JP5839681B2 - 生薬抽出物を含む液体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、生薬抽出物を含む液体組成物、及び神経症状を軽減、治療又は予防するために使用することができる生薬含有液体製剤に関する。
神経症状の改善作用を有する漢方処方には抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、抑肝散加芍薬黄連などがあり、通常、煎じる必要のない乾燥抽出物の顆粒剤や錠剤として服用されることが多い。これらの漢方処方は、体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラするものなどの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症などに効果があることが既に知られている(非特許文献1)。
近年、ストレスによるうつ病や不眠症の増加に加え、高齢化に伴う認知症の増加が問題となっている。最近の研究により、前述のような漢方処方には認知症に伴う様々な精神症状、特に妄想、幻覚、介護への抵抗などに非常に効果的であることが報告されており、特効薬のない認知症の治療薬としても高い注目を浴びている(非特許文献2)。
神経症状の改善作用を有する漢方処方に用いられる生薬には、オウレン(黄連)、カンゾウ(甘草)、サイコ(柴胡)、シャクヤク(芍薬)、センキュウ(川キュウ)、ソウジュツ(蒼朮)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、ハンゲ(半夏)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)などが含まれる。これら生薬のいくつかは独特の苦みやえぐみがあり、液剤中に微量に配合した場合であっても強い苦味を呈し、漢方処方が飲料に適さない原因となっている。この課題を克服するために、例えば特許文献1は生薬粉末の粒子径を調節することにより呈味改善を実現している。
また、生薬を含む液体組成物において、経時的に生じる沈殿や濁りを抑制して安定性を確保するために、特許文献2ではポリオキシエチレンやポリオキシプロピレングリコール等の界面活性剤を使用し、pH2.2〜3.8に調製することが記載されているが、界面活性剤が人体に及ぼす影響が懸念されることに加え、低pHでは服用感が損なわれる問題がある。
今日の治療薬2008,水島裕編集,南江堂,2008 Iwasaki et al., J Clin Psychiatry 66, 248-252, 2005
特開2009−247283 特開2000−38345 特公平7−100013
神経症状の改善作用を有する漢方処方の主な剤形は、乾燥抽出物の顆粒剤や錠剤であり、液剤の使用は多くないが、漢方処方に関する前述のような効能から、外出先や会議前、就寝前などに水無しで服用でき、お年寄りも服用しやすい液剤が必要とされているのも事実である。液剤が多く用いられない理由として、神経症状の改善作用を有する漢方処方が有する独特の苦みが飲料の服用感を損なうことなどが挙げられる。さらに、漢方処方の液剤は安全性及び有効性の面から液の濁りや成分の沈殿を防止することが望まれる。
本発明は、飲料に望ましい服用感を有し、かつ、保存時の品質が安定化された生薬含有液体組成物と、神経症状を軽減、治療又は予防するために使用することができる生薬含有液体製剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、経時的安定性に優れた生薬含有液体組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、試行錯誤の結果、矯味剤としてたとえばエリスリトール、ステビア抽出精製物、粘稠剤としてデキストリンを用いることに着目し、本発明を完成した。また、本発明者等は、pH調節剤とデキストリン配合が濁度上昇を抑制することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも一種の生薬抽出物、エリスリトール、ステビア抽出精製物、デキストリン及びpH調節剤を含み、pHが4.9〜6.0である液体組成物を提供する。
さらに本発明は、少なくとも一種の生薬抽出物、デキストリン及びpH調節剤を含み、pHが4.9〜6.0である液体組成物を提供する。
本発明により、飲料に適し、経時的な沈殿や懸濁が抑制された長期間安定な生薬液体組成物、及び神経症状を軽減、治療又は予防するために使用することができる生薬含有液体製剤が提供される。
生薬液体組成物のpHと製造時の濁度との関係を示す。全容量90mlの水溶液に対して、(A)は抑肝散エキス 6gのみ、(B)は抑肝散エキス 6g+エリスリトール 8g+デキストリン 5g、(C)は抑肝散エキス 6g+エリスリトール 8g+ステビア抽出精製物 5mg+デキストリン 5g+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mgを含有するサンプルであり、いずれもクエン酸、クエン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムにてpH調整した。 デキストリン配合量と5℃、25℃、40℃及び50℃で1か月保存した後の生薬液体組成物の濁度との関係を示す。全容量90mlの水溶液に対して、(D)は抑肝散エキス 6gのみ、(E)は抑肝散エキス 6g+エリスリトール 8g、(F)は抑肝散エキス 6g+ステビア抽出精製物 5mg+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mg、(G)は抑肝散エキス 6g+エリスリトール 8g+ステビア抽出精製物 5mg+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mgを含有するサンプルを示す。 デキストリン配合量と5℃、25℃、40℃及び50℃で2か月保存した後の生薬液体組成物の濁度との関係を示す。全容量90mlの水溶液に対して、(D)は抑肝散エキス 6gのみ、(E)は抑肝散エキス 6g+エリスリトール 8g、(F)は抑肝散エキス 6g+ステビア抽出精製物 5mg+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mg、(G)は抑肝散エキス 6g+エリスリトール 8g+ステビア抽出精製物 5mg+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mgを含有するサンプルを示す。
1.用語の説明
本明細書中の「w/v%」は、特に規定しない限り水溶液100ml中に含まれる溶質の重量(g)の割合を示す。
本明細書中の「神経症状」とは、神経系に起因する心身の機能異常をいい、例として体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症、並びに、妄想、幻覚、介護への抵抗など認知症に伴う精神症状が含まれる。
「神経症状の改善」とは、神経症状などを軽減(緩和)、治療又は予防(再発防止)することをいう。
本明細書中の「神経症状の改善作用を有する漢方処方」とは神経症状の改善作用を有する方剤をいい、温経湯(うんけいとう)、温清飲(うんせいいん)、温胆湯(うんたんとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、加味温胆湯(かみうんたんとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)、帰脾湯(きひとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、四逆散(しぎゃくさん)、逍遥散(しょうようさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)、柴朴湯(さいぼくとう)、大柴胡湯(だいさいことう)、大柴胡湯去大黄(だいさいことうきょだいおう)、大承気湯(だいじょうきとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、定悸飲(ていきいん)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)、女神散(にょしんさん)、抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加芍薬黄連(よくかんさんかしゃくやくおうれん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などが含まれる。
例として、本明細書中の「抑肝散」は、サイコ(柴胡)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、カンゾウ(甘草)、トウキ(当帰)、センキュウ(川キュウ)、ブクリョウ(茯苓)、及びビャクジュツ(白朮)又はソウジュツ(蒼朮)といった7つの生薬の組合せからなる組成物および方剤であり、例としてサイコ1.0g〜5.0g、チョウトウコウ1.5〜3.0g、カンゾウ0.75〜1.5g、トウキ1.5〜3.0g、センキュウ1.5〜3.0g、ブクリョウ2.0〜4.0g、及びビャクジュツ2.0〜4.0g、好ましくはサイコ2.0g、チョウトウコウ3.0g、カンゾウ1.5g、トウキ3.0g、センキュウ3.0g、ブクリョウ4.0g、及びビャクジュツ4.0gの組合せからなる組成物および方剤である。本明細書中の抑肝散は、例えば松浦薬業株式会社より抑肝散料エキスとして入手可能である。本抑肝散エキス6重量部は抑肝散乾燥物換算量にして20.5重量部に相当する。
本明細書中の「抑肝散加芍薬黄連」は、サイコ(柴胡)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、カンゾウ(甘草)、トウキ(当帰)、センキュウ(川キュウ)、ブクリョウ(茯苓)、ビャクジュツ(白朮)又はソウジュツ(蒼朮)、シャクヤク(芍薬)、及びオウレン(黄連)といった9つの生薬の組合せからなる組成物および方剤である。
本明細書中の「抑肝散加陳皮半夏」は、サイコ(柴胡)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、カンゾウ(甘草)、トウキ(当帰)、センキュウ(川キュウ)、ブクリョウ(茯苓)、ビャクジュツ(白朮)又はソウジュツ(蒼朮)、ハンゲ(半夏)、及びチンピ(陳皮)といった9つの生薬の組合せからなる組成物および方剤である。
本明細書中の「生薬」とは、植物、動物、鉱物などの天然産物の全部又は一部をそのまま又は利用しやすい形に加工し、薬用に供されるものをいい、好ましくは日本薬局方に定められるものを指すが、これに限定されず、日本薬局方外生薬規格に定められるもの、中葯大辞典に収載されているものなど、任意のものを含む。本明細書中の「生薬」としては、上記生薬の一又は複数から公知の方法によって抽出された生薬抽出物および生薬エキスが挙げられる。
また、本発明の「生薬」は、好ましくは前記の神経症状の改善作用を有する漢方処方に用いられる生薬であり、オウレン(黄連)、カンゾウ(甘草)、サイコ(柴胡)、シャクヤク(芍薬)、センキュウ(川キュウ)、ソウジュツ(蒼朮)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、ハンゲ(半夏)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)などが含まれる。
本発明の「漢方処方」ないしは「生薬抽出物」は、一又は複数の混合生薬からの抽出物、あるいは一又は複数の生薬の抽出物の混合物を指す。
本発明の漢方処方ないしは生薬抽出物は、サイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ、及びビャクジュツからなる群から選択される少なくとも一種、好ましくはサイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ、及びビャクジュツを含む。
本明細書中の「抽出物」は天然産物を公知の適切な方法によって加工して得られたものを指す。この用語には、例えば、植物、動物、菌類及び鉱物などの天然産物を粉砕、加熱、蒸留、発酵及び精製を含む公知の適切な方法によって加工して得られる成分(チンキ、流エキス、軟エキス、乾燥エキスなどの液体成分及び固形成分)が含まれる。抽出物の調製法は特に限定されないが、好ましい方法としては、天然産物を適度に切断又は粉砕したものを、単独又は二種以上混合したものを種々の適当な溶媒を用い、室温〜加温下で抽出する方法が挙げられ、これに用いられる抽出溶媒としては、水、メチルアルコール及びエチルアルコールなどの低級アルコール(含水も含む)、グリセリン、プロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコール、酢酸エチルなどの低級アルキルエステル、ベンゼン及びヘキサンなどの炭化水素、ジエチルエーテルなどのエーテル類などが例示され、その一種又は二種以上を用いることができる。これらのうち、生薬の抽出物の精製には、水又は水溶性溶媒、特に水、エチルアルコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコールの一種又は二種以上の混合溶媒を用いることが好ましい。また抽出条件としては、天然産物に対し上述の抽出溶媒を約2〜150倍量、好ましくは5〜30倍量加え、室温又は加温して数時間から数日間、特に室温ならば1日以上、加温ならば1時間以上適度に撹拌しながら抽出するのが好ましい。なお、溶媒の投入方法、抽出時間、抽出温度などは、抽出する天然産物に合わせて適宜設定される。
以上のような条件で得られる天然産物抽出物は、抽出された溶液のまま本発明に用いられてよいが、この抽出液を濃縮、濾過等の処理を施したものを適宜使い分けて用いることもできる。また、生薬の抽出物の場合、安定性を増すために、必要に応じて防腐剤やpH調節剤などを適量加えてよい。
また、生薬の抽出は前述の方法に限定されることなく、それぞれの生薬に適した抽出法で行うことができる。抽出法の例としては、パーコレーション法、循環抽出法、超臨界抽出法などが挙げられる。また、抽出物を一度濃縮して特定の溶媒に溶解したものや液体クロマトグラフィ法などにより適当なカラムで分離して溶出させたものも使用することができる。
本明細書中の「矯味剤」は、主に特定の物質を経口摂取する際に知覚される味の悪さを緩和することにより物質の摂取を支援する物質を指し、白糖、黒糖、蜂蜜などの天然甘味料、エリスリトール、トレハロース、ソルビトール、甘草抽出物、ステビア抽出精製物、羅漢果抽出物などの天然ないし人工甘味料、及びサッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどの合成甘味料を含む甘味料、クエン酸、リンゴ酸又は酒石酸のような酸味料、及びメントール、レモン又はオレンジ香料などの香料などが含まれる。本発明のエリスリトールは、例えば物産フードサイエンス株式会社よりエリスリトール50Mとして入手可能である。
本明細書中の「ステビア抽出精製物」は、キク科ステビアの葉から任意の方法によって抽出して得られたものを指し、ステビア甘味料、ステビオサイド、レバウディオサイド、ステビアエキスとも称される。本発明のステビア抽出精製物は、例えば丸善製薬株式会社よりステビMZとして入手可能である。
本明細書中の「デキストリン」は、数個のα-グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称である。この用語には、デンプンが加水分解して得られた多糖類が包含される。本発明におけるデキストリンの重合度は特に限定されない。デキストリンは主に環状のデキストリン(シクロデキストリン(CD))と非環状のデキストリンとに大別されるが、本発明に用いられるデキストリンは何れであってもよい。本発明のデキストリンは、例えば松谷化学工業株式会社よりパインデックス#1として入手可能である。
本明細書中の「pH調節剤」は、液体組成物のpH値を適切な範囲に調整するために使用され、液剤における沈殿や濁りといった組成物の変質や変色を防いで品質を安定させる性質を有してもよい。本明細書中の「pH調節剤」には、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸などが含まれ、特に、クエン酸、クエン酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムが好ましい。
本明細書中の「濁度」は、水の濁りの度合いを表す単位であり、精製水1L中に標準物質であるカオリンを1mg含む場合と同程度の濁りを濁度1ppm=1度(又は1mg/L)とした。濁度の測定はSEP−PT−501D(株式会社三菱化学アナリテック社製)を用いて、JIS K 0101に定められる積分球式光電光度法により実施してよい。通常、10ppm以上の水溶液は濁りが観察される。液体組成物が澄明に近いほど組成物の状態が良好であると判断し、組成物の濁度が高いほど組成物の状態が不良であると判断する。
また、本明細書において「〜」を用いて数値範囲を表す場合、別段明記されない限り、その上限と下限を含むものとする。例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。また、「を含有する」又は「を含む」には、「から実質的になる」及び「からなる」が含まれるものとする。
2.実施形態の説明
以下の実施形態において記載される組成物及び方法は、本願発明を限定するものではなく、例示することを意図して開示するものである。本願発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載により定められるものであり、当業者は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲において種々の設計的変更が可能である。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究に取り組んだ結果、飲料と長期保存に適する液体組成物を見出した。本発明に係る組成物は、水無しで服用できるため利便性が高く、服用感に優れ、経時的な安定性に富む。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明のある実施形態は、少なくとも一種の生薬と、デキストリンと、pH調節剤とを含んでなる液体組成物である。この液体組成物は、成分の沈殿を防止するために通常添加される可溶化剤や安定化剤を用いず、pH調節剤とデキストリンを用いることにより、経時的な安定性に優れ、長期保存に適する効果を奏する。
本発明のある実施形態は、サイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ、及びビャクジュツからなる群から選択される少なくとも一種の生薬と、矯味剤と、デキストリンと、pH調節剤とを含んでなる液体組成物である。この液体組成物は、生薬特有の苦味が抑制され、服用感が改善されており、飲料に適するという効果を有する。また、この液体組成物は、成分の沈殿を防止するために通常添加される可溶化剤や安定化剤を用いず、pH調節剤とデキストリンを用いることにより、経時的な安定性に優れ、長期保存に適する効果を奏する。
本発明のある実施形態は、サイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ、及びビャクジュツからなる群から選択される少なくとも一種の生薬と、エリスリトールと、ステビア抽出精製物と、デキストリンと、pH調節剤とを含んでなる液体組成物である。この液体組成物は、生薬特有の苦味が抑制され、服用感が改善されており、飲料に適するという効果を有する。また、この液体組成物は、成分の沈殿を防止するために通常添加される可溶化剤や安定化剤を用いず、pH調節剤とデキストリンを用いることにより、経時的な安定性に優れ、長期保存に適する効果を奏する。
本発明のある実施形態は、神経症状の改善作用を有する生薬、好ましくはサイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ及びビャクジュツからなる生薬と、エリスリトールと、ステビア抽出精製物と、デキストリンと、pH調節剤とを含んでなる液体製剤である。この液体製剤は、前記生薬特有の苦味が抑制され、服用感が改善されているだけでなく、経時的な安定性に優れ、長期保存に適する効果を奏する。また、この液体製剤は、神経症状、例えば不眠、神経のたかぶり、神経症などの症状の改善を目的とし、就寝前、外出先や会議前での服用、並びに、認知症に伴う様々な精神症状の抑制を目的としたお年寄りへの服用に際し、嚥下困難な者にも適するという利便性を有する。
本発明のある実施形態は、神経症状の改善作用を有する漢方処方と、エリスリトールと、ステビア抽出精製物と、デキストリンと、pH調節剤とを含んでなる、神経症状改善のための生薬液体製剤である。この液体製剤は、前記生薬特有の苦味が抑制され、服用感が改善されているだけでなく、経時的な安定性に優れ、長期保存に適する効果を奏する。また、この液体製剤は、神経症状、例えば不眠、神経のたかぶり、神経症などの症状の改善を目的とし、就寝前、外出先や会議前での服用、並びに、認知症に伴う様々な精神症状の抑制を目的としたお年寄りへの服用に際し、嚥下困難の者にも適するという利便性を有する。
本発明の更なる実施形態では、神経症状の改善作用を有する漢方処方は、サイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ、ビャクジュツ、シャクヤク、オウレン、ハンゲ及びチンピからなる群から選択される生薬を含む漢方処方、好ましくはサイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ及びビャクジュツからなる群から選択される生薬を含む漢方処方、より好ましくはサイコ、チョウトウコウ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、ブクリョウ及びビャクジュツを含む漢方処方、最も好ましくは抑肝散である。
ある実施形態では、本発明の前記液体組成物のpHは、4.3〜6.4、4.4〜6.3、4.5〜6.2、4.6〜6.1、4.7〜6.0、4.8〜5.9、4.9〜5.8、5.0〜5.7、5.1〜5.7、5.2〜5.7、5.3〜5.7、5.4〜5.7、5.5〜5.7、5.6〜5.7、5.1〜6.0、又は5.3〜5.9、好ましくは5.4〜5.8、最も好ましくは5.5〜5.7である。
ある実施形態では、本発明の液体組成物は、内服液全量に対してエリスリトールを4〜14w/v%、好ましくは6〜9w/v%含有する。
ある実施形態では、本発明の液体組成物は、内服液全量に対してステビア抽出精製物を0〜0.017w/v%、好ましくは0.005〜0.017w/v%、好ましくは0.005〜0.012w/v%含有する。
ある実施形態では、本発明の液体組成物は、内服液全量に対してデキストリンを1w/v%以上、好ましくは1〜12w/v%、好ましくは3〜12w/v%、好ましくは3〜10w/v%、好ましくは3〜6w/v%含有する。
本発明の液体組成物に含まれる、生薬抽出物、エリスリトール、ステビア抽出精製物、デキストリン、pH調節剤の含有量については特に制限はないが、好適な配合量の例を割合として以下に挙げる。
本発明のある実施形態は、生薬抽出物、エリスリトール、ステビア抽出精製物及びデキストリンを含有してなる液体組成物であって、pHが4.9〜6.0である液体組成物である。
本発明のある実施形態は、内服液全量に対してそれぞれ生薬抽出物を6〜10w/v%、エリスリトールを6〜9w/v%の濃度で含有し、さらにステビア抽出精製物及びデキストリンを含んでなる液体組成物であって、pHが4.9〜6.0である液体組成物である。
本発明のある実施形態は、内服液全量に対してそれぞれ生薬抽出物を6〜10w/v%、エリスリトールを6〜9w/v%、デキストリンを3〜6w/v%で含有し、さらにステビア抽出精製物を含んでなる液体組成物であって、pHが4.9〜6.0である液体組成物である。
本発明のある実施形態は、内服液全量に対してそれぞれ生薬抽出物を6〜10w/v%、ステビア抽出精製物を0.005〜0.012w/v%の濃度で含有し、さらにエリスリトール及びデキストリンを含んでなる液体組成物であって、pHが4.9〜6.0である液体組成物である。
本発明のある実施形態は、内服液全量に対してそれぞれ生薬抽出物を6〜10w/v%、エリスリトールを6〜9w/v%、ステビア抽出精製物を0.005〜0.012w/v%の濃度で含有し、さらにデキストリンを含んでなる液体組成物であって、pHが4.9〜6.0である液体組成物である。
本発明のある実施形態は、内服液全量対してそれぞれ生薬抽出物を6〜10w/v%、エリスリトールを6〜9w/v%、ステビア抽出精製物を0.005〜0.012w/v%及びデキストリンを3〜6w/v%の濃度で含有してなる液体組成物であって、pHが4.9〜6.0である液体組成物である。
生薬を配合する液体組成物の1回服用量は通常10mlから100mlである。
本発明の好適な実施形態は、内服液全量を90mlとした場合に、生薬抽出物を6g、エリスリトールを6〜8g、ステビア抽出精製物を5〜10mg及びデキストリンを3〜5gの濃度で含有してなる液体組成物であって、pHが5.4〜5.8である液体組成物である。
本発明の好適な実施形態は、内服液全量を90mlとした場合に、生薬抽出物を6g、エリスリトールを8g、ステビア抽出精製物を5mg、デキストリンを5g、クエン酸を50mg、クエン酸ナトリウムを50mg及び炭酸水素ナトリウムを100mgの濃度で含有してなる液体組成物であって、pHが5.4〜5.8である液体組成物である。
本発明の組成物は、食品や薬剤等の製造・加工・保存に際して通常使用されるもの、例えば、賦形剤、増量剤、増粘剤、結合剤、滑沢剤、安定化剤、着色剤、乳化剤、可溶化剤、着色料、香味料、調味料、香辛料、甘味料、保存料、香料などがさらに含有されていてよい。
本発明のある実施形態は、デキストリンを配合することにより経時的な濁りや沈殿を抑制するという特徴を有し、生薬成分の沈殿を防止するために通常用いられる可溶化剤や安定化剤を添加することを必要としないため、添加物が人体に及ぼす影響を防ぐという効果を有する。また、可溶化剤や安定化剤を添加することなく、デキストリンを適量配合することにより、経時的な安定性に優れ、長期保存に適する液体組成物が得られる。
本発明の液体組成物において、pH調節剤は、本発明に係る液体組成物のpHが4.3〜6.2、4.5〜6.0、4.8〜6.0、4.9〜5.8、5.1〜6.0又は5.3〜5.9、好ましくは5.4〜5.8、最も好ましくは5.5〜5.7となるように配合される。
本発明の液体組成物は、pH調節剤を配合することによりpHを調節する工程と、生薬組成物を含む溶液を濾過する工程とを含む製造方法によって製造されてよい。また、当分野で公知であり、当業者によって通常用いられる様々な方法によっても製造されうる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらはそれぞれ一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において言及する試薬は、特に示さない限りは製造者の使用説明もしくは定法に従い使用した。
実施例1 生薬液体組成物の呈味試験
生薬液体組成物が有する苦味を抑制する配合量を探索するため、以下の呈味実験を行った。生薬組成物の漢方処方として抑肝散料エキス(松浦薬業株式会社)を、エリスリトールとしてエリスリトール50M(物産フードサイエンス株式会社)を用いた。全容量90mlに対して抑肝散料エキスを6gの割合で含有する水溶液に以下の矯味剤を配合し、5名のパネラーによる評価を行った。矯味剤の配合量は白糖を基準として他の矯味剤が同甘味度となるように調整した。それぞれの組成物の服用感を◎、○、△、×で評価し、それぞれの評価を得点化(◎:4、○:3、△:2、×:1)して平均を求めた。
表1 矯味剤の呈味評価
Figure 0005839681
以上の結果より、エリスリトールの抑肝散の苦味抑制効果は白糖よりも優れていることが示された。また、エリスリトールと同様に苦味マスキング効果があることが知られているトレハロースは抑肝散の苦味を強調するため、期待できる効果は得られなかった。したがって、抑肝散の苦味のマスキングにエリスリトールが有効であることが示された。
また、エリスリトールは白糖に比べてコク味が少ないため、増粘効果のあるデキストリンをこれに併用することにより人間が自然な甘さと感じる白糖に近付けることが可能であるか検討した。ここで、デキストリンとしてパインデックス#1(松谷化学工業株式会社)を用いた。
エリスリトール50Mを8g配合したサンプルと、エリスリトール50Mを8gとパインデックス#1を5g配合したサンプルを評価した結果、得点はそれぞれ3.3と3.4とほとんど差がなかったが、パインデックス#1の配合により薄いという評価が改善された。従って、エリスリトールとデキストリンの併用が抑肝散の苦味を和らげ、服用感を改善することが示された。
一方、エリスリトールのマスキング効果は短時間であり、服用後に苦味が残ることが新たな課題となった。そこで、全容量90mlに対して抑肝散料エキスを6g、エリスリトール50Mを8g、パインデックス#1を5gの割合で含有する水溶液に以下の矯味剤を配合し、前記と同様の評価および得点化を行った。ここで、ステビア抽出精製物としてステビMZ(丸善製薬株式会社)を用いた。
表2 エリスリトール50Mと併用した矯味剤の呈味評価
Figure 0005839681
以上の結果より、カラメル、グリチルリチン酸二カリウムよりもステビMZが後残りする苦味を改善することが示された。
まとめると、抑肝散の苦味を抑制するためには、エリスリトール、デキストリン及びステビア抽出精製物の組合せが最も効果的であることが示された。
実施例2 エリスリトール及びステビア抽出精製物の配合比研究1
エリスリトールとステビア抽出精製物に関して、その配合量が本液剤の苦味抑制と服用感に大きな影響を与えることが明らかとなったため、エリスリトールとステビア抽出精製物の配合比と配合量を変化させたサンプルを用いて17名のパネラーによる評価を行った。
〔手順〕
1. 全容量90mlに対して抑肝散料エキスを6g、パインデックス#1を5g、L−アスパラギン酸ナトリウムを30mg、クエン酸を50mg、クエン酸ナトリウムを50mg、炭酸水素ナトリウムを100mg、パラオキシ安息香酸エチルを4.5mg、パラオキシ安息香酸ブチルを4.5mgの濃度でそれぞれ含有する水溶液に対して、(a)エリスリトール50M 0g+ステビMZ 0mgのサンプル、(b)エリスリトール50M 8g+ステビMZ 0mgのサンプル、(c)エリスリトール50M 8g+ステビMZ 15mgのサンプル、(d)エリスリトール50M 0g+ステビMZ 15mgのサンプルをすべて評価する。
2. a、b、c、dの中から好ましいと感じたサンプルを選択し、そこを中心としてエリスリトール50M(0g、2g、4g、6g、8g)・ステビMZ(0mg、5mg、10mg、15mg)各量配合のサンプルの中から任意に選び出して評価する。
3. 最も好ましいサンプルから順番に3番目まで順位を決定する。1位=3点、2位=2点、3位=1点として点数をつけ、それぞれのサンプルについて得られた評価を加算して、適切なエリスリトール50MとステビMZの配合量を求める。
〔結果〕
表3 エリスリトール50MとステビMZの配合の評価
Figure 0005839681
試験の結果、最高点は23点であり、10点以上を獲得したサンプルはすべてエリスリトール50Mを6gもしくは8g配合したものであった。また、エリスリトール50M 8g配合のサンプルにおいて評価が高く、さらにエリスリトール50M 8g配合サンプルに加えてステビMZ 5mg又は10mgを配合したサンプルの評価が高かった。
以上の結果より、抑肝散の苦味を抑制するためエリスリトールは6gから8gもしくはそれ以上の配合量であり、ステビア抽出精製物は0mgから15mg、好ましくは5mgから10mgの配合量が最も効果的であることが明らかとなった。
また、エリスリトールとステビア抽出精製物の組合せが特許文献3において開示されている。具体的には、特許文献3の発明に係るエリスリトールに対するステビオサイドの配合比の範囲は0.001〜0.004が好ましいことが開示され、実施例においてはエリスリトール5.4gとステビオサイド0.02g(ステビオサイド/エリスリトール=0.004)を含有する組成物が製造されている。それに対して、本願発明においてエリスリトール50M 8gに対して用いたステビMZ 5mgはステビオサイドに換算するとおよそ0.0033gであり、ステビオサイド/エリスリトール比はおよそ0.0004となる。したがって、本願発明に係る配合比は、特許文献3に示される配合比と比較して、はるかに低いステビア抽出精製物含量によって呈味改善が実現できたことを示す。
実施例3 エリスリトール及びステビア抽出精製物の配合比研究2
更に、エリスリトール50M配合量の上限値を探索するために16名のパネラーで更なる評価を行った。
〔手順〕
1. 実施例2において用いた水溶液に対し、エリスリトール50Mを0〜16g、ステビMZを0mg又は10mg配合した水溶液を作製する。
2. まず、ステビMZ無配合のサンプルから評価を行い、その後ステビMZを10mg配合したサンプルを評価する。何れの評価もエリスリトール配合量が少ないサンプルから評価を開始し、すべてのサンプルを評価する。
3. 服用感の評価として、サンプルごとに「良い」、「悪い」のいずれかに印を付け、印を付けた個所ごとに1点とし、印が二つの箇所にまたがった場合は0.5点ずつ分ける。「良い」、「悪い」それぞれの点数をパネラー全員分集計し、「良い」の点数を結果とする。
〔結果〕
試験の結果、エリスリトール50Mを8g配合したサンプルが最も服用感に優れることが示された。また、ステビMZを10mg配合したサンプルのほうがステビMZ無配合のサンプルより服用感が優れていることが示された。
以上の結果より、抑肝散の服用感を改善するためのエリスリトールの最適配合量は4gから12g、好ましくは8gであることが明らかとなった。
表4 エリスリトール50M及びステビMZの配合の評価
Figure 0005839681
実施例4 製造時の至適pHの研究
pHが液体組成物の濁度に与える影響を明らかにするために、全容量90mlの水溶液に対して、(A)抑肝散料エキス 6gのみ、(B)抑肝散料エキス 6g+エリスリトール50M 8g+パインデックス#1 5g、(C)抑肝散料エキス 6g+エリスリトール50M 8g+ステビMZ 5mg+パインデックス#1 5g+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mgを含有する各サンプルに対して、pH調節剤としてクエン酸、クエン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを用いてpHの異なるサンプルを調製し、調製した翌日に各サンプルのpHと濁度を測定した。また、いずれのサンプルにも防腐剤としてパラオキシ安息香酸エチル 4.5mgとパラオキシ安息香酸ブチル 4.5mgを添加した。
結果を図1に示す。いずれのサンプルにおいてもpH4.5〜6.0付近では低い濁度(<5ppm)を示した。この結果から、調製時の濁度上昇を防止するためにはpHを4.5〜6.0付近に調整することが効果的であることが明らかとなった。
実施例5 生薬液体組成物の経時的安定性に対する糖類の効果
生薬液体組成物の経時的安定性に対する糖類の濁度抑制効果を調べるために、全容量90mlの水溶液に対して、(D)抑肝散料エキス 6gのみ、(E)抑肝散料エキス 6g+エリスリトール50M 8g、(F)抑肝散料エキス 6g+ステビMZ 5mg+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mg、(G)抑肝散料エキス 6g+エリスリトール50M 8g+ステビMZ 5mg+L−アスパラギン酸ナトリウム 30mgを含有する各サンプルに対して、パインデックス#1配合量を0〜5gに変化させたサンプルを調製し、5℃、25℃、40℃、50℃に1か月及び2か月保存したときの各サンプルの濁度を測定した。いずれのサンプルにもpH調節剤としてクエン酸 50mg、クエン酸ナトリウム 50mg及び炭酸水素ナトリウム 100mgと、防腐剤としてパラオキシ安息香酸エチル 4.5mgとパラオキシ安息香酸ブチル 4.5mgを添加した。
1か月後の濁度測定結果を図2に、2か月後の濁度測定結果を図3に示す。
1か月後の測定結果(図2)では、パインデックス#1の異なる配合量に対して、5℃保存では、(E)と(G)が同様の濁度変化を示した。特に(D)にパインデックス#1を1g配合したサンプルの濁度が最も高い値(9.8ppm)を示した。いずれのサンプルもパインデックス#1を3g以上配合したものは濁度が5ppm以下を示した。25℃保存では、いずれのサンプルも低い濁度(≦2.3ppm)を示した。40℃保存では、(D)と(F)が同様の濁度変化を示し、(E)と(G)が同様の濁度変化を示した。パインデックス♯1を配合しない場合、いずれのサンプルも高い濁度(>10ppm)を示した。また、(F)にパインデックス#1を0.1g配合したサンプルの濁度が最も高い値(16.8ppm)を示した。しかし、パインデックス#1を0.5g以上配合した場合、いずれのサンプルも濁度が5ppm以下を示した。50℃保存においても、(D)と(F)が同様の濁度変化を示し、(E)と(G)が同様の濁度変化を示した。また、パインデックス#1無配合及び0.1g配合したサンプルはいずれも高い濁度を示したが、パインデックス#1を0.5g以上配合したサンプルはいずれも5ppm以下の濁度を示した。
2か月後の測定結果(図3)では、25℃、40℃及び50℃保存結果について1か月後の測定結果と同様な濁度変化が示された。しかしながら、5℃保存結果において、パインデックス#1を5g配合したサンプルにおいて著しい濁度上昇抑制効果が示された。
以上の結果から、生薬液体組成物にデキストリンを1g以上、好ましくは5g配合することにより、濁度上昇の抑制効果が得られ服用感を改善することが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 抑肝散と、デキストリンと、pH調節剤と、エリスリトールと、ステビア抽出精製物と、を含有してなり、pHが4.9〜6.0である液体組成物。
  2. 前記pHが5.1〜6.0である、請求項1に記載の液体組成物。
  3. 前記pHが5.3〜5.9である、請求項1に記載の液体組成物。
  4. 神経症状を改善するための、請求項1からの何れか一に記載の液体組成物。
  5. 前記エリスリトールが内服液全量に対して6〜9w/v%配合されている、請求項1からの何れか一に記載の液体組成物。
  6. 前記ステビア抽出精製物が内服液全量に対して0.005〜0.012w/v%配合されている、請求項1からの何れか一に記載の液体組成物。
  7. 前記デキストリンが内服液全量に対して3〜6w/v%配合されている、請求項1からの何れか一に記載の液体組成物。
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