンションアーム(図示せず)に接続されている。この車両11がカーブを走行する際などにアーム部22に上向きあるいは下向きの荷重が入力すると、アーム部22に曲げの力がかかるとともに、曲がり部21に曲げとねじりの力がかかり、かつ、トーション部20がねじられることにより、車体12のローリング挙動を抑制する反発荷重が発生する。
図2は、中空スタビライザ10を模式的に示す平面図である。中空スタビライザ10の一例は、外径が25mmの鋼管を中心曲率半径r(50mm)で曲げたものである。トーション部20の長さL1の一例は448mm、アーム部22の長さL2の一例は200mm、一対の支持部30(ゴムブッシュ)間のスパンL3の一例が293mmである。耐久試験(両振り試験)の際には、一方のアーム部22が固定点Aにて固定された状態のもとで、他方のアーム部22の荷重点Bに、例えば+2420Nと−2420Nの荷重が負荷される。
なお、図2に示す中空スタビライザ10の曲げ形状に加えて、3次元的な曲げ形状も含めて、アーム部22に1箇所以上の曲げ、あるいはトーション部20に1箇所以上の曲げ(合計3箇所以上の曲げ部)を設けてもよい。また、曲がり部21が3次元的な曲げ形状を有していてもよいなど、種々な曲げ形状を有する中空スタビライザに適用することができる。
以下に、本実施形態の曲がり部21の周方向の肉厚分布について、図3と図4を参照して説明する。
図3は、中空スタビライザ10の曲がり部21において、トーション部20と曲がり部21との境界から角度θ1(図2に示す)の位置の径方向の断面を示している。この明細書では、図3に示された断面において、曲げ内側(曲げ中心方向)の中心を0°、曲げ外側の中心を180°と規定する。また、0°と180°を結ぶ線分X1を基準線と呼び、この基準線X1と直角をなす線分(90°と270°を結ぶ線分)Y1を垂線と呼ぶ。図3中の2点鎖線Q2は、従来の曲がり部100(図8に示す)の内面の輪郭を表している。図4中の実線M1は、本実施形態の曲がり部21の周方向の肉厚分布を示している。図4中の2点鎖線M2は、曲げ加工前の断面の肉厚分布を示している。
図3と図4に示されるように、本実施形態の曲がり部21の内面21aは、曲げ内側の中心0°から曲げ外側の中心180°に向かって、0°から略30°の範囲に形成された第1の薄肉部41と、略30°から略60°の範囲に形成された第1の厚肉部51と、略60°から略90°の範囲に形成された第2の薄肉部42と、略90°から略150°の範囲に形成された第2の厚肉部52と、略150°から180°の範囲に形成された第3の薄肉部43とが、この順に周方向に連続する断面形状となっている。第1の厚肉部51は、第1の薄肉部41よりも厚さが大きい。第2の薄肉部42は、第1の薄肉部41と第1の厚肉部51よりも厚さが小さい。第2の厚肉部52は、第2の薄肉部42よりも厚さが大きい。第3の薄肉部43は、第2の薄肉部42と第2の厚肉部52よりも厚さが小さい。
一方、180°から360°までの肉厚分布は、0°と180°とを結ぶ基準線X1を対称軸として、0°から180°までの前記肉厚分布と対称形となっている。すなわち、180°から略210°の範囲に形成された第3の薄肉部43と、略210°から略270°の範囲に形成された第2の厚肉部52と、略270°から略300°の範囲に形成された第2の薄肉部42と、略300°から略330°の範囲に形成された第1の厚肉部51と、略330°から360°の範囲に形成された第1の薄肉部41とが、この順に周方向に連続する断面形状となっている。
具体的な数値の一例を挙げると、曲がり部21を中心曲率半径r(50mm)で曲げた場合に、0°の肉厚が3.9mm、60°の肉厚が4.2mm、85°の肉厚が3.8mm、120°の肉厚が4.0mm、180°の肉厚が3.2mmである。180°から360°までの範囲の肉厚分布は、基準線X1を対称軸として、0°から180°までの肉厚分布と対称形である。しかもこの曲がり部21の肉厚分布は、基準線X1と直角な垂線Y1を境に、0°を中心とする90°から270°の間の曲げ内側の領域と、180°を中心とする90°から270°の間の曲げ外側の領域とが、互いに非対称形である。
第1の薄肉部41と第1の厚肉部51とは、急な肉厚変化を生じないように滑らかな曲面でつながっている。第1の厚肉部51と第2の薄肉部42も、急な肉厚変化を生じないように滑らかな曲面でつながっている。第2の薄肉部42と第2の厚肉部52も、急な肉厚変化を生じないように滑らかな曲面でつながっている。第2の厚肉部52と第3の薄肉部43も、急な肉厚変化を生じないように滑らかな曲面でつながっている。
曲がり部21の外面21bは、図8に示す従来の曲がり部100の外面と共通の形状となっている。すなわち曲がり部21の外面21bのうち、0°を中心とする曲げ内側の90°から270°の間は、実質的に真円の2分の1の円弧となっている。また、180°を中心とする曲げ外側の90°から270°の間は、少し潰れた扁平な形状、すなわち0°と180°の方向が短軸、90°と270°の方向が長軸となる楕円の半分に似た扁平な形状となっている。
このような肉厚分布を有する曲がり部21は、図5に示す肉厚分布の鋼管10Aを曲げることによって得られる。曲げ加工前の鋼管10A(図5)の肉厚分布は、曲げ加工後の曲がり部21の肉厚分布に対応する位置に、0°から180°に向かって第1の薄肉部41aと、第1の厚肉部51aと、第2の薄肉部42aと、第2の厚肉部52aと、第3の薄肉部43aとが、この順に周方向に連続している。180°から360°の肉厚分布は、前記基準線X1を対称軸として、0°から180°の前記肉厚分布と対称形となっている。
曲げ加工前の鋼管10A(図5)の数値の一例を挙げると、外径が25.0mmで周方向に一定、0°から180°の範囲は、0°の肉厚が3.5mm、60°の肉厚が4.2mm、85°の肉厚が3.9mm、120°の肉厚が4.3mm、180°の肉厚が3.6mmである。180°から360°の範囲は、基準線X1を対称軸として、前記0°から180°までの肉厚と対称である。このような肉厚分布を有する鋼管10Aは、例えば鋼管10Aの内側に前記肉厚分布に対応した断面のプラグを挿入し、鋼管10Aの外側に配置されたダイスによる引き抜き加工によって得ることができる。
以上述べたように曲げ加工前の断面(図5)の肉厚分布は、曲げ加工後の断面(図3)の肉厚分布と概ね対応しているが、曲げ加工前の鋼管10Aの第1の薄肉部41aの厚さは、曲げ加工後の曲がり部21の第1の薄肉部41の厚さよりも小さい。また、曲げ加工前の第3の薄肉部43aの厚さは、曲げ加工後の第3の薄肉部43の厚さよりも大きい。これは、曲げ加工によって曲げ外側の肉厚が減少し、かつ、曲げ内側の肉厚が増加するからである。
図8は、従来の曲がり部100の径方向の断面を示している。図9は、従来の曲がり部100の周方向の肉厚分布を示している。従来の曲がり部100は、周方向に肉厚が一定の鋼管を曲げ加工しているため、曲げ内側に厚肉部101が形成され、曲げ外側に薄肉部102が形成されている。例えば外径が25.0mmで、肉厚3.9mmの鋼管を中心曲率半径50mmで曲げた場合、曲がり部100の肉厚の一例は、0°の厚肉部101の厚さt1が4.3mm、180°の薄肉部102の厚さt2が3.5mm、90°と270°の厚さがそれぞれ3.8mmである。
本実施形態の曲がり部21(図3)の前記薄肉部41,42,43は、従来の曲がり部100(図8)の肉厚分布(2点鎖線Qで示す)と比較して薄くなっている。その一方で厚肉部51,52は、従来の肉厚分布(2点鎖線Qで示す)よりも厚くなっている。外面については、従来の曲がり部100の外面と同じである。
図6は、従来の曲がり部100を有する中空スタビライザと、本実施形態の曲がり部21を有する中空スタビライザとの内面側の応力分布を示している。いずれも荷重点B(図2に示す)に2420Nの荷重を負荷した場合である。図6中の実線M3は本実施形態の内面応力分布、2点鎖線M4は従来品の内面応力分布である。内面の最大応力を生じる位置(図2に示す角度θ1)が56.8°であるため、本実施形態と従来品の断面の位置θ1はいずれも56.8°である。
図7は、外面側の応力分布を示している。図7中の実線M5は本実施形態の外面応力分布、2点鎖線M6は従来品の外面応力分布である。それぞれ最大応力値を生じる断面の応力分布を示しており、本実施形態の断面の位置θ1は47.4°、従来品の断面の位置は45.0°である。
従来の曲がり部100の内面側には、図6に2点鎖線M4で示すように、周方向の途中の90°から150°の間と、300°から330°との間に、それぞれ応力のピークP1,P2が生じている。荷重点Bに反対方向の荷重(−2420N)を加えると、前記応力分布に対し、0°と180°とを結ぶ線(基準線X1)を対称軸として線対称の位置、すなわち210°から270°の間と、30°から60°の間にそれぞれ応力のピークP1,P2が生じる。内面側に生じる応力のピークP1,P2は、内面に傷等の欠陥が存在する場合に、折損の起点になることがあるために好ましくない。よって内面側のピークP1,P2を極力小さくすることが望まれる。
これに対し本実施形態の曲がり部21の内面には、図6に実線M3で示されるように、90°から150°の間と、270°から330°の間の応力が高いが、従来の曲がり部の応力分布(図6に2点鎖線M4で示す)と比較すると、応力のピーク値が約50MPaほど下がっている。
外面側に生じる応力については、従来の曲がり部100の場合、図7に2点鎖線M6で示すように、周方向の途中の60°から90°の間と、210°から240°の間に、それぞれ応力のピークP3,P4が生じる。荷重点Bに反対方向の荷重(−2420N)を加えると、前記応力分布に対し、0°と180°とを結ぶ線(基準線X1)を対称軸として線対称の位置、すなわち270°から300°の間と、120°から150°の間に、それぞれ応力のピークP3,P4が生じる。
これに対し本実施形態の曲がり部21の外面には、図7に実線M5で示されるように、60°から90°の間と、210°から240°の間の応力が高いが、従来の曲がり部の応力分布(図7に2点鎖線M6で示す)と比較すると、応力のピーク値が約20MPaほど下がっている。
下記の表1は、本実施形態の曲がり部21(図3)を有する中空スタビライザ10と、従来の曲がり部100(図8)を有する中空スタビライザとを比較したものである。
Figure 0005851305
表1に示されるように、従来の曲がり部100を有する中空スタビライザの内面最大応力値が313MPaであったのに対し、本実施形態の曲がり部21を有する中空スタビライザ10の内面最大応力値は263MPaと低下している。このことにより、本実施形態の中空スタビライザ10の内面耐久回数は従来の1.4倍に向上した。つまり、ばね定数と質量が従来品と同じで、内面の最大応力値が低減することにより耐久回数が向上している。中空スタビライザの内面にショットピーニングを行なうことは実際には難しいが、本実施形態の中空スタビライザ10は内面ショットピーニングを行なわずとも耐久回数が向上し、実用に十分な内面耐久回数を得ることができた。また内面に多少の傷が存在していても、破損を生じにくくすることができた。
しかも内面の最大応力値が低減されて耐久回数が向上することにより、ばね定数が同じで内径の平均値を大きくすることができるため、従来品と比較して質量を小さくしても、従来品と同等の耐久回数を得ることができる。このためばね定数等の要求仕様を満足しかつ中空スタビライザの軽量化を実現できるものである。
外面に生じる応力については、内面ほどの大きな効果はないが、従来の中空スタビライザの外面最大応力値が452MPaであったのに対し、本実施形態の中空スタビライザ10の外面最大応力値が432MPaであり、20MPaほど低下したことにより、外面耐久回数が従来の1.15倍に向上した。すなわち本実施形態の中空スタビライザ10は、従来品と同じばね定数と同じ質量であれば、最大応力値が低下することにより耐久回数が向上するものである。
以上説明した本実施形態の曲がり部21を有する中空スタビライザの効果は、鋼管の外径および内径の平均値等が変わっても同様の傾向が認められた。また、鋼管の種類が変わって同様の傾向が認められた。また本発明を実施するに当たり、中空スタビライザの材料である鋼管をはじめとして、トーション部とアーム部および曲がり部の具体的な形状や寸法等を種々に変更して実施できることは言うまでもない。
10…中空スタビライザ、10A…鋼管、20…トーション部、21…曲がり部、22…アーム部、41…第1の薄肉部、42…第2の薄肉部、43…第3の薄肉部、51…第1の厚肉部、52…第2の厚肉部。

Claims (4)

  1. 鋼管からなる中空スタビライザであって、
    車両の幅方向に延びるトーション部と、
    前記トーション部の両端に連なる曲がり部と、
    前記それぞれの曲がり部に連なるアーム部とを具備し、
    前記曲がり部の径方向の断面に関し、
    曲げ内側の中心を0°、曲げ外側の中心を180°としたとき、
    0°から90°の範囲は、
    0°から30°の範囲に形成された第1の薄肉部と、略30°から60°の範囲に形成され前記第1の薄肉部よりも厚さが大きい第1の厚肉部と、略60°から90°の範囲に形成され前記第1の厚肉部よりも厚さが小さい第2の薄肉部とが0°から90°に向かって周方向に連続し、
    90°から180°の範囲は、
    90°から150°の範囲に形成され前記第2の薄肉部よりも厚さが大きい第2の厚肉部と、略150°から180°の範囲に形成され前記第2の厚肉部よりも厚さが小さい第3の薄肉部とが90°から180°に向かって周方向に連続する断面分布であり、
    180°から360°の範囲の肉厚分布は、0°と180°を結ぶ基準線を対称軸として前記0°から180°の肉厚分布と対称形であり、かつ、
    前記基準線と直角な90°と270°とを結ぶ垂線を境に、0°を中心とする曲げ内側の肉厚分布と、180°を中心とする曲げ外側の肉厚分布とが互いに非対称形であることを特徴とする中空スタビライザ。
  2. 前記第2の薄肉部の厚さが、前記第1の薄肉部の厚さより小さいことを特徴とする請求項1に記載の中空スタビライザ。
  3. 前記第2の厚肉部の厚さが、前記第1の厚肉部の厚さより小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の中空スタビライザ。
  4. 前記第3の薄肉部の厚さが、前記第1の薄肉部および第2の薄肉部の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の中空スタビライザ。
JP2012076133A 2012-03-29 2012-03-29 中空スタビライザ Active JP5851305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012076133A JP5851305B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 中空スタビライザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012076133A JP5851305B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 中空スタビライザ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013203309A JP2013203309A (ja) 2013-10-07
JP5851305B2 true JP5851305B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=49522865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012076133A Active JP5851305B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 中空スタビライザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5851305B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11167615B2 (en) 2017-03-30 2021-11-09 Nhk Spring Co., Ltd. Hollow stabilizer, stabilizer manufacturing device, and method for manufacturing hollow stabilizer

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6535617B2 (ja) * 2016-02-09 2019-06-26 日本発條株式会社 車両用スタビライザと、スタビライザのためのショットピーニング用治具
HUE062340T2 (hu) * 2017-07-14 2023-10-28 Nhk Spring Co Ltd Stabilizátor jármûhöz és sörétszórási tartószerkezet stabilizátorhoz
CN112368410B (zh) * 2018-06-27 2022-05-10 杰富意钢铁株式会社 中空稳定器制造用电阻焊钢管、中空稳定器以及它们的制造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0688066B2 (ja) * 1986-03-25 1994-11-09 日本発条株式会社 中空スタビライザの製造方法
JPH08142632A (ja) * 1994-11-16 1996-06-04 Nhk Spring Co Ltd 中空スタビライザ
JP4476776B2 (ja) * 2004-10-29 2010-06-09 Jfeエンジニアリング株式会社 曲管の応力測定方法および装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11167615B2 (en) 2017-03-30 2021-11-09 Nhk Spring Co., Ltd. Hollow stabilizer, stabilizer manufacturing device, and method for manufacturing hollow stabilizer
US11571943B2 (en) 2017-03-30 2023-02-07 Nhk Spring Co., Ltd. Hollow stabilizer, stabilizer manufacturing device, and method for manufacturing hollow stabilizer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013203309A (ja) 2013-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6515352B2 (ja) 継手、及び継手の製造方法
JP5851305B2 (ja) 中空スタビライザ
US20130056114A1 (en) Twist-axle with longitudinally-varying wall thickness
US10358008B2 (en) Suspension coil spring
JP6893637B2 (ja) 車両のトーションビーム構造
AU2013345844B2 (en) Suspension and compression coil spring for suspension
JP2015523263A (ja) 軽量管状捩りビーム
JP2015535914A (ja) サスペンションブッシュ
JP2018176240A (ja) トーションビームの製造方法
JP6213705B1 (ja) トーションビーム製造方法、トーションビーム製造装置、及びトーションビーム
US11571943B2 (en) Hollow stabilizer, stabilizer manufacturing device, and method for manufacturing hollow stabilizer
RU2668510C2 (ru) Подвеска со скручивающейся балкой
WO2017195706A1 (ja) トーションビーム製造方法、トーションビーム製造装置、及びトーションビーム
CN108528164B (zh) 扭转梁式悬架结构、扭转梁及车辆
JP2012131316A (ja) トーションビームの製造方法
CN206664191U (zh) 一种封闭式扭力梁、后桥总成及车辆
KR20140014505A (ko) 다단 단조공법을 이용한 스태빌라이저 바 아이부 가공방법
JP2016223512A (ja) サスペンションブッシュ
WO2019012698A1 (ja) 車両用スタビライザと、スタビライザのためのショットピーニング用治具
JP6535617B2 (ja) 車両用スタビライザと、スタビライザのためのショットピーニング用治具
JP6950592B2 (ja) トーションビーム製造方法及びトーションビーム製造装置
JP7295425B2 (ja) トーションビームの製造方法
WO2018180381A1 (ja) 中空スタビライザと、スタビライザ製造装置と、中空スタビライザの製造方法
JP6761240B2 (ja) アクスルケースのリーフサスペンション取付構造
JP2021126949A (ja) トーションビーム

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5851305

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250