以下、本発明の実施形態に係るランプ及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るランプ1について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るランプの外観斜視図である。図2は、同実施形態に係るランプの断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係るランプ1は、従来の直管形蛍光灯と略同形の直管形LEDランプであって、カバー10と、LEDを有するLEDモジュール20と、LEDを点灯させるための点灯回路30(図2)と、LEDモジュール20及び点灯回路30が載置される放熱基台40とを備える。
さらに、本実施形態に係るランプ1は、カバー10の一方の端部に設けられた受電用口金50と、カバー10の他方の端部に設けられたアース用口金60と、LEDモジュール20を放熱基台40に固定するための第1の板バネ71と、点灯回路30を放熱基台40に固定するための第2の板バネ72(図2)とを備える。
受電用口金50は、LEDモジュール20を発光させるための電力を受電するための一対の受電ピン51を有し、また、アース用口金60はアースピン61を有する。本実施形態に係るランプ1は、受電用口金50のみの片側から給電を受ける片側給電方式である。
本実施形態に係るランプ1では、実装基板21及び回路基板31が放熱基台40に載置されているので、LEDモジュール20と点灯回路30とは放熱基台40と熱的に結合されている。従って、LEDモジュール20で発生する熱を放熱基台40によって放熱させることができるとともに、点灯回路30で発生する熱も当該放熱基台40によって放熱させることができる。なお、放熱基台40はカバー10の内面に固着されており、放熱基台40の熱はカバー10に熱伝導してカバー10の外面からランプ外部に放熱される。
以下、本実施形態に係るランプ1の各構成要素について詳述する。
まず、カバー10について説明する。カバー10は、LEDモジュール20及び放熱基台40を覆う透光性を有する長尺状の透光性カバーであって、図1に示すように、本実施形態では、両端部に開口を有する長尺筒体からなる直管状の外管である。従って、本実施形態において、カバー10は、LEDモジュール20及び放熱基台40を収納するための筐体(外囲器)である。カバー10は、ガラス管又はプラスチック管等の透光性材料で構成することができる。
例えば、直管としてのカバー10としては、シリカ(SiO2)が70〜72[%]のソーダ石灰ガラスからなり、熱伝導率が約1.0[W/m・K]のガラス管を用いることができる。
なお、カバー10の外面又は内面に拡散処理を施すことにより、LEDモジュール20からの光を拡散させることができる。拡散処理としては、例えば、ガラス管等のカバー10の内面にシリカや炭酸カルシウム等を塗布する方法がある。
次に、LEDモジュール20について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係るランプにおけるLEDモジュールの平面図である。
図3に示すように、本実施形態に係るLEDモジュール20は、COB型(Chip On Board)の発光モジュールであって、ライン状(線状)に光を発するライン状光源である。LEDモジュール20は、実装基板21と、実装基板21上に配列された複数のLED22と、LED22を封止する封止部材23とを備える。さらに、LEDモジュール20は、配線24、静電保護素子25、電極端子26及びワイヤ27を備える。
実装基板21は、LED22を実装するためのLED実装基板であって、本実施形態では、長尺矩形状の基板である。実装基板21としては、アルミナ又は透光性の窒化アルミニウムからなるセラミックス基板、アルミニウム合金からなるアルミニウム基板、透明なガラス基板又は可撓性のフレキシブル基板(FPC)等を用いることができる。但し、実装基板21としては、LED22の放熱性を高めるために熱伝導率及び熱放射率が高い材料であることが好ましく、ガラス基板又はセラミックス基板等の硬脆材と呼ばれる材料からなる基板を用いることが好ましい。本実施形態では、実装基板21として、熱伝導率が20〜40[W/m・K]程度のアルミナ基板を用いた。
LED22は、半導体発光素子の一例であって、実装基板21上に直接実装される。実装基板21には、複数のLED22が実装基板21の長手方向に沿ってライン状(一直線状)に一列に配列されている。各LED22は、単色の可視光を発するベアチップであり、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって実装基板21上にダイボンディングされている。LED22としては、例えば青色光を発光する青色発光LEDチップが用いられる。青色発光LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子を用いることができる。
封止部材23は、光波長変換体である蛍光体を含む蛍光体含有樹脂であって、LED22からの光を波長変換するとともに、実装基板21上の全てのLED22を一括封止してLED22を保護する。封止部材23は、断面形状が上に凸の略半円状のドーム形状であり、実装基板21上の全てのLED22を覆うようにLED22の配列方向に沿って直線状に形成されている。封止部材23としては、例えば、LED22が青色発光LEDである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色発光LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材23(発光部)からは、励起された黄色光と青色発光LEDチップの青色光とによって白色光が放出される。
配線24は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線であり、複数のLED22同士を電気的に接続するために所定形状にパターン形成されている。さらに、配線24は、複数のLED22と静電保護素子25とを電気的に接続するともに、電極端子26とも電気的に接続されるようにパターン形成されている。
静電保護素子25は、例えばツェナーダイオードであり、逆耐圧が低いLED22が実装基板21上に生じる逆方向極性の静電気によって破壊されることを防止する。
電極端子26は、外部電源から直流電力を受電するとともにLED22に直流電力を給電する受給電部(外部接続端子)であり、配線24に電気的に接続されている。例えば、電極端子26からLED22に直流電力が供給されることにより、LED22が発光し、LED22から所望の光が放出される。
ワイヤ27は、LED22と配線24とを電気的に接続するための電線であり、例えば、金ワイヤで構成される。LED22のチップ上面には電流を供給するためのp側電極及びn側電極が形成されており、p側電極及びn側電極のそれぞれと配線24とがワイヤ27によってワイヤボンディングされている。
このように構成されるLEDモジュール20は、LED22が発光することによって発熱する。
次に、点灯回路30について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るランプにおける点灯回路30の外観斜視図である。
点灯回路30は、入力された交流電力を直流電力に変換して出力するLED点灯回路であって、回路基板31と、回路基板31に実装された所定の回路素子群32とを備える。
回路基板31は、実装された電子部品を互いに配線するための所定の配線パターン(不図示)が形成されたプリント基板であり、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミックス基板、可撓性のフレキシブル基板(FPC)、又は、放熱性に優れたメタル基板等を用いることができる。
回路素子群32は、LEDモジュール20のLED22を点灯させるための複数の回路素子によって構成される。本実施形態において、回路素子群32は、整流回路素子32aとヒューズ素子32bとを有する。整流回路素子32aは、4つのダイオードで構成されたダイオードブリッジ回路であり、入力された交流電力を全波整流する。
回路素子群32を構成する回路素子は、回路基板31に形成された配線パターンによって電気的に接続されている。なお、回路素子群32の回路素子としては、その他必要に応じて、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード又はトランジスタ等が用いられる。
また、点灯回路30は、受電用口金50に設けられた一対の受電ピン51から交流電力を受電する入力ソケット33(入力部)と、LEDモジュール20にLEDを点灯させるための直流電力を出力する出力ソケット34(出力部)とを備える。入力ソケット33には、リード線を介して一対の受電ピンと電気的に接続された入力コネクタ端子が差し込まれる。また、出力ソケット34には、リード線を介してLEDモジュール20と電気的に接続された出力コネクタ端子が差し込まれる。なお、入力ソケット33及び出力ソケット34とは、回路基板31に形成された配線パターンによって回路素子群32の回路素子と電気的に接続されている。
このように構成される点灯回路30は、点灯動作によって回路素子群32の回路素子が発熱する。
次に、図2に戻り、放熱基台40について説明する。放熱基台40は、カバー10に覆われるように配置される。本実施形態では、放熱基台40は、直管からなるカバー10の内部に収容されるとともに直管の内面に固定される。
放熱基台40は、複数のLEDモジュール20及び点灯回路30を載置するための長尺状の基台であるとともに、LEDモジュール20及び点灯回路30が発する熱を放熱するための放熱体(ヒートシンク)である。
このように、本実施形態では、LEDモジュール20及び点灯回路30が放熱基台40に載置されているので、LEDモジュール20で発生する熱及び点灯回路30で発生する熱を放熱基台40によって放熱させることができる。すなわち、LEDモジュール20及び点灯回路30で発生した熱が放熱基台40に伝導する。
また、本実施形態における放熱基台40は、その両端が受電用口金50及びアース用口金60の内部にまで延びて形成されており、受電用口金50に覆われる第1の基台端部40a及びアース用口金60に覆われる第2の基台端部40bを有する。なお、放熱基台40の全長はカバー10の長さと略同等である。
第1の基台端部40aには、点灯回路30の回路基板31が載置されている。本実施形態では、回路基板31の端縁と放熱基台40の端縁とが略一致するように載置されている。このように、点灯回路30は、受電用口金50によって覆われるように配置されている。
なお、本実施形態において、複数のLEDモジュール20及び点灯回路30は、一直線状となるように放熱基台40上に載置されている。また、放熱基台40は、金属等の高熱伝導性材料によって構成することが好ましく、本実施形態では、熱伝導率が237[W/m・K]であるアルミニウムによって構成した。
次に、受電用口金50について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。図5(a)は、本発明の第1の実施形態に係るランプの受電用口金部分の斜視図であり、図5(b)は、当該受電用口金を分解したときにおける当該受電用口金部分の一部切り欠き斜視図である。
図5(a)に示すように、受電用口金50は、有底円筒形状に成形されたポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂からなり、カバー10の一方の端部を蓋するように設けられる。本実施形態における受電用口金50は、上下半分に分解可能に構成されており、第1の受電用口金部50aと第2の受電用口金部50bとによって構成される。第1の受電用口金部50aと第2の受電用口金部50bとは、ねじ52によってねじ止め固定される。なお、受電用口金50は、カバー10の端部を覆って接着剤等によってカバー10と固着される。
また、受電用口金50は、当該受電用口金50の底部から外方に向かって突出する一対の受電ピン51を備える。一対の受電ピン51は、金属材料で構成されており、LEDモジュール20を点灯させるための電力として照明器具等のランプ外機器から交流電力を受電する。例えば、一対の受電ピン51を照明器具のソケットに装着させることによって、一対の受電ピン51は商用100Vの交流電源から交流電力を受ける状態となる。さらに、一対の受電ピン51は、図5(b)に示すように、リード線によって入力コネクタ端子と電気的に接続されており、当該入力コネクタ端子が点灯回路30の入力ソケット33に差し込まれることによって、一対の受電ピン51が受電した交流電力が点灯回路30に供給される。
次に、図5(b)を用いて、LEDモジュール20及び点灯回路30について、さらに詳細に説明する。
図5(b)に示すように、点灯回路30に対して最も近い位置にあるLEDモジュール20の電極端子26と、点灯回路30に対して最も遠い位置(アース用口金60側)にあるLEDモジュール20(不図示)とは、リード線によって出力コネクタ端子と電気的に接続されており、当該出力コネクタ端子が点灯回路30の出力ソケット34に差し込まれることによって、点灯回路30からLEDモジュール20のLED22に対して直流電力が供給される。これにより、LED22を点灯(発光)させることができる。
そして、本実施形態において、実装基板21と回路基板31とを離間させて、LEDモジュール20及び点灯回路30が放熱基台40上に載置されている。すなわち、実装基板21と回路基板31とは所定の間隔をあけて配置されている。これにより、LEDモジュール20で発生した熱が点灯回路30に影響を及ぼすことを抑制することができるとともに、点灯回路30で発生した熱がLEDモジュール20に影響を及ぼすことを抑制することができる。
次に、LEDモジュール20と放熱基台40との固定方法及び点灯回路30と放熱基台40との固定方法について、図5(b)とともに図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。図6(a)は、LEDモジュール20と放熱基台40との固定状態を説明するための断面図であり、図6(b)は、点灯回路30と放熱基台40との固定状態を説明するための断面図である。
図5(b)及び図6(a)に示すように、LEDモジュール20の実装基板21と放熱基台40とは、第1の板バネ71によって固定されている。また、図5(b)及び図6(b)に示すように、点灯回路30の回路基板31と放熱基台40とは、第2の板バネ72によって固定されている。
図6(a)及び図6(b)に示すように、放熱基台40は、LEDモジュール20(実装基板21)及び点灯回路30(回路基板31)を載置するための載置面41と、実装基板21及び回路基板31の側面部に当接する当接部42と、第1の板バネ71及び第2の板バネ72を掛止するための第1の凸部43及び第2の凸部44とを有する。
放熱基台40は、さらに、載置面41から光照射側に突出するように形成された第1の突出部45及び第2の突出部46を有する。第1の突出部45及び第2の突出部46は、LEDモジュール20から発せられる光を反射させるための反射面を有する。なお、一対の第1の突出部45及び第2の突出部46は、光照射側方向に向かって互いの間隔が漸次大きくなるように構成されている。
図6(a)に示すように、第1の板バネ71は、所定の間隔をあけて対向するように成形された第1の挟持部71aと第2の挟持部71bとを有する。また、図6(b)に示すように、第2の板バネ72も、所定の間隔をあけて対向するように成形された第1の挟持部72aと第2の挟持部72bとを有する。
このように構成される第1の板バネ71(第2の板バネ72)は、外力が付与されることによって第1の挟持部71a(第1の挟持部72a)と第2の挟持部71b(第2の挟持部72b)とが遠ざかるように弾性変形し、当該外力が開放されることによって、第1の板バネ71(第2の板バネ72)のバネ復元力によって、第1の挟持部(第1の挟持部72a)と第2の挟持部71b(第2の挟持部72b)とが近づくように復元する。
第1の板バネ71及び第2の板バネ72は、SUS304又はりん青銅等の金属材料によって構成することができ、1枚の矩形状の金属薄板を折り曲げ加工することによって成形することができる。
そして、図6(a)に示すように、放熱基台40の第1の突出部45(又は第2の突出部46)を挟むようにして第1の板バネ71を放熱基台40に取り付けることにより、実装基板21と放熱基台40とが、第1の板バネ71の第1の挟持部71aと第2の挟持部71bとによって挟持される。
このとき、実装基板21は、第1の板バネ71のバネ復元力による第1の挟持部71aの先端部の押圧によって放熱基台40に固定されている。具体的に、実装基板21は、その表面が第1の板バネ71と接触しており、当該第1の板バネ71の先端部によって、上方からの押圧(実装基板21の主面垂直方向における放熱基台40側への押圧)と、水平方向からの押圧(実装基板21の幅方向における押圧)とによって放熱基台40に固定保持される。
また、第1の板バネ71の第2の挟持部71bの先端部には掛止部が形成されており、当該掛止部が放熱基台40の第1の凸部43(第2の凸部44)に引っかかるようにして第1の板バネ71が放熱基台40に掛止されている。このように、第1の板バネ71が放熱基台40に掛止されて保持されているので、第1の板バネ71が振動等によって放熱基台40から脱落することを防止することができる。
以上、LEDモジュール20と放熱基台40との固定方法について説明したが、点灯回路30と放熱基台40との固定方法も同様である。
すなわち、図6(b)に示すように、放熱基台40の第1の突出部45(又は第2の突出部46)を挟むようにして第2の板バネ72を放熱基台40に取り付けることにより、回路基板31と放熱基台40とが、第2の板バネ72の第1の挟持部72aと第2の挟持部72bとによって挟持される。
このとき、回路基板31は、第2の板バネ72のバネ復元力による第1の挟持部72aの先端部の押圧によって放熱基台40に固定される。具体的に、回路基板31は、その表面が第2の板バネ72と接触しており、当該第2の板バネ72の先端部によって、上方からの押圧と水平方向からの押圧とによって放熱基台40に固定保持される。また、第2の板バネ72の第2の挟持部72bの先端部に形成された掛止部が放熱基台40の第1の凸部43(第2の凸部44)に引っかかるようにして、第1の板バネ71が放熱基台40に掛止されている。
以上のようにして、LEDモジュール20と点灯回路30とが放熱基台40に固定されている。
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、放熱基台40の裏側の面には管軸方向に沿った凹部が形成されており、当該凹部には接着剤80が充填されている。このように、放熱基台40の裏側の面とカバー10の内面とが接着剤80によって接着されることによってカバー10と放熱基台40とが固着されている。接着剤80としては、シリコーン樹脂又はセメント等からなる接着剤を用いることができる。
なお、本実施形態では、放熱基台40の熱はカバー10を介してランプ外部に放熱されるので、接着剤80としては熱伝導率が高い材料で構成することが好ましい。また、接着剤80の熱伝導率を高めるために、接着剤80に無機粒子を適宜混入することもできる。このような無機粒子としては、銀、銅あるいはアルミニウム等の金属粒子、又はアルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素あるいはグラファイト等の非金属粒子が用いられる。
次に、アース用口金60について、図7(a)及び図7(b)を用いて説明する。図7(a)は、本発明の第1の実施形態に係るランプのアース用口金部分の斜視図であり、図7(b)は、当該ランプのアース用口金の分解斜視図である。
図7(a)に示すように、アース用口金60は、有底円筒形状に成形されたポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂からなり、カバー10の他方の端部を蓋するように設けられる。本実施形態におけるアース用口金60は、上下半分に分解可能に構成されており、第1のアース用口金部60aと第2のアース用口金部60bとによって構成される。第1のアース用口金部60aと第2のアース用口金部60bとは、ねじ62によってねじ止め固定される。なお、アース用口金60は、カバー10の端部を覆って接着剤等によってカバー10と固着される。
また、アース用口金60は、当該アース用口金60の底部から外方に向かって突出する1本のアースピン61を備える。アースピン61は、金属材料で構成されており、図7(b)に示すように、リード線からなるアース配線63によって金属製の放熱基台40とアース接続されている。なお、リード線の放熱基台40側の端部は、放熱基台40の端面に設けられた穴部に嵌入されるねじによって、放熱基台40に接続固定される。
以上のようにして、本発明の第1の実施形態に係るランプ1が構成される。このように構成される本実施形態に係るランプ1によれば、LEDモジュール20の実装基板21及び点灯回路30の回路基板31が放熱基台40に載置されているので、LEDモジュール20及び点灯回路30は、それぞれ実装基板21及び回路基板31を介して放熱基台40と熱的に結合されている。これにより、LEDモジュール20で発生する熱を放熱基台40に伝導させて効率良く放熱させることができるとともに、点灯回路30で発生する熱も放熱基台40に伝導させて効率良く放熱させることができる。
このように、LEDモジュール20で発生する熱を放熱させることにより、LED22の温度上昇が抑制されるので、LED22の光出力特性及びLED22の寿命特性が低下することを抑制することができる。また、点灯回路30の回路素子で発生する熱を放熱することができるので、点灯回路30の回路素子が劣化することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、実装基板21及び回路基板31が同一の放熱基台40に載置されているので、LEDモジュール20が載置される放熱基台40を利用して、点灯回路30の放熱を行うことができる。すなわち、点灯回路31のためだけに別途放熱体を用いる必要がない。これにより、部品点数を増加させることなく点灯回路30の放熱性を向上させることができるとともに、点灯回路30をランプ内に組み込むときの作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、実装基板21と回路基板31とが離間して放熱基台40上に載置されている。これにより、LEDモジュール20で発生した高温の熱が点灯回路30の回路素子に対して影響を及ぼすことを抑制することができるので、点灯回路30の回路素子がLEDモジュール20の高温の熱によって劣化することを抑制することができる。
また、本実施形態では、回路基板31と放熱基台40とが金属製の第2の板バネ72によって固定されている。これにより、回路基板31の熱を第2の板バネ72からも放熱基台40に熱伝導させることができるので、点灯回路30の回路素子で発生する熱を一層効率良く放熱することができる。この場合、第2の板バネ72の第1の挟持部72aの先端部が回路基板31の表面に接触している。これにより、回路素子からの熱が回路基板31に伝導されると、第2の板バネ72を介して回路基板31の表面から直ぐに放熱基台40への伝導させることができる。従って、回路基板31の放熱性を一層向上させることができる。
また、本実施形態では、点灯回路30が放熱基台40の第1の基台端部40aにおいて受電用口金50によって覆われるように配置されている。これにより、LEDモジュール20の配光特性に影響を与えることなく、点灯回路30を放熱基台40上に載置することができる。
また、本実施形態では、カバー10としてガラス製の直管(ガラス管)を用いている。一般的にランプ外管としてガラス管を用いた場合、ガラス管の内部に部品を配置することが困難であるので、従来口金に取り付けられていた点灯回路を単にガラス管の内部に配置することは、ランプの組み立て性が低下するので難しい。これに対して、本実施形態では、放熱基台40を利用して点灯回路30をガラス管内に容易に配置することができる。すなわち、長尺状の放熱基台40に点灯回路30を載置して、これをガラス管内に挿入することによって点灯回路30をガラス管内に収納することができる。このように、本実施形態では、点灯回路30の放熱性を向上させることができるとともに、点灯回路30を容易にランプ内に収納することができるのでランプの組み立て性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るランプ2について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係るランプの断面図である。本発明の第2の実施形態に係るランプ2は、本実施形態に係るランプ1と基本的な構成は同じである。従って、図8において、図2に示す構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付しており、詳しい説明は省略化又は簡略化する。
本実施形態に係るランプ2が、本発明の第1の実施形態に係るランプ1と異なる点は、LEDモジュール20の実装基板21と点灯回路30の回路基板31との離間部分に熱抵抗部が設けられている点である。それ以外の構成は、基本的には、第1の実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態において、上記熱抵抗部は、実装基板21と回路基板31との離間部分に対応する放熱基台40に設けられており、本実施形態では、放熱基台40の表面から陥凹するように形成された凹部47である。凹部47は、放熱基台40の短手方向に延びる溝である。なお、凹部47の深さは、深くする方が熱伝導経路を狭くすることができるので熱抵抗を大きくすることができる。
以上、本発明の第2の実施形態に係るランプ2によれば、LEDモジュール20の実装基板21と点灯回路30の回路基板31との間の放熱基台40において、凹部47からなる熱抵抗部が形成されている。これにより、LEDモジュール20と点灯回路30との放熱基台40における熱伝達経路を狭くすることができるので、LEDモジュール20で発生した熱が放熱基台40を伝導して点灯回路30に伝達されることを抑制することができる。また、点灯回路30で発生した熱が放熱基台40を伝導してLEDモジュール20に伝達されることも抑制することができる。
なお、本実施形態では、熱抵抗部として凹部47を放熱基台40に形成したが、熱抵抗部は凹部47に限らない。例えば、熱抵抗部として、実装基板21と回路基板31との離間領域における放熱基台40上に、熱抵抗が高い材料で構成された高熱抵抗部材を別途設けても構わない。さらには、凹部47に、このような高熱抵抗部材を埋め込んでも熱抵抗部を構成しても構わない。また、凹部としての熱抵抗部は、断面が矩形状に限らず、また、形成する個数も1つに限らない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る照明装置100について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第3の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
図9に示すように、本発明の第3の実施形態に係る照明装置100は、上記第1の実施形態に係るランプ1と、照明器具110とを備える。
照明器具110は、ランプ1が取り付けられてランプ1を保持する一対のソケット111と、ソケット111が取り付けられる器具本体112とを備える。
一対のソケット111のうち一方のソケット111には、ランプ1における受電ピンが装着されてLEDモジュールを点灯するための電力が供給され、他方のソケット111には、ランプ1におけるアースピンが装着されてアース接続される。
器具本体112の内面112aは、ランプ1から発せられた光を所定方向(例えば、下方である。)に反射させる反射面となっている。
このように構成される照明装置100は、例えば、天井等に固定具を介して取り付けられる。なお、本実施形態において、第2の実施形態に係るランプ2を適用することもできる。
(変形例)
次に、上述した本発明の実施形態に係るランプの変形例について説明する。なお、各変形例は、第3の実施形態に係る照明装置に適用することもできる。
(変形例1)
まず、本発明の変形例1に係るランプ1Aについて、図10(a)及び図10(b)を用いて説明する。図10(a)は、本発明の変形例1に係るランプの斜視図である。また、図10(b)は、図10(a)のX−X’に沿って切断した変形例1に係るランプの断面図である。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同じ符号を付している。
図10(a)及び図10(b)に示すように、本発明の変形例1に係るランプ1Aは、ランプ外囲器が分離された構造の直管形LEDランプであって、カバー10Aと、LEDモジュール20と、点灯回路30と、放熱基台40Aとを備える。なお、図10(a)及び図10(b)において、LEDモジュール20と点灯回路30とを電気的に接続するリード線等の各種配線は省略している。
本変形例において、カバー10Aは、略半円筒形状の透光性カバーであって、プラスチック等の合成樹脂からなる。
放熱基台40Aは、LEDモジュール20及び点灯回路30が載置される基台であるとともに、LEDモジュール20及び点灯回路30で発生する熱を放熱させるためのヒートシンクである。本変形例において、放熱基台40Aは、略半円柱形状であって、円筒面部分がランプ外部に露出されており、カバー10Aで覆われる側の面にはLEDモジュール20が載置されている。このように、本変形例では、放熱基台40がカバー10Aとともにランプ外囲器を構成しており、放熱基台40の裏面(LEDモジュール20を載置する面とは反対側の円筒面)がランプ外部に露出している。
カバー10Aと放熱基台40Aとは、カバー10Aの長手方向に沿った端部が放熱基台40Aの凸部に係止されることによって取り付けられている。また、カバー10Aと放熱基台40Aとは、一方の端部が受電ピン51Aを有する受電用口金50Aによって覆われることにより、他方の端部がアースピン61Aを有するアース用口金60Aによって覆われることによって、固定されている。
以上、本変形例によれば、放熱基台40Aの一部がランプ外部に露出された構造であるので、当該露出部分から放熱基台40Aの熱をランプ外部に直接放熱させることができる。これにより、第1及び第2の実施形態に対して、LEDモジュール20で発生する熱及び点灯回路30で発生する熱をさらに効率良くランプ外部に放熱させることができる。
なお、本変形例において、カバー10Aと放熱基台40Aとの取り付け方法は、放熱基台40Aに凹部(レール)を設け、この凹部にカバー10の端縁を嵌め込む又は挿通することによっても行うことができる。
(変形例2)
次に、本発明の変形例2に係るランプについて、図11を用いて説明する。図11は、本発明の変形例2に係るランプに用いられるLEDモジュールの外観斜視図である。
上述の実施形態及び変形例では、COB型のLEDモジュール20を用いたが、本変形例2では、図11に示すように、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLEDモジュール20Aを用いる。なお、その他のランプの構成要素は、上述の実施形態及び変形例の構成要素と同様であるので、その説明は省略する。また、図3に示すLEDモジュール20と同様の機能を有する構成については、同じ符号を付している。
本変形例に係るLEDモジュール20Aは、実装基板21上に実装された複数のSMD型LED20Xを備える。各SMD型LED20Xは、キャビティを有する樹脂製の容器(パッケージ)21Xと、容器21Xのキャビティ内に収容されるLED22と、LED22を封止する封止部材23とを備える。
本変形例に係るランプは、例えば図1において、LEDモジュール20の代わりに、図11のLEDモジュール20Aを放熱基台40上に載置することによって構成することができる。
以上、本変形例に係るランプによれば、SMD型のLEDモジュール20Aを用いても、上述の実施形態及び変形例と同様の効果を奏する。
なお、本変形例では、複数のSMD型LED20Xを実装基板21上に配置して、モジュールとして放熱基台40に載置したが、表面に絶縁膜及び配線パターンを形成した放熱基台等を用いることにより、当該放熱基台にSMD型LED20Xを直接実装するように構成しても構わない。
以上、本発明に係るランプ及び照明装置について、実施形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態では、点灯回路30の回路基板31は、第2の板バネ72を用いて放熱基台40に固定したが、これに限らない。回路基板31と放熱基台40とは、ねじ止め又は接着剤によって固定することもできる。
また、上記の実施形態では、点灯回路30の回路基板31は放熱基台40にのみ接触させて、放熱基台40を介して点灯回路30で発生する熱をカバー10に熱伝導させるように構成したが、これに限らない。さらに、点灯回路30の回路基板31とカバー10とを熱伝導シート等の熱伝導部材によって接続させても構わない。これにより、回路基板31で発生する熱をカバー10に直接熱伝導させることができるので、さらに効率良く回路基板31の熱を放熱させることができる。
また、上記の実施形態では、片側給電方式のLEDランプについて説明したが、両側から給電される両側給電方式としても構わない。また、片側給電方式のLEDランプであったとしても、アース用口金をアース接続として用いない構成としても構わない。この場合、アースピンは単に照明器具のソケットに装着するための取り付け部として機能する。
また、上記の実施形態では、直管形LEDランプについて説明したが、これに限らない。例えば、従来の環形蛍光灯(丸管)に代替する環形LEDランプ等にも適用することができる。
また、上記の実施形態において、半導体発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ及び有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。