JP5845803B2 - プロジェクター - Google Patents
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Description
すなわち、プロジェクターは、起動後に光源の点灯に伴う温度上昇によってプロジェクターを構成する部材が膨張し、外装筐体に対する光変調装置、投写レンズ等の光学部品の位置や傾きが変化して投写される画像が移動する。このため、投写される画像を所望の位置に調整する際には、平衡状態になるまで待機する必要があるが、補助モードによって通常モードより早く、外装筐体内を平衡状態にすることが可能となる。よって、補助モードを備えないプロジェクターに比べ、プロジェクター起動後において、複数のプロジェクターから投写された画像の位置を合わせる作業や、投写された画像をスクリーンに精度よく合わせる作業等を、より早く開始することが可能となる。
したがって、プロジェクターの投写位置の調整作業時間の短縮化が可能となる。特にマルチプロジェクションディスプレイを行う際のプロジェクターの投写位置の調整作業に顕著な効果を奏する。
また、画像の調整を行うことが選択されていないと、通常モードが実行されるので、画像の調整が望まれない場合、光源や光変調装置等の冷却が補助モードより効率的な通常モードを確実に実行させることが可能となる。
したがって、煩雑さを低減しつつ、プロジェクターの投写位置の調整作業時間の短縮化、および光源や光変調装置等の劣化を抑制したプロジェクターの提供が可能となる。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調してスクリーン等に拡大投写する。また、本実施形態のプロジェクターは、マルチプロジェクションディスプレイを行うための画像を調整する機能を有し、このマルチプロジェクションディスプレイを行う際の投写位置の調整作業をより早く開始できるように構成されている。
図1は、本実施形態におけるプロジェクター1の外観を模式的に示す斜視図である。図2は、プロジェクター1の内部構成を模式的に示す平面図である。
プロジェクター1は、図1、図2に示すように、外装を構成する外装筐体2、回路装置5、入力操作部27、光源装置4を有する光学ユニット3、温度検出部6、および冷却装置7を備えている。なお、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内には、光源装置4や回路装置5に電力を供給する電源装置等が配置されている。
外装筐体2の前側の面には、図1に示すように、中央部に開口部が形成されており、この開口部から光学ユニット3に備えられた投写レンズ34の先端が露出している。
一対のハンドル21Hは、プロジェクター1が持ち運ばれる際等に使用者により把持される部材であり、それぞれの中央部には、アッパーケース21の上面21Aとの間に使用者の指が挿通可能な空隙が設けられている。そして、一対のハンドル21Hは、互いに平行となり、かつ、投写レンズ34から投写される光の方向に沿って延出している。
光学ユニット3は、図2に示すように、一対の光源装置4、反射ミラー4C、インテグレーター照明光学系31、色分離光学系32、光学装置33、投写レンズ34、およびこれらの光学部品を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体35を備える。
第1レンズアレイ311は、各反射ミラー4Cにて反射された光束を複数の部分光束に分割する光学素子であり、インテグレーター照明光学系31の光軸Aに対して略直交する面内にマトリックス状に配列される複数の小レンズを備えている。
偏光変換素子313は、第2レンズアレイ312から射出されたランダム偏光光を液晶ライトバルブ330で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
吸気ファン71は、回転軸に沿って取り込んだ空気を回転接線方向に吐出するシロッコファンで構成され、図2に示すように、防塵フィルター28近傍に配置されている。吸気ファン71は、制御部51の指示に基づいて回転速度が制御され、吸気口201から導入した外装筐体2外部の空気を、図示しないダクトを介して、液晶ライトバルブ330や偏光変換素子313等の光学部品に送風し、これらの部品を冷却する。
ここで回路装置5について詳細に説明する。
図3は、回路装置5の構成を説明するためのブロック図である。回路装置5は、図3に示すように、制御部51、画像処理部52、OSD処理部53、ライトバルブ駆動部54、吸気ファン駆動部55、第1排気ファン駆動部56、および第2排気ファン駆動部57を備える。
次に、プロジェクター1の動作について説明する。
プロジェクター1に商用電源が供給された後、入力操作部27の電源キーが操作されると、プロジェクター1は、光源41が点灯し、スクリーン等に画像の投影が可能な状態となる。そして、画像処理部52に画像情報が入力されると、プロジェクター1は、この画像情報に基づいて画像を投影する。
そして、プロジェクター1は、デフォルトとして通常モードが設定されており、このメニュー画像において、画像の調整を行うことが選択された場合に補助モードへの移行が可能となり、画像の調整を行うことが選択されていない場合に通常モードが実行される。
図4は、メニュー画像9の一例を示す模式図である。
入力操作部27のメニューキー(図示省略)が押圧されると、図4(a)に示すように、メニュー画像9が表示される。
メニュー画像9には、トップメニュー表示領域10と、情報表示領域11と、が設けられている。
トップメニュー表示領域10には、トップメニューとして、投写画像の画質、明るさ、コントラストなどを調整するための「画質調整」、入力信号の選択を行うための「映像」、台形補正や音量調整など各種設定を行うための「設定」、設定場所に応じた設置を設定するための「拡張設定」等が表示されている。トップメニュー表示領域10の中からいずれかが選択されると、情報表示領域11には、選択された項目の階層下にあるサブメニュー等が表示される。
そして、「マルチプロジェクション」が選択されると、図4(b)に示すように、情報表示領域11には、エッジブレンディング処理が可能な「エッジブレンディング」等の機能メニューが表示される(「エッジブレンディング」以外の機能メニューは図示省略)。
なお、マルチプロジェクションディスプレイにおいては、複数のプロジェクター1から投写された複数の画像をスクリーン上で1つの画像として形成する際、画像のつなぎ目を視認されにくくするために、エッジブレンディング処理を施すことが一般的に行われている。エッジブレンディング処理としては、隣接する画像間に重畳領域が形成されるように各プロジェクター1によって画像を投影させ、この重畳領域の輝度の増大を抑制する等の処理がある。
制御部51は、図5に示すように、ステップS101において、メニュー画像9における「エッジブレンディング」が「オン」に選択されたか、あるいは「オフ」が選択されたかを判別する。そして、デフォルトとして設定されている「オフ」の場合、通常モードが実行されるステップS102に移行し、「オン」が選択されると、ステップS103に移行する。
図6は、プロジェクター1起動後の投写画像Pが移動する様子を説明するための模式図である。具体的に、図6(a)は、プロジェクター1の起動からの経過時間と、上下方向(Z方向)における投写画像Pの移動との関係を示すグラフであり、通常モードおよび補助モード、それぞれにおける投写画像Pの移動の軌跡(移動カーブM)を示す図である。図6(b)は、投写画像Pの平面図であり、起動時における投写画像Pfおよび平衡状態における投写画像Peを示す図である。
(1)プロジェクター1は、通常モードおよび補助モードを備え、通常モードにおいて、光源装置4や液晶ライトバルブ330を効率的に冷却するように吸気ファン71、第1排気ファン72、および第2排気ファン73の回転速度を制御する。そして、プロジェクター1は、補助モードにおいて、プロジェクター1起動後の外装筐体2内が通常モードより早く平衡温度に到達するように、吸気ファン71、第1排気ファン72、および第2排気ファン73の回転速度を制御する。これによって、補助モードを備えないプロジェクター1に比べ、投写画像Pの平衡状態を早め、投写画像Pを調整する作業等をより早く開始することが可能となる。
したがって、プロジェクター1の投写位置の調整作業時間の短縮化が可能となる。特に、マルチプロジェクションディスプレイを行う際のプロジェクター1の投写位置の調整作業に顕著な効果を奏する。
また、「エッジブレンディング」の「オン」が選択されていないと、通常モードが実行されるので、画像の調整が望まれない場合、光源装置4や液晶ライトバルブ330等の冷却が補助モードより効率的な通常モードを確実に実行させることが可能となる。
したがって、煩雑さを低減しつつ、プロジェクター1の投写位置の調整作業時間の短縮化、および光源装置4や液晶ライトバルブ330等の劣化を抑制したプロジェクターの提供が可能となる。
(変形例1)
前記実施形態では、通常モードと補助モードとで、第1排気ファン72および第2排気ファン73の回転速度を変えて構成されているが、他のファンの回転速度を変えるように構成してもよい。例えば、通常モードと補助モードとで、第1排気ファン72および第2排気ファン73の回転速度を変えることに加え、吸気ファン71の回転速度を変えるように構成してもよい。
また、変形例1の補助モードにおいては、吸気ファン71の回転速度が高速になることから騒音が増す恐れがあるが、通常モードにおいては、吸気ファン71の回転速度が低速になるので低騒音化が可能となる。
前記実施形態の補助モードは、メニュー画像9における「エッジブレンディング」の「オン」が選択されると、移行可能となるように構成されているが、他のメニューが選択された場合に移行可能となるように構成してもよい。例えば、図4(a)に示された「マルチプロジェクション」選択時に移行可能となるように構成しても良い。複数の画面を表示する「マルチプロジェクション」で選択できるようにすれば「エッジブレンディング」の要否に関わらず複数のプロジェクター1の投写位置の調整作業時間の短縮を行うことができる。また、2台のプロジェクターで3D表示を行う時に「3Dモード」が「オン」が選択されると、移行可能となるように構成しても良い。
また、前記実施形態の補助モードは、メニューの選択に対応して移行するように構成されているが、入力操作部27等に切り替えキーを設け、この切り替えキーの操作によって補助モードと通常モードとが切り替えられるように構成してもよい。
前記実施形態では、第1〜第3の温度検出部61〜63の検出結果に基づいて、補助モードから通常モードに切り替わるように構成されているが、他の部位に配置された温度検出部の検出結果に基づいて、補助モードから通常モードに切り替わるように構成してもよい。また、モード切り替え専用に温度検出部を配置し、その温度検出部の検出結果に基づいて、補助モードから通常モードに切り替わるように構成してもよい。
また、補助モードが所定時間実行された際、または補助モードにおいて所定時間検出した温度に変化がない場合に、補助モードから通常モードに切り替わるように構成してもよい。これによって、温度検出部の検出結果が所定の値(前記実施形態における閾値)に達しない低温環境下でプロジェクター1が使用される場合であっても、補助モードから通常モードへの確実な切り替えが可能となる。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブ330を用いているが、反射型液晶ライトバルブを利用したものであってもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、2つの光源装置4(第1光源装置4Aおよび第2光源装置4B)を備えているが、1つの光源装置4を備える構成としてもよい。また、光源として放電型に限らず、その他の方式のランプや発光ダイオード等の固体光源で構成してもよい。また吸気ファン71も排気ファン72,73と同様に複数備えるように構成しても良い。
Claims (3)
- 光源と、前記光源から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光源および前記光変調装置を収納する外装筐体とを備えたプロジェクターであって、
前記外装筐体内を冷却する冷却ファンと、
前記冷却ファンの回転速度を制御する制御部と、
投写される画像を調整するか否かを選択する選択部と、
を備え、
前記制御部は、前記光源と前記光変調装置とを冷却するための前記回転速度を制御する通常モード、および前記通常モードよりも早く前記外装筐体内の温度が略安定した状態となるように前記冷却ファンの回転速度を制御する補助モードを備え、
前記画像の調整を行うことが選択された場合に前記補助モードへの移行が可能となり、前記画像の調整を行うことが選択されていない場合に前記通常モードが実行されることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記外装筐体内の温度を検出する温度検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記補助モードから前記通常モードに切り替わることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記冷却ファンは、前記外装筐体内部の空気を外部に排出する排気ファンを備え、
前記制御部は、前記補助モードにおいて、前記通常モードにおける前記排気ファンの回転速度より低速で前記排気ファンを回転させることを特徴とするプロジェクター。
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