JP6950592B2 - トーションビーム製造方法及びトーションビーム製造装置 - Google Patents
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Description
トーションビーム式サスペンション装置は:左右の車輪を回転自在に支持する左右一対のトレーリングアームがトーションビームによって連結され、さらに、左右一対のスプリング受部がトーションビームの左右端近傍に接合されたトーションビームアッセンブリと;トーションビーム及び車体間を連結するスプリング及びアブソーバと;を備える。トーションビームは、車体の左右から中央側に向かって伸びるピボット軸を介して、車体に対して揺動可能に接続されている。
そこで、疲労特性に優れたトーションビームを効率的に製造することが可能なトーションビーム製造技術が望まれている。
(1)本発明の一態様に係るトーションビーム製造方法は、長手方向に直交する断面が、前記長手方向の任意位置において略V字形状または略U字形状の閉断面である中央部と、前記中央部に連なってかつ前記中央部から離れるに従い前記閉断面の形状が変化する形状変化部と、を備えるトーションビームを素管から製造する方法であって、前記素管をプレスして、少なくとも前記形状変化部となる領域の一部を変形させて、一対の側部を有する予変形部が形成されたトーションビーム素材を得る予変形工程と、前記トーションビーム素材をプレスして、前記トーションビームを得る成形工程と、を備え、前記成形工程において、前記予変形部における前記閉断面を断面視した場合、前記トーションビーム素材の前記一対の側部の少なくとも一部が互いに離間するようにプレス成形を行うことを特徴とする。
その結果、疲労特性に優れたトーションビームを製造することができる。しかも、熱処理等の後処理を必要としないため、効率的にトーションビームを製造できる。
上記構成からなるトーションビーム製造方法では、形状変化部の長手方向の全長にわたり上記残留応力の低減効果を得ることができる。
上記構成からなるトーションビーム製造方法では、第1壁部と折返し壁部との境界部近傍の残留応力が低減されたトーションビームを効率的に製造することができる。
上記構成からなるトーションビーム製造方法では、第1壁部と折返し壁部との境界部近傍の残留応力が低減されたトーションビームを精度よく製造することができる。
その結果、疲労特性に優れたトーションビームを製造することができる。しかも、熱処理等の後処理を必要としないため、効率的に製造できる。
その結果、疲労特性に優れたトーションビームを製造することができる。しかも、熱処理等の後処理を必要としないため、効率的に製造できる。
上記構成からなるトーションビーム製造装置では、第1壁部と折返し壁部との境界部近傍の残留応力が低減されたトーションビームを精度よく製造することができる。
以下、図1から図11Bを参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るトーションビーム式リアサスペンション装置(トーションビーム式サスペンション装置)の概略構成を示す図であり、符号1はトーションビーム式リアサスペンション装置を示し、符号2はトーションビームアッセンブリを示し、符号10はトーションビームを示している。なお、図1に示した符号Fは、このトーションビーム式リアサスペンション装置1が搭載される車両(不図示)の前方を示し、符号Rは後方を示している。
図3は、本実施形態に係るトーションビーム10の概略構成を説明する斜視図である。図4は、トーションビーム10の形状変化部12近傍の概略を説明する斜視図である。図5A、図5B、図5Cは、トーションビーム10の各部位の断面図であり、図5Aが図4における矢視VA−VAでの断面図を示し、図5Bが図4における矢視VB−VBでの断面図を示し、図5Cが図4における矢視VC−VCにおける断面図を示している。
中央部11は、トーションビーム10の長手方向と直交する断面が略V字形状に形成されるとともに、特に限定されないが、この実施形態では、例えば、車体前後方向で対称となる形状を有している。
そして、第1壁部S110Aと第2壁部S120Aとは、密着部S150Aを介して互いに接している。
第1壁部側折返し点aは、第1壁部S110Aの端縁と折返し壁部S130Aの端縁との接続点である。また、第2壁部側折返し点bは、第2壁部S120Aの端縁と折返し壁部S130Aの端縁との接続点である。
図5B及び図5Cは、ともに形状変化部12の閉断面を示す断面図である。
また、第1壁部S110Bの周方向中央部は、形状変化部12において略V字形状の凹側の谷部S111Bとされている。二つの第2壁部S120B間は形状変化部12において略V字形状の凸側の底部S121Bの両端に接続されている。第1壁部S110B及び第2壁部S120B間には、中空部S150Bが形成されている。
第1壁部側折返し点a1は、第1壁部S110Bの端縁と折返し壁部S130Bの端縁との接続点である。また、第2壁部側折返し点b1は、第2壁部S120Bの端縁と折返し壁部S130Bの端縁との接続点である。
また、第1壁部S110Cの周方向中央部は、形状変化部12において略V字形状の凹側の谷部S111Cとされている。二つの第2壁部S120C間は形状変化部12において略V字形状の凸側の底部S121Cの両端に接続されている。第1壁部S110C及び第2壁部S120C間には、中空部S150Cが形成されている。
第1壁部側折返し点a2は、第1壁部S110Cの端縁と折返し壁部S130Cの端縁との接続点である。また、第2壁部側折返し点b2は、第2壁部S120Cの端縁と折返し壁部S130Cの端縁との接続点である。
本実施形態に係るトーションビーム製造方法によって得られるトーションビーム10は、長手方向に直交する断面が、長手方向の任意位置において略V字形状または略U字形状の閉断面である中央部11と、中央部11に連なってかつ中央部11から離れるに従い閉断面の形状が変化する形状変化部12を少なくとも備える。
(1)予変形工程(S1)
予変形工程において、素管10S(図7A)をプレスして、少なくとも形状変化部12となる領域(形状変化部相当部12S)の一部を変形させて、一対の側部S101を有する予変形部15が形成されたトーションビーム素材W10(図7B)を得る。
(2)成形工程(S2)
成形工程において、トーションビーム素材W10をプレスして、トーションビーム10(図7C)を得る。
まず、予変形工程(S1)を説明する。予変形工程(S1)においては、図7Aに示すような素管10Sを、例えば金型によりプレスして、素管10Sの長手方向における、少なくともトーションビーム10の形状変化部12となる領域(形状変化部相当部12S)の一部を変形させる。これにより、図7Bに示すような、一対の側部S101を有する予変形部15が形成されたトーションビーム素材W10を得る。
トーションビーム素材W10の長手方向において、このような断面が形成された部分を予変形部15と称する。
次に、成形工程(S2)を説明する。成形工程(S2)においては、予変形工程(S1)で得られたトーションビーム素材W10をプレスして、トーションビーム10を得る。
これにより、図7Cに示すような、中央部11と、形状変化部12と、取付閉断面部13を備えるトーションビーム10を得る。
図9は、成形工程(S2)における、閉断面の変形過程を示す断面図である。
成形工程(S2)において、第2曲部S103をトーションビーム素材W10の外方から内方に向かいプレスすることで、一対の側部S101の少なくとも一部を前記トーションビーム素材W10の外方へ膨出させて第2壁部S120Cを形成する。
図10において、向かい合う矢印は圧縮残留応力が生じていることを示し、互いに逆方向を向く矢印は引張残留応力が生じていることを示す。
これに対して図10(b)の断面図に示すように、本実施形態に係るトーションビーム製造方法によって得られたトーションビームでは、第1壁部S110Cと折返し壁部S130Cとの接点a2近傍の内方側(図10(b)のXで示す部位)において、残留応力が緩和される。
<第1実施形態の変形例>
次に、図12〜図18を参照して、第2実施形態に係るトーションビーム製造装置の概略構成について説明する。
第2金型202は、図12に示すように、素管10Sの一部を支持して押圧することができるように配置される。第2金型202は、被加工材である素管10Sに接する押圧部202aを有する。
図13(c)は、さらに第2金型202の押圧部202aを移動させ、側部S101が形成されたトーションビーム素材W10に至る状態を示す。図13(c)の状態におけるトーションビーム素材W10の断面形状は、図8Bの断面S11Cに相当する。
なお、形状変化部12となる領域(形状変化部相当部12S)の長手方向の全長にわたり、第1金型200又は第2金型202で支持されるように構成してもよい。
図15に、第1金型200の断面形状の一例を示す。図15(a)の例では、支持部201の断面形状が直線である。図15(b)の例では、支持部201の断面形状が直線でありかつ、支持部201同士が接続している。図15(c)の例では、支持部201の断面形状が直線でありかつ、底部203の断面形状が略コの字型である。あるいは、底部が無く、第1金型200は、二つの支持部が離間した断面形状としてもよい。
また、図16(b)の例のように、第2金型202の押圧部202aの断面形状を素管10Sの外周形状に合った形状としてもよい。これにより、安定して素管10Sを保持してトーションビーム素材W10へ変形させることができる。
図18(c)は、さらに第4金型302の押圧部302aを移動させ、トーションビーム10に至る状態を示す。図18(c)の状態におけるトーションビーム10の断面形状は、図5Cの断面S12Cに相当する。
これにより、成形工程S2における側部S101の変形を軽減できるという効果が得られる。
これにより、成形工程S2における第1曲部S102の変形を軽減できるという効果が得られる。なお、図20及び21の例では、支持部201及び支持面301が直線状であるが、支持部201又は支持面301が曲線形状でもよい。
次に、図22及び図23を参照して、本発明に係るトーションビーム製造装置の実施形態の一例を説明する。本実施形態においては、素管10Sからトーションビーム10に至るまでの被加工材の変形過程は、上記の第2実施形態と同様であるが、トーションビーム製造装置の第1金型400が、一対の分割金型から構成される点が異なる。
第2金型402は、図22に示すように、素管10Sの一部を支持することができるように配置される。第2金型402は、被加工材である素管10Sに接する押圧面402aを有する。
図23(c)は、さらに第1金型400の支持部401同士を移動させ、側部S101が形成されたトーションビーム素材W10に至る状態を示す。図23(c)の状態におけるトーションビーム素材W10の断面形状は、図8Bの断面S11Cに相当する。
<実施形態の変形例>
また、素管10Sの直径(外径)は、50mm〜180mmが好ましく、さらに好ましくは80mm〜140mmである。
10S 素管
11 中央部
12 形状変化部
15 予変形部
200,400 第1金型
202,402 第2金型
300 第3金型
302 第4金型
W10 トーションビーム素材
Claims (7)
- 長手方向に直交する断面が、前記長手方向の任意位置において略V字形状または略U字形状の閉断面である中央部と、前記中央部に連なってかつ前記中央部から離れるに従い前記閉断面の形状が変化する形状変化部と、を備えるトーションビームを素管から製造する方法であって、
前記素管をプレスして、少なくとも前記形状変化部となる領域の一部を変形させて、一対の側部を有する予変形部が形成されたトーションビーム素材を得る予変形工程と、
前記トーションビーム素材をプレスして、前記トーションビームを得る成形工程と、
を備え、
前記成形工程において、前記予変形部における前記閉断面を断面視した場合、前記トーションビーム素材の前記一対の側部の少なくとも一部が互いに離間するようにプレス成形を行う
ことを特徴とするトーションビーム製造方法。 - 前記予変形工程において、前記領域の前記長手方向の全長にわたり前記予変形部を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム製造方法。 - 前記トーションビーム素材の前記閉断面を断面視した場合、前記予変形部が、前記側部の一方の端部に連なりかつ前記側部間を接続する第1曲部と、前記側部の他方の端部に連なりかつ前記側部間を接続する第2曲部と、を有し、
前記トーションビームの前記閉断面を断面視した場合、前記形状変化部が、一対の折返し壁部と、前記折返し壁部の一方の端部に連なりかつ前記折返し壁部間を接続する第1壁部と、前記折返し壁部の他方の端部に連なる一対の第2壁部と、前記第2壁部間を接続する底部と、を有し、
前記成形工程において、前記第2曲部を前記トーションビーム素材の外方から内方に向かいプレスすることで、前記一対の側部の少なくとも一部を前記トーションビーム素材の外方へ膨出させて前記第2壁部を形成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトーションビーム製造方法。 - 前記トーションビーム素材の前記予変形部における前記閉断面を断面視した場合の、前記第1曲部の頂点と、前記側部と前記第2曲部との接続点と、を結ぶ一対の線分の間の角度が、
前記トーションビームの前記形状変化部における前記閉断面を断面視した場合の、前記底部の頂点と、前記第2壁部と前記折返し壁部との接続点と、を結ぶ一対の線分の間の角度よりも小さい
ことを特徴とする請求項3に記載のトーションビーム製造方法。 - 長手方向に直交する断面が、前記長手方向の任意位置において略V字形状または略U字形状の閉断面である中央部と、前記中央部に連なってかつ前記中央部から離れるに従い前記閉断面の形状が変化する形状変化部と、を備えるトーションビームを素管から製造する装置であって、
前記素管の少なくとも前記形状変化部となる領域を支持し、支持した前記素管の長手方向に沿って断面視した場合、一方の支持部の少なくとも一部が、他方の支持部の少なくとも一部に対して角度を有する一対の支持部を備える、第1金型と;
前記素管の少なくとも一部を支持する第2金型と;
前記第1金型の前記一対の支持部と前記第2金型とを相対的に移動させる第1駆動機構と;
前記第1金型及び前記第2金型によって一対の側部を有する予変形部が形成されたトーションビーム素材を、外方から支持する凹型支持部を備える、第3金型と;
前記凹型支持部に対向する凸型押圧部を備える第4金型と;
前記第3金型と前記第4金型とを相対的に移動させる第2駆動機構と;
を備え、
前記第3金型の凹型支持部と前記第4金型の凸型押圧部とが接近することで、前記トーションビーム素材の前記一対の側部の少なくとも一部が互いに離間する
ことを特徴とするトーションビーム製造装置。 - 長手方向に直交する断面が、前記長手方向の任意位置において略V字形状または略U字形状の閉断面である中央部と、前記中央部に連なってかつ前記中央部から離れるに従い前記閉断面の形状が変化する形状変化部と、を備えるトーションビームを素管から製造する装置であって、
一対の分割金型からなり、前記一対の分割金型で前記素管を挟持することにより、前記素管の少なくとも前記形状変化部となる領域を支持する、第1金型と;
前記素管の少なくとも一部を支持する第2金型と;
前記第1金型の前記一対の分割金型同士を相対的に移動させる第1駆動機構と;
前記第1金型及び前記第2金型によって一対の側部を有する予変形部が形成されたトーションビーム素材を、外方から支持する凹型支持部を備える、第3金型と;
前記凹型支持部に対向する凸型押圧部を備える第4金型と;
前記第3金型と前記第4金型とを相対的に移動させる第2駆動機構と;
を備え、
前記第3金型の凹型支持部と前記第4金型の凸型押圧部とが接近することで、前記トーションビーム素材の前記一対の側部の少なくとも一部が互いに離間する
ことを特徴とするトーションビーム製造装置。 - 前記トーションビームの前記閉断面を断面視した場合、前記形状変化部が、一対の折返し壁部と、前記折返し壁部の一方の端部に連なりかつ前記折返し壁部間を接続する第1壁部と、前記折返し壁部の他方の端部に連なる一対の第2壁部と、前記第2壁部間を接続する底部と、を有し、
支持した前記トーションビーム素材の長手方向に沿って断面視した場合、
前記第3金型の前記凹型支持部が、前記第2壁部及び前記底部の少なくとも一部に対応する形状を有し、
前記第4金型の前記凸型押圧部が、前記第1壁部の少なくとも一部に対応する形状を有する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のトーションビーム製造装置。
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JP2018042140A JP6950592B2 (ja) | 2018-03-08 | 2018-03-08 | トーションビーム製造方法及びトーションビーム製造装置 |
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