以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るランプ100の外観を示す斜視図である。なお、図1においては筺体110の一部を切り欠いてランプ100の内部が示されている。
図1において、X,Y,Z方向の各々は、互いに直交する。以下の図に示されるX,Y,Z方向の各々も、互いに直交する。
図1を参照して、ランプ100は、筺体110と、2つの口金201と、一対の口金ピン202と、複数のLEDモジュール300とを備える。ランプ100は、光を照射するランプである。
まず、本実施形態に係る筺体110について簡単に説明する。
図2は、第1の実施形態に係る筺体110の斜視図である。
図3は、第1の実施形態に係るランプ100の断面図である。具体的には、図3は、Y軸およびZ軸を含むYZ平面に沿った、ランプ100の断面図である。
図1、図2および図3を参照して、筺体110は、LEDモジュール300を収納するための中空の筐体(外囲器)である。筺体110の形状は、長尺状である。筺体110の両端部には開口部が形成される。
筺体110は、第1筺体200と、第2筺体400とから構成される。第1筺体200および第2筺体400の各々は、該筺体110の長手方向に沿って延びる。以下においては、筺体110の長手方向を、筺体長手方向ともいう。
第1筺体200は、透光性を有するプラスチックから構成される。なお、第1筺体200は、プラスチックに限定されず、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等により構成されてもよい。
第1筺体200の形状は、第1筺体200の長手方向の一端から他端まで、同じ形状(図3に示される形状)が続く形状である。また、第2筺体400の形状は、第2筺体400の長手方向の一端から他端まで、同じ形状(図3に示される形状)が続く形状である。
図3に示されるように、第1筺体200の断面形状は、略楕円弧形状である。第1筺体200の厚みは、例えば、0.7[mm]である。
また、第1筺体200の外面又は内面には拡散処理が施されていることが好ましい。これにより、LEDモジュール300が発する光を拡散させることができる。拡散処理としては、例えば、第1筺体200の内面にシリカや炭酸カルシウム等を塗布する方法、第1筐体200の材料に拡散材を分散したポリカーボネート等の樹脂材を用いる方法等がある。
図4は、第1の実施形態に係る第2筺体400の斜視図である。
図3および図4を参照して、第2筺体400は、凸部420を有する。凸部420は、第2筺体400の一部が前記筺体110の内側に向かって突出した部分である。第2筺体400の凸部420は、平坦な平面部421を有する。すなわち、前記平面部421は、前記凸部420の一部である。平面部421は、筺体長手方向に沿って延びる。
平面部421には、複数のLEDモジュール300が筺体長手方向に沿って直線状に載置される。平面部421には、複数のLEDモジュール300が、熱伝導率の高い接着材等により固定される。
なお、各LEDモジュール300の基板310は、導電性のねじ部材等により、平面部421に固定されてもよい。
次に、LEDモジュール300について説明する。
図5は、第1の実施形態に係るLEDモジュール300の平面図である。LEDモジュール300は、COB型(Chip On Board)の発光モジュールである。LEDモジュール300は、ライン状(線状)に光を発するライン状光源である。
図5を参照して、LEDモジュール300は、基板310と、発光部320とを備える。
基板310は、筺体長手方向に延びる長尺矩形状の基板である。
基板310は、例えば、セラミック基板である。当該セラミック基板は、アルミナ又は透光性の窒化アルミニウムからなる。
なお、基板310は、セラミック基板に限定されず、樹脂基板、ガラス基板、可撓性のフレキシブル基板、アルミニウム基板等であってもよい。
ここで、基板310の長手方向の長さをL1とし、短手方向の長さをL2とする。この場合、L1およびL2は、一例として、10≦L1/L2なる関係式により規定される。すなわち、L1は、L2の10倍以上である。
本実施形態に係る基板310の各種サイズは、一例として、長辺(長手方向の長さ)が140[mm]、短辺(短手方向の長さ)が5.5〜7[mm]、厚みが1[mm]である。
基板310の主面には、光を発する発光部320が設けられる。以下、本明細書において、基板310の主面とは、発光部320が設けられる面とする。
具体的には、基板310の主面において、発光部320は、基板310の長手方向の両端縁まで形成されている。すなわち、発光部320は、基板310の一方の短辺の端面から対向する他方の短辺の端面まで途切れることなく形成されている。
発光部320は、複数のLED321と、封止部材322とから構成される。
複数のLED321は、基板310の長手方向に沿って基板310の主面に直線状に実装される。本実施形態では、一例として、各基板310に24個のLED321が実装されている。
LED321は、単色の可視光を発するベアチップである。各LED321は、ダイアタッチ材(ダイボンド材)により、基板310に接着される。LED321は、一例として、青色光を発光する青色LEDチップである。青色LEDチップは、InGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子である。
発光部320に含まれる複数のLED321は、基板310の表面に形成された後述の配線330により電気的に直列接続される。以下においては、発光部320に含まれる複数のLED321を、総括的に、発光部内LED群という。
なお、発光部内LED群を構成する複数のLED321の全ては、直列接続されてなくてもよい。例えば、発光部内LED群を構成する24個のLED321は、電気的に並列接続された3組のLED群から構成されてもよい。この場合、当該3組のLED群の各々を構成する8個のLED321は、電気的に直列接続される。
封止部材322は、1つの基板310に実装される全てのLED321を一括封止する。基板310の主面において、封止部材322は、基板310の長手方向の両端縁まで形成されている。すなわち、封止部材322は、基板310の一方の短辺の端面から対向する他方の短辺の端面まで途切れることなく形成されている。
なお、直線状の封止部材322(発光部320)は、基板310の短手方向の中心を通る直線上に形成される。なお、これに限定されず、封止部材322(発光部320)は、基板310の短手方向の中心を通る直線よりも一方の長辺側に寄って形成されてもよい。
封止部材322の形状は、断面が上に凸の略半円状のドーム形状である。また、封止部材322は、波長変換体である蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂である。また、封止部材322は、LED321からの光を波長変換する波長変換層である。
また、波長変換層は、光の波長を変換するための光波長変換体を備える。本実施形態において、波長変換層である封止部材322は、光波長変換体として蛍光体を備える。
従って、封止部材322は、LED321の光を励起する蛍光体微粒子を含む蛍光体層である。なお、蛍光体微粒子として黄色蛍光体微粒子が用いられており、これをシリコーン樹脂に分散させることによって蛍光体含有樹脂が構成されている。
黄色蛍光体粒子は、一例として、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体材料である。なお、黄色蛍光体粒子は、YAG系蛍光体材料に限定されず、例えば、シリケート系蛍光体材料であってもよい。
以上のとおり、発光部320は、青色LEDチップとしての複数のLED321と黄色蛍光体粒子が含有された封止部材322とからなる。そのため、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出する。これにより、発光部320からは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光とによって白色光が放出される。
LEDモジュール300は、さらに、配線330と、静電保護素子340と、2つの電極端子350と、ワイヤ331とを備える。
配線330は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線である。配線330は、基板310の主面にパターン形成されている。
2つの電極端子350の各々は、配線330と電気的に接続される。
静電保護素子340は、例えばツェナーダイオードである。静電保護素子340は、基板310上に生じる逆方向極性の静電気によってLED321が破壊されることを防止する。静電保護素子340は、複数のLED321と配線330により電気的に接続される。
電極端子350は、基板310の主面に形成される。電極端子350は、外部電源から直流電力を受電するとともにLED321に直流電力を給電するための受給電部(外部接続端子)である。電極端子350は、配線330と電気的に接続されている。
例えば、電極端子350からLED321に直流電流が供給されることにより、LED321が発光し、LED321から所望の光が放出される。
なお、本実施形態において、2つの電極端子350は、封止部材322を基準として基板310の一方の長辺側に片寄せられている。
ワイヤ331は、隣接するLED321および配線330を電気的に接続するための電線である。ワイヤ331は、例えば、金ワイヤである。LED321の上面には電流を供給するためのp側電極及びn側電極が形成されている。p側電極及びn側電極の各々と配線330とがワイヤ331によってワイヤボンディングされている。
図6は、複数のLEDモジュール300を示す平面図である。
前述したように、平面部421には、図6のように複数のLEDモジュール300が筺体長手方向に沿って直線状に載置される。
すなわち、複数のLEDモジュール300は筺体110内に配置される。つまり、LEDモジュール300の基板310は、前記筺体110内に配置され、半導体発光素子(LED321)が実装された基台である。
具体的には、複数のLEDモジュール300は、第2筺体400の平面部421に載置される。すなわち、基台としての基板310は、第2筺体400の平面部421に載置される。つまり、基台としての基板310は、第2筺体400に載置(接続)される。
また、図6に示すように、各隣接する2つのLEDモジュール300のうち、一方のLEDモジュール300の電極端子350と、他方のLEDモジュール300の電極端子350とが、配線10によって電気的に接続される。
これにより、平面部421上の複数のLEDモジュール300における複数のLED321は直列接続される。なお、配線10は、例えば、絶縁被膜された導線からなるリード線等の導電部材からなる。
次に、口金について説明する。
筺体110の両端部には、2つの口金201が設けられる。口金201の形状は、筺体110の開口部を閉塞する形状である。
口金201には、一対の口金ピン202が固定される(設けられる)。口金ピン202は、導電性の金属からなる。
なお、ランプ100の内部又は外部には、2つの口金201の一方または両方を利用して、給電を受けてLEDモジュール300のLEDを発光させるための点灯回路(不図示)が設置される。点灯回路は、例えば、4個のツェナダイオードを用いたダイオードブリッジからなる整流回路で構成することができる。
本実施形態に係るランプ100は、2つの口金201のうち、一例として、一方の口金201を利用して、LEDモジュール300へ電力が供給される。この場合、当該一方の口金201内には、図示しない点灯回路が設けられる。また、この場合、2つの口金201のうち他方の口金201は、照明器具に装着するために使用される。
また、この場合、当該一方の口金201は、外部の商用の交流電源から口金ピン202を介して、半導体発光素子(LED321)の発光に利用される電力(交流電力)を受電する。すなわち、当該一方の口金201には、外部から交流電力が供給される。すなわち、当該一方の口金201の口金ピン202は、外部の商用の交流電源から前記交流電力を受電するためのピンである。
なお、点灯回路は、複数のLEDモジュール300に電力を供給可能なように、複数のLEDモジュール300と電気的に接続される。
この場合、点灯回路には、該点灯回路を収容する口金201に最も近い箇所に載置されるLEDモジュール300の電極端子350と配線により電気的に接続される。また、点灯回路には、該点灯回路を収容する口金201から最も遠い箇所に載置されるLEDモジュール300の電極端子350と電気的に接続される配線であって、第2筺体400において筺体長手方向に沿って引き回される配線が接続される。
なお、LEDモジュール300への電力供給は、1つの口金に限定されず、2つの口金201の両方が用いられてもよい。
次に、本実施形態に係る筺体110について、さらに詳細に説明する。
前述したように、筺体110は、第1筺体200と、第2筺体400とから構成される。
第2筺体400は、プレス加工等により、長尺状の金属板を、図3および図4に示される形状に、塑性変形させたものである。第2筺体400は、アルミニウムで構成される。第2筺体400の厚みは、例えば、0.3〜1[mm]である。
この構成により、第2筺体400は、弾性変形するように構成される。特に、図3の第2筺体400のうち、領域R10の部分が最も弾性変形するように構成される。第2筺体400のうち、領域R10の部分の厚みは、他の部分(例えば、凸部420)の厚みよりも薄くなるように形成されることが好ましい。これにより、第2筺体400のうち、領域R10の部分を容易に弾性変形させることができる。さらに、凸部420の部分を厚くすることで第2筐体400の長手方向の変形に対する強度を高めるとともに、LEDモジュール300の熱を第2筐体400に放熱しやすくできる。
なお、第2筺体400は、アルミニウムに限定されず、プレス加工等により塑性変形させることが可能な他の材料であってもよい。
また、第2筺体400の生成は、プレス加工に限定されず、金属板を、図3および図4に示される形状に塑性変形させることが可能な他の加工であってもよい。
図3および図4を参照して、第2筺体400は、2つの屈曲部410を有する。屈曲部410は、該第2筺体400の短手方向の2つの端部の各々が筺体110の内側に屈曲した部分である。
第1筺体200は、前述したように、プラスチックから構成される。そのため、第1筺体200は、弾性変形するように構成される。
図2および図3に示すように、第1筺体200の短手方向の2つの端部210は、それぞれ、第2筺体400の2つの屈曲部410の凹部に嵌合される。すなわち、前記第1筺体200の短手方向の端部210は、第2筺体400の前記屈曲部410に嵌合される。
つまり、前記筺体110は、前記第1筺体200の短手方向の端部210と、前記第2筺体400の短手方向の端部とが嵌合することにより、前記第1筺体200と前記第2筺体400とが一体化したものである。
なお、各端部210における最端部の形状は略円弧形状である。また、各屈曲部410における最端部の形状は略円弧形状である。
これにより、第1筺体200と第2筺体400との一体化の際に、第1筺体200に加えることが必要な力を軽減することができる。
また、前述したように、発光部320が設けられる基板310は、第2筺体400の前記平面部421に載置(接続)される。すなわち、前記第1筺体200は、第2筺体400よりも半導体発光素子(LED321)からの光照射側に配置される。
また、前記第2筺体400は、基台としての基板310の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成される。第2筺体400は、一例として、熱伝導率が237[W/m・K]であるアルミニウムで構成される。
なお、例えば、基板310がアルミナセラミックで構成されている場合、基板310の熱伝導率は、32[W/m・K]である。また、例えば、基板310が窒化アルミナセラミックで構成されている場合、基板310の熱伝導率は150[W/m・K]である。
このように、第2筺体400は、基台としての基板310の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成される。そのため、発光部320の発光時に発する熱は、基板310を介して、第2筺体400に効率よく伝達する。
また、第2筺体400は、長尺状の金属板を、図3および図4に示される形状に、塑性変形させたものである。そのため、外気に触れる、第2筺体400の外側表面の面積をなるべく大きくすることができる。
したがって、発光部320に含まれるLED321の発光時の熱を筺体110の外側の大気に効率よく放熱することができる。すなわち、半導体発光素子(LED321)で発生する熱を効率よく放熱することができる。
したがって、温度上昇によるLED321の発光効率の低下及び寿命の低下を抑制することができる。
ここで、図3に示されるように、前記筺体110の内径をd1とする。また、前記第2筺体400の内面のうちLED321からの光照射側と反対側の部分の底部から、前記第2筺体400の短手方向の端部までの高さをh1とする。
この場合、d1およびh1は、以下の関係式としての式1により規定される。
h1≦(d1)/2 ・・・(式1)
式1より、すなわち、d1は、h1の2倍以上である。
ここで、発光部320におけるLED321が発する光の光度分布は、LED321の光軸となす角度(α)の余弦(cosα)に比例するランバーシアンの配光分布を持つ。
そのため、LED321からの射出光の1/2ビーム角はおおよそ120度となる。なお、1/2ビーム角とは、発光面から出る光の最大光度の1/2の光度となる方向を定め、その方向と光軸とがなす角度の2倍の角度として定義される。
ここで、光軸とは、放射される光のうち、最も強い光の位置と光源の位置とを仮想的に結ぶ軸である。例えば、LED321の配光性を示す軸が、LED321の光軸である。
第2筺体400の短手方向の端部および凸部420の高さは、LED321からの射出光の1/2ビーム角の範囲内に達しないように構成される。すなわち、第2筺体400の短手方向の端部は、半導体発光素子としてのLED321からの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。言い換えれば、第2筺体400の短手方向の端部が、LED321からの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられるように凸部420の高さは規定される。
この構成により、ランプ100が発する全光束を十分に確保することができる。
次に、本実施形態に係る第1筺体200と第2筺体400とを一体化させるときの工程について説明する。
図7は、第1筺体200と第2筺体400とが一体化されていない場合における、YZ平面に沿った第1筺体200および第2筺体400の断面図である。
図7を参照して、ここで、第1筺体200の一方の端部210と、第1筺体200の他方の端部210との距離をw1とする。また、第2筺体400の一方の屈曲部410の凹部と、第2筺体400の他方の屈曲部410の凹部との距離をw2とする。
この場合、w1<w2が満たされるように、第1筺体200および第2筺体400は形成される。
なお、上記に限定されず、第1筺体200および第2筺体400は、w1=w2が満たされるように形成されてもよい。
図8は、第1筺体200と第2筺体400とを一体化させるときの工程を説明するための図である。第1筺体200と第2筺体400とを一体化させるときの工程とは、筺体110を組み立てるときの工程である。
図8(a)〜図8(c)は、YZ平面に沿った第1筺体200および第2筺体400の断面図である。
まず、図8(a)に示されるように、第2筺体400の底面を作業台等に固定した状態で、第1筺体200の2つの端部210を、それぞれ、2つの屈曲部410に接触させる。
そして、図8(a)に示されるように、2つの端部210を、それぞれ、2つの屈曲部410に接触させた状態で、第1筺体200を、第2筺体400側に向かって押さえる。この場合、図8(b)に示されるように、第1筺体200における各端部210および該各端部210の近傍部分は、第1筺体200の外側の方向に向かって弾性変形する。
また、図8(b)に示されるように、第1筺体200が弾性変形すると同時に、第2筺体400における各屈曲部410および各屈曲部410の近傍部分は、第2筺体400の内側の方向に向かって弾性変形する。
なお、前述したように、各端部210における最端部の形状および各屈曲部410における最端部の形状は略円弧形状である。そのため、端部210と屈曲部410とが接触する部分の面積を小さくすることができる。その結果、端部210と屈曲部410とが接触した状態で第1筺体200を押さえることによって生じる応力により、第1筺体200および第2筺体400を容易に弾性変形させることができる。
図8(b)に示されるように、第1筺体200および第2筺体400が弾性変形した状態で、第1筺体200を第2筺体400側に向かって押さえると、第1筺体200および第2筺体400に加わっていた応力が開放され、弾性変形していた第1筺体200および第2筺体400の状態が元に戻る。弾性変形していた第1筺体200および第2筺体400の状態が元に戻るとき、該第1筺体200および第2筺体400に復元力が生じる。その結果、図8(c)に示されるように、第1筺体200の各端部210は、第2筺体400の各屈曲部410の凹部に嵌合する。
以上の工程により、第1筺体200および第2筺体400に生じる復元力により、第1筺体200と第2筺体400とが一体化する。すなわち、以上の工程により、筺体110を組み立てることができる。
前述したように、第1筺体200および第2筺体400は、弾性変形するように構成されている。そのため、筺体110の組み立てを容易にすることができる。
また、前述したように、第1筺体200と第2筺体400とが一体化されていない状態において、w1<w2が満たされるように、第1筺体200および第2筺体400は形成される。
そのため、第1筺体200と第2筺体400とが一体化した状態において、第1筺体200には筺体110の内側に向かって応力が発生し、第2筺体400には筺体110の外側に向かって応力が発生する。したがって、第1筺体200の各端部210を、第2筺体400の各屈曲部410の凹部に強固に嵌合することができる。
なお、第1筐体200の端部210と第2筐体400の屈曲部410との密着性、気密性を高めるために、端部210と屈曲部410との間に接着部材や樹脂シート部材を挟んでもよい。
以上、第1の実施形態に係るランプ100によれば、第2筺体400は、基台としての基板310の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成される。そのため、基板310に形成される発光部320に含まれるLED321の発光時の熱を、第2筺体400を介して、筺体110の外側の大気に効率よく放熱することができる。すなわち、半導体発光素子(LED321)で発生する熱を効率よく放熱することができる。
また、基板310が載置される第2筺体400は、長尺状の金属板を、図3および図4に示される形状に、塑性変形させたものである。したがって、基板310を載置する長尺状の第2筺体400の形状を、例えば、断面が略半円の形状とした場合よりも、大幅に軽量化することができる。その結果、ランプ100の大幅な軽量化を実現することができる。
また、第1筺体200および第2筺体400は、弾性変形するように構成されている。そのため、筺体110の組み立てを容易にすることができる。
なお、本実施形態では、第1筺体200および第2筺体400の両方が弾性変形するように構成したが、第1筺体200および第2筺体400の一方のみを弾性変形するように構成してもよい。
例えば、第1筺体200を弾性変形しないように構成し、第2筺体400を弾性変形するように構成したとする。この場合、上記の第1筺体200と第2筺体400とを一体化させるための工程において、第2筺体400のみが弾性変形することにより、第1筺体200と第2筺体400とが一体化する。
また、第1筺体200および第2筺体400は、w1=w2が満たされるように形成されてもよい。
この場合、第1筺体200と第2筺体400とを一体化させるための工程では、第2筺体400の底面を作業台等に固定した状態で、第1筺体200の端部210と第2筺体400の屈曲部410の凹部とが嵌合するように、第2筺体400の長軸方向の一方の端部から他方の端部に向かって、第1筺体200をスライドさせてもよい。この方法によっても、第1筺体200と第2筺体400とを容易に一体化することができる。すなわち、筺体110の組み立てを容易にすることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る照明装置について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る照明装置600の構成を示す斜視図である。
照明装置600は、ランプ60と、照明器具610とを備える。
照明器具610は、一対のソケット611と、器具本体612と、図示しない回路ボックス(図外)とを備える。
一対のソケット611は、ランプ60と電気的に接続される。一対のソケット611は、ランプ60を保持する。器具本体612には、ソケット611が取り付けられている。
器具本体612の内面612aは、ランプ60から発せられた光を所定方向(例えば、下方向)に反射させる反射面である。
回路ボックスは、その内部に、スイッチ(図外)がオン状態ではランプ60に給電し、オフ状態では給電しない点灯回路を収納する。
照明器具610は、天井等に固定具を介して装着される。
ランプ60は、前述の第1の実施形態に係るランプ100である。
<その他の変形例>
次に、上述した本発明の実施形態に係るランプの変形例について、以下に説明する。なお、以下の各変形例は、第2の実施形態に係る照明装置に適用することもできる。
<変形例A>
なお、上記の実施形態では、基板310の短手方向の端部は、第2筺体400に当接しない構成としたがこれに限定されない。図10に示されるように、第1筺体200と第2筺体400とが一体化した状態において、基板310の短手方向の両端部が、第2筺体400のうち、領域R10の部分に当接するように、基板310の幅を長くしてもよい。
この構成により、第2筺体400のうち、2箇所の領域R10の部分で基板310が挟まれる。そのため、基板310(LEDモジュール300)を強固に固定することができる。また、この構成により、第2筺体400により基板310の短手方向の両端部を挟む位置を規制することができる。さらに、基板310の短手方向の端部の上面が屈曲部410に当接するとことで、基板310の裏面を平面部421に押し当てることができる。
<変形例B>
図11は、変形例Bに係る第2筺体400Aの斜視図である。
図11に示されるように、第2筺体400Aは、図4の第2筺体400と比較して、第2筺体400の屈曲部410および該屈曲部410の近傍部分に、複数の切り欠き部430が形成されている点が異なる。それ以外の第2筺体400Aの構成は、第2筺体400と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
すなわち、第2筺体400Aの短手方向の端部には、切り欠き部430が形成される。この構成により、第2筺体400Aを、第2筺体400より弾性変形しやくすることができる。
第2筺体400Aは、第1の実施形態において、第2筺体400の代わりに使用される。
したがって、第1筺体200と第2筺体400Aとの一体化をさらに容易にすることができる。すなわち、筺体110の組み立てをさらに容易にすることができる。
<変形例C>
第2筺体400は凸部420を有する構成としたが、凸部420が設けられない構成としてもよい。
変形例Cに係るランプは、図1のランプ100と比較して、筺体110の代わりに筺体110Aを備える点が異なる。変形例Cに係るランプのそれ以外の構成は、ランプ100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
図12は、変形例Cに係る筺体110Aの断面図である。
図12に示されるように、筺体110Aは、図3の筺体110と比較して、第2筺体400の代わりに第2筺体400Aを含む点が異なる。それ以外の筺体110Aの構成は、と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
第2筺体400Aは、図3の第2筺体400と比較して、凸部420が設けられていない点が異なる。それ以外の第2筺体400Aの構成は、第2筺体400と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
第2筺体400Aの内側の底面には、第2筺体400Aの長手方向に沿って複数のLEDモジュール300が載置される。すなわち、第2筺体400Aの内側の底面には、第2筺体400Aの長手方向に沿って複数の基板310が載置される。
第2筺体400と同様に、第2筺体400Aの短手方向の端部の高さは、LED321からの射出光の1/2ビーム角の範囲内に達しないように構成される。すなわち、前記第2筺体400Aの短手方向の端部は、前記半導体発光素子としてのLED321からの射出光の1/2ビーム角の範囲外の領域に設けられる。
<変形例D>
上記の実施形態では、第2筺体400において配線を引き回す構成としたがこの構成に限定されない。例えば、基板の内部に配線を設ける構成としてもよい。
変形例Dに係るランプは、図1のランプ100と比較して、複数のLEDモジュール300の代わりに、複数のLEDモジュール300Aを備える点が異なる。変形例Dに係るランプのそれ以外の構成は、ランプ100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
図13は、変形例Dに係るLEDモジュール300Aを説明するための図である。
図13(a)は、LEDモジュール300Aの平面図である。なお、図13(a)には、図の簡略化のため、LEDモジュール300Aに設けられる静電保護素子340等は示されない。
図13(b)は、LEDモジュール300Aの断面図である。具体的には、図13(b)は、図13(a)のV−V’線に沿ったLEDモジュール300Aの断面図である。
図13(a)および図13(b)を参照して、LEDモジュール300Aは、図2のLEDモジュール300と比較して、基板310の代わりに基板310Aを備える点と、2つの電極端子360をさらに備える点とが異なる。LEDモジュール300Aのそれ以外の構成は、LEDモジュール300と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
基板310Aは、複数の基板が積層して構成される多層基板である。基板310Aは、基板310と比較して、2つの電極端子360、2つのビア361および配線362が形成されている点が異なる。基板310Aのそれ以外の構成は、基板310と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
基板310Aの主面に形成される発光部320は、図示しない複数のLED321と、図示しない封止部材322とから構成される。発光部320に含まれる複数のLED321は、図示しない配線により電気的に直列接続される。
前述したように、発光部320に含まれる複数のLED321を、発光部内LED群という。
なお、発光部内LED群を構成する複数のLED321の全ては、直列接続されてなくてもよい。
発光部内LED群を構成する複数のLED321の両端に位置する2つのLED321は、それぞれ、2つの電極端子350と電気的に接続される。すなわち、2つの電極端子350の間には、電気的に接続される複数のLED321が設けられる。
また、基板310Aの内部には配線362が形成される。配線362は、例えば、銅からなる配線である。
また、基板310Aの主面には、2つの電極端子360が形成される。2つの電極端子360には、それぞれ、2つのビア361が形成される。各ビア361は、配線362と電気的に接続される。
すなわち、2つの電極端子360は、ビア361および配線362により電気的に接続される。
図13(c)は、複数のLEDモジュール300Aを示す平面図である。
図13(c)に示されるように、変形例Dに係る複数のLEDモジュール300Aは、第2筺体400の平面部421において、第2筺体400の長手方向に沿って直線状に配置される。
また、図13(c)に示されるように、各隣接する2つのLEDモジュール300Aのうち、一方のLEDモジュール300Aの電極端子350と、他方のLEDモジュール300Aの電極端子350とが、配線10によって電気的に接続される。
また、各隣接する2つのLEDモジュール300Aのうち、一方のLEDモジュール300Aの電極端子360と、他方のLEDモジュール300Aの電極端子360とが、配線10によって電気的に接続される。
また、変形例Dに係るランプに含まれる複数のLEDモジュール300Aのうち、点灯回路が設けられた口金201に最も近い箇所に載置されるLEDモジュール300Aの電極端子350,360は、直流電力を供給する点灯回路に電気的に接続される。
上記構成により、複数のLEDモジュール300Aにおける複数のLED321は直列接続される。したがって、複数のLEDモジュール300Aにおける複数のLED321に、直流電力を供給可能な構成とすることができる。
また、基板310Aの内部に配線362を設ける構成とすることにより、変形例Dに係るランプでは、第1の実施形態のように、第2筺体400において配線を引き回す必要がない。そのため、変形例Dに係るランプの製造工程を簡略化することができる。
<変形例E>
上記実施形態において、LEDモジュール300は基板310上にLEDそのもの(ベアチップ)を直接実装するCOB型(Chip On Board)であるとした。
しかし、LEDモジュール300は、樹脂等で成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、当該キャビティ内を蛍光体含有樹脂によって封入したパッケージ型、つまり表面実装型(SMD:Surface Mount Device)であってもよい。
このようなSMD型の本発明の変形例Eに係るLEDモジュール300Bについて以下に説明する。
図14は、変形例Eに係るLEDモジュール300Bの斜視図である。
図14に示すように、LEDモジュール300Bでは、基板310の表面に、複数のパッケージ390が一列に並んで直線状に実装されている。
パッケージ390は、樹脂等で構成され、そのキャビティ内にはLED321が実装されている。そして、実装されたLED321は封止部材322で覆われている。複数のパッケージ390は、配線パターン及びワイヤー等で互いに電気的に接続される。
<変形例F>
上記実施形態では、口金ピン202の形状は、直線状としたがこれに限定されない。
図15に示されるように、口金ピン202の先端部の形状は、L字形状であってもよい。この構成により、変形例Fに係る口金ピン202を有するランプを、照明器具からはずれにくくすることができる。
<変形例G>
上記実施形態では、2つの口金のうち、一方の口金のみで電力を受電する構成とした。この場合、点灯回路を収容しない口金201は、以下の構成であってもよい。
図16は、変形例Gに係る口金201の構成を示す図である。
図16に示されるように、変形例Gに係る口金201は、図1の口金201と比較して、一対の口金ピン202の代わりに、口金ピン202bを含む点が異なる。
口金ピン202bは、接地のためのアースピンである。口金ピン202bの一方の端部の形状は、照明器具にとりつけるために、例えば、T字形状とされる。口金ピン202bの他方の端部は、例えば、筺体110内の図示しないアース端子に、配線を介して電気的に接続される。
以上、本発明のランプ及び照明装置について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上記実施形態において、LEDモジュール300の基板310上の複数のLED321は共通の封止部材322により一括封止されるとした。しかし、複数のLED321のそれぞれは別の封止部材322により個別に封止されてもよい。
また、上記の実施形態では、筺体110の一方の端部から給電される片側給電形のランプについて説明したが、筺体110の両端から給電される両端給電形であってもよい。
また、上記実施形態において、半導体発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ及び有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
また、口金と筺体110との間には、外部からの応力を分散するための部材を設けてもよい。
例えば、図17のように、口金201と、筺体110との間に、複数のリブ250を設けてもよい。リブ250は、例えば、外部からの力(応力)を吸収する材料により構成される。
図17は、管軸方向に垂直な面に沿った、口金201の断面図である。
図17の構成により、例えば、ランプ100を照明器具に取り付ける際に、口金201に対し、管軸方向に垂直な方向に応力が生じたとしても、筺体110に伝わる応力を大幅に小さくすることができる。したがって、例えば、筺体110等の破損といった、応力による不具合の発生を抑制することができる。
また、第1筺体200の内面のうち、発光部320からの光照射側は、図18のように、発光部320が発する光を拡散可能な形状(例えば、凹凸のある形状)に加工されてもよい。
図18は、管軸方向に垂直な面に沿った、第1筺体200の断面の一部を示す図である。なお、図18に示される形状の加工は、第1筺体200の内面の全部に施されてもよい。
また、上記の実施形態では、断面形状が矩形状の基板310を用いたが、断面形状が四角形(矩形)以外の多角形の基板を用いても構わない。すなわち、基板310の形状は、三角柱、五角柱、六角柱等であってもよい。
また、上記実施形態に係る口金201は、一体化された1つの筺体から構成されるとしたがこれに限定されない。上記実施形態に係る口金は、例えば、断面形状が半円弧状の2つの筺体から構成されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。