JP5837840B2 - 食品用ラップフィルムの収納箱 - Google Patents
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Description
また、上記切断誘導用ガイド部は、歯無しに形成されているものである。
図1に示すように、本発明の食品用ラップフィルムの収納箱は、細長直方体形状の箱本体1にロール状に巻回された食品用ラップフィルムRを引出し可能に収納し、箱本体1に開閉自在に設けられた蓋体3を有する食品用ラップフィルムの収納箱に於て、蓋体3の長手方向の両端部3A,3Aに、食品用ラップフィルムRの切断を開始させるための短寸帯板状切断刃2,2を配設し、かつ、蓋体3の長手方向の中間部3Bに、箱本体1の長手方向に沿った直線状切断誘導用ガイド部13を設けている。
箱本体1は、例えば、紙製や樹脂製であって、食品用ラップフィルムRを円筒状の巻芯に巻き付けた状態で保持している。箱本体1は、収納する食品用ラップフィルムRの幅、巻回長さ及び巻芯の大きさ等により適宜設計変更が可能である。切断刃2,2は、カシメピンでカシメ足を作り、蓋体3の両端部3A,3Aにカシメられて取付けられている。蓋体3は、切断刃2,2の配設位置近傍に、押え位置表示マークZ,Zを有している。このように、全体の左右方向端部に押え位置表示マークZ,Zを配設することが望ましい(後述の図12参照)。なお、左右方向の中央部に、この押え位置表示マークZ,Zを設ける場合もあり得る。短寸帯板状の切断刃2,2は、その長さ寸法L2が、箱本体1の長手方向の全長寸法L1の5%〜20%に設定されている。より望ましくは、10%〜15%とする。
四角歯4は、切断刃2の長手方向に沿って形成された先端縁部4Aと、側縁部4B,4Bとを、有し、切断刃2の長手方向に所定の長さ寸法Tを有している。四角歯4の先端縁部4A…は、切断刃2の長手方向に沿って仮想の一直線上に配設されている。この仮想の一直線を、刃先線E2とし、図中2点鎖線にて示す。図例では、刃先線E2は、蓋体3の両端部3A,3Aの先端縁に平行に配設されている。隣接する四角歯4,4は、所定幅寸法Wの間隔8をもって離間して並べられている。なお、本発明に於て、四角歯とは、正方形乃至平行四辺形状の歯型片を含み、四つ角が直角でない四角形も包含するものとする。
蓋体3は、両端部3A,3Aの先端縁が外端下傾状となるように形成されており、この両端部3A,3Aの先端縁に切断刃2,2が平行状に配設されることで、歯列部6が所定の傾斜角度θをもって傾斜している。つまり、切断刃2,2の歯列部6,6と切断誘導用ガイド部13は、全体として浅い凹状に形成されている。なお、傾斜角度θは、5°〜30°、好ましくは、10°〜20°に設定する。鋭角φと歯列部6の傾斜角度θの関係は、φ=90°−θで表わされる。
角部5の曲率半径R5が、0.02mm未満であると、加工が難しくなり、また、角部5の曲率半径R5が、0.06mmを越えると、食品用ラップフィルムRを突き破りにくくなり、切れ味が悪くなる。なお、より好ましくは、角部5の曲率半径R5を、0.025mm〜0.029mmに設定するのが望ましい。
図8(a)に於て、蓋体3の長手方向の中間部3Bに、切断誘導用ガイド部13を設け、蓋体3の両端部3A,3Aの切断刃2,2は、切断誘導用ガイド部13に対して、歯列部6が平行状に配設されている。図8(b)に示す歯列部6では、四角歯4の2つの角部5,5が、略直角状に形成されている。図8では、2つの角部5,5が、曲率半径R5を、0.02mm≦R5≦0.06mmに設定しているのが望ましい。その他の構成は、上述の第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図9の食品用ラップフィルムの収納箱は、蓋体3の長手方向の両端部3A,3Aに、食品用ラップフィルムRの切断を開始させるための短寸帯板状切断刃2,2を配設し、かつ、蓋体3の長手方向の中間部3Bに、箱本体1の長手方向に沿った直線状切断誘導用ガイド部13を設け、切断刃2,2は、切断誘導用ガイド部13に対して、歯列部6が所定の傾斜角度θをもって外端下傾状となるように配設されている点で、上述の第1実施形態と同様である。なお、図示省略するが、歯列部6に於て、四角歯4の2つの角部5,5のうちの外側の角部5Aが、傾斜角度θに対応して、鋭角φを成すように形成されている。
図9では、蓋体3の長手方向の中間部3Bに、切断誘導用ガイド部13に沿って帯板状案内補強部材7を配設している。案内補強部材7は、両端部に切断刃2,2が一体に連結されている。切断刃2,2の歯列部6,6と案内補強部材7は、全体として浅い凹状に形成されている。この構成により、切断誘導用ガイド部13の剛性が向上し、確実に食品用ラップフィルムを切断することができる。
また、四角歯4の長さ寸法Tは、0.2mm以上で、かつ、0.7mm以下に設定するのが望ましい。仮に、四角歯4の長さ寸法Tが、0.2mmより小さいと、歯列部6に手や指が接触した際にケガの原因となったり皮膚を傷付けたりする虞れがあり、また、0.7mm以上であると、食品用ラップフィルムRが滑りを生じてしまい切れ味が劣化する。なお、図示省略するが、四角歯4の長さ寸法Tを大小変化させても、食品用ラップフィルムRの切断端縁20の直線性を損なうことはなく、言い換えると、食品用ラップフィルムRの切断端縁20の直線性は、間隔8の幅寸法Wに起因していると言える。つまり、四角歯4は、要旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能であって、間隔8を加工上可能な限り小さく設定して、引き裂き伝播し易く、切断端縁20がえぐれる深さをできるだけ小さくして直線性を保ち、途中切れを生じにくくするのが望ましい。
図4に示すように、本発明の収納箱から引き出した食品用ラップフィルムRを切断しようとする際には、押え位置表示マークZに指を当てて片手HLで箱本体1を持ち、他方の片手HRに食品用ラップフィルムRを持って、箱本体1を保持したまま食品用ラップフィルムRを上方に引き上げて、食品用ラップフィルムRを切断刃2に押し付けて切断する。この際、図5に示すように、箱本体1を水平状又は角度αに傾けて持ち、切断刃2の刃先線E2が、水平線L0に対して、10°〜30°の角度βを成すように保持する。
図12に示す実線のグラフは、全体の左右方向端部に押え位置表示マークZ,Zを配設した場合の切断力を示し、2点鎖線のグラフは、全体の中央部に押え位置表示マークZを配設した場合の切断力を示している。なお、破線のグラフは、収納箱全体の中央部を押えて従来の切断刃40により食品用ラップフィルムを切断する際の切断力を示している。
本発明によれば、切断刃2によって切断開始時に小さな切断力をもってカット起点を形成した後、ほとんど力を加える必要がなく切り裂くことができ、非常に小さな切断力で食品用ラップフィルムRの切断が可能であることが判る。特に、実線のグラフを見れば明らかなように、押え位置表示マークZ,Zを全体の左右方向端部に配設した場合には、切断開始時に僅かな力(約20gf)を加えて切断を開始して、その後、ほとんど力を加えなくても切断を行える。
一方、従来の切断刃40では、切断端縁をジグザグに形成し(図14参照)、食品用ラップフィルムの分子鎖を切り離しながら切断を行なうため、切断開始時に非常に大きな力(本発明の切断刃による切断力の2倍以上)を必要とし、その後も、比較的大きな切断力を加え続けなければ食品用ラップフィルムRを切断することができなかったのである。
また、図示省略するが、歯列部6は、2つの角部5,5を有する四角歯4、及び、四角歯4,4間に1つの頂角を有する三角歯を備え、四角歯4と三角歯とが交互になるように多数本を順次列設したものであって良い。
また、切断誘導用ガイド部13は、歯無しに形成されているので、安全性を向上でき、かつ、安価に製造できる。また、食品用ラップフィルムRの切断端縁20を直線的に形成でき、切れ味が良好で、かつ、途中切れを防止し得る。
2 切断刃
3 蓋体
3A 両端部
3B 中間部
4 四角歯
4A 先端縁部
5 角部
5A 外側の角部
6 歯列部
7 案内補強部材
13 切断誘導用ガイド部
R 食品用ラップフィルム
θ 傾斜角度
φ 鋭角
R5 曲率半径
Claims (5)
- 細長直方体形状の箱本体(1)にロール状に巻回された食品用ラップフィルム(R)を引出し可能に収納し、上記箱本体(1)に開閉自在に設けられた蓋体(3)を有する食品用ラップフィルムの収納箱に於て、
上記蓋体(3)の長手方向の両端部(3A)(3A)に、上記食品用ラップフィルム(R)の切断を開始させるための短寸帯板状切断刃(2)(2)を配設し、かつ、上記蓋体(3)の長手方向の中間部(3B)に、上記箱本体(1)の長手方向に沿った直線状切断誘導用ガイド部(13)を設け、
短寸帯板状の上記切断刃(2)(2)は、上記切断誘導用ガイド部(13)に対して所定の傾斜角度(θ)をもって外端下傾状となるように配設され、かつ、先端縁部(4A)に2つの角部(5)(5)を有する四角歯(4)が多数本列設された櫛歯状の歯列部(6)が形成され、
さらに、上記四角歯(4)の2つの角部(5)(5)のうちの外側の角部(5A)が鋭角(φ)を成し、上記切断刃(2)の上記傾斜角度(θ)に対応して上記四角歯(4)が平行四辺形状に形成され、上記鋭角(φ)を成す外側の角部(5A)は、極微小アール状に形成され、その曲率半径(R 5 )が、0.02mm≦R 5 ≦0.06mmに設定されていること特徴とする食品用ラップフィルムの収納箱。 - 細長直方体形状の箱本体(1)にロール状に巻回された食品用ラップフィルム(R)を引出し可能に収納し、上記箱本体(1)に開閉自在に設けられた蓋体(3)を有する食品用ラップフィルムの収納箱に於て、
上記蓋体(3)の長手方向の両端部(3A)(3A)に、上記食品用ラップフィルム(R)の切断を開始させるための短寸帯板状切断刃(2)(2)を配設し、かつ、上記蓋体(3)の長手方向の中間部(3B)に、上記箱本体(1)の長手方向に沿った直線状切断誘導用ガイド部(13)を設け、
短寸帯板状の上記切断刃(2)(2)は、先端縁部(4A)に2つの直角状角部(5)(5)を有する四角歯(4)が多数本列設された櫛歯状の歯列部(6)が形成され、
さらに、2つの上記角部(5)(5)は、極微小アール状に形成され、その曲率半径(R 5 )が、0.02mm≦R 5 ≦0.06mmに設定されていること特徴とする食品用ラップフィルムの収納箱。 - 細長直方体形状の箱本体(1)にロール状に巻回された食品用ラップフィルム(R)を引出し可能に収納し、上記箱本体(1)に開閉自在に設けられた蓋体(3)を有する食品用ラップフィルムの収納箱に於て、
上記蓋体(3)の長手方向の両端部(3A)(3A)に、上記食品用ラップフィルム(R)の切断を開始させるための短寸帯板状切断刃(2)(2)を配設し、かつ、上記蓋体(3)の長手方向の中間部(3B)に、上記箱本体(1)の長手方向に沿った直線状切断誘導用ガイド部(13)を設け、
短寸帯板状の上記切断刃(2)(2)は、上記切断誘導用ガイド部(13)に対して所定の傾斜角度(θ)をもって外端下傾状となるように配設され、かつ、先端縁部(4A)に2つの直角状角部(5)(5)を有する四角歯(4)が多数本列設された櫛歯状の歯列部(6)が形成され、
さらに、2つの上記角部(5)(5)は、極微小アール状に形成され、その曲率半径(R 5 )が、0.02mm≦R 5 ≦0.06mmに設定されていること特徴とする食品用ラップフィルムの収納箱。 - 細長直方体形状の箱本体(1)にロール状に巻回された食品用ラップフィルム(R)を引出し可能に収納し、上記箱本体(1)に開閉自在に設けられた蓋体(3)を有する食品用ラップフィルムの収納箱に於て、
上記蓋体(3)の長手方向の両端部(3A)(3A)に、上記食品用ラップフィルム(R)の切断を開始させるための短寸の切断刃(2)(2)を配設し、かつ、上記蓋体(3)の長手方向の中間部(3B)に、上記箱本体(1)の長手方向に沿った直線状切断誘導用ガイド部(13)を設け、かつ、該切断誘導用ガイド部(13)に沿って帯板状案内補強部材(7)を配設し、
上記切断刃(2)(2)は、上記切断誘導用ガイド部(13)に対して所定の傾斜角度(θ)をもって外端下傾状となるように配設され、かつ、先端縁部(4A)に2つの角部(5)(5)を有する四角歯(4)が多数本列設された櫛歯状の歯列部(6)が形成され、
さらに、上記四角歯(4)の2つの角部(5)(5)のうちの外側の角部(5A)が鋭角(φ)を成し、上記切断刃(2)の上記傾斜角度(θ)に対応して上記四角歯(4)が平行四辺形状に形成され、上記鋭角(φ)を成す外側の角部(5A)は、極微小アール状に形成され、その曲率半径(R 5 )が、0.02mm≦R 5 ≦0.06mmに設定されている食品用ラップフィルムの収納箱。 - 上記切断誘導用ガイド部(13)は、歯無しに形成されている請求項1,2,3又は4記載の食品用ラップフィルムの収納箱。
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