JP2011151640A - 投写位置補正装置、プロジェクター及び投写位置補正データ生成方法 - Google Patents

投写位置補正装置、プロジェクター及び投写位置補正データ生成方法 Download PDF

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Kazuki Nagai
数樹 永井
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Abstract

【課題】プロジェクターの内部の温度上昇により生じる投写位置のずれに応じた位置補正
を画像の投写中にリアルタイムで可能とする。
【解決手段】プロジェクターPJ1からスクリーン上に投写された投写画像の投写位置を
補正する投写位置補正装置100であって、プロジェクターPJ1の内部の温度を検出す
る温度検出部(温度センサー)110と、温度検出部110によって検出された温度に応
じた投写位置補正データを取得可能な投写位置補正テーブル120に基づいて投写位置を
補正する投写位置補正処理部130とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、投写位置補正装置、プロジェクター及び投写位置補正データ生成方法に関す
る。
複数のプロジェクターから投写される複数の投写画像を投写面上で重ねて表示するスタ
ッキング投写や、複数の投写画像を投写面上で並べて表示するタイリング投写を行うマル
チプロジェクションシステムが知られている。このようなマルチプロジェクションシステ
ムにおいては、マルチプロジェクションシステムを構成する複数のプロジェクターから投
写される複数の投写画像の投写位置を高精度に調整することが極めて重要となる。
また、プロジェクターは光源として発熱量の大きいランプを使用しているため、プロジ
ェクターの内部が高温となり、プロジェクターに搭載されている光学系などの構成要素が
ランプの熱の影響を受けて膨張し、その結果、投写画像の投写位置がずれてしまうことが
ある。このような投写位置のずれは、上記したスタッキング投写やタイリング投写を行う
場合には特に問題となる。
例えば、2台のプロジェクターによってスタッキング投写を行う場合は、各プロジェク
ターから投写される2つの投写画像が適正に位置調整されていないと、スタッキング投写
の効果が得られず、投写画像の品質を劣化させることとなる。特に、投写画像を高解像度
とするために斜め1/2画素ずらしによる投写を行うような場合には、2つの投写画像の
投写位置の調整は重要である。また、タイリング投写を行う場合も、各投写画像が適正に
位置調整されていないと、隣接する投写画像間に不連続な継ぎ目が生じるなど、タイリン
グされた画像の品質を劣化させることとなる。
これに対処するためには、各投写画像の位置調整が必須となるが、この位置調整は、多
くの手間と熟練した調整技術が必要となる。このため、各投写画像の位置調整を自動化す
る技術は従来から種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術(以下、従来技術という)は、2台のプロジェクターから
投射面上に投写された位置調整用パターンから2つの投写画像の位置ずれ量を検出し、検
出された位置ずれ量に基づいて2つの投写画像の位置ずれを補正するというものである。
特開平8−168039号公報
上記した従来技術は、位置調整用パターン画像を2台のプロジェクターによって投写面
上に投写し、投写された投写画像をカメラで撮像し、その撮像画像データに基づいて位置
調整を行うというものであるため、位置調整を行うたびに、位置調整用パターン画像を表
示して、それをカメラで撮像するといった操作を行う必要がある。
しかしながら、上記したように、プロジェクターの光源の熱による投写位置のずれを補
正しようとする場合には、プロジェクターのコールドスタート時ではなく、プロジェクタ
ーの内部の温度が上昇して熱平衡した状態となったときに位置調整を行わなければならな
い。これは、プロジェクターのコールドスタート時からプロジェクターの内部の温度が熱
平衡するまでの間に最も投写位置のずれ量が大きくなるためである。なお、プロジェクタ
ーのコールドスタート時というのは、本明細書においては、プロジェクターの内部の温度
が室温とほぼ同等となっている状態で当該プロジェクターの電源を投入した時点を指すも
のとする。
プロジェクターが熱平衡した状態となったときに位置調整を行うには、その都度、プロ
ジェクターが熱平衡するのを待つ必要があるが、従来技術による位置調整方法を適用しよ
うとすると、例えば、マルチプロジェクションシステムを起動した場合には、個々のプロ
ジェクターが熱平衡の状態となるのを待って、位置調整用パターンを表示して位置ずれ量
を検出し、検出した位置ずれ量に基づいて位置調整を行う必要がある。また、画像の投写
中に一端、投写を中断して、再度、投写を開始するような場合にも、プロジェクターが熱
平衡するまで待って、上記したような位置調整を行うことが必要となるため、使い勝手が
悪く、また、このように、その都度、熱平衡するまで待って位置調整を行うというのは非
効率的である。
そこで本発明は、プロジェクターの内部の温度上昇により生じる投写位置のずれに応じ
た位置補正を画像の投写中にリアルタイムで可能とする投写位置補正装置及びプロジェク
ターを提供するとともに、プロジェクターの内部の温度上昇により生じる投写位置のずれ
に応じた投写位置補正データの生成を可能とする投写位置補正データ生成方法を提供する
ことを目的とする。
本発明の投写位置補正装置は、プロジェクターから投写面上に投写された投写画像の投
写位置を補正する投写位置補正装置であって、前記プロジェクターの内部の温度を検出す
る温度検出部と、前記温度検出部によって検出された温度に応じた投写位置補正データを
取得可能な投写位置補正テーブルに基づいて前記投写位置を補正する投写位置補正処理部
とを有することを特徴とする。
このように本発明は、検出された温度に応じた投写位置補正データを投写位置補正テー
ブルから取得して、取得した投写位置補正データに基づいて投写位置のずれを補正するよ
うにしている。このため、位置調整用パターンを投写してそれを撮像し、その撮像データ
に基づいて投写位置の補正を行うといった操作を行う必要がなく、プロジェクター内部の
温度上昇により生じる投写位置のずれに応じた位置調整を画像の投写中にリアルタイムで
行うことができる。
本発明の投写位置補正装置においては、前記投写位置補正データは、前記投写画像を理
想的投写位置に投写するためのデータであって、前記プロジェクターのコールドスタート
時から所定のタイミングごとに温度を検出するとともに前記投写画像を所定のタイミング
ごとに撮像し、前記検出された温度と前記撮像によって得られた撮像画像データとに基づ
いて温度と投写位置のずれ量との関係を求める第1工程と、前記第1工程によって求めら
れた前記温度と投写位置のずれ量との関係に基づいて、前記理想的投写位置に対するずれ
量を表す値を前記投写位置補正データとして算出する第2工程とを行うことによって生成
されることが好ましい。
このようにして算出された投写位置補正データを用いて投写位置の補正を行うことによ
り、当該プロジェクターの投写画像を常に理想的投写位置に投写することができる。
本発明の投写位置補正装置においては、前記理想的投写位置に対するずれ量を表す値は
、現時点において検出された温度における前記光変調素子の注目画素の画素位置と、前記
理想的投写位置における前記注目画素の画素位置との差分として表わされることが好まし
い。
これにより、投写位置の補正を行う際は、現時点において検出された温度における光変
調素子の注目画素の画素位置と、理想的投写位置における注目画素の画素位置との差分だ
けシフトするような処理を行えばよいので、投写位置の補正を適切に行うことができる。
なお、投写位置の補正は画像処理によって行うようにしてもよく、また、光変調素子ユニ
ットを移動させる移動機構を設けて、この移動機構によって行うようにしてもよい。また
、画像処理による補正と移動機構による補正とを組み合わることも可能である。
本発明のプロジェクターは、光源からの光を画像データに基づいて変調する光変調素子
を有する光変調素子ユニットと、前記光変調素子ユニットから射出された画像光を投写画
像として投写面上に投写する投写光学系と、前記プロジェクターの内部の温度を検出する
温度検出部と、前記温度検出部によって検出された温度に応じた投写位置補正データを取
得可能な投写位置補正テーブルに基づいて、前記投写画像の投写位置のずれを補正する投
写位置補正処理部とを有することを特徴とする。
本発明のプロジェクターがこのような投写位置補正処理部を有することにより、前記し
た本発明の投写位置補正装置と同様の効果を有する。これにより、本発明のプロジェクタ
ーを複数台用いてマルチプロジェクションシステムを構成する場合、個々のプロジェクタ
ーの内部の温度に応じた投写位置補正データに基づいて投写画像の投写位置を補正するこ
とができる。例えば、スタッキング投写又はタイリング投写を行う場合、個々のプロジェ
クターからの投写画像を理想的投写位置に投写することができるので、投写画像を高品質
な画像とすることができる。
なお、本発明のプロジェクターにおいても、前記した本発明の投写位置補正装置が有す
る各特徴を有することが好ましい。
本発明のプロジェクター(本発明のプロジェクターの第2態様という)は、光源からの
光を画像データに基づいて変調する光変調素子を有する第1光変調素子ユニットと、光源
からの光を画像データに基づいて変調する光変調素子を有する第2光変調素子ユニットと
、前記第1光変調素子ユニットから射出された第1画像光と前記第2光変調素子ユニット
から射出された第2画像光とを合成する合成光学系と、前記合成光学系で合成された画像
を投写画像として投写面上に投写する投写光学系と、前記プロジェクターの内部の温度を
検出する温度検出部と、前記温度検出部によって検出された温度に応じた投写位置補正デ
ータを取得可能な投写位置補正テーブルに基づいて、前記投写面上における前記第1画像
光による投写画像及び第2画像光による投写画像の投写位置のずれを補正する投写画像位
置補正処理部とを有することを特徴とする。
本発明のプロジェクターの第2態様は、2つの光変調素子ユニット(第1光変調素子ユ
ニット及び第2光変調素子ユニット)が1つのプロジェクターに組み込まれているもので
ある。このようなプロジェクターにおいては、2つの光変調素子ユニットから射出される
第1画像光及び第2画像光は、投写位置を高精度に位置調整する必要があるが、本発明の
プロジェクターの第2態様によれば、第1画像光による投写画像及び第2画像光による投
写画像のそれぞれの投写位置のずれをプロジェクターの内部の温度に応じて適切に補正す
ることができる。このため、例えば、斜め1/2画素ずらしによる投写を行うような場合
であっても、プロジェクターの内部の温度変化に関わらず、斜め1/2画素ずらしの状態
を維持することができる。
なお、本発明のプロジェクターの第2態様においても、前記した本発明の投写位置補正
装置が有する各特徴を有することが好ましい。
本発明のプロジェクターの第2態様においては、前記投写位置補正テーブルは、前記第
1光変調素子ユニットに対応した投写位置補正データの取得が可能な第1投写位置補正テ
ーブルと、前記第2光変調素子ユニットに対応した投写位置補正データの取得が可能な第
2投写位置補正テーブルとを有することが好ましい。
このように、第1光変調素子ユニット及び第2光変調素子ユニットそれぞれに対応した
投写位置補正テーブル(第1投写位置補正テーブル及び第2投写位置補正テーブル)を有
することにより、第1光変調素子ユニット及び第2光変調素子ユニットの位置ずれの仕方
が異なる場合であっても、第1光変調素子ユニット及び第2光変調素子ユニットそれぞれ
に対応した投写位置の補正が可能となる。
本発明のプロジェクターの第2態様においては、前記投写位置補正テーブルは、前記プ
ロジェクターの出荷前に作成されることが好ましい。
このように、投写位置補正テーブルがプロジェクターの出荷前に生成されることにより
、当該プロジェクターの出荷前に投写位置補正テーブルを組み込むことが可能となる。こ
れにより、当該プロジェクターをユーザーが使用する場合、プロジェクターによって画像
を投写している場合であっても、リアルタイムで当該プロジェクターの温度に応じた投写
位置補正データを取得することができ、取得した投写位置補正データによる投写位置の補
正が可能となる。
本発明の投写位置補正データ生成方法は、プロジェクターから投写面上に投写された投
写画像を理想的投写位置に投写するための投写位置補正データを生成する投写位置補正デ
ータ生成方法であって、前記プロジェクターのコールドスタート時から所定のタイミング
ごとに温度を検出するとともに前記投写画像を所定のタイミングごとに撮像し、前記検出
された温度と前記撮像によって得られた撮像画像データとに基づいて温度と投写位置のず
れ量との関係を求める第1工程と、前記第1工程によって求められた前記温度と投写位置
のずれ量との関係に基づいて前記理想的投写位置に対するずれ量を表す値を前記投写位置
補正データとして算出する第2工程とを有することを特徴とする。
このような工程を行うことにより投写位置補正データを生成することができる。これに
よって生成された投写位置補正データを用いて投写位置の補正を行うことにより、プロジ
ェクターの投写画像を常に理想的投写位置に投写することができる。なお、本発明の投写
位置補正データ生成方法においても、前記した本発明の投写位置補正装置が有する各特徴
を有することが好ましい。
実施形態1に係るプロジェクターPJ1の構成を示す図。 プロジェクターPJ1の光学装置200の構成を示す平面図。 投写位置補正テーブル120を作成するために必要なシステム構成を示す図。 投写位置補正データの生成手順を概略的に説明するフローチャート。 プロジェクターPJ1のコールドスタート時からの経過時間とプロジェクターの画素ずれ量の関係を示す図。 基準画素位置に対する画素ずれ量をプロジェクターの内部の温度変化に対応させて示す図。 XY座標上における投写画像の位置を説明する図。 投写位置補正テーブル120の一例を示す図。 実施形態1に係る投写位置補正処理の手順を説明するフローチャート。 複数のプロジェクターを用いたマルチプロジェクションシステムの構成を示す図。 実施形態2に係るプロジェクターPJ3の構成を示す図。 実施形態2に係るプロジェクターPJ3の光学装置200の構成を示す平面図。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクターPJ1の構成を示す図である。実施形態1に
係るプロジェクターPJ1は、投写位置補正装置100と、光学装置200とを有してい
る。
投写位置補正装置100は、プロジェクターPJ1の内部の温度を検知して、その時点
の温度データ(以下では温度という)を出力する温度検出部としての温度センサー110
と、温度センサー110によって検出された温度に応じた投写位置補正データを取得可能
な投写位置補正テーブル120と、現時点において検出された温度に対応する投写位置補
正データを投写位置補正テーブル120から取得し、取得した投写位置補正データに基づ
いて投写位置のずれを補正する投写位置補正処理部130とを有している。
図2は、プロジェクターPJ1の光学装置200の構成を示す平面図である。光学装置
200は、図2に示すように、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)を含む光を
射出する光源300と、インテグレータ光学系310と、光変調素子ユニット400と、
色分離導光光学系500と、投写光学系600とを有する。
光変調素子ユニット400は、RGBの各色光に対応した光変調素子410R,410
G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420とを有する。なお、光変調素子4
10R,410G,410Bの入射側には入射側偏光板が設けられており、射出側には射
出側偏光板が設けられているがこれらの符号は省略されている。
光変調素子410R,410G,410B)とクロスダイクロイックプリズム420と
は一体化された構造となっている。また、光変調素子410R,410G,410Bのそ
れぞれ対応する画素の相対的な位置関係及びこれら光変調素子410R,410G,41
0Bとクロスダイクロイックプリズム420との相対的な位置関係は、当該光変調素子ユ
ニット400の製造工程において適正な位置関係となるように高精度に調整されたものと
なっており、その位置関係はプロジェクターPJ1に取り付けられたあとも固定的である
とする。
色分離導光光学系500は、RGBの各色光のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光
(G)及び青色光(B)を通過させるダイクロイックミラー510と、ダイクロイックミ
ラー510を通過した緑色光及び青色光のうち、緑色光を反射させ青色光を通過させるダ
イクロイックミラー520と、ダイクロイックミラー520を通過した青色光を青色用の
光変調素子410Bに導く2つのリレーレンズ530,540及び2つの反射ミラー55
0,560と、ダイクロイックミラー510で反射された赤色光を赤色用の光変調素子4
10Rに導く反射ミラー570とを有している。
このような光学装置200を有するプロジェクターPJ1において、光源300から射
出された光は、インテグレータ光学系310を通過したのち、色分離導光光学系500に
よってRGBのそれぞれの色光に分離されたのち、それぞれ対応する光変調素子410R
,410G,410Bに導かれる。そして、光変調素子410R,410G,410Bは
、投写位置補正処理部130(図1参照)から出力される画像データに基づいて各色光を
変調し、RGBの各画像光を形成する。
そして、光変調素子410R,410G,410Bで形成されたRGBの各画像光は、
クロスダイクロイックプリズム420で合成されたのち、投写光学系600によってスク
リーンSCR上にカラー画像として投写される。
ところで、温度センサー110は、光変調素子ユニット400の近傍に設けられること
が好ましい。例えば、図2において、クロスダイクロイックプリズム420の上方部付近
などに設けられることが好ましい。プロジェクターの内部では、図2で示す光学装置20
0の上方に電気回路部品が搭載された回路基板が存在する場合が多いので、当該回路基板
の裏面(光学装置200に対向する面)で、かつ、クロスダイクロイックプリズム420
の上方部付近に温度センサー110を取り付けることは可能である。
なお、冷却装置を有しているプロジェクターには冷却装置を制御するための温度センサ
ーが元々設けられている場合が多く、このようなプロジェクターにおいては、その温度セ
ンサーを利用するようにしてもよい。
図3は、投写位置補正テーブル120を作成するために必要なシステム構成を示す図で
ある。投写位置補正テーブル120は、個々のプロジェクターに対応した固有の投写位置
補正テーブルとして作成されることが好ましい。これは、個々のプロジェクターごとに、
プロジェクターの内部の温度変化の仕方が異なる可能性があり、また、温度変化による光
学系部品などの膨張の仕方なども異なる可能性があるからである。
また、投写位置補正テーブル120は、個々のプロジェクターの出荷前に作成されたの
ちに、それぞれのプロジェクターに組み込まれるものである。
投写位置補正テーブル120を作成するシステムは、図3に示すように、投写位置補正
テーブル120が組み込まれるプロジェクターPJ1と、スクリーンSCR上に投写され
たプロジェクターPJ1からの投写画像を撮像する撮像装置10と、投写位置補正テーブ
ル作成装置20とを有する。投写位置補正テーブル作成装置20としては、パーソナルコ
ンピュータを用いることができる。
投写位置補正テーブル作成装置20は、温度センサー110からの温度及び撮像装置1
0からの撮像画像データなどに基づいて、投写画像を理想的投写位置に投写するための投
写位置補正データを生成し、生成した投写位置補正データを用いて投写位置補正テーブル
を作成する。なお、投写位置補正データ及び当該投写位置補正データを用いて作成される
投写位置補正テーブルの内容については後述する。
以下に、投写位置補正テーブルを作成するために必要な投写位置補正データの生成手順
について説明する。
図4は、投写位置補正データの生成手順を概略的に説明するフローチャートである。投
写位置補正データの生成手順は、プロジェクターのコールドスタート時から所定のタイミ
ングごとに温度を検出するとともに、撮像装置10によって投写画像を所定のタイミング
ごとに撮像し、検出された温度と撮像装置10からの撮像画像データとに基づいて温度と
投写位置のずれ量との関係を求める第1工程(ステップS1)と、第1工程によって求め
られた温度と投写位置のずれ量との関係に基づいて理想的投写位置に対するずれ量を表す
値を投写位置補正データとして算出する第2工程(ステップS2)とを順次行う。これら
投写位置補正データを生成するための第1工程及び第2工程について以下に詳細に説明す
る。
投写位置補正データを生成するための第1工程においては、まず、プロジェクターPJ
1のコールドスタート時からの経過時間と温度とを記録するとともに、プロジェクターP
J1によってスクリーンSCR上に投写された投写画像を撮像装置10によって撮像する
。また、投写位置補正テーブル120を作成するためにプロジェクターPJ1から投写す
る画像は、位置調整用パターン画像であってもよく、また、一般的な画像であってもよい
図5は、プロジェクターPJ1のコールドスタート時からの経過時間とプロジェクター
PJ1の画素ずれ量との関係を示す図である。コールドスタート時の時刻をt0とし、そ
のときの画素ずれ量DをD=0とする。なお、画素ずれ量は、プロジェクターPJ1の光
変調素子(例えば、緑色用の光変調素子410G)の注目する1つの画素(注目画素とい
う)の画素ずれ量とする。この注目画素の画素ずれ量は、光変調素子ユニット400の各
光変調素子全体の画素ずれ量を表すものとなる。
そして、時刻t0からの経過時間をt1,t2,t3,・・・として、各経過時間t1
,t2,t3,・・・ごとに注目画素の画素ずれ量Dを測定して行く。すると、図5に示
すように、コールドスタート時(時刻t0)の直後からしばらくの間(図5においては、
経過時間t4付近までの間)は、画素が大きくずれて画素ずれ量の変化も大きく、その後
、画素ずれ量の変化は小さくなり、経過時間t9以降には、画素ずれ量の変化は殆どなく
なって安定した状態となる。
図5においては、経過時間に対する画素ずれ量の変化を示したが、温度の変化に対する
画素ずれ量の変化も同様の関係となる。すなわち、コールドスタート時から時間の経過と
ともに温度が上昇すると、しばらくの間は、画素が大きくずれて画素ずれ量の変化も大き
く、その後、画素ずれ量の変化は小さくなり、プロジェクターPJ1の内部が熱平衡の状
態となると(経過時間t9付近)、画素ずれ量の変化は殆どなくなって安定した状態とな
る。
そこで、投写位置補正データを生成するための第1工程としては、プロジェクターPJ
1のコールドスタート時からの経過時間と温度とを記録するとともに、プロジェクターP
J1によってスクリーンSCR上に投写された投写画像を撮像装置10によって撮像する
。撮像装置10による投写画像の撮像は断続的に行う。このとき、撮像装置10により撮
像を行ったときの撮像時間(コールドスタート時の時刻t0を起点とした経過時間)も記
録する。
なお、撮像装置10による断続的な撮像は、一定間隔で撮像するようにしてもよく、撮
像する間隔を変化させるようにしてもよい。撮像する間隔を変化させる場合は、例えば、
コールドスタート時の直後から所定の経過時間まで(例えば、熱平衡するまで)は、きめ
細かい時間間隔で撮像を行い、その後は、比較的、粗い時間間隔で行うといった方法を例
示することができる。
そして、温度を記録した時間(時刻t0からの経過時間)における温度と、その時点で
撮像して得られた撮像画像データとに基づいて投写位置のずれ量を求める。この場合の投
写位置のずれ量は、基準となる画素位置(基準画素位置という)に対して注目画素がどの
程度ずれているか示す値として表わされるものとする。具体的には、プロジェクターPJ
1のコールドスタート時における注目画素のXY座標上における画素位置を基準画素位置
とした場合、当該基準画素位置に対する注目画素の画素ずれ量をX軸方向及びY軸方向の
画素数として表わす。
なお、光変調素子ユニット400には、RGBそれぞれに対応した光変調素子410R
,410G,410Bが存在するが、前述したように、これら各光変調素子410R,4
10G,410Bの相互の位置関係は適切に設定されており、その位置関係は固定的なも
のであるとしている。したがって、注目画素の画素ずれ量は、これら各光変調素子410
R,410G,410B全体の画素ずれ量を表すものとなる。
図6は、基準画素位置に対する注目画素の画素ずれ量をプロジェクターPJ1の内部の
温度変化に対応させて示す図である。図6に示すように、コールドスタート時の温度を1
5度とし、そのときの注目画素の画素位置を基準画素位置として、当該基準画素位置をX
Y座標上において(0,0)とする。なお、プロジェクターPJ1の内部の温度とは、温
度センサー110で検出された温度である。
また、図6における「X」及び「Y」の各数値は、基準画素位置(0,0)に対する注
目画素の画素ずれ量を表している。また、この画素すれ量は、少数点以下1桁までの数値
として表しており、例えば、「1.5」というのは、1.5画素であり、これは、基準画
素位置に対して注目画素が1.5画素分だけずれていることを示している。
図7は、基準画素位置に対する注目画素の画素ずれ量をXY座標上において説明する図
である。ここでは、XY座標上における基準画素位置(0,0)に位置する画素を注目画
素とする。なお、図6においては、X軸において、X=0の位置から右方向をプラスとし
、左方向をマイナスとする。また、Y軸において、Y=0の位置から下方向をプラスとし
、上方向をマイナスとする。
ところで、前述した図6においては、温度が15度(コールドスタート時)のときの基
準画素位置(0,0)に対する注目画素の画素ずれ量が示されている。図6によれば、温
度が16度となると、注目画素のX軸方向における画素ずれ量は、「−0.5画素」とな
り、注目画素のY軸方向における画素ずれ量は、「0.3画素」となっている。これは、
基準画素位置(0,0)に対して、注目画素がX軸方向においては左方向に「−0.5画
素」、Y軸方向においては下方向に「0.3画素」だけそれぞれ画素ずれすることを示し
ている。また、温度が17度となると、注目画素のX軸方向における画素ずれ量は、「−
0.8画素」となり、注目画素のY軸方向における画素ずれ量は、「0.5画素」となっ
ている。これは、注目画素が基準画素位置(0,0)に対して、X軸方向においては左方
向に「−0.8画素」、Y軸方向においては下方向に「0.5画素」だけそれぞれ画素ず
れすることを示している。
そして、温度がさらに上昇して50度となると、注目画素のX軸方向における画素ずれ
量は、「−2.4画素」となり、注目画素のY軸方向における画素ずれ量は、「1.5画
素」となる(図7参照)。このように、プロジェクターPJ1は、内部の温度の上昇に伴
い、図7における斜め左下(図示、矢印a方向)に画素ずれが生じる傾向があることがわ
かる。
そして、プロジェクターPJ1は、温度が50度に達すると、それ以降は温度上昇によ
る画素ずれは殆ど生じていない(図6参照)。すなわち、プロジェクターPJ1の内部が
熱平衡の状態となる温度は、この場合、50度であるといえる。
次に、図6に示すような温度と画素ずれ量との関係を示すデータを用いて投写位置補正
データを生成するための第2工程を行う。
投写位置補正データを生成するための第2工程としては、まず、理想的投写位置を決定
する。この理想的投写位置は、プロジェクターPJ1の内部が熱平衡したときの投写位置
であってもよく、また、プロジェクターPJ1のコールドスタート時の投写位置であって
もよいが、実施形態1においては、熱平衡したときの投写位置とする。また、理想的投写
位置のときの注目画素の画素位置を理想的画素位置とする。熱平衡したとき、又はコール
ドスタート時の投写位置は、熱により生じるずれの始点又は終点になることが多いため、
理想位置からの距離測定などが容易であり、実装が容易となる。
この場合、プロジェクターPJ1が熱平衡したときの投写位置を理想的投写位置、すな
わち理想的画素位置としているので、当該プロジェクターPJ1においては、基準画素位
置から注目画素がX=−2.4,Y=1.5だけずれた位置が理想的画素位置となる。こ
れは、当該プロジェクターPJ1は、熱平衡したときの注目画素の画素位置が、X=−2
.4,Y=1.5の位置となればよいことを示している。
ここで、理想的画素位置の座標を(Xi,Yi)とし、図6に示す各温度における注目
画素の画素位置を(Xj,Yj)とすると、当該温度におけるX軸方向の画素ずれ量Xd
及びY軸方向の画素ずれ量Ydは、
Xd=Xi−Xj・・・・・・・(1)
Yd=Yi−Yj・・・・・・・(2)
によって求めることができる。例えば、15度の温度におけるX軸方向の画素ずれ量Xd
は、(1)式より、Xd=(−2.4)−0=−2.4画素と求められる。同様に、15
度の温度におけるY軸方向の画素ずれ量Ydは、(2)式より、Yd=(1.5)−0=
1.5画素と求められる。
これは、温度が15度のときにおいては、理想的画素位置に対して、X軸方向において
−2.4画素分の画素ずれ量が存在し、Y軸方向において1.5画素分の画素ずれ量が存
在していることを示している。換言すれば、温度が15のときは、X軸方向において−2
.4画素分だけ画素をずらすような補正を行い、Y軸方向において1.5画素分だけ画素
をずらすような補正を行うことによって、理想的画素位置とすることができることを示し
ている。
同様に、16度の温度におけるX軸方向の画素ずれ量Xdは、(1)式より、Xd=(
−2.4)−(−0.5)=−1.9画素と求められる。また、16度の温度におけるY
軸方向の画素ずれ量Ydは、(2)式より、Yd=(1.5)−(0.3)=1.2画素
と求められる。
これは、温度が16度のときにおいては、理想的画素位置に対して、X軸方向において
−1.9画素分の画素ずれ量が存在し、Y軸方向において1.2画素分の画素ずれ量が存
在していることを示している。換言すれば、温度が16のときは、X軸方向において−1
.9画素分だけ画素をずらすような補正を行い、Y軸方向において1.2画素分だけ画素
をずらすような補正を行うことによって、理想的画素位置とすることができることを示し
ている。
他の温度においても同様にX軸方向及びY軸方向における注目画素の画素ずれ量を求め
ることができる。なお、(1)式及び(2)式によって求められる理想的画素位置に対す
る注目画素の画素ずれ量は、投写画像を理想的投写位置に投写するために投写位置を補正
する投写位置補正データであり、この投写位置補正データをここでは「画素ずれ補正量」
と呼ぶことにする。
このようにして投写位置補正データが生成されることによって、図8に示すような投写
位置補正テーブル120を作成することができる。
図8は、投写位置補正テーブル120の一例を示す図である。図8に示す投写位置補正
テーブル120に書き込まれている各温度に対する画素ずれ補正量は、(1)式及び(2
)式によって求められたものである。
このようにして作成された投写位置補正テーブル120は、プロジェクターPJ1の投
写位置補正装置100に組み込まれる(図1参照)。これにより、投写位置補正装置10
0の投写位置補正処理部130は、投写位置補正テーブル120を参照して、その時点の
温度に対応した画素ずれ補正量を取得して、取得した画素ずれ補正量の分だけ画像処理に
よる投写位置の補正を行う。
図9は、実施形態1に係る投写位置補正処理の手順を説明するフローチャートである。
まず、温度センサー110からの温度(温度データ)を取得し(ステップS11)、取得
した温度に対応した画素ずれ補正量を投写位置補正テーブル120から取得する(ステッ
プS12)。そして、取得した画素ずれ補正量の分だけ投写位置補正処理を行い(ステッ
プS13)、投写位置の補正がなされた画像を投写する(ステップS14)。
なお、投写位置補正処理は、投写位置補正処理部130が画像データに対し、ステップ
S12において取得した画素ずれ補正量だけ画像処理により画素をシフトさせる処理を行
う。例えば、現時点において温度センサー110から出力される温度が15度であるとす
れば、投写位置補正テーブル120(図8参照)から取得された画素ずれ量は、Xd=−
2.4、Yd=1.5画素である。したがって、この場合、X軸方向において−2.4画
素だけ画素をシフトし、Y軸方向において1.5画素だけ画素をシフトする。
そして、投写位置補正処理部130からは画素位置の補正がなされた画像データが補正
済み画像データとして出力される。この補正済み画像データは、光変調素子ユニット40
0の各光変調素子410R.410G,410Bに与えられ、スクリーンSCRには、補
正済み画像データが投写される。これにより、スクリーンSCRに投写される投写画像の
投写位置は理想的投写位置すなわち当該プロジェクターPJ1が熱平衡したときの投写位
置となる。
また、コールドスタート時からプロジェクターPJ1の温度が上昇して、例えば,温度
センサー110から出力される温度が18度となったとすると、投写位置補正テーブル1
20(図8参照)から取得される画素ずれ量は、Xd=−1.3画素、Yd=0.7画素
である。したがって、この場合、X軸方向において−1.3画素だけ画素をシフトし、Y
軸方向において0.7画素だけ画素をシフトする。
そして、投写位置補正処理部130からは画素位置が補正された画像データが補正済み
画像データとして出力される。この補正済み画像データは、光変調素子ユニット400の
各光変調素子410R,410G,410Bに与えられ、スクリーンSCRには、補正済
み画像データが投写される。これにより、スクリーンSCRに投写される投写画像の投写
位置は理想的投写位置すなわち当該プロジェクターPJ1が熱平衡したときの投写位置と
なる。
このように、プロジェクターPJ1のコールドスタート時から刻々と変わる温度に対応
した画素ずれ補正量を投写位置補正テーブル120から取得して、取得した画素ずれ補正
量に応じた投写位置補正処理を行うことにより、スクリーンSCR上に投写される投写画
像は、どの温度においても理想的投写位置、すなわち当該プロジェクターPJ1が熱平衡
したときの投写位置に投写されるようになる。
なお、上記した投写位置補正処理は、画像データの1フレームごとに行うようにしても
よいが、1フレームごとに行う必要は特にはなく、例えば、1秒程度の間隔で行えば十分
である。また、その時点の温度に対応する画素ずれ量が投写位置補正テーブル120に存
在しない場合には、その前後の温度に対応する画素ずれ量を投写位置補正テーブルから取
得して、取得した画素ずれ量から線形補間などによって求めることができる。
例えば、20度での画素ずれ量がXd=2.0、Yd=3.0となり、21度での画素
ずれ量がXd=2.2、Yd=3.4となる投写位置補正データが存在するとき、これら
の画素ずれ量を用いて温度が20.5度のときの画素ずれ量を線形に補間すると、以下の
ようになる。
Xd=(2.2−2.0)/(21−20)×0.5+2.0=2.1
Yd=(3.4−3.0)/(21−20)×0.5+3.0=3.2
なお、その時点の温度に対応する画素ずれ量が投写位置補正テーブル120に存在しな
い場合におけるデータの生成方法は線形補間以外の方法でもよい。
実施形態1に係るプロジェクターPJ1によれば、当該プロジェクターPJ1によって
スクリーンSCRに投写される投写画像は、コールドスタート時から熱平衡するまでの間
においても、当該プロジェクターPJ1が熱平衡したときの投写位置に投写されるように
なる。また、熱平衡したあとにおいても、プロジェクターPJ1内の温度に増減があった
としても、同様の投写位置補正処理を行うことにより、熱平衡したときの投写位置に投写
されるようになる。
以上はある1台のプロジェクターPJ1の場合について説明したが、プロジェクターが
複数の場合には、個々のプロジェクターごとに固有の投写位置補正テーブル120を作成
して、個々のプロジェクターごとに固有の投写位置補正テーブルを有することが好ましい
。これは個々のプロジェクターの内部の温度上昇の仕方や、温度上昇による投写位置のず
れ方などはプロジェクターごとに異なる場合が多いからである。
このように、個々のプロジェクターごとに固有の投写位置補正テーブルを有することに
より、複数のプロジェクターによってスタッキング投写又はタイリング投写を行うマルチ
プロジェクションシステムを構成する場合、スクリーンSCRに投写される複数の投写画
像の投写位置が個々のプロジェクターの内部の温度変化によってずれてしまうということ
を防止することができる。
図10は、複数のプロジェクターを用いたマルチプロジェクションシステムの構成を示
す図である。図10(a)は2台のプロジェクターPJ1,PJ2によりスタッキング投
写を行う場合を示すものであり、図10(b)は2台のプロジェクターPJ1,PJ2に
よりタイリング投写を行う場合を示すものである。
このようなマルチプロジェクションシステムを構成する場合、マルチプロジェクション
システムに用いられるプロジェクターPJ1,PJ2が、それぞれ図1に示す構成を有し
、図9に示す投写位置補正処理を行うことにより、プロジェクターPJ1,PJ2は、個
々のプロジェクターPJ1,PJ2の内部の温度に関わらず、それぞれが熱平衡したとき
の投写位置(理想的投射位置)に投写画像を投写することができる。
例えば、図10(a)に示すようなスタッキング投写においては、プロジェクターPJ
1の光変調素子ユニット(第1光変調素子ユニットとする)の各光変調素子及びプロジェ
クターPJ2の光変調素子ユニット(第2光変調素子ユニットとする)の各光変調素子の
それぞれ対応する画素を高精度に一致させることにより、高輝度な画像をスクリーンSC
R上で表示させることができることは勿論、一方のプロジェクターPJ1の第1光変調素
子ユニットの各光変調素子と他方のプロジェクターPJ2の第2光変調素子ユニットの各
光変調素子のそれぞれ対応する画素を斜め方向に1/2画素だけ画素をずらす「斜め画素
ずらし」による投写を行うことにより、高解像度の画像をスクリーンSCR上で表示させ
ることができる。なお、第1光変調素子ユニット及び第2光変調素子ユニットは、図2に
示した光変調素子ユニット400と同様の構成を有するものとする。
いずれの場合も、第1光変調素子ユニットの各光変調素子及び第2光変調素子ユニット
の各光変調素子のそれぞれ対応する画素の位置関係が適切に調整された状態となるように
、プロジェクターPJ1及びプロジェクターPJ2を高精度に位置調整する必要がある。
しかしながら、プロジェクターPJ1及びプロジェクターPJ2を高精度に位置調整し
たとしても、プロジェクターPJ1,PJ2の内部の温度変化による熱膨張などにより、
第1光変調素子ユニット及び第2光変調素子ユニットの位置がずれてしまい、それによっ
て、第1光変調素子ユニットの各光変調素子及び第2光変調素子ユニットの各光変調素子
のそれぞれ対応する画素の位置関係がずれてしまうおそれがある。
そこで、図1に示すような構成を有するプロジェクターPJ1,PJ2を用いて、例え
ば、斜め画素ずらしによる投写を行う場合には、プロジェクターPJ1,PJ2がそれぞ
れ熱平衡したときに、第1光変調素子ユニットの各光変調素子と第2光変調素子ユニット
の各光変調素子のそれぞれ対応する画素が斜め方向に1/2画素ずれた状態となるように
プロジェクターPJ1,PJ2を設置しておく。
これにより、プロジェクターPJ1,PJ2からの投写画像は、プロジェクターPJ1
,PJ2の内部の温度に関わらず、各プロジェクターPJ1,PJ2が熱平衡した位置(
理想的投写位置)に投写されるため、高精度な斜め画素ずらしの状態を維持することがで
きる。
一方、図10(b)に示すタイリング投写の場合も同様に、図2に示すような構成を有
するプロジェクターPJ1,PJ2を用いて、これらプロジェクターPJ1,PJ2がそ
れぞれ熱平衡したときに、投写画像が最適な位置となるようにプロジェクターPJ1,P
J2を設定しておく。これにより、プロジェクターPJ1,PJ2からの投写画像は、プ
ロジェクターPJ1,PJ2の内部の温度に関わらず、各プロジェクターPJ1,PJ2
が熱平衡した位置(理想的投写位置)に投写されるため、高精度に位置調整された投写位
置を維持することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係るプロジェクターPJ3は、2つの光変調素子ユニット(第1光変調素
子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bという)を有するプロジェクタ
ーである。
図11は、実施形態2に係るプロジェクターPJ3の構成を示す図である。実施形態2
に係るプロジェクターPJ3は、実施形態1に係るプロジェクターPJ1と同様、投写位
置補正装置100と、光学装置200とを有している。なお、実施形態2に係るプロジェ
クターPJ3の光学装置200は、第1光変調素子ユニット400Aと第2光変調素子ユ
ニット400Bとを有している。
光学装置200は、第1光変調素子ユニット400Aから射出される第1画像光(以下
、「第1の画像」ともいう)及び第2光変調素子ユニット400Bから射出される第2画
像光(以下、「第2の画像」ともいう)のそれぞれ対応する画素を高精度に一致させるこ
とにより、高輝度な画像をスクリーンSCR上で表示させることができる。また光学装置
200は、第1の画像及び第2の画像のそれぞれ対応する画素を1画素未満の所定量(例
えば、水平方向に1/2画素、及び垂直方向に1/2画素)ずらす「斜め画素ずらし」に
よる投写を行うことにより、高解像度の画像をスクリーンSCR上で表示させることがで
きる。光学装置200の構成については後述する。
投写位置補正装置100は、温度センサー110と、第1光変調素子ユニット400A
及び第2光変調素子ユニット400Bのそれぞれに対応した投写位置補正テーブル(第1
投写位置補正テーブル120A及び第2投写位置補正テーブル120Bという)と、温度
センサー110により現時点において検出された温度に対応する投写位置補正データを第
1投写位置補正テーブル120A及び第2投写位置補正テーブル120Bから取得し、取
得したそれぞれの投写位置補正データに基づいて投写位置のずれを補正する投写位置補正
処理部130とを有している。
なお、第1投写位置補正テーブル120Aから取得される投写位置補正データを第1投
写位置補正データとし、第2投写位置補正テーブル120Bから取得される投写位置補正
データを第2投写位置補正データとする。そして、第1投写位置補正データを第1画素ず
れ補正量、第1投写位置補正データを第2画素ずれ補正量という。
また、第1光変調素子ユニット400Aに対応した第1投写位置補正テーブル120A
は、実施形態1に係るプロジェクターPJ1の投写位置補正テーブル120(図8参照)
と同じものであるとする。したがって、第2画素ずれ補正量は図8に示す画素ずれ補正量
と同じである。また、第2光変調素子ユニット400Bに対応した第2投写位置補正テー
ブル120Bは、実施形態1で説明した手順で作成することができる。なお、第2投写位
置補正テーブル120Bから取得される第2画素ずれ補正量の内容については図示を省略
する。
また、温度センサー110は第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニ
ット400Bそれぞれに対応して設けるようにしてもよいが、ここでは、温度センサー1
10は1つであるとする。
図12は、実施形態2に係るプロジェクターPJ3の光学装置200の構成を示す平面
図である。実施形態2に係るプロジェクターPJ3の光学装置200は、図12に示すよ
うに、RGBを含む光を射出する光源300と、インテグレータ光学系310と、第1光
変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bと、偏光分離光学系とし
ての偏光分離ミラー320と、偏光分離ミラー320によって分離された第1偏光成分(
p偏光とする)をRGBの各色光に分離して第1光変調素子ユニット400Aに導く第1
色分離導光光学系500Aと、偏光分離ミラー320によって分離された第2偏光成分(
s偏光とする)をRGBの各色光に分離して第2光変調素子ユニット400Bに導く第2
色分離導光光学系500Bと、合成光学系としての偏光合成プリズム800と、偏光合成
プリズム800で合成された画像光をスクリーンSCRに拡大して投写する投写光学系6
00とを備える。
第1光変調素子ユニット400Aは、実施形態1に係るプロジェクターPJ1における
光変調素子ユニット400に対応するものであり、実施形態1に係るプロジェクターPJ
1における光変調素子ユニット400と同様に、RGBの各色に対応した光変調素子41
0R,410G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420とを有し、これら光
変調素子410R,410G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420とは一
体化された構造となっている。なお、光変調素子410R,410G,410Bの入射側
には入射側偏光板が設けられており、射出側には射出側偏光板が設けられているがこれら
の符号は省略されている。
このように構成された第1光変調素子ユニット400Aからは、第1偏光成分(p偏光
)を有する第1画像光が射出される。
第1色分離導光光学系500Aは、偏光分離ミラー320を通過したp偏光のRGBの
各色光のうち、赤色光を反射させ、緑色光及び青色光を通過させるダイクロイックミラー
510と、ダイクロイックミラー510を通過した緑色光及び青色光のうち、緑色光を反
射させ、青色光を通過させるダイクロイックミラー520と、ダイクロイックミラー52
0を通過した青色光を光変調素子410Bに導く2つのリレーレンズ530,540及び
2つの反射ミラー550,560と、ダイクロイックミラー510で反射された赤色光を
光変調素子410Rに導く反射ミラー570とを有している。なお、反射ミラー570は
、この場合、第2色分離導光光学系500Bとの間で共用となっているため、両面反射ミ
ラーが用いられる。
一方、第2光変調素子ユニット400Bは、RGBの各色に対応した光変調素子411
R,411G,411Bと、クロスダイクロイックプリズム421とを有し、これら光変
調素子411R,411G,411Bと、クロスダイクロイックプリズム421とは一体
化された構造となっている。なお、光変調素子411R,411G,411Bの入射側に
は入射側偏光板が設けられており、射出側には射出側偏光板が設けられているがこれらの
符号は省略されている。
このように構成された第2光変調素子ユニット400Bからは、第2偏光成分(s偏光
)を有する第2画像光が射出される。
第2色分離導光光学系500Bは、偏光分離ミラー320を通過したs偏光のRGBの
各色光のうち、赤色光を反射させ、緑色光及び青色光を通過させるダイクロイックミラー
511と、ダイクロイックミラー511を通過した緑色光及び青色光のうち、緑色光を反
射させ、青色光を通過させるダイクロイックミラー521と、ダイクロイックミラー52
1を通過した青色光を光変調素子411Bに導く2つのリレーレンズ531,541及び
2つの反射ミラー551,561とを有している。なお、ダイクロイックミラー511で
反射された赤色光は、第1光変調素子ユニット400Bと共用の両面反射ミラー570で
反射されて光変調素子411Rに入射する。
偏光合成プリズム800は、第1光変調素子ユニット400Aから射出されるp偏光の
第1画像光と、第2光変調素子ユニット400Bから射出されるs偏光の第2画像光とを
合成して投写光学系600に射出する。そして、偏光合成プリズム800から射出された
合成画像は、投写光学系600によって拡大されて、スクリーンSCR上に投写される。
ところで、第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bの2
つの光変調素子ユニットを有するプロジェクターPJ3は、前述したスタッキング投写と
同様、第1光変調素子ユニット400Aの各光変調素子及び第2光変調素子ユニット40
0Bの各光変調素子のそれぞれ対応する画素を高精度に一致させることにより、高輝度な
画像をスクリーンSCR上で表示させることができることは勿論、それぞれ対応する画素
を斜め方向に1/2画素ずらす「斜め画素ずらし」による投写を行うことにより、高解像
度の画像をスクリーンSCR上で表示させることができる。
このような斜め画素ずらしによる投写を可能とするには、第1光変調素子ユニット40
0Aの各光変調素子と第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子のそれぞれ対応す
る画素を斜め方向に1/2画素ずれた状態となるように、第1光変調素子ユニット400
Aの各光変調素子及び第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子の位置関係は高精
度に調整された状態を維持する必要がある。
なお、第1光変調素子ユニット400Aの各光変調素子410A,410G,410B
及びクロスダイクロイックプリズム420などは一体化された構造となっており、これら
の位置関係は固定的であり、同様に、第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子4
11A,411G,411B及びクロスダイクロイックプリズム421などは一体化され
た構造となっており、これらの位置関係は固定的であるとする。
そこで、上記したような斜め画素ずらしを行う場合には、当該プロジェクターPJ3の
出荷前の位置調整工程として、当該プロジェクターPJ3が例えば熱平衡したときに、第
1光変調素子ユニット400Aの各光変調素子と第2光変調素子ユニット400Bの各光
変調素子のそれぞれ対応する画素が斜め方向に1/2画素ずれた状態となるように高精度
に位置調整した状態としておく。
一方、プロジェクターPJ3には、第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素
子ユニット400Bのそれぞれに対応する投写位置補正テーブル(第1投写位置補正テー
ブル120A及び第2投写位置補正テーブル120B)が組み込まれている(図11参照
)。そして、第1投写位置補正テーブル120Aからは温度検出センサー110で検出さ
れた温度に応じた第1画素ずれ補正量が取得され、第2投写位置補正テーブル120Bか
らは温度検出センサー110で検出された温度に応じた第2画素ずれ補正量が取得される
このようなプロジェクターPJ3を用いて、例えば、斜め画素ずらしによる投写を行っ
た場合、プロジェクターPJ3の内部の温度に関わらず、第1光変調素子ユニット400
Aから射出される第1画像光及び第2光変調素子ユニット400Bから射出される第2画
像光は、プロジェクターPJ3の内部が熱平衡したときの投写位置(理想的投写位置)に
それぞれ投写され、これにより、プロジェクターPJ3内の温度変化に関わらず高精度な
斜め画素ずらしの状態を維持することができる。
また、斜め画素ずらしによる投写だけではなく、第1光変調素子ユニット400Aの各
光変調素子及び第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子のそれぞれ対応する画素
を高精度に一致させた状態で投写する場合にも同様に、プロジェクターPJ3内の温度変
化に関わらず、投写画像を高精度に一致させた状態を維持することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記(1)〜(7)に示すような変
形実施も可能である。
(1)上記各実施形態では、投写位置の補正は画像処理によって行う場合を例示したが
、画像処理による補正に限られるものではなく、光変調素子ユニット400(第1光変調
素子ユニット400A、第2光変調素子ユニット400B)を水平及び垂直方向に移動さ
せる移動機構を設けて、当該移動機構によって行うようにしてもよく、また、光軸をずら
すなど光学的な補正によって行うようにしてもよい。
(2)また、画素位置の補正は画像処理と、移動機構による補正又は光学的な補正とを
組み合わせるようにしてもよい。例えば、補正すべき画素ずれ量のうちの整数の値として
表わされる画素数(例えば「2.4画素」であれば「2画素」)については画像処理によ
って画素を1画素単位でシフトする方法で補正し、小数点以下の値で表わされる画素数(
例えば「2.4画素」であれば「0.4画素」)については、移動機構による補正又は光
学的な補正を用いるといった補正の仕方も可能である。
(3)上記各実施形態では、画素ずれを判定するための注目画素としては、4隅の画素
のうちの左斜め上の隅に位置する1つの画素としたが、注目画素はこれに限られるもので
はない。また、注目画素は必ずしも1つとすることはなく、例えば、4隅の画素の平均位
置としてもよく、また、4隅でなくても離散的に存在する複数の画素の位置の平均位置と
してもよい。
(4)上記各実施形態では、温度センサーは1つの場合を例示したが、温度センサー1
10は、プロジェクターの内部に複数個所を設けるようにしてもよい、その場合、複数個
所の温度センサーから得られる温度の例えば平均値などを当該プロジェクターの温度とし
て採用するといった方法を例示することができる。
(5)上記各実施形態においては、温度センサー110は、電気回路が取り付けられる
基板の裏面で、かつ、クロスダイクロイックプリズム(図2においてはクロスダイクロイ
ックプリズム420)の上方に取り付ける場合を例示したが、これに限られるものではな
い。
(6)上記各実施形態においては、プロジェクターの光変調素子としては液晶を用いた
光変調素子を例にとって説明したが、デジタルマイクロミラーによる光変調素子を用いた
プロジェクターであってもよい。
(7)実施形態2においては、個々の光変調素子ユニット(第1光変調素子ユニット及
び第2光変調素子ユニット)ごとに投写位置補正テーブルを作成して、作成されたそれぞ
れの投写位置補正テーブルを組み込む場合を例示したが、第1光変調素子ユニット及び第
2光変調素子ユニットの温度変化による位置ずれの仕方が同じか又は第1光変調素子ユニ
ット及び第2光変調素子ユニットの温度変化による位置ずれの仕方が多少異なっていても
許容できる範囲であることが明らかである場合には、1つの投写位置補正テーブルを共用
してもよい。
(8)実施形態2においては、プロジェクターPJ3が2つの光変調素子ユニットを備
える場合を例示したが、プロジェクターPJ3は3つ以上の光変調素子ユニットを備えて
いてもよい。
(9)実施形態2においては、第1光変調素子ユニットから射出される第1の画像、及
び第2光変調素子ユニットから射出される第2の画像の投写位置をそれぞれ補正している
が、第1の画像又は第2の画像のうち、一方の画像の投写位置のみを補正してもよい。例
えば、第1の画像については、温度変化に伴う投写位置の変化は補正せず、第2の画像の
み、対応する第1の画像の画素に対して適切な位置に表示されるように補正を行ってもよ
い。この場合、温度変化に伴って第1の画像の投写位置が変化するのに追随するように、
第2の画像の投写位置が変化することとなる。
また、プロジェクターが3つ以上の光変調素子ユニットを備えている場合は、1つの光
変調素子ユニットが形成する基準とすべき投写画像の投写位置は補正せず、この光変調素
子ユニット以外の光変調素子ユニットから射出される投写画像の投写位置について、基準
とすべき投写画像に対して適切な位置に表示されるように補正を行ってもよい。
(10)実施形態2においては、光源300からの光を偏光分離ミラー320で分離し
て第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニットに400Bに供給する構
成を例示したが、これに限られない。第1光変調素子ユニット400Aに光を供給する第
1の光源と、第2光変調素子ユニット400Bに光を供給する第2の光源が異なる構成で
あってもよい。また、第1の光源及び第2の光源の少なくとも一方が複数の光源を含む構
成であってもよい。
(11)上記各実施形態においては、プロジェクターの内部が熱平衡したときの投写位
置、又は、プロジェクターのコールドスタート時の投写位置が理想的投写位置である場合
を例示したが、理想的投写位置はこれ以外の位置であってもよい。例えば、理想的投写位
置は、画素ずれの始点と終点の中間となる位置であってもよい。
ここで、プロジェクターの内部が熱平衡したときを基準とする画素ずれ量は、コールド
スタート時の状態に近づくにつれて大きくなり、コールドスタート時に最大となる。この
際、画素ずれ量が大きくなるにつれて画素ずれを補正するための補正値も大きくなるが、
補正値が大きくなると、画素ずれの補正に伴って画面の端部で削除されてしまう領域が大
きくなり、画像のうち表示されない領域が大きくなってしまう。これは、コールドスター
ト時を理想的投写位置とした場合も同様である。
これに対して、画素ずれの始点と終点の中間となる位置を理想的投写位置とすれば、熱
平衡時又はコールドスタート時を理想的投写位置とした場合と比較すると、必要な補正値
の絶対値が最小となる。そのため、画素ずれの始点と終点の中間となる位置を理想的投写
位置とすることにより、補正に伴って画面の端部で削除されてしまう領域を最小にするこ
とができる。
(12)上記各実施形態においては、投写位置補正テーブル120は、投写位置補正装
置100に設けられている場合が例示されているが、必ずしも投写位置補正装置100に
設ける必要はなく、外部の記憶装置などに記憶させておくことも可能である。
10・・・撮像装置、20・・・投写位置補正テーブル作成装置、100・・・投写位
置補正装置、110・・・温度センサー(温度検出部)、120・・・投写位置補正テー
ブル、120A・・・第1投写位置補正テーブル、120B・・・第2投写位置補正テー
ブル、130・・・投写位置補正処理部、200・・・光学装置、400・・・光変調素
子ユニット、400A・・・第1光変調素子ユニット、400B・・・第2光変調素子ユ
ニット、PJ1,PJ2,PJ3・・・プロジェクター、SCR・・・スクリーン

Claims (8)

  1. プロジェクターから投写面上に投写された投写画像の投写位置を補正する投写位置補正
    装置であって、
    前記プロジェクターの内部の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部によって検出された温度に応じた投写位置補正データを取得可能な投写
    位置補正テーブルに基づいて前記投写位置を補正する投写位置補正処理部と、
    を有することを特徴とする投写位置補正装置。
  2. 請求項1に記載の投写位置補正装置において、
    前記投写位置補正データは、前記投写画像を理想的投写位置に投写するためのデータで
    あって、
    前記プロジェクターのコールドスタート時から所定のタイミングごとに温度を検出する
    とともに前記投写画像を所定のタイミングごとに撮像し、前記検出された温度と前記撮像
    によって得られた撮像画像データとに基づいて温度と投写位置のずれ量との関係を求める
    第1工程と、
    前記第1工程によって求められた前記温度と投写位置のずれ量との関係に基づいて、前
    記理想的投写位置に対するずれ量を表す値を前記投写位置補正データとして算出する第2
    工程とを行うことによって生成されることを特徴とする投写位置補正装置。
  3. 請求項1又は2に記載の投写位置補正装置において、
    前記理想的投写位置に対するずれ量を表す値は、現時点において検出された温度におけ
    る前光変調素子の注目画素の画素位置と、前記理想的投写位置における前記注目画素の画
    素位置との差分として表わされることを特徴とする投写位置補正装置。
  4. 光源からの光を画像データに基づいて変調する光変調素子を有する光変調素子ユニット
    と、
    前記光変調素子ユニットから射出された画像光を投写画像として投写面上に投写する投
    写光学系と、
    前記プロジェクターの内部の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部によって検出された温度に応じた投写位置補正データを取得可能な投写
    位置補正テーブルに基づいて、前記投写画像の投写位置のずれを補正する投写位置補正処
    理部と、
    を有することを特徴とするプロジェクター。
  5. 光源からの光を画像データに基づいて変調する光変調素子を有する第1光変調素子ユニ
    ットと、
    光源からの光を画像データに基づいて変調する光変調素子を有する第2光変調素子ユニ
    ットと、
    前記第1光変調素子ユニットから射出された第1画像光と前記第2光変調素子ユニット
    から射出された第2画像光とを合成する合成光学系と、
    前記合成光学系で合成された画像を投写画像として投写面上に投写する投写光学系と、
    前記プロジェクターの内部の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部によって検出された温度に応じた投写位置補正データを取得可能な投写
    位置補正テーブルに基づいて、前記投写面上における前記第1画像光による投写画像及び
    第2画像光による投写画像の投写位置のずれを補正する投写画像位置補正処理部と、
    を有することを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項5に記載のプロジェクターにおいて、
    前記投写位置補正テーブルは、
    前記第1光変調素子ユニットに対応した投写位置補正データの取得が可能な第1投写位
    置補正テーブルと、
    前記第2光変調素子ユニットに対応した投写位置補正データの取得が可能な第2投写位
    置補正テーブルと、
    を有することを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項4〜6のいずれかのプロジェクターにおいて、
    前記投写位置補正テーブルは、前記プロジェクターの出荷前に作成されることを特徴と
    するプロジェクター
  8. プロジェクターから投写面上に投写された投写画像を理想的投写位置に投写するための
    投写位置補正データを生成する投写位置補正データ生成方法であって、
    前記プロジェクターのコールドスタート時から所定のタイミングごとに温度を検出する
    とともに前記投写画像を所定のタイミングごとに撮像し、前記検出された温度と前記撮像
    によって得られた撮像画像データとに基づいて温度と投写位置のずれ量との関係を求める
    第1工程と、
    前記第1工程によって求められた前記温度と投写位置のずれ量との関係に基づいて前記
    理想的投写位置に対するずれ量を表す値を前記投写位置補正データとして算出する第2工
    程と、
    を有することを特徴とする投写位置補正データ生成方法。
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