JP6488094B2 - 連結装置及びネット構造 - Google Patents

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Description

本発明は、張力材の端部を梁等の支持部に連結して支持部間に張力材を架設する連結装置、及びこの連結装置を備えるネット構造に関する。
ケーブルネット構造は、大空間架構形式として競技場や展示場等の施設に広く採用されている。ケーブルネット構造は、上方へ凸の押さえケーブルと、下方へ凸の吊りケーブルとを、交差させて複数配置することにより構成されており、各ケーブルには、形状を安定させるための初期張力が導入されている。
このようなケーブルネット構造に、吹上げ風荷重からなる上向き荷重が作用した場合、吊りケーブルの張力は減少し、吹下し風荷重や積雪からなる下向き荷重が作用した場合、押さえケーブルの張力が減少するが、ケーブルネット構造としての形状を維持するために、これらのケーブルが緩まないようにする必要がある。このため、これらのケーブルに大きな初期張力を導入しなければならない。
特許文献1には、基礎梁に固定されたパッシブダンパー型の定着装置によりケーブルの端部を支持することによって、最大上向き荷重時に吊りケーブルの張力を0以上の大きさに保ち、最大下向き荷重時に押さえケーブルの張力を0以上の大きさに保つケーブル架構が開示されている。
しかし、特許文献1のパッシブダンパー型の定着装置は、機構が複雑であるので設備コストが掛かってしまう。特に、多くのケーブルで構成される大規模のケーブルネット構造においては、多くのパッシブダンパー型の定着装置を必要とするので、多くの設備コストが掛かってしまう。
特開平10−317731号公報
本発明は係る事実を考慮し、簡易な機構で、外力の作用により生じる張力材の緩みを抑制することを課題とする。
第1態様の発明は、初期張力が付与された状態で支持部間に架設される張力材の端部が連結される連結装置において、前記支持部に固定されたガイド部材と、前記張力材の端部が連結可能で前記ガイド部材に沿って移動可能な移動部材と、一端が前記ガイド部材に当たり他端が前記移動部材に当たるようにして設けられ、前記移動部材が前記張力材に引っ張られ前記ガイド部材に当たって前記移動部材の移動が止められた状態で圧縮され、前記ガイド部材から離れる方向へ前記移動部材を付勢する弾性部材と、を有する連結装置である。
第1態様の発明では、初期張力が付与された状態で架設された張力材に外力(例えば、下方へ凸の吊り張力材に作用する吹上げ風荷重からなる上向き荷重や、上方へ凸の押さえ張力材に作用する吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重)が作用し、張力材の張力が減少して張力材の伸び量が小さくなった(張力材が若干伸びている)ときにおいても、移動部材は弾性部材により付勢されているので弾性部材による剛性を張力材に効かせることができる。よって、弾性部材を用いた簡易な機構で、外力に対して生じる張力材の緩みを抑制することができる。また、張力材へ付与する初期張力を小さくすることができる。
第2態様の発明は、第1態様の連結装置において、前記弾性部材により前記ガイド部材から離れる方向へ前記移動部材が付勢されて所定量移動したときに、前記ガイド部材に前記張力材の端部を固定する固定手段を有する。
第2態様の発明では、移動部材がガイド部材から離れる方向へ所定量移動したときに、張力材に圧縮剛性を効かせることができる。これにより、張力材の撓み量を低減することができる。
第3態様の発明は、第1又は第2態様の連結装置を備えるネット構造において、前記張力材が、上方へ凸とされた押さえ張力材と、前記押さえ張力材と接触して交差し、下方へ凸とされた吊り張力材と、で構成されている。
第3態様の発明では、吊り張力材に吹上げ風荷重からなる上向き荷重が作用したり、又は押さえ張力材に吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重が作用したりすることにより、吊り張力材又は押さえ張力材の張力が減少して、吊り張力材又は押さえ張力材の伸び量が小さくなった以降においては、一方の張力材(上向き荷重の場合の押さえ張力材、又は下向き荷重の場合の吊り張力材)の剛性しかほぼ効かないので、ネット構造全体としての剛性は小さくなる。
これにより、吊り張力材と押さえ張力材は、ネット構造全体としての剛性が小さくなる分だけ大きく撓むが、一方の張力材(上向き荷重の場合の押さえ張力材、又は下向き荷重の場合の吊り張力材)の幾何剛性の寄与度は増えるので、吊り張力材と押さえ張力材の大きくなる撓み量を抑制することができる。
また、一方の張力材(上向き荷重の場合の押さえ張力材、又は下向き荷重の場合の吊り張力材)の幾何剛性の寄与度は増えるので、一方の張力材(上向き荷重の場合の押さえ張力材、又は下向き荷重の場合の吊り張力材)に導入する初期張力を小さくすることができる。
本発明は上記構成としたので、簡易な機構で、外力の作用により生じる張力材の緩みを抑制することができる。
本発明の実施形態に係るケーブルネット構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る架設された押さえケーブルと吊りケーブルを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る連結装置を示す側断面図である。 本発明の実施形態に係る連結装置の各状態を示す側断面図である。 本発明の実施形態に係るケーブル端部の変位Pに対するケーブルに生じる張力Tの値を示す線図である。 従来の連結装置を示す側面図である。 従来の連結装置を用いて架設された押さえケーブルと吊りケーブルを示す斜視図である。 従来の連結装置を用いて架設された押さえケーブルにおける、押さえケーブルの伸び量Lに対する押さえケーブルに生じる張力Tの値を示す線図である。 従来の連結装置を用いて架設された吊りケーブルにおける、吊りケーブルの伸び量Lに対する吊りケーブルに生じる張力Tの値を示す線図である。 本発明の実施形態に係る連結装置のバリエーションを示す側断面図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る連結装置及びネット構造について説明する。
図1の斜視図に示すように、ネット構造としてのケーブルネット構造10は、張力材としてのケーブルからなり上方へ凸とされた押さえ張力材としての押さえケーブル12と、張力材としてのケーブルからなり下方へ凸とされた吊り張力材としての吊りケーブル14と、を有して構成されている。押さえケーブル12及び吊りケーブル14は、鋼線によって構成されている。
押さえケーブル12と吊りケーブル14は、交差して複数配置され、鞍型曲面を形成している。また、各押さえケーブル12と各吊りケーブル14には、この鞍型曲面を安定して維持するために初期張力が導入されている。そして、この初期張力により押さえケーブル12と吊りケーブル14は、互いに押し付けあって接触している。すなわち、押さえケーブル12と吊りケーブル14は、押さえケーブル12と吊りケーブル14の間で力の伝達が可能となるように設けられている。
ケーブルネット構造10に複数配される押さえケーブル12と吊りケーブル14の内のそれぞれ1本の押さえケーブル12と吊りケーブル14を示した図2の斜視図、及び図3の側面断面図に示すように、押さえケーブル12と吊りケーブル14の両端部は、連結装置16によって梁や壁等の躯体に設けられた支持部18に連結されている。これにより、初期張力が付与された状態で、複数の押さえケーブル12と吊りケーブル14が支持部18間に架設されている。
なお、押さえケーブル12と吊りケーブル14は、同じ構成の連結装置16によって端部が支持部18に連結されているので、説明をわかり易くするために、以下の説明において押さえケーブル12と吊りケーブル14を総称するときには、これらのケーブルを「ケーブル20」とする。また、以下の説明において、ケーブル20の軸方向の内、ケーブル20がロッド22を引っ張る方向を引張方向24とし、ケーブル20がロッド22を押す方向(引張方向24と逆の方向)を圧縮方向26とする。
図1及び図2に示すように、ケーブルネット構造10の上面又は下面には、屋根面を形成する膜やガラス等の外装材(不図示)が取り付けられおり、吹上げ風荷重からなる上向き荷重Wuや、吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重Wdといった外力を受ける。すなわち、押さえケーブル12と吊りケーブル14には、吹上げ風荷重からなる上向き荷重Wu、及び吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重Wdといった外力が作用する。
図3に示すように、連結装置16は、ガイド部材28、移動部材30、及び弾性部材としてのコイルばね32を有して構成されている。ガイド部材28は、底部34と筒部36を一体にして形成された鋼製の有底円筒状部材であり、支持部18に筒部36を固定することにより支持部18に取り付けられている。
移動部材30は、底部38と筒部40を一体にして形成された鋼製の有底円筒状部材である。移動部材30の筒部40は、ガイド部材28の筒部36に内挿されており、移動部材30は、ガイド部材28に沿ってガイド部材28の軸方向42へ移動可能に設けられている。すなわち、移動部材30は、ガイド部材28に対して軸方向42へ移動可能に設けられている。
ガイド部材28の底部34の略中心には貫通孔44が形成され、移動部材30の底部38の略中心には貫通孔46が形成されており、ケーブル20の端部にピン48によりピン連結されたロッド22が貫通孔44、46に挿入されている。また、ロッド22の先端部付近には、連結手段としてのナット50が固定されており、ケーブル20によってロッド22が引っ張られたときに、ナット50が移動部材30の底部38外面に当たって、ロッド22と底部38が連結される。すなわち、ケーブル20の端部は、移動部材30に連結可能に設けられている。
ガイド部材28の筒部36の先端部内壁面には突起部52が内側へ突出して設けられ、移動部材30の筒部40の先端部外壁面には突起部54が外側へ突出して設けられている。これにより、移動部材30が軸方向42におけるガイド部材28から離れる方向へ移動して許容移動量に達したときに、突起部54が突起部52に当たって移動部材30の移動を止め、移動部材30がガイド部材28から脱落するのを防ぐことができる。
コイルばね32は、ガイド部材28の底部34と、移動部材30の底部38との間に設けられている。コイルばね32は、一端がガイド部材28の底部34内面に当たり、他端が移動部材30の底部38内面に当たるようにして設けられているだけであり、溶接等によって一端をガイド部材28の底部34に接合し、他端を移動部材30の底部38に接合しているものではない。よって、後に説明する図4(a)の状態においては、コイルばね32の一端とガイド部材28の底部34内面、及びコイルばね32の他端と移動部材30の底部38内面は、間に隙間が形成されて非接触となっている。
そして、図3に示すように、移動部材30がロッド22を介してケーブル20に引っ張られて、軸方向42におけるガイド部材28に近づく方向へ移動部材30が移動し、移動部材30の底部38から外側へ突出して設けられた鍔部56がガイド部材28の先端部に当たって移動部材30の移動が止められた状態で、コイルばね32は圧縮されて移動部材30をガイド部材28から離れる方向へ付勢している。
次に、図4(a)〜(d)の側断面図に示す連結装置16の各状態においてケーブル20に効かせることができる剛性について、図5のグラフを用いて説明する。図5のグラフは、ケーブル20の端部(図4(a)〜(d)に示す点G)の変位Pに対するケーブル20に生じる張力Tの値58を示したものであり、後に説明する図4(b)の状態Bにおけるケーブル20の端部(点G)の位置を0としている。また、グラフ中のA、B、C、Dの値は、図4(a)〜(d)に示す状態A、B、C、Dの値である。
図4(a)に示す状態Aでは、ケーブル20が緩んだ状態になっている。また、コイルばね32の一端とガイド部材28の底部34内面、及びコイルばね32の他端と移動部材30の底部38内面は、間に隙間が形成されて非接触となっており、コイルばね32は自然長になっている。
この状態Aでは、ケーブル20の張力は0となり、コイルばね32の付勢力としての圧縮力は0となるので、図5に示すように、引張方向24及び圧縮方向26には、ケーブル20やコイルばね32の剛性を効かせることができない。
図4(b)に示す状態Bでは、ロッド22を介してケーブル20により移動部材30が引っ張られて引張方向24へ移動し、コイルばね32の一端がガイド部材28の底部34内面に接触し、コイルばね32の他端が移動部材30の底部38内面に接触した状態になっている。
この状態Bでは、コイルばね32は圧縮されていないので、コイルばね32の付勢力としての圧縮力は0となり、ケーブル20の張力は0となるが、図5に示すように、引張方向24には、コイルばね32が圧縮されるのでコイルばね32の小さい剛性をケーブル20に効かせることができる。また、圧縮方向26には、コイルばね32が抵抗しないのでケーブル20に剛性を効かせることができない。
図4(c)に示す状態Cでは、状態Bからケーブル20により移動部材30が引っ張られて引張方向24へ移動部材30がさらに移動し、移動部材30の底部38から外側へ突出して設けられた鍔部56がガイド部材28の筒部36の先端部に当たって移動部材30の移動が止められた状態になっている。
この状態Cでは、コイルばね32は圧縮されて移動部材30をガイド部材28から離れる方向へ付勢しているので、図5に示すように、コイルばね32には圧縮力が生じ、ケーブル20には若干の張力(若干の伸び)が発生する。これにより、引張方向24には、ケーブル20が伸びてケーブル20の大きい剛性をそのままケーブル20に効かせることができる。また、圧縮方向26にはコイルばね32の小さい剛性をケーブル20に効かせることができる。
図4(d)に示す状態Dでは、状態Cからケーブル20が引っ張られてケーブル20に初期張力T0が導入された状態になっている。この状態Dが供用状態となる。
この状態Dでは、ケーブル20が伸びてケーブル20に張力が生じているので、図5に示すように、引張方向24及び圧縮方向26ともに、ケーブル20の大きな剛性をそのままケーブル20に効かせることができる。また、この状態におけるガイド部材28の底部34内面から移動部材30の底部38内面までの長さは、コイルばね32の自然長よりも短くなっているので、状態Dにおいては、コイルばね32は一定の圧縮状態にある。
次に、本発明の実施形態に係る連結装置及びネット構造の作用と効果について説明する。
本実施形態の連結装置16では、図2に示すように、初期張力T0が付与された状態で架設されたケーブル20に上向き荷重Wuや下向き荷重Wdの外力が作用すると、図5及び図4(b)〜(d)に示すように、ケーブル20の張力(上向き荷重Wuが作用した吊りケーブル14の張力、及び下向き荷重Wdが作用した押さえケーブル12の張力)が減少して状態Dから状態Cを経て状態Bに向かう。
これにより、ケーブル20の張力が減少してケーブル20の伸び量が小さくなった(ケーブル20が若干伸びている)状態Cにおいても、移動部材30はコイルばね32により付勢されているのでコイルばね32による剛性をケーブル20に効かせることができる。よって、弾性部材(コイルばね20)を用いた簡易な機構で、上向き荷重Wuや下向き荷重Wdの外力に対して生じるケーブル20の緩みを抑制することができる。また、ケーブル20へ付与する初期張力T0を小さくすることができる。
上向き荷重Wuや下向き荷重Wdの外力に対して生じるケーブル20の緩みを抑制することができれば、複数の押さえケーブル12と吊りケーブル14によって形成されたケーブルネット構造10の鞍型曲面を安定して維持することができ、ケーブルネット構造10の上面又は下面に取り付けられて屋根面を形成する膜やガラス等の外装材(不図示)が損傷するのを防ぐことができる。
ここで、図1で示した押さえケーブル12と吊りケーブル14の端部が、図6に示す連結装置68によって支持部18にピン連結された従来のケーブルネット構造(以下、「ケーブルネット構造70」とする)の場合、このケーブルネット構造70に複数配される押さえケーブル12と吊りケーブル14の内のそれぞれ1本の押さえケーブル12と吊りケーブル14を示した図7の斜視図、押さえケーブル12の伸び量Lに対する押さえケーブル12に生じる張力Tの値72を示した図8のグラフ、及び吊りケーブル14の伸び量Lに対する吊りケーブル14に生じる張力Tの値74を示した図9のグラフからわかるように、ケーブルネット構造70に上向き荷重Wuが作用すると押さえケーブル12の張力は初期張力T0から増加し(図8の矢印60)、吊りケーブル14の張力は初期張力T0から減少する(図9の矢印62)。そして、吊りケーブル14の伸び量Lが0となったときに吊りケーブル14の張力は0になる。また、ケーブルネット構造70に下向き荷重Wdが作用すると吊りケーブル14の張力は初期張力T0から増加し(図9の矢印64)、押さえケーブル12の張力は初期張力T0から減少する(図8の矢印66)。そして、押さえケーブル12の伸び量Lが0となったときに押さえケーブル12の張力は0になる。
よって、初期張力T0が付与された押さえケーブル12及び吊りケーブル14に、上向き荷重Wuや下向き荷重Wdが作用した場合、押さえケーブル12及び吊りケーブル14には押さえケーブル12及び吊りケーブル14の剛性が効く。
このようなケーブルネット構造の設計クライテリアとしては、次の(a)〜(d)の条件が挙げられる。
(a)供用時に押さえケーブル12に生じる張力(押さえケーブル12に導入する初期張力T0)が、押さえケーブル12の長期許容張力以下となるようにする。また、供用時に吊りケーブル14に生じる張力(吊りケーブル14に導入する初期張力T0)が、吊りケーブル14の長期許容張力以下となるようにする。
(b)吹上げ風荷重からなる上向き荷重Wuが作用したときに押さえケーブル12に生じる張力が、押さえケーブル12の短期許容張力以下となるようにする。また、吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重Wdが作用したときに吊りケーブル14に生じる張力が、吊りケーブル14の短期許容張力以下となるようにする。
(c)吹上げ風荷重からなる上向き荷重Wuが作用したときに、吊りケーブル14が完全に緩み切らない(吊りケーブル14に生じる張力が0にならない)ようにする。また、吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重Wdが作用したときに、押さえケーブル12が完全に緩み切らない(押さえケーブル12に生じる張力が0にならない)ようにする。
(d)押さえケーブル12及び吊りケーブル14に生じ得る変位を許容値以下にする。
実際の設計では(c)の条件が支配的となることが多いが、この条件をクリアするためには、大きな初期張力T0を押さえケーブル12及び吊りケーブル14に導入する必要がある。このため、連結装置68も強固で大掛かりなものとなり、押さえケーブル12及び吊りケーブル14を架設する作業(押さえケーブル12及び吊りケーブル14に初期張力T0を導入する作業)も困難になる。
これに対して、本実施形態の連結装置16では、ケーブル20へ付与する初期張力T0が小さくても(c)の条件をクリアすることができる。
また、本実施形態の連結装置16では、図2及び図5に示すように、吊りケーブル14に吹上げ風荷重からなる上向き荷重Wuが作用したり、又は押さえケーブル12に吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重Wdが作用したりすることにより、吊りケーブル14又は押さえケーブル12の張力が減少して、吊りケーブル14又は押さえケーブル12の伸び量が小さくなった(吊りケーブル14又は押さえケーブル12が若干伸びた)以降の状態Cから状態Bにおいては、一方のケーブル20(上向き荷重Wuの場合の押さえケーブル12、又は下向き荷重Wdの場合の吊りケーブル14)の剛性しかほぼ効かないので、ケーブルネット構造10全体としての剛性は小さくなる。
これにより、吊りケーブル14と押さえケーブル12は、ケーブルネット構造10全体としての剛性が小さくなる分だけ大きく撓むが、一方のケーブル20(上向き荷重Wuの場合の押さえケーブル12、又は下向き荷重Wdの場合の吊りケーブル14)の幾何剛性(ケーブル20の撓みにより撓み角度変化が生じて付加される剛性)の寄与度は増えるので、吊りケーブル14と押さえケーブル12の大きくなる撓み量を抑制することができる。
また、一方のケーブル20(上向き荷重Wuの場合の押さえケーブル12、又は下向き荷重Wdの場合の吊りケーブル14)の幾何剛性(ケーブル20の撓みにより撓み角度変化が生じて付加される剛性)の寄与度は増えるので、一方のケーブル20(上向き荷重Wuの場合の押さえケーブル12、又は下向き荷重Wdの場合の吊りケーブル14)に導入する初期張力T0を小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図3に示すように、ガイド部材28及び移動部材30を有底円筒状部材とした例を示したが、ガイド部材28に沿って移動部材30が移動可能であれば、ガイド部材28及び移動部材30は他の形状のものであってもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、弾性部材としてのコイルばね32を1つとした例を示したが、コイルばね32は複数であってもよい。また、弾性部材を、剛性及び自然長の異なるコイルばねを複数組み合わせたもの(例えば、第1コイルばねの内側へ、第1コイルばねよりも自然長が短く外径の小さい第2コイルばねを配置したもの)としてもよい。このようにすれば、図5で示した状態Bと状態Cとの間で変位Pに応じて弾性部材の剛性を変化させて剛性を緩やかに変化させることができ、剛性の変化による衝撃力の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、図3に示すように、弾性部材をコイルばね32とした例を示したが、弾性部材は、弾性を有し、ケーブル20に剛性を効かせることができるものであればよい。例えば、弾性部材は、ゴム部材であってもよい。
また、本実施形態では、図4(a)の状態において、コイルばね32の一端とガイド部材28の底部34内面、及びコイルばね32の他端と移動部材30の底部38内面が非接触となっている例を示したが、溶接等によって、コイルばね32の一端をガイド部材28の底部34に接合し、コイルばね32の他端を移動部材30の底部38に接合してもよい。この場合には、図5で示した状態Aと状態Bとの間で、コイルばね32の剛性の傾きを持つようになる。また、コイルばね32の一端又は他端を、ガイド部材28の底部34又は移動部材30の底部38に溶接等によって接合し、コイルばね32の他端又は一端と、移動部材30の底部38内面又はガイド部材28の底部34内面が非接触となるようにしてもよい。この場合には、ケーブル20の端部(点G)の変位Pに対するケーブル20に生じる張力Tの関係は図5の値58と同じになる。
さらに、本実施形態で示したガイド部材28と移動部材30との間(図3に示す、筒部40の外周面、突起部54の後方側の壁面、筒部36の内周面、及び突起部52の後方側の壁面によって囲まれて形成されている空間V)に、緩衝材を設けるようにしてもよい。例えば、空間Vに緩衝材としてのオイルを充填したり、突起部54の後方側の壁面と突起部52の後方側の壁面の間に緩衝材としてのゴム部材を設けたりしてもよい。このようにすれば、図5で示した状態Bと状態Cの間で剛性を緩やかに変化させることができ、剛性の変化による衝撃力の発生を抑制することができる。
また、本実施形態で示した連結装置16に、図10の側面断面図に示すように、固定手段としての係合部76を設けるようにしてもよい。係合部76はロッド22の末端部付近に固定されており、コイルばね32によりガイド部材28から離れる方向へ移動部材30が付勢されて所定量移動したときに、係合部76がガイド部材28の底部34外面に当たってロッド22の移動を止め、ガイド部材28にケーブル20の端部(ロッド22)を固定する。このようにすれば、移動部材30が所定量移動したときに、ケーブル20からガイド部材28へ圧縮力が伝達され、ケーブル20に圧縮剛性を効かせることができる。これにより、ケーブル20の撓み量を低減することができる。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、押さえケーブル12と吊りケーブル14の両端部を、連結装置16によって支持部18に連結した例を示したが、押さえケーブル12と吊りケーブル14の一方の端部を、連結装置16によって支持部18に連結するようにしてもよい。また、押さえケーブル12及び吊りケーブル14の何れか一方のケーブルの両端部を連結装置16によって支持部18に連結するようにしてもよい。すなわち、吹上げ風荷重からなる上向き荷重Wuに対するケーブルの緩みを抑制したい場合には、吊りケーブル14の一端部又は両端部を連結装置16によって支持部18に連結するようにすればよいし、吹下し風荷重や積雪荷重からなる下向き荷重Wdに対するケーブルの緩みを抑制したい場合には、押さえケーブル12の一端部又は両端部を連結装置16によって支持部18に連結するようにすればよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、張力材を、鋼線からなる押さえケーブル12と吊りケーブル14とした例を示したが、張力材はネット構造を形成できる線状の部材であればよい。例えば、張力材を、ステンレス鋼線等の他の材質のケーブルとしてもよいし、ロッド部材としてもよい。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、押さえケーブル12と吊りケーブル14を互いに押し付けあわせて接触させるようにして設けた例を示したが、押さえケーブル12と吊りケーブル14は、押さえケーブル12と吊りケーブル14の間で力の伝達が可能となるように設けられていればよい。例えば、押さえケーブル12と吊りケーブル14を結束等によって結ぶようにしてもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、押さえケーブル12と吊りケーブル14の両端部を、梁や壁等の躯体に設けられた支持部18に連結装置16によって連結した例を示したが、押さえケーブル12及び吊りケーブル14を架設できれば支持部は他の部位であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 ケーブルネット構造(ネット構造)
12 押さえケーブル(押さえ張力材、張力材)
14 吊りケーブル(吊り張力材、張力材)
16 連結装置
18 支持部
20 ケーブル(押さえ張力材、吊り張力材、張力材)
28 ガイド部材
30 移動部材
32 コイルばね(弾性部材)
76 係合部(固定手段)

Claims (3)

  1. 初期張力が付与された状態で支持部間に架設される張力材の端部が連結される連結装置において、
    前記支持部に固定されたガイド部材と、
    前記張力材の端部が連結可能で前記ガイド部材に沿って移動可能とされ、前記ガイド部材に当たって移動が止められる移動部材と、
    一端が前記ガイド部材に当たり他端が前記移動部材に当たるようにして設けられ、前記移動部材が前記張力材に引っ張られ前記ガイド部材に当たって前記移動部材の移動が止められた状態で圧縮され、前記ガイド部材から離れる方向へ前記移動部材を付勢する弾性部材と、
    を有する連結装置。
  2. 前記弾性部材により前記ガイド部材から離れる方向へ前記移動部材が付勢されて所定量移動したときに、前記ガイド部材に前記張力材の端部を固定することで、前記ガイド部材と前記移動部材との間に前記弾性部材を圧縮した状態で保持する固定手段を有する請求項1に記載の連結装置。
  3. 請求項1又は2に記載の連結装置を備えるネット構造において、
    前記張力材が、上方へ凸とされた押さえ張力材と、前記押さえ張力材と接触して交差し、下方へ凸とされた吊り張力材と、で構成されたネット構造。
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