JP5844432B1 - 電源回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の削減が可能であり、種々の異常に対応できる電源回路を提供する。【解決手段】本発明の電源回路10は、電源Sの電力を負荷Loに供給するための回路である。電源回路10は、トランス12、トランス12の一次巻線14に流れる電流をスイッチングによって制御するスイッチング制御回路20、二次巻線16の電圧を検知するフィードバック検知回路22、スイッチング制御回路20にスイッチングの指令SWを送るマイコン24を備え、負荷Loに電力供給をおこなう。【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチング制御をおこなう電源回路に関するものである。
従来、種々の電源回路が開発されている。たとえば、特許文献1は、トランスの3次巻線を制御回路(マイコン)の電源にした回路を開示している。3次巻線に接続されたコンデンサが電源電圧で充電される。コンデンサが制御回路の起動電圧に達すると、制御回路はスイッチングを開始する。スイッチングによって、3次巻線に電圧が発生し、コンデンサの電圧が制御回路を駆動させるのに十分な電圧になる。過負荷になると、起動回路を切り替え、制御回路の停止時の消費電力を低くしている。
近年、種々の電気製品で消費電力の削減が求められている。しかし、特許文献1は、制御回路の起動後の消費電力削減を開示していない。また、特許文献1は、過負荷時の対応を記載しているが、過負荷以外にも過電圧などの種々の異常があり、特許文献1の回路では種々の異常に対応できない。
特許文献2は、起動回路と電源供給停止回路を備えた電源回路である。起動回路が、制御ICに起動時の電力を供給し、所定時間経過後に電力供給を停止する。瞬時停電などのときに電力供給が断たれないように、時定数回路を組み込んでいる。そのため、電源供給停止回路の部品点数が多くなる。
本発明の目的は、消費電力を削減でき、種々の異常に対応できる電源回路を提供することにある。
本発明は、電源と負荷の間の電源回路である。電源回路は、電源からの電圧が上昇するとオンになる起動回路と、一次巻線、二次巻線および補助巻線を有するトランスと、前記一次巻線に流れる電流をスイッチングによって制御するスイッチング制御回路と、前記二次巻線の電圧を検知するフィードバック検知回路と、前記スイッチング制御回路にスイッチングの信号を送るマイコンと、前記補助巻線の電圧を検知し、マイコンで監視する補助巻線電圧監視回路と、前記マイコンに電力を供給するために、電源または起動回路の使用を切り替える起動電源切替回路とを備える。
マイコンが、起動回路からの電圧によって駆動し、起動回路からの電圧が一定値以上になると、スイッチング制御回路にスイッチングの信号を送り、スイッチング指令がスイッチングを開始し、スイッチング制御回路がスイッチングを開始後、補助巻線の電圧が所定値以上であり、かつ、フィードバック検知回路が検知する電圧が所定値以上の場合に、起動電源切替回路がマイコンへの電力供給を起動回路から補助巻線に切り替え、負荷への定電圧供給をおこなう。
本発明によると、マイコンの電源を電源電圧から補助巻線に切り替えることにより、マイコンの起動とその後の継続的な駆動をおこなうことができる。電源電圧を常時使用しないので消費電力が削減される。
本発明の電源回路について図面を使用して説明する。説明する電源回路はフライバック式のディジタル電源回路である。先ず、電源回路の基本構成について説明する。なお、図2以降に示す各タイミングチャートは、一部を除いて縦軸を電圧、横軸を時間にしており、異なる場合はその都度説明する。説明の便宜上、タイミングチャートごとに時間軸等のスケールが異なる場合がある。
図1に示す本発明の電源回路10は、電源Sの電力を負荷Loに供給するための回路である。電源回路10は、トランス12、トランス12の一次巻線14に流れる電流をスイッチングによって制御するスイッチング制御回路20、二次巻線16の電圧を検知するフィードバック検知回路22、スイッチング制御回路20にスイッチングの指令(パルス)SWを送るマイコン24を備える。
電源Sは交流電源であり、電源Sの出力は整流回路DB1とコンデンサC1によって整流平滑される。整流回路DB1はダイオードブリッジの全波整流回路を使用する。コンデンサC1は、コンデンサを使用する。
トランス12は、一次巻線14、二次巻線16および補助巻線18を備える。一次巻線14は、整流回路DB1およびスイッチング制御回路20に接続されている。一次巻線14に流れる電流はスイッチング制御回路20によってスイッチングされる。
ダイオードD2、コンデンサC12、C13およびコイルL1が、二次巻線16に接続されている。一次巻線14に電流が流れ、トランス12のコアに電気エネルギーが蓄積され、二次巻線16からダイオードD2を介して電流が流れる。二次巻線16の電圧は、ダイオードD2、コンデンサC12、C13およびコイルL1によって整流平滑される。整流平滑された電圧VCC3が負荷Loに供給される。
ダイオードD3とコンデンサC15が補助巻線18に接続されている。二次巻線16と同様に、一次巻線14に電流が流れ、トランス12のコアに電気エネルギーが蓄積され、補助巻線18からダイオードD3を介して電流が流れる。ダイオードD3とコンデンサC15によって、補助巻線18の電圧は整流平滑され、マイコン24の電源として使用できる。
二次巻線16および補助巻線18の電圧VCC1、VCC3は、一次巻線14に流れる電流がスイッチングされることにより上昇し、スイッチング停止によって降下する。
スイッチング制御回路20は、IC26とFET1(スイッチング用FET)を備える。FET1は、内蔵ダイオードを備えたFETであっても良い。IC26とFET1は1つのチップに内蔵されたものであっても良い。IC26が無く、FET1のみであってもよい。
IC26はマイコン24からのスイッチングの指令SWによって、FET1のゲートに信号を入力または停止し、FET1をオンまたはオフさせる。FET1のドレインが一次巻線14に接続されており、ソースが抵抗R26を介してグランドレベルに接続されている。FET1がオン・オフされることにより、一次巻線14に流れる電流がスイッチングされる。IC26は、マイコン24から信号SWが入力されると、電圧VCC1をFET1のゲートに印加する。マイコン24からの信号SWはハイ(Hi)またはロー(Low)であり、その信号SWを判断するために電圧VCC2を使用する。
フィードバック検知回路22は、電圧VCC3を分圧する分圧抵抗R12、R20、シャントレギュレータ28、フォトカプラ30を備える。分圧抵抗R12、R20は、シャントレギュレータ28のリファレンス端子への電圧を調節している。シャントレギュレータ28のアノード端子とリファレンス端子の間に、コンデンサC7と抵抗R19を直列接続した負帰還回路が接続されている。フォトカプラ30への電圧は、シャントレギュレータ28のアノードに接続された抵抗R11、R18によって調整される。2つの抵抗R11、R18が直接接続されており、その1つの抵抗R18とフォトカプラ30が並列接続されている。
電圧VCC3が上昇し、規定電圧になると、シャントレギュレータ28のリファレンス端子に印加される電圧が、シャントレギュレータ28のオン電圧になる。シャントレギュレータ28がオンになり、フォトカプラ30がオンになる。フォトカプラ30がオンになると、電圧VCC2を分圧抵抗R16、R17で分圧した信号がマイコン24に入力される。
マイコン24の端子FBがフィードバック検知回路22に接続されている。端子FBへの入力は、ハイ(Hi)またはロー(Low)の2種類の電圧であり、電圧VCC3が規定電圧になると、ハイの電圧が端子FBに印加される。フィードバック検知回路22からのハイの信号がマイコン24に入力されると、マイコン24は電圧VCC3の電圧が規定値を越えていることを検出できる。
マイコン24は、電源回路10を制御するものである。電源回路10はフライバック式の電源回路であり、フィードバック検知回路22からの信号に応じてスイッチング制御回路20にスイッチングの指令SWを送る。スイッチングの指令SWはパルスであり、パルスが入力されるとFET1がオンになる。
以上の構成によって、マイコン24からスイッチング制御回路20にスイッチングの指令SWを送ると、FET1がスイッチングされ、一次巻線14に流れる電流がスイッチングされる。このスイッチングによって、二次巻線16および補助巻線18の電圧VCC3、VCC1が上昇する。二次巻線16の電圧VCC3が規定電圧以上になると、フィードバック検知回路22からマイコン24に信号が入力される。マイコン24は、スイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを停止する。一次巻線14の電流が停止し、二次巻線16の電圧VCC3が降下する。二次巻線16の電圧VCC3が一定電圧を下回ると、フィードバック検知回路22からマイコン24への信号が停止され(ローになり)、マイコン24は再びスイッチング制御回路20にスイッチングの指令SWを送る。これらの動作は、後述する定常ステートの一部である。
また、電源回路10は、(A)電源電圧PVが電源回路10に初めて供給された時の起動ステート、(B)起動が成功し、負荷Loへ通常の電力供給をおこなう定常ステート、(C)負荷Loを停止させたときの待機ステート、(D)埃などの付着や電子部品の劣化などによって、過電流などの異常が発生したときの異常ステートの4つのステートを有する。先ず、起動ステートのための構成について説明する。
(A1)起動ステート
起動ステートは、電源電圧PVが電源回路10に初めて供給され、負荷Loに定電圧供給をおこなうまでの状態である。起動ステートのために、電源回路10は、上記の回路構成以外に、下記に示す回路構成を有する。
起動ステートは、電源電圧PVが電源回路10に初めて供給され、負荷Loに定電圧供給をおこなうまでの状態である。起動ステートのために、電源回路10は、上記の回路構成以外に、下記に示す回路構成を有する。
電源回路10は、電源電圧PVの上昇によってオンになる起動回路32、補助巻線18の電圧を監視する補助巻線電圧監視回路34、マイコン24の電源を切り替える起動電源切替回路36、および電源電圧監視回路38を備える。
起動回路32は、FET2、FET2のドレインとソースに接続された抵抗R5、R27を備える。電圧PVがFET2のゲートをオンにする電圧を超えると、FET2がオンになる。FET2のゲートに印加される電圧は、抵抗R3、R4およびツェナーダイオードZD1によって設定する。ツェナーダイオードオZD1によって、ゲートに一定電圧以上の電圧が印加されないようにし、FET2を保護する。ツェナーダイオードZD1のアノードに逆流防止用のダイオードD1を接続する。起動回路32の出力は、電圧VCC1に印加される。
電圧VCC1は補助巻線電圧監視回路34によりマイコン24で監視される。補助巻線電圧監視回路34は、ダイオードD3を介して補助巻線18に接続されている。補助巻線電圧監視回路34は、分圧抵抗R7、R8を用いる。分圧抵抗R7、R8によって、電圧VCC1を分圧した電圧をマイコン24で監視する。電圧VCC1は、補助巻線18や起動回路32の出力電圧である。
電圧VCC1を電圧VCC2にするためのレギュレータ40が補助巻線電圧監視回路34に接続されている。レギュレータ40へ入力する電圧の値はツェナーダイオードZD2で決定される値より大きくならない。レギュレータ40には、入力と出力にコンデンサC5、C6が接続されており、レギュレータ40の発振を抑制している。出力に接続されたコンデンサC14は、電圧サージやリプルを取り除いている。レギュレータ40の出力電圧VCC2がマイコン24やスイッチング制御回路26の電源となる。電圧VCC1が一定電圧以上になれば、レギュレータ40によって電圧VCC2が生成され、マイコン24を駆動させる電源になる。
補助巻線18にダイオードD3とコンデンサC15が接続されている。ダイオードD3とコンデンサC15によって補助巻線18の電圧VCC1が整流平滑される。
起動電源切替回路36は、トランジスタQ1を備える。トランジスタQ1のベースがマイコン24に接続されており、マイコン24からの電圧によってトランジスタQ1がオン・オフする。ベースに印加する電圧の値は、抵抗R1、R2によって調節される。トランジスタQ1のコレクタは起動回路32のFET2のゲートに抵抗R4を介して接続され、エミッタはグランドレベル(0V)である。トランジスタQ1がオンになると、起動回路32のFET2のゲート電圧が低下する。FET2がオフになり、起動回路32がオフになる。
電源電圧監視回路38は、整流平滑された電源電圧PVをマイコン24に入力するものである。電源電圧監視回路38は、分圧抵抗R28、R29を利用し、マイコン24に電圧PVを分圧した電圧を入力している。マイコン24は、電圧PVに応じて定常ステート時に起動回路32のFET2をオフにし、トランス12のエネルギーが放出するタイミングを決定する。
起動ステートにおけるタイムチャートは図2のようになる。以下、起動ステートの回路動作について説明する。
(1)電源回路10に電源Sが入力され、整流回路DB1とコンデンサC1によって整流平滑される。その整流平滑された電源電圧PVが上昇し、起動回路32のFET2のゲートに一定以上の電圧が印加されると、FET2がオンになる。
(2)FET2がオンになったことで、抵抗R5、R27とFET2を通じて補助巻線電圧監視回路34に電力が供給される。抵抗R5、R27とFET2を通じるため、電圧VCC1が徐々に上昇する。
(3)レギュレータ40を通して電圧VCC1から電圧VCC2を生成する。電圧VCC2が一定電圧になると、マイコン24が起動する。
(4)マイコン24の起動後、補助巻線電圧監視回路34が電圧VCC1の値を監視する。電圧VCC1は徐々に上昇する。電圧VCC1が所定値のスイッチングスタート電圧PWM_STARTまで到達すると、マイコン24からスイッチング制御回路20にスイッチングの指令SWを送る。スイッチング制御回路20は、スイッチングの指令SWが入力されたとき、FET1のゲートにオン信号を入力し、FET1をオンにする。FET1がオンになるとトランス12の一次巻線14に電流が流れる。FET1のオンとオフを繰り返すことによって、FET1がスイッチングされる。
(5)FET1のスイッチングが開始されると電圧VCC1および電圧VCC3の電圧が上昇する。電圧VCC1は、一端上昇した後、下降し、再び上昇する。これは、スイッチング制御回路20などでの電力消費が影響するためである。
(6)フィードバック検知回路22が電圧VCC3の電圧を監視する。電圧VCC3が規定値まで到達するとシャントレギュレータ28がオンになり、電流が流れる。このとき、フォトカプラ30がオンになる。電圧VCC2を抵抗R16、R17で分圧した信号がマイコン24に入力され、マイコン24は電圧VCC3が規定値に到達していることを認識できる。
(7)電圧VCC1の電圧が所定値の起動電圧KIDOU_CHG以上であり、かつ上記(6)のフィードバック検知回路22からの信号がマイコン24に入力されていれば、マイコン24の電源を切り替える。マイコン24が起動電源切替回路36のトランジスタQ1のベースに電圧を印加し、トランジスタQ1をオンにする。起動回路32のFET2のゲート電圧が下がり、起動回路32のFET2がオフになる。
起動回路32のFET2がオフになることにより、電源電圧PVがFET2を介して補助巻線電圧監視回路34に供給されなくなる。補助巻線18の電圧がダイオードD3とコンデンサC15で整流平滑され、電圧VCC1となる。電圧VCC1はレギュレータ40によって電圧VCC2になり、マイコン24に供給され、マイコン24の駆動が継続される。マイコン24の電源として電源電圧PVを使用しないため、消費電力を抑えることができる。起動回路32のFET2をオフにするタイミングをマイコン24で決定しているため、マイコン24が起動・再起動する前に電源供給が断たれることはない。起動電源切替回路36に時定数回路を組み込んでいないため、起動電源切替回路36の部品点数を少なくでき、部品点数が少なくなるため不具合を減らすことができる。
起動電圧KIDOU_CHGは、電源を切り替えた後、後述する定常ステートにおいて、定電圧制御をおこなえる値である。
なお、上記(4)〜(7)が所定時間内にできない場合、マイコン24は異常ステートに移行し、スイッチングをおこなわない。
以上の工程が終了すると、マイコン24は定常ステートに移行する。定常ステートでは、電圧VCC3が負荷Loに供給される。
起動ステートにおけるスイッチングは、ソフトスタートを利用する。電源電圧PVの投入直後はトランス12が飽和しやすく、ドレイン電流がいきなり大きくなると、回路部品などを破壊するためである。ソフトスタートによってドレイン電流を徐々に大きくする。
ソフトスタートするために、FET1のゲートに入力する信号はPWM(パルス幅変調)を利用する。たとえば、1ミリ秒ごとにFET1のゲートに入力する信号のパルス幅を広くする。起動ステート中に一定のパルス幅になれば、以降はそのパルス幅を維持する。
ソフトスタートは起動ステートで利用する。定常ステートに移行すれば、ソフトスタートは利用しない。また、起動ステート中は、電圧VCC3を利用したフィードバック制御はおこなわない。
(A2)起動ステートにおける異電圧保護機能
規格外の電源に接続されたとき、特に規格以上の高電圧電源に接続されたときに、起動回路32のR5に大電流が流れ発熱・破損する恐れがあり、発熱・破損を防止する必要がある。起動回路32は、トランジスタQ12を備えており、トランジスタQ12のベースとFET2のソースが接続されている。また、トランジスタQ12のコレクタとFET2のゲートが接続されている。この接続によって、以下に説明するように、FET2とトランジスタQ12が交互にオンすることができる。抵抗R27はシャント抵抗である。
規格外の電源に接続されたとき、特に規格以上の高電圧電源に接続されたときに、起動回路32のR5に大電流が流れ発熱・破損する恐れがあり、発熱・破損を防止する必要がある。起動回路32は、トランジスタQ12を備えており、トランジスタQ12のベースとFET2のソースが接続されている。また、トランジスタQ12のコレクタとFET2のゲートが接続されている。この接続によって、以下に説明するように、FET2とトランジスタQ12が交互にオンすることができる。抵抗R27はシャント抵抗である。
(1)起動ステートにおいて、電源電圧監視回路38からマイコン24に電源電圧PVを入力する。電源電圧PVが規格にあっているかを確認する。
(2)図3のように、電源電圧PVが規格よりも高い場合であれば、マイコン24は異常ステートに移行する。マイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令を停止し、FET1が発振しないようにする。
(3)規格以上の電圧の場合、起動回路32のFET2がオンになり、抵抗R27の電圧がトランジスタQ12をオンにする電圧を超える。
(4)トランジスタQ12がオンになると、FET2のゲート電圧が低下し、FET2がオフになる。
FET2がオフになった後、抵抗R27の電圧が下がるため、トランジスタQ12がオフになり、再びFET2がオンになる。すなわち、(3)と(4)が交互に繰り返される。この繰り返しによって、起動回路32に大電流が流れず、起動回路32の保護が可能になる。起動回路32に流れる電流をシャント抵抗R27で検知しトランジスタQ12でFET2を制御する事で電流を制限する機能(電流制限回路)を備えることになり、起動回路32に大電流が流れることを防げるため、部品の破損を防ぐことが出来き、異なる電源電圧PVに対応できるマルチ電源入力に対応することができる。
また、電源電圧PVが規格よりも低い場合であれば、マイコン24が起動できず、スイッチングはおこなわれない。電源回路10が駆動せず、使用者が異常であることを認識できる。
(B1)定常ステート:定電圧制御
定常ステートは、起動ステートが異常なく終了した後に、負荷Loに電力を供給する状態である。定常ステートの定電圧制御は、起動ステート後に電圧VCC3を監視し、電圧VCC3を一定電圧に維持する。電圧VCC3が負荷Loに印加される。定常ステートにおいて、マイコン24は以下のように電源回路10を制御する。定電圧制御のタイムチャートは、図4のようになる。
定常ステートは、起動ステートが異常なく終了した後に、負荷Loに電力を供給する状態である。定常ステートの定電圧制御は、起動ステート後に電圧VCC3を監視し、電圧VCC3を一定電圧に維持する。電圧VCC3が負荷Loに印加される。定常ステートにおいて、マイコン24は以下のように電源回路10を制御する。定電圧制御のタイムチャートは、図4のようになる。
(1)上述したように、スイッチングによって電圧VCC3が所定の電圧規定値を超えるとフォトカプラ30がオンになる。フィードバック検知回路22からマイコン24に信号が入力される。
(2)フィードバック検知回路22からマイコン24に信号が入力されると、マイコン24はスイッチング制御回路20への信号SWを停止する。スイッチング制御回路20がスイッチングを停止する。スイッチングが停止されることにより、電圧規定値より大きくならないようにする。また、消費電力が低減される。
(3)スイッチングが停止されることにより、二次巻線16の電圧VCC3が下がる。電圧VCC3が定電圧規定値を下回るとシャントレギュレータ28がオフになり、フォトカプラ30もオフになる。フィードバック検知回路22からマイコン24への信号が停止する。
(4)フィードバック検知回路22からマイコン24への信号が停止されると、マイコン24はスイッチング制御回路20にスイッチングの信号SWを入力し、スイッチング制御回路20は再びFET1のスイッチングをおこなう。二次巻線16の電圧VCC3が再び上昇する。電圧VCC3が規定値を超えると、上記(1)の工程に戻る。(1)〜(4)の工程を繰り返すことにより、定電圧制御を行う。
なお、FET1のオンとオフを繰り替えし、スイッチングをおこなっている期間を発振期間とする。また、スイッチングをおこなっていない期間を停止期間とする。発振期間と停止期間が交互に現れ、ほぼ一定の電圧(定電圧規定値)を負荷Loに供給できる。定電圧規定値は、負荷Loに対する設計において適宜変更しても良い。
定常ステートの定電圧制御は、上記(1)〜(4)が繰り返され、発振期間と停止期間が交互に現れる間欠発振である。電圧VCC3が規定値付近でほぼ一定になる。停止期間があるため、FET1がオンになる回数が少なくなり、スイッチング損失が低減される。図4では、発振期間に3回の信号SWが有るが、他の回数であっても良い。
定常ステートは、定電圧制御に対して、後述する(B2)〜(B4)の制御が組み合わされても良い。定電圧制御で消費電力を低減させながら、トランス12のエネルギー利用効率を高めたりすることができる。
(B2)定常ステート:ターンオン・ターンオフタイミング制御
図5(a)のように、トランス12に蓄えられたエネルギーが放出しきる前にFET1をオンにして、ターンオンになると、ドレイン電流が高い状態から流れる。スイッチング損失が増え、スイッチング効率が低下する。そのため、図5(b)のように、トランス12に蓄えられたエネルギーが放出するタイミングでターンオンすることが好ましい。
図5(a)のように、トランス12に蓄えられたエネルギーが放出しきる前にFET1をオンにして、ターンオンになると、ドレイン電流が高い状態から流れる。スイッチング損失が増え、スイッチング効率が低下する。そのため、図5(b)のように、トランス12に蓄えられたエネルギーが放出するタイミングでターンオンすることが好ましい。
電源回路10は、補助巻線18に接続した擬似ドレイン電圧検知回路42と、FET1のソースに接続されたドレイン電流検知回路42を備える。
擬似ドレイン・ソース電圧検知回路42は、FET1のドレイン・ソース電圧と同じタイミングでドレイン・ソース電圧と同様の電圧を出力する回路である。擬似ドレイン・ソース電圧検知回路42は、ダイオードD5、抵抗R9および抵抗R10が直列接続され、ダイオードD6が抵抗R10に並列接続されている。
ダイオードD6のアノードがマイコン24の擬似ドレイン・ソース電圧検知端子44に接続されている。端子44にドレイン・ソース電圧と同じタイミングで同じ波形の電圧が入力される。抵抗R9と抵抗R10による分圧によって、入力される電圧は、実際のFET1のドレイン・ソース電圧よりも低くなっており、抵抗R9、R10で入力電圧を適宜調節することができる。
なお、擬似ドレイン・ソース電圧検知回路42を使用せずに、FET1のドレイン・ソース電圧を直接計測することも可能である。しかし、ドレイン・ソース電圧が高圧であり、直接ドレイン・ソース電圧をマイコン24で計測することができず、分圧抵抗を用いる必要がある。そのため、消費電力が大きくなり、好ましくない。また、擬似ドレイン・ソース電圧検知回路42は、スイッチングが停止されれば電力消費がないが、直接ドレイン・ソース電圧を検出すると、電源電圧PVと同じ電圧がかかるため、常に電力消費され、好ましくない。
ドレイン電流検知回路46は、FET1のソースとマイコン24の間に接続され、ドレイン電流を電圧に変換する抵抗R21である。抵抗R21を介してマイコン24にドレイン電流に対応した電圧値が入力される。マイコン24における抵抗R21が接続される端子を符号48とする。ドレイン電流検知回路46は、抵抗R21の代わりにオペアンプで電流電圧変換回路を構成し、ドレイン電流を電圧に変換してマイコン24に入力しても良い。
電源回路10は、図6に示すようにターンオン・ターンオフ制御をおこなう。なお、図5と図6の信号SWの1つが図4の信号SWの1つに相当する。
(1)マイコン24からスイッチング制御回路20にスイッチングの信号を入力すると、FET1にドレイン電流が流れ、ドレイン電流検知回路46でドレイン電流を検知し、その値がマイコン24に入力される。
(2)FET1のドレイン電流が上昇し、閾値CMP2になったとき、FET1をオフ(ターンオフ)するために、マイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを停止する。
(3)FET1のターンオフによってドレイン電圧が発生し、擬似ドレイン・ソース電圧検知回路42の出力電圧(端子44の電圧)が閾値CMP0以上になる。
(4)トランス12に蓄えられたエネルギーが放出しきるとき、擬似ドレイン・ソース電圧検知回路42の出力電圧が低下し、閾値CMP0より低くなる。閾値CMP0より低くなるタイミングでスイッチング制御回路20にスイッチングの指令SWを入力し、ターンオンする。なお、図6に示すように、閾値CMP0になった後、端子44の電圧は自由共振しながら低下するが、第1回目の自由共振のボトムでターンオンさせる。
(1)〜(4)を繰り返すスイッチングをおこなう。トランス12に蓄積されたエネルギーが放出されてドレイン電圧が下がるのを待ってターンオンすることで、スイッチング損失を抑えることができる。
(B3)定常ステート:効率に応じたドレイン電流の制御
スイッチング電源の効率を考える上で、スイッチング損失とオン損失が重要になる。スイッチング損失は、FET1のオンとオフが切り替わるときに発生する。スイッチング周期が短いほど、単位時間当たりの損失量が大きくなる傾向がある。オン損失は、FET1がオンになり、その時にドレイン電流が流れることにより生じる損失である。スイッチング周期が長いほどオン損失は大きくなる傾向がある。これらの損失はスイッチング周期だけでなく、FET1やトランスの特性、入力電圧などによっても損失量が変化する。これらの損失をいずれも下げる必要がある。そのための構成および制御について説明する。
スイッチング電源の効率を考える上で、スイッチング損失とオン損失が重要になる。スイッチング損失は、FET1のオンとオフが切り替わるときに発生する。スイッチング周期が短いほど、単位時間当たりの損失量が大きくなる傾向がある。オン損失は、FET1がオンになり、その時にドレイン電流が流れることにより生じる損失である。スイッチング周期が長いほどオン損失は大きくなる傾向がある。これらの損失はスイッチング周期だけでなく、FET1やトランスの特性、入力電圧などによっても損失量が変化する。これらの損失をいずれも下げる必要がある。そのための構成および制御について説明する。
電源回路10のマイコン24内に、スイッチングをおこなう期間を測定するタイマーを備える。マイコン24は、測定された期間に応じて、スイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを変更する。スイッチングの指令SWの変更により、図7に示すように、ドレイン電流のピーク値(閾値CMP2)を段階的に変更する。以下、ドレイン電流のピーク値の変更方法を説明する。
(1)上記のように、スイッチングによって二次巻線16の電圧VCC3が上昇する。二次巻線16の電圧VCC3が規定値以上になることにより、スイッチングを停止する。停止によって二次巻線16の電圧VCC3が定電圧規定値よりも下がれば、スイッチングをおこなう。一定期間T0に発振期間と停止期間が現れる。
発振期間では、FET1がオンになるとドレイン電流が上昇し、閾値CMP2になったときに、FET1をオフにする。
スイッチングの停止期間が長く、発振期間が短くなると、スイッチングの回数が少なく、ドレイン電流のピーク値が高くなりすぎている。電力の利用効率が悪くなっており、ドレイン電流のピーク値を下げる必要がある。
発振期間が発振規定時間よりも短いと判定された期間T0が連続しており、その回数が所定回数(図7では3回)まで達した場合、ドレイン電流の閾値CMP2を下げる。マイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを送るとき、オンになる時間を短くなるようにする。所定回数は適宜変更可能であり、期間の判定を所定回数おこなうことにより、ドレイン電流を最適な値にすることができる。
なお、図7の発振期間は説明のためのイメージであり、発振期間の長短は、それぞれ発振規定時間を超えるか否かで判定する。具体的には、タイマーによって発振期間を測定し、発振期間が規定時間を超えているか否かで判定する。発振規定時間は、電力の利用効率と最大出力電力を考慮して決定する。期間T0において発振期間以外は停止期間である。停止期間を短くする事でリップル電圧の低減にもつながる。発振規定時間の代わりに停止規定時間を設定し、停止規定時間を超えているか否かで停止期間を判定しても良い。
発振期間と停止期間は表裏一体であり、回路設計時に発振期間で設定するか停止期間で設定するかは、回路設計者が適宜選択する事項であり、いずれで設定しても最終的な回路動作に影響はない。停止期間を使用した場合、停止規定時間を使用することになる。このことは、他の説明においても同じである。
(2)発振期間が短くないと判定されるまで、閾値CMP2を下げ、ドレイン電流を下げる。ドレイン電流は、段階的に下げる。図7であれば、2段階下げたときに発振期間が規定時間を超えなくなっている。閾値CMP2は複数の段階があり、各段階の差は、一定であっても良いし、異なっていても良い。
(3)一定期間T0が発振期間ばかりになった場合、閾値CMP2を上げ、ドレイン電流を上げる。マイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを送るとき、オンになる時間を長くし、ドレイン電流が高くなるようにする。
ドレイン電流が低い場合、負荷Loで必要な電力が二次巻線16の電力を上回り、出力電圧が低下するおそれがある。そのため、発振期間が規定期間以上になった場合、ドレイン電流の値は、閾値CMP2が最大になるまで変更する。ドレイン電流のピーク値が最大になるため、出力電圧の低下を防止し過渡応答特性を向上させ、負荷Loの駆動を継続させることができる。
ドレイン電流を最大値まで上げた結果、ドレイン電流が高すぎる場合、上記(1)と(2)の工程によって、ドレイン電流を下げる。
ドレイン電流のピーク値を変動させることで、出力電力を制御することになる。負荷Loが下がるとき、ドレイン電流のピーク値を下げることでオン損失が小さくなる。
上述したこととは異なり、ドレイン電流を高い状態から変えず、発振停止期間を設ける(間欠発振にする)ことで、出力電力を制御する。発振期間が発振規定時間よりも短いと判定された期間T0が連続しておらず、その回数が所定回数(図7では3回)まで達していない場合、ドレイン電流の閾値CMP2を下げず、維持する。間欠発振にすることで、単位時間当たりのスイッチング回数を減らし、スイッチング損失を低減させる。FET1のドレイン電流の閾値CMP2を下げないことで、発振期間を短くすることができる。
オン損失を低減させる場合とスイッチング損失を低減させる場合について説明した。どちらの制御方法が効率を良くできるかは、FET1やトランス12の部品特性、スイッチング周期や入力電圧などの動作条件によって変化する。例えば、FET1のオン抵抗が大きい部品を使用した場合、スイッチング損失に対しての影響は少ないがオン損失は大きくなる。オン抵抗が小さいFETに比べると2つの損失の合計の中でオン損失の占める割合が大きくなり、ドレイン電流のピーク値を下げる制御を行うことによるオン損失の減少量は大きくなる。本発明の回路10は、部品特性、動作条件などによる損失の変化に合わせて、上記いずれかの制御方法または両方の制御方法を使い分け、常に効率の良い制御方法を設定できる。
(B4)定常ステート:音鳴り対策のためのドレイン電流の制御
トランス12のコアは磁束密度の変化によって微妙に変形する。スイッチングによって磁束密度が変化し続け、トランス12のコアが振動する。発振と停止を繰り返す間欠発振の周期が可聴域に入ったとき、トランス12の振動が聞こえる。磁束密度の変化量が大きいほど音も大きくなるため、ドレイン電流が大きくなれば磁束密度の変化が大きく、振動音が大きくなる。
トランス12のコアは磁束密度の変化によって微妙に変形する。スイッチングによって磁束密度が変化し続け、トランス12のコアが振動する。発振と停止を繰り返す間欠発振の周期が可聴域に入ったとき、トランス12の振動が聞こえる。磁束密度の変化量が大きいほど音も大きくなるため、ドレイン電流が大きくなれば磁束密度の変化が大きく、振動音が大きくなる。
図8に示すように、停止期間から発振期間になるとき、ドレイン電流を段階的に高めていく。また、発振期間から停止期間になるとき、段階的にドレイン電流が低くする。ドレイン電流を段階的に変化させるために、閾値CMP2を段階的に変化させ、マイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを徐々に変化させる。スイッチング制御回路20はスイッチングの期間が徐々に変化し、ドレイン電流を段階的に変化させることができる。
磁束密度の変化が段階的になり、トランス12が振動したときに、振動音が大きくならないようにできる。
(C)待機ステート
負荷Loが停止し、VCC3への電力供給が必要ない場合、マイコン24への電力供給が確保されればよい。そのため、図9のように、補助巻線18の電圧VCC1がマイコン24に必要な電圧に維持されるようにする。負荷Loが停止している間、負荷Loを駆動させる必要がないため、電圧VCC3は、負荷Loが駆動しているときよりも低くする。電圧VCC1、VCC3を下げることで、消費電力を減らすことができる。
負荷Loが停止し、VCC3への電力供給が必要ない場合、マイコン24への電力供給が確保されればよい。そのため、図9のように、補助巻線18の電圧VCC1がマイコン24に必要な電圧に維持されるようにする。負荷Loが停止している間、負荷Loを駆動させる必要がないため、電圧VCC3は、負荷Loが駆動しているときよりも低くする。電圧VCC1、VCC3を下げることで、消費電力を減らすことができる。
マイコン24が定常ステートと待機ステートを区別するために、マイコン24に待機信号入力の端子が設けられている。外部からマイコン24に定常ステートと待機ステートを区別する信号が入力される。外部として、負荷Loを制御するICまたは電源回路10と負荷Loを含む製品全体を制御するICが挙げられる。たとえば、負荷Loが駆動していれば定常ステートの信号、駆動していなければ待機ステートの信号が入力される。マイコン24は、入力された信号で定常ステートと待機ステートを切り替える。以下、待機ステートになった後の動作について説明する。
(1)スイッチングによって電圧VCC1が定電圧規定値を超えた場合、マイコン24はスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを停止し、スイッチングを停止させる。なお、電圧VCC1の定電圧規定値は、マイコン24を駆動させる電圧VCC2が生成できる最低電圧である。電圧VCC1の定電圧既定値は、VCC3の定電圧規定値と異なっていても良い。
(2)スイッチングの停止によって、電圧VCC1が定電圧規定値よりも低くなれば、マイコン24はスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令を送り、スイッチング制御回路20はスイッチングする。
(1)と(2)を繰り返しおこなうことにより、電圧VCC1を定電圧制御し、マイコン24への電源を確保できる。その際出力電圧VCC1を下げている為、消費電力を下げる事ができる。また、待機ステートも間欠発振となっており、消費電力を低減できる。
(D1)異常ステート:過電圧保護
出力電圧が大きくなりすぎたとき、種々の部品が破損しないように保護する必要がある。
出力電圧が大きくなりすぎたとき、種々の部品が破損しないように保護する必要がある。
補助巻線電圧監視回路34で電圧VCC1を監視する。定常ステートにおいて、定電圧制御されていれば、規定電圧付近で安定する。
図10のように、電圧VCC1が所定の過電圧検知電圧を超えれば、マイコン24は異常ステートに移行する。異常ステートの時、スイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを停止する。スイッチング制御回路20は、以降のスイッチングを停止するため、電圧VCC1も低下していく。
なお、過電圧を検知したのみで、その後のスイッチングは続けても良い。スイッチングの停止または続行はマイコンの設定によって変更する。電源回路10にディスプレイやLEDを接続し、異常ステートになったことをディスプレイに表示したり、LEDを点灯させて知らせても良い。他の異常ステートにおいても、表示等をおこなうようにしても良い。
(D2)異常ステート:過電流保護
FET1のドレイン電流が流れすぎたとき、FET1などの回路部品が破損しないように保護する必要がある。
FET1のドレイン電流が流れすぎたとき、FET1などの回路部品が破損しないように保護する必要がある。
電源回路10は、過電流回路50を備える。過電流回路50は、FET1のドレイン電流が一定値以上になるとオンになるトランジスタQ2、トランジスタQ2のコレクタに接続された2つのダイオードD7、D8を備える。
トランジスタQ2は、ベースがFET1のソースに接続され、エミッタはグランドレベルである。抵抗R25、R26によってベース電圧が調節される。ダイオードD7のアノードが、マイコン24のスイッチングの指令を出力する端子52に接続されている。ダイオードD8のアノードは、マイコン24の過電流を検出する端子54に接続されている。ダイオードD8のアノードは抵抗R22を介して電圧VCC2が印加されており、マイコン24が検出する。FET1に過電流が流れなければ、端子54は電圧VCC2によってハイになっている。
(1)定常ステートおよび待機ステートにおいて、FET1に過電流が流れると、抵抗R25の電圧が上昇し、トランジスタQ2がオンになる。
(2)トランジスタQ2がオンになったことにより、ダイオードD7を介して端子52の電圧が低下する。後述するように、マイコン24からスイッチングの指令SWは出力されないが、マイコン24から指令SWが出されたとしても、スイッチング制御回路20にはスイッチングの指令SWが入らない。スイッチングは停止される。
(3)端子54はハイからローに切り替わる(図11)。マイコン24が、過電流であることを検知し、異常ステートに移行する。異常ステートではマイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令SWを送らないようにする。
FET1のスイッチングがおこなわれないため、ドレイン電流が流れない。過電流となったドレイン電流が流れないため、FET1などの回路部品を保護できる。
(D3)異常ステート:過負荷保護
電源回路10の出力から異常に電流が流れたとき、種々の部品が破損しないように保護する必要がある。たとえば、発振期間ばかりで停止期間がない場合に、負荷Loへの電力供給が過剰になっているおそれがある。
電源回路10の出力から異常に電流が流れたとき、種々の部品が破損しないように保護する必要がある。たとえば、発振期間ばかりで停止期間がない場合に、負荷Loへの電力供給が過剰になっているおそれがある。
(1)定常ステートにおいて、上記した閾値CMP2が最大に変更されたとき、再びフィードバック検知回路22からの信号を監視する。
(2)図12のように、閾値CMP2を最大に変更し、かつ、一定期間T0において発振期間のみで停止期間が無い場合、マイコン24からスイッチング制御回路20へのスイッチングの指令を停止する。FET1がスイッチングされず、負荷Loに大電流が流れるのを防止する。電圧PVによってドレイン電流が変化するため、閾値CMP2の最大値は、電圧PVによって決定し、電圧PVの変化に応じて常時変更する。
なお、図12は図7と同様に、発振期間は説明のためのイメージであり、発振期間の長短は、発振規定時間を超えるか否かで判定する。
(D4)異常ステート:バイアスアシスト機能
マイコン24は補助巻線18を電源として駆動するが、補助巻線18からの電力供給が減り、電圧VCC1が低下した場合、マイコン24が駆動できなくなる。マイコン24への電源を確保する必要がある。なお、本説明におけるバイアスアシストとは、マイコン24を駆動させるための電圧が低下したときに、駆動させるために必要な電圧にすることである。
マイコン24は補助巻線18を電源として駆動するが、補助巻線18からの電力供給が減り、電圧VCC1が低下した場合、マイコン24が駆動できなくなる。マイコン24への電源を確保する必要がある。なお、本説明におけるバイアスアシストとは、マイコン24を駆動させるための電圧が低下したときに、駆動させるために必要な電圧にすることである。
(1)マイコン24は、補助巻線電圧監視回路34により、電圧VCC1を監視する。なお、起動ステート時に、起動電源切替回路36のトランジスタQ1がオンになり、起動回路32のFET2がオフになっている。
(2)補助巻線18の電圧VCC1が、所定のバイアスアシスト開始電圧よりも下回ったとき、マイコン24は異常ステートに移行する(図13)。マイコン24が起動電源切替回路36への出力をハイからローに切り替える。起動電源切替回路36のトランジスタQ1がオフになる。バイアスアシスト開始電圧は、マイコン24を駆動させるために電圧VCC1から電圧VCC2を生成するための最低電圧である。マイコン24が駆動できなくなることを防止するためである。なお、バイアスアシスト開始電圧を最低電圧よりも少し高く設定し、回路駆動に余裕を持たせても良い。
(3)トランジスタQ1がオフになったことにより、起動回路32のFET2が電源電圧PVによってオンになり、電圧VCC1が上昇する。レギュレータ40を介して電圧VCC2がマイコン24に供給されるため、マイコン24の駆動が確保される。
何らかの原因で補助巻線18の電圧VCC1が降下しても、マイコン24の電源を電源電圧PVから確保できる。マイコン24の駆動が継続されるため、異常を知らせることが可能である。マイコン24が不揮発性メモリを備え、マイコン24に不揮発性メモリに書き込む機能があっても良い。不揮発性メモリに異常を記録する事で故障解析も容易になる。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10:電源回路
12:トランス
14:一次巻線
16:二次巻線
18:補助巻線(三次巻線)
20:スイッチング制御回路
22:フィードバック検知回路
24:マイコン
26:IC
28:シャントレギュレータ
30:フォトカプラ
32:起動回路
34:補助巻線電圧監視回路
36:起動電源切替回路
38:電源電圧監視回路
40:レギュレータ
42:擬似ドレイン・ソース電圧検知回路
46:ドレイン電流検知回路
50:過電流回路
44、48、52、54:端子
12:トランス
14:一次巻線
16:二次巻線
18:補助巻線(三次巻線)
20:スイッチング制御回路
22:フィードバック検知回路
24:マイコン
26:IC
28:シャントレギュレータ
30:フォトカプラ
32:起動回路
34:補助巻線電圧監視回路
36:起動電源切替回路
38:電源電圧監視回路
40:レギュレータ
42:擬似ドレイン・ソース電圧検知回路
46:ドレイン電流検知回路
50:過電流回路
44、48、52、54:端子
Claims (9)
- 電源と負荷の間の電源回路であって、
前記電源からの電圧が上昇するとオンになる起動回路と、
一次巻線、二次巻線および補助巻線を有するトランスと、
前記一次巻線に流れる電流をスイッチングによって制御するスイッチング制御回路と、
前記二次巻線の電圧を検知するフィードバック検知回路と、
前記スイッチング制御回路にスイッチングの信号を送るマイコンと、
前記補助巻線の電圧を検知し、前記マイコンに入力する補助巻線電圧監視回路と、
前記マイコンに電力を供給するために、前記電源または前記起動回路の使用を切り替える起動電源切替回路と、
を備え、
前記マイコンが、前記起動回路からの電圧によって駆動し、
前記起動回路の電圧がスイッチングスタート電圧以上になると、前記スイッチング制御回路にスイッチングの信号を送り、スイッチング指令がスイッチングを開始し、
前記スイッチング制御回路がスイッチングを開始後、前記補助巻線の電圧が起動電圧以上であり、かつ、前記フィードバック検知回路が検知する電圧が所定値以上の場合に、前記マイコンから前記起動電源切替回路に電圧を印加することで前記起動回路がオフになり、電源電圧が前記起動回路を介して前記補助巻線電圧監視回路に供給されなくすることで、前記マイコンへの電力供給を前記起動回路から前記補助巻線に切り替え、
前記負荷への定電圧供給をおこなう
電源回路。 - 前記起動回路がFETとトランジスタとシャント抵抗で構成される電流制限回路を備え、
前記FETのソースが前記トランジスタのベースに接続され、該FETのゲートが前記トランジスタのコレクタに接続され、前記トランジスタのベースエミッタ間に前記シャント抵抗が接続され、
前記電源の電圧が所定範囲以上の場合に、前記起動回路に流れる電流を前記シャント抵抗で検知し、前記トランジスタで前記FETを制御する事で前記起動回路に流れる電流を制限できる請求項1の電源回路。 - 前記スイッチング制御回路がスイッチング用FETを備え、
前記マイコンが、
前記スイッチング用FETのドレイン電流が閾値になったときに該スイッチング用FETをオフし、
前記補助巻線に擬似的に現れる前記スイッチング用FETのドレイン・ソース電圧が閾値以下になったときに該スイッチング用FETをオンする
請求項1または2の電源回路。 - 前記スイッチングの発振期間が発振規定期間より短く、かつ、該発振規定期間より短い発振期間が所定回数連続した場合に、または停止期間が停止規定期間よりも長く、かつ、該停止規定期間より長い期間が所定回数連続した場合に、前記スイッチング用FETのドレイン電流の閾値を下げる請求項3の電源回路。
- 前記スイッチング用FETのドレイン電流の閾値が複数であり、
前記スイッチングをおこなう発振期間が規定期間になった場合に、前記スイッチング用FETのドレイン電流の閾値を最大になるまで変更する
請求項3または4の電源回路。 - 前記スイッチングの発振期間が発振規定期間より短くなく、かつ、該発振規定期間より短い発振期間が所定回数連続しない場合に、または停止期間が停止規定期間より長くなく、該停止規定期間より長い停止期間が所定回数連続しない場合に、前記スイッチング用FETのドレイン電流の閾値を下げない請求項3から5のいずれかの電源回路。
- 前記スイッチングをおこなう際、徐々に前記スイッチング用FETのドレイン電流の閾値を上昇させ、
前記スイッチングを停止する際、徐々に前記スイッチング用FETのドレイン電流の閾値を低下させる
請求項3から6のいずれかの電源回路。 - 前記負荷が駆動しない場合、
前記補助巻線の電圧が該補助巻線の定電圧規定値以下の場合に、前記スイッチング制御回路がスイッチングをおこない、
前記補助巻線の電圧が該補助巻線の定電圧規定値以上の場合に、前記スイッチング制御回路がスイッチングを停止する
請求項1から7のいずれかの電源回路。 - 前記補助巻線の電圧がバイアスアシスト開始電圧以下になった場合、前記起動電源切替回路が前記起動回路をオンにし、前記起動回路からの電圧で前記マイコンを駆動させる請求項1から8のいずれかの電源回路。
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