JP5849897B2 - 電池管理システムおよび電池の交換方法 - Google Patents

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Description

本発明は,車両や大型家電製品等に搭載されている電池を,ユーザーに最適な電池に交換するための電池管理システムおよび電池の交換方法に関するものである。
近年,環境問題への対策として,ハイブリッド車両や電気自動車などが開発されてきている。これらの車両には,リチウムイオン二次電池などの電池が搭載されている。車両に搭載される電池は,組電池の形で車両に搭載されることが多い。組電池とは,複数の電池セルからなるスタックを複数組み合わせて構成した電池である。
車両に搭載された電池は,車両が廃車となった場合や、修理にて電池を交換した場合には、回収される。これは,フォークリフトや大型家電機器に搭載されている電池についても同様である。ここで,回収された電池の再利用には,リサイクル,リユース,及びリビルトといった処理がある。リサイクル処理は,電池を分解して再資源化することである。リユース処理は,組電池をそのまま再利用することである。リビルト処理は,組電池から再利用可能な電池セルやスタックなどを峻別し,これらを集めて再度組電池とすることである。なお,リビルド処理された電池は,リマン電池とも呼ばれる。
電池の再利用に関する技術としては,例えば下記特許文献1に示す技術が知られている。特許文献1に記載の技術では,非接触状態で読み書きできるRFIDタグに,充電時の動作管理データを含む動作履歴情報を記憶しておき,廃車時にこれらのデータを読み出す。そして,読み出したデータに基づいてバッテリパックがリサイクル可能か否か判断することとしている。
特開2006−228490号公報
しかしながら,上記特許文献1に記載の技術では,複数の電池セルやスタックを含む組電池から,再利用可能な一部の電池セルやスタックのみを取り出して,再び組電池を形成するという状況が考慮されていなかった。そのため,組電池の再構築に利用できる技術の登場が期待されていた。
ところで,電池を搭載した車両を使用していると,電池の性能が低下し,その交換が必要となる場合がある。このような場合,性能が低下して使用できなくなった電池に代えて,上述のリユース処理やリビルド処理により再利用可能となった中古電池を使用することが考えられる。
ここで,電池には使用可能な期限(寿命)が存在するため,電池の消耗の程度を把握できていない場合には,車両のユーザーが望む品質の中古電池を,そのユーザーに提供できないおそれがある。具体的には,例えば3年間使用できる中古電池を望んでいるユーザーに対して(3年後の車検まで使用できればよいと考えているユーザーに対して),余命1年の中古電池を提供してしまったり,逆に余命5年の中古電池を提供してしまったりするおそれがある。
前者の場合には,中古電池の余命がユーザーの希望年数よりも短過ぎるため,再度の電池交換が必要となる。一方後者の場合には,中古電池の余命がユーザーの希望年数より長過ぎるため,このユーザーにとっては過剰品質の電池が提供されていることとなる。通常,余命の長い電池は,余命の短い電池と比べて,ユーザーの購入価格が高く設定される。よって,後者の場合には,ユーザーは,必要以上に高いお金を支払って,中古電池を購入することとなってしまう。このように,どちらの場合においても,ユーザーは満足のいく中古電池を購入できないという問題が生じる。
さらに,同じ電池であっても,ユーザーが異なれば,電池の消耗の程度は異なる。例えば,あるユーザーが3年間使用した場合は余命が5年であり,異なるユーザーが3年間使用した場合は余命が2年であるといった具合である。すなわち,ユーザーによって,電池の劣化推移(電池の劣化の進行態様)が異なるのである。従って,同じ電池を提供した場合であっても,あるユーザーにとってはその電池の余命が5年となり,異なるユーザーにとってはその電池の余命が2年となる場合がある。そのため,電池の提供にあたっては,同じ電池であってもユーザーごとに異なる余命となることを考慮する必要がある。
本発明は,上記の問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,使用中の電池を他の電池に交換するにあたって,ユーザー毎に異なる電池の劣化の進行態様を考慮することにより,個々のユーザーのニーズに即した最適な電池を提供可能とすることを目的とする。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の第1の電池管理システムは,交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムである。この第1の電池管理システムは,交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える。
本発明の第1の電池管理システムによれば,測定した内部抵抗および満充電容量から,二次電池の劣化の進行態様を導出することで,期間に応じた抵抗増加率の閾値と,容量維持率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(ユーザー希望期間)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,抵抗増加率の値および容量維持率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(ユーザー希望期間内の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(ユーザー希望期間を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
また,二次電池の劣化の進行態様は,二次電池の使われ方に影響を受けるため,二次電池のユーザーが異なれば変化するところ,本発明によれば,ユーザーの使用履歴(二次電池の劣化の進行態様)に基づいて,そのユーザーにとっての抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を算出している。そのため,そのユーザーにとっての要求品質を確実に満たす電池を提供することができる。
ここで本発明の第1の電池管理システムでは,抵抗劣化態様導出部は,算出した抵抗増加率Rと,二次電池の使用開始からその抵抗増加率を算出した時点までの期間Xとに基づいて,下記式(1)を満たす抵抗劣化傾きaを求め,
R=a・√X+1.0 ・・・(1)
上記式(1)におけるXに対するRの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,抵抗増加率閾値算出部は,二次電池の使用不能を示す予め定められた抵抗増加率の値から,二次電池の使用期限を求め,その使用期限を基準として各期間ごとの抵抗増加率閾値を算出するものであり,容量劣化態様導出部は,算出した容量維持率Cと,二次電池の使用開始からその容量維持率を算出した時点までの期間Xとに基づいて,下記式(2)を満たす容量劣化傾き−aを求め,
C=−a・√X+1.0 ・・・(2)
上記式(2)におけるXに対するCの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,容量維持率閾値算出部は,二次電池の使用不能を示す予め定められた容量維持率の値から,二次電池の使用期限を求め,その使用期限を基準として各期間ごとの容量維持率閾値を算出するものであることが望ましい。
このように構成すれば,電池の使用期間に対する抵抗増加率の変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各期間毎の抵抗増加率閾値を算出できるからである。また,電池の使用期間に対する容量維持率の変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各期間毎の容量維持率閾値を算出できるからである。
本発明に係る第2の電池管理システムは,車両に搭載された交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムである。この第2の電池管理システムは,交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(以下「要求走行距離」という)の情報に基づき,抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,要求走行距離の使用が確保されることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,要求走行距離の使用が確保されることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える。
この第2の電池管理システムによれば,測定した内部抵抗および満充電容量から,二次電池の劣化の進行態様を導出することで,走行可能距離に応じた抵抗増加率の閾値と,容量維持率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(要求走行距離)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,抵抗増加率の値および容量維持率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(要求走行距離の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(要求走行距離を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
また,二次電池の劣化の進行態様は,二次電池の使われ方に影響を受けるため,二次電池のユーザーが異なれば変化するところ,本発明によれば,ユーザーの使用履歴(二次電池の劣化の進行態様)に基づいて,そのユーザーにとっての抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を算出している。そのため,そのユーザーにとっての要求品質を確実に満たす電池を提供することができる。
ここで本発明に係る第2の電池管理システムでは,抵抗劣化態様導出部は,算出した抵抗増加率Rと,二次電池の使用開始からその抵抗増加率を算出した時点までの車両の走行距離Wとに基づいて,下記式(3)を満たす抵抗劣化傾きaを求め,
R=a・√W+1.0 ・・・(3)
上記式(3)におけるWに対するRの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,抵抗増加率閾値算出部は,二次電池の使用不能を示す予め定められた抵抗増加率の値から,二次電池を搭載した車両がその二次電池で走行することができる走行距離の限度を求め,その走行距離の限度を基準として各距離ごとの抵抗増加率閾値を算出するものであり,容量劣化態様導出部は,算出した容量維持率Cと,二次電池の使用開始からその容量維持率を算出した時点までの車両の走行距離Wとに基づいて,下記式(4)を満たす容量劣化傾き−aを求め,
C=−a・√W+1.0 ・・・(4)
上記式(4)におけるWに対するCの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,容量維持率閾値算出部は,二次電池の使用不能を示す予め定められた容量維持率の値から,二次電池を搭載した車両がその二次電池で走行することができる走行距離の限度を求め,その走行距離の限度を基準として各距離ごとの容量維持率閾値を算出するものであることが望ましい。
このように構成すれば,電池を搭載した車両の走行距離に対する抵抗増加率の変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各距離毎の抵抗増加率閾値を算出できるからである。また,電池を搭載した車両の走行距離に対する容量維持率の変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各距離毎の容量維持率閾値を算出できるからである。
また本発明の第1の電池管理システムでは,ユーザーが交換先の二次電池に希望する使用期限日と現在日時との日数差から,ユーザー希望期間を算出するユーザー希望期間算出部を備えることが望ましい。
このように構成すれば,電池管理システムに対して使用期限日を与えることで,ユーザ希望期間の算出が可能となるためである。
また本発明に係る第1の電池管理システムおよび第2の電池管理システムでは,交換先の二次電池の抵抗増加率の情報および容量維持率の情報を,その二次電池の識別情報とともに記憶する交換先電池情報記憶部と,交換先電池情報記憶部から,要求品質決定部が決定した抵抗増加率閾値以下の値であり且つ最も近い値の抵抗増加率をもつ二次電池であって,要求品質決定部が決定した容量維持率閾値以上の値であり且つ最も近い値の容量維持率をもつ二次電池を,交換先の二次電池として選択する交換先電池選択部と,を備えることが望ましい。
このように構成すれば,交換先の二次電池の候補の中から,ユーザーの要求品質を満たす最適な電池を選択することができるからである。ユーザーにとっては,電池管理システムにより選択された交換先電池を購入することで,交換先として最適な電池の購入を実現できる。
また本発明に係る第1の電池管理システムおよび第2の電池管理システムでは,交換先の二次電池について抵抗増加率算出部が算出した抵抗増加率の情報および容量維持率算出部が算出した容量維持率の情報を,その二次電池の識別情報とともに取得する情報取得部を備え,交換先電池情報記憶部は,情報取得部が取得した情報を記憶するものであることが望ましい。
このように構成すれば,電池の劣化の進行態様をみるために測定した抵抗増加率および容量維持率の情報を,その電池が再利用に回されて交換先の電池となったときの電池の状態情報(抵抗増加率および容量維持率)として利用できるからである。よって,再利用のために電池を回収するにあたって,その電池の抵抗増加率および容量維持率を測定する手間を省くことが可能となる。
また本発明に係る第1の電池管理システムおよび第2の電池管理システムでは,情報取得部が取得した抵抗増加率の情報および容量維持率の情報に基づいて二次電池の価格を設定する価格設定部を備え,交換先電池情報記憶部は,価格設定部が設定した二次電池の価格の情報を,その二次電池の識別情報とともに記憶するものであることが望ましい。
このように構成すれば,電池管理システムにより選択された交換先電池には,価格情報も付されているため,ユーザーにとって交換に適した電池がどの電池であるかという情報と,その電池の価格の情報とをセットにして,ユーザーに対して提供することができるからである。
本発明に係る第3の電池管理システムは,交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える。
本発明の第3の電池管理システムによれば,測定した内部抵抗から,二次電池の劣化の進行態様を導出することで,期間に応じた抵抗増加率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(ユーザー希望期間)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,抵抗増加率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(ユーザー希望期間内の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(ユーザー希望期間を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
本発明に係る第4の電池管理システムは,車両に搭載された交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,測定した内部抵抗から,抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(以下「要求走行距離」という)の情報に基づき,抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,要求走行距離の使用が確保されることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える。
この第4の電池管理システムによれば,測定した内部抵抗から,二次電池の劣化の進行態様を導出することで,期間に応じた抵抗増加率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(要求走行距離)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,抵抗増加率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(要求走行距離の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(要求走行距離を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
本発明に係る第5の電池管理システムは,交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える。
本発明の第5の電池管理システムによれば,測定した満充電容量から,二次電池の劣化の進行態様を導出することで,期間に応じた容量維持率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(ユーザー希望期間)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,容量維持率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(ユーザー希望期間内の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(ユーザー希望期間を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
本発明に係る第6の電池管理システムは,車両に搭載された交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(以下「要求走行距離」という)の情報に基づき,容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,要求走行距離の使用が確保されることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える。
この第6の電池管理システムによれば,測定した満充電容量から,二次電池の劣化の進行態様を導出することで,期間に応じた容量維持率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(要求走行距離)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,容量維持率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(要求走行距離の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(要求走行距離を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
また本発明は,上述した第1〜第6の電池管理システムが行う各処理を順次行うことにより,交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池の交換方法にも及ぶ。
本発明によれば,使用中の電池を他の電池に交換するにあたって,ユーザー毎に異なる電池の劣化の進行態様を考慮するため,個々のユーザーのニーズに即した最適な電池を提供できる。
第1実施形態に係るバッテリパックを説明するための概略構成図である。 同実施形態に係る電池管理システムを説明するためのブロック図である。 同電池管理システムを構成する車両が行う閾値算出処理を説明するためのフローチャートである。 同電池管理システムを構成する情報通信端末機器が行う電池照会処理を説明するためのフローチャートである。 同電池管理システムを構成するデータステーションが行う搭載電池テーブル作成処理を説明するためのフローチャートである。 同データステーションが行う電池決定処理を説明するためのフローチャートである。 同データステーションが行う再利用電池テーブル作成処理を説明するためのフローチャートである。 同電池管理システムにおける経年数に対する抵抗増加率閾値の算出手法を説明するためのグラフである。 同電池管理システムにおける経年数に対する抵抗増加率閾値の算出手法を,図8に示すグラフとは電池のユーザーが異なる場合として,説明するためのグラフである。 同電池管理システムにおける経年数に対する容量維持率閾値の算出手法を説明するためのグラフである。 同電池管理システムにおける経年数に対する容量維持率閾値の算出手法を,図10に示すグラフとは電池のユーザーが異なる場合として,説明するためのグラフである。 同電池管理システムを構成するデータステーションの記憶部に記憶される搭載電池テーブル1を示す図である。 同電池管理システムを構成するデータステーションの記憶部に記憶される再利用電池テーブルを示す図である。 同電池管理システムにおける抵抗増加率閾値および容量維持率閾値に基づく価格設定の手法を説明するための図である。 第2実施形態に係る電池管理システムを構成する車両が行う閾値算出処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態に係る電池管理システムにおける走行距離に対する抵抗増加率閾値の算出手法を説明するためのグラフである。 第2実施形態に係る電池管理システムにおける走行距離に対する抵抗増加率閾値の算出手法を,図16に示すグラフとは電池のユーザーが異なる場合として,説明するためのグラフである。 第2実施形態に係る電池管理システムにおける走行距離に対する容量維持率閾値の算出手法を説明するためのグラフである。 第2実施形態に係る電池管理システムにおける走行距離に対する容量維持率閾値の算出手法を,図18に示すグラフとは電池のユーザーが異なる場合として,説明するためのグラフである。 第2実施形態に係るデータステーションの記憶部に記憶される搭載電池テーブル2を示す図である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,車載電池を対象とする電池管理システムおよび電池の交換方法について,本発明を具体化したものである。
(第1実施形態)
1.バッテリパックの構成
図1に示すように,本形態で対象とするバッテリパック10は,複数のスタック12を備える組電池である。図1には,4個のスタック12を備えるバッテリパック10が描かれている。スタック12は,複数の電池セル13を備えるものである。スタック12は,バッテリパック10を構成する構成電池である。図1の下段には,14個の電池セル13を拘束したスタック12が描かれている。図1では,上3段のスタック12が備える電池セル13は省略されている。実際には,上3段のスタック12は下段のスタック12と同様である。それぞれの電池セル13は,例えば角型のリチウムイオン二次電池である。なお,これらはあくまで例示であり,バッテリパック10が備えるスタック12の個数,スタック12が備える電池セル13の個数は,これ以外の複数個であってもよい。
また,バッテリパック10は,タグ11を有している。タグ11は,バッテリパック10のシリアルナンバー,各スタック12のシリアルナンバー,各電池セル13のシリアルナンバー等の識別情報(タグ情報ともいう)が記憶された識別情報記憶部である。なおタグ11には,その他の管理情報が記憶されていてもよい。
本形態の電池管理システム1および電池の交換方法は,バッテリパック10を構成する一部のスタック12に不具合が生じ,その一部のスタック12のみを再利用に係る中古のスタック12に交換して,新たにバッテリパック10を構成するときのためのものである。以下本明細書では,スタック12を単に電池と称することがある。ここで,二次電池の再利用には,大きく分けて,リユース,リビルト,リサイクルと3つの方法がある。リユースとは,廃車となった車両100のバッテリパック10をそのまま別の車両100に搭載することをいう。リビルトとは,廃車となった車両100のバッテリパック10のうちの一部のスタック12もしくは一部の電池セル13を組み替えて構成したバッテリパック10を別の車両100に搭載することをいう。すなわち,再利用可能なスタック12や電池セル13を有するバッテリパック10を複数集めて,スタック12や電池セル13のうち再利用可能なもののみを寄せ集めて,新たにバッテリパック10とするのである。リサイクルとは,廃車となった車両100のバッテリパック10を分解して再資源化することをいう。本形態の電池管理システム1および電池の交換方法は,上記3つの再利用方法のうち,主にリビルドを対象としたものである。
2.電池管理システムの構成
図2に,本形態に係る車載電池の電池管理システム1のブロック図を示す。電池管理システム1は,車両100と,外部充電器300と,データステーション500と,情報通信端末機器700とを含んで構成されている。なお,図2においては図示を簡略するため,1台の車両100と1つの情報通信端末機器700とを示したが,実際には複数の車両100と複数の情報通信端末機器700がデータステーション500に接続される。
車両100は,バッテリパック10と,測定部110と,接続部120と,記憶部130と,演算部140とを有している。車両100は,バッテリパック10の電力で動くモータ等の動力源を有している。つまり,車両100は,バッテリパック10を搭載しているハイブリッド車両もしくは電気自動車等である。なお,その他の各部150は,この動力源や駆動系や操作系などを含むものである。そして,その他の各部150は,電池管理システム1を構成するものではない。バッテリパック10は,上述のタグ11を有している。
測定部110は,スタック12の内部抵抗および満充電容量を適宜測定するためのものである。内部抵抗および満充電容量は,バッテリパック10における各スタック12の劣化状態を判断するための電池の状態情報に相当する。
接続部120は,バッテリパック10を充電する際に外部充電器300に接続するためのものである。接続部120は,充電に用いられる接続端子と,車両100と外部充電器300との通信を行うためのコネクタとを有するものである。
記憶部130は,演算部140を構成するCPUに付設されたRAM及びROMからなる。記憶部130は,測定部110により測定された内部抵抗および満充電容量の測定値を,測定日時とともに記憶するためのものである。また,記憶部130は,後述する抵抗増加率や容量維持率などの電池の状態情報を,測定日時とともに記憶するためのものである。なお,記憶部130は,その他のデータをも記憶するものであってもよい。
演算部140は,CPUを含んで構成される。演算部140は,後述する閾値算出処理(図3参照)を行うものである。
外部充電器300は,被接続部310と,送信部320と,充電部330とを有している。被接続部310は,車両100の接続部120と接続されるためのものである。被接続部310には,車両100のバッテリパック10の充電を行うための接続端子と,車両100と通信を行うためのコネクタが設けられている。送信部320は,車両100と外部充電器300が接続されている状態において,タグ11や記憶部130に記憶されているデータを,データステーション500の送受信部510に送信するためのものである。充電部330は,被接続部310を介して車両100のバッテリパック10に充電を行うためのものである。
なお,外部充電器300は,記憶部を有していてもよい。記憶部に一時的にデータを蓄積することにより,所定時間経過後にデータの送信をすることができるからである。この場合,複数の車両100のバッテリパック10の情報を一度に送信することとしてもよい。
データステーション500は,送受信部510と,演算部520と,記憶部530とを有する電池情報管理部である。また,電池管理装置そのものでもある。この電池管理装置は,リマン拠点に置かれる。リマン拠点とは,再利用に係る中古電池が集められる場所である。リマン(reman)とは,remanufacturingの略である。
送受信部510は,外部充電器300の送信部320から送信されるデータを受信するためのものである。また,送受信部510は,情報通信端末機器700の送受信部710との間で無線又は有線による情報通信を行うためのものである。
演算部520は,CPUを含んで構成される。演算部520は,後述する搭載電池テーブル作成処理(図5参照),電池決定処理(図6参照),再利用電池テーブル作成処理(図7参照)を行うものである。言い換えれば演算部520は,車両100から外部充電器300を介して受信した情報および情報通信端末機器700から受信した情報等に基づいて,種々の演算処理を行うものである。
記憶部530は,演算部520を構成するCPUに付設されるRAM及びROMからなる。記憶部530は,送受信部510により受信したデータ等を記憶するためのものである。記憶部530は,搭載電池情報記憶部531と,再利用電池情報記憶部532とを含んでいる。搭載電池情報記憶部531には,車両100に搭載されている電池(スタック12)の状態情報が,スタック12のタグ情報(識別情報)等と関連付けられて,後述する搭載電池テーブル1(図12参照)の形で記憶される。再利用電池情報記憶部532には,再利用に係る中古電池(スタック12)の状態情報が,その電池の識別情報としての電池No.(ナンバー)と,その電池の価格情報とに関連付けられて,再利用電池テーブル(図13参照)の形で記憶される。
情報通信端末機器700は,例えば,車両100の販売店に置かれたパーソナルコンピュータにより構成される。情報通信端末機器700は,送受信部710と,演算部720と,記憶部730と,入力部740と,出力部750とを有している。送受信部710は,データステーション500の送受信部510との間で無線又は有線により情報通信を行うためのものである。演算部720は,CPUを含んで構成される。演算部720は,後述する電池照会処理(図4参照)を行うものである。記憶部730は,演算部720を構成するCPUに付設されたRAM及びROMからなる。記憶部730は,入力部740により入力された情報,送受信部710により受信した情報,及び,演算部
720により演算処理された情報等を適宜記憶するためのものである。入力部740は,
公知のキーボードやマウス等からなり,販売店の従業員や車両100のユーザー等により操作されるものである。出力部750は,公知の液晶表示装置等からなり,販売店の従業員や車両100のユーザー等に向けて情報を出力するものである。
3.電池管理システムの動作
3−1.車両の演算部が行う処理
次に電池管理システム1を構成する車両100の演算部140が行う処理について説明する。演算部140は,車両100に搭載しているバッテリパック10の各スタック12の劣化具合を測定するため,図3に示す閾値算出処理を所定期間X毎に行う。閾値算出処理は,各スタック12について行うが,以下の説明では,1つのスタック12について行うものとして説明する。実際は,他のスタック12についても同様の処理を行う。
閾値算出処理では,演算部140は,まず所定期間Xが経過したか否か判定する(ステップS001)。所定期間Xとは,例えば3か月など,予め定めた期間である。なお,所定期間Xは,1か月,半年など,3か月以外の期間でもよい。また,閾値算出処理を実行する間隔は,所定期間毎でなく,不定期,すなわち1か月であったり3か月であったりと変動するものであってもよい。
ステップS001で,所定期間Xが経過していない場合は,処理を終了する。一方,所定期間Xが経過している場合は,測定部110により,バッテリパック10の内部抵抗R´を測定する(S002)。次に,測定部110により,バッテリパック10の満充電容量C´を測定する(S003)。測定部110は,バッテリパック10の充電中又は放電中の電流と電圧の関係から,内部抵抗R´および満充電容量C´を測定する。ステップ002及び003で求めた内部抵抗R´及び満充電容量C´は,記憶部130に記憶する。なお,後述するステップS004〜S009で算出する各値も,記憶部130に記憶する。
続いて演算部140は,測定した内部抵抗R´から,抵抗増加率Rを算出する(S004)。抵抗増加率Rは,測定した内部抵抗R´を,内部抵抗の初期値R´初期(新品の電池における内部抵抗の値R´初期)で除すことにより求める。よって新品の電池の抵抗増加率Rは,1.0である。さらに演算部140は,測定した満充電容量C´から,容量維持率Cを算出する(S005)。容量維持率Cは,測定した満充電容量C´を,満充電容量の初期値C´初期(新品の電池における満充電容量の値C´初期)で除すことにより求める。よって新品の電池の容量維持率Cは,1.0である。
次に演算部140は,ステップ004で求めた抵抗増加率Rに基づいて,抵抗劣化傾きaを求める(S006)。抵抗劣化傾きaとは,図8に示すように,電池を使用し始めてからの経過年Xのルート則に対する抵抗増加率Rの変化を示す下記式(1)
R=a√X+1.0 ・・・(1)
の傾きaである。図8に示す,この式R=a√X+1.0のグラフは,横軸に,電池を使用し始めてからの経過年Xのルート則をとり,縦軸に,抵抗増加率Rをとっている。ステップS006では,この式R=a√X+1.0のXとRに値を代入することで,aを求める。なお,経過年Xは,例えば,車両100に内蔵したタイマで計測する。また,抵抗増加率Rが,経過年Xのルートに比例することは既知である。
次に演算部140は,ステップ005で求めた容量維持率Cに基づいて,容量劣化傾き−aを求める(S007)。容量劣化傾き−aとは,図10に示すように,電池を使用し始めてからの経過年Xのルート則に対する容量維持率Cの変化を示す下記式(2)
C=−a√X+1.0 ・・・(2)
の傾き−aである。図10に示す,この式C=−a√X+1.0のグラフは,横軸に,電池を使用し始めてからの経過年Xのルート則をとり,縦軸に,容量維持率Cをとっている。ステップS007では,この式C=−a√X+1.0のXとCに値を代入することで,−aを求める。なお,容量維持率Cが,経過年Xのルートに比例することは既知である。
続いて演算部140は,ステップS006で傾きを求めた式(1)に従って,経過年Xのルート則に対する抵抗増加率Rの変化のグラフ(図8参照)を描く。抵抗増加率Rは,電池の使用が進むにつれて,増加するものである。ここで,抵抗増加率Rの最大値Rmaxの値は予め決まっている。Rmaxは,電池が劣化しておりこれ以上使用することができないことを示す値である。よって,式(1)の直線とRmaxとから,この電池は,このまま同じユーザー(ユーザーAとする)によって使用され続けると,後何年間使用できるのかという電池の余命がわかる。抵抗増加率Rから見た電池の使用期限を図8中√Xmaxとして示す。ステップS008では,この√Xmaxを基準としてX1年前,X2年前,・・・Xn年前とみていくことで(具体的にはXに経過年の値を代入しRの値をみていくことで),それぞれの期間に対する抵抗増加率Rの閾値(R1(R1a),R2(R2a),・・・Rn(Rna))を算出する。なお,Rmaxの値は,記憶部130に格納さ
れている。このステップS008により,ユーザーAにとって,余命X1年の電池は,抵
抗増加率がR1a以下でなければならず,余命X2年の電池は,抵抗増加率がR2a以下でなければならず,余命Xn年の電池は,抵抗増加率がRna以下でなければならないことがわかる。
さらに演算部140は,ステップS007で傾きを求めた式(2)に従って,経過年Xのルート則に対する容量維持率Cの変化のグラフ(図10参照)を描く。容量維持率Cは,電池の使用が進むにつれて,減少するものである。ここで,容量維持率Cの最小値Cminの値は予め決まっている。Cminは,電池が劣化しておりこれ以上使用することができないことを示す値である。よって,式(2)の直線とCminとから,この電池は,このま
ま同じユーザー(ユーザーAとする)によって使用され続けると,後何年間使用できるの
かという電池の余命がわかる。容量維持率Cから見た電池の使用期限を図10中√Xmaxとして示す。ステップS009では,この√Xmaxを基準としてX1年前,X2年前,・・・Xn年前とみていくことで(具体的にはXに経過年の値を代入しCの値をみていくことで),それぞれの期間に対する容量維持率Cの閾値(C1(C1a),C2(C2a),・・・Cn(Cna))を算出する。なお,Cminの値は,記憶部130に格納
されている。このステップS009により,ユーザーAにとって,余命X1年の電池は,
容量維持率がC1a以上でなければならず,余命X2年の電池は,容量維持率がC2a以上でなければならず,余命Xn年の電池は,容量維持率がCna以上でなければならないことがわかる。
その後演算部140は,ステップS008で求めた抵抗増加率の閾値およびステップS009で求めた容量維持率の閾値を,電池のタグ情報とともに,外部充電器300を介してデータステーション500へ送信する(S010)。
ここで,ステップS008で求める抵抗増加率の閾値およびステップS009で求める容量維持率の閾値は,電池のユーザーが変わることで変化する値である。休日しか車両に乗らないユーザーや毎日長時間車両に乗るタクシードライバーなどのように,電池のユーザーが変われば,電池の劣化の進行態様が変わるからである。図9は,図8とは異なるユーザー(ユーザーBとする)が使用している電池に対して図3の閾値算出処理を行うことで,描かれたグラフである。また,図11は,図10とは異なるユーザー(同ユーザーBとする)が使用している電池に対して図3の閾値算出処理を行うことで,描かれたグラフである。図8と図9からわかるように,ユーザーB(図9参照)の使用に係る電池は,ユーザーA(図8参照)の使用に係る電池と比べて,劣化の進行が速い。約2倍の速さで電池が劣化している。従って,ユーザーBにとっての余命X1年の電池の抵抗増加率閾値R1bは,ユーザーAにとっての余命X1年の電池の抵抗増加率閾値R1aよりも小さい値となる。すなわち,ユーザーBにとっては,ユーザーAが使用してX1年もつ電池よりも劣化の程度が小さい電池でなければ,X1年もたないということである。
また,図10と図11からわかるように,容量維持率Cの観点から見ても,ユーザーB(図11参照)の使用に係る電池は,ユーザーA(図10参照)の使用に係る電池と比べて,劣化の進行が速い。約2倍の速さで電池が劣化している。従って,ユーザーBにとっての余命X1年の電池の容量維持率C1bは,ユーザーAにとっての余命X1年の電池の容量維持率C1aよりも大きい値となる。すなわち,ユーザーBにとっては,ユーザーAが使用してX1年もつ電池よりも劣化の程度が小さい電池でなければ,X1年もたないということである。
3−2.情報通信端末機器の演算部が行う処理
次に電池管理システム1を構成する情報通信端末機器700の演算部720が行う処理について説明する。情報通信端末機器700は,例えば,車両搭載電池の購入が可能な販売店などに置かれた端末(パーソナルコンピュータ)である。情報通信端末機器700には,電池照会処理を実行するためのソフトウェア等がインストールされている。電池のユーザーは,車両100に搭載している組電池の一部のスタック12に不具合が生じると,そのスタック12を,再利用に係る中古のスタック12に交換するため,販売店へ赴く。そこで販売店の従業員は,この情報端末機器700を操作して,来店した電池のユーザーにとって,最適な電池を見つける。このための処理が,図4に示す電池照会処理である。電池照会処理では,演算部720は,まず要求日数の算出を行う(S101)。要求日数とは,ユーザーが購入する電池に希望する使用可能な日数である。例えば,次の車検まで乗ることができればよいと考えており,2年後にその車検を迎えるユーザーの場合には,要求日数は,2年(730日)となる。なお本明細書では,X1年が1年を,X2年が2年を,X3年が3年を,…Xn年がn年を表すものとする。
電池照会処理のステップS101では,要求日数の算出のため,販売店の従業員が入力部740を操作して,例えばユーザーの車検日(使用期限日に相当する)を入力する。演算部720は,入力部740の操作により入力されたユーザーの車検日と,現在日時との日数差を求めることで,要求日数(ユーザー希望期間に相当する)を算出する。なお,演算部720のCPUには,現在日時を測ることができるRTC(Real Time Clock)が付設されている。算出した要求日数は,記憶部730に一時的に記憶される。
続いて演算部720は,来店したユーザーが使用している電池のタグ情報(来店したユーザーの車両100に搭載されている電池のタグ情報)と,ステップS101で算出した要求日数の情報とを,送受信部710を介して,データステーション500へ送信する(S102)。なお,来店したユーザーの電池のタグ情報は,入力部740の操作またはリーダーを使用した読取により,情報通信端末機器700に入力される。
ステップS102の後,演算部720は,データステーション500の演算部520が後述する電池決定処理(図6参照)を行うことにより送信する情報(交換先電池の電池No.およびその電池の価格情報)の受信を待つ(S103)。ステップS103で受信した情報(交換先電池の電池No.およびその電池の価格情報)は,出力部750により表示され,販売店の従業員や車両100のユーザーに示される。これにより,車両100のユーザーに対して,そのユーザーの要求品質に合った最適な中古電池を提供することが可能となっている。
3−3.データステーションの演算部が行う処理
次に電池管理システム1を構成するデータステーション500の演算部520が行う処理について説明する。演算部520は,図5〜図7に示す処理を行う。図5に示す搭載電池テーブル作成処理は,図12に搭載電池テーブル1として示すデータベースを作るための処理である。搭載電池テーブル作成処理では,演算部520は,まず,抵抗増加率閾値,容量増加率閾値,及びタグ情報を受信したか否か判定する(S201)。これらの情報は,図3のステップS010で車両100が送信する情報である。受信していない場合は,処理を終え,受信している場合は,これらの情報を,図12に示す搭載電池テーブル1の形で搭載電池情報記憶部531に記憶する(S202)。
図12に示すように,搭載電池テーブル1には,電池を識別するためのタグ情報と,その電池から求めた各期間(余命)ごとの抵抗増加率閾値および容量維持率閾値と,これらの情報を書き込んだ日付(更新した日付)とが関連付けられて記憶されている。図12中,タグ情報001の電池は,図8および図10に示すユーザーAの使用に係る電池であり,タグ情報002の電池は,図9および図11に示すユーザーBの使用に係る電池である。
図6に示す電池決定処理は,再利用に係る中古の電池(スタック12)を購入しに来たユーザーに対して,どのスタック12を提供したらよいかを決定するための処理である。電池決定処理では,演算部520は,まず,タグ情報及び要求日数を受信したか否か判定する(S301)。これらの情報は,図4のステップS102で情報通信端末機器700が送信する情報である。受信していない場合は,処理を終え,受信している場合は,図12に示す搭載電池テーブル1を参照して(S302),タグ情報からユーザーを特定し,要求日数から抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を決定する(S303)。具体的には,ステップS301で受信したタグ情報が001であれば,ユーザーAであると特定する。そして,受信した要求日数がX2年であれば,余命X2年が確保されるR2aおよびC2aを,抵抗増加率閾値および容量維持率閾値として決定する。なお,R2a≧R>R3a,且つ,C3a>C≧C2aのように,範囲をもったかたちで,抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を決定してもよい。
その後,演出部520は,図13に示す再利用電池テーブルを参照して(S304),ステップS303で決定した各閾値を満たすとともに,各閾値に最も近い値をもつ電池を決定する(S305)。具体的には,上述のステップS303でR2aおよびC2aを抵抗増加率閾値および容量維持率閾値として決定したので,これらの閾値をともに満たすとともに,これらの閾値に最も近い抵抗増加率および容量維持率の値をもつ電池No.3の電池を,ステップS305で決定する。言い換えれば,この例では,電池の余命がX1年の電池(図13中,電池No.1,電池No.4,電池No.5の電池)や,電池の余命がX3年の電池(図13中,電池No.6の電池)を選ぶことなく,電池の余命がX2年の電池(図13中,電池No.3の電池)を選ぶということである。これにより,ユーザー希望期間を満たしつつ,過剰品質とならない最適な電池の提供を可能としている。このような電池の選択を可能にするため,実際には,演算部520は,ステップS303で決定した抵抗増加率閾値及び容量維持率閾値と,図13の再利用電池テーブルに記憶されている電池の抵抗増加率および容量維持率との大小比較を順次行う。なお,図13に示す再利用電池テーブルは,後述する再利用電池テーブル作成処理(図7参照)を経て作成されるテーブルである。この再利用電池テーブルは,再利用に係る中古電池(スタック12)の情報が,識別情報としての電池No.と,その電池の抵抗増加率および容量維持率と,その電池の価格とのセットの形で,記憶されたものである。
続いて演出部520は,ステップS305で決定した電池の電池No.(電池ナンバー)とその電池の価格の情報とをセットとして,送受信部510を介して,情報通信端末機器700に送信する(S306)。これにより,情報通信端末機器700では,そのユーザーにとって最適な電池がどれであるかを,その価格の情報とともに,ユーザーに対して示すことが可能となる。
なお,ステップS303において,R2a≧R>R3a,且つ,C3a>C≧C2aのように,範囲をもったかたちで,抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を決定した場合には,ステップS305では,その範囲内の抵抗増加率Rおよび容量維持率Cをもつ電池を,ユーザーに提供すべき電池として決定する。また,ユーザーの要求日数が余りにも長すぎるなど,要求日数に適した中古電池がない場合には,新品のスタック12やバッテリパック10を,ユーザーに提供すべき電池として決定すればよい。
図7に示す再利用電池テーブル作成処理は,図13に再利用電池テーブルとして示すデータベースを作成するための処理である。再利用電池テーブル作成処理では,演算部520は,まず,再利用に係る電池のタグ情報,抵抗増加率及び容量維持率を取得する(S401)。これらの情報は,例えば,車両100を廃車にし電池が回収される際,廃車センターにある情報読取器(リーダー)で読み取られ,データステーション500に対して送られることにより,データステーション500に取得される。なお,図3に示す閾値算出処理のステップS004及びS005で車両100が算出した抵抗増加率Rや容量維持率Cを,車両100がデータステーション500に対して送信することにより,これらの情報をデータステーション500が取得する構成としてもよい。この場合,その電池が再利用のために回収されたことをデータステーション500に知らせるため,その電池が回収されたときに,その電池のタグ情報を,廃車センターからデータステーション500に対して送信する。
ステップS401で情報を取得した演算部520は,タグ情報に代えて電池No.を付けるとともに(S402),その電池に価格を付けて(S403),電池No.,抵抗増加率,容量増加率,価格の情報を関連付けた形で,再利用電池テーブルとして再利用電池情報記憶部532に記憶する(S404)。
ここで,電池の価格は,次のように設定する。すなわち,図14に示すように,抵抗増加率Rおよび容量維持率Cの両観点から見た電池の余命に基づいて付ける。具体的には,抵抗増加率Rから見れば,余命がX1年であり,容量維持率Cから見れば,余命がX2年である場合には,余命の少ない抵抗増加率Rから見た余命X1年を電池の余命とする。そして,このX1年の余命に基づいて,その電池の価格を決定する。電池の価格は,余命が長いものほど,高くなるように設定する。図13に示す再利用電池テーブルで見れば,その価格の大小関係は,P3a>P2a>P1aである。P3aは,ユーザーAにとってX3年もつ電池に対して設定する価格であり,P2aは,ユーザーAにとってX2年もつ電池に対して設定する価格であり,P1aは,ユーザーAにとってX1年しかもたない電池に対して設定する価格である。No.3の電池は,抵抗増加率がR2a,容量維持率がC2aとなっており,両観点から見て,その電池がユーザーAにとってX2年もつことを示している。そのため,No.3の電池には,P2aの価格を設定している。これに対して,No.4の電池やNo.5の電池は,抵抗増加率又は容量維持率の一方が,ユーザーAにとってX1年しかもたない値を示している。そのため,これらの電池には,P1aの価格を設定している。また,図13の再利用電池テーブルに示す価格の大小関係において,P1b>P1aである。P1bは,ユーザーBにとってX1年もつ電池に対して設定する価格である。ユーザーBにとってX1年もつ電池は,ユーザーAにとってX1年もつ電池よりも劣化の程度が小さいものなので,その電池に付ける価格P1bは,価格P1aよりも高い価格としている。
4.実施形態の作用効果
以上詳細に説明したように,第1実施形態の電池管理システム1は,交換前の二次電池(スタック12)の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムである。電池管理システム1は,交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部(測定部110)と,交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部(測定部110)と,を備える。また,測定した内部抵抗から内部抵抗の初期値に対する増加率(抵抗増加率)を算出する抵抗増加率算出部(演算部140)と,測定した満充電容量から満充電容量の初期値に対する維持率(容量維持率)を算出する容量維持率算出部(演算部140)と,を備える。また,算出した抵抗増加率から二次電池の劣化の進行態様(図8参照)を導出する抵抗劣化態様導出部(演算部140)と,算出した容量維持率から二次電池の劣化の進行態様(図10参照)を導出する容量劣化態様導出部(演算部140)と,を備える。また,抵抗劣化態様導出部(演算部140)により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(抵抗増加率閾値)を,期間に応じて一つ以上(R1a,R2a,・・・Rna)算出する抵抗増加率閾値算出部(演算部140)と,容量劣化態様導出部(演算部140)により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(容量維持率閾値)を,期間に応じて一つ以上(C1a,C2a,・・・Cna)算出する容量維持率閾値算出部(演算部140)と,を備える。さらに電池管理システム1は,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(ユーザー希望期間)の情報に基づき,抵抗増加率閾値算出部(演算部140)が算出した抵抗増加率閾値の中から,ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値(第1実施形態ではR2a)を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,容量維持率閾値算出部(演算部140)が算出した容量維持率閾値の中から,ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値(第1実施形態ではC2a)を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部(演算部520)を備える。
第1の電池管理システムによれば,測定した内部抵抗および満充電容量から,二次電池(スタック12)の劣化の進行態様を導出することで,期間に応じた抵抗増加率の閾値と,容量維持率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(ユーザー希望期間)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,抵抗増加率の値および容量維持率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(ユーザー希望期間内の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(ユーザー希望期間を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。これは,ユーザーの電池購入に対する満足度の向上につながる。
また,二次電池(スタック12)の劣化の進行態様は,二次電池の使われ方に影響を受けるため,二次電池のユーザーが異なれば変化する(図8〜11参照)。第1実施形態の電池管理システム1によれば,ユーザーごとの二次電池の劣化の進行態様に基づいて,そのユーザーにとっての抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を算出している。そのため,そのユーザーにとっての要求品質を確実に満たす電池を提供することができる。
また第1実施形態の電池管理システム1では,抵抗増加率Rや容量維持率Cに基づいて,電池の劣化の進行態様をみることとしている。これによれば,単に内部抵抗R´や満充電容量C´に基づいて電池の劣化の進行態様をみるよりも,電池(スタック12)の規格差の影響を受けない汎用性の高いシステムを構築できる。すなわち,規格が異なるどの
ような電池に対しても,本実施形態の電池管理システム1を適用することによって,電池の劣化の進行態様を導出することができる。
また第1実施形態の電池管理システム1では,抵抗劣化態様導出部(演算部140)は,算出した抵抗増加率Rと,二次電池(スタック12)の使用開始からその抵抗増加率を算出した時点までの期間Xとに基づいて,上述の式(1)を満たす抵抗劣化傾きaを求め,式(1)におけるXに対するRの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出した。また,抵抗増加率閾値算出部(演算部140)は,二次電池の使用不能を示す予め定められた抵抗増加率の値Rmaxから,二次電池の使用期限√Xmaxを求め,その使用期限を基準として各期間ごと(X1年,X2年…Xn年)の抵抗増加率閾値(R1a,R2a,・・・Rna)を算出した。また,容量劣化態様導出部(演算部140)は,算出した容量維持率Cと,二次電池の使用開始からその容量維持率を算出した時点までの期間Xとに基づいて,上述の式(2)を満たす容量劣化傾き−aを求め,式(2)におけるXに対するCの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出した。また,容量維持率閾値算出部(演算部140)は,二次電池の使用不能を示す予め定められた容量維持率の値Cminから,二次電池の使用期限√Xmaxを求め,その使用期限を基準として各期間ごと(X1年,X2年…Xn年)の容量維持率閾値(C1a,C2a,・・・Cna)を算出した。
よって第1実施形態の電池管理システム1によれば,電池(スタック12)の使用期間Xに対する抵抗増加率Rの変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各期間毎の抵抗増加率閾値を算出できる。また,電池の使用期間Xに対する容量維持率Cの変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各期間毎の容量維持率閾値を算出できる。
また第1実施形態の電池管理システム1は,ユーザーが交換先の二次電池(スタック12)に希望する使用期限日(車検日)と現在日時との日数差から,ユーザー希望期間を算出するユーザー希望期間算出部(演算部720)を備えている。よって,電池管理システム1に対して使用期限日を与えることで,ユーザー希望期間の算出が可能となる。
また第1実施形態の電池管理システム1では,交換先の二次電池(スタック12)の抵抗増加率の情報および容量維持率の情報を,その二次電池の識別情報とともに記憶する交換先電池情報記憶部(再利用電池情報記憶部532)と,交換先電池情報記憶部(再利用電池情報記憶部532)から,要求品質決定部(演算部520)が決定した抵抗増加率閾値以下の値であり且つ最も近い値の抵抗増加率(第1実施形態ではR2a)をもつ二次電池であって,要求品質決定部(演算部520)が決定した容量維持率閾値以上の値であり且つ最も近い値の容量維持率(第1実施形態ではC2a)をもつ二次電池を,交換先の二次電池として選択する交換先電池選択部(演算部520)と,を備えている。
よって,交換先の二次電池(スタック12)の候補の中から,ユーザーの要求品質を満たす最適な電池を選択することができる。ユーザーにとっては,電池管理システム1により選択された交換先電池を購入することで,交換先として最適な電池の購入を実現できる。
また第1実施形態の電池管理システム1では,交換先の二次電池(スタック12)について抵抗増加率算出部(演算部520)が算出した抵抗増加率の情報および容量維持率算出部が算出した容量維持率の情報を,その二次電池の識別情報とともに取得する情報取得部(送受信部510)を備え,交換先電池情報記憶部(再利用電池情報記憶部532)は,情報取得部(送受信部510)が取得した情報を記憶するものである。
よって,電池の劣化の進行態様をみるために測定した抵抗増加率Rおよび容量維持率Cの情報を,その電池が再利用に回されて交換先電池となったときの電池の状態情報(抵抗増加率Rおよび容量維持率C)として利用できる。よって,再利用のために電池(スタック12)を回収するにあたって,その電池の抵抗増加率および容量維持率を測定する手間を省くことが可能となる。
また第1実施形態の電池管理システム1では,情報取得部(送受信部510)が取得した抵抗増加率の情報および容量維持率の情報に基づいて二次電池(スタック12)の価格を設定する価格設定部(演算部520)を備え,交換先電池情報記憶部(再利用電池情報記憶部532)は,価格設定部(演算部520)が設定した二次電池の価格の情報を,その二次電池の識別情報とともに記憶するものである。
よって,電池管理システム1により選択された交換先電池(スタック12)には,価格情報も付されている。従って,ユーザーにとって交換に適した電池がどの電池であるかという情報と,その電池の価格の情報とをセットにして,ユーザーに対して提供することができる。
5.変更例
上記第1実施形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,電池の種類は限らない。リチウムイオン電池でなく、ニッケル水素電池あってもよいし,その他の電池であってもよい。
また,上記第1実施形態では,車両100は,搭載電池の内部抵抗R´と満充電容量C´とを測定し,内部抵抗R´と満充電容量C´との両方の観点から,電池の余命に対する抵抗増加率Rの閾値と容量維持率Cの閾値を求めた。これに対して,内部抵抗R´のみを測定し,内部抵抗R´の観点のみから,電池の余命に対する抵抗増加率Rの閾値を求める構成としてもよい。具体的には,図3に示す閾値算出処理のステップS003,S005,S007,S009を実行せず,ステップS010では,抵抗増加率閾値およびタグ情報を送信する処理を行うよう構成する。
また,満充電容量C´のみを測定し,満充電容量C´の観点のみから,電池の余命に対する容量維持率Cの閾値を求める構成としてもよい。具体的には,図3に示す閾値算出処理のステップS002,S004,S006,S008を実行せず,ステップS010では,容量維持率閾値およびタグ情報を送信する処理を行うよう構成する。
また,第1実施形態では,電池管理システム1を,車両100,外部充電器300,データステーション500,及び,情報通信端末機器700により構成し,図3〜図7に示す各処理を,車両100,データステーション500,及び,情報通信端末機器700で分担して行う構成とした。しかしながら,最終的にユーザーに対して提供すべき電池(ユーザーが交換するのに適した電池)を選定できれば,電池管理システム1の構成は,どのようにしてもよい。
例えば,電池管理システム1を,車両100と,車両100に対して無線通信可能に接続されたデータステーション500とにより構成し,図3〜図6に示す処理のほとんどを,車両100のみで行うような構成であってもよい。具体的には,車両100が,図3に示すステップS001〜S009を行うとともに,図4に示すステップS201を行い,さらに図6に示すS302〜S305を行う。このような構成とした場合は,車両100は,データステーション500から,図6のステップS304で参照する再利用電池テーブルの情報を取得するよう構成する。
また,図3に示すステップS006〜S009を,データステーション500が行うように構成してもよい。この場合,車両100は,ステップS004及びS005で算出した抵抗増加率Rおよび容量維持率Cを,電池のタグ情報とともにデータステーション500に対して送信する。
また,図4に示すステップS101を,データステーション500が行うように構成してもよい。この場合,情報通信端末機器700は,ユーザーの使用期限日(次の車検日)の情報を,電池のタグ情報とともにデータステーション500に対して送信する。
また実施形態では,車両100は,外部充電器300を介してデータステーション500に対してデータの送信を可能とする構成としたが,車両100に送信部を設けて,車両100とデータステーション500とを無線等により直接通信可能とする構成としてもよい。この場合,車両100は,閾値算出処理(図3参照)により求める各値(内部抵抗,抵抗増加率,抵抗劣化傾き,抵抗増加率閾値,満充電容量,容量維持率,容量劣化傾き,容量維持率閾値)を,算出の度にデータステーション500に対して送信することとしてもよい。これらのデータを受信したデータステーション500が,受信したデータを逐次記憶部530に記憶することで,電池の使用履歴を一元管理できるからである。
また実施形態では,中古の電池に対して設定する価格は,ユーザーAにとってX1年もつ電池と,ユーザーBにとってX1年もつ電池とで,差を設けた。これは,両電池では劣化の程度が異なるからである。しかしながら,ユーザーAにとってX1年もつ電池と,ユーザーBにとってX1年もつ電池とを,同じ価格に設定してもよい。これは,使用可能期間としてみれば,同じであることに着目した価格設定である。この場合,図3に示すステップS008およびステップS009の実行により抵抗増加率閾値および容量維持率閾値が算出された時点で,各抵抗増加率閾値および各容量維持率閾値に対応した価格を設定すればよい。
また実施形態では,バッテリパック10(組電池)の一部のスタック12を,再利用に係るスタック12と交換し,リビルド処理して新たなバッテリパック10を構成する例を示した。これに対して,バッテリパック10(組電池)の一部の電池セル13を,再利用に係る電池セル13と交換し,リビルド処理して新たなスタック12を構成するものであってもよい。この場合,図3に示す閾値算出処理は,各電池セル13を対象に実行する。
さらに,車両100に搭載しているバッテリパック10(組電池)全体を,リビルド処理により再構築されたバッテリパックと交換するものであってもよい。このようなものであっても,その交換先のバッテリパック10に求められる電池の品質を,ユーザーの使用に係る電池の劣化の進行態様から求めることができるので,ユーザーにとって最適な中古のバッテリパック10への交換が可能となる。具体的には,交換先のバッテリパック10を,ユーザーの要求品質を満たすスタック12を寄せ集めることにより再構築する。
また実施形態では,車両100に搭載された電池について説明した。しかし,車両100に限らず適用することができる。外部充電機器により充電を行う電子機器類であれば,同様に用いることができる。したがって,本形態に係る電池管理システム1および電池の交換方法は,電池搭載機器全般に対して適用可能である。ここで電池搭載機器とは,バッテリパック10を搭載する車両100その他の電子機器類のことをいう。
(第2実施形態)
次に第2実施形態の電池管理システムについて説明する。第1実施形態の電池管理システム1では,電池の使用期間に対する抵抗増加率Rの変化および容量維持率Cの変化をみることにより,電池の劣化の進行態様を測るものであったが,第2実施形態の電池管理システムでは,電池を搭載した車両100の走行距離に対する抵抗増加率Rの変化および容量維持率Cの変化をみることにより,電池の劣化の進行態様を測ることとしている。なお第2実施形態の説明において,第1実施形態と同様の構成については,同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の電池管理システムは,第1実施形態の電池管理システム1と同様,図2に示すように構成される。第2実施形態の電池管理システムを構成する車両100は,図15に示す閾値算出処理を行う。図15に示す閾値算出処理では,車両100の演算部140は,まず,電池を搭載している車両100が所定距離W走行したか否か判定する(ステップS501)。所定距離Wとは,例えば2500kmなど,予め定めた距離である。なお,所定距離Wは,1000km,5000kmなど,2500km以外の距離でもよい。また,閾値算出処理を実行する間隔は,所定距離毎でなく,不規則,すなわち1000kmであったり2500kmであったりと変動するものであってもよい。
ステップS501で,所定距離Wが経過していない場合は,処理を終了する。一方,所定距離Wが経過している場合は,測定部110により,バッテリパック10の内部抵抗R´を測定する(S502)。次に,測定部110により,バッテリパック10の満充電容量C´を測定する(S503)。ステップ502及び503で求めた内部抵抗R´及び満充電容量C´は,記憶部130に記憶する。なお,後述するステップS504〜S509で算出する各値も,記憶部130に記憶する。
続いて演算部140は,測定した内部抵抗R´から,抵抗増加率Rを算出する(S504)。さらに演算部140は,測定した満充電容量C´から,容量維持率Cを算出する(S505)。
次に演算部140は,ステップ504で求めた抵抗増加率Rに基づいて,抵抗劣化傾きaを求める(S506)。第2実施形態における抵抗劣化傾きaとは,図16に示すように,車両100の走行距離Wのルート則に対する電池の抵抗増加率Rの変化を示す下記式(3)
R=a√W+1.0 ・・・(3)
の傾きaである。図16に示す,この式R=a√W+1.0のグラフは,横軸に,電池を搭載した車両100の走行距離Wのルート則をとり,縦軸に,車両100に搭載した電池の抵抗増加率Rをとっている。ステップS506では,この式R=a√W+1.0のWとRに値を代入することで,aを求める。なお,走行距離Wは,例えば,車両100に搭載された距離計で測る。また,抵抗増加率Rが,走行距離Wのルートに比例することは既知である。
次に演算部140は,ステップ505で求めた容量維持率Cに基づいて,容量劣化傾き−aを求める(S507)。第2実施形態における容量劣化傾き−aとは,図18に示すように,車両100の走行距離Wのルート則に対する電池の容量維持率Cの変化を示す下記式(4)
C=−a√W+1.0 ・・・(4)
の傾き−aである。図18に示す,この式C=−a√W+1.0のグラフは,横軸に,電池を搭載した車両100の走行距離Wのルート則をとり,縦軸に,車両100に搭載した電池の容量維持率Cをとっている。ステップS507では,この式C=−a√W+1.0のWとCに値を代入することで,−aを求める。なお,容量維持率Cが,走行距離Wのルートに比例することは既知である。
続いて演算部140は,ステップS506で傾きを求めた式(3)に従って,車両100の走行距離Wのルート則に対する抵抗増加率Rの変化のグラフ(図16参照)を描く。抵抗増加率Rは,電池の使用が進むにつれて,増加するものである。ここで,抵抗増加率Rの最大値Rmaxの値は予め決まっている。よって,式(3)の直線とRmaxとから,この電池は,このまま同じユーザー(ユーザーAとする)によって使用され続けると,後何kmの走行に対して使用できるのかという電池の余命がわかる。抵抗増加率Rから見た走行距離の限度(電池が使用できなくなる走行距離)を図16中√Wmaxとして示す。ステップS508では,この√Wmaxを基準として,W1km前,W2km前,・・・Wnkm前と走行可能距離をみていくことで,それぞれの走行可能距離に対する抵抗増加率Rの閾値(R1(R1a),R2(R2a),・・・Rn(Rna))を算出する。このステップS008により,ユーザーAにとって,走行可能距離W1kmの電池は,抵抗増加率がR1a以下でなければならず,走行可能距離W2kmの電池は,抵抗増加率がR2a以下でなければならず,走行可能距離Wnkmの電池は,抵抗増加率がRna以下でなければならないことがわかる。
さらに演算部140は,ステップS507で傾きを求めた式(4)に従って,車両100の走行距離Wのルート則に対する容量維持率Cの変化のグラフ(図18参照)を描く。容量維持率Cは,電池の使用が進むにつれて,減少するものである。ここで,容量維持率Cの最小値Cminの値は予め決まっている。よって,式(4)の直線とCminとから,この電池は,このまま同じユーザー(ユーザーAとする)によって使用され続けると,後何kmの走行に対して使用できるのかという電池の余命がわかる。容量維持率Cから見た走行距離の限度(電池が使用できなくなる走行距離)を図18中√Wmaxとして示す。ステップS509では,この√Wmaxを基準として,W1km前,W2km前,・・・Wnkm前と走行可能距離をみていくことで,それぞれの距離に対する容量維持率Cの閾値(C1(C1a),C2(C2a),・・・Cn(Cna))を算出する。このステップS509により,ユーザーAにとって,走行可能距離W1kmの電池は,容量維持率がC1a以上でなければならず,走行可能距離W2kmの電池は,容量維持率がC2a以上でなければならず,走行可能距離Wnkmの電池は,容量維持率がCna以上でなければならないことがわかる。
その後演算部140は,ステップS508で求めた抵抗増加率の閾値およびステップS509で求めた容量維持率の閾値を,電池のタグ情報とともに,外部充電器300を介してデータステーション500へ送信する(S510)。
ここで,ステップS508で求める抵抗増加率の閾値およびステップS509で求める容量維持率の閾値は,電池のユーザーが変わることで変化する値である。電池のユーザーが変われば,電池の劣化の進行態様が変わるからである。図17は,図16とは異なるユーザー(ユーザーBとする)が使用している電池に対して図15に示す閾値算出処理を行うことで,描いたグラフである。また,図19は,図18とは異なるユーザー(同ユーザーBとする)が使用している電池に対して図15に示す閾値算出処理を行うことで,描いたグラフである。図16と図17からわかるように,ユーザーB(図17参照)の使用に係る電池は,ユーザーA(図16参照)の使用に係る電池と比べて,劣化の進行が速い。約2倍の速さで電池が劣化している。従って,ユーザーBにとっての残り走行可能距離W1kmの電池の抵抗増加率閾値R1bは,ユーザーAにとっての残り走行可能距離W1kmの電池の抵抗増加率閾値R1aよりも,小さい値となる。すなわち,ユーザーBにとっては,ユーザーAが使用してW1kmもつ電池よりも劣化の程度が小さい電池でなければ,W1kmもたないということである。
また,図18と図19からわかるように,容量維持率の観点から見ても,ユーザーB(図19参照)の使用に係る電池は,ユーザーA(図18参照)の使用に係る電池と比べて,電池の劣化の進行が速い。約2倍の速さで電池が劣化している。従って,ユーザーB
にとっての残り走行可能距離W1kmの電池の容量維持率C1bは,ユーザーAにとっての残り走行可能距離W1kmの電池の容量維持率C1aよりも,大きい値となる。すなわち,ユーザーBにとっては,ユーザーAが使用してW1kmもつ電池よりも劣化の程度が小さい電池でなければ,W1kmもたないということである。
次に,第2実施形態の電池管理システムが行う電池照会処理,搭載電池テーブル作成処理,電池決定処理,再利用電池テーブル作成処理について説明する。第2実施形態の電池管理システムが行う電池照会処理は,図4に示す第1実施形態の電池照会処理のステップS101をステップS1101に変えるとともに,ステップS102をステップS1102に変えたものである。すなわち,第2実施形態の電池照会処理では,情報通信端末機器700の演算部720は,まず要求走行距離の算出を行う(S1101)。要求走行距離とは,ユーザーが購入する電池に希望する使用可能な走行距離である。例えば,次の車検まで乗ることができればよいと考えており,2年後にその車検を迎えるユーザーの場合には,要求走行距離は,20000km(例えば1年あたり10000km走行するとして計算)となる。なお本明細書では,W1kmが10000kmを,W2kmが20000kmを,W3kmが30000kmを,…Wnkmが(n×10000)kmを表すものとする。
続いて演算部720は,来店したユーザーが使用している電池のタグ情報と,ステップS1101で算出した要求走行距離の情報とを,送受信部710を介して,データステーション500へ送信する(S1102)。
第2実施形態の電池管理システムが行う搭載電池テーブル作成処理,及び再利用電池テーブル作成処理は,それぞれ,図5に示す第1実施形態の搭載電池テーブル作成処理,及び図7に示す第1実施形態の再利用電池テーブル作成処理と同様である。
第2実施形態の電池管理システムが行う電池決定処理は,図6に示す第1実施形態の電池決定処理のステップS301をステップS1301に変えたものである。すなわち,第2実施形態の電池決定処理では,データステーション500の演算部520は,まず,タグ情報及び要求走行距離を受信したか否か判定する(S1301)。これらの情報は,図4のステップS1102で情報通信端末機器700が送信する情報である。受信していない場合は,処理を終え,受信している場合は,図20に示す搭載電池テーブル2を参照する。
ここで図20に示す搭載電池テーブル2は,第2実施形態において図5に示す搭載電池テーブル作成処理が実行されることにより作成されるテーブルである。図20に示すように,搭載電池テーブル2には,電池を識別するためのタグ情報と,その電池から求めた各走行可能距離ごとの抵抗増加率閾値および容量維持率閾値と,これらの情報を書き込んだ日付(更新した日付)とが関連付けられて記憶されている。図20中,タグ情報001の電池は,図16および図18に示すユーザーAの使用に係る電池であり,タグ情報002の電池は,図17および図19に示すユーザーBの使用に係る電池である。
演算部520は,このような搭載電池テーブル2(図20)を参照しつつ(S302),タグ情報からユーザーを特定し,要求走行距離から抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を決定する(S303)。具体的には,ステップS1301で受信したタグ情報が001であれば,ユーザーAであると特定する。そして,受信した要求走行距離がW2kmであれば,走行可能距離W2kmが確保されるR2aおよびC2aを,抵抗増加率閾値および容量維持率閾値として決定する。なお,R2a≧R>R3a,且つ,C3a>C≧C2aのように,範囲をもったかたちで,抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を決定してもよい。
その後,演算部520は,第1実施形態と同様,ステップS304〜S306を実行する。これにより,第2実施形態の電池管理システムでは,要求走行距離を満たしつつ,過剰品質とならない最適な電池を,その価格の情報とともに提供することができる。すなわち,電池の走行可能距離がW1kmの電池(図13中,電池No.1,電池No.4,電池No.5の電池)や,電池の走行可能距離がW3kmの電池(図13中,電池No.6の電池)を選ぶことなく,電池の走行可能距離がW2kmの電池(図13中,電池No.3の電池)を,ユーザーに最適な電池として選ぶことができる。なお,ステップS303において,R2a≧R>R3a,且つ,C3a>C≧C2aのように,範囲をもったかたちで,抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を決定した場合には,ステップS305では,その範囲内の抵抗増加率Rおよび容量維持率Cをもつ電池を,ユーザーに提供すべき電池として決定する。また,ユーザーの要求走行距離が余りにも長すぎるなど,要求走行距離に適した中古電池がない場合には,新品のスタック12やバッテリパック10を,ユーザーに提供すべき電池として決定すればよい。
なお,第2実施形態における電池決定処理のステップS304で参照する再利用電池テーブル(図13)の電池の価格は,次のように設定する。すなわち,抵抗増加率Rから見れば,走行可能距離がW1kmであり,容量維持率Cから見れば,走行可能距離がW2kmである場合には,走行可能距離の少ない抵抗増加率Rから見た走行可能距離W1kmを電池の走行可能距離とする。そして,このW1kmの走行可能距離に基づいて,その電池の価格を決定する。電池の価格は,走行可能距離が長いものほど,高くなるように設定する。図13に示す再利用電池テーブルで見れば,その価格の大小関係は,P3a>P2a>P1aである。P3aは,ユーザーAにとってW3kmもつ電池に対して設定する価格であり,P2aは,ユーザーAにとってW2kmもつ電池に対して設定する価格であり,P1aは,ユーザーAにとってW1kmしかもたない電池に対して設定する価格である。No.3の電池は,抵抗増加率がR2a,容量維持率がC2aとなっており,両観点から見て,その電池がユーザーAにとってW2kmもつことを示している。そのため,No.3の電池には,P2aの価格を設定している。これに対して,No.4の電池やNo.5の電池は,抵抗増加率又は容量維持率の一方が,ユーザーAにとってW1kmしかもたない値を示している。そのため,これらの電池には,P1aの価格を設定している。また,図13の再利用電池テーブルに示す価格の大小関係において,P1b>P1aである。P1bは,ユーザーBにとってW1kmもつ電池に対して設定する価格である。ユーザーBにとってW1kmもつ電池は,ユーザーAにとってW1kmもつ電池よりも劣化の程度が小さいものなので,その電池に付ける価格P1bは,価格P1aよりも高い価格としている。
以上詳細に説明したように,第2実施形態の電池管理システムは,車両100に搭載された交換前の二次電池(スタック12)の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムである。第2実施形態の電池管理システムは,交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部(測定部110)と,交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部(測定部110)と,を備える。また,測定した内部抵抗から内部抵抗の初期値に対する増加率(抵抗増加率)を算出する抵抗増加率算出部(演算部140)と,測定した満充電容量から満充電容量の初期値に対する維持率(容量維持率)を算出する容量維持率算出部(演算部140)と,を備える。また,算出した抵抗増加率から二次電池の劣化の進行態様(図16参照)を導出する抵抗劣化態様導出部(演算部140)と,算出した容量維持率から二次電池の劣化の進行態様(図18参照)を導出する容量劣化態様導出部(演算部140)と,を備える。また,抵抗劣化態様導出部(演算部140)により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(抵抗増加率閾値)を,走行可能距離に応じて一つ以上(R1a,R2a,・・・Rna)算出する抵抗増加率閾値算出部(演算部140)と,容量
劣化態様導出部(演算部140)により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(容量維持率閾値)を,走行可能距離に応じて一つ以上(C1a,C2a,・・・Cna)算出する容量維持率閾値算出部(演算部140)と,を備える。さらに第2実施形態の電池管理システムは,交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する走行可能距離(要求走行距離)の情報に基づき,抵抗増加率閾値算出部(演算部140)が算出した抵抗増加率閾値の中から,要求走行距離の使用が確保されることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値(第2実施形態ではR2a)を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,容量維持率閾値算出部(演算部140)が算出した容量維持率閾値の中から,要求走行距離の使用が確保されることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値(第2実施形態ではC2a)を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部(演算部520)と,を備える。
この第2の電池管理システムによれば,測定した内部抵抗および満充電容量から,二次電池(スタック12)の劣化の進行態様を導出することで,走行可能距離に応じた抵抗増加率の閾値と,容量維持率の閾値を算出する。そして,ユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(要求走行距離)の情報に基づいて,交換先の二次電池に必要な品質を,抵抗増加率の値および容量維持率の値で特定する。従って,その品質を満たす二次電池を,交換先の二次電池として提供すれば,ユーザーにとって最適な電池の購入が実現できる。すなわち,ユーザーの要求品質を満たさない電池(要求走行距離の使用が確保されない電池)や,ユーザーの要求品質に対して過剰品質となる電池(要求走行距離を大きく超えて使用できる電池)を,ユーザーに提供してしまうのを防ぐことができる。
また,二次電池(スタック12)の劣化の進行態様は,二次電池の使われ方に影響を受けるため,二次電池のユーザーが異なれば変化する(図16〜19参照)。第2実施形態の電池管理システムによれば,ユーザーの二次電池の劣化の進行態様に基づいて,そのユーザーにとっての抵抗増加率閾値および容量維持率閾値を算出している。そのため,そのユーザーにとっての要求品質を確実に満たす電池を提供することができる。
また第2実施形態の電池管理システムでは,抵抗劣化態様導出部(演算部140)は,算出した抵抗増加率Rと,二次電池(スタック12)の使用開始からその抵抗増加率を算出した時点までの車両の走行距離Wとに基づいて,上述の式(3)を満たす抵抗劣化傾きaを求め,式(3)におけるWに対するRの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出した。また,抵抗増加率閾値算出部(演算部140)は,二次電池の使用不能を示す予め定められた抵抗増加率の値Rmaxから,二次電池を搭載した車両100がその二次電池で走行することができる走行距離の限度√Wmaxを求め,その走行距離の限度を基準として各距離ごと(W1km,W2km,…Wnkm)の抵抗増加率閾値(R1a,R2a,・・・Rna)を算出した。また,容量劣化態様導出部(演算部140)は,算出した容量維持率Cと,二次電池の使用開始からその容量維持率を算出した時点までの車両の走行距離Wとに基づいて,上述の式(4)を満たす容量劣化傾き−aを求め,式(4)におけるWに対するCの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出した。また,容量維持率閾値算出部(演算部140)は,二次電池の使用不能を示す予め定
められた容量維持率の値Cminから,二次電池を搭載した車両100がその二次電池で走
行することができる走行距離の限度√Wmaxを求め,その走行距離の限度を基準として各距離ごと(W1km,W2km,…Wnkm)の容量維持率閾値(C1a,C2a,・・・Cna)を算出した。
よって第2実施形態の電池管理システムによれば,電池(スタック12)を搭載した車両100の走行距離Wに対する抵抗増加率Rの変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各距離毎の抵抗増加率閾値を算出できる。また,電池を搭載した車両100の走行距離Wに対する容量維持率Cの変化という形で,二次電池の劣化の進行態様を導出でき,各距離毎の容量維持率閾値を算出できる。
なお,上記第2実施形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,電池の種類は限らない。リチウムイオン電池でなく、ニッケル水素電池あってもよいし,その他の電池であってもよい。
また,上記第2実施形態では,車両100は,搭載電池の内部抵抗R´と満充電容量C´とを測定し,内部抵抗R´と満充電容量C´との両方の観点から,電池の余命に対する抵抗増加率Rの閾値および容量維持率Cの閾値を求めた。これに対して,内部抵抗R´のみを測定し,内部抵抗R´の観点のみから,電池の余命に対する抵抗増加率Rの閾値を求める構成としてもよい。具体的には,図15に示す閾値算出処理のステップS503,S505,S507,S509を実行せず,ステップS510では,抵抗増加率閾値およびタグ情報を送信する処理を行うよう構成する。
また,満充電容量C´のみを測定し,満充電容量C´の観点のみから,電池の余命に対する容量維持率Cの閾値を求める構成としてもよい。具体的には,図15に示す閾値算出処理のステップS502,S504,S506,S508を実行せず,ステップS510では,容量維持率閾値およびタグ情報を送信する処理を行うよう構成する。
その他,上記第1実施形態の変更例として記載した種々の構成は,本第2実形態の変更例としても用いることができる。
なお,実施形態の測定部110が,内部抵抗測定部,容量測定部を構成する。
また,実施形態の演算部140が,抵抗増加率算出部,容量維持率算出部,抵抗劣化態様導出部,容量劣化態様導出部,抵抗増加率閾値算出部,容量維持率閾値算出部を構成する。
また,実施形態の送受信部510が,情報取得部を構成する。
また,実施形態の演算部520が,要求品質決定部,交換先電池選択部,価格設定部を構成する。
また,実施形態の再利用電池情報記憶部532が,交換先電池情報記憶部を構成する。
また,実施形態の演算部720が,ユーザー希望期間算出部を構成する。
1…電池管理システム
10…バッテリパック(二次電池)
11…タグ
12…スタック(二次電池)
13…電池セル(二次電池)
100…車両
110…測定部
120…接続部
130…記憶部
140…演算部
150…その他の各部
300…外部充電器
310…被接続部
320…送信部
330…充電部
500…データステーション
510…送受信部
520…演算部
530…記憶部
531…搭載電池情報記憶部
532…再利用電池情報記憶部(交換先電池情報記憶部)
700…情報通信端末機器
710…送受信部
720…演算部
730…記憶部
740…入力部
750…出力部

Claims (13)

  1. 交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,
    交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,
    交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,
    測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,
    測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,
    算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,
    算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,
    前記抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,
    前記容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,前記抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,前記ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,前記容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,前記ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,前記交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  2. 請求項1に記載の電池管理システムであって,
    前記抵抗劣化態様導出部は,
    算出した抵抗増加率Rと,二次電池の使用開始からその抵抗増加率を算出した時点までの期間Xとに基づいて,下記式(1)を満たす抵抗劣化傾きaを求め,
    R=a・√X+1.0 ・・・(1)
    上記式(1)におけるXに対するRの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,
    前記抵抗増加率閾値算出部は,
    二次電池の使用不能を示す予め定められた抵抗増加率の値から,二次電池の使用期限を求め,その使用期限を基準として各期間ごとの抵抗増加率閾値を算出するものであり,
    前記容量劣化態様導出部は,
    算出した容量維持率Cと,二次電池の使用開始からその容量維持率を算出した時点までの期間Xとに基づいて,下記式(2)を満たす容量劣化傾き−aを求め,
    C=−a・√X+1.0 ・・・(2)
    上記式(2)におけるXに対するCの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,
    前記容量維持率閾値算出部は,
    二次電池の使用不能を示す予め定められた容量維持率の値から,二次電池の使用期限を求め,その使用期限を基準として各期間ごとの容量維持率閾値を算出するものである
    ことを特徴とする電池管理システム。
  3. 車両に搭載された交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,
    交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,
    交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,
    測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,
    測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,
    算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,
    算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,
    前記抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,
    前記容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(以下「要求走行距離」という)の情報に基づき,前記抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,前記要求走行距離の使用が確保されることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,前記容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,前記要求走行距離の使用が確保されることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  4. 請求項3に記載の電池管理システムであって,
    前記抵抗劣化態様導出部は,
    算出した抵抗増加率Rと,二次電池の使用開始からその抵抗増加率を算出した時点までの車両の走行距離Wとに基づいて,下記式(3)を満たす抵抗劣化傾きaを求め,
    R=a・√W+1.0 ・・・(3)
    上記式(3)におけるWに対するRの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,
    前記抵抗増加率閾値算出部は,
    二次電池の使用不能を示す予め定められた抵抗増加率の値から,二次電池を搭載した車両がその二次電池で走行することができる走行距離の限度を求め,その走行距離の限度を基準として各距離ごとの抵抗増加率閾値を算出するものであり,
    前記容量劣化態様導出部は,
    算出した容量維持率Cと,二次電池の使用開始からその容量維持率を算出した時点までの車両の走行距離Wとに基づいて,下記式(4)を満たす容量劣化傾き−aを求め,
    C=−a・√W+1.0 ・・・(4)
    上記式(4)におけるWに対するCの変化をみることで,二次電池の劣化の進行態様を導出するものであり,
    前記容量維持率閾値算出部は,
    二次電池の使用不能を示す予め定められた容量維持率の値から,二次電池を搭載した車両がその二次電池で走行することができる走行距離の限度を求め,その走行距離の限度を基準として各距離ごとの容量維持率閾値を算出するものである
    ことを特徴とする電池管理システム。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の電池管理システムであって,
    ユーザーが交換先の二次電池に希望する使用期限日と現在日時との日数差から,前記ユーザー希望期間を算出するユーザー希望期間算出部を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電池管理システムであって,
    交換先の二次電池の抵抗増加率の情報および容量維持率の情報を,その二次電池の識別情報とともに記憶する交換先電池情報記憶部と,
    前記交換先電池情報記憶部から,前記要求品質決定部が決定した抵抗増加率閾値以下の値であり且つ最も近い値の抵抗増加率をもつ二次電池であって,前記要求品質決定部が決定した容量維持率閾値以上の値であり且つ最も近い値の容量維持率をもつ二次電池を,交換先の二次電池として選択する交換先電池選択部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  7. 請求項6に記載の電池管理システムであって,
    交換先の二次電池について抵抗増加率算出部が算出した抵抗増加率の情報および容量維持率算出部が算出した容量維持率の情報を,その二次電池の識別情報とともに取得する情報取得部を備え,
    前記交換先電池情報記憶部は,前記情報取得部が取得した情報を記憶するものである
    ことを特徴とする電池管理システム。
  8. 請求項7に記載の電池管理システムであって,
    前記情報取得部が取得した抵抗増加率の情報および容量維持率の情報に基づいて二次電池の価格を設定する価格設定部を備え,
    前記交換先電池情報記憶部は,前記価格設定部が設定した二次電池の価格の情報を,その二次電池の識別情報とともに記憶するものである
    ことを特徴とする電池管理システム。
  9. 交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,
    交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,
    測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,
    算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,
    前記抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,前記抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,前記ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  10. 車両に搭載された交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,
    交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定部と,
    測定した内部抵抗から,抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出部と,
    算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出部と,
    前記抵抗劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出部と,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(以下「要求走行距離」という)の情報に基づき,前記抵抗増加率閾値算出部が算出した抵抗増加率閾値の中から,前記要求走行距離の使用が確保されることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  11. 交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,
    交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,
    測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,
    算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,
    前記容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,前記容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,前記ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  12. 車両に搭載された交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池管理システムであって,
    交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定部と,
    測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出部と,
    算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出部と,
    前記容量劣化態様導出部により導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定の走行距離使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,走行可能距離に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出部と,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に希望する使用可能な走行距離(以下「要求走行距離」という)の情報に基づき,前記容量維持率閾値算出部が算出した容量維持率閾値の中から,前記要求走行距離の使用が確保されることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定部と,を備える
    ことを特徴とする電池管理システム。
  13. 交換前の二次電池の劣化の進行態様から交換先の二次電池に要求される品質を求める電池の交換方法であって,
    交換前の二次電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定ステップと,
    交換前の二次電池の満充電容量を測定する容量測定ステップと,
    測定した内部抵抗から,内部抵抗の初期値に対する増加率(以下「抵抗増加率」という)を算出する抵抗増加率算出ステップと,
    測定した満充電容量から,満充電容量の初期値に対する維持率(以下「容量維持率」という)を算出する容量維持率算出ステップと,
    算出した抵抗増加率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する抵抗劣化態様導出ステップと,
    算出した容量維持率から,二次電池の劣化の進行態様を導出する容量劣化態様導出ステップと,
    前記抵抗劣化態様導出ステップにより導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる抵抗増加率の閾値(以下「抵抗増加率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する抵抗増加率閾値算出ステップと,
    前記容量劣化態様導出ステップにより導出した二次電池の劣化の進行態様から,交換前の二次電池のユーザーにとって交換先の二次電池が今後一定期間使用できるものであるか否かの指標となる容量維持率の閾値(以下「容量維持率閾値」という)を,期間に応じて一つ以上算出する容量維持率閾値算出ステップと,
    交換前の二次電池のユーザーが交換先の二次電池に対して希望する使用期間(以下「ユーザー希望期間」という)の情報に基づき,前記抵抗増加率閾値算出ステップで算出した抵抗増加率閾値の中から,前記ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す抵抗増加率閾値であって最も値が大きい抵抗増加率閾値を,交換先の二次電池への要求品質としての抵抗増加率閾値に決定するとともに,前記容量維持率閾値算出ステップで算出した容量維持率閾値の中から,前記ユーザー希望期間内の使用が可能であることを示す容量維持率閾値であって最も値が小さい容量維持率閾値を,前記交換先の二次電池への要求品質としての容量維持率閾値に決定する要求品質決定ステップと,を含む
    ことを特徴とする電池の交換方法。
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