(第1の実施形態)
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプ1は、白熱電球に代替する電球形のLEDランプであって、透光性のグローブ10と、LEDモジュール20と、受電用の口金30と、LEDモジュール20を固定する固定部材40とを備える。さらに、本実施形態に係る電球形ランプ1は、支持部材50と、樹脂ケース60と、第1のリード線71及び第2のリード線72と、点灯回路80と、充填部材90とを備える。本実施形態において、電球形ランプ1は、グローブ10と、樹脂ケース60と、口金30とによって外囲器が構成されている。
以下、本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプ1の各構成要素について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。また、以下の説明において、「上」は口金30からグローブ10側の事を指し、「下」はグローブ10から口金30側の事を指す。
まず、グローブ10について説明する。図1〜図3に示すように、グローブ10は、LEDモジュール20を収納する中空部材であるとともに、LEDモジュール20からの所定の光をランプ外部に透光する透光性の透光部材である。
本実施形態において、グローブ10は、シリカガラス製の透明ガラス(クリアガラス)によって構成されている。したがって、グローブ10内に収納されたLEDモジュール20は、グローブ10の外側から視認することができる。このように、グローブ10を透明とすることにより、LEDモジュール20からの光がグローブ10によって損失することを抑制することができる。また、グローブ10をガラス製とすることにより、高耐熱性のグローブとすることができる。なお、グローブ10は、シリカガラス製に限らず、アクリル等の樹脂製であってもよい。また、グローブ10は透明でなくてもよく、グローブ10の内表面に拡散膜を形成する等の拡散処理を施しても構わない。
グローブ10は、略円形の開口面を構成する開口部11を有しており、グローブ10の全体形状は、開口部11から長細く膨出するような長球形状である。なお、グローブ10の形状としては、図1に示すような形状に限らず、一般的な白熱電球と同様のA形(JIS C7710)を用いても構わないし、あるいは、G形又はE形等を用いても構わない。また、グローブ10は、可視光に対して透光性を有していればよく、必ずしも透明である必要はない。
グローブ10の中空の内部空間(以下「中空空間」という)には、その上部に充填部材90が配置される。つまり、充填部材90は、グローブ10の中空空間上部を充填する部材である。充填部材90は、上側の曲面全体がグローブ10の内面と接しており、下側の平面が中空空間に開放されている。そして、充填部材90の下側の平面の中央には、LEDモジュール20の上部が嵌合する凹部91が形成されている。このため、充填部材90は、LEDモジュールを挟んで口金30とは反対側において、グローブ10と基板21とを熱的に接続することになる。凹部91は、液状状態の充填部材90がグローブ10の中空空間に充填された後に、LEDモジュール20の基板21(後述参照)の上部を差し込んだ結果として形成される。つまり、凹部91は、LEDモジュール20の基板21(後述参照)の水平方向における断面の矩形と同じ形状とすることができる。なお、凹部91は、液状状態の充填部材90に基板21を挿し込むことにより形成する他に、予め凹部91を有する充填部材90を成形しておいても良く、基板21は、後から充填部材90の凹部91に挿し込んで固定するようにしてもよい。基板21は、その下側の短辺側の端縁部(第1固定領域FA1の一部又は全部)が当該凹部91に差し込まれることにより、充填部材90に固定されている。なお、充填部材90と基板21とは、凹部91周辺に塗布された接着剤等によって固着されている。また、充填部材90は、口金30と基板21との延長線上にある範囲を少なくとも含むグローブ10の内面と熱的に接続するようにすることが好ましい。
このように、充填部材90はLEDモジュール20の基板21とグローブ10とを接続しているため、LEDモジュール20の熱は、充填部材90を介してグローブ10に熱伝導し、グローブの外表面から大気中に放熱される。
また、充填部材90は、透光性を有しており、透過率が95%の透光性材料で構成されている。このように、充填部材90は透光性を有する材料であるため、グローブ内に配置されたLEDモジュール20は、グローブ10の上側から視認することができる。グローブ10と同様に、充填部材90を透明とすることにより、LEDモジュール20からの光が充填部材90によって損失することを抑制することができる。また、充填部材90は、グローブ10と同様に、透明でなくてもよく、充填部材90の下側の平面に拡散膜を形成する等の拡散処理を施しても構わない。なお、充填部材90の下側に形成される面は平面に限らずに、曲面であってもよい。
また、充填部材90は、熱硬化性の透明シリコーン樹脂であり、熱伝導率が0.17[W/m・K]である。なお、充填部材90は、熱可塑性の透明樹脂であってもよい。なお、充填部材90が熱硬化性の透明樹脂の場合には、例えば、LEDモジュール20を発光させた際の、発熱を利用して透明樹脂を硬化させるようにしてもよい。また、充填部材90は、ガラスの熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成することが好ましく、例えば、熱伝導フィラー(金属微粒子を含む)を透明樹脂に添加することにより熱伝導性を大きくすることが好ましい。
なお、本実施形態では、充填部材90に凹部91を形成して、基板21と充填部材90とを固定したが、必ずしも凹部91を形成する必要はない。例えば、充填部材90の下面の平面に基板21の側面を当接させるようにして基板21を縦向きに配置して固着しても構わない。また、本実施形態では、充填部材90と基板21とは接着剤で固着したが、これに限らない。例えば、ねじ等によって充填部材90と基板21とを固定しても構わない。
次に、LEDモジュール20について説明する。LEDモジュール20は、所定の光を発光する発光モジュール(発光装置)であって、グローブ10内に収納されている。LEDモジュール20は、その上部が充填部材90によって支持固定され、その下部が固定部材40によって支持固定されており、好ましくは、LEDモジュール20の発光部がグローブ10の中心位置(例えば、グローブ10の内径が大きい径大部分の内部)に配置される。このように配置することにより、電球形ランプ1は、点灯時に従来のフィラメントコイルを用いた一般白熱電球と近似した配光特性を得ることができる。なお、LEDモジュール20は、2本の第1のリード線71及び第2のリード線72から電力が供給されることにより発光する。これら、リード線は、一般的に用いられる被覆線を用いたが、Ni−Fe線等他の導線を用いてもよい。
ここで、本実施形態に係るLEDモジュール20の各構成要素について、図4を用いてさらに詳述する。図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプにおけるLEDモジュールの平面図(第1の主面側の平面図)であり、図4(b)は、同LEDモジュールの背面図(第2の主面側の平面図)であり、図4(c)は、図4(a)のA−A’線に沿って切断した同LEDモジュールの断面図である。
図4(a)〜図4(c)に示すように、本実施形態に係るLEDモジュール20は、透
光性の基板21と、発光源であるLED22と、LED22を封止するための封止部材23と、配線24と、ワイヤー25とを備える。さらに、LEDモジュール20は、波長変換部材として機能する蛍光体層26と、第1の給電端子27と、第2の給電端子28とを備える。
なお、本実施形態に係るLEDモジュール20は、基板21上にLEDチップ(ベアチップ)が直接実装されて構成されるCOB型(Chip On Board)のLEDモジュールである。
まず、基板21について説明する。基板21は、LED22が実装される平面を構成する第1の主面21aと、当該第1の主面21aとは反対側の平面を構成する第2の主面21bとを有する長尺矩形状の板状基板であって、LED22が発する光を透光する透光性基板である。
また、本実施形態において、LEDモジュール20は、基板21の両主面から光を放出するように構成されており、図4(a)に示すように、基板21は、LED22による所定の光が第1の主面21aからグローブ10に向かって放出される領域である第1の光放出領域LA1と、LED22による所定の光が第2の主面21bからグローブ10に向かって放出される領域である第2の光放出領域LA2とを有する。第1の光放出領域LA1及び第2の光放出領域LA2は、LEDモジュール20における発光部として機能し、放射強度が高く、高光度の領域である。なお、本実施形態では、第1の光放出領域LA1及び第2の光放出領域LA2からは、後述するように、所定の光としてLED22の光が波長変換された光が放出される。
さらに、本実施形態において、LEDモジュール20は、LED22が片面のみに実装された構成となっており、第1の主面21aに実装されたLED22の光が、基板21の内部を透過してLED22が実装されていない第2の主面21bからも放出され、これにより、基板21の両主面から光が放出される。
このため、基板21は、可視光に対する透過率が80%以上の材料で構成することが好ましく、可視光領域の光に対して透明、すなわち、透過率が極めて高く向こう側が透けて見える状態の材料で構成することがより好ましい。これにより、LED22が基板21の一方の面(第1の主面)だけに実装された場合であっても、他方の面(第2の主面)からも光が容易に放出されるので、白熱電球と近似した全方位配光特性を得ることが可能となる。
このような基板21としては、アルミナや窒化アルミニウムからなる透光性セラミックス基板、透明なガラス基板、水晶からなる基板又はサファイア基板等を用いることができる。本実施形態では、基板21として、放熱性も考慮して、透過率が96%であるアルミナからなる透光性のセラミックス基板(アルミナ基板)を用いた。また、基板21の寸法としては、長さ22mm、幅18mm、厚さ1.0mmの矩形状の基板とした。
また、基板21は、図4(a)に示すように、充填部材90に固定される領域である第1固定領域FA1と、固定部材40に固定される領域である第2固定領域FA2とを有する。つまり、基板21は、一端が充填部材90に接続され、他端が固定部材40に立設されて固定される。第1固定領域FA1及び第2固定領域FA2は、第1の光放出領域LA1及び第2の光放出領域LA2とは異なる領域であって、基本的にはLEDモジュール20の発光部としては機能しない領域である。すなわち、LED22による光が基板21内を伝達して第1固定領域FA1及び第2固定領域FA2から放出することがあったとしても放射強度が低く、第1固定領域FA1及び第2固定領域FA2は低光度の領域である。本実施形態において、第1固定領域FA1及び第2固定領域FA2は、基板21の長手方向の両方の端縁部で構成されている。第1固定領域FA1及び第2固定領域FA2としての端縁部は、少なくとも、基板21の短辺側の側面を含み、本実施形態では、第1の主面21a及び第2の主面21bをも含む。なお、当該端縁部には、基本的には基板保護層及び絶縁層以外は何も形成されておらず、例えば、LED22、封止部材23、配線24、ワイヤー25、蛍光体層26、第1の給電端子27及び第2の給電端子28は形成されていない。
次に、LED22について説明する。LED22は、半導体発光素子の一例であって、基板21の第1の主面21a上に直接実装されている。本実施形態において、LED22は、単色の可視光を発するベアチップであり、基板21上に複数個実装されている。各LED22は、全方位、つまり上方、側方及び下方に向けて光を発し、例えば、上方(第1の主面から基板外部に向かう方向)に全光量の60%、側方(基板水平方向)に全光量の20%、下方(第1の主面から第2の主面に向かう方向)に全光量の20%の光を発する。なお、LED22は、ダイアタッチ剤(ダイボンド剤)によって基板21上にダイボンディングされている。
本実施形態において、LED22は、例えば、通電されれば青色光を発光する青色LEDチップが用いられる。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子を用いることができる。また、本実施形態において、LED22は、基板21の第1の主面21aのみの片面にのみ実装されており、9個のLED22を一列として直線状に2列配置し、列内のLED22は直列接続となるように、列同士のLED22は並列接続となるように電気的に接続されている。
なお、LED22の個数及び配列は、電球形ランプの用途に応じて適宜、変更されればよい。例えば、豆電球やなつめ球の代替用途においては、基板21上に実装されるLED22は1個であってもよい。また、複数個のLED22は、1列で実装してもよく、あるいは、2列以外の複数列で実装しても構わない。
次に、封止部材23について説明する。封止部材23は、LED22を封止するようにして基板21の第1の主面21a上に形成されている。本実施形態において、封止部材23は、複数のLED22を、LED22の列ごとに一括封止するように形成されており、図4(a)に示すように、直線状の2列で構成されている。
また、封止部材23は、LED22が発する光の波長を変換する第1の波長変換材を有する。封止部材23は、所定の樹脂の中に第1の波長変換材として所定の蛍光体粒子が含有された蛍光体含有樹脂を用いることができ、例えば、シリコーン樹脂等の透光性樹脂材料に蛍光体粒子を分散することによって構成することができる。
このように、本実施形態において、封止部材23は、LED22が発する光を、ランプの照明光である所定の光として波長変換する第1の波長変換部であるとともに、LEDモジュール20における基板21の第1の主面側の発光部(第1の発光部)である。なお、上述の第1の光放出領域LA1は、封止部材23が形成される領域を含む領域であって、所定の光を放出するように見える高光度領域である。
具体的に、封止部材23としては、例えばLED22が青色LEDである場合であって、ランプの照明光が白色光である場合は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、LED22が発した青色光の一部は、封止部材23に含まれる黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換される。そして、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と、黄色蛍光体粒子によって波長変換された黄色光とが、封止部材23の中で拡散し、混合されることにより、封止部材23から白色光となって外部に放出される。
このように構成される封止部材23は、例えば、以下のような2つの工程を経て形成される。まず、第1工程では、波長変換材(蛍光体粒子)を含む未硬化のペースト状の封止部材23の材料を、ディスペンサーによって複数のLED22を覆うようにして基板21の第1の主面21a上に直線状に塗布する。次に、第2工程では、塗布されたペースト状の封止部材23の材料を硬化させる。これにより、封止部材23を形成することができ、形成された封止部材23の断面形状は、ドーム状であって、幅1mm、高さ0.2mmである。
なお、本実施形態では、封止部材23に含有される第1の波長変換材としては、YAG系の黄色蛍光体粒子を用いたが、これに限らない。例えば、その他の黄色蛍光体粒子であってもよいし、あるいは、黄色蛍光体粒子に代えて緑色蛍光体粒子と赤色蛍光体粒子とを用いても構わない。
また、封止部材23の主材料は、必ずしもシリコーン樹脂である必要はなく、フッ素系樹脂などの有機材料を用いてもよいし、低融点ガラスやゾルゲルガラス等の無機材料を用いてもよい。なお、無機材料は有機材料に比べて耐熱特性が優れているので、無機材料からなる封止部材23は高輝度ランプに有利である。
さらに、封止部材23には、必要に応じて適宜光拡散材を含有させてもよい。光拡散材としては、シリカなどの粒子が用いられる。
また、本実施形態において、封止部材23は、LED22の列ごとに形成したが、実装された全てのLED22を一括封止するように形成しても構わない。
次に、配線24について説明する。配線24は、導電部材によって構成されており、複数のLED22同士を電気的に接続するために、基板21の第1の主面21aに所定形状でパターン形成されている。本実施形態において、配線24は、列内の9個のLED22が直列接続となるように、また、列同士のLED22が並列接続となるように、パターン形成されている。
また、配線24は、第1の給電端子27と一方の端部側のLED22とを電気的に接続するとともに、第2の給電端子28と他方の端部側のLED22とを電気的に接続するためにも形成されている。
配線24は、例えば、銀(Ag)、タングステン(W)又は銅(Cu)等の金属配線を用いることができ、その表面にはニッケル(Ni)/金(Au)等のメッキ処理が施されている。なお、配線24は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電部材により形成してもよい。
次に、ワイヤー25について説明する。ワイヤー25は、LED22と配線24とを電気的に接続するための電線であり、例えば、金ワイヤーで構成される。LED22のチップ上面には電流を供給するためのp側電極及びn側電極が形成されており、p側電極及びn側電極と配線24とがワイヤー25によってワイヤボンディングされている。なお、本実施形態において、ワイヤー25は、封止部材23に埋め込まれるようにして構成されている。
次に、蛍光体層26について説明する。図4(b)及び図4(c)に示すように、蛍光体層26は、基板21の第1の主面21aにパターン形成された薄膜状の焼結体であって、基板21を透光したLED22の光の波長を変換する第2の波長変換材と、無機材料からなる焼結用結合材とで構成されている。蛍光体層26は、基板21とLED22との間にパターン形成される。
蛍光体層26の第2の波長変換材は、基板21の第1の主面21aに実装されたLED22が発する光のうち基板21を透光した光の波長を変換して波長変換光を放射する。第2の波長変換材としては、LED22が発する光によって励起されて所望の光を放出する蛍光体粒子を用いることができる。例えば、LED22が青色光を発する青色LEDである場合であってランプの照明光として白色光を得る場合は、上述の封止部材23における第1の波長変換材と同様に、YAG系の黄色蛍光体粒子等を用いることができる。
蛍光体層26の焼結用結合材は、無機材料で構成されるとともに、LED22が発する光と第2の波長変換材によって波長変換されたLED22の光の波長変換光とを透光する。焼結用結合材としては、酸化シリコン(SiO2)を主成分とする材料で構成されるガラスフリット(フリットガラス)を用いることができる。ガラスフリットは、第2の波長変換材(蛍光体粒子)を基板21に結着させる結合材(結着材)であり、透過率が高い材料で構成されている。また、ガラスフリットは、ガラス粉末を加熱して溶解することによって形成することができる。ガラスフリットのガラス粉末としては、SiO2−B2O3−R2O系、B2O3−R2O系又はP2O5−R2O系(但し、R2Oは、いずれも、Li2O、Na2O、又は、K2Oである)を用いることができる。また、焼結用結合材の材料としては、ガラスフリット以外に、低融点結晶からなるSnO2−B2O3等を用いることもできる。
このように構成される蛍光体層26は、第2の波長変換材、焼結用結合材、溶剤等を混錬することによって得られるペーストを、基板21の第1の主面21aに印刷又は塗布した後に焼結することによって形成することができる。
このように、本実施形態において、蛍光体層26は、LED22が発する光を、ランプの照明光である所定の光として波長変換する第2の波長変換部であるとともに、LEDモジュール20における基板21の第2の主面21b側に向けて発光する発光部(第2の発光部)である。なお、上述の第2の光放出領域LA2は、蛍光体層26が形成されている領域であって所定の光を放出するように見える高光度領域であり、本実施形態では、第1の光放出領域LA1と同じ面積の領域となるように構成されている。
また、本実施形態において、蛍光体層26は、膜厚が50μmの矩形状に形成されている。蛍光体層26の膜厚としては、10μm〜500μmであることが好ましい。
なお、本実施形態では、第2の波長変換部として焼結体を用いたが、第2の波長変換部は、第1の波長変換部と同じ蛍光体含有樹脂によって構成することもできる。但し、第2の波長変換部を、無機材料からなる焼結体(蛍光体層26)によって構成することにより、樹脂で構成する場合と比べて、LED22の熱による劣化がないというだけではなく、LED22からの熱を効率良く放熱することも可能となる。これにより、高い信頼性と高い放熱特性を有するLEDモジュール20を実現することができる。
次に、第1の給電端子27及び第2の給電端子28について説明する。第1の給電端子27及び第2の給電端子28は、LED22を点灯させるための直流電圧を受電するためにLEDモジュール20外部の外部電源に接続するための接続端子であって、外部電源から受電した当該直流電圧をLED22に供給する給電端子である。本実施形態では、外部電源としてランプ内の点灯回路80から第1の給電端子27及び第2の給電端子28に対して直流電力が供給されることにより、配線24及びワイヤー25を介して各LED22に直流電力が供給される。これにより、LED22が発光(点灯)する。
図4(a)に示すように、本実施形態において、第1の給電端子27及び第2の給電端子28は、いずれも基板21の第1の主面21aに設けられており、第1の給電端子27と第2の給電端子28とは、基板21の長尺方向における一方の端部と他方の端部とに対向するようにして形成されている。なお、第1の給電端子27は、基板21における固定部材40側の端部に形成され、第2の給電端子28は、基板21における充填部材90側の端部に形成される。このように、第1の給電端子27と第2の給電端子28とを基板21の両端部に配置することにより、第1の給電端子27と第2の給電端子28との間の絶縁距離を確保することができるので、第1の給電端子27と第2の給電端子28との間で生じる放電等を防止することができる。
また、第1の給電端子27及び第2の給電端子28には、基板21を貫通する貫通孔27h及び28hが設けられている。貫通孔27h及び28hは、それぞれ第1のリード線71及び第2のリード線72の先端接続部分を挿入する箇所であって、図3に示すように、第1の給電端子27と第1のリード線71とを、また、第2の給電端子28を第2のリード線72とを、それぞれ半田102により電気的及び物理的に接続する接続部である。
このように構成される本実施形態に係るLEDモジュール20は、上述のとおり放出する光は白色光に設定されており、基板21の第1の主面21a側における第1の発光部では、封止部材23内の黄色蛍光体粒子(第1の波長変換材)が青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出し、第1の光放出領域LA1からは励起された黄色光と青色LEDチップの青色光とによって白色光が放出される。
一方、基板21の第2の主面21b側に向けて発光する第2発光部では、蛍光体層26内の黄色蛍光体粒子(第2の波長変換材)が基板21を透光した青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出し、第2の光放出領域LA2からも白色光が放出される。
そして、本実施形態に係るLEDモジュール20は、基板21が充填部材90及び固定部材40に支持されて充填部材90及び固定部材40に固定されている。すなわち、基板21は、立った状態で固定されており、少なくとも、第1の主面21aがグローブ10の開口部11の開口面と交差するようにして配置されている。
本実施形態では、図1及び図3に示すように、基板21は、縦置き配置となるように充填部材90及び固定部材40に固定されており、第1の主面21aがグローブ10の開口部11の開口面のなす平面と略直交するようにして配置されている。すなわち、固定部材40と基板21と充填部材90との並び方向(つまり上下方向)に対して基板21の第1の主面21aが略平行となるようにLEDモジュール20は配置されている。
この構成により、LEDモジュール20からの所定の光は、グローブ10の側周部方向に放出される。すなわち、第1の光放出領域LA1及び第2の光放出領域LA2からの所定の光は、グローブ10の側周部方向に放射状に放出する。これにより、LEDモジュール20をランプ光源とする全方位配光特性を実現することができる。なお、本実施形態では、第1の光放出領域LA1からの放出光と第2の光放出領域LA2からの放出光との光束は同程度となるように設定されている。
次に、口金30について説明する。図1〜図3に示すように、口金30は、LEDモジュール20のLED22を発光させるための電力を受電する受電部であって、本実施形態では、二接点によってランプ外部の交流電源(例えば、AC200Vの商用電源)から交流電圧を受電する。口金30で受電した電力はリード線を介して点灯回路80の電力入力部に入力される。口金30は、電球形ランプ1において1箇所のみに配置される。
口金30は、例えばE形であり、図3に示すように、その外周面には照明装置のソケットに螺合させるための螺合部が形成されている。また、口金30の内周面には、樹脂ケース60に螺合させるための螺合部が形成されている。なお、口金30は、金属性の有底筒体形状である。
本実施形態において、口金30はE26形の口金である。したがって、電球形ランプ1は、商用の交流電源に接続されたE26口金用ソケットに取り付けて使用される。なお、口金30は、必ずしもE26形の口金である必要はなく、E17形などの口金であってもよい。また、口金30は、必ずしもネジ込み形の口金である必要はなく、例えば差し込み形などネジ込み形とは異なる形状の口金であってもよい。
次に、固定部材40について説明する。図1〜図3に示すように、固定部材40は、LEDモジュール20をグローブ10内の所定の位置に固定するため部材であって、グローブ10の開口部11の近傍からグローブ10内に向かって延びるように構成されている。本実施形態において、固定部材40は、円柱形状であり、一端がLEDモジュール20に接続するように構成され、他端が支持部材50に接続されるように構成されている。
固定部材40の一端側の上面(LEDモジュール20側の面)には、溝部41が形成されている。溝部41は、溝幅がLEDモジュール20における基板21の板厚と同程度の長さとなるように構成されており、例えば、溝部41の形状は、基板21の端縁部と嵌合するような断面凹状の形状とすることができる。基板21は、その下側の短辺側の端縁部(第2固定領域FA2の一部又は全部)が当該溝部41に差し込まれることにより、固定部材40に固定されている。なお、固定部材40と基板21とは、溝部41周辺に塗布された接着剤等によって固着されている。
このように、本実施形態において、LEDモジュール20は、基板21が固定部材40の溝部41に差し込まれることによって固定部材40に固定されている。これにより、基板21の位置や向き(LEDモジュール20の位置や向き)を溝部41によって規制することができるとともに、グローブ10内にLEDモジュール20を安定して配置固定することができる。
なお、本実施形態では、固定部材40に溝部41を形成して、基板21と固定部材40とを固定したが、必ずしも溝部41を形成する必要はない。例えば、固定部材40の上面の平面部分に基板21の側面を当接させるようにして基板21を縦向きに配置して固着しても構わない。また、本実施形態では、固定部材40と基板21とは接着剤で固着したが、これに限らない。例えば、ねじ等によって固定部材40と基板21とを固定しても構わない。
また、固定部材40の他端側(LEDモジュール20と固定する側とは反対側)の下面は支持部材50の表面に当接されており、固定部材40の下面と支持部材50とは当該当接部分において固定されている。本実施形態では、固定部材40と支持部材50とは、支持部材50の裏面からねじをねじ込むことによって固定されている。なお、固定部材40と支持部材50との固定方法は、ねじに限らず、接着剤等による固着によって固定しても構わない。
さらに、固定部材40は、LEDモジュール20の基板21の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成されていることが好ましい。また、固定部材40は、ガラスの熱伝導率(1.0[W/m・K]程度)よりも大きい熱伝導率の材料で構成することが好ましく、例えば、金属材料又はセラミックス等の無機材料によって構成することができる。本実施形態において、固定部材40は、熱伝導率が237[W/m・K]であるアルミニウムで構成した。
このように、固定部材40の熱伝導率を基板21の熱伝導率よりも大きくすることにより、LEDモジュール20の熱は基板21を介して固定部材40に効率良く伝導する。これにより、LEDモジュール20の熱を口金30側に逃がすことができるので、温度上昇によるLED22の発光効率の低下及び寿命の低下を抑制することができる。
次に、支持部材50について説明する。図2及び図3に示すように、支持部材50は、グローブ10の開口部11の開口端11aに接続され、固定部材40を支持する部材である。また、支持部材50は、グローブ10の開口部11を塞ぐように構成されている。本実施形態において、支持部材50は、樹脂ケース60に嵌合されて固定されている。また、支持部材50には、第1のリード線71及び第2のリード線72を挿通するための2つの挿通孔が形成されている。
支持部材50は、LEDモジュール20の基板21の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成することが好ましい。また、支持部材50は、ガラスの熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成することが好ましく、例えば、金属材料又はセラミックス等の無機材料によって構成することができる。さらに、固定部材40の熱を支持部材50に効率良く伝導させるために、支持部材50の材料は、固定部材40の熱伝導率以上の熱伝導率の材料で構成することが好ましい。本実施形態において、支持部材50は、固定部材40と同じ材料によって、すなわち、熱伝導率が237[W/m・K]であるアルミニウムによって構成した。
このように、支持部材50を熱伝導率の大きい材料で構成することにより、固定部材40に熱伝導したLEDモジュール20の熱を支持部材50に効率良く伝導させることができるので、温度上昇によるLED22の発光効率の低下及び寿命の低下を抑制することができる。
また、本実施形態において、支持部材50は、円形の板状部材で構成され、第1支持部51と第2支持部52とからなる。支持部材50において、第2支持部52の直径は、第1支持部51の直径よりも大きくなるように構成されている。これにより、第1支持部51の周縁部と第2支持部52の周縁部との間には、段差部53が形成されている。なお、第1支持部51及び第2支持部52は一体成型されている。
図3に示すように、第1支持部51の上面(グローブ10側の面)には、固定部材40が固定されている。また、第2支持部52の側面には、樹脂ケース60の内面が当接している。段差部53には、グローブ10の開口部11の開口端11aが当接している。したがって、第2支持部52によってグローブ10の開口部11が塞がれている。また、段差部53において、支持部材50と樹脂ケース60とグローブ10の開口部11の開口端11aとは、接着材101によって固着されている。接着材101は、段差部53を埋めるようにして形成されている。
このように、支持部材50がグローブ10に接続されているので、支持部材50に伝導したLEDモジュール20の熱は、外囲器を構成するグローブ10に熱伝導し、グローブ10の外表面から大気中に放熱される。
また、支持部材50は樹脂ケース60にも接続されているので、支持部材50に伝導したLEDモジュール20の熱は、樹脂ケース60に熱伝導し、外囲器を構成する樹脂ケース60の外表面からも大気中に放熱される。
なお、グローブ10等を固着する接着材101としては、例えば、シリコーン樹脂からなる接着剤を用いることができるが、LEDモジュール20の熱を支持部材50からグローブ10及び樹脂ケース60に効率良く伝導させるために、高熱伝導率の接着材を用いることが好ましい。例えば、シリコーン樹脂に金属微粒子を分散させること等によって熱伝導率を高くすることができる。
次に、樹脂ケース60について説明する。図2及び図3に示すように、樹脂ケース60は、固定部材40と口金30とを絶縁するとともに点灯回路80を収納するための絶縁用のケースである。樹脂ケース60は、円筒状の第1ケース部61と、円筒状の第2ケース部62とからなる。
第1ケース部61は、内径が支持部材50の第2支持部52の外径とほぼ同じであり、支持部材50は第1ケース部61に嵌合されて固定される。第1ケース部61の外表面は外気に露出しているので、樹脂ケース60に伝導した熱は、主に第1ケース部61から放熱される。
第2ケース部62は、外周面が口金30の内周面と接触するように構成されており、本実施形態では、第2ケース部62の外周面には口金30と螺合するための螺合部が形成されており、この螺合部によって第2ケース部62は口金30に接触している。したがって、樹脂ケース60に伝導した熱は、第2ケース部62を介して口金30にも伝導し、口金30の外表面からも放熱する。
本実施形態において、樹脂ケース60は、第1ケース部61と第2ケース部62とが一体的に形成されており、射出成形によって作製することができる。また、樹脂ケース60は、ガラス繊維を5〜15%含有してなる熱伝導率が0.35[W/m・K]のポリブチレンテレフタレート(PBT)によって成形されている。
次に、第1のリード線71及び第2のリード線72について説明する。図1〜図3に示すように、第1のリード線71及び第2のリード線72は、LEDモジュール20を発光させるための電力をLEDモジュール20に給電する電線であり、表面には絶縁性樹脂被膜がコーティングされている。
第1のリード線71及び第2のリード線72は、支持部材50を挿通して配置されており、第1のリード線71及び第2のリード線の一方側端はLEDモジュール20に接続されており、また、第1のリード線71及び第2のリード線72の他方側端は、点灯回路80の電力出力部に電気的に接続されている。
図3に示すように、第1のリード線71の一方側端の導電性の先端接続部分は、基板21の下端部における第1の給電端子27の貫通孔27hに挿入されており、第1のリード線71と第1の給電端子27とは半田102によって電気的に接続されている。
また、第2のリード線72の一方側端の導電性の先端接続部分は、基板21の上端部にまで延設されて基板21の第2の給電端子28の貫通孔28hに挿入されており、第2のリード線72と第2の給電端子28とは半田102によって電気的に接続されている。
なお、基板21の上部にまで延設される第2のリード線72は、LEDモジュール20から放出される光を極力遮らないように、基板21の長辺側の側面に隣接させて当該側面に沿って配置することが好ましい。
次に、点灯回路80について説明する。図2及び図3に示すように、点灯回路80は、
LED22を点灯させるための回路であり、樹脂ケース60内に収納されている。点灯回路80は、複数の回路素子と、各回路素子を実装するための回路基板とを有する。
本実施形態において、点灯回路80は、口金30から受電した交流電力を直流電力に変換し、第1のリード線71及び第2のリード線72を介してLED22に当該直流電力を供給する。点灯回路80は、例えば、全波整流用のダイオードブリッジと、平滑用のコンデンサと、電流調整用の抵抗とによって構成することができる。
なお、電球形ランプ1は、必ずしも点灯回路80を内蔵する必要はない。例えば、照明器具あるいは電池などから直接直流電力が供給される場合には、電球形ランプ1は、点灯回路80を備えなくてもよい。また、点灯回路80は、平滑回路に限られるものではなく、調光回路、昇圧回路などを適宜選択、組み合わせることもできる。
以上、本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプ1によれば、LEDモジュール20において発生した熱を、点灯回路80が配置される固定部材40側から放熱させるだけでなく、その反対側の充填部材90側からグローブ10に伝導させて、グローブ10から放熱させることができる。これにより、口金30とは反対側へLEDモジュール20から生じた熱を逃がすことができ、特に点灯回路80へのLEDモジュール20の発熱によるダメージを軽減することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aについて、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aは、本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプ1と基本的な構成は同じである。したがって、図5において、図1〜図4に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aが、本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプ1と異なる点は、LEDモジュールの配置の仕方である。また、図5に示す、第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aのグローブ10の形状は、A形であり第1の実施形態とは異なるが、第1の実施形態と同様の長球形状であってもよい。
図5に示すように、本実施形態に係る電球形ランプ1Aでは、第1の実施形態のような固定部材40が設けられておらず、LEDモジュール20Aにおける基板21Aが充填部材90Aのみに固定されている。また、基板21Aは、第1の実施形態とは異なり水平方向に平行に配置され、基板21Aの第2の主面21bが充填部材90Aの下面に接着剤によって固着されている。また、図6に示す電球形ランプ1Bのように、基板21Aの第1の主面21aが充填部材90Bの下面に接着材によって固着されるようにしてもよい。なお、図6は、本発明の第2の実施形態の他の形態に係る電球形ランプの断面図である。
なお、図5、図6に示すような電球形ランプ1A、1Bにおいても、第1のリード線71A及び第2のリード線72Aを介して、点灯回路80から直流電力が供給される。また、第1のリード線71A及び第2のリード線72Aは、第1の実施形態における第1のリード線71及び第2のリード線72と同様の素材で構成されており、基本的な機能についても第1の実施形態と同様である。
また、充填部材90Aが充たされている部分においてグローブ10Aが分離できるような構造としてもよい。つまり、例えば、充填部材90Aの下面に沿った面を境界面としてグローブ10Aが上部と下部とに分離された形状となっており、グローブ10Aの上部が充填部材90Aと一体成形により半球状の部材として成形されるようにしてもよい。なお、この場合に、充填部材90Aの上部と充填部材90Aの下部とは、接着剤によって固着されるようにしてもよいし、螺合されるようにねじ切り構造が施されていてもよい。
このように、本実施形態では、LEDモジュール20Aの基板21Aの端部だけでなく第2の主面21bの全てが充填部材90Aと接触して接続されるため、より多くのLEDモジュール20において発生した熱を充填部材90Aに熱伝導させ、グローブ10Aから放熱させることができる。このため、点灯回路80とは反対側へLEDモジュール20Aから生じた熱を逃がすことができ、点灯回路80へのLEDモジュール20Aの発熱によるダメージを軽減することができる。
以上、本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aにおいても、第1の実施形態に係る電球形ランプ1と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電球形ランプ1Cについて、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る電球形ランプ1Cは、本発明の第1の実施形態の電球形ランプ1及び第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aと基本的な構成は同じである。したがって、図7において、図1〜図6に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。また、本発明の第3の実施形態に係る電球形ランプ1Cは、本発明の第2の実施形態の電球形ランプ1Aに構成が近いため第2の実施形態の電球形ランプ1Aをベースにして説明する。
本発明の第3の実施形態に係る電球形ランプ1Cが、本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aと異なる点は、充填部材90Cがグローブ10Aの中空空間全てを充填している点である。また、第3の実施形態に係る電球形ランプ1CのLEDモジュール20Aの配置の仕方は第2の実施形態のLEDモジュール20Aと同様である。なお、第3実施形態に係る電球形ランプ1Cでは、LEDモジュール20Aの配置の仕方は上述に限らずに、第1の実施形態に係る電球形ランプ1のLEDモジュール20のように縦向きに配置してもよい。
このように、本実施形態では、グローブ10Aの中空空間全てを充填部材90Cにより充填しているため、LEDモジュール20Aにおいて発生した熱のほとんどが充填部材90Aに熱伝導されることになる。充填部材90Cは、グローブ10Aと支持部材50との両方に接触しており、接触している面積の大きいグローブ10Aから特に熱を放熱させることができる。
以上、本発明の第3の実施形態に係る電球形ランプ1Cにおいても、第1の実施形態に係る電球形ランプ1と同様の効果を奏することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る電球形ランプ1Dについて、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第4の実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
本発明の第4の実施形態に係る電球形ランプ1Dは、本発明の第1の実施形態の電球形ランプ1及び第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aと基本的な構成は同じである。したがって、図8において、図1〜図6に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。また、本発明の第4の実施形態に係る電球形ランプ1Dは、本発明の第2の実施形態の電球形ランプ1Aに構成が近いため第2の実施形態の電球形ランプ1Aをベースにして説明する。
本発明の第4の実施形態に係る電球形ランプ1Dが、本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aと異なる点は、LEDモジュール20Aがグローブ10Aの上部分の下面に接着材としての充填部材90Dを介して接続されている点である。つまり、LEDモジュール20Aがグローブ10Aの内面に接着材としての充填部材90Dを介して直に接続されている。この場合の充填部材90Dは、第1の実施形態の充填部材90と同じ材料であってもよいし、例えば、熱伝導フィラーを添加したエポキシ樹脂系の接着材であってもよいし、透光性の高いUV硬化型接着材であってもよいし、シリコーン樹脂系の接着材であってもよい。
なお、図8に示すような電球形ランプ1A、1Bにおいても、第1のリード線71D及び第2のリード線72Dを介して、点灯回路80から直流電力が供給される。また、第1のリード線71D及び第2のリード線72Dは、第2の実施形態における第1のリード線71A及び第2のリード線72Aと同様の素材で構成されており、基本的な機能についても第2の実施形態と同様である。
このように、本実施形態では、接着材としての充填部材90Dを介してLEDモジュール20Aがグローブ10Aの内面に直に接続されているため、LEDモジュール20Aにおいて発生した熱をグローブ10Aに熱伝導させて、グローブ10Aから熱を放熱させることができる。
以上、本発明の第4の実施形態に係る電球形ランプ1Dにおいても、第1の実施形態に係る電球形ランプ1と同様の効果を奏することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る電球形ランプ1Eについて、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第5の実施形態に係る電球形ランプの断面図である。
本発明の第5の実施形態に係る電球形ランプ1Eは、本発明の第1の実施形態の電球形ランプ1及び第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aと基本的な構成は同じである。したがって、図9において、図1〜図6に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。また、本発明の第5の実施形態に係る電球形ランプ1Eは、本発明の第2の実施形態の電球形ランプ1Aに構成が近いため第2の実施形態の電球形ランプ1Aをベースにして説明する。
本発明の第5の実施形態に係る電球形ランプ1Eが、本発明の第2の実施形態に係る電球形ランプ1Aと異なる点は、LEDモジュール20Aが、グローブ10Aの上部分の下面から伸びる支柱部材92の下面に接続されている点である。支柱部材92は、柱状部材であり、グローブ10Aの中空空間の上部を充填する充填部材90Eに埋めこまれている。つまり、支柱部材92を介してはいるが、充填部材90Eは、LEDモジュール20Aを挟んで口金30とは反対側において、グローブ10Aと基板21Aとを熱的に接続する。なお、支柱部材92は、透光性を有する材料であって、例えば、ガラス、多結晶アルミナ(PCA)などであることが好ましい。充填部材90Eは、支柱部材92の上下方向における長さの半分の位置よりも下側であって支柱部材92の下面よりも上側に充填部材90Eの下面が形成されるように、グローブ10Aの中空空間の上部を充填する。また、これに限らずに、図10に示す電球形ランプ1Fのように、充填部材90Fは、支柱部材92の上下方向における長さの半分の位置よりも上側に下面が形成されるように、グローブ10Aの中空空間の上部を充填してもよい。
このように、本実施形態では、LEDモジュール20Aの基板21Aが充填部材92よりも熱伝導率の大きい支柱部材92に接続されているため、支柱部材92にLEDモジュール20Aにおいて発生した熱を一旦伝えている。そして、支柱部材92は、グローブ10Aの中空空間の上部において充填部材90E、90Fに埋め込まれているため、LEDモジュール20Aから支柱部材92に伝わった熱を、充填部材90Eを介してグローブ10Aに広い面積において熱を伝えることができる。また支柱部材92から直接グローブ10Aに熱を伝えている。このため、点灯回路80とは反対側へLEDモジュール20Aから生じた熱を効率よく逃がすことができ、点灯回路80へのLEDモジュール20Aの発熱によるダメージを軽減することができる。
以上、本発明に係る電球形ランプについて、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明は、このような電球形ランプとして実現することができるだけでなく、このような電球形ランプを備える照明装置としても実現することができる。以下、本発明の一態様に係る照明装置200について、図11を参照しながら説明する。図11は、本発明の実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
図11に示すように、本発明の実施形態に係る照明装置200は、例えば、室内の天井300に装着されて使用され、上記の本発明の第1の実施形態に係る電球形ランプ1と、点灯器具220とを備える。
点灯器具220は、電球形ランプ1を消灯及び点灯させるものであり、天井300に取り付けられる器具本体221と、電球形ランプ1を覆うランプカバー222とを備える。
器具本体221は、ソケット221aを有する。ソケット221aには、電球形ランプの口金30が螺合される。このソケット221aを介して電球形ランプ1に電力が供給される。
なお、図11に示す照明装置200は、1つの電球形ランプ1を備えているが、複数の電球形ランプ1を備えるように構成してもよい。また、照明装置200に装着される電球形ランプとしては、第1の実施形態に係る電球形ランプ1に限らず、他の実施形態に係る電球形ランプを用いても構わない。
また、本発明に係る電球形ランプを適用する照明装置としては、図11に示すような照明装置200に限らない。例えば、本発明に係る電球形ランプ1等を、図12に示すようなシャンデリア型の照明装置に適用しても構わない。
なお、図11及び図12で示した照明装置は一例であって、本発明に係る照明装置としては、電球形ランプを保持するとともに電球形ランプに電力を供給するためのソケットを少なくとも備えればよい。
また、上記の実施形態では、充填部材90はアクリル等の透明樹脂によって構成されているが、樹脂に限らずに、LEDモジュール20の基板21の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成することが好ましい。
また、上記の実施形態では、充填部材90、90A〜90Fは透光性を有する材料により構成しているが、基板21、21Aを熱的に接続する部材であれば、透光性を有する必要はない。
また、上記の実施形態では、グローブ10の中空空間の上部に透光性を有する充填部材90を充填しているが、充填部材90にレンズの集光効果を持たせるようにグローブ10の上部の形状をレンズの形状(例えば凸レンズ)にすることにより、例えばスポットライトなどに利用してもよい。このように、充填部材90が配置される部分の形状を様々な形状とすることにより、LEDモジュール20からの光の分布を調整するようにしてもよい。また、充填部材90を同一の材料ではなく屈折率の異なる材料を採用することにより、LEDモジュール20からの光の分布を調整するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、支持部材50は樹脂ケース60に収納されるように構成されているが、これに限らない。例えば、支持部材50の一部を外気に露出するように構成しても構わない。より具体的には、図3において、支持部材50の第2支持部52の厚みを大きくし、第2支持部52の側面を露出させるように構成することができる。
このように、支持部材50の一部を露出させることにより、固定部材40から支持部材50に伝導したLEDモジュール20の熱を、支持部材50の露出部分から直接外気(大気中)に放熱させることができるので、放熱性を向上させることができる。さらに、この場合、アルミニウムで構成される支持部材の露出部分は、放熱性を向上させるためにアルマイト加工を施すことが好ましい。
また、上記の実施形態では、LEDモジュールは、LEDの光が波長変換された光を所定の光として放出するように構成したが、これに限らない。例えば、LEDが発する光そのものを所定の光として放出するように構成しても構わない。この場合、LEDを封止する封止部材に蛍光体粒子を含有させないように構成するとともに、焼結体膜を形成しないように構成すればよい。
また、上記の実施形態では、半導体発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ及び有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施形態に施したもの、または異なる実施形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。