JP5841167B2 - レバミピドを含有する口腔内疾患治療用医薬組成物 - Google Patents
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Description
また、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種の化合物、酸水溶液、および水溶性レバミピド塩含有水溶液を混和して得られる微粒子懸濁溶液、および高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはメチルセルロースを含む、懸濁性ハイドロゲルが報告されている(特許文献6)。
[1] 平均粒子径500nm未満のレバミピドを有効成分として10mg/mL〜50mg/mL含有し、少なくとも1種の分散剤を含有し、かつ少なくとも1種の粘度増強剤を含有し、
薬液粘度が10mPa・s〜500mPa・sの範囲内にある医薬組成物。
[4] 分散剤にポリビニルピロリドンが含まれる[3]に記載の医薬組成物。
[5] 分散剤にポリビニルピロリドンK25および/又はポリビニルピロリドンK30が含まれる[4]に記載の医薬組成物。
[7] 粘度増強剤にプルランが含まれる[1]〜[5]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8] 粘度増強剤にポリビニルピロリドンK90とプルランが含まれる[1]〜[5]のいずれかに記載の医薬組成物。
[9] 粘度増強剤としてポリビニルピロリドンK90を5mg/mL〜30mg/mL含有し、プルランを10mg/mL〜30mg/mL含有する[8]に記載の医薬組成物。
[12] 少なくとも1種の分散剤、酸水溶液、水溶性レバミピド塩含有水溶液、および任意の他の成分もしくは溶媒を混和して平均粒子径500nm未満のレバミピドの水性懸濁溶液を得て、これに塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7に調整して得られるレバミピドの水性懸濁溶液に粘度増強剤を加えて得られる[11]に記載の医薬組成物。
[14] レバミピドの形状が、長径1000nm未満、短径60nm未満で、長径と短径の比が3を超える均質な針状結晶である[1]〜[13]のいずれかに記載の医薬組成物。
[16] さらに、等張化剤、甘味剤、香料を含有する[1]〜[15]のいずれかに記載の医薬組成物。
[17] 甘味剤としてステビアを配合する[16]に記載の医薬組成物。
[18] 水性懸濁液の形態である[1]〜[17]のいずれかに記載の医薬組成物。
[21] [1]〜[18]のいずれかに記載の医薬組成物3mL〜20mLを口腔内に含ませた後、内服することを特徴とする口腔粘膜障害および/又は咽頭粘膜障害の予防および/又は治療方法。
[23] [21]あるいは[22]に記載の方法を1日2〜6回繰り返す口腔粘膜障害予防および/又は治療方法。
[25] [1]〜[18]のいずれかに記載の医薬組成物を口腔内に含ませることを特徴とする口腔内乾燥症および/又は唾液分泌低下の予防又は治療方法。
[26] レバミピドが結晶である[1]〜[18]に記載の医薬組成物、およびその医薬組成物での上記製造方法、並びに上記予防および/又は治療方法。
(a)平均粒子径500nm未満(好ましくは300nm未満)のレバミピド
(b)1以上の分散剤
(c)平均粒子径500nm未満(好ましくは300nm未満)のレバミピド粒子に対して凝集作用を有さない1以上の粘度増強剤
(d)精製水
(e)必要に応じて平均粒子径500nm未満のレバミピドを調製時に必要な1以上の酸又は1以上の塩基
(f)必要に応じて1以上のpH調整剤
(g)必要に応じて1以上の防腐剤
(h)必要に応じて1以上の甘味剤
(i)必要に応じて1以上の等張化剤
(j)必要に応じて1以上の香料
本発明の医薬組成物中の平均粒子径が500nm未満のレバミピドは、種々の方法で製造することが出来る。例えば、レバミピドを分散剤が含まれる水性溶液に懸濁して得た懸濁液を、ビーズミルやボールミルのような湿式媒体粉砕機を使用して粉砕することで、平均粒子径が500nm未満のレバミピドの懸濁液を製造することが可能である。このような湿式媒体粉砕機としては、ダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)、ウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)、スターミル(アシザワ・ファインテック(株)製)等が挙げられる。
また、例えば、レバミピドを分散剤が含まれる水性溶液に懸濁して得た懸濁液を、高圧湿式分散機又は高圧湿式粉砕機を使用して粉砕することで、平均粒子径が500nm未満のレバミピド懸濁液を製造することが可能である。このような高圧湿式分散機又は高圧湿式粉砕機としては、ラニエ型やゴーリン型の高圧ホモジナイザー(GEA Niro Soavi社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、スターバースト((株)スギノマシン製)、ナノマイザー(ナノマイザー(株)製)またはナノジェットパル((株)常光製)が挙げられる。
本発明の医薬組成物中の平均粒子径が500nm未満のレバミピドを得る好ましい方法としては、少なくとも1種の分散剤、酸水溶液、水溶性レバミピド塩含有水溶液、および任意の他の成分もしくは溶媒を混和することにより、レバミピドの水性懸濁溶液を製造する方法である。
酸水溶液の酸は、たとえば一般的な酸である、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸、クエン酸等が使用可能であるが、好ましくは塩酸が使用される。
その中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度グレード(2%水溶液)は、好ましくは20mPa・s以下であり、カルボキシメチルセルロースナトリウムの粘度グレード(2%水溶液)は、好ましくは50mPa・s以下である。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニックF68)が好ましい。
分散剤の中で、最も好ましいのはポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンの平均分子量は5万以下が好ましく、より好ましいのはポリビニルピロリドンK25又はポリビニルピロリドンK30である。
本発明の医薬組成物中の分散剤の添加濃度は、好ましくは0.1〜10%(w/v)、より好ましくは0.3〜5%(w/v)、さらに好ましくは0.5〜3%(w/v)で、最も好ましいのは1〜2%(w/v)である。
(ii)酸水溶液、少なくとも1種の分散剤を含有する水溶性レバミピド塩含有水溶液、および任意の他の成分もしくは溶媒を混和するか、あるいは
(iii)少なくとも1種の分散剤を含有する酸水溶液、同じ少なくとも1種の分散剤を水溶性レバミピド塩含有水溶液、および任意の他の成分もしくは溶媒を混和してもよい。
溶液を混和する方法は特に限定されるものではないが、ディスパーザーやホモミキサー、ホモジナイザーなど、一般的に製剤用途として使用される攪拌、分散装置中で剪断力を与えながら、混和させる方法が好ましく使用される。また、混和時に超音波を使用してもよい。
撹拌・分散装置としては、ディスパーザーやホモミキサー、ホモジナイザーなど、一般的に医薬用途として使用される撹拌・分散装置であれば種々選択が可能である。その中でも、液中で凝集している粒子を効率的に分散させることが出来る撹拌・分散装置が望ましい。ロボミックス(プライミクス(株)製)やクレアミックス(エム・テクニック(株)製)等の回転式ホモジナイザーの他、湿式ジェットミルや高圧ホモジナイザー等が例として挙げられる。その中でも、スクリーンとローターが各々逆方向に高速で回転することにより、強烈な液−液剪断力を有するWモーション型クレアミックス(エム・テクニック(株)製)を使用することで、上記のように調製したレバミピド水性懸濁液の一次粒子の分散性が顕著に向上する。
本発明者らは、上記のように晶析調製したレバミピド水性懸濁液に、透析工程を加えて、レバミピド結晶の平均粒子径を500nm未満にすることで、長期保管してもレバミピド粒子の「凝集作用を有さない」懸濁液が調製可能であることを見出した。透析装置としては、ペリコン(日本ミリポア(株)製)やプロスタック(日本ミリポア(株)製)、ザルトコン(ザルトリウス(株)製)等一般的に医薬用途として使用される透析装置であれば種々選択が可能である。透析を行うレバミピド水性懸濁液は、pHが低いと凝集のため透析膜の通過性が悪く、一方、pHが高いとレバミピドが溶解し含量損出が生じるため、pHは3〜7、好ましくはpH4〜7、より好ましくはpH5〜7で行うことが望ましい。透析工程と分散・撹拌工程は、それぞれ単独で行い製造することも可能である。又、両工程を組み合わせ、透析工程を行った後、分散・撹拌工程を行うことも可能であるし、分散・撹拌工程を行った後、透析工程を行うことも可能である。
分散剤としてポリビニルピロリドンを用いた場合には、長径500nm未満、短径60nm未満、好ましくは長径300nm未満、短径50nm未満で、長径と短径の比が3を超える均質な針状結晶、さらに好ましくは長径200nm程度、短径40nm程度で、長径と短径の比が5程度の均質な針状結晶の懸濁液を上記の方法により得ることができる。
平均粒子径500nm未満のレバミピド懸濁液は、粘度増強剤の添加により凝集を引き起こしやすく、凝集作用を引き起こさない粘度増強剤は稀である。一般的に粘度増強剤として使用されるカラギーナン(カラゲニン)、グアーガム、ジェランガム、ヒアルロン酸、カルボキシビニルポリマー、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムは、上記により調製された平均粒子径500nm未満のレバミピド粒子を凝集させるため、本発明には使用出来ない。
分散剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用する場合には、粘度増強剤としてヒドロキシプロピルセルロース、プルラン等を用いることが好ましい。分散剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを使用する場合には、粘度増強剤としてポリビニルアルコール、プルラン等を用いることが好ましい。分散剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムを使用する場合には、粘度増強剤として高分子量(高粘度グレード)のカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン K90、およびプルランを用いることが好ましい。分散剤としてポリビニルピロリドンK25又はポリビニルピロリドンK30を使用した場合、粘度増強剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンK90、プルラン等を用いることが好ましい。
本発明の医薬組成物における粘度増強剤の好ましい配合量は、5mg/mL〜150mg/mLである。より好ましくは、10mg/mL〜60mg/mLであり、さらに好ましくは15mg/mL〜40mg/mLである。
また、粘度増強剤が配合された本発明の医薬組成物は、粘凋な溶液であり、薬液粘度が10mPa・s〜500mPa・sであり、好ましくは薬液粘度が20mPa・s〜300mPa・sであり、最も好ましくは30mPa・s〜200mPa・sである。粘度は、日本薬局方粘度測定法に準じて、例えば円すい−平板型回転粘度計(コーンプレート型粘度計)を用いて、25℃において測定された値をいう。
本発明品は、レバミピド粒子が凝集を引き起こさない粘凋性と流動性のある懸濁液であり、WO2007/132907公報に示されるような懸濁性ハイドロゲルは含まない。懸濁性ハイドロゲルは、平均粒子径500nm未満のレバミピドの結晶間で相互作用(凝集)を生じることから、チキソトロピー性を有するハイドロゲルを形成する。このようなハイドロゲルは、粒子が凝集していることから、本発明の口内炎用途には好ましくない。
緩衝剤の例としては、酢酸及び酢酸ナトリウム等の酢酸塩、クエン酸及びクエン酸塩、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二カリウム等のリン酸塩、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸塩、ホウ酸及びその塩が挙げられる。
安定化剤の例としては、アスコルビン酸及びその塩、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。
最も好ましい方法としては、少なくとも一種の分散剤、酸水溶液、水溶性レバミピド塩含有水溶液、および任意の他の成分もしくは溶媒を混和して得られるレバミピド結晶の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7に調整して得られるレバミピド結晶の水性懸濁溶液に、粘度増強剤と、必要に応じて保存剤(防腐剤)、等張化剤、甘味剤、香料を加えた製造方法である。
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)(7L2P、Ashland社製)20gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのカルボキシメチルセルロースナトリウム(7L2P)−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム17.6gを約2600gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)81.6gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を2940gとして、水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を調製し、この調製液から1470gを分取した。
氷冷下のカルボキシメチルセルロースナトリウム−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で5500rpmの速度で撹拌しながら、約50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液をカルボキシメチルセルロースナトリウム−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を全て添加し、その薬液を20分間撹拌した。一夜放置後、5N水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを約5.8に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで40分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定し、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンPRS、第一工業製薬(株)製)を3%、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)を4%になるように添加し、2%レバミピド懸濁液になるように、精製水で希釈した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、33mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.18μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
下表の量に従い、精製水100mLにカルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬工業(株)製)とD−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)を溶解し、pHを6.0〜6.2に調整した。さらにレバミピド原末(大塚製薬(株)製)を懸濁し、2%レバミピド懸濁液を調製した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、12mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は13.9μmであった(超音波非照射、屈折率2.00−0.20i)。
焼灼法による口腔内潰瘍を以下のように惹起した。即ち、通常飼育したラットをイソフルラン吸入により麻酔した。仰向けにし,開胸器を用いて上顎と下顎を開けて視野を取りながら左側口腔粘膜の中央部に先端の直径が2mmのモノポーラーを当て、約10〜20秒間、設定出力20で円形(直径3〜4mm)に焼灼することにより口腔内潰瘍を惹起した。焼灼後は飼育ケージに戻し、自然覚醒させた。
口腔内潰瘍惹起日を開始日(Day0)とした。口腔内潰瘍惹起2日後(Day2)、体重に基づき、層別無作為抽出法を用いてラットの群分けを行った。焼灼法により口腔内潰瘍を惹起した3日後(Day3)から、1日4回(8:00、11:00、14:00及び17:00前後)を5日間、実施例1の2%レバミピド懸濁液と比較例1の2%レバミピド懸濁液及びそれぞれの製剤用溶媒(実施例および比較例からレバミピドを除いた溶媒)を0.5mL/kgの用量でラットの口腔内に投与した。イソフルラン吸入により麻酔したラットを左側臥位に寝かせ、ピンセットまたは開胸器を用いて口腔内を開いた状態で潰瘍を作製した左頬に各試験サンプルを投与した。
Day8における口腔内潰瘍面積を測定した。溶媒投与群に対して、実施例1の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められた(n=6、p<0.01、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対する実施例1のレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は20.1%であった。
一方、溶媒投与群に対して比較例1の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められなかった(n=6、n.s.、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対する比較例1のレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は8.7%であった。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(TC−5E、信越化学工業(株)製)40gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのHPMC(TC−5E)−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム17.6gを約2600gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)81.6gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を2940gとして、水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を調製し、この調製液から1470gを分取した。
氷冷下のHPMC(TC−5E)−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で5500rpmの速度で撹拌しながら、約50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、HPMC(TC−5E)−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を全て添加し、その薬液を20分間撹拌した。一夜放置後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約5.8に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで40分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達(株)製)を2%、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)を4%になるように添加し、2%レバミピド懸濁液になるように、精製水で希釈した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、42mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.17μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
実施例2の濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定し、D−ソルビトールを4%になるように添加し、2%レバミピド懸濁液になるように、精製水で希釈した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、8mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.08μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
試験例1と同様に、口腔内潰瘍をラットに惹起し、群分けを行った。焼灼法により口腔内潰瘍を惹起した3日後(Day3)から、1日4回(8:00、11:00、14:00及び17:00前後)を5日間、実施例2の2%レバミピド懸濁液と比較例2の2%レバミピド懸濁液及びそれぞれの製剤用溶媒(実施例および比較例からレバミピドを除いた溶媒)を0.5mL/kgの用量でラットの口腔内に投与した。イソフルラン吸入により麻酔したラットを左側臥位に寝かせ、ピンセットまたは開胸器を用いて口腔内を開いた状態で潰瘍を作製した左頬に各試験サンプルを投与した。
Day8における口腔内潰瘍面積を測定した。溶媒投与群に対して、実施例2の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められた(n=6、p<0.05、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対する実施例2のレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は18.1%であった。
一方、溶媒投与群に対して比較例2の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められなかった(n=6、n.s.、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対する比較例2のレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は10.2%であった。
ポリビニルピロリドンK25(PVPK25)(BASF社製)40gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのPVPK25−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム17.6gを約2600gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)81.6gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を2940gとして、水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を調製し、この調製液から1470gを分取した。
氷冷下のPVPK25−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で5500rpmの速度で撹拌しながら、約50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、PVPK25−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を全て添加し、その薬液を20分間撹拌した。一夜放置後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約5.8に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで40分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定し、ポリビニルピロリドンK90(PVPK90)(BASF社製)を3%、ステビア(ステビロンC、守田化学工業(株)製)を0.05%、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)を4%になるように添加し、2%レバミピド懸濁液になるように、精製水で希釈した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、25mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.09μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
ポリビニルピロリドンK30(PVPK30)(BASF社製)20gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのPVPK30−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム17.6gを約2600gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)81.6gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を2940gとして、水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を調製し、この調製液から1470gを分取した。
氷冷下のPVPK30−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で3000rpmの速度で撹拌しながら、約50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、PVPK30−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を全て添加し、その薬液を30分間撹拌した。一夜放置後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約5.8に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで40分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定し、プルランを5%、ステビアを(ステビロンC、守田化学工業(株)製)を0.05%、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)を4%、メチルパラベンを0.1%になるように添加し、2%レバミピド懸濁液になるように、精製水で希釈した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、27mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.17μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
ポリビニルピロリドンK30(PVPK30)(BASF社製)20gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのPVPK30−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム17.6gを約2600gの精製水を加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)81.6gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を2940gとして、水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を調製し、この調製液から1470gを分取した。
氷冷下のPVPK30−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で3000rpmの速度で撹拌しながら、約50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、PVPK30−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を全て添加し、その薬液を30分間撹拌した。一夜放置後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約5.8に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで40分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定し、ポリビニルピロリドンK90(PVPK90)(BASF社製)を1%、ステビアを(ステビロンC、守田化学工業(株)製)を0.05%、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)を4%、メチルパラベンを0.1%になるように添加し、2%レバミピド懸濁液になるように、精製水で希釈した。
回転粘度計(TOKI SANGYO RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、5mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.09μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
試験例1と同様に、口腔内潰瘍をラットに惹起し、群分けを行った。焼灼法により口腔内潰瘍を惹起した3日後(Day3)から、1日4回(8:00、11:00、14:00及び17:00前後)を5日間、実施例3と実施例4の2%レバミピド懸濁液と比較例3の2%レバミピド懸濁液及びそれぞれの製剤用溶媒(実施例および比較例からレバミピドを除いた溶媒)を0.5mL/kgの用量でラットの口腔内に投与した。イソフルラン吸入により麻酔したラットを左側臥位に寝かせ、ピンセットまたは開胸器を用いて口腔内を開いた状態で潰瘍を作製した左頬に各試験サンプルを投与した。
Day8における口腔内潰瘍面積を測定した。溶媒投与群に対して、実施例3の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められた(n=6、p<0.01、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対するレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は25.1%であった。また、溶媒投与群に対して、実施例4の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められた(n=6、p<0.01、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対するレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は24.8%であった。
一方、溶媒投与群に対して比較例3の2%レバミピド懸濁液投与群は、有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められなかった(n=6、n.s.、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対するレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率は11.9%であった。
ポリビニルピロリドンK30(PVPK30)(BASF社製)20gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのPVPK30−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム8.8gを約1300gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)40.8gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を1470gとして、水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を調製した。
氷冷下のPVPK30−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で3000rpmの速度で撹拌しながら、50−55℃に維持した水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を、PVPK30−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を全て添加した後、その薬液を30分間撹拌した。溶液を脱泡後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約6.0に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで60分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定したところ3.13w/v%であった。この薬液193.6gに、ポリビニルピロリドンK90(PVPK90)(BASF社製)6g、プルラン((株)林原製)6g、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)11.4g、ステビア(ステビロンC、守田化学工業(株)製)0.21g、パラオキシ安息香酸メチル(和光純薬工業(株)製)0.30g、ストロベリーフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)0.24gを加えた後、精製水を加え、全量300mLにした。添加した添加剤を溶解後、pHを塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを6.2に調整した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、50mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.11μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
ポリビニルピロリドンK30(PVPK30)(BASF社製)10gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのPVPK30−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム8.8gを約1300gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)40.8gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を1470gとして、水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を調製した
氷冷下のPVPK30−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で3000rpmの速度で撹拌しながら、50−55℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、PVPK30−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を全て添加した後、その薬液を30分間撹拌した。溶液を脱泡後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約6.0に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで60分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定したところ4.98w/v%であった。この薬液243.6gに、ポリビニルピロリドンK90(PVPK90)(BASF社製)6g、プルラン((株)林原製)6g、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)11.4g、ステビア(ステビロンC、守田化学工業(株)製)0.21g、パラオキシ安息香酸メチル(和光純薬工業(株)製)0.30g、ストロベリーフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)0.24gを加えた後、精製水を加え、全量300mLにした。添加した添加剤を溶解後、pHを塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを6.2に調整した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、140mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.17μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
ポリビニルピロリドンK30(PVPK30)(BASF社製)40gを約400gの精製水に溶解し、濃塩酸28.4gを加え、さらに精製水を加えて、550gのPVPK30−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム8.8gを約1300gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)40.8gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を1470gとして、水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を調製した
氷冷下のPVPK30−塩酸水溶液を分散機(ロボミックス、プライミクス(株)製)で3000rpmの速度で撹拌しながら、50−55℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、PVPK30−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を全て添加した後、その薬液を30分間撹拌した。溶液を脱泡後、5N水酸化ナトリウム溶液をその薬液に添加し、pHを約6.0に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18000rpm、スクリーンを約16000rpmで60分間、分散を行った。この薬液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行った。
濃脱縮塩を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定したところ2.29w/v%であった。この薬液132.1gに、ポリビニルピロリドンK90(PVPK90)(BASF社製)6g、プルラン((株)林原製)6g、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)11.4g、ステビア(ステビロンC、守田化学工業(株)製)0.21g、パラオキシ安息香酸メチル(和光純薬工業(株)製)0.30g、ストロベリーフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)0.24gを加えた後、精製水を加え、全量300mLにした。添加した添加剤を溶解後、pHを塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを6.2に調整した。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、26mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.18μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
試験例1と同様に、口腔内潰瘍をラットに惹起し、群分けを行った。焼灼法により口腔内潰瘍を惹起した3日後(Day3)から、1日4回(8:00、11:00、14:00及び17:00前後)を5日間、1%(実施例7)、2%(実施例5)、4%(実施例6)レバミピド懸濁液及び製剤用溶媒(実施例からレバミピドを除いた溶媒)を0.5mL/kgの用量でラットの口腔内に投与した。イソフルラン吸入により麻酔したラットを左側臥位に寝かせ、ピンセットまたは開胸器を用いて口腔内を開いた状態で潰瘍を作製した左頬に各試験サンプルを投与した。
Day8における口腔内潰瘍面積を測定し、溶媒投与群の潰瘍面積に対するレバミピド懸濁液投与群の潰瘍面積の減少率を求めた。溶媒投与群に対して、実施例7に相当する1%レバミピド懸濁液投与群で口腔内潰瘍面積縮小傾向が認められ、実施例5、6に相当する2%、4%レバミピド懸濁液投与群で有意な口腔内潰瘍面積縮小が認められた(n=7、p<0.01、t検定)。溶媒投与群の潰瘍面積に対する、1%、2%及び4%レバミピド懸濁液投与群潰瘍面積の減少率は、それぞれ13.9%、25.3%及び33.0%であった(n=7)。
ポリビニルピロリドンK30(PVPK30)(BASF社製)60gを約1400gの精製水に溶解し、濃塩酸溶液85.2gを加え、さらに精製水を加えて、1650gのPVPK30−塩酸水溶液を調製した。一方、水酸化ナトリウム26.4gを約4000gの精製水に加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液に、レバミピド(大塚製薬(株)製)122.4gを加温溶解し、さらに精製水を加え、全量を4410gとして、水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を調製した。氷冷下のPVPK30−塩酸水溶液を分散機(クレアミックスW-モーション、エム・テクニック(株)製)でローターを約6000rpm、スクリーンを約4100rpmの速度で撹拌しながら、50−55℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を、PVPK30−塩酸水溶液中に徐々に添加し、レバミピド結晶を析出させた。水酸化ナトリウム-レバミピド溶液を全て添加した後、30分間撹拌した。溶液を脱泡後、5N水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを約6.0に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を、クレアミックスWモーション(エム・テクニック(株)製)を用いて、ローターを約18100rpm、スクリーンを約16000rpmで180分間、分散を行った。この溶液を透析装置(ペリコン2ミニ、日本ミリポア(株)製)で濃縮脱塩を行い、ろ過フィルター(Acropak500 capsule 0.8/0.45μm、PALL社製)でろ過を行った。
濃脱縮塩、ろ過を行ったサンプルのレバミピド濃度を測定したところ5.10w/v%であった。この溶液792.16gに、ポリビニルピロリドンK90(PVPK90)(BASF社製)10g、プルラン((株)林原製)20g、D−ソルビトール(和光純薬工業(株)製)38g、ステビア(ステビロンC、守田化学工業(株)製)0.7g、パラオキシ安息香酸メチル(和光純薬工業(株)製)1.30g、パラオキシ安息香酸エチル(和光純薬工業(株)製)0.55g、ストロベリーフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)0.8gを加えた。添加した添加剤を溶解後、水酸化ナトリウムでpHを6.2に調整した後、精製水を加えて全量1000mLにした。
回転粘度計(RC-100A、東機産業(株)製)で測定した粘度は、37.4mPa・sであった。レーザー回折粒度分布測定装置(SALD-3000J、(株)島津製作所製)を用いて、レバミピド懸濁液を水中に分散させて測定した平均粒子径は0.23μmであった(超音波非照射、屈折率1.70−0.20i)。
X線照射による舌炎を以下のように惹起した。即ち、通常飼育したラットをペントバルビタールナトリウム溶液を腹腔内投与し、麻酔した。口吻部のみ照射するために、ラットを鉛板(厚さ0.5 mm)で二重に被覆することで遮へいし、露出した口吻部に15Gyの線量にて照射した。X線照射後、ラットを飼育ケージに戻し、自然覚醒させた。
X線照射日を開始日(Day0)とした。
試験開始日の8日前に、体重に基づき、層別無作為抽出法を用いて群分けを行った。試験開始日の7日前から、実施例7の方法に準じて(但し、製造スケールおよび、パラオキシ安息香酸メチルとパラオキシ安息香酸エチルの濃度は異なり、それぞれ0.13%と0.055%)製造した1%レバミピド懸濁液、実施例5の方法に準じて(但し、製造スケールおよび、パラオキシ安息香酸メチルとパラオキシ安息香酸エチルの濃度は異なり、それぞれ0.13%と0.055%)製造した2%レバミピド懸濁液、実施例8の4%レバミピド懸濁液、及びその溶媒(実施例からレバミピドを除いた溶媒)を、0.5mL/kgの用量で口腔内に14日間(Day6まで)、1日6回、ラットに投与した。
X線照射をDay0とし、Day7における舌炎傷害面積を測定した。レバミピド懸濁液投与群における舌炎傷害面積は、溶媒投与群と比較して用量依存的に縮小した。溶媒投与群と比較して、レバミピド懸濁液投与群における舌炎傷害面積は、1%より有意な縮小が認められ(n=12、p<0.05、Williams検定)、2%、4%においても有意な縮小が認められた(n=10〜11、p<0.01、Williams検定)。溶媒投与群の傷害面積に対するレバミピド懸濁液の潰瘍面積の減少率は1%、2%及び4%レバミピド懸濁液投与群で順に、23.8%、49.3%及び58.0%であった。
Claims (27)
- 平均粒子径500nm未満のレバミピドを有効成分として10mg/mL〜50mg/mL含有し、少なくとも1種の分散剤を含有し、かつ少なくとも1種の粘度増強剤を含有し、
薬液粘度が10mPa・s〜500mPa・sの範囲内にある、
口腔粘膜障害の予防および/又は治療に用いる医薬組成物。 - レバミピドの平均粒子径が300nm未満であり、その含有量が20mg/mL〜40mg/mLであり、薬液粘度が20mPa・s〜300mPa・sの範囲内にある請求項1の医薬組成物。
- 分散剤に、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種が含まれる、請求項1または2の医薬組成物。
- 分散剤にポリビニルピロリドンが含まれる請求項3に記載の医薬組成物。
- 分散剤にポリビニルピロリドンK25および/又はポリビニルピロリドンK30が含まれる請求項4に記載の医薬組成物。
- 粘度増強剤がポリビニルピロリドンK90を含む請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
- 粘度増強剤にプルランが含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
- 粘度増強剤にポリビニルピロリドンK90とプルランが含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
- 粘度増強剤としてポリビニルピロリドンK90を5mg/mL〜30mg/mL含有し、プルランを10mg/mL〜30mg/mL含有する請求項8に記載の医薬組成物。
- 粘度増強剤がレバミピド粒子に対して凝集作用を有さないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかの医薬組成物。
- レバミピドの平均粒子径が200nm未満である請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
- レバミピドの形状が、長径1000nm未満、短径60nm未満で、長径と短径の比が3を超える均質な針状結晶である請求項1〜11のいずれかに記載の医薬組成物。
- さらに、保存剤(防腐剤)としてパラオキシ安息香酸類を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
- さらに、等張化剤、甘味剤、香料を含有する請求項1〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
- 甘味剤としてステビアを配合する請求項14に記載の医薬組成物。
- 水性懸濁液の形態である請求項1〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
- 少なくとも1種の分散剤、酸水溶液、水溶性レバミピド塩含有水溶液、および他の成分もしくは溶媒が加えられている場合はこれらも合わせて混和して平均粒子径500nm未満のレバミピドの水性懸濁溶液を得て、これに塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7に調整して得られるレバミピドの水性懸濁溶液に粘度増強剤を加え、更に保存剤(防腐剤)、等張化剤、甘味剤、および/又は香料を加えてまたは加えずに得られる請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法。
- 該医薬組成物を口腔内に含ませることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
- 該医薬組成物3mL〜20mLを口腔内に含ませた後、内服しまたは内服しないことを特徴とする口腔粘膜障害および/又は咽頭粘膜障害の予防および/又は治療するための請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
- 粘膜障害が放射線治療に伴う請求項18または19に記載の医薬組成物。
- 粘膜障害が放射線治療及び化学療法に伴う請求項18または19に記載の医薬組成物。
- 口腔内に含ませる医薬組成物の量が5mL〜10mLである、請求項20に記載の医薬組成物。
- 口腔内に含ませた後、内服しまたは内服しないことを1日2〜6回繰り返すことを特徴とする請求項19〜22のいずれかに記載の医薬組成物。
- 口腔内に含ませた後、内服しまたは内服しないことを1日4〜6回繰り返すことを特徴とする請求項23に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物を含有し、該医薬組成物を口腔内に含ませることを特徴とする口腔内乾燥症および/又は唾液分泌低下の予防又は治療するための医薬組成物。
- 該医薬組成物を口腔内に含ませた後、内服しまたは内服せず、1日あたり服用するレバミピドの量が400mg〜2400mgである、請求項20に記載の医薬組成物。
- 該医薬組成物を口腔内に含ませた後、内服しまたは内服しないことを1日4回〜6回繰り返し、放射線治療に伴う口腔粘膜障害・咽頭粘膜障害が、頭頸部癌における放射線治療に伴う口腔粘膜障害・咽頭粘膜障害である請求項26に記載の医薬組成物。
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