以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
実施形態1の雨樋は、図1に示されるように、建物外壁90に沿って配設される。本実施形態の雨樋は、雨水を軒樋94から排水溝122に向けて排水するための排水筒120により構成されている。
排水筒120は、図2(a)に示されるように、断面において外周部123が、コーナー部が曲面となった楕円形状に形成されている。本実施形態の排水筒120は、断面において、長軸方向の辺が緩やかに湾曲した楕円形状となっている。なお排水筒120としては、図2(b)に示されるように、断面において、長軸方向の辺が直線状(いわゆる長円形状)に形成された断面略楕円形状であってもよい。
排水筒120は、上端から下端に亘って一様な断面形状に形成されている。排水筒120は、上下方向の全長に亘って一体成形されたものであってもよいし、一定長さのものが管継手を介して連通接続されたものであってもよい。
排水筒120は、図1に示されるように、建物外壁90に沿って取り付けられる。本実施形態の排水筒120は、図2に示されるように、断面における長軸方向が、建物外壁90に沿うようにして配置される。言い換えると排水筒120は、長軸方向の面が前後に位置するようにして配置される。このとき排水筒120は、短軸方向が、建物外壁90に直角な方向を向くよう配置される。
排水筒120は、この状態で、樋控え具99を介して建物外壁90に固定される。樋控え具99は、排水筒120の長手方向(上下方向)に沿って、複数箇所に所定の間隔ごとに配置される。
排水筒120は、図1に示されるように、その上端が、呼び樋97に接続されている。呼び樋97は、建物軒先に配設された軒樋94に、集水器95を介して連通接続されている。本実施形態の呼び樋97は、集水器95に第1のエルボ96を介して接続され、排水筒120の上端に第2のエルボ98を介して接続されている。
このように本実施形態の雨樋は、コーナー部が曲面の略楕円形をした断面形状に形成されているため、断面において長軸方向に長くなっており、仮に、落ち葉やごみ等(以下、流下物121という)が流下しても引っ掛り難くできる。特に、集水器95を介して流下する雨水は断面略楕円形状の雨樋内を螺旋状に流下するため、雨水と共に流下する流下物121は、旋回しながら落下する。この流下物121は、旋回するに従って、その長手方向が長軸方向に沿うような向きになる。これにより流下物121は、雨樋内に引っ掛かりにくくなり、下端まで落下する。
また本実施形態の雨樋は、断面においてコーナー部が曲面の略楕円形状となっている。このため、排水筒120の長軸方向の内寸よりも長い流下物121が入りこんでも、流下物121は、排水筒120の外周部123に沿うようにして変形し、折れ曲がりにくいため、排水筒120内を通過しやすい(図2(a)参照)。
一方、断面長矩形状の雨樋は、断面において長手方向間の寸法が長いため、長さのある流下物121が入り込んでも、流下物121が引っ掛りにくい場合もある。ところが、図2(c)に示されるように、コーナー部がL字状の角部になっているため長手方向の内寸よりも長い流下物121が入り込んだ場合、この流下物121は排水筒124に沿って水圧等により変形すると、コーナー部で折れ曲がってしまいやすい。この場合、対向する短辺同士の間に流下物121が引っ掛りやすくなる。
次に実施形態2について説明する。
実施形態2の雨樋は、図14に示されるように、建物外壁90に沿って配設された竪樋100の上下方向の一部が取り除かれ、その取り除かれた部分に取り付けられる。本実施形態2の雨樋は、排水性能を有する電波受信用のアンテナであるアンテナ付き竪樋1により構成されている。
なお以下必要に応じて、竪樋100の一部を切除した後の上流側に位置する筒状の樋を「上流側の竪樋91」とし、竪樋100の一部を切除した後の下流側に位置する筒状の樋を「下流側の竪樋92」として区別する。
アンテナ付き竪樋1は、電気機器などに接続されて、電波の受信用のアンテナを構成する。具体的にアンテナ付き竪樋1は、例えば、ケーブル93を介してテレビに接続されることで、テレビ用のアンテナとして用いられる。本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、図3に示されるように、アンテナ2を有し且つ内部に排水筒12を有する樋体10と、樋体10の外側を覆う外筒体3と、建物外壁90に沿って配設された竪樋100に接続するための接続部4とを備えている。
接続部4は、樋体10の上端部及び下端部に設けられている。なお、アンテナ付き竪樋1が排水溝のすぐ上方に取り付けられて下流側の竪樋92に接続される必要がない場合には、接続部4は、上端部側にのみ設けられていればよい。またアンテナ付き竪樋1が、集水器95等に取り付けられて上流側の竪樋91に接続されない場合には、接続部4は、下端部側にのみ設けられていればよい。
以下必要に応じて、樋体10の上端部に設けられた接続部4を上接続体40とし、樋体10の下端部に設けられた接続部4を下接続体50として区別する。
樋体10は、図4に示されるように、円筒状の筒体110からなる内筒体11と、この内筒体11の外周部に沿って設けられたアンテナ2と、内筒体11の内部に収容された排水筒12とを備えている。樋体10は、上流側の竪樋91と下流側の竪樋92との間に接続され、その内部の排水筒12が、上流側の竪樋91と下流側の竪樋92とに連通して排水路を形成する。
内筒体11は所定長さに形成された断面円形の筒体110(言い換えると丸樋)により構成されている。本実施形態の内筒体11は、非導電性の合成樹脂により構成されている。内筒体11は、図4に示されるように、上端の開口縁に側面視U字状の上位置決め溝13が設けられている。また内筒体11は、下端の開口縁に側面視逆U字状の下位置決め溝14が設けられている。
上位置決め溝13は、上接続体40の集水部15に設けられた上位置決め凹所152及びアンテナ2に設けられた上嵌入溝252と同位置に配置される。上位置決め溝13は、上位置決め凹所152及び上嵌入溝252と同位置に配置された状態で、取付部材7の上端から突設された位置決め突起(図示せず)が挿入される。これにより、アンテナ2と内筒体11と集水部15とは、周方向に相互に位置決めされて、一体化される。
また下位置決め溝14は、下接続体50の下位置決め凹所57及びアンテナ2の下嵌入溝251と同位置に配置される。下位置決め溝14は、下位置決め凹所57及び下嵌入溝251と同位置に配置された状態で、取付部材7の下端から突設された位置決め突起(図示せず)が挿入される。これにより、アンテナ2と内筒体11と集水部15とは、周方向に相互に位置決めされて、一体化される。
アンテナ2は、内筒体11の外周部に設けられている。アンテナ2は、内筒体11の外周部に積層され、又は当該外周部の肉厚内に埋め込まれる。本実施形態のアンテナ2は、図3に示されるように、内筒体11の外周部に沿うよう外側から重ねられて、取付部材7により固定される。アンテナ2は、導電性を有する金属板材(金属箔も含まれる)により構成されている。アンテナ2は、図5に示されるように、縦長矩形状の金属板材を短軸方向がC字状となるよう長辺方向に一様に湾曲させることで形成される。
アンテナ2は、上下方向に複数のスロット21が形成されたスロットアンテナ20により構成されている。すなわち本実施形態のアンテナ2は指向性を有している。アンテナ2は、このスロット21が上下方向に複数並設されており(本実施形態では2箇所)、隣接するスロット21同士がスリット状の細溝22で接続されている。アンテナ2は、各スロット21が周方向の一部に位置している。各スロット21は、金属板材の厚み方向に貫通する開口により構成されており、一対の三角形の頂点同士を互いに突き合わせたようなボウタイ状に形成されている。上方側のスロット21は、上下方向の略中央部分に給電部23を有している。本実施形態の給電部23は、周方向に対向する三角状片24の頂点部分により構成されている。
給電部23には、図6に示されるように、同軸ケーブル75が電気的に接続される。同軸ケーブル75は、中央の電線が一方の三角状片24に接続され且つ外側の網線が他方の三角状片24に接続される。同軸ケーブル75は、アンテナ2により受信した電波を、室内側のテレビ等に出力する。同軸ケーブル75は、第一端が給電部23に接続され、第二端が、上接続体40に設けられた接続具422に接続される(図4,12等参照)。
本実施形態のアンテナ2は、図5に示されるように、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部26と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部27とを有している。
第一の受信部26は、スロット21及び当該スロット21の開口周縁部により構成される。第二の受信部27は、このスロット21に上下方向に隣接する周方向に連続した金属板材により構成される。
第一の受信部26を構成するスロット21の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに応じて決定される。また、第二の受信部27の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに応じて決定される。
またアンテナ2は、図7に示されるように、周方向の両端間に、上下方向の全長に亘って隙間28が形成される。この隙間28は、スロット21に対向する位置に設けられ、すなわちアンテナ2の円弧中心を挟んで、スロット21とは対極の位置となるように形成される。
またアンテナ2は、スロット21の背部に抜き部29が形成されている。抜き部29は、金属板材が存在しない部分であって、正面から見てスロット21と重なる位置に設けられている。抜き部29は、上下方向の長さがスロット21の上下方向の長さよりも長く、且つ周方向の長さがスロット21の周方向の長さよりも長く形成されている。
このアンテナ2は、図4に示されるように、金属板材に非導電性の保護シート25が積層されている。このため本実施形態のアンテナ2は、この保護シート25により錆の発生が抑制される。アンテナ2は、保護シート25の下端部に、下接続体50の下位置決め凹所57と重なる位置に配置される下嵌入溝251を有している。この下嵌入溝251は、スロット21に対応する位置に設けられており、具体的には、略同位相の位置に設けられている。またアンテナ2は、保護シート25の上端部に、上接続体40の集水部41の上位置決め凹所412と同位置に配置される上嵌入溝252を有している。
なお、アンテナ2としては、保護シート25が積層されない金属板材のみにより構成されたものであってもよい。
このような構成のアンテナ2は、図3に示されるように、湾曲して内向する裏面が、内筒体11の側壁の外面に当接した状態で取り付けられる。言い換えると、アンテナ2は、排水路の外側に設けられている。アンテナ2は、内筒体11の側壁に巻き付けられた状態で、その外側から取付部材7により押さえられて固定される。
取付部材7は、図4に示されるように、平面視円環状に形成されている。取付部材7は、第1の部材71と、第2の部材72とに分割され、これらが着脱自在に連結される。取付部材7は、図6に示されるように、給電部23において同軸ケーブル75の端部を保持・固定する給電固定部73と、同軸ケーブル75の中間部分を保持するケーブル保持部74とを備えている。ケーブル保持部74は、スロット21とは周方向にずれた位置に設けられている。これによりケーブル保持部74は、スロット21に同軸ケーブル75が重なるのを防ぐ。
排水筒12は、内筒体11の内部に配置されて、樋体10内の排水路を形成する。排水筒12は、図4に示されるように、コーナー部が曲面の略楕円形をした断面形状に形成されている。排水筒12は、非導電性の合成樹脂により構成されている。排水筒12は、上端が、上接続体40を介して上流側の竪樋91に連通接続され、下端が、下接続体50を介して下流側の竪樋92に連通接続される。
本実施形態の排水筒12は、断面において、長軸方向の辺が直線状に形成されて断面略楕円形状に形成されているが、実施形態1の排水筒120と同様に断面楕円形状であってもよい。
排水筒12は、図8に示されるように、排水筒12は、その長軸方向が内筒体11の断面中心線に沿うよう配置され、且つ内筒体11内においてスロット21とは反対側に偏心した位置に設けられている。言い換えると、排水筒12は、内筒体11のスロット21側の内側面との間に一定以上の間隙を介して固定されており、スロット21や給電部23とは離れた位置に配置されている。
外筒体3は、図4に示されるように、所定長さで且つ断面円形状に形成されている。外筒体3は、その内径が、樋体10よりも大きくなるよう形成されている。外筒体3は、その中心軸が、樋体10の中心軸と同軸上に位置するよう配置される。言い換えると外筒体3は、樋体10の外側に同芯状に配置される。これにより外筒体3は、樋体10を外側から覆うよう設けられている。外筒体3は、非導電性の合成樹脂により構成されている。
本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、樋体10及び外筒体3の下端に下接続体50が設けられている。またアンテナ付き竪樋1は、樋体10及び外筒体3の上端に上接続体40が設けられている。
下接続体50は、樋体10の下端に固定されると共に、外筒体3の下端に固定されている。本実施形態の下接続体50は、図9に示されるように、樋体10及び外筒体3の両者に固定されて、樋体10及び外筒体3と共に回転する回動体51と、これらを回転自在に支持する固定側の保持体60との少なくとも2部材を備えている。
回動体51は、保持体60に中心軸廻りに回動自在に支持されている。回動体51は、排水筒12と内筒体11と外筒体3とを固着一体化し、建物外壁90に固定された竪樋100に対して、排水筒12と内筒体11と外筒体3とを共通して回転可能とさせる。
回動体51は、排水筒12が連通接続される嵌合部54を有している。回動体51は、雨水を外部に排出する流出口56を有している。回動体51は、嵌合部54と流出口56とを連通する流出路55を有している。
嵌合部54は、中心から偏心した位置に設けられている。嵌合部54は、下位置決め凹所57とは反対側に片寄った位置に設けられている。言い換えると、嵌合部54は、アンテナ2のスロット21とは反対側に偏芯して設けられている。一方、流出口56は、中心に設けられている。このため、流出路55は、下方ほど中央側に位置するよう傾斜した流路を有している。
保持体60は、回動体51を回動自在に支持する。言い換えると保持体60は、樋体10を中心軸廻りに回動自在に支持する。保持体60は、建物外壁90に樋控え具80を介して固定される外郭部61と、回動体51を回転自在に保持するレール部63とを備えている。
外郭部61は、円筒状に形成されている。外郭部61は、その上端に、フランジ状に径外方向に突出した自重受け突部62を有している。この自重受け突部62は、図3に示されるように、外郭部61を保持する樋控え具80の上端に当接する。これにより保持体60は、樋控え具80によって下方にずれないように保持される。自重受け突部62は、外郭部61の周方向の全長に亘って形成されている。
下接続体50は、下流側の竪樋92に樋体10を連通接続する。言い換えると下接続体50は、下流側の竪樋92に排水筒12を連通させる。本実施形態の下接続体50は、保持体60が下流側の竪樋92に固定的に取り付けられる。このため、樋体10は、下流側の竪樋92に対して回動自在となっている。
上接続体40は、図10に示されるように、集水部41と、回転部42と、カバー部43と、ロック部44とを備えている。上接続体40は、カバー部43が、上方に開口する流入口45を有している。流入口45は、樋体10の内部に連通し、つまり流出口56に連通している。
集水部41は、上流側の竪樋91から流出した雨水を集水して、排水筒12内に流通させる。集水部41は、図11に示されるように、内筒体11の上端に固定される第1の固定部410と、排水筒12の上端に固定される第2の固定部411とを備えている。集水部41は、第1の固定部410と内筒体11とが連結され、第2の固定部411と排水筒12とが連結されることで、内筒体11に排水筒12を固定する。
集水部41は、内筒体11の上端縁の上位置決め溝13と同位置に配置される上位置決め凹所412が設けられている。上位置決め凹所412と上位置決め溝13とアンテナ2の上嵌入溝252とが重なった状態で、この上位置決め凹所412内に、取付部材7の位置決め突起が嵌入する。
回転部42は、樋体10の中心軸廻りに回転自在に設けられている。回転部42は、図12に示されるように、接続具422を取り付けるために設けられた膨出部420を有している。膨出部420は、樋体10の側壁よりも側方に膨出している。回転部42は、樋体10の中心軸を中心とした弧状の長孔により構成されたケーブル取出用孔421を有している。このケーブル取出用孔421は、上下方向に貫通しており、アンテナ2に接続された同軸ケーブル75が挿通される。
回転部42は、同軸ケーブル75のアンテナ2側とは反対側の端部に接続された接続具422が取り付けられている。接続具422は、膨出部420の上方から挿通され、膨出部420の下面から下方に突出している。これにより接続具422は、外部に露出している。
カバー部43は、回転部42を覆うよう構成されている。カバー部43は、図10に示されるように、その天面部431に流入口45が設けられている。流入口45は、上流側の竪樋91(筒状の樋)の外径よりも大きく形成されており、この上流側の竪樋91に回動自在に遊嵌される。流入口45は、その外周縁に、下方に向けて突設された周縁突起432を有している。この周縁突起432は、集水部41の上方の開口の内側に位置するよう構成されている。これにより流入口45は、集水部41の上方の開口に接続される。カバー部43は、その側壁が回転部42の外周縁のすぐ外側に位置するよう構成されており、これにより、回転部42を内部に収容した状態で着脱自在に取り付けられる。
ロック部44は、回転部42の回転を、樋体10の中心軸廻りの任意の位置でロックする。ロック部44は、平面視円環状をしており、流入口45内に回転自在となるよう設けられる。ロック部44は、図10に示されるように、カバー部43の上端に当接する鍔部441と、鍔部441の内周縁から下方に向けて突設された内側片442とを備えている。内側片442は、径外方向に突出する突起443を有している。
ロック部44は、集水部41に、回転部42及びカバー部43を固定することで、当該回転部42及びカバー部43の回転をロックする。ここで集水部41は、図10に示されるように、その側面に、上方に向けて凸となった複数の嵌合凸部413が設けられている。また集水部41は、その内側面に、ロック部44の内側片442の突起443と係合するガイド突条414が設けられている。回転部42は、集水部41との対向面に、下方に開口する複数の嵌合凹部423が設けられている。
ロック部44は、図13に示されるように、内側片442の突起443が、集水部41のガイド突条414にガイドされることで、カバー部43を鍔部441を介して下方に押圧し、この状態で保持する。すると、集水部41の嵌合凸部413と、回転体の嵌合凹部423とが嵌合し、この状態で保持される。これによりロック部44は、回転部42の回転を任意の回転位置で規制する。
以上のような構成のアンテナ付き竪樋1は、図14に示されるように、建物の外壁90に沿って設置された竪樋100の一部を構成する。
軒樋94には集水器95が設けられており、集水器95には、第1のエルボ96を介して呼び樋97が接続されている。呼び樋97には、第2のエルボ98を介して上流側の竪樋91が接続されている。上流側の竪樋91は、その下方に離間して下流側の竪樋92が設けられている。下流側の竪樋92は、下流側の端部が排水溝に連通接続されている。アンテナ付き竪樋1は、樋体10の上端部が、上接続体40を介して上流側の竪樋91の下端に接続され、樋体10の下端部が、下接続体50を介して下流側の竪樋92の上端に接続される。
なお、上流側の竪樋91及び下流側の竪樋92は、端部が樋控え具99を介して外壁90に固定されている。また、本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、非導電性樹脂により形成された樋控え具80により固定されている。このように、本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、設置されると、建物の外壁90に沿って設置された竪樋の一部を構成する。
本実施形態のアンテナ付き竪樋1を設置するには、施工者は、上接続体40の流入口45に上流側の竪樋91の下端を奥まで挿入し、下接続体50を下流側の竪樋92に接続する。この後、下接続体50を樋控え具80を介して外壁90に固定する。
この状態のアンテナ付き竪樋1は、下方にずれないように且つ上流側の竪樋91に対し回動自在となるよう外壁90に支持されている。
次いで施工者は、アンテナ2が放送電波を最も強く受信できるよう、アンテナ付き竪樋1を上流側の竪樋91及び下流側の竪樋92に対して回動させる。このときアンテナ付き竪樋1は、固定された下接続体50の保持体60に対し、樋体10が回動自在であるため、施工者はアンテナ2の向きを微調整することができる。微調整後、施工者は、アンテナ付き竪樋1を、上端部で別の樋控え具80により固定する。
次に施工者は、アンテナ付き竪樋1の上接続体40を回転させて、膨出部420を建物外壁90に沿わせる。そして、施工者は、ロック部44を回転させて、上接続体40の回転をロックする。
本実施形態の雨樋は、排水筒12の外周部に沿ってアンテナ2が設けられたアンテナ付き竪樋1により構成されているため、排水筒12に流下物121が詰まりにくいようにできる上に、アンテナの機能を備える。このため従来は屋根の上に設置していたアンテナを、本実施形態の雨樋によれば、竪樋と一体化させることができ、建物外観を向上させることができる。
また本実施形態の雨樋は、排水筒12が、スロットアンテナ20のスロット21とは反対側に偏心した位置に設けられているため、スロットアンテナ20の電波受信部であるスロット21から雨水を離すことができる。これにより、排水筒12を流下する雨水がアンテナ2に悪影響を与えるのを極力低減させることができる。
また本実施形態の雨樋は、建物外壁90に沿って配設された竪樋100に接続するための接続部4が設けられているため、排水性能を有するアンテナとして、ユニット化することができる。これにより、施工者の技量に寄らず建物に簡単に取り付けることができ、施工後の仕上がりを一定以上のものとすることができる。
なお本実施形態の雨樋は、新たに竪樋を施工する際に取り付けられてもよいし、既に設置された竪樋の一部を切除して、後付け的に取り付けられてもよい。
次に実施形態3につき説明する。
実施形態3の雨樋は、実施形態1と同様、排水筒120が、コーナー部が曲面の略楕円形をした断面形状に形成されている。本実施形態の雨樋は、排水筒120の外周部123に沿って設けられたアンテナ2を備えている。
なお、実施形態2の雨樋は、アンテナ2が、排水筒120の外周部123に積層されるか、又は排水筒の外周部に埋設されていた。実施形態3の雨樋は、アンテナ2が、排水筒の外周部123との間に隙間を介して設けられている。
本実施形態のアンテナ2は、実施形態2と同じ構造のスロットアンテナ20が、断面略C字状の樹脂製の保持材30に埋設された構造となっている。アンテナ2は、上下方向に長く形成されており、その裏側に係止部31が設けられている。なお、スロットアンテナの構造は実施形態2のものと同じであるため同符号を付して省略する。
排水筒120は、長手方向に所定の間隔をおいて取り付けられた樋控え具99を介して、建物外壁90に固定されている。樋控え具99は、アンテナ2の係止部31を係止する被係止部32が設けられている。
本実施形態の雨樋は、排水筒120を固定する樋控え具99にアンテナ2が着脱自在に取り付けられている。アンテナ2は、その長手方向が排水筒120の長手方向と略平行となるよう取り付けられている。言い換えると、アンテナ2は、排水筒120に沿って取り付けられている。
このような構成の雨樋であっても、排水筒120にアンテナ機能を持たせることができる。