JP5849954B2 - 回折光学素子及び計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回折光学素子及び回折光学素子を用いた計測装置に関する。
入射光の少なくとも一部を回折する回折光学素子は、様々な光学機器及び光学装置等に用いられている。回折光学素子を用いた光学装置の例として、回折光学素子で回折した特定の光のパターンを計測対象に投影して、計測対象の形状等の計測を行う計測装置について考える。このような計測装置の中で、計測対象の3次元形状等を計測するものとして挙げられる3次元計測装置は、照射される光のパターンの変化等を検知して、3次元的な情報を得るものとして知られている(特許文献1)。
また、このような計測装置は、計測装置と測定対象との間の距離が短い場合でも所定の計測ができると、測定光学系を小型化できるとともに、受光系までの光路長を短くすることができるので、高い計測感度を得ることができる。そのため、このような計測装置に回折光学素子を用いる場合、回折角度が大きいことが好ましい。ところが、回折光学素子のピッチを狭くすることで回折角度が大きい回折光を発生させようとすると、0次回折光が発生する。そして、回折光により生じる光スポットの数が多いと、0次回折光の光量は他の回折光の光量よりも相対的に大きな値となってしまう。
このような場合、計測装置に用いられる撮像素子において自動ゲイン調節が低めに設定されてしまい、0次回折光に対して相対的に弱い他の回折光による光スポットを認識することができなくなるといった問題や、ゲインを高めに調節した場合においても、0次回折光による光スポットの周囲ににじみ等が発生し、0次回折光による光スポットの周囲において他の回折光による光スポットを認識することができなくなるという問題が生じる。従って、例えば、3次元計測装置に適用する場合、精度の高い3次元形状の測定が困難なものとなってしまう。
このような0次回折光の発生を抑制するための構成としては、例えば、特許文献2に開示されているように、複数の回折光学素子を積層する構成等が知られている。また、非特許文献1において、回折光学素子の表面に形成される凹凸の形状を調節することにより、0次回折光の光量を調節するDammann回折格子が開示されている。
日本国特表2009−531655号公報 国際公開第2009/093228号パンフレット
Donald C. O’Shea, "Reduction of the zero−order intensity in binary Dammmann gratings", APPLIED OPTICS, 34, 6533(1995)
しかしながら、特許文献2に開示されている方法では、複数の回折光学素子を積層する構成であるので、積層の位置合せの問題が発生することや、投影するパターンに制限があるので、パターンを自由に設定できないといった問題等が生じてしまう。
また、非特許文献1に開示されているDammann回折格子は、特定の形状の場合において0次回折光を低減することができるものである。しかし、以下に説明するように、スカラー理論から外れている場合、つまりピッチが狭く回折角が大きい仕様においてまで適用することができるとは言い難く、一般的なスカラー理論から外れている場合において、0次回折光を低減する目的に適用することができない。
回折格子において発生する0次回折光について説明する。回折光学素子は、光の回折現象により光学作用を及ぼすものであるが、このような光学作用は回折光学素子から十分遠方では、スカラー回折理論によるFraunhofer近似を用いて計算することができる。これは回折光学素子における回折面を十分薄いものとして仮定しているものであり、回折光学素子から出射直後のスカラー関数をu(x、y)、観測点における電場のスカラー関数をu(x、y)、回折光学素子における回折面から観測点までの光軸方向の距離をz、波数をkとした場合、数1に示す式で近似される。尚、dS=dxdyであり、Σは光束が通過する領域を表す。
Figure 0005849954
特に、回折光学素子が、x方向、y方向に対してピッチP、ピッチPの周期構造を有するような場合、回折光学素子から出射される回折光の光束は、ある次数において強い光強度を有する。そして、m、nを整数として、その次数を(m、n)次とした場合、(m、n)次の回折効率ηmnは、数2に示す式で表される。尚、数2に示される式より、回折効率ηmnはピッチP、Pに依存しない。
Figure 0005849954
この際、回折光学素子から出射される(m、n)次の回折光の回折角θxout、θyoutは、入射光のx、y方向の入射角をθxin、θyinとした場合、数3に示される式となる。尚、入射角θxin、θyin及び回折角θxout、θyoutは、回折面の法線方向を基準とした角度である。
Figure 0005849954
回折光学素子の回折面に対して、垂直に光束が入射する場合(θxin=θyin=0)を考える。このとき、数3に示される式において、m×λ/P、n×λ/Pの値が大きくなると、出射光の回折角θxout、θyoutが大きな値となる。Fraunhofer近似では、近軸領域においてのみ有効であるため、回折角が大きい場合には、実際の回折光学素子における回折光の強度と、スカラー回折理論により計算される回折光の強度の値がずれることになる。尚、回折角については、回折角度と記載する場合がある。
この一例として、回折光学素子を、図1に示される1次元の周期構造を有する単純な回折格子として計算した結果について説明する。図1は、回折格子の断面を示す模式図であって、石英基板311上の表面に凸部312を形成した構造を有し、凸部312の形成されていない領域である凹部313は、空気が入り込んでいるものとする。尚、凸部312の高さhを0.735μmとし、石英基板311上の表面における凸部312と凹部313との幅の比を、1:1とする。計算にはマックスウェル方程式をベクトル的な方法で解いたものであり、厳密解を与えるRCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法とスカラー理論を用いている。図2(a)には、この回折格子において、ピッチPが10μm、光の波長が0.66μmにおける回折光の次数と回折効率の関係を示す。尚、波長0.66μmの光に対する石英基板の屈折率は、約1.46として計算した。図2(a)に示されるように、回折光学素子より出射された光は、±1次回折光が大部分を占めている。
また、図2(b)には、図1に示す回折光学素子より出射される光束のうち直進透過する成分である0次回折光における回折効率と波長との関係を示す。スカラー理論における計算では、波長が0.66μmの場合において、0次回折光における回折効率は、略0%である。これに対し、RCWA法による厳密計算では、ピッチPが狭くなるに伴い、0次回折光の回折効率が最も低くなる波長における回折効率が高くなる傾向にあり、スカラー理論における計算により得られた結果との差が大きくなる傾向にある。
図2(c)は、図2(b)における各々のピッチにおいて、0次回折効率の値と、1次回折光における回折角との関係を示したものである。図2(c)に示されるように、回折角が大きくなるに従い0次回折光の回折効率が高くなる傾向にある。そして、このような傾向は他の断面形状の回折格子においても同様であり、回折角が大きくなるに従いスカラー理論により得られる結果とのずれが大きくなる。このため、スカラー理論における計算結果で0次回折光が発生しない設計とする場合であっても、実際には0次回折光が発生する場合がある。非特許文献1に開示されているDammann回折格子は、スカラー理論から外れるような、ピッチが狭く回折角が大きい場合にも、0次回折光を抑制できているとは言えない。
このように、0次回折光の発生を極力抑制し、回折角が広い範囲にまで光スポットを生成することのできる回折光学素子が望まれており、更には、このような回折光学素子を用いた精度の高い測定を行うことのできる計測装置が求められている。
本発明は、凹凸を有し、入射した光を2次元的に回折して、回折光を発生させる回折光学素子であって、前記凹凸において、前記凹凸の高さ方向と異なる所定の軸方向における凸部の長さが、前記光の波長をλとした場合に、λ/8から6λの範囲で不規則な分布を有し、前記入射した光の光軸を基準とする最大の回折角を角度範囲θとするとき、前記角度範囲θは、7.5°以上であり、かつ、0次回折光における回折効率が、5%以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て凸部と凹部との境界が曲線を含む不規則なパターンを有する。
また、本発明は、凹凸を有し、入射した光を2次元的に回折して、回折光を発生させる回折光学素子であって、前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て凸部と凹部との境界が曲線を含む不規則なパターンを有し、前記入射した光の光軸を基準とする最大の回折角を角度範囲θとするとき、前記角度範囲θは、7.5°以上であり、かつ、0次回折光における回折効率が、5%以下であることを特徴とする。
また、本発明は、凹凸を有し、入射した光を2次元的に回折して、回折光を発生させる回折光学素子であって、前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て凸部と凹部との境界が5つ以上の線分を含む不規則なパターンを有し、前記入射した光の光軸を基準とする最大の回折角を角度範囲θとするとき、前記角度範囲θは、7.5°以上であり、かつ、0次回折光における回折効率が、5%以下であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記凹凸は2段であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記凹凸は3段以上であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記凹凸は2段(mは2以上の整数)であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記凹凸において、前記凹凸の高さ方向と異なる所定の軸方向における凸部の長さと凹部の長さのうち、前記光の波長をλとした場合に、λ/8から6λの範囲内に入る、前記凸部の長さの平均をとった値、前記凹部の長さの平均をとった値を、それぞれμ、μとした場合、前記回折角θ及びD=μ/(μ+μ)の値が、
7.5°<θ<90°、かつ、
0<D<0.5、かつ、
−0.02θ+0.6<D<−0.00133θ+0.5233
(但し、7.5°<θ<36.3°)
または、
−0.02θ+0.6<D<0.475
(但し、36.3°<θ<90°)
であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記回折角θ及びDの値が、
7.5°<θ<90°、かつ、
0<D<0.475、かつ、
D>−0.02θ+0.625
であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記凹凸において、凸部と凹部の中間の高さを基準として、前記中間の高さよりも高い部分を凸部、前記中間の高さよりも凹部とした場合、前記凹凸の高さ方向と異なる所定の軸方向における凸部の長さと凹部の長さのうち、前記光の波長をλとした場合に、λ/8から6λの範囲内に入る、前記凸部の長さの平均をとった値、前記凹部の長さの平均をとった値を、それぞれμ、μとした場合、前記回折角θ及びD=μ/(μ+μ)の値が、
7.5°<θ<90°、かつ、
0<D<0.55、かつ、
D>−0.02θ+0.65
であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記回折角θ及びDの値が、
7.5°<θ<90°、かつ、
0<D<0.525、かつ、
D>−0.02θ+0.675
であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、前記回折光学素子により生じる0次回折光における回折効率が、3%以下であることを特徴とする。
また、本発明の回折光学素子は、光を反射する材料からなる反射層を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て、同一パターンの基本ユニットが2次元的に配列されてなることを特徴とする。
また、本発明の計測装置は、光を発する光源と、前記光が入射し回折光が出射される前記記載の回折光学素子と、前記回折光が照射された測定対象物の画像を撮像する撮像部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、0次回折光の発生を極力抑制することができ、広い範囲に光スポットを生成することのできる回折光学素子を得ることができる。また、精度の高い測定を行うことのできる計測装置を得ることができる。
回折光学素子の断面図 回折光学素子により生じる回折光の説明図 第1の実施の形態における2段の段数の回折光学素子の構造図 第1の実施の形態における回折光学素子の説明図 第1の実施の形態における3段以上の段数の回折光学素子の構造図(1) 第1の実施の形態における3段以上の段数の回折光学素子の構造図(2) 回折光学素子A3の回折光により生じる光スポット 回折光学素子A1の表面におけるSEM像 回折光学素子A1、A2、A3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子A1、A2、A3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子A1、A2、A3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子B1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子B1、B2の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子B1、B2における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子B1、B2における波長と回折効率の関係図 回折光学素子C3の回折光により生じる光スポット 回折光学素子C1、C2、C3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子C1、C2、C3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子C1、C2、C3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子D1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子D1、D2、D3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子D1、D2、D3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子D1、D2、D3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子E2の回折光により生じる光スポット 回折光学素子E1、E2の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子E1、E2における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子E1、E2における波長と回折効率の関係図 回折光学素子F1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子F1、F2の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子F1、F2における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子F1、F2における波長と回折効率の関係図 2段の段数の回折光学素子における回折角度範囲とDとの相関図 回折光学素子G1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子G1、G2、G3の表面におけるSEM像 回折光学素子G1、G2、G3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子G1、G2、G3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子G1、G2、G3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子H3の回折光により生じる光スポット 回折光学素子H1、H2、H3の表面におけるSEM像 回折光学素子H1、H2、H3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子H1、H2、H3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子H1、H2、H3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子I1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子I1、I2、I3の表面におけるSEM像 回折光学素子I1、I2、I3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子I1、I2、I3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子I1、I2、I3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子J1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子J1、J2、J3の表面におけるSEM像 回折光学素子J1、J2、J3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子J1、J2、J3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子J1、J2、J3における波長と回折効率の関係図 8段の段数の回折光学素子における回折角度範囲とDとの相関図 第2の実施の形態における回折光学素子の構造図 第3の実施の形態における計測装置の構成図 回折光学素子K1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子K1、K2、K3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子K1、K2、K3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子K1、K2、K3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子L1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子L1、L2、L3の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子L1、L2、L3における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子L1、L2、L3における波長と回折効率の関係図 回折光学素子M1の回折光により生じる光スポット 回折光学素子M1、M2の表面における凹部凸部の概要図 回折光学素子M1、M2における凹部凸部の長さのヒストグラム 回折光学素子M1、M2における波長と回折効率の関係図
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(2段の段数を有する回折光学素子)
第1の実施の形態における回折光学素子について、図3に基づき説明する。本実施の形態における回折光学素子10は、図3(a)の平面図に示されるように、基本ユニット20が2次元的に配列されているものである。基本ユニット20はX軸方向におけるピッチPx、Y軸方向におけるピッチPyからなるものであり、回折光学素子10において2次元的に配列される基本ユニット20は、いずれも同一のパターンである。回折光学素子10の基本ユニット20におけるパターンは、ガラス等の光を透過する透明基板である基板30の表面に凸部31と凹部32が形成されている。尚、この場合における凹部32とは凸部31が形成されている部分以外をいう。凸部31は、基板30と同一材料により形成してもよく、また、基板30とは異なる材料により形成してもよい。
例えば、前者の場合では、基板30の表面に直接、凹凸パターンを形成することにより凸部31と凹部32を得ることができる。また、後者の場合では、基板30の表面に不図示の均一厚の透明膜を形成し、この透明膜の一部を除去することにより、基板30上において透明膜の存在している部分と存在していない部分とを形成することができる。このように形成された透明膜の存在している部分が凸部31となり、透明膜の存在していない部分が凹部32となる。
透明基板30は、入射する光に対して透明であれば、樹脂板、樹脂フィルムなど種々の材料を用いることができるが、ガラスや石英等の光学的等方性材料を用いると、透過光に複屈折性の影響を与えないため好ましい。また、透明基板30は、例えば、空気との界面に、多層膜による反射防止膜を備えると、フレネル反射による光反射損失を低減できる。
回折光学素子10において、基板30の表面に形成された凹部32は、この場合、基板30や透明膜等が存在していないため空気により満たされることなる。一方、凸部31は、基板30または不図示の透明膜により形成されるため、凸部31は、基板30または透明膜の屈折率と同じ値となる。ここで、凸部31の屈折率をN、凹部32の屈折率をNとすると、この場合、使用する波長領域において、N>Nの関係にある。また、凹部32は空気以外に、基板30等を構成する材料の屈折率Nよりも低い値の屈折率を有する材料により充填されている場合であってもよい。つまり、回折光学素子10の凹凸によって、入射する光束に対して位相差を与えられればよく、ここでいう凹凸とは、表面形状として物理的に凹凸がある構成に限らない。また、凹部32が空気である場合、屈折率N≒1.0であり、例えば、基板30を構成するガラスや透明膜等の屈折率との差、つまり、N−Nを大きくすることができるので、所定の回折作用を与えるために、凸部31の高さ(凹部32の深さ)を小さくでき、例えば、加工プロセスの短縮化等が期待できる。尚、透明膜については後述する各種材料を用いることができる。
また、基板30の表面における凸部31と凹部32により形成される段数は、2段に限定されるものではなく、後述するように、3段以上の段数であってもよい。また、凸部31の側面は、図3(b)に示されるように、基板30面に対し略垂直に形成されている場合に限定されるものではなく、基板30面に対して傾斜を有するテーパー状に形成してもよく、更には、凹部32と凸部31との境界部分に段部を有しない滑らかな形状で形成してもよい。尚、本発明に係る回折光学素子は、凹凸の最も底面が1段目として規定され、回折光学素子10の場合、凸部31の上面が2段目に相当する。そして、以降の実施形態においても底面が1段目として規定されるものとする。
次に、基本ユニット20の凹凸のパターンについて説明する。具体的に、本実施の形態における回折光学素子10において、基本ユニット20における凸部31と凹部32により構成されるパターンの例を図3(c)に示す。尚、図3(c)において、凸部31となる領域は白抜きで示し、凹部32となる領域は、黒で塗りつぶして示している。
ここで、図3(c)に示す基本ユニット20を2次元的に配列した回折光学素子10に、波長λの光束を入射させた場合、数3に示す式に従った回折角(θxm、θyn)を有する(m、n)次の回折光が発生する。尚、θxmは、X軸方向のm次回折光の回折角、θynは、Y軸方向のn次回折光の回折角を意味する。また、入射する光束が回折する状態を図4に模式的に示す。具体的に、図4は、本実施の形態における回折光学素子10に光束40を入射し、回折光学素子10より出射された回折光41が投影面50に投影された状態を示すものである。投影面50において入射光の光束40に対し直進透過する出射光が0次回折光となる。前述のとおり、回折光学素子10において、回折光の回折角が大きい場合には、スカラー理論が成り立たないが、第1近似としては、基本ユニット20における位相分布を数2に示される式により計算することにより得られる(m、n)次の回折光が発生し、投影面50には光スポットとして照射される。
このとき発生する回折光における角度範囲は、以下のように規定する。発生する回折光において強度の強い回折次数の光束が分布する範囲のうち、入射光束の光軸を基準とした最大の値を回折光の角度範囲と規定し、とくに説明がない場合、角度範囲は絶対値を表すものとする。尚、回折光学素子では、強度の強い光束以外にも、数3に示される式に基づき回折光強度が0ではない回折光が発生する。この場合、例えば、最も強度の強い回折光の光強度を基準とし、その最大の光強度に対して1/4以下の光強度の回折光については、対象の回折光としないものとする。言い換えると、最大の光強度に対して1/4より大きい光強度の回折光に基づき、回折光における角度範囲と規定する。このように対象とする光強度の基準を決めることで、光量の集中している範囲を角度範囲と設定することができる。また、明らかに周辺との光量のコントラストが見られているような場合、その境界を角度範囲と規定してもよい。
また、発生する回折光における光スポットが100個以上であって、各々の光スポットにおける光量分布も大きい場合には、光の強度のヒストグラムを取った際に正規分布を仮定して、平均値から標準偏差σを差し引いた値以上の範囲となる光強度を有する光スポットが存在している範囲を回折光における角度範囲と規定する。この規定も、光量の集中している範囲を角度範囲と設定するためである。また、はっきりとしたピークがみられる場合、平均値から2σを差し引いた値以上の光量を有する光スポットが分布している範囲を角度範囲としてもよい。また、ヒストグラムを作成する際、微弱ではあるが目に見える回折光を全て計測すると、回折光の光量の平均値が下がってしまう。そのため、光量のヒストグラムに明らかなピークが現れるような場合、極端に光量が小さな回折光に関しては、平均値、標準偏差の計算に含めないものとする。この際、0次回折光は、例えば、100個以上の光スポット(回折光)が生じる場合において、各回折光の光量が1%以下となるため、0次回折光の回折効率が数%でも、ヒストグラムに影響を与える場合がある。このような場合、0次回折光を、ヒストグラムの中には含めなくてもよい。尚、本実施の形態における回折光学素子10では、使用される光束の波長がλの場合において、X方向またはY方向における角度範囲が、7.5°以上となるように形成されている。
次に、基本ユニット20の凹凸パターン(分布)について具体的に説明する。基本ユニット20は、入射した光束に対して所定の位相分布を与えるため凸部31及び凹部32を有している。ここで、凹凸を有する面をX−Y面として、X軸方向に走査した場合における凸部31の長さの集合をdとし、X軸方向に走査した場合における凹部32の長さの集合をdとすると、d及びdに基づき、凸部31及び凹部32の分布状態を表現することができる。この場合、長さdの集合における平均値μ(d)=(Σd×N)/(ΣN)と定義する。ここで、dは集合dに含まれる各々の長さであり、Nはdが出現する頻度である。
本実施の形態における回折光学素子は、平均値μ(d)を求めるためのdの範囲を、回折光学素子に入射する光束の波長λに基づき、λ/8から6λとするとき、凸部31の長さの集合dに基づく長さの平均μ(d)と、凹部32の長さの集合dに基づく長さの平均μ(d)とは、μ(d)<μ(d)の関係となるように基本ユニット20が形成されている。ただし、この際、明らかに回折光学素子の構造物由来の長さピークにかかっているときなど、dの取り得る範囲によって統計上の問題が発生しそうである場合には、この範囲の上限の6λは、6λ±2λの範囲で変動可能である。また、dの取り得る範囲は、λ/8から4λ±λで設定することも可能であるし、0から2λ±λで設定することも可能である。
また、基本ユニット20における様々な凹凸パターンについて検討した結果、μ(d)、μ(d)が満たす範囲の条件としては、D=μ(d)/{μ(d)+μ(d)}を満たすDを与えるとき、Dが、0<D<0.5であることが好ましいことを見出した。
更に、数4に示される式の条件を満たすことにより、0次回折光における回折効率を5%以下とすることが好ましく、3%以下に低減することができより好ましい。尚、このときの値は反射、吸収、散乱などの回折格子の光損失を含めた場合における値としてもよい。
Figure 0005849954
また、数5に示される式の条件を満たすことにより、0次回折光における回折効率を1.5%以下に低減することができ、より一層好ましい。
Figure 0005849954
尚、数4及び数5に示される式において、θ(°)は回折の角度範囲である。そして、これらのθ、Dの関係は回折光を生じる少なくとも一つの方向で満たせばよい。これは、例えば、X方向において、θ及びDの関係式を満たし、Y方向において、θまたはDの関係式を満たさないような場合でも、X方向の回折効果によって0次光の低減が可能となるからである。
このような、Dの評価には回折光学素子の平面図を取得し、画像処理を用いるなどして計算することができる。Dの計算範囲としては基本ユニット20を含む領域であることが望ましいが、回折光学素子10の基本ユニット20が大きい場合には、基本ユニット20の一部であってもよい。但し、この場合においては統計的に評価するため、十分広い領域であることが好ましい。
また、別の言い方をすれば、凸部31と凹部32の面積比を計算した際に、回折光学素子の平面において、凸部31の占める面積が凹部32の占める面積に比べて小さいと言える。前述の平均値の比較ではλ/8から6λの範囲における長さdの平均値を比較しており、μ(d)<μ(d)から直接的に回折光学素子面内の、凸部31と凹部32との面積の比較をすることはできないが、以下のように考えることができる。つまり、回折光学素子による回折角が大きくなり、回折光学素子によって発生する回折光による光スポットの数が多くなると、回折光学素子全体に占める各々の長さが、λ/8から6λの範囲内に含まれる構造の割合が大きくなる。従って、上記の条件を満たす回折光学素子では凸部31と凹部32の平均長さを比較した際に凸部31の面積が凹部32の面積に比べて小さいことになる。ここで、上記のDの定義に基づき、μ(d)/μ(d)=D/(1−D)となり、また、面積比はμ(d)/μ(d)の2乗に比例するものと考えられるため、凹部32の面積の面積に対する凸部31の面積の比率は、0より大きく、1より小さい値であることが好ましい。
(3段以上の段数の回折光学素子)
次に、本実施の形態における回折光学素子において、3段以上の段数を有する回折光学素子について説明する。本実施の形態における回折光学素子としては、3段以上、例えば、2段の段数を有する回折光学素子(M≧2の整数)、また、表面が滑らかな形状で形成されており段数を特定することのできない回折光学素子を含むものである。このような場合においても、回折光学素子の最も高い位置と最も低い位置との中間を基準として、便宜上、基準となる中間の高さよりも高い部分を凸部とし、基準となる中間の高さよりも低い部分を凹部とすることにより、上述した場合と同様に規定することができる。
このことを具体的に説明すると、図5(a)に示されるように、例えば、段数N(N≧3の整数)が偶数である回折光学素子においては、中間の高さは、(N/2)段と、(N/2)+1段との間が中間の高さとなる。つまり、4段の段数を有する回折光学素子においては、2段目と3段目との間が中間の高さとなる。この場合、図5(b)に示されるように、3段目以上は凸部31aとし、2段目以下は凹部32aと規定することができる。
また、図6(a)に示されるように、段数N(N≧3の整数)が奇数である回折光学素子においては、中間の高さは、(N/2)+1/2段が中間の高さとなるので、5段の段数を有する回折光学素子においては、3段目が中間の高さとなる。この場合、図6(b)に示されるように、3段目における両端部の中間部分、即ち、2段目から3段目になる部分と、3段目から4段目になる部分との中間部分に境界を有するように、凸部31bと凹部32bがあるものと規定する。
尚、上記においては、段数の段差は等間隔で形成されているものと仮定して説明したが、等間隔ではない段差が設けられている場合や、滑らかな形状で凹凸が形成されている場合においては、回折光学素子の表面において、最も高い部分と最も低い部分との中間の高さを基準として、中間の高さよりも高い部分を凸部とし、中間の高さよりも低い部分を凹部と規定する。
そして、3段以上の段数を有する回折光学素子について検討を行なった結果、上述した2段の回折光学素子に比べて、Dの値を約0.05大きくした場合においても、0次回折光の回折効率が低減されるということを見出した。即ち、3段以上の段数を有する回折光学素子の場合では、0<D<0.55であることが好ましいことを見出した。
更に、数6に示される式の条件を満たすことが好ましく、また、数7に示される式の条件を満たすことが、より一層好ましい。
Figure 0005849954
Figure 0005849954
尚、数6及び数7に示される式において、θ(°)は回折の角度範囲である。そして、これらのθ、Dの関係は回折光を生じる少なくとも一つの方向で満たせばよい。これは、例えば、X方向において、θ及びDの関係式を満たし、Y方向において、θまたはDの関係式を満たさないような場合でも、X方向の回折効果によって0次光の光量の低減が可能となるからである。
このような、Dの評価には回折光学素子の平面図を取得し、画像処理を用いるなどして計算することができる。Dの計算範囲としては基本ユニット20を含む領域であることが望ましいが、回折光学素子10の基本ユニット20が大きい場合には、基本ユニット20の一部であってもよい。但し、この場合においては統計的に評価するため、十分広い領域であることが好ましい。
また、別の言い方をすれば、凸部31と凹部32の面積比を計算した際に、回折光学素子の平面において、凸部31の占める面積が凹部32の占める面積に比べて小さいと言える。前述の平均値の比較ではλ/8から6λの範囲における長さdの平均値を比較しており、μ(d)<μ(d)から直接的に回折光学素子面内の、凸部31と凹部32との面積の比較をすることはできないが、以下のように考えることができる。つまり、回折光学素子による回折角が大きくなり、回折光学素子によって発生する回折光による光スポットの数が多くなると、回折光学素子全体に占める各々の長さが、λ/8から6λの範囲内に含まれる構造の割合が大きくなる。従って、上記の条件を満たす回折光学素子では凸部31と凹部32の平均長さを比較した際に凸部31の面積が凹部32の面積に比べて小さいことになる。ここで、上記のDの定義に基づき、μ(d)/μ(d)=D/(1−D)となり、また、面積比はμ(d)/μ(d)の2乗に比例するものと考えられる。そのため、凹部32の面積の面積に対する凸部31の面積の比率はDの最大値を0.55とした場合、面積比は1.49となるが、検討の結果、凹部32の面積の面積に対する凸部31の面積の比率は0より大きく、1.38より小さい値であることが好ましいことを見出した。
(回折光学素子の加工方法及び構成材料)
回折光学素子10の凹凸形状は、切削加工や、電子ビーム加工、リソグラフィ加工、射出成型などを用いて形成することができる。また、凸部の材料としては樹脂、無機材料、有機無機複合材料、複屈折材料などを用いることができ、凹部の材料としては凸部よりも屈折率の低い材料であれば樹脂、無機材料、有機無機複合材料、複屈折材料、空気などを用いることができる。尚、無機材料としては、SiO、SnO、Ta、TiO、HfO、ZrO、Al、Si、HfON、SiONやこの混合物などが挙げられる。
また、凹凸形状の加工方法として前述の方法の他に、平面基板上に樹脂モノマーを塗布し、凹凸を有する型基板で樹脂モノマーを挟み込んだ後に紫外線、熱等で硬化させ、型基板を離型するという方法や、平面基板と型基板とを対向させてできた空隙に樹脂モノマーを注入させる方法を用いてもよい。離型性を促進させるために型基板に対して離型処理を施してもよいが、含フッ素モノマーを含む樹脂を用いると、型基板に対する離型処理が不要になるので好ましい。含フッ素モノマー以外に、含フッ素界面活性剤及び含フッ素ポリマーを含む樹脂であってもよい。尚、以下に使用可能な樹脂モノマーについて列記する。
樹脂モノマーは、重合性基を有するモノマーであれば特に限定されず、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するモノマー、ビニル基を有するモノマー、アリル基を有するモノマーまたはオキシラニル基を有するモノマーが好ましく、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するモノマーがより好ましい。主成分モノマーにおける重合性基の数は、1〜4個が好ましく、1または2個がより好ましく、1個が特に好ましい。
重合性基を有するモノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、またはスチレン系化合物が好ましく、(メタ)アクリレートが特に好ましい。ただし、本明細書において、アクリル酸とメタクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸と、アクリレートとメタクリレートを総称して(メタ)アクリレートと、アクリルアミドとメタクリルアミドを総称して(メタ)アクリルアミドと、記す。
(メタ)アクリレートの具体例としては、下記の化合物が挙げられる。フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタアクリレート)、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアダマンチル(メタ)アクリレート、エチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレートも挙げられる。かつ、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の重合性基を4個以上有する(メタ)アクリレートも挙げられる。
ビニルエーテルの具体例としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の(ヒドロキシアルキル)ビニルが挙げられる。ビニルエステルの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(イソ)酪酸ビニル、吉草酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステルが挙げられる。
アリルエーテルの具体例としては、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、(イソ)ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテルが挙げられる。オキシルラニル基を有するモノマーは、エポキシ基を有するモノマー、オキセタン基を有するモノマー、オキソゾリン基を有するモノマーが挙げられる。
含フッ素モノマーは、重合性基を有する含フッ素モノマーであれば特に限定されず、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する含フッ素モノマー、ビニル基を有する含フッ素モノマー、フルオロビニル基を有する含フッ素モノマー、アリル基を有する含フッ素モノマー、またはオキシラニル基を有する含フッ素モノマーが好ましい。含フッ素モノマーにおける重合性基の数は、1〜4個が好ましく、1または2個がより好ましく、1個が特に好ましい。
また、含フッ素モノマーは、
(A) 式CF=CR−Q−CR=CHで表される化合物(ただし、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のフルオロアルキル基を示し、Qは酸素原子、式−NR−(Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルカルボニル基またはトシル基を示す。)で表される基、または官能基を有していてもよい2価有機基を示す。以下同様)、
(B) 式(CH=CXCOO)で表される化合物(ただし、nは1〜4の整数を、Xは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を、Rは炭素数1〜30のn価含フッ素有機基を、示す。)、
が好ましい。
式CF=CR−Q−CR=CHで表される化合物におけるQが2価有機基である場合、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、オキシメチレン、オキシジメチレン、オキシトリメチレン、及びジオキシメチレンからなる群から選ばれる基を主鎖とし該主鎖中の水素原子が、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基から選ばれる基で置換された基であり、かつ該基中の炭素原子−水素原子結合を形成する水素原子の1個以上がフッ素原子で置換された基が好ましい。なかでも、−CFC(CF)(OH)CH−、−CFC(CF)(OH)−、−CFC(CF)(OCHOCH)CH−、−CHCH(CHC(CF(OH)CH−、または−CHCH(CHC(CF)OH)−がとくに好ましい。ただし、基の向きは左側がCF=CR−に結合することを意味する。
式CF=CR−Q−CR=CHで表される化合物の具体例としては、
CF=CFCHCH(C(CFOH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(C(CFOH)CH=CH
CF=CFCHCH(C(CFOH)CHCHCH=CH
CF=CFCHCH(CHC(CFOH)CHCHCH=CH
CF=CFCHC(CH)(CHSOF)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OH)CH=CH
CF=CFCFC(CF)(OH)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCHCF)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(O(CFOC)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(OCFCFCHNH)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(O(CFCN)CH=CH
CF=CFOCFCF(OCFCFSOF)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(O(CFPO(OC)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(OCFCFSOF)CHCH=CH
が挙げられる。
式(CH=CXCOO)で表される化合物におけるnは、1または2であるのが好ましい。Xは、水素原子、またはメチル基であるのが好ましい。Rの炭素数は、4〜24であるのがとくに好ましい。
nが1である場合、Rは1価含フッ素有機基である。1価含フッ素有機基は、炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよいポリフルオロアルキル基を有する1価含フッ素有機基が好ましい。そのような1価含フッ素有機基としては、式−(CHf1F1、−SONR(CHf1F1、または−(C=O)NR(CHf1F1で表される基(ただし、f1は1〜3の整数を、RF1は炭素数4〜16の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよいポリフルオロアルキル基を、Rは水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。)がとくに好ましい。ポリフルオロアルキル基(RF1)としては、ペルフルオロアルキル基が好ましく、特に直鎖状ペルフルオロアルキル基が好ましい。
nが2である場合、Rは2価含フッ素有機基である。2価含フッ素有機基は、炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよいポリフルオロアルキレン基が好ましく、式−(CHf2F2(CHf3で表される基(ただし、f2及びf3はそれぞれ1〜3の整数を、RF2は炭素数4〜16の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよいポリフルオロアルキレン基を示す。)が特に好ましい。ポリフルオロアルキレン基(RF2)としては、ペルフルオロアルキレン基が好ましく、特に直鎖状ペルフルオロアルキレン基、及び炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入されかつトリフルオロメチル基を側鎖に有するペルフルオロオキシアルキレン基が好ましい。
また、式(CH=CXCOO)で表される化合物の具体例としては、
CH=CHCOO(CH(CFF、
CH=CHCOO(CH(CFF、
CH=C(CH)COO(CH(CFF、
CH=C(CH)COO(CH(CFF、
CH=CHCOOCH(CFF、
CH=C(CH)COOCH(CFF、
CH=CHCOOCHCFCFH、
CH=CHCOOCH(CFCFH、
CH=C(CH)COOCHCFCFH、
CH=C(CH)COOCH(CFCFH、
CH=CHCOOCHCFOCFCFOCF
CH=CHCOOCHCFO(CFCFO)CF
CH=C(CH)COOCHCFOCFCFOCF
CH=C(CH)COOCHCFO(CFCFO)CF
CH=CHCOOCH(CF)O(CFCF(CF)O)(CFCF、
CH=C(CH)COOCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFCF、
CH=CHCOOCHCFO(CFCFO)CFCHOCOCH=CH
CH=C(CH)COOCHCFO(CFCFO)CFCHOCOC(CH)=CH
CH=CHCOOCH(CFCHOCOCH=CH
CH=C(CH)COOCH(CFCHOCOC(CH)=CH
が挙げられる。
また、含フッ素界面活性剤は、フッ素含有量が10〜70質量%の含フッ素界面活性剤が好ましく、フッ素含有量が20〜40質量%の含フッ素界面活性剤が特に好ましい。含フッ素界面活性剤は、水溶性であっても脂溶性であってもよい。
含フッ素界面活性剤は、アニオン性含フッ素界面活性剤、カチオン性含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、またはノニオン性含フッ素界面活性剤が好ましい。分散性が良好である観点から、ノニオン性含フッ素界面活性剤がとくに好ましい。
アニオン性含フッ素界面活性剤は、ポリフルオロアルキルカルボン酸塩、ポリフルオロアルキル燐酸エステル、またはポリフルオロアルキルスルホン酸塩が好ましい。これらの界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−111(商品名、セイミケミカル社製)、フロラードFC−143(商品名、スリーエム社製)、メガファックF−120(商品名、大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
カチオン性含フッ素界面活性剤は、ポリフルオロアルキルカルボン酸塩のトリメチルアンモニウム塩またはポリフルオロアルキルスルホン酸アミドのトリメチルアンモニウム塩が好ましい。これらの界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−121(商品名、セイミケミカル社製)、フロラードFC−134(商品名、スリーエム社製)、メガファックF−450(商品名、大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
両性含フッ素界面活性剤は、ポリフルオロアルキルベタインが好ましい。これらの界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−132(商品名、セイミケミカル社製)、フロラードFX−172(商品名、スリーエム社製)等が挙げられる。
ノニオン性含フッ素界面活性剤は、ポリフルオロアルキルアミンオキサイド、またはポリフルオロアルキル・アルキレンオキサイド付加物、またはフルオロアルキル基を有するモノマーに基づくモノマー単位を含むオリゴマーもしくはポリマー等が挙げられる。フルオロアルキル基としては前期ポリフルオロアルキル基(RF1)が好ましい。ノニオン性含フッ素界面活性剤は、フルオロアルキル基を有するモノマーに基づくモノマー単位を含むオリゴマーもしくはポリマー(質量平均分子量は1000〜8000)が好ましい。フルオロアルキル基を有するモノマーは、フルオロ(メタ)アクリレートが好ましく、フルオロアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。フルオロアルキル(メタ)アクリレートとしては前記式(CH=CXCOO)で表される化合物におけるnが1、Xが水素原子またはメチル基である化合物が好ましい。
また、これらのノニオン性含フッ素界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−145(商品名、セイミケミカル社製)、サーフロンS−393(商品名、セイミケミカル社製)、サーフロンKH−40(商品名、セイミケミカル社製)、フロラードFC−170(商品名、スリーエム社製)、フロラードFC−430(商品名、スリーエム社製)、メガファックF−444(商品名、大日本インキ化学工業社製)、メガファックF−479(商品名、大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
含フッ素ポリマーは、式CF=CR−Q−CR=CHで表される化合物を重合させて得た含フッ素ポリマー、CF=CFとCH=CHOCOCHを共重合させて得た含フッ素ポリマーが挙げられる。式CF=CR−Q−CR=CHで表される化合物の具体例としては前記化合物が挙げられる。
含フッ素ポリマーとしては、式CF=CR−Q−CR=CHで表される化合物を重合させて得た含フッ素ポリマーが好ましく、Rはフッ素原子、Rは水素原子、Qは、−CFC(CF)(OH)CH−、−CFC(CF)(OH)−、−CFC(CF)(OCHOCH)CH−、−CHCH(CHC(CFOH)CH−、または−CHCH(CHC(CFOH)−から選ばれる基がとくに好ましい。
以上より、本実施の形態における回折光学素子では、0次回折光の回折効率を低減することができる。
以下に回折光学素子の例について、回折光学素子の例示1から例示13までに示す回折光学素子の諸特性をまとめたものを表1に示す。表1では、回折光学素子の例示1から例示13までの各回折光学素子の光スポット数、各回折光学素子を構成する凹凸の段数、各回折光学素子に光を照射した際に0次回折効率が極小値をとる波長およびそのときの0次回折効率、各回折光学素子の基本ユニットのX方向およびY方向のピッチ、各回折光学素子から発生する光スポットのうちX方向およびY方向に発生する回折次数の絶対値が最大となる次数、各回折光学素子から発生する光スポットのX方向、Y方向の回折角度範囲および回折角度が最大となる回折光の角度範囲を示す。さらに、回折光学素子の例示1から例示13までの例の中に示される基本ユニットの平面構造の画像から計算されるDの値、回折光学素子の例示1から例示13までの例の中に示される基本ユニットの平面構造の画像の凹部の面積に対する凸部の面積を求めたもの(面積比)、を示す。
Figure 0005849954
(回折光学素子の例示1)
最初に例示する回折光学素子A1、A2、A3は、8×6点の規則配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子は、基板として石英基板を用いており、基板表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、レジストパターンを形成し、レジストパターンの形成されていない領域における基板表面をRIE等によりエッチングすることにより形成する。尚、この後、レジストパターンは除去される。
回折光学素子A1、A2、A3は、基本ユニットがピッチPx=Py=12.8μmの領域として形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、m=−7、−5、−3、−1、1、3、5、7、Y方向に、n=−5、−3、−1、1、3、5である。回折光学素子A1は、凸部の高さが0.91μmで形成された2段の回折光学素子であり、回折光学素子A2及びA3は、凸部の高さが0.96μmで形成される。
また、図7は、例として、回折光学素子A3において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子A3は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
図8には、回折光学素子A1の基本ユニットにおける平面構造について、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察した画像(SEM像)を示す。また、図9(a)は、このSEM像に基づき凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。尚、実際の凹凸部の判断を行う際には、回折光学素子を斜め方向に傾けた状態でSEMによる観察を行えばよい。同様のことを回折光学素子A2及びA3についても行い、図9(b)は回折光学素子A2、図9(c)は回折光学素子A3におけるものを示す。
図10(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、図9(a)、(b)及び(c)に示す回折光学素子A1、A2及びA3について、X軸方向における凹部及び凸部の長さのヒストグラムを示すものである。具体的には、それぞれ、図9(a)、(b)及び(c)において、凸部におけるX軸方向の長さのヒストグラムは、黒色で示される領域のX軸方向における長さを走査し測定したものであり、凹部におけるX軸方向の長さのヒストグラムは、灰色で示される領域のX軸方向の長さを走査し測定したものである。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.75μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.094μm〜4.5μmの範囲とする。このとき、回折光学素子A1におけるDの値は、0.555であり、回折光学素子A2におけるDの値は0.473であり、回折光学素子A3におけるDの値は0.435であった。
図11に、回折光学素子A1、A2及びA3において、0次回折光の回折効率(以下、「0次回折効率」という。)の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。このとき、回折光学素子A1は、波長0.760μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は9.7%であり、X方向における回折角度範囲は、24.6°となる。また、回折光学素子A2は、波長0.755μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は1.1%であり、X方向における回折角度範囲は、24.4°となる。また、回折光学素子A3は、波長0.740μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.1%であり、X方向における回折角度範囲は、23.9°となる。
(回折光学素子の例示2)
次に例示する回折光学素子B1及びB2は、4×3点の規則配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子B1及びB2は、基本ユニットがピッチPx=Py=12.8μmの領域として形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、m=−3、−1、1、3、Y方向に、n=−2、0、2である。また、回折光学素子B1及びB2は、いずれも、凸部の高さが0.91μmで形成される。
ここで、図12は、回折光学素子B1において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子B1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図13は、回折光学素子B1及びB2における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図13(a)は回折光学素子B1、図13(b)は回折光学素子B2におけるものを示す。
そして、図14は、回折光学素子B1、B2について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示すものである。具体的には、図14(a)は回折光学素子B1、図14(b)は回折光学素子B2におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.790μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.098μm〜4.74μmの範囲とする。このとき、回折光学素子B1におけるDの値は、0.492であり、回折光学素子B2におけるDの値は、0.467であった。
図15に、回折光学素子B1及びB2において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子B1は、波長0.790μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は1.9%であり、X方向における回折角度範囲は、12.9°となる。また、回折光学素子B2は、波長0.790μmにおいて0次回折光の回折効率は最も低くなり、このときの0次回折効率は0.0%であり、X方向における回折角度範囲は、12.9°となる。
(回折光学素子の例示3)
次に例示する回折光学素子C1、C2及びC3は、2×2点の規則配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子C1、C2及びC3は、基本ユニットがピッチPx=3.2μm、Py=4.27μmの領域として形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、m=−1、1、Y方向に、n=−1、1である。また、回折光学素子C1は、凸部の高さが0.91μmで形成された2段の回折光学素子であり、回折光学素子C2及びC3は、凸部の高さが0.96μmで形成される。
ここで、図16は、回折光学素子C3において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子C3は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図17は、回折光学素子C1、C2及びC3における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図17(a)は回折光学素子C1、図17(b)は回折光学素子C2、そして、図17(c)は回折光学素子C3におけるものを示す。
そして、図18は、回折光学素子C1、C2及びC3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図18(a)は回折光学素子C1、図18(b)は回折光学素子C2、そして、図18(c)は回折光学素子C3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.76μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.095μm〜4.56μmの範囲とする。このとき、回折光学素子C1におけるDの値は、0.547であり、回折光学素子C2におけるDの値は、0.475であり、回折光学素子C3におけるDの値は、0.45であった。
図19に、回折光学素子C1、C2及びC3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子C1は、波長0.775μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は10.5%であり、X方向における回折角度範囲は、17.6°となる。また、回折光学素子C2は、波長0.760μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は2.04%であり、X方向における回折角度範囲は、17.3°となる。また、回折光学素子C3は、波長0.740μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.5%であり、X方向における回折角度範囲は、16.8°となる。
(回折光学素子の例示4)
次に例示する回折光学素子D1、D2及びD3は、回折方向が1次元となる1次元回折光学素子であり、8点の規則配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。尚、後述する例示5及び例示6についても同様に1次元回折光学素子に関するものであるが、1次元の回折方向についての基本ユニットパターンに基づき、2次元的に回折する基本ユニットパターンへ展開できる。つまり、これら1次元の回折を得る回折光学素子の基本ユニットのパターンにおける0次回折効率及び回折角度範囲を求めることで、2次元的に凹凸を有する基本ユニットを設計する指標となり得る。そのため、1次元回折光学素子で得られる0次回折効率及び回折角度範囲の値について評価することは重要である。また、この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子D1、D2及びD3は、基本ユニットがピッチPx=12.8μmとなるように形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させるX方向の回折次数mは、いずれも、m=−7、−5、−3、−1、1、3、5、7である。また、回折光学素子D1は、凸部の高さが0.91μmで形成された2段の回折光学素子であり、回折光学素子D2及びD3は、凸部の高さが0.96μmで形成される。
ここで、図20は、回折光学素子D1において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子D1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図21は、回折光学素子D1、D2及びD3における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図21(a)は回折光学素子D1、図21(b)は回折光学素子D2、図21(c)は回折光学素子D3におけるものを示す。
そして、図22は、回折光学素子D1、D2及びD3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示すものである。具体的には、図22(a)は回折光学素子D1、図22(b)は回折光学素子D2、図22(c)は回折光学素子D3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.78μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.098μm〜4.68μmの範囲とする。このとき、回折光学素子D1におけるDの値は、0.5であり、回折光学素子D2におけるDの値は、0.419であり、回折光学素子D3におけるDの値は、0.326であった。
図23に、回折光学素子D1、D2及びD3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子D1は、波長0.800μmにおいて0次回折光の回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は6.1%であり、X方向における回折角度範囲は、25.9°となる。また、回折光学素子D2は、波長0.785μmにおいて0次回折光の回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.9%であり、X方向における回折角度範囲は、25.4°となる。また、回折光学素子D3は、波長0.765μmにおいて0次回折光の回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.2%であり、X方向における回折角度範囲は、24.7°となる。
(回折光学素子の例示5)
次に例示する回折光学素子E1及びE2も、1次元回折光学素子であり、8点の規則配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子E1及びE2は、基本ユニットがピッチPx=19.2μmとなるように形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させるX方向の回折次数mは、いずれも、m=−7、−5、−3、−1、1、3、5、7である。また、回折光学素子E1は、凸部の高さが0.91μmで形成された2段の回折光学素子であり、回折光学素子E2は、凸部の高さが0.96μmで形成される。
ここで、図24は、回折光学素子E2において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子E2は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図25は、回折光学素子E1及びE2における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図25(a)は回折光学素子E1、図25(b)は回折光学素子E2におけるものを示す。
そして、図26は、回折光学素子E1及びE2について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図26(a)は回折光学素子E1、図26(b)は回折光学素子E2におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.8μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.1μm〜4.8μmの範囲とする。このとき、回折光学素子E1におけるDの値は、0.487であり、回折光学素子E2におけるDの値は、0.419であった。
図27に、回折光学素子E1及びE2において、0次回折光の回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子E1は、波長0.790μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は1.8%であり、X方向における回折角度範囲は、16.7°となる。また、回折光学素子E2は、波長0.820μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.2%であり、X方向における回折角度範囲は、17.4°となる。
(回折光学素子の例示6)
次に例示する回折光学素子F1及びF2も、1次元回折光学素子であり、8点の規則配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子F1及びF2は、基本ユニットがピッチPx=32μmとなるように形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させるX方向の回折次数mは、いずれも、m=−7、−5、−3、−1、1、3、5、7である。また、回折光学素子F1は、凸部の高さが0.91μmで形成された2段の回折光学素子であり、回折光学素子F2は、凸部の高さが0.96μmで形成される。
ここで、図28は、回折光学素子F1において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子F1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図29は、回折光学素子F1及びF2における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図29(a)は回折格子F1、図29(b)は回折格子F2におけるものを示す。
そして、図30は、回折光学素子F1、F2について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図30(a)は回折光学素子F1、図30(b)は回折光学素子F2におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.8μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.1μm〜4.8μmの範囲とする。このとき、回折光学素子F1におけるDの値は、0.485であり、回折光学素子F2におけるDの値は、0.475であった。
図31に、回折光学素子F1及びF2において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子F1は、波長0.820μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.4%であり、X方向における回折角度範囲は、10.3°となる。また、回折光学素子F2は、波長0.840μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.2%であり、X方向における回折角度範囲は、10.6°となる。
(回折光学素子の例示7)
次に例示する回折光学素子G1、G2及びG3は、8×6点の規則配列の光スポットを発生させることのできる8段の回折光学素子(3段以上の回折光学素子)である。この回折光学素子は、基板として石英基板を用いており、基板表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、レジストパターンを形成し、レジストパターンの形成されていない領域における基板表面をRIE等によりエッチングすることにより形成する。尚、この後、レジストパターンは除去される。この工程を繰り返すことにより、1段あたりの段差が0.18μmとなる8段の回折光学素子を形成することができる。
回折光学素子G1、G2及びG3は、基本ユニットがピッチPx=Py=64μmの領域として形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、m=−35、−25、−15、−5、5、15、25、35、Y方向に、n=−25、−15、−5、5、15、25である。
ここで、図33は、回折光学素子G1において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子G1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図34は、回折光学素子G1、G2及びG3について、基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。具体的には、図34(a)は回折光学素子G1、図34(b)は回折光学素子G2、図34(c)は回折光学素子G3の基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。
また、図35は、回折光学素子G1、G2及びG3における観察されたSEM像について、8段のうち5段以上の部分(高さが4/7以上の部分)を凸部とみなし黒色に、4段以上の部分(高さが3/7以下の部分)を凹部とみなし灰色、凹部と凸部の境界部分を白色で表示したものである。具体的には、図35(a)は回折光学素子G1、図35(b)は回折光学素子G2、図35(c)は回折光学素子G3におけるものを示す。
そして、図36は、回折光学素子G1、G2及びG3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図36(a)は回折光学素子G1、図36(b)は回折光学素子G2、図36(c)は回折光学素子G3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.64μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.08μm〜3.84μmの範囲とする。このとき、回折光学素子G1におけるDの値は、0.572であり、回折光学素子G2におけるDの値は、0.503であり、回折光学素子G3におけるDの値は、0.463であった。
図37に、回折光学素子G1、G2及びG3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子G1は、波長0.600μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は5.1%であり、X方向における回折角度範囲は、19.2°となる。また、回折光学素子G2は、波長0.620μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は1.1%であり、X方向における回折角度範囲は、19.8°となる。また、回折光学素子G3は、波長0.625μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.1%であり、X方向における回折角度範囲は、20.0°となる。
(回折光学素子の例示8)
次に例示する回折光学素子H1、H2及びH3は、200×150点の規則配列の光スポットを発生させることのできる8段の回折光学素子(3段以上の回折光学素子)である。この回折光学素子は、基板として石英基板を用いており、例示7と同様の製造方法に基づき、1段あたりの段差が0.18μmとなる8段の回折光学素子を形成する。
回折光学素子H1、H2及びH3は、基本ユニットがピッチPx=Py=330μmの領域として形成されており、4.5mm×4.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、m=−199、−197、−195、・・・・・、195、197、199、Y方向に、n=−149、−147、・・・・・、147、149である。
ここで、図38は、回折光学素子H3において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子H3は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図39は、回折光学素子H1、H2及びH3について、基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。具体的には、図39(a)は回折光学素子H1、図39(b)は回折光学素子H2、図39(c)は回折光学素子H3の基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。
また、図40は、回折光学素子H1、H2及びH3における観察されたSEM像について、8段のうち5段以上の部分(高さが4/7以上の部分)を凸部とみなし黒色に、4段以上の部分(高さが3/7以下の部分)を凹部とみなし灰色、凹部と凸部の境界部分を白色で表示したものである。具体的には、図40(a)は回折光学素子H1、図40(b)は回折光学素子H2、図40(c)は回折光学素子H3におけるものを示す。
そして、図41は、回折光学素子H1、H2及びH3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図41(a)は回折光学素子H1、図41(b)は回折光学素子H2、図41(c)は回折光学素子H3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.64μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.08μm〜3.84μmの範囲とする。このとき、回折光学素子H1におけるDの値は、0.587であり、回折光学素子H2におけるDの値は、0.525であり、回折光学素子H3におけるDの値は、0.488であった。
図42に、回折光学素子H1、H2及びH3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子H1は、波長0.630μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は4.2%であり、X方向における回折角度範囲は、22.3°となる。また、回折光学素子H2は、波長0.630μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は1.2%であり、X方向における回折角度範囲は、22.3°となる。また、回折光学素子H3は、波長0.640μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.2%であり、X方向における回折角度範囲は、22.7°となる。
(回折光学素子の例示9)
次に例示する回折光学素子I1、I2及びI3は、30000点の分散型配列の光スポットを発生させることのできる8段の回折光学素子(3段以上の回折光学素子)である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示7と同様の製造方法に基づき、1段あたりの段差が0.28μmとなる8段の回折光学素子を形成する。
回折光学素子I1、I2及びI3は、基本ユニットがピッチPx=481.3μm、Py=456.7μmの領域として形成されており、4mm×5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折光の回折次数(m、n)の範囲は、いずれも、X方向に、mが−300から299の範囲、Y方向に、nが−225から224の範囲に分布している。
ここで、図43は、回折光学素子I1において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子I1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図44は、回折光学素子I1、I2及びI3について、基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。具体的には、図44(a)は回折光学素子I1、図44(b)は回折光学素子I2、図44(c)は回折光学素子I3の基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。
また、図45は、回折光学素子I1、I2及びI3における観察されたSEM像について、8段のうち5段以上の部分(高さが4/7以上の部分)を凸部とみなし黒色に、4段以上の部分(高さが3/7以下の部分)を凹部とみなし灰色、凹部と凸部の境界部分を白色で表示したものである。具体的には、図45(a)は回折光学素子I1、図45(b)は回折光学素子I2、図45(c)は回折光学素子I3におけるものを示す。
そして、図46は、回折光学素子I1、I2及びI3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図46(a)は回折光学素子I1、図46(b)は回折光学素子I2、図46(c)は回折光学素子I3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.75μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.094μm〜4.5μmの範囲とする。このとき、回折光学素子I1におけるDの値は、0.469であり、回折光学素子I2におけるDの値は、0.446であり、回折光学素子I3におけるDの値は、0.424であった。
図47に、回折光学素子I1、I2及びI3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子I1は、波長0.760μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.5%であり、X方向における回折角度範囲は、28.3°となる。また、回折光学素子I2は、波長0.745μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.1%であり、X方向における回折角度範囲は、27.7°となる。また、回折光学素子I3は、波長0.730μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.0%であり、X方向における回折角度範囲は、27.1°となる。
(回折光学素子の例示10)
次に例示する回折光学素子J1、J2及びJ3は、30000点の分散型配列の光スポットを発生させることのできる8段の回折光学素子(3段以上の回折光学素子)である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示7と同様の製造方法に基づき、1段あたりの段差が0.21μmとなる8段の回折光学素子を形成する。
回折光学素子J1、J2及びJ3は、基本ユニットがピッチPx=320.5μm、Py=304.1μmの領域として形成されており、4mm×5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折光の回折次数(m、n)の範囲は、いずれも、X方向に、mが−200から199の範囲、Y方向に、nが−150から149の範囲に分布している。
ここで、図48は、回折光学素子J1において、波長0.66μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子J1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図49は、回折光学素子J1、J2及びJ3について、基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。具体的には、図49(a)は回折光学素子J1、図49(b)は回折光学素子J2、図49(c)は回折光学素子J3の基本ユニットにおける平面構造のSEM像を示す。
また、図50は、回折光学素子J1、J2及びJ3における観察されたSEM像について、8段のうち5段以上の部分(高さが4/7以上の部分)を凸部とみなし黒色に、4段以上の部分(高さが3/7以下の部分)を凹部とみなし灰色、凹部と凸部の境界部分を白色で表示したものである。具体的には、図50(a)は回折光学素子J1、図50(b)は回折光学素子J2、図50(c)は回折光学素子J3におけるものを示す。
そして、図51は、回折光学素子J1、J2及びJ3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示す。具体的には、図51(a)は回折光学素子J1、図51(b)は回折光学素子J2、図51(c)は回折光学素子J3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.66μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.083μm〜3.96μmの範囲とする。このとき、回折光学素子J1におけるDの値は、0.402であり、回折光学素子J2におけるDの値は、0.365であり、回折光学素子J3におけるDの値は、0.357であった。
図52に、回折光学素子J1、J2及びJ3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子J1は、波長0.675μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.6%であり、X方向における回折角度範囲は、24.9°となる。また、回折光学素子J2は、波長0.655μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.1%であり、X方向における回折角度範囲は、24.1°となる。また、回折光学素子J3は、波長0.660μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.0%であり、X方向における回折角度範囲は、24.3°となる。
(回折光学素子の例示11)
次に例示する回折光学素子K1、K2及びK3は、24212点の分散型配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子K1、K2及びK3は、基本ユニットがピッチPx=512μm、Py=520.2μmの領域として形成されており、5mm×4mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折光の回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、mが−319から319の範囲、Y方向に、nが−256から256の範囲に分布している。また、回折光学素子K1、K2及びK3は、いずれも、凸部の高さが0.93μmで形成される。
ここで、図56は、回折光学素子K1において、波長0.83μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを黒色で示したものである。このような光スポットを与える回折光学素子K1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図57は、回折光学素子K1、K2及びK3における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図57(a)は回折光学素子K1、図57(b)は回折光学素子K2、図57(c)は回折光学素子K3におけるものを示す。
そして、図58は、回折光学素子K1、K2、K3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示すものである。具体的には、図58(a)は回折光学素子K1、図58(b)は回折光学素子K2、図58(c)は回折光学素子K3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.756μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.095μm〜4.54μmの範囲とする。このとき、回折光学素子K1におけるDの値は、0.436であり、回折光学素子K2におけるDの値は、0.364であり、回折光学素子K3におけるDの値は、0.323であった。
図59に、回折光学素子K1、K2及びK3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子K1は、波長0.756μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は1.6%であり、X方向における回折角度範囲は、28.1°となる。また、回折光学素子K2は、波長0.711μmにおいて0次回折光の回折効率は最も低くなり、このときの0次回折効率は0.1%であり、X方向における回折角度範囲は、26.3°となる。また、回折光学素子K3は、波長0.703μmにおいて0次回折光の回折効率は最も低くなり、このときの0次回折効率は0.9%であり、X方向における回折角度範囲は、26.0°となる。
(回折光学素子の例示12)
次に例示する回折光学素子L1、L2及びL3は、24914点の分散型配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子L1、L2及びL3は、基本ユニットがピッチPx=409.6μm、Py=358.4μmの領域として形成されており、3.0mm×2.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折光の回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、mが−399から399の範囲、Y方向に、nが−300から300の範囲に分布している。また、回折光学素子L1、L2及びL3は、いずれも、凸部の高さが1.15μmで形成される。
ここで、図60は、回折光学素子L1において、波長0.83μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを計算によって求めたものである。このような光スポットを与える回折光学素子L1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図61は、回折光学素子L1、L2及びL3における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図61(a)は回折光学素子L1、図61(b)は回折光学素子L2、図61(c)は回折光学素子L3におけるものを示す。
そして、図62は、回折光学素子L1、L2、L3について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示すものである。具体的には、図62(a)は回折光学素子L1、図62(b)は回折光学素子L2、図62(c)は回折光学素子L3におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.796μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.100μm〜4.78μmの範囲とする。このとき、回折光学素子L1におけるDの値は、0.407であり、回折光学素子L2におけるDの値は、0.373であり、回折光学素子L3におけるDの値は、0.363であった。
図63に、回折光学素子L1、L2及びL3において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子L1は、波長0.796μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は2.5%であり、X方向における回折角度範囲は、50.8°となる。また、回折光学素子L2は、波長0.779μmにおいて0次回折光の回折効率は最も低くなり、このときの0次回折効率は1.4%であり、X方向における回折角度範囲は、49.4°となる。また、回折光学素子L3は、波長0.781μmにおいて0次回折光の回折効率は最も低くなり、このときの0次回折効率は0.2%であり、X方向における回折角度範囲は、49.5°となる。
(回折光学素子の例示13)
次に例示する回折光学素子M1及びM2は、4×4点の分散型配列の光スポットを発生させることのできる2段の回折光学素子である。この回折光学素子も、基板として石英基板を用いており、例示1と同様の製造方法に基づき、パターンを形成する。
回折光学素子M1及びM2は、基本ユニットがピッチPx=4.1μm、Py=4.6μmの領域として形成されており、3.0mm×2.5mmの範囲に並んで配置されている。各回折光学素子で発生させる回折次数(m、n)は、いずれも、X方向に、m=−3、−1、1、3、Y方向に、n=−3、1、1、3である。また、回折光学素子M1、M2及びM3は、いずれも、凸部の高さが1.15μmで形成される。
ここで、図64は、回折光学素子M1において、波長0.83μmの光束を入射させた場合に、回折光により生じる光スポットを計算によって求めたものである。このような光スポットを与える回折光学素子M1は、反復フーリエ変換法などによって設計することができる。
また、図65は、回折光学素子M1及びM2における観察されたSEM像について、凸部を黒色、凹部を灰色、凹部と凸部の境界部分となるテーパー部を白色で表示したものである。具体的には、図65(a)は回折光学素子M1、図65(b)は回折光学素子M2におけるものを示す。
そして、図66は、回折光学素子M1、M2について、凸部と凹部のX軸方向における長さのヒストグラムを示すものである。具体的には、図66(a)は回折光学素子M1、図66(b)は回折光学素子M2におけるヒストグラムを示す。
この結果、各回折光学素子に入射する光束の波長λを0.806μmとした場合、即ち、μ(d)及びμ(d)を得るために長さdが取り得る範囲を、λ/8から6λの間、つまり、0.101μm〜4.84μmの範囲とする。このとき、回折光学素子M1におけるDの値は、0.362であり、回折光学素子M2におけるDの値は、0.332であった。
図67に、回折光学素子M1及びM2において、0次回折効率の波長依存性を分光器により測定した結果を示す。回折光学素子M1は、波長0.806μmにおいて0次回折効率が最も低くなり、このときの0次回折効率は0.9%であり、X方向における回折角度範囲は、36.4°となる。また、回折光学素子M2は、波長0.8μmにおいて0次回折光の回折効率は最も低くなり、このときの0次回折効率は0.1%であり、X方向における回折角度範囲は、36.1°となる。
ここで、図32に、回折光学素子の例示1から6および例示11から13における回折角度範囲とDとの関係の分布を示す。図中の丸の大きさは、0次回折効率が最小となる波長における0次回折効率の値を示すものである。つまり、図中の丸の大きさが大きいほど0次回折効率の値が高く、図中の丸の大きさが小さいほど0次回折効率の値は低い。尚、図32において、上述した数4に示される式の範囲を実線で示し、上述した数5に示される式の範囲を点線で示す。ここで、図32に示される一点鎖線の近傍において、0次回折効率が低くなっているため、この部分を中心とした、上下方向に幅を持った領域において、0次回折効率が低くなると考えることができる。
ここで、図53に、回折光学素子の例示7から10における回折角度範囲とDとの関係の分布を示す。黒丸の大きさは、0次回折効率が最小となる波長における0次回折効率の値を示すものである。つまり、黒丸の大きさが大きいほど0次回折効率の値が高く、黒丸の大きさが小さいほど0次回折効率の値は低い。尚、図53において、上述した数6に示される式の範囲を実線で示し、上述した数7に示される式の範囲を点線で示す。ここで、段数が2段のものと比較して、3段以上にすることにより、Dの値を上昇させることができ、8段の場合では、Dの値は、0.05上昇した場合においても0次回折効率を低減させる効果があると考えることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態として、反射型の回折光学素子について説明する。第1の実施の形態では、透明基板を用いて入射光を透過させることにより回折光を発生させるものであったが、本実施の形態は、基板に反射膜を形成し、反射膜において光を反射させることにより回折光を発生させるものである。
図54に基づき本実施の形態の例について説明する。本実施の形態における回折光学素子110は、基板130表面に凹凸が形成され、その凹凸面に光を反射する金属膜131を形成したものである。基板130はガラス等の基板が用いられるが、光を透過しない基板を用いることも可能である。また、基板130の表面に形成されている凹凸は、反射された光が所望の回折光となるように所定の高さh2で形成されている。金属膜131は真空蒸着または、スパッタリングによりアルミニウム(Al)等の金属材料を成膜することにより形成されている。
本実施の形態における回折光学素子は、第1の実施の形態における回折光学素子と光を透過するものであるか反射するものであるかの相違点はあるが、所定の高さh2で形成することにより、同様の効果を得ることができる。尚、上記のように凹凸面に、反射膜として金属膜を形成する以外に、凹凸面に複数の無機材料の層からなる多層膜を形成してもよく、さらに、平坦な面に金属や多層膜からなる反射膜を形成し、その上に、凹凸が形成されるものであってもよい。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における回折光学素子を用いた計測装置であり、図55に基づき、本実施の形態における計測装置について説明する。尚、この計測装置としては、計測対象の3次元形状等を計測する3次元計測装置などとして考えることができる。
本実施の形態における計測装置210は、光源220と、第1の実施の形態における回折光学素子10と、撮像素子230と、撮像素子230により撮像した画像を処理する不図示の画像処理部を有している。
光源220より出射された光(入射光)221は、回折光学素子10に入射し、回折光学素子10において回折されて複数の回折光222が生じ、測定対象物241及び242に複数の光スポットからなる投影パターンが照射される。投影パターンは、所定の空間分布を有しており、回折光学素子10において回折光により形成されるものであるため、回折光学素子10からの距離が異なる位置においては、投影パターンにおける光スポットの位置や光スポット間の距離等は異なるものとなる。また、測定対象物241及び242の形状が変化した場合や、移動した場合においては、投影パターンにおける光スポットの位置や光スポット間の距離等が変化するため、このような投影パターンの情報の変化を撮像素子230により取得して、測定対象物241及び242における、例えば、3次元形状の情報を得ることができる。
本実施の形態における計測装置では、第1の実施の形態における回折光学素子を用いているため、0次回折光の発生は極めて低くすることができ、安全で正確な計測を行うことができる。また、このとき、回折光学素子で発生させる回折光のスポットは2次元的に発生し、その点数が多いことで高い精度で計測ができるので好ましい。測定対象物にもよるが、例えば、2次元的に発生する回折光のスポットの数が10点以上あり、また、100点以上であれば好ましく、1000点以上であればより好ましく、10000点以上であればさらに好ましい。
尚、本実施の形態における計測装置では、第2の実施の形態における回折光学素子を用いることも可能であり、この場合には、光源220と測定対象物241及び242と撮像素子230の位置が、第2の実施の形態における回折光学素子に適した位置に配置される。
また、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
本出願を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2010年8月6日出願の日本特許出願(特願2010-177944)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10: 回折光学素子
20: 基本ユニット
30、311: 基板
31、31a、31b、312: 凸部
32、32a、32b、313: 凹部
40: 入射光の光束
41: 回折光
50: 投影面
210: 計測装置
220: 光源
221: 入射光
222: 回折光
230: 撮像素子
241、242: 測定対象物

Claims (15)

  1. 凹凸を有し、入射した光を2次元的に回折して、回折光を発生させる回折光学素子であって、
    前記凹凸において、前記凹凸の高さ方向と異なる所定の軸方向における凸部の長さが、前記光の波長をλとした場合に、λ/8から6λの範囲で不規則な分布を有し、
    前記入射した光の光軸を基準とする最大の回折角を角度範囲θとするとき、前記角度範囲θは、7.5°以上であり、かつ、0次回折光における回折効率が、5%以下であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て凸部と凹部との境界が曲線を含む不規則なパターンを有する請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 凹凸を有し、入射した光を2次元的に回折して、回折光を発生させる回折光学素子であって、
    前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て凸部と凹部との境界が曲線を含む不規則なパターンを有し、
    前記入射した光の光軸を基準とする最大の回折角を角度範囲θとするとき、前記角度範囲θは、7.5°以上であり、かつ、0次回折光における回折効率が、5%以下であることを特徴とする回折光学素子。
  4. 凹凸を有し、入射した光を2次元的に回折して、回折光を発生させる回折光学素子であって、
    前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て凸部と凹部との境界が5つ以上の線分を含む不規則なパターンを有し、
    前記入射した光の光軸を基準とする最大の回折角を角度範囲θとするとき、前記角度範囲θは、7.5°以上であり、かつ、0次回折光における回折効率が、5%以下であることを特徴とする回折光学素子。
  5. 前記凹凸は2段であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回折光学素子。
  6. 前記凹凸は3段以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回折光学素子。
  7. 前記凹凸は2段(mは2以上の整数)であることを特徴とする請求項に記載の回折光学素子。
  8. 前記凹凸において、前記凹凸の高さ方向と異なる所定の軸方向における凸部の長さと凹部の長さのうち、前記光の波長をλとした場合に、λ/8から6λの範囲内に入る、前記凸部の長さの平均をとった値、前記凹部の長さの平均をとった値を、それぞれμ、μとした場合、前記回折角θ及びD=μ/(μ+μ)の値が、
    7.5°<θ<90°、かつ、
    0<D<0.5、かつ、
    −0.02θ+0.6<D<−0.00133θ+0.5233
    (但し、7.5°<θ<36.3°)
    または、
    −0.02θ+0.6<D<0.475
    (但し、36.3°<θ<90°)
    であることを特徴とする請求項に記載の回折光学素子。
  9. 前記回折角θ及びDの値が、
    7.5°<θ<90°、かつ、
    0<D<0.475、かつ、
    D>−0.02θ+0.625
    であることを特徴とする請求項に記載の回折光学素子。
  10. 前記凹凸において、凸部と凹部の中間の高さを基準として、前記中間の高さよりも高い部分を凸部、前記中間の高さよりも凹部とした場合、前記凹凸の高さ方向と異なる所定の軸方向における凸部の長さと凹部の長さのうち、前記光の波長をλとした場合に、λ/8から6λの範囲内に入る、前記凸部の長さの平均をとった値、前記凹部の長さの平均をとった値を、それぞれμ、μとした場合、前記回折角θ及びD=μ/(μ+μ)の値が、
    7.5°<θ<90°、かつ、
    0<D<0.55、かつ、
    D>−0.02θ+0.65
    であることを特徴とする請求項またはに記載の回折光学素子。
  11. 前記回折角θ及びDの値が、
    7.5°<θ<90°、かつ、
    0<D<0.525、かつ、
    D>−0.02θ+0.675
    であることを特徴とする請求項10に記載の回折光学素子。
  12. 前記回折光学素子により生じる0次回折光における回折効率が、3%以下であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の回折光学素子。
  13. 前記回折光学素子は、光を反射する材料からなる反射層を有することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の回折光学素子。
  14. 前記凹凸は、前記入射した光の光軸から見て、同一パターンの基本ユニットが2次元的に配列されてなることを特徴とする請求項1から13いずれかに記載の回折光学素子。
  15. 光を発する光源と、
    前記光が入射し回折光が出射される請求項1から14のいずれかに記載の回折光学素子と、
    前記回折光が照射された測定対象物の画像を撮像する撮像部と、
    を有することを特徴とする計測装置。
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