以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、図15に示されるように、建物の外壁90に沿って配設された竪樋の上下方向の一部が取り除かれ、その取り除かれた部分に取り付けられるものである。なお以下、竪樋の一部を切除した後の上流側に位置する筒状の樋100を「上流側の竪樋91」といい、竪樋の一部を切除した後の下流側に位置する筒状の樋100を「下流側の竪樋92」という。また、樋体10における上下方向に延びる水平断面中央の線を、中心軸という。
アンテナ付き竪樋1は、電気機器などに接続されて、電波の受信用のアンテナを構成する。具体的にアンテナ付き竪樋1は、例えば、ケーブル93を介してテレビに接続されることで、テレビ用のアンテナとして用いられる。本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、図2に示されるように、側壁にアンテナ2を有する樋体10と、樋体10の外側を覆う外筒体3と、樋体10と外筒体3とを上端部で連結する上接続体4と、樋体10と外筒体3とを下端部で連結する下接続体5とを備えている。
樋体10は、図3に示されるように、筒状体により形成された樋体本体11と、この樋体本体11の側壁に設けられたアンテナ2と、樋体本体11の内部に配置され且つ排水路120となる内筒体12とを備えている。樋体10は、上流側の竪樋91と下流側の竪樋92との間に接続され、その内部の排水路120が、上流側の竪樋91と下流側の竪樋92とに連通されて竪樋の一部を構成する。
樋体本体11は筒状に形成されている。本実施形態の樋体本体11は、非導電性の合成樹脂により形成された円筒状の丸樋により構成されている。樋体本体11は、図3に示されるように、上端の開口縁に側面視U字状の上位置決め溝13が設けられている。また樋体本体11は、下端の開口縁に側面視逆U字状の下位置決め溝14が設けられている。
上位置決め溝13は、上接続体4の集水部41に設けられた上位置決め凹所412と同位置に配置され、この上位置決め凹所412と共に、後述の取付部材7の上端から突設された位置決め突起(図示せず)が挿入される。これにより集水部41は、樋体本体11に対し周方向に位置決めされる。また下位置決め溝14は、下接続体5の下位置決め突条57に嵌合して、樋体本体11に対し下接続体5を周方向に位置決めする。
アンテナ2は、樋体本体11の側壁に設けられている。アンテナ2は、樋体本体11の側壁に積層され、又は当該側壁の肉厚内に埋め込まれる。本実施形態のアンテナ2は、図2に示されるように、樋体本体11の側壁に沿うよう外側から重ねられて、取付部材7により固定される。アンテナ2は、導電性を有する金属板材(金属箔も含まれる)により構成されている。アンテナ2は、図4に示されるように、縦長矩形状の金属板材を短辺方向がC字状となるよう長辺方向に一様に湾曲させることで形成される。
アンテナ2は、上下方向に複数のスロット21が形成されたスロットアンテナ20により構成されている。すなわち本実施形態のアンテナ2は指向性を有している。アンテナ2は、このスロット21が上下方向に複数並設されており(本実施形態では2箇所)、隣接するスロット21同士がスリット状の細溝22で接続されている。アンテナ2は、各スロット21が周方向の一部に位置している。各スロット21は、金属板材の厚み方向に貫通する開口により構成されており、一対の三角形の頂点同士を互いに突き合わせたようなボウタイ状に形成されている。上方側のスロット21は、上下方向の略中央部分に給電部23を有している。本実施形態の給電部23は、周方向に対向する三角状片24の頂点部分により構成されている。
給電部23には、同軸ケーブル75が電気的に接続される。同軸ケーブル75は、中央の線が一方の三角状片24に接続され且つ外側の網線が他方の三角状片24に接続される。同軸ケーブル75は、アンテナ2により受信した電波を、室内側のテレビ等に出力するためのルートとなる。同軸ケーブル75は、第一端が給電部23に接続され、第二端が、上接続体4に設けられた接続具422に接続される(図13参照)。
本実施形態のアンテナ2は、図4に示されるように、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部26と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部27とを有している。
第一の受信部26は、スロット21及び当該スロット21の開口周縁部により構成される。第二の受信部27は、このスロット21に上下方向に隣接する周方向に連続した金属板材により構成される。
第一の受信部26を構成するスロット21の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに応じて決定される。また、第二の受信部27の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに応じて決定される。
またアンテナ2は、図5に示されるように、周方向の両端間に、上下方向の全長に亘って隙間28が形成される。この隙間28は、スロット21に対向する位置に設けられ、すなわちアンテナ2の円弧中心を挟んで、スロット21とは対極の位置となるように形成される。
またアンテナ2は、スロット21の背部に抜き部29が形成されている。抜き部29は、金属板材が存在しない部分であって、正面から見てスロット21と重なる位置に設けられている。抜き部29は、上下方向の長さがスロット21の上下方向の長さよりも長く、且つ周方向の長さがスロット21の周方向の長さよりも長く形成されている。
このような構成のアンテナ2は、図2に示されるように、湾曲して内向する裏面が、樋体本体11の側壁の外面に当接した状態で取り付けられる。言い換えると、アンテナ2は、排水路120の外側に設けられている。アンテナ2は、樋体本体11の側壁に巻き付けられた状態で、その外側から取付部材7により押さえられて固定される。
内筒体12は、樋体本体11の内部に配置されて、樋体10内の排水路120を形成する。内筒体12は、図3に示されるように、断面略楕円形状の筒体により構成されている。内筒体12は、非導電性の合成樹脂により構成されている。内筒体12は、上端が、上接続体4を介して上流側の竪樋91に連通接続され、下端が、下接続体5を介して下流側の竪樋92に連通接続される。
内筒体12は、図6に示されるように、樋体10内において給電部23とは離れた位置に配置されている。言い換えると、内筒体12は、樋体10の給電部23側の内側面との間に間隙を介して固定されている。
外筒体3は、図2に示されるように、筒状に形成されている。外筒体3は、その内径が、樋体10よりも大きくなるよう形成されている。外筒体3は、その中心軸が、樋体10の中心軸と同軸上に位置するよう配置される。これにより外筒体3は、樋体10を外側から覆うよう設けられている。外筒体3は、非導電性の合成樹脂により構成されている。外筒体3は、図6に示されるように、その側壁の外面に、上下方向に連続する突条31が突設されている。本実施形態の突条31は、外筒体3の上下方向の略全長に亘って設けられている。この突条31は、水平断面において、アンテナ2の給電部23に対し、中心軸を中心として対称の位置に配置される。言い換えると突条31は、中心軸を挟んでアンテナ2の給電部23とは反対側に位置している。
外筒体3は、樋体10の外側に取り付けられると、アンテナ2を外側から覆う。このため、施工者は、アンテナ付き竪樋1を外壁90に設置する際、アンテナ2の受信方向が認識できなくなってしまう。ところが本実施形態では、この突条31が、常にアンテナ2の受信方向とは反対側に位置するため、施工者はアンテナ2の受信方向を把握することが可能となっている。つまりこの突条31は、アンテナ2の送受信方向を把握するための視認手段32を構成する。
アンテナ付き竪樋1は、外筒体3と内筒体12とが、下接続体5及び上接続体4とにより相互に固定されている。
下接続体5は、樋体10の下端に固定されると共に、外筒体3の下端に固定されている。本実施形態の下接続体5は、樋体10及び外筒体3の両者に固定される固定側の部材と、樋体10及び外筒体3の両者に対し回動する回動側の部材との2部材により構成されている。下接続体5は、図16に示されるように、建物の外壁90に固定された樋控え具80が装着される。
下接続体5は、図7に示されるように、樋体10の下端に固定されて当該樋体10と共に回転する回動体51と、この回動体51を支持する保持体60とを備えている。下接続体5は、回動体51が、保持体60に対して中心軸廻りに回動自在に支持されている。
回動体51は、樋体10の下端に固定されており、樋体10に対して回動不能となるよう取り付けられている。回動体51は、円盤状の基台部59と、基台部59から上方に向けて突出した樋体本体固定部52と、樋体本体固定部52に同心円状となるよう基台部59から上方に向けて突出した外筒体固定部53と、樋体本体固定部52の内側に位置する嵌合部54とを備えている。また回動体51は、基台部59を上下方向に貫通するよう設けられた流出路55をさらに備えている。この流出路55は、上端が嵌合部54の内部に連通し、下端が流出口56に連通している。回動体51は、これら各部が合成樹脂により一体成形されている。
樋体本体固定部52は、平面視環状に形成されている。樋体本体固定部52は、樋体本体11の側壁の内側に嵌入し、樋体本体11の下端に固定される。樋体本体固定部52は、その外側面から径外方向に突出する下位置決め突条57が突設されている。この下位置決め突条57は、樋体10の下端縁に設けられた断面逆U字状の下位置決め溝14に嵌入する。この下位置決め突条57と樋体10の下位置決め溝14とにより、回動体51と樋体本体11との周方向への位置決めが行なわれる。
外筒体固定部53は、平面視環状に形成されている。外筒体固定部53は、外筒体3の外側に被嵌し、外筒体3の下端に固定される。外筒体固定部53は、その外側面の一部に凹段部531が形成されている。この凹段部531は、外筒体3の突条31が入り込むよう構成されている。この凹段部531と外筒体3の突条31とにより、回動体51と外筒体3との周方向への位置決めが行なわれる。
嵌合部54は、断面略楕円形をした環状に形成されている。嵌合部54は、内筒体12の下端の外側に被嵌される。嵌合部54は、その内部が、上下方向に貫通して流出路55の内部に連通し、さらに流出口56に連通する。
嵌合部54は、内筒体12の外周を囲む側壁541と、側壁541の周方向の一部から上方に向けて突設されたガイド部542とを有している。ガイド部542は、内筒体12の断面弧状の部分に対応する箇所に設けられている。ガイド部542は、楕円形状をした嵌合部54の長軸方向の端部に設けられている。言い換えると、嵌合部54は、長軸方向の一端にガイド部542が設けられ、他端にガイド部542よりも低く形成された低壁部543が設けられている。
またガイド部542は、嵌合部54の側壁541と長軸との交点から両側に振り分けるようにして切欠部544が設けられている。この切欠部544は、上側ほどその対向間の距離が拡がっている。またガイド部542は、その上端縁に、上方ほど外側に位置するよう傾斜した面取り部545を有している。
この嵌合部54に内筒体12を嵌合するに当たり、製造作業者(組立作業者)は、図1(a)に示すように、内筒体12を、下端部における長軸方向のガイド部542側の円弧部を上方に且つその反対側の円弧部を下方となるよう傾斜させながら、嵌合部54に近づける。この状態で内筒体13をガイド部542に当接する。このとき、ガイド部542が低壁部543よりも上方に突出しているため、内筒体13を傾斜したままガイド部542に当接することができる。
次いで製造作業者(組立作業者)は、ガイド部542と内筒体12との当接部分を支点としながら、内筒体12を起こし、当該内筒体12をガイド部542に沿わせて、嵌合部54に挿入する。
このとき製造作業者(組立作業者)は、切欠部544が上側ほどその対向間の距離が拡がった形状になっているため、内筒体12をガイド部542に沿わせても、内筒体12の縁部が引っ掛ることなくスムーズにガイドすることができる。
回動体51は、図8に示されるように、基台部59の下面から下方に向けて突設された複数の係止片58を有している。この係止片58は、断面L字状に形成されており、後述の保持体60の円環状のレール部63に対し、周方向に移動可能となり且つ上下方向に移動が規制される。係止片58は、突出先端の内側の角部に導入部580が形成されている。係止片58は、少なくとも3つ形成されており、本実施形態においては4つ形成されている。
保持体60は、樋体10の下端に固定された回動体51を回動自在に支持する。言い換えると保持体60は、樋体10を中心軸廻りに回動自在に支持する。保持体60は、図7に示されるように、建物外壁90に固定された樋控え具80の取り付け部分となる外郭部61と、外郭部61の内側に連設された円環状のレール部63とを備えている。
外郭部61は、円筒状に形成されている。外郭部61は、その上端に、フランジ状に径外方向に突出した自重受け突部62を有している。この自重受け突部62は、図16に示されるように、外郭部61を保持する樋控え具80の上端に当接する。これにより保持体60は、樋控え具80によって下方にずれないように保持される。自重受け突部62は、外郭部61の周方向の全長に亘って形成されている。
レール部63は、円環状に形成されている。レール部63は、回動体51の係止片58に係合して、回動体51を周方向に移動可能とし、且つ上下方向への移動を規制する。レール部63は、外郭部61の内側に固定されている。
保持体60は、図9に示されるように、下流側の竪樋92に接続するための下接続部64を有している。下接続部64は、下流側の竪樋92の内側に嵌入する内嵌部65と、下流側の竪樋92の外側に位置する外嵌部66とを有している。また保持体60は、上下方向に貫通する貫通孔部67を有している。この貫通孔部67は、図10に示されるように、保持体60に回動体51が取り付けられると、回動体51の流出路55が挿入される。
このような構成の下接続体5は、保持体60のレール部63に、回動体51の係止片58を上方から当接させ、この状態で回動体51を下方に押し下げることで組み立てられる。回動体51は、係止片58が保持体60のレール部63に当接した状態で押下されると、係止片58の導入部580がレール部63により径外方向に押され、係止片58が弾性変形する。すると係止片58は、保持体60のレール部63を乗り越え、この後復元し、当該レール部63に係合する。これにより下接続体5は組み立てられる。
上接続体4は、図11に示されるように、樋体本体11の上端に固定され且つ内筒体12に連通接続される集水部41と、集水部41の周囲を回転する回転部42と、この回転部42を覆うカバー部43と、回転部42及びカバー部43の回転を規制するロック部44とを備えている。上接続体4は、カバー部43が、上方に開口する流入口45を有している。流入口45は、樋体10の内部に連通しており、つまり流出口56にも連通する。
集水部41は、上流側の竪樋91から流出した雨水を集水して、雨水を内筒体12の排水路120に流通させる。集水部41は、図12に示されるように、樋体本体11の上端に固定される第1の固定部410と、内筒体12の上端に固定される第2の固定部411とを備えている。集水部41は、第1の固定部410と樋体本体11とを固定し、第2の固定部411と内筒体12とを固定することで、樋体本体11と内筒体12とを相互に固定する。集水部41は、樋体本体11の上端縁の上位置決め溝13と同位置に配置される上位置決め凹所412が突設されている。上位置決め凹所412と上位置決め溝13とが重なった状態で、この上位置決め凹所412内に、取付部材7の位置決め突起が嵌入することで、樋体本体11に対し集水部41が周方向に位置決めされる。
回転部42は、樋体10の中心軸廻りに回転自在に設けられている。回転部42は、図13に示されるように、側方に膨出した膨出部420を有している。回転部42は、樋体10の中心軸を中心とした弧状の長孔により構成されたケーブル取出用孔421を有している。このケーブル取出用孔421は、上下方向に貫通しており、アンテナ2に接続された同軸ケーブル75が挿通される。また回転部42は、同軸ケーブル75のアンテナ2側とは反対側の端部に接続された接続具422を有している。接続具422は、膨出部420の上方から下方に向けて挿通され、膨出部420の下面から下方に突出している。これにより接続具422は、外部に露出している。
カバー部43は、回転部42を覆うよう構成されている。カバー部43は、図11に示されるように、その天面部431に流入口45が設けられている。流入口45は、その外周縁に、下方に向けて突設された周縁突起432を有している。この周縁突起432は、集水部41の上方の開口の内側に位置するよう構成されている。これにより流入口45は、集水部41の上方の開口に接続される。カバー部43は、その側壁が回転部42の外周縁のすぐ外側に位置するよう構成されており、これにより、回転部42を内部に収容した状態で着脱自在に取り付けられる。
ロック部44は、回転部42の回転を、樋体10の中心軸廻りの任意の位置でロックする。ロック部44は、平面視円環状をしている。ロック部44は、図11に示されるように、カバー部43の上端に当接する鍔部441と、鍔部441の内周縁から下方に向けて突設された内側片442とを備えている。内側片442は、径外方向に突出する突起443を有している。
ロック部44は、集水部41に、回転部42及びカバー部43を固定することで、当該回転部42及びカバー部43の回転をロックする。ここで集水部41は、図11に示されるように、その側面に、上方に向けて凸となった複数の嵌合凸部413が設けられている。また集水部41は、その内側面に、ロック部44の内側片442の突起443と係合するガイド突条414が設けられている。回転部42は、集水部41との対向面に、下方に開口する複数の嵌合凹部423が設けられている。
ロック部44は、図14に示されるように、内側片442の突起443が、集水部41のガイド突条414にガイドされることで、カバー部43を鍔部441を介して下方に押圧し、この状態で保持する。すると、集水部41の嵌合凸部413と、回転体の嵌合凹部423とが嵌合し、この状態で保持される。これによりロック部44は、回転部42の回転を任意の回転位置で規制する。
以上のような構成の本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、図15に示されるように、建物の外壁90に沿って設置された竪樋の一部を構成する。
軒樋94には集水器95が設けられており、集水器95には、第1のエルボ96を介して呼び樋97が接続されている。呼び樋97には、第2のエルボ98を介して上流側の竪樋91(つまり筒状の樋100)が接続されている。上流側の竪樋91は、その下方に離間して下流側の竪樋92(つまり筒状の樋100)が設けられている。下流側の竪樋92は、下流側の端部が排水溝に連通接続されている。本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、樋体10の上端部が、上接続体4を介して上流側の竪樋91の下端に接続され、樋体10の下端部が、下接続体5を介して下流側の竪樋92の上端に接続される。
なお、上流側の竪樋91及び下流側の竪樋92は、切除された側の端部が樋控え具99を介して外壁90に固定されている。また、本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、非導電性樹脂により形成された樋控え具80により固定されている。このように、本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、設置されると、建物の外壁90に沿って設置された竪樋の一部を構成する。
本実施形態のアンテナ付き竪樋1を設置するには、施工者は、上接続体4の流入口45に上流側の竪樋91の下端を奥まで挿入し、下接続部64を下流側の竪樋92の上端に載置する。この後、下接続体5を第1の樋控え具810を介して外壁90に固定する。
次いで施工者は、アンテナ2が放送電波を最も強く受信できるよう、アンテナ付き竪樋1を上流側の竪樋91及び下流側の竪樋92に対して(つまり筒状の樋100に対して)回動させる。このときアンテナ付き竪樋1は、固定された下接続体5の保持体60に対し、樋体10が回動自在であるため、施工者はアンテナ2の向きを微調整することができる。微調整後、施工者は、アンテナ付き竪樋1を、既に設置された樋控え具80とは異なる位置で固定する。
本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、側壁にアンテナ2が設けられた樋体本体11と、この樋体本体11内に排水路120となる内筒体12とが設けられているため、アンテナ2と排水路120との間に隙間を形成することができる。
本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、下接続体5における内筒体12の嵌合部54に、内筒体12の嵌合接続時のガイドとなるガイド部542が設けられている。このため、内筒体12を下接続体5に嵌合接続するにあたり、内筒体12をガイドでき、組み立て時の作業性を向上させることができる。
しかも、ガイド部542は上側ほどその対向間の距離が拡がった切欠部544を備えているため、内筒体12がガイド部542に引っ掛るのを防ぐことができる。またガイド部542は、その端縁に面取り部545を有しているため、内筒体12をスムーズに接続することができる。
また本実施形態のアンテナ付き竪樋は、樋体10の側壁にアンテナ2が取り付けられたものであるため、樋体10とアンテナ2とがユニット化されていて設置が容易であり、竪樋の一部としてアンテナ2が設置されるため、構造が簡略化される。
なお、本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、外筒体3が設けられていたが、本発明において外筒体3はなくてもよい。
また本実施形態のアンテナ付き竪樋1は、下接続体5の回動体51と樋体本体11とは、接着されて固定されてもよいし、接着されないで嵌合されただけの構造であってもよい。
なお、本実施形態のアンテナ付き竪樋は、新築の竪樋に取り付けられてもよいし、既に設置された竪樋に後付け的に取り付けられてもよい。