JP2014108775A - ハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステム - Google Patents

ハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステム Download PDF

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圭佑 大室
Atsushi Tabata
淳 田端
Toru Matsubara
亨 松原
Kenta Kumazaki
健太 熊崎
Tatsuya Imamura
達也 今村
Takeshi Kitahata
剛 北畑
Koichi Okuda
弘一 奥田
Masashi Yamamoto
真史 山本
Yasuhiro Hiasa
康博 日浅
Keita Imai
恵太 今井
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Abstract

【課題】オイルポンプモータの耐久性の低下を抑制すること。
【解決手段】有段又は無段の変速装置20と、第1回転機MG1の連結されるサンギヤS2と第2回転機MG2及び駆動輪Wの連結されるリングギヤR2と変速装置20及びエンジンENGの連結されるキャリアC2とを有する差動装置30と、エンジンENG又はオイルポンプモータ52の内の一方の回転で駆動するオイルポンプ51と、変速装置20の変速制御と第1回転機MG1の制御による差動装置30の制御とを実行可能なHVECUと、を備え、HVECUは、エンジンENGの回転によるオイルポンプ51の駆動時にオイルポンプモータ52が連れ回される場合、変速装置20の変速制御を抑制すると共に、第1回転機MG1の制御による差動装置30を介したエンジンENGの回転数の低下制御を実行すること。
【選択図】図1

Description

本発明は、機関と回転機を動力源として用いるハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムに関する。
従来、ハイブリッド車両の動力伝達装置としては、機関と2つの回転機とが接続される動力分配機構(遊星歯車機構)を備えたものが知られている。この種の動力伝達装置を有するハイブリッドシステムにおいては、動力分配機構の夫々の回転要素に、機関の回転軸と第1回転機の回転軸と第2回転機の回転軸と駆動輪とが接続される。例えば、下記の特許文献1には、その機関の回転軸と動力分配機構の回転要素との間に、一対の第1及び第2の遊星歯車機構からなる差動装置とクラッチと2つのブレーキとを介在させたハイブリッドシステムが開示されている。その差動装置は、機関の回転を変速させる変速装置として用いられている。クラッチは、一方の係合部が機関の回転軸と第1遊星歯車機構のキャリアとに接続され、他方の係合部が第1遊星歯車機構のリングギヤに接続されている。その第1遊星歯車機構においては、キャリアとサンギヤとが夫々に第2遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとに接続されている。その第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機構のリングギヤは、動力分配機構のキャリアに接続されている。第1ブレーキは、第1遊星歯車機構のリングギヤとクラッチの他方の係合部の回転を停止させることができるものである。第2ブレーキは、第2遊星歯車機構のキャリアの回転を停止させることができるものである。このハイブリッドシステムでは、クラッチの係合及び各ブレーキの解放によって中負荷と高負荷時のアンダードライブモード(UDモード)となり、クラッチ及び第2ブレーキの解放及び第1ブレーキの係合によって軽負荷時のオーバードライブモード(ODモード)となり、クラッチ及び第1ブレーキの解放及び第2ブレーキの係合によって後退モードとなる。
ここで、その動力伝達装置には、動力分配機構等の潤滑や冷却を図るべく、潤滑油を供給する為のオイルポンプが設けられる。そのオイルポンプは、所定の駆動源によって駆動させられる。例えば、下記の特許文献2及び3には、その駆動源としてエンジンとオイルポンプモータとを利用するオイルポンプ駆動装置が開示されている。そのオイルポンプ駆動装置は、エンジンとオイルポンプとの間、そして、オイルポンプモータとオイルポンプとの間に、各々ワンウェイクラッチを介在させている。
特開2009−190694号公報 特開2002−227978号公報 特開2001−146955号公報
ところで、そのオイルポンプは、エンジントルクの一部が一方のワンウェイクラッチを介して伝えられることで駆動する。そして、例えば特許文献2のオイルポンプ駆動装置においては、そのワンウェイクラッチに入力されたエンジントルクがチェーンを介して他方のワンウェイクラッチにも伝達される。その際、このオイルポンプ駆動装置では、その他方のワンウェイクラッチが解放状態にあるので、エンジントルクがオイルポンプモータに伝わらない。しかしながら、その他方のワンウェイクラッチが解放し難くなった場合には、エンジントルクがオイルポンプモータに伝達され、そのオイルポンプモータを連れ回してしまう虞がある。従って、この場合には、オイルポンプモータの耐久性を低下させてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、オイルポンプモータの耐久性の低下を抑制させることが可能なハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置は、有段又は無段の変速装置と、相互間での差動回転が可能な3つの回転要素を有し、該各回転要素の内の1つに前記変速装置が連結されると共に残りの2つの回転要素の内の1つに第1回転機の回転軸が連結され、該第1回転機の回転軸が連結される回転要素以外の2つの回転要素に機関の回転軸と第2回転機の回転軸とが夫々連結される差動装置と、前記機関又はオイルポンプモータの内の一方の回転で駆動するオイルポンプと、前記変速装置の変速制御と前記第1回転機の制御による前記差動装置の制御とを実行可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記機関の回転による前記オイルポンプの駆動時に前記オイルポンプモータが連れ回される場合、前記変速装置の変速制御を抑制すると共に、前記第1回転機の制御による前記差動装置を介した前記機関の回転数の低下制御を実行することを特徴としている。
また、上記目的を達成する為、本発明に係るハイブリッドシステムは、機関と、第1回転機と、第2回転機と、有段又は無段の変速装置と、相互間での差動回転が可能な3つの回転要素を有し、該各回転要素の内の1つに前記変速装置が連結されると共に残りの2つの回転要素の内の1つに前記第1回転機の回転軸が連結され、該第1回転機の回転軸が連結される回転要素以外の2つの回転要素に前記機関の回転軸と前記第2回転機の回転軸とが夫々連結される差動装置と、前記機関又はオイルポンプモータの内の一方の回転で駆動するオイルポンプと、前記変速装置の変速制御と前記第1回転機の制御による前記差動装置の制御とを実行可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記機関の回転による前記オイルポンプの駆動時に前記オイルポンプモータが連れ回される場合、前記変速装置の変速制御を抑制すると共に、前記第1回転機の制御による前記差動装置を介した前記機関の回転数の低下制御を実行することを特徴としている。
ここで、前記機関の回転数の低下制御は、前記第1回転機を負回転方向に制御することで実行することが望ましい。
また、前記差動装置は、3つの前記回転要素としてのサンギヤとリングギヤとキャリアとを有するものであり、前記サンギヤに前記第1回転機の回転軸を連結し、前記リングギヤに前記第2回転機の回転軸と駆動輪とを連結し、前記キャリアに前記変速装置と前記機関の回転軸とを連結することが望ましい。
また、前記差動装置は、3つの前記回転要素としてのサンギヤとリングギヤとキャリアとを有するものであり、前記サンギヤに前記第1回転機の回転軸を連結し、前記リングギヤに前記第2回転機の回転軸と前記変速装置と駆動輪とを連結し、前記キャリアに前記機関の回転軸を連結することが望ましい。
本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムは、機関の回転によるオイルポンプの駆動時にオイルポンプモータが連れ回される場合、第1回転機の制御による差動装置を介した機関の回転数の低下制御を行うと共に、これよりも機関の回転数を低下させる際の応答性に劣る変速装置の変速制御の実行を抑制する。これが為、この動力伝達装置及びハイブリッドシステムは、応答性良く機関の回転数を低下させることができるので、オイルポンプモータの連れ回りを素早く回避することができる又は当該オイルポンプモータの回転数を素早く低下させることができる。従って、この動力伝達装置及びハイブリッドシステムに依れば、オイルポンプモータの耐久性の低下を抑えることができる。
図1は、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの実施例の構成を示すスケルトン図である。 図2は、実施例の入出力関係図である。 図3は、実施例のハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの作動係合表を示す図である。 図4は、単独モータEVモードに係る共線図である。 図5は、両モータEVモードに係る共線図である。 図6は、HVハイモードに係る共線図である。 図7は、HVローモードに係る共線図である。 図8は、変速装置の変速制御でエンジン回転数を低下させた場合の共線図である。 図9は、HVローモードでMG1回転数を負回転方向に制御して、エンジン回転数を低下させた場合の共線図である。 図10は、HVハイモードでMG1回転数を負回転方向に制御して、エンジン回転数を低下させた場合の共線図である。 図11は、エンジン回転数低下制御の演算処理動作を説明するフローチャートである。 図12は、エンジン回転数低下制御の動作を説明するタイムチャートである。 図13は、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの変形例の構成を示すスケルトン図である。 図14は、変形例のハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの作動係合表を示す図である。
以下に、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステムの実施例を図1から図14に基づいて説明する。
図1の符号1−1は、本実施例の動力伝達装置を示す。また、図1の符号2−1は、その動力伝達装置1−1を有するハイブリッドシステムを示す。
ハイブリッドシステム2−1は、エンジンENGと第1回転機MG1と第2回転機MG2とを動力源として備える。
エンジンENGは、エンジン回転軸(クランクシャフト)11から機械的な動力(出力トルク)を出力する内燃機関や外燃機関等の機関である。このエンジンENGは、その動作が図2に示す機関制御装置としての電子制御装置(以下、「ENGECU」と云う。)91によって制御される。そのENGECU91は、例えば、電子スロットル弁の開度制御、点火信号の出力による点火制御、燃料の噴射制御等を行って、エンジンENGの出力トルク(以下、「エンジントルク」と云う。)Teを制御する。
第1回転機MG1と第2回転機MG2は、力行駆動時の電動機(モータ)としての機能と、回生駆動時の発電機(ジェネレータ)としての機能と、を有する電動発電機(モータ/ジェネレータ)である。これら第1及び第2の回転機MG1,MG2は、その動作が図2に示す回転機制御装置としての電子制御装置(以下、「MGECU」と云う。)92によって制御される。第1及び第2の回転機MG1,MG2は、インバータ(図示略)を介して二次電池(図示略)に接続されており、夫々の回転軸(MG1回転軸12、MG2回転軸13)に入力された機械エネルギ(回転トルク)を電気エネルギに変換して、二次電池に蓄電させることができる。また、第1及び第2の回転機MG1,MG2は、二次電池から供給された電気エネルギ又は他方の回転機(第2及び第1の回転機MG2,MG1)が生成した電気エネルギを機械エネルギ(回転トルク)に変換し、夫々の回転軸(MG1回転軸12、MG2回転軸13)から機械的な動力(出力トルク)として出力することができる。MGECU92は、例えば、第1回転機MG1や第2回転機MG2に対して供給する電流値を調整し、第1回転機MG1の出力トルク(以下、「MG1トルク」と云う。)Tmg1や第2回転機MG2の出力トルク(以下、「MG2トルク」と云う。)Tmg2を制御する。
このハイブリッドシステム2−1は、エンジン回転軸11とMG1回転軸12とを同心に配置し、且つ、これらに対して間隔を空けて平行にMG2回転軸13を配置した複軸式のものである。動力伝達装置1−1は、その各動力源の相互間における動力伝達を可能にし、且つ、夫々の動力源と駆動輪Wとの間での動力伝達も可能になるように構成する。この動力伝達装置1−1は、直列接続された変速装置20と差動装置30とを備える。その変速装置20と差動装置30は、エンジン回転軸11やMG1回転軸12と同心の回転中心軸14を有する。その回転中心軸14は、エンジン回転軸11に連結されている。このハイブリッドシステム2−1では、エンジンENG側に変速装置20が配置され、第1回転機MG1側に差動装置30が配置されている。
変速装置20は、エンジンENGから入力された回転を変速して差動装置30側に伝える又は差動装置30から入力された回転を変速してエンジンENGに伝えることができる。この変速装置20は、エンジンENGが接続され、このエンジンENGとの間の動力伝達を担う第1動力伝達要素と、差動装置30が接続され、この差動装置30との間の動力伝達を担う第2動力伝達要素と、を有する。その第1動力伝達要素とは、エンジンENGに接続される回転軸(第1回転軸)又は後述する回転要素のことである。また、第2動力伝達要素とは、差動装置30に接続される回転軸(第2回転軸)又は後述する回転要素のことである。
ここで例示する変速装置20は、差動回転が可能な複数の回転要素からなる遊星歯車機構を備える。その遊星歯車機構としては、シングルピニオン型のもの、ダブルピニオン型のもの、ラビニヨ型のもの等を適用可能である。この例示の変速装置20は、回転中心軸14を中心に動作するシングルピニオン型の遊星歯車機構を1つ備えた差動装置であり、その回転要素としてのサンギヤS1とリングギヤR1と複数のピニオンギヤP1とキャリアC1とを有する。この変速装置20においては、そのサンギヤS1とリングギヤR1とキャリアC1の内の1つがエンジンENGに接続され、その残りの内の1つが差動装置30に接続される。この例示では、エンジンENGをキャリアC1に連結する。そのキャリアC1は、エンジン回転軸11と一体になって回転できるように当該エンジン回転軸11に対して回転中心軸14を介して連結されている。従って、この例示では、そのキャリアC1又は回転中心軸14が第1動力伝達要素となる。また、この例示では、リングギヤR1に差動装置30を連結する。そのリングギヤR1は、上述した第2動力伝達要素であり、差動装置30の各回転要素の内の1つ(ここでは後述するようにキャリアC2)に対して一体になって回転できるように接続する。
ハイブリッドシステム2−1には、この変速装置20の変速比又は変速段を変更する変速調整装置21が設けられている。ここで例示する変速装置20は、高低2段の変速段を有するものであり、その変速調整装置21によって高速側と低速側の変速段の切り替えやニュートラル状態への切り替えが行われる。従って、その変速調整装置21は、変速装置20における所定の回転要素の回転状態や停止状態を調整する2つの係合装置を備える。この例示では、クラッチCL1とブレーキBK1とが係合装置として設けられている。そのクラッチCL1とブレーキBK1は、その係合動作又は解放動作が後述するHVECU90によって制御される。
クラッチCL1は、サンギヤS1とキャリアC1とを連結又は解放させるクラッチ装置である。このクラッチCL1は、例えば、摩擦係合式の所謂摩擦クラッチ装置又は噛み合い式のクラッチ装置として構成すればよい。このクラッチCL1は、油圧駆動又は電動によって係合動作又は解放動作を行うものであり、サンギヤS1と一体になって回転する第1係合部材と、キャリアC1と一体になって回転する第2係合部材と、を有する。ここで例示するクラッチCL1は、油圧調整装置(図示略)が調整した供給油圧によって動作する。
このクラッチCL1は、第1係合部材と第2係合部材とを係合状態に制御することで、サンギヤS1とキャリアC1とを連結させる。半係合状態のクラッチCL1は、第1係合部材と第2係合部材とを滑らせながら、これらを一体回転させない範囲内でサンギヤS1とキャリアC1の相対回転を許容する。完全係合状態のクラッチCL1は、サンギヤS1とキャリアC1とを一体化させ、この相互間の相対回転を不能にする。従って、このクラッチCL1は、完全係合状態に制御することで、変速装置20における遊星歯車機構の差動動作を抑制することができる。一方、このクラッチCL1は、第1係合部材と第2係合部材とを解放状態に制御することで、サンギヤS1とキャリアC1との連結を切り離し、これらの相対回転を許容する。従って、このクラッチCL1は、解放状態に制御することで、変速装置20における各回転要素の差動回転を許容することができる。
ブレーキBK1は、サンギヤS1の回転を規制するブレーキ装置である。このブレーキBK1は、クラッチCL1と同じように、摩擦係合式のもの又は噛み合い式のものとして構成すればよい。このブレーキBK1は、油圧駆動又は電動によって係合動作又は解放動作を行うものであり、サンギヤS1と一体になって回転する第1係合部材と、車体側(例えば動力伝達装置1−1のケース等)に固定した第2係合部材と、を有する。ここで例示するブレーキBK1は、油圧調整装置(図示略)が調整した供給油圧によって動作する。
このブレーキBK1は、第1係合部材と第2係合部材とを係合状態に制御することで、サンギヤS1を車体側に連結して、サンギヤS1の回転を規制する。半係合状態のブレーキBK1は、第1係合部材を第2係合部材に対して滑らせながら、サンギヤS1の回転を停止させない範囲内で規制する。完全係合状態のブレーキBK1は、サンギヤS1の回転を抑制する。一方、このブレーキBK1は、第1係合部材と第2係合部材とを解放状態に制御することで、サンギヤS1と車体側との連結を切り離し、サンギヤS1の回転を許容する。
変速装置20は、そのクラッチCL1とブレーキBK1とが共に解放状態にあるときにニュートラル状態となる。そのニュートラル状態とは、この例示における変速装置20の入出力間である第1回転軸(エンジンENGに接続される回転中心軸14)と第2回転軸(差動装置30に接続される回転軸)との間(つまりキャリアC1とリングギヤR1との間)で動力伝達を行えない状態のことを云う。このニュートラル状態では、エンジンENGと差動装置30とが切断され、この間の動力伝達が遮断された状態になる。
一方、この変速装置20においては、クラッチCL1とブレーキBK1の内の何れか一方を係合させることで、キャリアC1とリングギヤR1との間(エンジンENGと差動装置30との間)の動力伝達が可能な接続状態になる。従って、クラッチCL1とブレーキBK1の内の一方を係合させた際には、エンジンENGと駆動輪Wとの間での動力伝達が可能になるので、エンジンENGの動力を用いた走行を行うことができ、また、エンジンブレーキを発生させることができる。
例えば、この変速装置20は、クラッチCL1を解放させると共にブレーキBK1を係合させることで、サンギヤS1が固定(回転停止)された状態での差動回転を行うものとなる。その際、この変速装置20は、キャリアC1に入力されたエンジンENGの回転を増速させてリングギヤR1から出力する。つまり、この変速装置20は、クラッチCL1の解放とブレーキBK1の係合とによって、変速比が1よりも小さいオーバドライブ(OD)状態となる。
これに対して、この変速装置20は、クラッチCL1を係合させると共にブレーキBK1を解放させることで、全ての回転要素が一体になって回転する差動回転の抑制状態になり、入出力間(キャリアC1とリングギヤR1との間)が直結状態となる。その際、この変速装置20は、変速比が1となり、キャリアC1に入力されたエンジンENGの回転を増速も減速もさせることなく、等速でリングギヤR1から出力する。
この様に、この変速装置20においては、クラッチCL1の解放とブレーキBK1の係合によって高速側の変速段(高速段)が構成され、クラッチCL1の係合とブレーキBK1の解放によって低速側の変速段(低速段)が構成されることになる。このハイブリッドシステム2−1では、変速装置20の変速比が1以下なので、必ずしも第1回転機MG1の高トルク化を図る必要がない。
差動装置30は、差動回転が可能な複数の回転要素を有するものであり、その夫々の回転要素からなる遊星歯車機構を備える。その遊星歯車機構としては、シングルピニオン型のもの、ダブルピニオン型のもの、ラビニヨ型のもの等を適用可能である。この例示の差動装置30は、回転中心軸14を中心に動作するシングルピニオン型の遊星歯車機構を1つ備えており、その回転要素としてのサンギヤS2とリングギヤR2と複数のピニオンギヤP2とキャリアC2とを有する。この差動装置30においては、そのサンギヤS2とリングギヤR2とキャリアC2の内の1つが変速装置20を介してエンジンENGに接続され、その残りの内の1つが第1回転機MG1に接続され、最後の1つが第2回転機MG2と駆動輪Wとに接続される。この例示では、変速装置20のリングギヤR1をキャリアC2に連結し、第1回転機MG1をサンギヤS2に連結し、第2回転機MG2と駆動輪WをリングギヤR2に連結する。ここで、キャリアC2は、変速装置20のリングギヤR1と一体になって回転できるよう当該リングギヤR1に対して連結された回転要素であり、変速装置20との間の動力伝達要素を成す。また、サンギヤS2は、MG1回転軸12に対して一体になって回転できるように連結された回転要素であり、第1回転機MG1との間の動力伝達要素を成す。また、リングギヤR2は、下記の歯車群等を介して第2回転機MG2や駆動輪Wに連結された回転要素であり、第2回転機MG2や駆動輪Wとの間の動力伝達要素を成す。
この差動装置30のリングギヤR2には、同心に配置された一体回転可能なカウンタドライブギヤ41が接続されている。そのカウンタドライブギヤ41は、平行にずらして配置された回転軸を有するカウンタドリブンギヤ42と噛み合い状態にある。カウンタドリブンギヤ42は、平行にずらして配置された回転軸を有するリダクションギヤ43と噛み合い状態にある。そのリダクションギヤ43は、MG2回転軸13の軸上に固定されている。従って、カウンタドリブンギヤ42と第2回転機MG2との間においては、そのリダクションギヤ43を介して動力伝達が行われる。例えば、リダクションギヤ43は、カウンタドリブンギヤ42よりも小径であり、第2回転機MG2の回転を減速してカウンタドリブンギヤ42に伝達する。
また、カウンタドリブンギヤ42は、カウンタシャフト15の軸上に固定されている。ここで、この例示のハイブリッド車両は、FF(Front engine Front drive)車、RR(Rear engine Rear drive)車又はFF車若しくはRR車ベースの四輪駆動車と仮定する。これが為、そのカウンタシャフト15の軸上には、ドライブピニオンギヤ44が固定されている。カウンタドリブンギヤ42とドライブピニオンギヤ44は、カウンタシャフト15を介して一体になって回転することができる。そのドライブピニオンギヤ44は、差動装置45のデフリングギヤ46と噛み合い状態にある。差動装置45は、左右の駆動軸47を介して駆動輪Wに連結されている。例えば、このハイブリッドシステム2−1は、そのドライブピニオンギヤ44とデフリングギヤ46(つまり差動装置45)を第2回転機MG2とリダクションギヤ43との間に配置することで、コンパクト化を図ることができる。
この動力伝達装置1−1においては、変速装置20の変速比と差動装置30の変速比とから全体の変速比(言うなればハイブリッドシステム2−1のシステム変速比)が決まる。このシステム変速比とは、変速装置20と差動装置30とを有する1つの動力伝達装置1−1においての入出力間の比のことであり、この動力伝達装置1−1の出力側回転数に対する入力側回転数の比(減速比)を表したものである。この例示では、差動装置30のリングギヤR2の回転数に対する変速装置20のキャリアC1の回転数の比がシステム変速比となる。従って、この動力伝達装置1−1では、差動装置30だけで変速機としての機能を構成するよりも変速比の幅が広くなる。
更に、この動力伝達装置1−1には、変速調整装置21(クラッチCL1とブレーキBK1)を作動させる為の作動油を供給するオイルポンプ51が設けられている。その作動油は、変速装置20や差動装置30、第1回転機MG1や第2回転機MG2等の潤滑と冷却の機能をも担っている。オイルポンプ51は、その駆動源として、エンジンENGと専用の回転機(以下、「オイルポンプモータ」と云う。)52とを利用する。
エンジンENGとオイルポンプ51との間には、第1ワンウェイクラッチF1が配置されている。第1ワンウェイクラッチF1は、第1係合部材61と第2係合部材62とを備える。第1係合部材61は、回転中心軸14に固定され、この回転中心軸14と一体になって回転することができる。一方、第2係合部材62には、一体になって回転する同心の歯車63が固定されている。その歯車63は、オイルポンプ51の駆動軸16に固定された歯車64と噛み合い状態にある。その歯車64は、駆動軸16と一体になって回転することができる。
また、オイルポンプモータ52とオイルポンプ51との間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。第2ワンウェイクラッチF2は、第1係合部材71と第2係合部材72とを備える。第1係合部材71は、オイルポンプモータ52の回転軸17に固定され、この回転軸17と一体になって回転することができる。一方、第2係合部材72には、一体になって回転する同心の歯車73が固定されている。その歯車73は、オイルポンプ51の駆動軸16に固定された歯車74と噛み合い状態にある。その歯車74は、駆動軸16と一体になって回転することができる。
ここで、オイルポンプ51からの吐出油圧が高い場合(作動油の供給先が多い場合や低温時で作動油の粘度が高い場合等)には、オイルポンプ51の必要駆動トルクが高くなるので、オイルポンプモータ52の体格を大きくする必要がある。これが為、その体格の大型化を抑えるべく、歯車73,74のギヤ比(減速比)を大きくすることが望ましい。
その第1及び第2のワンウェイクラッチF1,F2は、エンジン回転数Neとモータ回転数Nmopの内の回転数が高い方でオイルポンプ51を駆動させるものである。
このハイブリッドシステム2−1においては、図2に示すように、ENGECU91とMGECU92とを統括制御すると共にシステムの統合制御を行う統合ECU(以下、「HVECU」と云う。)90が設けられており、これらによって本システムの制御装置が構成される。
HVECU90には、車速センサ、アクセル開度センサ、エンジン回転数センサ(クランク角センサ)、MG1回転数センサ、MG2回転数センサ、出力軸回転数センサ、オイルポンプモータ用回転数センサが接続されている。このHVECU90は、その各種センサによって、車速、アクセル開度、エンジン回転数Ne、第1回転機MG1の回転数(MG1回転数Nmg1)、第2回転機MG2の回転数(MG2回転数Nmg2)、動力伝達装置1−1の出力軸(例えば差動装置30のリングギヤR2の回転軸)の回転数、オイルポンプモータ52の回転軸17の回転数(以下、「モータ回転数」と云う。)Nmopを取得する。また、このHVECU90には、MG1温度センサ、MG2温度センサ、インバータ温度センサ、電池温度センサ、油温センサ、バッテリセンサ(電流センサ)等の各種センサも接続されている。このHVECU90は、その各種センサによって、第1回転機MG1の温度(MG1温度)、第2回転機MG2の温度(MG2温度)、インバータ(図示略)の温度、二次電池の温度、動力伝達装置1−1の作動油の油温、二次電池のSOC(State of Charge)等を取得する。
HVECU90は、取得した情報に基づいて、ハイブリッド車両に対する要求駆動力、要求パワー、要求トルク等を算出する。このHVECU90は、例えば、算出した要求車両駆動力に基づいて、要求エンジントルク、要求MG1トルク及び要求MG2トルクを算出する。HVECU90は、エンジン指令値としての要求エンジントルクをENGECU91に送信してエンジンENGに出力させると共に、MG1指令値としての要求MG1トルク及びMG2指令値としての要求MG2トルクをMGECU92に送信して第1回転機MG1及び第2回転機MG2に出力させる。また、このHVECU90は、エンジン指令値としての要求エンジン回転数をENGECU91に送信してエンジン回転数Neを制御させると共に、MG1指令値としての要求MG1回転数及びMG2指令値としての要求MG2回転数をMGECU92に送信してMG1回転数Nmg1及びMG2回転数Nmg2を制御させる。尚、エンジン指令値については、オイルポンプ51の駆動分を考慮した値を決める。
また、このHVECU90は、後述する走行モード等に基づいてクラッチCL1とブレーキBK1の制御を行う。その際、HVECU90は、クラッチCL1に対する供給油圧の指令値(PbCL1)とブレーキBK1に対する供給油圧の指令値(PbBK1)を油圧調整装置に出力する。油圧調整装置は、各指令値PbCL1,PbBK1に応じた供給油圧の制御を行い、クラッチCL1とブレーキBK1を係合動作又は解放動作させる。
また、このHVECU90は、取得した情報に基づいて、オイルポンプ51からの作動油の必要吐出量に応じたオイルポンプモータ52の要求モータ回転数(モータ回転数指令値)を算出する。HVECU90は、その要求モータ回転数に基づいてオイルポンプモータ52を制御する。
このハイブリッドシステム2−1においては、電気自動車(EV)走行モードとハイブリッド(HV)走行モードとが設定されており、その何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させることができる。
EV走行モードとは、第1及び第2の回転機MG1,MG2の内の少なくとも1つの動力を駆動輪Wに伝える走行モードのことである。HV走行モードとは、エンジンENGの動力のみを駆動輪Wに伝える走行と、エンジンENGの動力に加えて第2回転機MG2の動力も駆動輪Wに伝える走行と、を行うことができる走行モードのことである。
図3には、その走行モード毎のハイブリッドシステム2−1の作動係合表を示している。その作動係合表のクラッチCL1の欄とブレーキBK1の欄において、丸印は係合状態を表し、空欄は解放状態を表している。また、三角印は、クラッチCL1が係合状態であればブレーキBK1が解放状態となり、クラッチCL1が解放状態であればブレーキBK1が係合状態となることを表している。この作動係合表の第1回転機MG1の欄と第2回転機MG2の欄において、「G」は発電機としての作動状態が主となることを表し、「M」は電動機としての作動状態が主となることを表している。
[EV走行モード]
EV走行モードは、第2回転機MG2のみを動力源とする単独モータEVモードと、第1及び第2の回転機MG1,MG2の双方を動力源とする両モータEVモードと、に分けられる。このハイブリッドシステム2−1においては、例えば、低負荷運転時に単独モータEVモードが選択され、これよりも高負荷運転が要求されると両モータEVモードが選択される。
[単独モータEVモード]
単独モータEVモードにおいて、SOCに基づき二次電池が充電可能な場合、HVECU90は、必ずしもエンジンブレーキによる電力消費を必要としないので、クラッチCL1とブレーキBK1を共に解放させる。これにより、変速装置20は、その遊星歯車機構がニュートラル状態となり、各回転要素が差動回転を行うことができる状態になる。この場合、HVECU90は、MGECU92に対して第2回転機MG2に正回転で要求車両駆動力に応じた正のMG2トルクを出力させることで、ハイブリッド車両に前進方向の車両駆動力を発生させる。正回転とは、前進時におけるMG2回転軸13や差動装置30のリングギヤR2の回転方向のことである。図4には、この前進時の共線図を示している。
ここで、この単独モータEVモード(エンジンブレーキ不要)での前進時には、カウンタドリブンギヤ42の回転に連動してリングギヤR2が正回転するので、差動装置30の差動回転に伴い第1回転機MG1で引き摺り損失を発生させる可能性がある。これが為、HVECU90は、第1回転機MG1を発電機として作動させることで、引き摺り損失の低減を図る。具体的に、HVECU90は、第1回転機MG1に僅かなトルクを掛けて発電させ、このMG1回転数を0回転にフィードバック制御することで、第1回転機MG1の引き摺り損失を低減させる。また、第1回転機MG1にトルクを掛けずとも当該第1回転機MG1を0回転に維持できるときは、第1回転機MG1にトルクを加えずに当該第1回転機MG1の引き摺り損失の低減を図ればよい。また、第1回転機MG1の引き摺り損失を低減する為には、この第1回転機MG1のコギングトルク又はd軸ロックを利用して、第1回転機MG1を0回転にしてもよい。d軸ロックとは、回転子を固定するような磁界を発生させる電流をインバータから第1回転機MG1に供給することで、この第1回転機MG1を0回転に制御することを云う。
また、この前進時には、キャリアC2と共に変速装置20のリングギヤR1も正回転する。その際、変速装置20は、クラッチCL1とブレーキBK1とを解放させたニュートラル状態になっているので、サンギヤS1が負回転で空転すると共にキャリアC1が停止し、エンジンENGを0回転のまま連れ回さない。従って、この前進時には、第1回転機MG1の回生量を大きく取ることができる。また、この前進時には、エンジンENGを停止させた状態での走行が可能になる。また、この前進時には、EV走行中のエンジンENGの回転に伴う引き摺り損失が発生しないので、燃費(電費)を向上させることができる。
尚、後進時には、二次電池の充電が可能であれば、クラッチCL1とブレーキBK1を共に解放させ、第2回転機MG2に負回転で要求車両駆動力に応じた負のMG2トルクを出力させることで、ハイブリッド車両に後進方向の駆動力を発生させる。その際にも、HVECU90は、前進時と同じようにして、第1回転機MG1の引き摺り損失を低減させる。
ここで、この単独モータEVモードにおいては、エンジンENGを停止させるので、オイルポンプモータ52の動力でオイルポンプ51を駆動させる。その際、HVECU90は、オイルポンプモータ52を制御して要求モータ回転数で回転させる。これにより、第2ワンウェイクラッチF2が係合状態となるので、オイルポンプ51においては、その要求モータ回転数と歯車73,74のギヤ比に応じた回転数で駆動軸16が回転し、作動油が吐出される。このときには、その駆動軸16と同じ回転数で歯車64が回転するので、歯車63と第2係合部材62が歯車63,64のギヤ比に応じた回転数で回転する。しかしながら、第1ワンウェイクラッチF1は、その第2係合部材62が第1係合部材61に係合せずに解放状態となる。従って、この作動油の供給時には、オイルポンプモータ52の動力でエンジンENGが連れ回されないので、作動油供給の為の電費や燃費の悪化を抑えることができる。
一方、この単独モータEVモードにおいて、SOCが所定値よりも大きく二次電池の充電が禁止される場合には、その二次電池を放電させるべく、上記の駆動時の状態でエンジンブレーキを併用すればよい。これが為、この場合には、図3に示すように、クラッチCL1とブレーキBK1の内の何れか一方だけを係合させることで、エンジンENGを連れ回し状態とし、エンジンブレーキを発生させる。その際、HVECU90は、第1回転機MG1の制御によりエンジン回転数Neを上昇させる。
ここで、このエンジンブレーキ併用時にも、オイルポンプモータ52は、要求モータ回転数で回転させる。但し、このエンジンブレーキ併用時にはエンジン回転数Neが0よりも高くなっているので、その要求モータ回転数は、エンジン回転数Neによって回転している第2係合部材72の回転数を上回る大きさであって、第1ワンウェイクラッチF1を解放させる大きさとする。これにより、この場合には、オイルポンプモータ52の動力によってオイルポンプ51を駆動させることとなる。
[両モータEVモード]
両モータEVモードにおいて、HVECU90は、クラッチCL1とブレーキBK1を共に係合させる。これにより、変速装置20においては、クラッチCL1の係合に伴い遊星歯車機構の差動回転が抑制され、且つ、ブレーキBK1の係合に伴いサンギヤS1の回転が抑制されるので、遊星歯車機構の全ての回転要素が停止する。これが為、エンジンENGは、その回転数が0になる。また、リングギヤR1が停止しているので、差動装置30においては、そのリングギヤR1に接続されているキャリアC2も停止し、このキャリアC2が0回転にロックされる。図5には、このときの共線図を示している。
HVECU90は、第1回転機MG1と第2回転機MG2とに要求車両駆動力に応じたMG1トルクTmg1とMG2トルクTmg2とを出力させる。ここで、このときのキャリアC2は、その回転が抑制されているので、MG1トルクTmg1に対する反力を取ることができる。従って、差動装置30においては、MG1トルクTmg1をリングギヤR2から出力させることができる。前進時には、第1回転機MG1に負回転で負のMG2トルクTmg2を出力させることで、リングギヤR2から正回転のトルクを出力させることができる。一方、後進時には、第1回転機MG1に正回転で正のMG2トルクTmg2を出力させることで、リングギヤR2から負回転のトルクを出力させることができる。
尚、後進時には、二次電池の充電が可能であれば、クラッチCL1とブレーキBK1を共に係合させ、変速装置20のキャリアC1を固定することによって、第1回転機MG1と第2回転機MG2の双方の動力で走行させてもよい。
この両モータEVモードにおいては、単独モータEVモードのときと同じ様に、オイルポンプモータ52の動力でオイルポンプ51を駆動して、作動油の供給を行う。
[HV走行モード]
HV走行モードにおいては、第1回転機MG1で反力を取りながらエンジントルクTeのみ又はエンジントルクTeとMG2トルクTmg2とを駆動軸47に伝えて走行する。その際に駆動軸47に伝達されるエンジントルクTeは、所謂エンジン直達トルクと云われるものであり、電気パスを介することなくエンジンENGから駆動軸47に機械的に伝達される。このHV走行モードは、変速装置20が高速段に切り替えられた走行モード(以下、「HVハイモード」と云う。)と、変速装置20が低速段に切り替えられた走行モード(以下、「HVローモード」と云う。)と、に分けられる。この例示のハイブリッドシステム2−1においては、高車速走行時に動力循環の低減が可能なHVハイモードを選択させ、これよりも中低車速で走行しているときにHVローモードを選択させる。図6には、HVハイモードにおける共線図を示している。また、図7には、HVローモードにおける共線図を示している。このHV走行モードでは、基本的に差動装置30が差動回転を行える状態にあり、クラッチCL1とブレーキBK1の状態(係合状態又は解放状態)を制御することで変速装置20の変速段の切り替えが行われる。
HVハイモードにおいて、HVECU90は、クラッチCL1を解放させると共にブレーキBK1を係合させることで、変速装置20を高速段に切り替え、エンジンENGの回転が増速して出力されるように制御する。一方、HVローモードにおいて、HVECU90は、クラッチCL1を係合させると共にブレーキBK1を解放させることで、変速装置20を低速段に切り替え、エンジンENGの回転が等速のまま出力されるように制御する。
後進時には、HVローモードを使う。この後進時には、第1回転機MG1を発電機、第2回転機MG2を電動機として動作させ、この第2回転機MG2を前進時とは逆向きに回転させる。
このHV走行モードにおいては、エンジンENGの動力でオイルポンプ51を駆動して、作動油の供給を行う。
HVECU90は、そのHVハイモードとHVローモードの切り替えを行う際に、変速装置20と差動装置30とを同時に変速させる協調変速制御を実行する。その協調変速制御においては、変速装置20と差動装置30の内の何れか一方の変速比を増加させ、他方の変速比を減少させる。
具体的に、HVECU90は、HVハイモードからHVローモードに切り替える場合、切り替え過程におけるシステム変速比が一定に保たれるように、変速装置20の低速段への変速に同期させて差動装置30の変速比をハイギヤ側に変化させる。これに対して、HVECU90は、HVローモードからHVハイモードに切り替える場合、切り替え過程におけるシステム変速比が一定に保たれるように、変速装置20の高速段への変速に同期させて差動装置30の変速比をローギヤ側に変化させる。この様に、このハイブリッドシステム2−1においては、システム変速比の不連続な変化が抑制又は低減されるので、変速に伴うエンジン回転数Neの調節量が減少され、又は変速に伴うエンジン回転数Neの調節が不要になる。
HVECU90は、HVローモードへの切り替え後、例えば差動装置30の変速比制御によってシステム変速比をローギヤ側へと連続的に変化させる。一方、HVECU90は、HVハイモードへの切り替え後、例えば差動装置30の変速比制御によってシステム変速比をハイギヤ側へと連続的に変化させる。その差動装置30の変速比制御は、例えば、第1回転機MG1や第2回転機MG2の回転数の制御によって行う。このハイブリッドシステム2−1においては、変速装置20と差動装置30と第1回転機MG1とクラッチCL1とブレーキBK1とでシステム全体における変速システムが構成される。これが為、これらの構成は、第1回転機MG1の回転を電気的に制御することで、システム変速比が連続的に変化させられる電気的無段変速機として動作させることができる。
ところで、オイルポンプモータ52は、エンジン回転数Neだけでのオイルポンプ51の駆動中に、エンジン回転数Neによって第2ワンウェイクラッチF2を介して連れ回されてしまった場合、モータ回転数Nmopが許容回転数を超えてしまう虞がある。その許容回転数とは、オイルポンプモータ52を過回転によって故障させない為の上限の回転数である。また、エンジン回転数Neによってオイルポンプモータ52が連れ回されてしまう場合とは、第2ワンウェイクラッチF2が第1係合部材71の回転に伴って第2係合部材72を連れ回してしまう場合のことである。具体的には、例えば、その第1係合部材71と第2係合部材72との間に供給される作動油の補充時に、設計上の許容限度を超えた高粘度の作動油が誤って供給されてしまった場合が考えられる。この場合には、第1係合部材71が回転することで、その高粘度の作動油を介して第2係合部材72を連れ回してしまう可能性がある。また、別の例としては、第2ワンウェイクラッチF2が係合状態から解放できなくなってしまった場合、例えば第1係合部材71と第2係合部材72との間に微細なゴミ(所謂コンタミネーション)が噛み込まれてしまい、第2ワンウェイクラッチF2を解放させることができなくなった場合が考えられる。
そのオイルポンプモータ52は、少なくとも必要吐出量の作動油が吐出できるようにオイルポンプ51を駆動させればよいものである。これが為、システム変速比と歯車63,64のギヤ比と歯車73,74のギヤ比にも依るが、このオイルポンプモータ52は、エンジン回転数Neがアイドル回転数等の様な低回転であるならまだしも、エンジン回転数Neが中回転や高回転等の様に上昇し、第2ワンウェイクラッチF2が第1係合部材71の回転に伴って第2係合部材72を連れ回してしまうと、モータ回転数Nmopが許容回転数を超えてしまう可能性がある。
そこで、この動力伝達装置1−1とハイブリッドシステム2−1においては、エンジン回転数Neによって停止中のオイルポンプモータ52が連れ回されてしまう(つまりエンジン回転数Neによって停止中のオイルポンプモータ52が駆動させられてしまう)場合、そのエンジン回転数Neを低下させることによって、オイルポンプモータ52が連れ回されないように又はオイルポンプモータ52のモータ回転数Nmopを低下させるように制御する。オイルポンプモータ52が連れ回されているのか否かは、オイルポンプモータ用回転数センサの検出値(つまりモータ回転数Nmop)が0よりも大きくなっているのか否かによって判断することができる。この制御は、エンジン回転数Neが0よりも大きくなっているときに実施する。従って、この例示では、エンジンENGの動力を用いて走行するHV走行モードにおいて実施される。
例えば、エンジントルクを利用したHVローモード(図7)での走行中には、図8に示す様に、HVハイモード(図6)に切り替えて変速させることで、駆動輪Wの駆動力変動を抑えた状態でエンジン回転数Neを低下させ、オイルポンプモータ52のモータ回転数Nmopを低下させることができる。これが為、エンジン回転数Neによるオイルポンプモータ52の連れ回しを抑制するには、走行モードの切り替え(つまり変速調整装置21による変速装置20の変速)によってエンジン回転数Neの低下を図ってもよい。しかしながら、その切り替えには、係合状態のクラッチCL1を解放させると共に、解放状態のブレーキBK1を係合させる必要がある。従って、このときには、クラッチCL1やブレーキBK1に対する供給油圧の増減に応答遅れがあるので、その走行モードの切り替えの指令を行ってから切り替えが終わるまでに時間を要してしまい、素早くエンジン回転数Neを低下させることが難しい。
本実施例においては、その点を鑑みた上で、それよりも素早くエンジン回転数Neを低下させることができるように構成する。具体的には、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御し、差動装置30を変速させることによって、エンジン回転数Neを素早く低下させる。ここで、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御するとは、MG1回転数Nmg1が正回転であれば当該MG1回転数Nmg1を正回転のまま低下させることであり、MG1回転数Nmg1が0であれば負回転にさせることであり、MG1回転数Nmg1が負回転であれば当該MG1回転数Nmg1を負回転のまま上昇させることである。このMG1回転数Nmg1の負回転方向への制御を行う際には、リングギヤR2の回転数を変動させないようにすることが望ましい。例えば、エンジントルクを利用したHVローモードでの走行中には、図9に示す様に、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御することで、エンジン回転数Neを素早く低下させることができる。また、エンジントルクを利用したHVハイモードでの走行中には、図10に示す様に、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御することで、エンジン回転数Neを素早く低下させることができる。
ここで、素早くエンジン回転数Neを低下させる為には、このMG1回転数制御による差動装置30の変速と共に、上述した変速調整装置21による変速装置20の変速を併用してもよい。しかしながら、その夫々の変速は応答性が異なるので、この夫々の変速を同時に開始した場合には、大きなショックを発生させてしまう虞がある。これが為、本実施例では、エンジン回転数Neによって停止中のオイルポンプモータ52が連れ回されてしまう場合、そのMG1回転数制御による差動装置30の変速を実行する一方、変速調整装置21による変速装置20の変速を抑制する。
以下に、その際の演算処理動作について図11のフローチャートに基づいて説明する。
HVECU90は、エンジン回転数Neが0を上回っているのか否かを判定する(ステップST1)。つまり、このステップST1では、エンジンENGが作動しているのか否かが判定される。
HVECU90は、エンジン回転数Neが0を上回っていなければ、つまりエンジンENGが停止していれば、この演算処理を一旦終わらせる。
ここで、HV走行モードでの走行中には、オイルポンプ51を作動させる為にオイルポンプモータ52を駆動させていることがある。そして、オイルポンプモータ52の駆動中は、オイルポンプ51がエンジン回転数Neによって連れ回される可能性が低い。これが為、HVECU90は、エンジン回転数Neが0を上回っている場合、オイルポンプモータ52がオイルポンプ51を作動させる為の駆動中であるのか否かを判定する(ステップST2)。従って、オイルポンプモータ52が駆動中の場合、HVECU90は、この演算処理を一旦終わらせる。
HVECU90は、オイルポンプモータ52が駆動中でない場合、このオイルポンプモータ52のモータ回転数Nmopが所定回転数N1を超えているのか否かを判定する(ステップST3)。その所定回転数N1は、このステップST3でオイルポンプモータ52がエンジン回転数Neによって連れ回されているのか否かを判定するだけならば、0に予め設定しておけばよい。しかしながら、エンジン回転数Neによって停止中のオイルポンプモータ52が連れ回されてしまうからといって、必ずしもMG1回転数Nmg1を負回転方向に制御して、オイルポンプモータ52のモータ回転数Nmopを低下させる必要はない。何故ならば、オイルポンプモータ52が連れ回されたとしても、そのモータ回転数Nmopが必ずしも許容回転数を超えるとは限らないからである。従って、HVECU90には、モータ回転数Nmopが許容回転数を超えたときに、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御させてもよい。従って、この場合には、所定回転数N1をオイルポンプモータ52の許容回転数に予め設定しておけばよい。但し、実際には、幾らエンジン回転数Neを素早く低下させることができるからと云って、モータ回転数Nmopが所定回転数N1(許容回転数)を超えたと判定してからエンジン回転数Ne(つまりモータ回転数Nmop)が低下するまでに時間を要する。これが為、この場合の所定回転数N1は、その回転数低下までの応答時間を考慮して、その応答時間の間におけるモータ回転数Nmopの上昇分を少なくとも許容回転数から減らした回転数に設定することが望ましい。
HVECU90は、モータ回転数Nmopが所定回転数N1を超えていなければ、その所定回転数N1が0であっても許容回転数であっても、オイルポンプモータ52の状態を設計上における耐久性等の許容範囲内に置くことができるので、この演算処理を一旦終わらせる。
一方、HVECU90は、モータ回転数Nmopが所定回転数N1を超えている場合、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御して、エンジン回転数Neの低下制御を実行する(ステップST4)。これにより、オイルポンプモータ52は、そのエンジン回転数Neによる連れ回りが回避される又はモータ回転数Nmopが低下する。
ここで、図12には、エンジントルクTeとMG2トルクTmg2とを利用したHV走行モードでの走行中であって、モータ回転数Nmopが所定回転数N1(ここでは許容回転数から上記の応答時間の間の回転数上昇分を減らした回転数)を超えたときのタイムチャートを示している。尚、ここでは、既にステップST2において、オイルポンプモータ52がオイルポンプ51を作動させる為の駆動中ではないと判定されている。
この例示では、そのHV走行モードでの定速走行中(エンジントルクTeとエンジン回転数NeとMG2トルクTmg2とMG2回転数Nmg2とが各々一定)に、正の一定のMG1回転数Nmg1で負の一定のMG1トルクTmg1を発生させながら、第1回転機MG1で反力を取っている。この定速走行中には、そのエンジン回転数Neによってオイルポンプ51から一定の吐出油圧で作動油が吐出されている。その際、オイルポンプモータ52は、HVECU90が駆動指令を出していないにも拘わらず、モータ回転数Nmopが上昇している。
そのモータ回転数Nmopは上昇し続けており、HVECU90は、ステップST3でモータ回転数Nmopが所定回転数N1を超えたと判定する(T1)。しかる後、HVECU90は、ステップST4でエンジン回転数Neの低下制御を指令して、MG1回転数制御による差動装置30の変速制御を開始させる(T2)。従って、この動力伝達装置1−1とハイブリッドシステム2−1では、実際に変速が開始すると(T3)、MG1回転数Nmg1の負回転方向への制御に伴いエンジン回転数Neが低下し、これに連れてモータ回転数Nmopが低下する。
その際、オイルポンプ51においては、エンジン回転数Neが低下しているので、吐出油圧が低下する。これが為、HVハイモードでの走行中の場合には、完全係合状態にあるブレーキBK1の係合圧が低下し、このブレーキBK1が半係合状態となって滑り始める可能性がある。従って、HVECU90には、ブレーキBK1を完全係合状態に維持させるべく、エンジントルクTeを減少させる。一方、そのエンジントルクTeの減少は、動力伝達装置1−1の出力軸や駆動輪Wにおいてトルク変動を引き起こす。HVECU90には、そのトルク変動を抑制すべく、エンジントルクTeを減少させると共に、その減少分をMG2トルクTmg2で補償させる。つまり、HVECU90は、正のMG2トルクTmg2をエンジントルクTeの減少分だけ増加させる。更に、このHVECU90は、変速動作の開始と共に負のMG1トルクTmg1を増加させる。
尚、エンジン回転数Neの低下量は、吐出油圧の低下に伴う作動油の供給不足によって潤滑性能や冷却性能の低下を引き起こさないように決めることが望ましい。
この例示では、モータ回転数Nmopが所定回転数N2(<N1)まで低下したときに変速動作を終了させて(T4)、変速制御を終わらせる(T5)。ここでは、そのときのMG1回転数Nmg1を維持するので、このときのMG1回転数Nmg1に応じたエンジン回転数Neとモータ回転数Nmopが維持される。その際には、変速動作終了時のエンジントルクTeを維持する一方で、MG2トルクTmg2による上記の補償分を減少させると共に負のMG1トルクTmg1を減少させる。そのMG2トルクTmg2は、動力伝達装置1−1の出力軸や駆動輪Wでのトルク変動を抑えるべく徐々に減少させている。また、その減少後のMG1トルクTmg1は、エンジントルクTeが減少したままなので、反力の小さくなった分だけ変速前よりも小さくなっている。この動力伝達装置1−1とハイブリッドシステム2−1においては、その変速動作を終了させた後、伝達効率の良いシステム変速比に制御することで、オイルポンプモータ52を保護しつつ、電費及び燃費を向上させる。
以上示した様に、この動力伝達装置1−1とハイブリッドシステム2−1においては、エンジン回転数Neによって停止中のオイルポンプモータ52が連れ回されてしまう(エンジン回転数Neによって停止中のオイルポンプモータ52が駆動させられてしまう)場合、変速調整装置21による変速装置20の変速を抑制させると共に、MG1回転数Nmg1を負回転方向に制御して、差動装置30を変速させる。これが為、この動力伝達装置1−1とハイブリッドシステム2−1においては、大きなショックの発生を抑えつつ、エンジン回転数Neを素早く低下させることができるので、オイルポンプモータ52の連れ回りを素早く回避することができる又は当該オイルポンプモータ52のモータ回転数Nmopを素早く低下させることができる。従って、この動力伝達装置1−1とハイブリッドシステム2−1は、オイルポンプモータ52の耐久性の低下を抑えることができる。
ここで、本実施例では、モータ回転数Nmopを低下させる変速動作の際に、変速調整装置21による変速装置20の変速を抑制しているが、例えばモータ回転数Nmopが所定回転数N2よりも高回転のときにMG1回転数Nmg1が過回転となる虞がある場合、その変速調整装置21による変速装置20の変速も併用して、モータ回転数Nmopを所定回転数N2まで低下させることが望ましい。
[変形例]
ところで、実施例の図11のフローチャート等で説明した制御は、図1の構成のみならず、本変形例における下記の図13の構成からなる動力伝達装置1−2とハイブリッドシステム2−2に適用してもよい。以下に、その構成について説明する。
そのハイブリッドシステム2−2は、図1の構成と同じ様に、エンジンENGと第1回転機MG1と第2回転機MG2とを動力源として備える。
このハイブリッドシステム2−2は、エンジン回転軸111とMG1回転軸112とMG2回転軸113を同心に配置した単軸式のものである。動力伝達装置1−2は、その各動力源の相互間における動力伝達を可能にする差動装置120と、夫々の動力源と駆動輪Wとの間での動力伝達を可能にする変速装置130と、を備える。
差動装置120は、差動回転が可能な複数の回転要素からなる遊星歯車機構を備える。その遊星歯車機構としては、シングルピニオン型のもの、ダブルピニオン型のもの、ラビニヨ型のもの等を適用可能である。この例示の差動装置120は、シングルピニオン型の遊星歯車機構を1つ備えた差動装置であり、その回転要素としてのサンギヤSとリングギヤRと複数のピニオンギヤPとキャリアCとを有する。この差動装置120においては、キャリアCとサンギヤSとリングギヤRとが各々エンジンENGと第1回転機MG1と第2回転機MG2とに接続される。キャリアCは、エンジン回転軸111と一体になって回転できるように当該エンジン回転軸111に対して連結されている。サンギヤSは、MG1回転軸112と一体になって回転できるように当該MG1回転軸112に対して連結されている。リングギヤRは、MG2回転軸113と一体になって回転できるように当該MG2回転軸113に対して連結されている。この差動装置120においては、そのリングギヤRがMG2回転軸113を介して変速装置130に連結されている。
この構成においては、エンジンENGと当該エンジンENGの連結される回転要素(キャリアC)との間に第1ワンウェイクラッチF1が配置されている。第1ワンウェイクラッチF1は、第1係合部材161と第2係合部材162とを備える。第1係合部材161は、エンジン回転軸111若しくはキャリアCの回転軸(キャリア軸)114の内の何れか一方又はエンジン回転軸111とキャリア軸114との連結部分に固定され、エンジン回転軸111やキャリア軸114と一体になって回転することができる。一方、第2係合部材162には、一体になって回転する同心の歯車163が固定されている。その歯車163は、オイルポンプ151の駆動軸115に固定された歯車164と噛み合い状態にある。その歯車164は、駆動軸115と一体になって回転することができる。この第1ワンウェイクラッチF1は、エンジンENGが作動しているときに係合状態となる。従って、第1ワンウェイクラッチF1が係合状態のときには、エンジン回転数Neによってオイルポンプ151が駆動する。
そのオイルポンプ151は、オイルポンプモータ152によっても駆動することができる。このオイルポンプ151とオイルポンプモータ152との間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。第2ワンウェイクラッチF2は、第1係合部材171と第2係合部材172とを備える。第1係合部材171は、オイルポンプモータ152の回転軸116に固定され、この回転軸116と一体になって回転することができる。一方、第2係合部材172には、一体になって回転する同心の歯車173が固定されている。その歯車173は、オイルポンプ151の駆動軸115に固定された歯車174と噛み合い状態にある。その歯車174は、駆動軸115と一体になって回転することができる。この第2ワンウェイクラッチF2は、オイルポンプモータ152を駆動させているときに係合状態となる。従って、第2ワンウェイクラッチF2が係合状態のときには、オイルポンプモータ152のモータ回転数Nmopによってオイルポンプ151が駆動する。
その第1及び第2のワンウェイクラッチF1,F2は、エンジン回転数Neとモータ回転数Nmopの内の回転数が高い方でオイルポンプ151を駆動させるものである。
HV走行モードにおいては、エンジンENGが作動しているので、エンジン回転数Neによってオイルポンプ151を駆動して、作動油の供給を行う。その際、第2ワンウェイクラッチF2は、解放状態となる。尚、この構成のHV走行モードは、エンジントルクTeのみによる走行と、エンジントルクTeとMG2トルクTmg2を併用した走行と、を行うことができる。
MG2トルクTmg2だけを用いたEV走行モードにおいては、オイルポンプモータ152を制御して要求モータ回転数で回転させる。ここで、このEV走行モードでは、MG2回転数Nmg2によってエンジンENGが連れ回される。これが為、その要求モータ回転数は、エンジン回転数Neによって回転している第2係合部材172の回転数を上回る大きさであって、第1ワンウェイクラッチF1を解放させる大きさとする。これにより、この場合には、オイルポンプモータ152の動力によってオイルポンプ151を駆動させることとなる。
変速装置130は、複数の変速段を有する多段変速装置である。この例示では、第1及び第2の差動機構131,132と変速調整機構133とによって、前進4段と後進1段の変速装置130が構成される。
第1及び第2の差動機構131,132は、その各々が差動回転の可能な複数の回転要素からなる遊星歯車機構である。その遊星歯車機構としては、シングルピニオン型のもの、ダブルピニオン型のもの、ラビニヨ型のもの等を適用可能である。この例示の第1差動機構131は、サンギヤS1とリングギヤR1と複数のピニオンギヤP1とキャリアC1とを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構である。これと同じ様に、第2差動機構132は、サンギヤS2とリングギヤR2と複数のピニオンギヤP2とキャリアC2とを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
この第1差動機構131と第2差動機構132との間においては、リングギヤR1とキャリアC2とが一体になって回転するよう連結され、且つ、キャリアC1とリングギヤR2とが一体になって回転するよう連結されている。そして、第2差動機構132のキャリアC2は、自らのキャリア軸117を介して駆動輪W側に連結されている。
変速調整機構133は、第1から第3のクラッチCL1,CL2,CL3と、第1及び第2のブレーキBK1,BK2と、1つのワンウェイクラッチ(第3ワンウェイクラッチF3)と、を備える。
第1から第3のクラッチCL1,CL2,CL3は、例えば、摩擦係合式の所謂摩擦クラッチ装置又は噛み合い式のクラッチ装置として構成されたものであり、油圧駆動又は電動によって係合動作又は解放動作を行う。ここで例示する第1から第3のクラッチCL1,CL2,CL3は、油圧調整装置(図示略)が調整した供給油圧によって動作する。
第1クラッチCL1は、差動装置120のリングギヤR(MG2回転軸113)と一体になって回転する第1係合部材と、第2差動機構132のサンギヤS2と一体になって回転する第2係合部材と、を備える。第2クラッチCL2は、差動装置120のリングギヤR(MG2回転軸113)と一体になって回転する第1係合部材と、第1差動機構131のキャリアC1と一体になって回転する第2係合部材と、を備える。第3クラッチCL3は、差動装置120のリングギヤR(MG2回転軸113)と一体になって回転する第1係合部材と、第1差動機構131のサンギヤS1と一体になって回転する第2係合部材と、を備える。
第1及び第2のブレーキBK1,BK2は、第1から第3のクラッチCL1,CL2,CL3と同じように、摩擦係合式のもの又は噛み合い式のものとして構成されたものであり、油圧駆動又は電動によって係合動作又は解放動作を行う。ここで例示する第1及び第2のブレーキBK1,BK2は、油圧調整装置(図示略)が調整した供給油圧によって動作する。
第1ブレーキBK1は、第1差動機構131のサンギヤS1及び第3クラッチCL3の第2係合部材と一体になって回転する第1係合部材と、車体側(例えば動力伝達装置1−2のケース等)に固定した第2係合部材と、を有する。つまり、この第1ブレーキBK1は、サンギヤS1の回転を規制するブレーキ装置として設けられている。第2ブレーキBK2は、第1差動機構131のキャリアC1及び第2差動機構132のリングギヤR2と一体になって回転する第1係合部材と、車体側に固定した第2係合部材と、を有する。つまり、この第2ブレーキBK2は、キャリアC1とリングギヤR2の回転を規制するブレーキ装置として設けられている。
第3ワンウェイクラッチF3は、第1差動機構131のキャリアC1及び第2差動機構132のリングギヤR2と一体になって回転する第1係合部材と、車体側に固定した第2係合部材と、を有する。
図14には、この変速装置130における変速段毎の作動係合表を示している。この作動係合表において、丸印は係合状態を表し、空欄は解放状態を表している。
変速装置130を1速(1st)に変速させる場合には、第1クラッチCL1を係合させる。その際には、エンジントルクTeとMG2トルクTmg2の内の少なくとも1つがサンギヤS2に伝達されると、リングギヤR2が回転して第3ワンウェイクラッチF3を係合させる。これが為、リングギヤR2は、その回転が止められることになる。尚、この場合の第2ブレーキBK2は、第3ワンウェイクラッチF3でリングギヤR2の回転停止状態を保持できなければ係合状態とし、第3ワンウェイクラッチF3でリングギヤR2の回転停止状態を保持できれば解放状態とする。
変速装置130を2速(2nd)に変速させる場合には、第1クラッチCL1と第1ブレーキBK1を係合させる。変速装置130を3速(3rd)に変速させる場合には、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2を係合させる。変速装置130を4速(4th)に変速させる場合には、第2クラッチCL2と第1ブレーキBK1を係合させる。変速装置130を後進の変速段(R)に変速させる場合には、第3クラッチCL3と第2ブレーキBK2を係合させる。尚、変速装置130をニュートラル状態(N)にする場合は、第1から第3のクラッチCL1,CL2,CL3と第1及び第2のブレーキBK1,BK2を全て解放させる。
この構成の動力伝達装置1−2とハイブリッドシステム2−2においても、実施例の構成と同じ様に、エンジン回転数Neだけでのオイルポンプ151の駆動中に、そのエンジン回転数Neによってオイルポンプモータ152が第2ワンウェイクラッチF2を介して連れ回されてしまう可能性を完全に排除することが難しい。従って、この動力伝達装置1−2とハイブリッドシステム2−2においても、実施例の図11のフローチャート等で説明した制御を同じ様に実施することで、その実施例の構成のものと同様の効果を得ることができる。
ところで、前述した実施例及び変形例では、エンジンENGとオイルポンプ51,151との間に第1ワンウェイクラッチF1を配置し、オイルポンプモータ52,152とオイルポンプ51,151との間に第2ワンウェイクラッチF2を配置している。但し、その夫々の間に介在させる係合装置(クラッチ)は、必ずしもワンウェイクラッチに限定する必要はなく、例えば湿式の摩擦クラッチに置き換えることも可能である。
また、前述した実施例では2段の変速段の変速装置20を例示したが、その変速装置20は、3段以上の変速段を有するものであってもよい。また、その変速装置20や変形例の変速装置130では有段変速機を例示したが、変速装置20や変速装置130は、無段変速機であってもよい。また、変速装置20や変速装置130は、有段変速機の場合、例えば、複数の遊星歯車機構の組み合わせと係合装置(ブレーキやクラッチ)により複数の変速段が構成されるものであってもよく、所謂一般的な有段の自動変速機であってもよい。一方、無段変速機の場合には、例えば、ベルト式のものでもよく、ボールプラネタリ式のものでもよい。
また、前述した実施例及び変形例の制御は、外部電源による充電が可能なプラグインハイブリッド車両に適用してもよい。
1−1,1−2 動力伝達装置
2−1,2−2 ハイブリッドシステム
11,111 エンジン回転軸
12,112 MG1回転軸
13,113 MG2回転軸
14 回転中心軸
16,115 駆動軸
17,116 回転軸
20,130 変速装置
21 変速調整装置
30,120 差動装置
51,151 オイルポンプ
52,152 オイルポンプモータ
90 HVECU(統合ECU)
91 ENGECU
92 MGECU
131 第1差動機構
132 第2差動機構
133 変速調整機構
BK1,BK2 ブレーキ
CL1,CL2,CL3 クラッチ
C,C1,C2 キャリア
ENG エンジン(機関)
F1 第1ワンウェイクラッチ
F2 第2ワンウェイクラッチ
F3 第3ワンウェイクラッチ
MG1 第1回転機
MG2 第2回転機
P,P1、P2 ピニオンギヤ
R,R1,R2 リングギヤ
S,S1,S2 サンギヤ
W 駆動輪

Claims (5)

  1. 有段又は無段の変速装置と、
    相互間での差動回転が可能な3つの回転要素を有し、該各回転要素の内の1つに前記変速装置が連結されると共に残りの2つの回転要素の内の1つに第1回転機の回転軸が連結され、該第1回転機の回転軸が連結される回転要素以外の2つの回転要素に機関の回転軸と第2回転機の回転軸とが夫々連結される差動装置と、
    前記機関又はオイルポンプモータの内の一方の回転で駆動するオイルポンプと、
    前記変速装置の変速制御と前記第1回転機の制御による前記差動装置の制御とを実行可能な制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記機関の回転による前記オイルポンプの駆動時に前記オイルポンプモータが連れ回される場合、前記変速装置の変速制御を抑制すると共に、前記第1回転機の制御による前記差動装置を介した前記機関の回転数の低下制御を実行することを特徴としたハイブリッド車両の動力伝達装置。
  2. 前記機関の回転数の低下制御は、前記第1回転機を負回転方向に制御することで実行することを特徴とした請求項1記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  3. 前記差動装置は、3つの前記回転要素としてのサンギヤとリングギヤとキャリアとを有するものであり、前記サンギヤに前記第1回転機の回転軸を連結し、前記リングギヤに前記第2回転機の回転軸と駆動輪とを連結し、前記キャリアに前記変速装置と前記機関の回転軸とを連結することを特徴とした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  4. 前記差動装置は、3つの前記回転要素としてのサンギヤとリングギヤとキャリアとを有するものであり、前記サンギヤに前記第1回転機の回転軸を連結し、前記リングギヤに前記第2回転機の回転軸と前記変速装置と駆動輪とを連結し、前記キャリアに前記機関の回転軸を連結することを特徴とした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  5. 機関と、
    第1回転機と、
    第2回転機と、
    有段又は無段の変速装置と、
    相互間での差動回転が可能な3つの回転要素を有し、該各回転要素の内の1つに前記変速装置が連結されると共に残りの2つの回転要素の内の1つに前記第1回転機の回転軸が連結され、該第1回転機の回転軸が連結される回転要素以外の2つの回転要素に前記機関の回転軸と前記第2回転機の回転軸とが夫々連結される差動装置と、
    前記機関又はオイルポンプモータの内の一方の回転で駆動するオイルポンプと、
    前記変速装置の変速制御と前記第1回転機の制御による前記差動装置の制御とを実行可能な制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記機関の回転による前記オイルポンプの駆動時に前記オイルポンプモータが連れ回される場合、前記変速装置の変速制御を抑制すると共に、前記第1回転機の制御による前記差動装置を介した前記機関の回転数の低下制御を実行することを特徴としたハイブリッドシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108312836A (zh) * 2017-10-24 2018-07-24 广西玉柴机器股份有限公司 带跛行回家模块的混合动力总成系统
CN108790774A (zh) * 2018-07-12 2018-11-13 杭州休伦科技有限公司 基于单行星排的多模式混合动力系统及其控制方法
JP2019055710A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

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