JP5838884B2 - 車両用変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機と有段変速機とを備えた車両用変速装置に関する。
従来、この種の無段と有段の2種類の変速機を備えた車両用変速装置が知られている。例えば、この車両用変速装置としては、入力軸にエンジントルクが入力されるベルト式の無段変速機と、この無段変速機の出力軸と駆動輪との間に介在させた高低2段の有段変速機と、を備えるものが下記の特許文献1に記載されている。この特許文献1の有段変速機は、ラビニヨ型の遊星歯車機構と、変速段の切り替えの際に遊星歯車機構の各回転要素の連係状態を変える複数の摩擦締結要素と、を備える。
特開2011−21721号公報
ところで、この種の車両用変速装置においては、スルー変速比(無段変速機と有段変速機の夫々の変速比の乗算値)を一定の大きさに保ったまま無段変速機と有段変速機を共に変速させることがある。その協調変速制御の際、有段変速機は、無段変速機からの入力に対する反力を摩擦締結要素で受け持っている。ここで、上記の無段変速機と有段変速機とを比較すると、無段変速機は、有段変速機と比べて変速速度が遅く、有段変速機と同時期に変速動作を始めたとしても、この有段変速機よりも変速が完了するまでに時間がかかる。これが為、無段変速機と有段変速機の協調変速制御を行う際、有段変速機においては、無段変速機の変速期間中に摩擦締結要素を半係合状態にして滑らせている。従って、従来、有段変速機は、入力に対する反力を受け持っている協調変速制御時の摩擦締結要素の負荷を軽減する為、変速比幅(最小変速比と最大変速比との間の幅)を狭く設定している。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、有段変速機の変速比幅を広く設定可能な無段変速機と有段変速機とを備えた車両用変速装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、入力軸にエンジン側からのトルクが入力される無段変速機と、前記無段変速機の出力軸と駆動輪との間に配置され、該無段変速機の出力軸側に接続された回転要素、自らの前記駆動輪側への出力軸に接続された回転要素及びモータ/ジェネレータの回転軸側に接続された回転要素を含む相互間での相対回転が可能な少なくとも4つの回転要素を有する差動機構を備えた有段変速機と、を有し、前記有段変速機は、前記差動機構の共線図上で前記無段変速機の出力軸側と前記モータ/ジェネレータの回転軸側との間に前記駆動輪側への出力軸が配置されるように、前記各回転要素を当該無段変速機の出力軸側と当該モータ/ジェネレータの回転軸側と当該駆動輪側への出力軸とに接続することを特徴としている。
ここで、前記モータ/ジェネレータと繋がる二次電池の入出力制限時には、エンジン回転数制御と前記有段変速機の変速制御とでスルー変速比の変速制御を行うことが望ましい。
また、前記有段変速機は、前記各回転要素の内の所定のものを係合対象として係合させることで前記差動機構の差動状態を変える係合制御部を備え、該係合制御部で前記差動機構の差動状態を変えることによって2つの変速段の切り替えを行うことが望ましい。
また、前記係合制御部は、ドグクラッチであることが望ましい。
本発明に係る車両用変速装置は、無段変速機と有段変速機の協調変速制御を行う際に、従来は有段変速機の摩擦締結要素を滑らせながら取っていた無段変速機からの入力に対する反力をモータ/ジェネレータで受け持つことができる。これが為、本発明に係る車両用変速装置は、その協調変速制御の際に摩擦締結要素を滑らせる必要が無いので、有段変速機の変速比幅を従来よりも広く設定することができる。従って、この車両用変速装置においては、無段変速機の変速比幅を狭く設定できるので、この無段変速機の小型化を図ることができる。また、この車両用変速装置では、滑りの生じる摩擦締結要素に替えて、滑りを生じさせる必要の無いドグクラッチを適用できるので、引き摺り損失の発生を低く抑え、燃費を向上させることができる。
図1は、本発明に係る車両用変速装置と当該車両用変速装置が搭載される車両の構成を示す図である。 図2は、実施例の有段変速機の具体的な構成の一例を示す図である。 図3は、実施例の有段変速機における断接装置の構成と動作について説明する図である。 図4は、実施例の有段変速機における断接装置の具体的な構成と動作について説明する図である。 図5は、実施例の有段変速機における断接装置の構成と動作について説明する図である。 図6は、実施例の有段変速機における断接装置の具体的な構成と動作について説明する図である。 図7は、実施例におけるクラッチ及びブレーキの状態と車両の走行モードとの対応関係について説明する図である。 図8は、実施例のエンジン走行時で且つ前進時における共線図である。 図9は、実施例のエンジン走行時で且つ後進時における共線図である。 図10は、実施例のEV走行時で且つ前進時における共線図である。 図11は、実施例のEV走行時で且つ後進時における共線図である。 図12は、実施例の停車発電時における共線図である。 図13は、スルー変速比幅とCVT変速比幅とAT変速比幅の関係について従来のものと比較した図である。 図14は、実施例の無段変速機と有段変速機の協調変速制御時における共線図である。 図15は、実施例の無段変速機と有段変速機の協調変速制御時におけるタイムチャートである。 図16は、CVT変速比幅とAT変速比幅とが同じ場合の課題について説明する図である。 図17は、CVT変速比幅とAT変速比幅のオーバーラップ領域について説明する図である。 図18は、実施例の車両用変速装置の変速制御について説明するフローチャートである。 図19は、変形例の有段変速機の具体的な構成の一例を示す図である。 図20は、変形例のエンジン走行時で且つ前進時における共線図である。
以下に、本発明に係る車両用変速装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る車両用変速装置の実施例を図1から図20に基づいて説明する。
図1の符号1は、本実施例の車両用変速装置を示す。この車両用変速装置1は、無段変速機10と有段変速機20とを備えたものであり、その有段変速機20を無段変速機10の副変速機として利用することで、無段変速機10の体格を小型化しつつもスルー変速比の範囲の拡大を図ったものである。尚、スルー変速比とは、この車両用変速装置1の全体の変速比であり、無段変速機10の変速比と有段変速機20の変速比の乗算値となる。
無段変速機10は、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ12及びプライマリプーリ11とセカンダリプーリ12との間に巻き掛けたベルト13を有し、プライマリプーリ11又はセカンダリプーリ12の内の少なくとも一方の可動シーブを固定シーブに対して移動させることで変速比を無段階に変化させるベルト式の無段変速機である。この無段変速機10は、入力軸14が歯車群(歯車51,52)、トルクコンバータ61やロックアップクラッチ62等を介してエンジンENGに接続されている。また、その歯車52とトルクコンバータ61の間には、その間のトルク伝達を可能又は不能にする断接装置(クラッチCL0)が配置されている。無段変速機10は、これらを介してエンジンENGとの間でトルク伝達を行うことができる。
ここで、そのクラッチCL0は、摩擦材を利用した摩擦締結要素として構成されたものである。従って、このクラッチCL0は、図示しないアクチュエータによって半係合状態、完全係合状態又は半係合状態に制御される。半係合状態では、滑りを発生させながら歯車52とトルクコンバータ61との間でトルク伝達を行う。完全係合状態では、滑りを発生させることなく歯車52とトルクコンバータ61との間でトルク伝達を行う。
一方、有段変速機20は、相互間での相対回転が可能な複数の回転要素を備えた差動機構を有するものであり、この差動機構の差動状態を変えることで複数の変速段の切り替えを行う。これが為、この有段変速機20には、差動機構の各回転要素の内の所定のものを係合対象として係合させることで当該差動機構の差動状態を変える係合制御部40が設けられている。以下に、この有段変速機20の具体的な構成について一例を挙げて説明する。ここでは、この有段変速機20が高低2つの変速段を有するものとして説明する。
この有段変速機20は、その入力軸21が無段変速機10の出力軸15に直接又は歯車群等の動力伝達機構などを介して接続されており、その無段変速機10との間でトルク伝達を行うことができる。また、この有段変速機20は、その出力軸22が歯車53を介して差動装置(デファレンシャルギヤ)の減速歯車54に接続されている。
この有段変速機20の差動機構は、相互間での相対回転が可能な少なくとも4つの回転要素と遊星要素とを備えた遊星機構である。つまり、この差動機構は、その4つの回転要素に対応する4本の軸からなる共線図で表すことのできるものである。より具体的に、この例示の差動機構は、遊星歯車機構を用いて構成したものであり、ラビニヨ型の遊星歯車機構、遊星歯車機構を2つ繋ぐことで4つの回転要素が構成されたもの等が考えられる。本実施例では、ラビニヨ型の遊星歯車機構を例に挙げて説明する。尚、後者の2つの遊星歯車機構を繋いだものについては、後で変形例として説明する。
そのラビニヨ型の遊星歯車機構は、図2に示す様に、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2、リングギヤR、第2サンギヤS2とリングギヤRとに噛合する複数のロングピニオンギヤPL、第1サンギヤS1とロングピニオンギヤPLとに噛合する複数のショートピニオンギヤPS並びに各ロングピニオンギヤPLと各ショートピニオンギヤPSとを自転且つ公転自在に保持するキャリアCを備える。つまり、この遊星歯車機構は、4つの回転要素として、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2、リングギヤR及びキャリアCを備えている。
ここで、この有段変速機20では、図2に示す様に、その入力軸21が2つの第1及び第2の入力軸21A,21Bで構成されている。この例示では、その第1及び第2の入力軸21A,21Bが夫々に差動機構における第1及び第2のサンギヤS1,S2に接続される。また、この第1及び第2の入力軸21A,21Bは、断接装置30を介して無段変速機10の出力軸15に連結される。
その断接装置30は、2つのクラッチCL1,CL2を構成するものであり、無段変速機10の出力軸15を第1及び第2の入力軸21A,21Bの内の何れか一方だけに連結させる。クラッチCL1は、第1入力軸21Aと出力軸15との間のトルク伝達を可能又は不能にするものである。一方、クラッチCL2は、第2入力軸21Bと出力軸15との間のトルク伝達を可能又は不能にするものである。ここで例示する夫々のクラッチCL1,CL2としては、ドグクラッチ構造のものを用いる。
この断接装置30は、第1入力軸21Aに接続された第1被係合部31、第2入力軸21Bに接続された第2被係合部32及び無段変速機10の出力軸15に接続された第3被係合部33を備える。更に、この断接装置30は、第1入力軸21Aと出力軸15とを連結させる又は第2入力軸21Bと出力軸15とを連結させる係合部材34も備える。
その係合部材34は、第1被係合部31と第3被係合部33とに同時に係合することが可能な第1係合部34aと(図3及び図4)、この第1係合部34aが第3被係合部33のみに係合している状態で第2被係合部32に係合する第2係合部34bと(図5及び図6)、を有する。つまり、この断接装置30においては、第1被係合部31と第3被係合部33と係合部材34における第1係合部34aとでクラッチCL1を構成し、第2被係合部32と第3被係合部33と係合部材34における第1及び第2の係合部34a,34bとでクラッチCL2を構成している。
この係合部材34は、図示しないアクチュエータによって軸線方向(第1及び第2の入力軸21A,21Bの軸線方向)に往復移動する。従って、この断接装置30においては、第1係合部34aが第1被係合部31と第3被係合部33とに係合するよう係合部材34を移動させることで、クラッチCL1が係合状態(クラッチCL1:ON)に制御され、且つ、クラッチCL2が解放状態(クラッチCL2:OFF)に制御され、第1入力軸21Aと出力軸15とを連結させる。この場合には、第1入力軸21Aと出力軸15との間でトルク伝達が可能になる。一方、この断接装置30では、第1係合部34aが第3被係合部33に係合し且つ第2係合部34bが第2被係合部32に係合するよう係合部材34を移動させることで、クラッチCL2が係合状態(クラッチCL2:ON)に制御され、且つ、クラッチCL1が解放状態(クラッチCL1:OFF)に制御され、第2入力軸21Bと出力軸15とを連結させる。この場合には、第2入力軸21Bと出力軸15との間でトルク伝達が可能になる。
この様に、この断接装置30では、2つのクラッチCL1,CL2において、第1及び第2の係合部34a,34bが1つの係合部材34で構成されると共に、アクチュエータが共用されており、部品点数の減少に伴う原価の低減や体格の小型化を図ることができる。
差動機構においては、キャリアCが出力軸22接続される。この差動機構においては、そのキャリアCが係合制御部40の係合対象になっている。また、この差動機構では、リングギヤRについても係合制御部40の係合対象になっている。その係合制御部40は、リングギヤRの回転を禁止させるブレーキB0と、リングギヤRとキャリアCとを一体になって回転できるよう係合させるクラッチCL3と、を構成するものである。ここで例示するブレーキB0及びクラッチCL3としては、ドグクラッチ構造のものを用いる。
この係合制御部40は、ケース等の筐体CAに固定された第1被係合部41と、リングギヤRに接続された第2被係合部42と、キャリアCに接続された第3被係合部43と、を備える。更に、この係合制御部40は、筐体CAとリングギヤRとを連結させる又はリングギヤRとキャリアCとを連結させる係合部44も備える。その係合部44は、図示しないアクチュエータによって軸線方向(第1及び第2の入力軸21A,21Bの軸線方向)に往復移動する。
この係合制御部40においては、係合部44を第1被係合部41と第2被係合部42とに係合するよう移動させることで、ブレーキB0が係合状態(ブレーキB0:ON)に制御され、且つ、クラッチCL3が解放状態(クラッチCL3:OFF)に制御され、筐体CAとリングギヤRとを連結させる。この場合には、リングギヤRの回転が禁止される。一方、係合部44を第2被係合部42と第3被係合部43とに係合するよう移動させることで、クラッチCL3が係合状態(クラッチCL3:ON)に制御され、且つ、ブレーキB0が解放状態(ブレーキB0:OFF)に制御され、リングギヤRとキャリアCとを結合させる。この場合には、リングギヤRとキャリアCとが一体になって回転できる。この有段変速機20では、ブレーキB0を係合状態に制御することで低速側の変速段に変速され、クラッチCL3を係合状態に制御することで高速側の変速段に変速される。
この様に、この係合制御部40では、ブレーキB0とクラッチCL3において係合部44とアクチュエータが共用されており、部品点数の減少に伴う原価の低減や体格の小型化を図ることができる。
ここで、この車両用変速装置1においては、有段変速機20の第1入力軸21Aにモータ/ジェネレータMGが連結されている。そのモータ/ジェネレータMGは、力行駆動時にモータ(電動機)として機能して、二次電池65から供給された電気エネルギを機械エネルギに変換し、回転軸から機械的な動力(モータトルク)を出力する。一方、回生駆動時には、ジェネレータ(発電機)として機能して、第1入力軸21AからMG回転軸に機械的な動力(モータトルク)が入力された際に機械エネルギを電気エネルギに変換し、これを電力として二次電池65に蓄えることができる。つまり、この車両は、エンジンENGに加えてモータ/ジェネレータMGも動力源として利用できるハイブリッド車両となる。この例示では、第1入力軸21Aとモータ/ジェネレータMGとが歯車群(歯車55,56)を介して連結されている(図2)。
この車両においては、停車時とEV(電気自動車)走行中の低速走行時に、クラッチCL0を解放させた状態で、スタータモータ63でエンジンENGを始動させる。そして、この場合、エンジン始動完了後には、そのクラッチCL0を完全係合させ、エンジントルクを用いて走行する。一方、EV走行中の高速走行時には、クラッチCL0を半係合させて滑らせながら駆動輪W側のトルクをエンジンENGに伝え、これによりエンジン回転数を持ち上げる。この駆動輪W側のトルクでエンジンENGの押しがけを行った場合、エンジン始動完了後には、その半係合状態のクラッチCL0を完全係合させ、エンジントルクを用いて走行する。
この車両においては、エンジン走行時で且つ前進時にクラッチCL0,CL2を係合させる。更に、この車両においては、有段変速機20が低速段(Lo)のときにブレーキB0を係合させ、高速段(Hi)のときにクラッチCL3を係合させる。この場合には、エンジントルクが無段変速機10等を介して有段変速機20のサンギヤS2に入力する。また、高速段のときには、クラッチCL3の係合によってリングギヤRとキャリアCとが結合される。図7及び図8には、この場合のクラッチCL0等の状態と車両の走行モードとの対応関係及び有段変速機20の共線図を各々示している。図7においては、「○」が係合状態を表し、「−」が解放状態を表している。
一方、エンジン走行時で且つ後進時(Rev)には、クラッチCL0,CL1とブレーキB0を係合させる。従って、この場合には、前進時とは異なり、エンジントルクが無段変速機10等を介して有段変速機20のサンギヤS1に入力するので、車両を後進させることができる。図7及び図9には、この場合のクラッチCL0等の状態と車両の走行モードとの対応関係及び有段変速機20の共線図を各々示している。
また、EV走行時で且つ前進時には、クラッチCL2を係合させる。更に、この車両においては、有段変速機20が低速段(Lo)のときにブレーキB0を係合させ、高速段(Hi)のときにクラッチCL3を係合させる。低速段のときには、負のモータトルクが負回転で有段変速機20のサンギヤS1に入力する。一方、高速段のときには、正のモータトルクが正回転で有段変速機20のサンギヤS1に入力する。この高速段のときには、クラッチCL3の係合によってリングギヤRとキャリアCとが結合される。図7及び図10には、この場合のクラッチCL0等の状態と車両の走行モードとの対応関係及び有段変速機20の共線図を各々示している。
一方、EV走行時で且つ後進時(Rev)には、クラッチCL1とブレーキB0を係合させる。これが為、この場合には、正のモータトルクが正回転で有段変速機20のサンギヤS1に入力するので、車両を後進させることができる。図7及び図11には、この場合のクラッチCL0等の状態と車両の走行モードとの対応関係及び有段変速機20の共線図を各々示している。
尚、EV走行中には、車速に応じて無段変速機10の変速比を制御し、解放状態にあるクラッチCL0の無段変速機10側の回転数(つまり歯車52の回転数)を低回転に抑えておくことが望ましい。何故ならば、その回転数が高回転になっている場合には、低速走行時のエンジン始動であれば、その回転数に合わせてエンジン始動後にエンジン回転数を上昇させ、この同期の後でクラッチCL0を係合させる必要があるので、搭乗者にエンジン始動時の吹け上がりを感じさせる可能性があるからである。また、高速走行時のエンジン始動においては、クラッチCL0のエンジンENG側と無段変速機10側とで回転差が大きいので、クラッチCL0をこのまま係合させてしまうと、クラッチCL0の耐久性を低下させ、また、クラッチCL0の係合に伴う騒音や振動を発生させてしまう可能性があるからである。一方、クラッチCL0の無段変速機10側の回転数を低く抑えておくことで、この車両においては、その様な不都合を回避できるので、エンジン始動時にクラッチCL0を滑らかに係合させ、静かにエンジンENGを始動させることができる。従って、このときの無段変速機10の変速比は、クラッチCL0の無段変速機10側の回転数が上記の不都合を生じさせない低回転となるように制御する。
更に、EV走行中には、無段変速機10の変速や後のエンジン始動を応答性良く行う為に油圧を加えておくことが望ましい。しかしながら、その油圧はエンジンENGの回転に連動するオイルポンプを用いて発生させるので、EV走行中は、その油圧を確保できない。これが為、この車両には、エンジン停止時にも油圧を発生させることができるように、エンジンENGの回転の有無に影響されない油圧発生装置を設けることが好ましい。例えば、その油圧発生装置としては、電動オイルポンプ、エンジン走行中に蓄えた油圧をエンジン停止後に供給可能な蓄圧装置、車軸や差動装置(デファレンシャルギヤ)の回転に連動して油圧を発生させるオイルポンプ等が考えられる。
また、この車両では、停車中に発電させる際、クラッチCL0,CL1を係合させる。従って、この場合には、エンジントルクが有段変速機20のサンギヤS1に入力するので、このサンギヤS1に連結されているモータ/ジェネレータMGを発電させることができる。図7及び図12には、この場合のクラッチCL0等の状態と車両の走行モードとの対応関係及び有段変速機20の共線図を各々示している。
ここで、この車両用変速装置1においては、エンジン走行時やEV走行時においてスルー変速比を無段で変速させる。従って、有段変速機20を変速させる際には、スルー変速比を一定の大きさに保つべく、無段変速機10の変速比も同時に変速させる。この車両用変速装置1では、その無段変速機10と有段変速機20の協調変速制御を終えた後、無段変速機10の変速比を変えることで、スルー変速比を無段で変速させる。
この車両用変速装置1においては、有段変速機20の第1入力軸21Aにモータ/ジェネレータMGが連結されており、無段変速機10と有段変速機20の協調変速制御を行う際に、そのモータ/ジェネレータMGで無段変速機10からの入力に対する反力を受け持ちながら有段変速機20を変速させる。従って、その有段変速機20では、その協調変速制御時における有段変速機20の変速の際にブレーキB0及びクラッチCL3並びにクラッチCL1,CL2を滑らせる必要が無く、前述した従来の様にブレーキB0等に過大な負荷が掛からないので、ブレーキB0及びクラッチCL3並びにクラッチCL1,CL2の耐久性を気にして変速比幅を狭く設定しなくともよい。つまり、本実施例の有段変速機20は、変速比幅を広く設定することができる。例えば、同じスルー変速比の変速比幅(スルー変速比幅)に設定する場合、本実施例の車両用変速装置1と従来のものとでは、図13に示す様に、本実施例の方が有段変速機20の変速比幅(AT変速比幅)を広く設定できるので、無段変速機10の変速比幅(CVT変速比幅)を従来よりも狭く設定することができる。これが為、この車両用変速装置1では、無段変速機10の小型化が可能になる。尚、その図13では、比較する上での便宜上、変速比幅の一例を示している。
更に、この車両用変速装置1では、その様な滑りを必要としないので、ブレーキB0及びクラッチCL3並びにクラッチCL1,CL2として上述したドグクラッチを適用できる。従って、この車両用変速装置1においては、そのブレーキB0等における引き摺り損失の発生を低く抑えることができ、燃費を向上させることができる。
その協調変速制御について、エンジン走行中を例に挙げて説明する。ここで例示する協調変速制御は、有段変速機20を低速段(Lo)から高速段(Hi)に変速させる際に、無段変速機10の変速比γCVTを高速側(Hi)から低速側(Lo)に変速させるものである。図14及び図15には、各々この協調変速制御における有段変速機20の共線図とエンジン回転数等のタイムチャートを示す。図15において、「Nw」は駆動輪Wの回転数を示し、「Tw」は駆動輪Wの駆動トルクを示す。「Ne」はエンジン回転数を示し、「Te」はエンジントルクを示す。「Nmg」はモータ回転数を示し、「Tmg」はモータトルクを示す。「γ」は、スルー変速比を示す。尚、このタイムチャートでは、二次電池65のSOC(State of Charge)についても示している。この協調変速制御は、車両の制御装置(ECU)が駆動輪Wの回転数Nwや駆動トルクTwを一定に保ったまま実行する。
先ず、変速動作を始める前にトルクの調整を行う。この車両の制御装置は、エンジン回転数Neとモータ回転数Nmgを一定に保ったまま、エンジントルクTeと正のモータトルクTmgを増加させていく。ここでは、有段変速機20を変速させる際にモータ/ジェネレータMGが受け持つ反力に相当する大きさへと正のモータトルクTmgを増加させていくが、モータ回転数Nmgが負回転なので、駆動トルクTwを増減させないようにエンジントルクTeを増加させていく。尚、このときのモータ/ジェネレータMGは、電力の回生を行っている。
制御装置は、有段変速機20の低速段(Lo)から高速段(Hi)への変速動作を始めさせると共に、無段変速機10の変速比γCVTを高速側(Hi)から低速側(Lo)に変速させる。この変速の過程において、エンジンENGには、エンジン回転数Neを一定に保持させたまま、エンジントルクTeを減少させていく。また、モータ/ジェネレータMGにおいては、モータトルクTmgを一定に保持したまま、モータ回転数Nmgを正回転に切り替えていく。尚、これに伴い、モータ/ジェネレータMGは、回生駆動から力行駆動に切り替わる。この車両用変速装置1においては、この様にしてモータ/ジェネレータMGで反力を受け持ちながら協調変速制御を行う。
無段変速機10と有段変速機20の変速動作を終えた後、再びトルクの調整を行う。ここでは、モータ/ジェネレータMGが受け持っていた反力に相当する正のモータトルクTmg分だけ、モータ回転数Nmgを一定の正回転に保ったままモータトルクTmgを減少させていく。ここでは、モータ/ジェネレータMGが力行駆動を行っているので、そのモータトルクTmgの減少に合わせて、エンジン回転数Neを一定に保ったまま、駆動トルクTwを増減させないようにエンジントルクTeを増加させていく。
ところで、上記の例示では、無段変速機10の変速比幅と有段変速機20の変速比幅を同じ大きさに設定している。これが為、図16に示すスルー変速比幅の中央付近のスルー変速比が繰り返し使用される場合には、有段変速機20における低速段(Lo)と高速段(Hi)との間の切り替えと無段変速機10における最大変速比γCVT−maxと最小変速比γCVT−minとの間の変速が繰り返される可能性があり、無段変速機10や有段変速機20の耐久性を低下させる虞がある。
従って、無段変速機10の変速比幅と有段変速機20の変速比幅とに図17に示すオーバーラップ領域を設けることが好ましい。例えば、無段変速機10の変速比幅を基準にして考える場合には、有段変速機20の変速比幅を無段変速機10の変速比幅よりも狭く設定することが望ましい(図17)。また、有段変速機20の変速比幅を基準にして考える場合には、無段変速機10の変速比幅を有段変速機20の変速比幅よりも広く設定することが望ましい(図17)。但し、無段変速機10の変速比幅を拡げると云うことは、この無段変速機10の体格を大きくしてしまうことにも繋がる。このことから、無段変速機10の変速比幅は、上記の繰り返しの協調変速制御が実行されない又は実行され難い広さで且つ無段変速機10の体格が搭載スペース等を考慮した許容範囲内に収まる広さに設定することが望ましい。
また、二次電池65においては、電力の入出力を制限するときがある。例えば、二次電池65は、SOCが満充電又はこれに近い状態のとき、SOCが空又は空に近い状態のとき、若しくは二次電池65の温度が過度に低温又は高温になっているときに、電力の入出力を禁止させる又は入出力量を制限する。ここで、上記の例示では、協調変速制御を行う際に、モータ/ジェネレータMGで反力を取っている。しかしながら、二次電池65の入出力制限時には、モータ/ジェネレータMGで反力を受け持つことができない。そして、上記の例示では、クラッチCL1等がドグクラッチ構造を採っているので、モータ/ジェネレータMGで反力を受け持つことができなければ、協調変速制御を行うことができない。
そこで、入出力が制限されないように二次電池65のSOCを管理することが好ましいが、もし二次電池65の入出力が制限される場合には、モータ/ジェネレータMGで反力を受け持たせずに、エンジン回転数の制御によってクラッチCL1等の入出力回転数を同期させてから当該クラッチCL1等の係合制御(つまり有段変速機20の変速制御)を行えばよい。但し、その際には、エンジン回転数の急激な変化やトルク抜けが起こり、変速ショックを発生させてしまう虞がある。従って、ここでは、二次電池65のSOCに応じて、できる限り変速ショックを低減させる。以下、この点について図18のフローチャートを用いて説明する。
先ず、制御装置は、有段変速機20の変速要求の有無を判定する(ステップST1)。ここでは、変速要求が無ければ、この判定を繰り返す。
有段変速機20の変速要求がある場合、制御装置は、その変速に必要なモータ/ジェネレータMGの出力(必要モータ出力)を算出する(ステップST2)。その必要モータ出力とは、協調変速制御を行う際にモータ/ジェネレータMGが受け持つ反力の大きさに応じて決まる。また、このステップST2では、その必要モータ出力に応じた二次電池65の必要電池出力を算出してもよい。
制御装置は、現状の二次電池65のSOCで必要モータ出力(又は必要電池出力)を賄えるのか否かを判定する(ステップST3)。賄うことが可能であれば、この制御装置は、その必要モータ出力(又は必要電池出力)に応じて、上述した通常の協調変速制御を実行する(ステップST4)。
一方、現状のSOCで必要モータ出力(又は必要電池出力)を賄えないと判定した場合、制御装置は、そのSOCが所定値よりも大きいのか否かを判定する(ステップST5)。このステップST5では、SOCが満充電又はこれに近い状態であるのか否かを判定している。
現状のSOCが満充電又はこれに近い状態の場合、制御装置は、モータ/ジェネレータMGが正回転か否かを判定する(ステップST6)。現状のSOCが満充電又はこれに近い状態の場合には、二次電池65への充電が難しい一方で、この二次電池65からの電力供給は可能なので、モータ/ジェネレータMGを回生駆動させることは難しいが、力行駆動させることはできる。
従って、モータ/ジェネレータMGが正回転の場合には、正のモータトルクの出力によりモータ/ジェネレータMGを力行駆動させ、このモータ/ジェネレータMGで反力を受け持つことができる。これが為、制御装置は、正回転と判定した場合、ステップST4に進み、必要モータ出力(又は必要電池出力)に応じた通常の協調変速制御を実行する。これに対して、モータ/ジェネレータMGが正回転でない(つまり負回転)の場合には、負のモータトルクを出力させる必要がある。しかしながら、この場合、負のモータトルクを出力できず、モータ/ジェネレータMGで反力を受け持つことができないので、制御装置は、モータ/ジェネレータMGで反力を取らずに、エンジン回転数の制御により有段変速機20の差動機構における回転数の同期を行い、この有段変速機20だけを変速させることでスルー変速比の変速制御を行う(ステップST7)。
次に、ステップST5で現状のSOCが満充電又はこれに近い状態ではないと判定された場合、制御装置は、そのSOCが所定値よりも小さいのか否かを判定する(ステップST8)。このステップST8では、SOCが空又は空に近い状態であるのか否かを判定している。
現状のSOCが空又は空に近い状態の場合、制御装置は、モータ/ジェネレータMGが負回転か否かを判定する(ステップST9)。現状のSOCが空又は空に近い状態の場合には、二次電池65からの電力供給が難しい一方で、この二次電池65への充電は可能なので、モータ/ジェネレータMGを力行駆動させることは難しいが、回生駆動させることはできる。
従って、モータ/ジェネレータMGが負回転の場合には、正のモータトルクの出力によりモータ/ジェネレータMGを回生駆動させ、このモータ/ジェネレータMGで反力を受け持つことができる。これが為、制御装置は、負回転と判定した場合、ステップST4に進み、必要モータ出力(又は必要電池出力)に応じた通常の協調変速制御を実行する。これに対して、モータ/ジェネレータMGが負回転でない(つまり正回転)の場合には、負のモータトルクを出力させる必要がある。しかしながら、この場合、負のモータトルクを出力できず、モータ/ジェネレータMGで反力を受け持つことができないので、制御装置は、ステップST7に進み、エンジン回転数の制御により有段変速機20の差動機構の回転数同期制御を行いながら、有段変速機20だけを変速させる。
続いて、ステップST8で否定判定され、現状のSOCが満充電又はこれに近い状態でなく、また、空又は空に近い状態でもない場合、二次電池65においては、電力供給も充電も可能である。そして、この場合には、モータ/ジェネレータMGを力行駆動させることも回生駆動させることもできる。これが為、制御装置は、必要モータ出力(又は必要電池出力)に応じた通常の協調変速制御を実行したときとエンジン回転数制御による有段変速機20のみの変速を実行したときとで、どちらの方が変速ショックが小さいのか判断する(ステップST10)。その変速ショックの大きさについては、双方の変速制御における変速ショックのマップを予め用意しておき、このマップを利用して判断すればよい。そのマップは、例えば二次電池65のSOCや温度をパラメータとする。
制御装置は、その結果、通常の協調変速制御の方が変速ショックが小さいのか否かを判定する(ステップST11)。そして、協調変速制御の方が変速ショックが小さければ、制御装置は、ステップST4に進み、必要モータ出力(又は必要電池出力)に応じた通常の協調変速制御を実行する。一方、協調変速制御の方が変速ショックが大きければ、制御装置は、ステップST7に進み、エンジン回転数の制御により有段変速機20の差動機構の回転数同期制御を行いながら、有段変速機20だけを変速させる。
この様に、この車両用変速装置1においては、通常の協調変速制御が実行できない状況下や当該協調変速制御よりも変速ショックが小さくなるときに限って、エンジン回転数制御と有段変速機20のみの変速制御とによるスルー変速比の変速制御を行うので、可能な限り変速ショックの発生を抑えることができる。
[変形例]
前述した実施例においては、有段変速機20の差動機構としてラビニヨ型の遊星歯車機構を例に挙げた。この変形例では、実施例の車両用変速装置1において、そのラビニヨ型の遊星歯車機構に替えて、2つの遊星歯車機構で4つの回転要素を作り出したものを有段変速機20の差動機構とする。
本変形例の差動機構は、回転要素が3つの遊星歯車機構を2つ繋いで構成する。具体的には、図19に示す様に、2つのシングルピニオン型の遊星歯車機構121,122を繋ぐ。遊星歯車機構121は、サンギヤS1、リングギヤR1、キャリアC1及びピニオンギヤP1を備える。遊星歯車機構122は、サンギヤS2、リングギヤR2、キャリアC2及びピニオンギヤP2を備える。
遊星歯車機構121,122は、リングギヤR1とキャリアC2とを連結させ且つキャリアC1とリングギヤR2とを連結させることで繋げる。そのリングギヤR1とキャリアC2は、一体になって回転することができる。また、キャリアC1とリングギヤR2についても、一体になって回転することができる。
遊星歯車機構121においては、サンギヤS1が第2入力軸21Bに接続される。また、キャリアC1は、歯車53とクラッチCL3の被係合部43と遊星歯車機構122のリングギヤR2に接続されている。また、リングギヤR1については、遊星歯車機構122のキャリアC2を介して、ブレーキB0及びクラッチCL3の被係合部42に連結されている。
遊星歯車機構122においては、サンギヤS2が第1入力軸21Aに接続される。また、キャリアC2は、ブレーキB0及びクラッチCL3の被係合部42と遊星歯車機構121のリングギヤR1に接続されている。また、リングギヤR2は、クラッチCL3の被係合部43と遊星歯車機構121のキャリアC1に接続されている。
この差動機構においては、ブレーキB0が係合制御された際に、遊星歯車機構121のリングギヤR1と遊星歯車機構122のキャリアC2の回転が禁止される。また、この差動機構では、クラッチCL3が係合制御された際に、遊星歯車機構121のリングギヤR1及びキャリアC1並びに遊星歯車機構122のリングギヤR2及びキャリアC2が結合され、夫々の遊星歯車機構121,122が差動動作を行わずに一体になって回転する。
この様に構成した差動機構を用いたとしても、この変形例の車両用変速装置においては、無段変速機10と有段変速機20の協調変速制御を実行する際に、モータ/ジェネレータMGで反力を受け持ちながら有段変速機20の変速段の切り替えを行うことができる。従って、この変形例の車両用変速装置においても、有段変速機20の変速比幅を広く設定することができるので、無段変速機10の変速比幅を狭く設定することで、この無段変速機10の小型化を図ることができる。
図20には、この変形例の差動機構のエンジン走行時における共線図を示している。尚、この図20の共線図は、実施例の図8の共線図において、サンギヤS2の軸をサンギヤS1の軸と読み替え、キャリアCの軸をキャリアC1及びリングギヤR2の軸と読み替え、リングギヤRの軸をリングギヤR1及びキャリアC2の軸と読み替え、且つ、サンギヤS1の軸をサンギヤS2の軸と読み替えたものに相当する。ここでは、これと同じ読み替えを図9から図12及び図14の共線図で行ったものが、この変形例の差動機構のEV走行等における共線図に相当するので、具体的な図示を省略する。
1 車両用変速装置
10 無段変速機
14 入力軸
15 出力軸
20 有段変速機
21 入力軸
21A 第1入力軸
21B 第2入力軸
22 出力軸
30 断接装置
40 係合制御部
63 スタータモータ
65 二次電池
121,122 ピニオンギヤ型の遊星歯車機構
B0 ブレーキ
C,C1,C2 キャリア
CL0,CL1,CL2,CL3 クラッチ
ENG エンジン
MG モータ/ジェネレータ
P1,P2 ピニオンギヤ
PL ロングピニオンギヤ
PS ショートピニオンギヤ
R,R1,R2 リングギヤ
S1,S2 サンギヤ
W 駆動輪

Claims (4)

  1. 入力軸にエンジン側からのトルクが入力される無段変速機と、
    前記無段変速機の出力軸と駆動輪との間に配置され、該無段変速機の出力軸側に接続された回転要素、自らの前記駆動輪側への出力軸に接続された回転要素及びモータ/ジェネレータの回転軸側に接続された回転要素を含む相互間での相対回転が可能な少なくとも4つの回転要素を有する差動機構を備えた有段変速機と、
    を有し、
    前記有段変速機は、前記差動機構の共線図上で前記無段変速機の出力軸側と前記モータ/ジェネレータの回転軸側との間に前記駆動輪側への出力軸が配置されるように、前記各回転要素を当該無段変速機の出力軸側と当該モータ/ジェネレータの回転軸側と当該駆動輪側への出力軸とに接続し、
    当該車両用変速装置は、前記無段変速機と前記有段変速機との協調変速を行う際に、前記モータ/ジェネレータで前記無段変速機からの入力に対する反力を受け持ちながら前記有段変速機を変速させる
    ことを特徴とした車両用変速装置。
  2. 前記モータ/ジェネレータと繋がる二次電池の入出力制限時には、エンジン回転数制御と前記有段変速機の変速制御とでスルー変速比の変速制御を行うことを特徴とした請求項1記載の車両用変速装置。
  3. 前記有段変速機は、前記各回転要素の内の所定のものを係合対象として係合させることで前記差動機構の差動状態を変える係合制御部を備え、該係合制御部で前記差動機構の差動状態を変えることによって2つの変速段の切り替えを行うことを特徴とした請求項1又は2に記載の車両用変速装置。
  4. 前記係合制御部は、ドグクラッチであることを特徴とした請求項3記載の車両用変速装置。
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