JP5848299B2 - ケーブル吊り具 - Google Patents
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Description
電柱間、或いは鉄塔間に架線された電線等がビル、家屋等の建造物の上空を通過している場合に電線等を張り替えする際には、垂れ下がった電線等が建造物に接触、或いは落下することがないように格別の注意を払った工事が行われる。
この種の電線等の張り替えの為の工法としてつけ引き工法が知られている。つけ引き工法では、2つの電柱間に架設された既設の電線の後端に新たな電線の先端を結合してから、一方の鉄塔側から既設の電線を引き取りつつ他方の鉄塔からは新たな電線を送り出すことにより、新たな電線を鉄塔間に張り替える。つけ引き工法では、電線が垂れ下がって下方に位置する建造物に接触することがないように引張り速度と繰出し速度を調整しながら張力バランスをとる作業が必要とされる。
しかし、電柱間距離が長大である場合には、張り替え作業中に電線自体の重さにより断線リスクが増大する。特に、錆が著しく進行している電線にあっては断線リスクが更に高くなり、作業員に対する人身事故、物損加害事故を誘発する虞がある。
この手法では、牽引装置に一端を取り付けられた呼び線の他端にガイドロープを固定した状態で牽引装置を旧電線に沿って移動させることにより、ガイドロープを電柱間に配線する。ガイドロープには所定ピッチでケーブル吊り具としてのリングを取付けておき、且つ各リング内に旧電線が挿通された状態とする。このため、電柱間にガイドロープを架設した時点では全てのリング内に旧電線が挿通されて保持された状態にある。その後、旧電線の後端に新たな電線の先端を固定し、旧電線の先端側の電柱から旧電線を引き取ることにより、他方の電柱側から新たな電線を各リングに沿って移動させて最終的に電柱間に架設する。
このため、電柱間距離が長大であっても、電線の荷重はリングを介してガイドロープにより支持され且つガイドされているため、断線リスクを減少させることができる。
次に、図8(a)は電柱間に架設したガイドロープに沿って取り付けられる従来のケーブル吊り具の他の構成例を示し、(b)はこのケーブル吊り具により旧電線を保持している状態を示し、(c)はケーブル吊り具の両端部にガイドロープを巻き付けた状態を示した図である。
このケーブル吊り具を用いた電線張り替え方法にあっては、図8(a)に示した如きケーブル吊り具100を、(b)に示したガイドロープ110上に2〜3m間隔で固定しておき、各ケーブル吊り具のU字状の部分で旧電線115を保持する。旧電線115を左方に位置する電柱側から引き取ることにより、旧電線の右端部に接続された新たな電線が入れ替わりにケーブル吊り具に沿って電柱間に移動して来る。
ケーブル吊り具の両端にある係止端部102は図8(c)に示したようにガイドロープ110を一回巻き付けることにより、ガイドロープから位置ズレ、脱落しないようにしている。ガイドロープをケーブル吊り具の両端部に巻き付ける作業は、繰出し側の電柱上において作業員が手作業によって行うものであり、スピーディーな作業が要求されるために、図示のようにケーブル吊り具の係止端部にガイドロープを一巻きする程度である。具体的には、電柱間距離が40mである場合には、40mのガイドロープにケーブル吊り具を20個程度取り付けるので、取付け作業を迅速化するためにはケーブル吊り具の端部にガイドロープを一巻きするのがベストであり、二巻き以上では作業性が著しく低下する。ガイドロープを回収する際にケーブル吊り具を取り外す作業においても一巻きであると作業性が高まる。
なお、2つの係止端部102にガイドロープを夫々巻き付けて固定する際に、本体101が弾性変形して絶縁部材103を配置したU字状の本体部分がガイドロープの伸びる方向とほぼ直交するように、2つの係止端部の間隔等を配慮する必要があるため、ケーブル吊り具の取付け作業は手間と熟練を要する作業である。
このようなところから、着脱作業性の点でU字型のケーブル吊り具は最も優れている。
ところで、旧電線115の途中に玉碍子116、接続スリーブ等の障害物が取り付けられている場合には、旧電線を各ケーブル吊り具100に沿って移動させる過程で、玉碍子116が各ケーブル吊り具に引っ掛かりを起すことが多い。ケーブル吊り具に引っ掛かりを起こした玉碍子を無理に引き抜こうとすると、その際の応力によりケーブル吊り具の係止端部102がガイドロープから脱落して電線を保持できなくなることがある。特に、係止端部102はU字状、或いはV字状に加工しているに過ぎないために、図8(c)のようにガイドロープを一巻きしただけでは、矢印方向への力が加わったときにガイドロープが抜け落ち易い。一旦、ケーブル吊り具がガイドロープから脱落すると、当該ガイドロープは既に電柱から離れた位置にあるために修正することは不可能である。
特許文献2(特開平10−51918号)、特許文献3(特開2008−67598号)にも、ケーブル吊り具を用いた電線の張り替え方法について開示されているが、張り替え対象となるケーブルに取り付けられた玉碍子がケーブル吊り具を通過する際にケーブル吊り具がガイドロープ(ガイドロープ)から脱落する不具合に着目したものはない。
ケーブル吊り具としては、特許文献1のリング状のタイプ、図8、及び特許文献2の図4に示された略U字状のタイプ、特許文献3に示されたカラビナタイプが知られているが、ガイドロープに対して手作業により取付けたり、取り外す作業効率の点では、U字状のタイプが優れている。
しかし、U字状のタイプのケーブル吊り具にあっては、係止端部がU字状に湾曲、或いはV字状に屈曲加工しているに過ぎないため、ガイドロープを一巻きしただけでは、旧電線、及び新電線に設けられた玉碍子、接続スリーブ等の障害物が通過する際の衝撃(振動、バウンド)によってケーブル吊り具の係止端部がガイドロープから脱落する虞が高くなる。
また、ケーブル吊り具の2つの係止端部に対してガイドロープを一巻きしただけであっても十分な強度での結合状態を実現するように構成したことにより、玉碍子の通過等の外力によっても容易に係止端部がガイドロープから脱落することがなくなる。
請求項2の発明は、前記弾性変形部は、前記各係止部の手前側の前記ベース部材の両端部に設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記弾性変形部は、前記ガイド部に設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記弾性変形部の外面に、筒状の回転部材を回転自在に配置したことを特徴とする。
図1(a)(b)(c)(d)及び(e)は本発明の一実施形態に係るケーブル吊り具の構成を示す正面図、右側面図、平面図、要部断面図、及び係止部にガイドロープを一巻きさせた状態を示す拡大図であり、図2(a)(b)及び(c)はケーブル吊り具をガイドロープに取り付ける手順を示す平面図であり、図3(a)及び(b)はケーブル吊り具を玉碍子が通過する状態を示した説明図である。
ベース部材2は鉄等の金属製の線材(針金)を図示の如き略U字状に加工したものであり、電線の重量に耐え得る強度を有する線材を用いる。
ベース部材2は2つの係止部5をガイドロープRに係止する際に圧縮変形することにより、ガイド部10がガイドロープと直交、或いは斜めに交差することによりガイド部内に電線Cを挿通し易くするように、ガイド部10に対するベース部材の両端部の角度、方向が設定されている。
換言すれば、ガイドロープRに2つの係止部5を係止する前の状態では、ガイドロープからの応力が加わらないために、図2(a)の平面図に示すようにガイド部10の両端部からベース部の端部2aが適度な傾斜角度θで反対方向へ伸びている。
特に本例では、ガイド部10の両端部と各端部2aとの間には屈曲(湾曲)し易い曲げ部2bが設けられているため、係止部5aと係止部5bを接近させるようにベース部を圧縮させると、ガイド部10の伸びる方向(イ)とガイドロープの伸びる方向(ロ)とが上記の如き角度関係になる。
特に、ガイドロープを係止部5に巻き付ける位置を、図1(e)に示すようにベース部の端部2aに近い方の螺旋部(ループ)とすれば、巻き付け位置よりも先端側に十分な余長Lが残ることとなり、ケーブル吊り具に外力が加わることによって巻き付け位置が先端部側にずれたとしても脱落には至らない。
なお、係止部5を構成するコイルのうちのベース部の端部2aとは反対側(先端側)の螺旋部にガイドロープを巻き付けたとしても、従来のフック状の係止端部に比べれば、外力が加わった時に係止部が離脱する虞は少なくなる。
なお、ローラ16がベース部材2の長手方向へ移動しないようにベース部材側に図示しないストッパを設けても良い。
このため、玉碍子の通過時にガイド部10に加わる過大な負荷(振動、衝撃)を回転部材16が効果的に緩和し、係止部5がガイドロープRから脱落することを防止できる。特に、係止部5はコイル状に2巻き以上した構成を有しているため、ガイドロープとの結合力が強くなっており、係止部がガイドロープから脱落することを更に効果的に防止することができる。
或いは、樹脂、金属等から成るローラの外周面や、内周面(ガイド部10との接触面)にポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;ふっ素樹脂)等の低摩擦材料を積層したものを使用してもよい。
図4(a)及び(b)のケーブル吊り具1における通過許容部15は、ベース部材2の少なくとも一部に設けられて、ベース部材の少なくとも一部を長手方向長に伸縮させたり、種々変形させる弾性変形部20である。
図4(a)のケーブル吊り具1では、2つの係止部5とガイド部10との間に位置するベース部材部分をコイルバネ状に加工することによって、玉碍子の通過によってガイド部10、その他の部位に過大な負荷が加わった時に弾性変形部が伸長、変形して負荷を吸収しつつ、玉碍子をスムーズに通過させることができる。
ガイド部10には低摩擦材料から成るパッド11を配置してもよいし、図1の回転部材16を配置してもよい。
なお、コイルバネから成る弾性変形部20に電線の一部が引っ掛かることを防止するために、図4(c)に示すように弾性変形部20の外面に硬質の樹脂から成る筒状(円筒状)の回転部材22を回転自在に配置してもよい。
なお、図4(a)のようにベース部材の両端部寄りに弾性変形部20を設けると共に、(b)のようにガイド部にも弾性変形部20を設けるようにしてもよい。
なお、弾性変形部20としては、コイルバネ状である必要はなく、ジグザグ状の構成、板バネ状、その他、ベース部材の一部の弾性変形を可能とする構成であればどのようなものであってもよい。
図5(a)及び(b)は牽引装置の構成を示す正面図、及び左側面図であり、図6(a)乃至(d)、及び図7(e)(f)(g)は本発明のケーブル吊り具を用いた架空線の張り替え工法の手順を示す説明図である。
本実施形態では、2つの電柱(架空線支持部)50、51間に架設されていた旧電線(架空線)53を新電線(架空線)57に張り替える工事を、特許文献1に開示された呼び線の牽引装置60を用いて実施する場合について説明する。但し、本工法において、牽引装置(呼び線架設装置)を用いて呼び線を架設する手法は必須ではなく、自走装置(呼び線架設装置)、その他の任意の手法で呼び線を架設することができる。
この牽引装置60は図5(a)及び(b)に示すように、内面側に旧電線53を挿通させた状態で、旧電線53に沿って移動可能な本体62と、本体62に一体化された駆動源支持部66に設けられて本体62を旧電線53に沿って移動させる駆動力を生成する駆動源76とを備えている。
本体62は、例えば、塩化ビニル管等の絶縁性を有する材料から形成されるものであって、本実施の形態においては、塩化ビニル管を切断して、半円筒状に形成したものと半円錐状に形成したものとを、接着剤等によって一体に接合することにより、半筒部63と半円錐部64とを一体に形成している。
半筒部63の内径、及び半円錐部64の最小内径は、旧電線53の一部に設けられる玉碍子30の外形よりも大きく形成されている。また、半円錐部64の最大内径は、本体62の内面側に旧電線53を挿通させて、半筒状63の内面側に旧電線53を接触させた状態で、玉碍子30の外形よりも僅かに大きくなるように、設定されている。
半筒部63及び半円錐部64の内面には、低摩擦部材65が貼り付けられ、この低摩擦部材65により、半筒部63及び半円錐部64と旧電線53との間の摩擦抵抗が低減され、本体62を旧電線53に沿って円滑に移動させることができる。
各脚部67は、略コ形状をなすものであって、本体62の半筒部63の開口側の両縁部に一体に設けられる一対の帯板状の縦脚68、68と、両縦脚68、68の下端間に水平に架け渡される帯板状の横脚69とから構成されている。
各脚部67の横脚69の両端は、両縦脚68、68間にねじ70を介して切り離し可能に連結され、横脚69を両縦脚68、68から切り離すことにより、本体62の半筒部63及び半円錐部64の内面側に旧電線53を挿通させることができる。
接続部75は、例えば、フック、縦枠73に設けた孔等であって、この接続部75に呼び線54の一端が結び付けられる。呼び線54は、例えば、合成樹脂製のロープであって、本実施の形態では、呼び線54にエスロンロープを用いている。
牽引装置60を用いて呼び線54を電柱(架空線支持部)50、51間に架け渡すには、まず、接続部75に呼び線54の一端を接続し、繰出し側の電柱50側において、半筒部63及び半円錐部64の内面側に2本の電柱50、51間に架設されている旧電線53を挿通させる。
遠隔操作によって駆動源76のモータ77を作動させて、プロペラ78を回転させることにより、プロペラ78の推進力によって牽引装置60全体を旧電線53に沿って移動させ、牽引装置60を他方の電柱51側に到達させる(図6(a))。
2本の電柱50、51間に呼び線を架け渡した後に、繰出し側の電柱50側において、呼び線54の他端に、ガイドロープ(本線)56の一端を接続し、他方の電柱51側で、作業者が呼び線の一端を引っ張り、一方の電柱50側で、別の作業者が手作業により、ガイドロープ56に対して所定のピッチで図1等に示した本発明に係るケーブル吊り具1を取り付ける。ガイドロープにケーブル吊り具1を取付けるに際しては、両端のコイル状の係止部5に対して夫々ガイドロープ56を一回ずつ巻き付ける簡易な作業を行うだけで取付けが完了する(図6(b))。
なお、図6(c)の時点ではガイドロープを電柱間に完全に張設した状態にないため、ガイドロープ56は旧電線53の下方に位置しており、複数のケーブル吊り具1によってガイドロープが吊り下げられた状態にある。
これに対してガイドロープを電柱間に完全に張設すると、図6(d)のように旧電線53との上下位置関係が逆転し、旧電線53はケーブル吊り具1を介してガイドロープの下方に吊られた状態となる。
このようにして旧電線53を電柱51側へ引き取ることにより、図7(f)に示すように第二呼び線55を介して新電線57を電柱50、51間に架設することができる。即ち、旧電線53を電柱51側へ引き取り終わると、旧電線に結合された第二呼び線55、第二呼び線に結合された新電線57が順次電柱51側へ引き取られて行き、新電線57の先端が電柱51に達してから電柱51上の接続対象物への固定が行われる。新電線57の後端部は電柱50上の接続対象物に固定される。
図7(g)は旧電線、或いは新電線に固定された玉碍子30がケーブル吊り具のガイド部を乗り越えて通過する状態を示している。
新電線57の両端部を各電柱50、51に固定した後で、電柱51側に固定してあったガイドロープ56の端部を切り離して電柱50側からガイドロープを引っ張ることにより回収する。この際、ガイドロープ56に所定のピッチで固定されていたケーブル吊り具1が新電線57に沿って移動することにより、ガイドロープ56を下方に垂れ下げることなく回収することが可能となる。
ケーブル吊り具の係止部5は、ガイドロープに対して一巻きすることにより係止されているに過ぎないため、ガイドロープを取り外す作業も簡単に行うことができ、ガイドロープの回収作業が短時間で終了する。
また、ガイドロープに対するケーブル吊り具の着脱操作性を低下させずに、係止部とガイドロープとの係止力を高めて係止部がガイドロープから離脱する虞を解消することができる。
第1の本発明に係るケーブル吊り具1は、全体形状が略U字状をなし、両端部にコイル状の係止部5を備え、中間部に電線を支持して通過させるガイド部10を備えたベース部材2と、係止部を除いた部位に設けられて電線に設けられた障害物の通過時に発生する負荷を緩和するように動作、変形する通過許容部15と、を備えたことを特徴とする。
2つの係止部5はコイル状であるため、ガイドロープを一巻きするだけで係止部は強固にガイドロープと結合して位置固定されることができる。このため、電線に設けられた玉碍子、スリーブなどの障害物がガイド部10を通過した際の負荷によって係止部とガイドロープとの結合が解除されて離脱するということがなくなる。また、係止部に対してガイドロープを一巻きするだけで強固に固定ができるため、電柱間の電線を張り替えるためにガイドロープを使用する際に、ガイドロープに対して迅速にケーブル吊り具を取り付けたり、取り外すことができることとなる。
また、ベース部材には、玉碍子等からの負荷がかかった時に動作したり、変形する通過許容部15が設けられているため、係止部5とガイドロープとの係止が解除される程度に過大な負荷がかかった場合には、通過許容部15が作動して当該負荷を解消し、係止部がガイドロープから離脱することを防止できる。
回転部材16は、通過する玉碍子等の障害物と接して回転することにより玉碍子等の通過をスムーズにすることができる。このため、玉碍子等がケーブル吊り具に引っ掛かりを起こすことがなくなり、係止部とガイドロープとの係止状態を適切に維持することが可能となる。
弾性変形部はベース部材の一部を構成しており、外力が加わった時にはベース部材の長手方向、その他の方向に柔軟に伸縮、変形することができる。このため、玉碍子等がベース部材に引っ掛かりを起こそうとしたときに、弾性変形部が変形することにより、引っ掛かりを未然に防止し、係止部とガイドロープとの係止状態を適切に維持することが可能となる。或いは玉碍子が通過した時にベース部材に発生する衝撃を弾性変形部が介在して緩衝するため、係止部に衝撃が伝わることを防止できる。
玉碍子等の障害物がガイド部10を押圧しながら通過しようとする際に、玉碍子等からの外力を受けて各弾性変形部20が伸張、変形することにより、各係止部5とガイド部10との間の間隔を拡張し、玉碍子の通過をスムーズ化することができる。このため、係止部とガイドロープとの係止状態を適切に維持することが可能となる。また、玉碍子が通過した時にベース部材に発生する衝撃を弾性変形部が介在して緩衝するため、係止部に衝撃が伝わることを防止できる。
玉碍子等の障害物がガイド部10を押圧しながら通過しようとする際に、玉碍子等からの外力を受けてガイド部10自体に設けた弾性変形部20が伸張、変形してガイド部の長手方向長を拡大させることにより、玉碍子の通過をスムーズ化することができる。このため、係止部とガイドロープとの係止状態を適切に維持することが可能となる。また、玉碍子が通過した時にベース部材に発生する衝撃を弾性変形部が緩衝するため、係止部に衝撃が伝わることを防止できる。
なお、第4の発明に係る弾性変形部と組み合わせることにより、更に効果を高めることができる。
弾性変形部をコイルバネ等から構成した場合には、コイルバネに玉碍子、スリーブ等の障害物が引っ掛かりを起こす虞もある。そこで、コイルバネの外面に回転自在な筒状の回転部材を配置することにより、コイルバネの伸縮、変形を抑制することなく、障害物との干渉による引っ掛かりを防止することができる。このため、係止部とガイドロープとの係止状態を適切に維持することが可能となる。
本発明に係るケーブル吊り具を用いた架空線の張り替え工法では、呼び線54の一端を固定した呼び線架設装置60を2本の架空線支持部(電柱、鉄塔等)50、51間に架設された旧架空線(電線、支線等)53に沿って移動させることにより架空線支持部間に呼び線を架け渡す工程と、呼び線の他端にガイドロープ56の一端を接続してから、該呼び線を引き取り側の架空線支持部51へ引っ張る過程で、繰出し側の架空線支持部50側でガイドロープに対してケーブル吊り具1を順次取り付けながら、各ケーブル吊り具に旧架空線を挿通する工程と、ガイドロープが引き取り側の架空線支持部51に到達した時点で呼び線54を各架空線支持部50、51から取り外し、ガイドロープ56を各架空線支持部間に架け渡し、且つガイドロープに取り付けられた複数のケーブル吊り具1によって旧架空線を支持する工程と、旧架空線の後端部に新架空線を結合する工程と、ガイドロープに取り付けられた複数のケーブル吊り具に沿って旧架空線を引き取り側の架空線支持部側へ引き取ることにより、新架空線を各架空線支持部間に掛け渡す工程と、を備えたことを特徴とする。
呼び線を架空線支持部に架設する手段、手法はどのようなものであってもよい。ガイドロープを送り出す際にケーブル吊り具を略所定間隔で取り付ける作業は、コイル状の係止部5に一巻きするだけで十分であり、ケーブル吊り具に障害物が衝突しても容易に係止部がガイドロープから離脱することはない。ケーブル吊り具をガイドロープから離脱させて回収する作業性も従来と変わることがない。
30…玉碍子、50、51…電柱(架空線支持部)、53…旧電線、54…呼び線、55…第二呼び線、56…ガイドロープ、57…新電線、60…牽引装置、62…本体、63…半筒部、64…半円錐部、65…低摩擦部材、66…駆動源支持部、67…脚部、67…両脚部、68…縦脚、68…両縦脚、69…横脚、69…両横脚、71…取付部、72…横枠、73…縦枠、74…突出部、75…接続部、76…駆動源、77…モータ、78…プロペラ、79…電源
Claims (4)
- 金属線材から構成され、全体形状が略U字状をなし、両端部にコイル状の係止部を備え、中間部に電線を支持して通過させるガイド部を備えたベース部材と、前記係止部を除いた部位に設けられて前記電線に設けられた障害物の通過時に発生する負荷を緩和するように動作、変形する通過許容部と、を備え、
前記通過許容部は、前記ベース部材の適所に配置されてベース部材の少なくとも一部を伸縮、変形させる弾性変形部であり、
前記弾性変形部は、金属線材自体をコイルバネ状に加工した構成を備えていることを特徴とするケーブル吊り具。 - 前記弾性変形部は、前記各係止部の手前側の前記ベース部材の両端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル吊り具。
- 前記弾性変形部は、前記ガイド部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル吊り具。
- 前記弾性変形部の外面に、筒状の回転部材を回転自在に配置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のケーブル吊り具。
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