JP5837547B2 - ステッピングモータの回路システムの異常検知装置 - Google Patents

ステッピングモータの回路システムの異常検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステッピングモータのコイルの通電を行う回路システムの異常の有無を検知する装置に関する。
従来、この種の装置としては、例えば特許文献1に見られるものが知られている。特許文献1には、ステッピングモータの2つの相のコイルに同時に通電する2相励磁方式で該ステッピングモータを駆動しながら、コイルの通電駆動状態であるか否かと断線の有無と応じて変化するチェック信号に基づいて、コイルの断線の有無を検知する技術が記載されている。
特開平7−303397号公報
ところで、前記特許文献1に見られる技術では、ステッピングモータの運転を行いつつ、異常の有無を検知するものであるので、異常が発生した状態で、ステッピングモータの運転が開始されてしまう場合がある。
この場合、ステッピングモータの駆動対象の、本来の動作とは異なる異常な動作が行われ、場合によっては、該駆動対象の機器の損傷等を生じる虞れがある。
このため、ステッピングモータの各相のコイルの断線等の異常の有無の検知は、該ステッピングモータの運転停止状態で、行っておくことが望ましい。
また、ステッピングモータの運転停止中に、異常の有無を検知する場合、その異常の有無の検知のための電力消費の低減、あるいは、検知の信頼性の向上等の観点から、複数の相のコイルの同時に励磁電流を通電するのではなく、個々の1つの相のコイルにだけ励磁電流を通電した状態で、各相のコイルの断線等の異常を検知し得ることが望ましいと考えられる。
ただし、ステッピングモータの運転時に、2相励磁方式等、複数相のコイルに同時に励磁電流を通電する複数相励磁方式によりロータの回転制御が行われるステッピングモータにあっては、運転停止中に、個々の1つの相のコイルだけに励磁電流を通電した状態で異常検知の処理を実行すると、異常検知の処理の実行中に、ステッピングモータのロータが、通常の運転時には実現されない回転位置に回転してしまう。このため、複数相励磁方式によるステッピングモータの運転時におけるロータの回転位置の制御の信頼性が損なわれる虞がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、ステッピングモータの運転停止中に、1つの相のコイルに励磁電流を通電しながら異常の有無を検知することができると共に、ステッピングモータのロータの回転位置が、複数相励磁方式によるステッピングモータの運転時の適切な位置からずれるのを防止することができる異常検知装置を提供することを目的とする。
本発明のステッピングモータの回路システムの異常検知装置は、かかる目的を達成するために、第1相〜第N相(N:2以上の整数)のN相のコイルを有し、該N相のコイルのうちの複数相のコイルに励磁電流を同時に通電する複数相励磁方式により運転制御が行われるステッピングモータと、各相のコイルに直流電源から励磁電流を通電させるべく各相のコイルに接続されたモータ通電回路とを備える回路システムの異常検知装置であって、
前記複数相励磁方式によるステッピングモータの運転の停止直前における前記励磁電流の通電パターンを示すデータを記憶保持する記憶保持手段と、
各相のコイルへの励磁電流の通電時に前記直流電源から流れる電流に応じた出力を発生する電流検出手段と、
前記ステッピングモータの運転停止中に、前記N相のコイルから励磁対象のコイルとして選択した1つの相のコイルに前記励磁電流を通電するように前記モータ通電回路を制御しつつ、前記電流検出手段の出力に基づいて前記回路システムの異常の有無を検知する異常検知処理を1回以上実行する異常検知処理手段とを備え、
前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中における各回の前記異常検知処理で異常が検知されなかった場合に、該異常検知処理の次の処理として、前記記憶保持手段に記憶保持されたデータにより示される通電パターンで複数相のコイルに励磁電流を通電するように前記モータ通電回路を制御する補助処理を実行するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、前記異常検知処理手段は、ステッピングモータの運転停止中に、励磁対象の1つの相のコイルに励磁電流を通電させた状態で、前記電流検出手段の出力に基づいて回路システムの異常の有無を検知する。
この場合、例えば、前記励磁対象の1つの相のコイルの通電経路の断線、あるいは、該1つの相のコイルの両端間の短絡等の異常が発生しておれば、前記電流検出手段の出力により示される電流の検出値は、正常な場合と顕著に相違するものとなる。このため、該電流検出手段の出力に基づいて、当該1つの相のコイルの通電に関する異常の有無を適正に検知できる。
また、異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中における各回の前記異常検知処理で異常が検知されなかった場合に、該異常検知処理の次に前記補助処理を実行する。
このため、各回の異常検知処理で1つの相のコイルに励磁電流を通電することによって、前記ステッピングモータのロータの回転位置が、運転停止の直前の回転位置から、複数相励磁方式の通電では実現されない回転位置に回転していても、該ロータの回転位置を、複数相励磁方式によるステッピングモータの運転の停止の直前の回転位置に復帰させることができる。
よって、第1発明によれば、ステッピングモータの運転停止中に、1つの相のコイルに励磁電流を通電しながら異常の有無を検知することができると共に、ステッピングモータのロータの回転位置が、複数相励磁方式によるステッピングモータの運転時の適切な位置からずれるのを防止することができる。
第1発明では、ステッピングモータの運転停止中に、各回の異常検知処理で選択する励磁対象のコイルを異ならせるようにして、該異常検知処理を複数回実行すること可能である。
この場合、前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中に、少なくとも各回の前記異常検知処理で異常が検知されない限り、該ステッピングモータの全ての相のコイルのそれぞれを前記励磁対象のコイルとして順次選択して、前記異常検知処理を実行するように構成されていることが好ましい(第2発明)。
この第2発明によれば、ステッピングモータの運転停止中に、全ての相のコイルのそれぞれについて、各相のコイルに通電に関する異常の有無を検知できる。
補足すると、第2発明では、各相のコイルに通電する励磁電流の向きを二方向に選択的に切換えることができる場合には、ステッピングモータの運転停止中に、各相のコイルのそれぞれを励磁対象のコイルとして選択する異常検知処理を、各相のコイル毎に、少なくとも2回実行するようにして、各相のコイル毎の異常検知処理のうちの1つの回の異常検知処理と他の1つ回の異常検知処理とで、該コイルに通電する励磁電流の向きを異ならせるようにしてもよい。
上記第2発明では、前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中におけるn回目(n:1以上の整数)の前記異常検知処理とその次の前記補助処理とでそれぞれ同一の相のコイルに互いに逆向きの励磁電流を通電する場合における当該n回目の異常検知処理とその次の補助処理との間、並びに、前記ステッピングモータの運転停止中におけるm回目(m:1以上の整数)の前記異常検知処理の次の前記補助処理とm+1回目の前記異常検知処理とでそれぞれ同一の相のコイルに互いに逆向きの励磁電流を通電する場合における当該補助処理とm+1回目の異常検知処理との間で、各相のコイルへの励磁電流の通電を遮断するように前記モータ通電回路を制御する通電遮断処理を実行するように構成されており、前記n回目の異常検知処理とその次の補助処理の間で前記通電遮断処理を実行する時間幅は、該補助処理により実現される前記ステッピングモータのロータの回転位置を該ステッピングモータの運転停止の直前におけるステッピングモータのロータの回転位置に復帰させ得るように、所定値以下の時間幅にあらかじめ設定されていることが好ましい(第3発明)。
すなわち、上記第2発明では、前記異常検知処理手段の処理において、前記ステッピングモータの運転停止中におけるn回目(n:1以上の整数)の前記異常検知処理とその次の前記補助処理とでそれぞれ同一の相のコイルに互いに逆向きの励磁電流を通電することとなる場合、あるいは、前記ステッピングモータの運転停止中におけるm回目(m:1以上の整数)の前記異常検知処理の次の前記補助処理とm+1回目の前記異常検知処理とでそれぞれ同一の相のコイルに互いに逆向きの励磁電流を通電する場合とがあり得る。
これらの場合においては、上記同一の相のコイルに流す励磁電流の向きの切換えを連続的に行うようにモータ通電回路を制御すると、該コイルの励磁電流が十分に減衰し切れていない状態で、当該切換えが行われることとなるので、当該切換えの直後に、モータ通電回路等に瞬時的に異常な電流が流れる状況が発生しやすい。
そこで、第3発明では、前記n回目の異常検知処理と、その次の補助処理との間、並びに、m回目の異常検知処理の次の補助処理と、その次のm+1回目の異常検知処理との間で、前記通電遮断処理を実行する。
ここで、本願発明者の各種実験、検討によれば、補助処理の実行によって、ステッピングモータのロータの回転位置が、ステッピングモータの運転停止の直前における回転位置に復帰した状態では、補助処理の次に通電遮断処理を実行しても、該通電遮断処理の実行時間の長短によらずに、ロータの回転位置を、ステッピングモータの運転停止の直前における回転位置に維持できる。
しかるに、1つの相のコイルに励磁電流を通電する異常検知処理を実行した後に通電遮断処理を実行する場合には、該通電遮断処理の実行時間が必要以上に長すぎると、該通電遮断処理の次の補助処理で、ステッピングモータのロータの回転位置が、ステッピングモータの運転停止の直前における回転位置に復帰せずに、当該運転停止の直前の回転位置からずれてしまう場合がある。
そこで、第3発明では、前記n回目の異常検知処理とその次の補助処理の間で前記通電遮断処理を実行する時間幅は、該補助処理により実現される前記ステッピングモータのロータの回転位置を該ステッピングモータの運転停止の直前におけるステッピングモータのロータの回転位置に復帰させ得るように、所定値以下の時間幅にあらかじめ設定されている。
これにより、n回目の異常検知処理とその次の補助処理の間で通電遮断処理を実行しても、該通電遮断処理の次の補助処理の実行によって、ステッピングモータのロータの回転位置を、ステッピングモータの運転停止の直前の回転位置に復帰させることができる。
補足すると、m回目の異常検知処理の次の補助処理と、その次のm+1回目の異常検知処理との間での通電遮断処理の実行時間は、n回目の異常検知処理とその次の補助処理の間での通電遮断処理の実行時間と同一の時間、あるいは、異なる時間のいずれであってもよい。
上記第2発明又は第3発明では、前記異常検知処理手段の全体の処理の実行中に、ステッピングモータの運転を開始すべき状況になった場合には、異常検知処理手段の処理を中断して、ステッピングモータの運転を開始することも可能である。
この場合、前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転開始の要求の有無を逐次監視し、前記異常検知処理の実行中に前記ステッピングモータの運転開始の要求があった場合で、且つ、該異常検知処理で異常の発生が検知されない場合に、該異常検知処理の次の前記補助処理の実行後に、前記ステッピングモータの運転を開始させるように構成されていることが好ましい(第4発明)。
この第4発明によれば、異常検知処理の実行中に前記ステッピングモータの運転開始の要求があった場合に、直ちにステッピングモータの運転を開始するのではなく、該異常検知処理で異常の発生が検知されない場合に、該異常検知処理の次の補助処理の実行後に、ステッピングモータの運転を開始させる。
従って、ステッピングモータのロータの回転位置を、ステッピングモータの運転停止の直前における回転位置に復帰させた上で、複数相通電方式によるステッピングモータの運転を開始することができる。
前記第1〜第4発明では、前記モータ通電回路は、例えば次のような構成を採用できる。
すなわち、前記モータ通電回路は、各相のコイル毎に備えられており、各相のコイルにそれぞれ対応する前記モータ通電回路は、該モータ通電回路が接続されたコイルの一端を、前記直流電源の正極に接続させる正極接続状態と該直流電源の負極に接続させる負極接続状態と該直流電源の正極及び負極から遮断させる遮断状態とのいずれかの状態に制御可能に構成された第1スイッチ回路部と、該コイルの他端を、前記直流電源の正極に接続させる正極接続状態と該直流電源の負極に接続させる負極接続状態と該直流電源の正極及び負極から遮断させる遮断状態とのいずれかの状態に制御可能に構成された第2スイッチ回路部とを備える。
この場合、前記異常検知処理手段は、前記各回の異常検知処理において、前記励磁対象のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の一方を正極接続状態、他方を負極接続状態に制御すると共に、該励磁対象のコイル以外の各相のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の両方を遮断状態に制御する制御処理(以降、第1制御処理ということがある)と、前記励磁対象のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の一方を正極接続状態、他方を負極接続状態に制御すると共に、該励磁対象のコイル以外の1つ又は複数の相のコイルに接続された前記モータ通電回路のそれぞれの第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の両方を正極接続状態又は負極接続状態に制御する制御処理(以降、第2制御処理ということがある)とのうちのいずれか一方の制御処理を、前記モータ通電回路の制御処理として実行するように構成することができる(第5発明)。
この第5発明によれば、励磁対象のコイルの通電経路の断線、あるいは、該コイルの両端間の短絡による異常が発生している場合には、該コイルに対応する異常検知処理で、前記第1制御処理及び第2制御処理のいずれを、モータ通電回路の制御処理として実行しても、電流検出手段の出力に基づいて、異常の発生を検知できる。
また、励磁対象のコイルに対応する異常検知処理で、前記第2制御処理を実行した場合には、励磁対象のコイルの通電経路の断線、あるいは、該コイルの両端間の短絡による異常が発生している場合だけでなく、該コイルの一端部と、他の相のコイルの一端部との間の短絡による異常が発生している場合にも、異常の発生を電流検出手段の出力に基づいて検知できる。
上記第5発明では、前記N相のコイルのうちの2つの相である第i相(i:1以上N以下の整数)のコイル及び第j相(j:1以上N以下の整数であり、且つ、iと異なる整数)のコイルにそれぞれ対応する前記モータ通電回路は、前記第i相のコイルの両端のうちの一方側の端部を接続する第i相側接続端子と前記第j相のコイルの両端のうちの一方側の端部を接続する第j相側接続端子とが隣接するように設けられている場合に、前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中におけるいずれか1つの回の異常検知処理において、前記第i相のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の一方を正極接続状態、他方を負極接続状態に制御すると共に、前記第j相のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の両方を正極接続状態又は負極接続状態に制御する制御処理を、当該制御処理によって前記第i相側接続端子に接続される前記第i相のコイルの端部と前記第j相側接続端子に接続される前記第j相のコイルの端部とのうちの一方が前記直流電源の正極に接続され、且つ他方が前記直流電源の負極に接続されるように実行するように構成されていることが好ましい(第6発明)。
すなわち、前記第i相側接続端子と第j相側接続端子とが隣接するように設けられている場合には、ゴミの付着、半田付け不良等に起因して、第i相側接続端子と第j相側接続端子との間の短絡が生じることがある。
この場合、前記第i相のコイルを励磁対象のコイルとする異常検知処理において、該第第i相のコイルに接続されたモータ通電回路と、第j相のコイルに接続されたモータ通電回路とに関して前記第2制御処理を実行することで、第i相側接続端子と第j相側接続端子との間が短絡による異常が発生した場合に、該第i相側接続端子と第j相側接続端子との間で短絡電流が直流電源から流れる。このため、当該異常検知処理において、電流検出手段の出力に基づいて、異常の発生を検知できる。
以上の第1〜第6発明では、前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中における各回の異常検知処理において、前記電流検出手段の出力により示される電流の大きさを、高低2種類の所定の第1閾値及び第2閾値の少なくともいずれか一方と比較することにより前記異常の発生を検知するように構成されていることが好ましい(第7発明)。
かかる第7発明によれば、各回の異常検知処理において、前記電流検出手段の出力により示される電流の大きさを、高低2種類の所定の第1閾値及び第2閾値のうちの低い方の閾値(例えば第2閾値)と比較することで、例えば、いずれかの相のコイルの通電経路の断線による異常が発生しているか否かを検知できる。
また、各回の異常検知処理において、前記電流検出手段の出力により示される電流の大きさを、高低2種類の所定の第1閾値及び第2閾値のうちの高い方の閾値(例えば第1閾値)と比較することで、例えば、いずれかの相のコイルの両端間の短絡による異常が発生しているか否かを検知できる。
なお、第7発明を前記第6発明に適用した場合には前記第i相コイルを励磁対象とする異常検知処理において、前記電流検出手段の出力により示される電流の大きさを、高低2種類の所定の第1閾値及び第2閾値のうちの高い方の閾値(例えば第1閾値)と比較することで、当該第i相のコイルの両端間の短絡に異常、又は前記第i相側接続端子と第j相側接続端子との間が短絡による異常が発生しているか否かを検知できる。
本発明の一実施形態におけるステッピングモータの制御システムの回路構成を示す図。 モータ通電回路の制御のための指令信号と出力との関係を示す図。 (a),(b)はステッピングモータの運転時のコイルの通電制御の仕方を示すタイミンングチャート。 (a)〜(c)はステッピングモータの磁極構成と運転時の動作例とを示す図。 (a)〜(e)は異常検知処理を説明するためのタイミングチャート。 異常検知処理を説明するためのタイミングチャート。 異常検知処理を説明するためのタイミングチャート。 異常検知処理を説明するためのタイミングチャート。 (a)〜(d)はステッピングモータのロータの回転位置が変化していく場合の例を示す図。
本発明の一実施形態を図1〜図9を参照して以下に説明する。
図1は、ステッピングモータ1の駆動制御を行うための回路システムの構成を示している。この回路システムは、本発明の異常検知装置の一実施形態としての機能を含んでいる。
ステッピングモータ1は、本実施形態では、A相コイル2A及びB相コイル2Bの2相のコイル2A,2Bが装着されたステータ3(図4に示す)と永久磁石4(図4に示す)が搭載されたロータ5とを備える公知の構造のバイポーラ型のステッピングモータである。
詳細な図示は省略するが、ステータ3の内周面のうち、軸心方向の一端側の箇所と他端側の箇所とがそれぞれA相コイル2A、B相コイル2Bの配置箇所とされている。そして、A相コイル2A及びB相コイル2Bは、それぞれの配置箇所で、ステータ3の内周面に周方向に一定間隔で並ぶように形成された極歯3a,3b(図4に示す)に磁極(N極及びS極)を生成するようにステータ3に装着されている。
この場合、A相コイル2Aに励磁電流を通電したときに形成されるA相側の磁極(N極及びS極)とB相コイル2Bに励磁電流を通電したときに形成されるB相側の磁極(N極及びS極)とは、図4に示す如く、周方向に位相をずらして(詳しくは、電気角で90度の位相をずらして)並ぶように配置される。
なお、図4では、図示の便宜上、ステータ3及びロータ5の周方向を横方向として、A相コイル2Aを巻き付ける極歯3aと、B相コイル2Bを巻き付ける極歯3bと、ロータ5とを縦方向に位置をずらした状態で模式的に示し、コイル2A,2Bの図示を省略している。
また、各相毎の極歯3a,3bは、ステータ3の径方向内方に突出するように形成された構造のもの、あるいは、ステータ3の軸心方向に突出するように形成された構造のもののいずれであってもよい。
ロータ5には、図4に示す如く、周方向に一定間隔で並ぶ磁極(N極及びS極)が該ロータ5の外周面部に形成されように永久磁石4が搭載されている。この場合、永久磁石4により形成される各磁極は、A相コイル2Aが形成する磁極とB相コイル2Bが形成する磁極との両方に対向するようにロータ5の軸心方向に延在する。
かかる構造のステッピングモータ1は、例えば給湯器の水量制御弁、あるいは、ガスコンロのガス量調整弁のアクチュエータ(動力源)として使用され、駆動対象の弁体をギヤ等により構成される動力伝達機構を介して駆動する。ただし、ステッピングモータ1は、給湯器、ガスコンロ以外の機器のアクチュエータとして使用されるものであってもよい。
なお、A相コイル2A、B相コイル2Bはそれぞれ、本発明における第1相のコイル、第2相のコイル(第N相のコイル)に相当する。ただし、B相コイル2Bを第1相コイル、A相コイル2Aを第2相コイル(第N相のコイル)とみなしてもよい。
図1に示す回路システムは、ステッピングモータ1の電源たる直流電源10と、該直流電源10からステッピングモータ1に給電するモータ駆動回路20と、ステッピングモータ1の作動をモータ駆動回路20を介して制御するコントロールユニット30とを備える。
直流電源10は、例えば電池により構成される。そして、本実施形態では、直流電源10の負極が接地極として接地されている。なお、直流電源10は、商用電源等の交流電力を直流電力に変換して出力する電力変換器により構成されていてもよい。
モータ駆動回路20は、本実施形態ではIC化された回路である。このモータ駆動回路20は、ステッピングモータ1のA相コイル2Aに直流電源10から通電させるためのA相側のモータ通電回路21Aと、B相コイル2Bに直流電源10から通電させるためのB相側のモータ通電回路21Bと、これらのモータ通電回路21A,21Bに備えられた後述の半導体スイッチ素子のオンオフ制御を行うスイッチング制御部24とを内蔵している。
また、モータ駆動回路20は、接続端子として、電源端子Vcc、接地端子GND、指令信号入力端子IN1,IN2,IN3,IN4、及び出力端子OUT1,OUT2,OUT3,OUT4を有する。
接地端子GNDは、モータ駆動回路20の外部で直流電源10の負極と同電位に接地されている。
電源端子Vccは、接地端子GNDとの間で電源電力が供給される接続端子(電源電圧の入力端子)であり、モータ駆動回路20の外部で直流電源10の正極に接続されている。この場合、本実施形態では、電源端子Vccは、直流電源10からステッピングモータ1に供給される電流を検出するための電流検出用抵抗12を介して直流電源10の正極に接続されている。該電流検出用抵抗12は、本発明における電流検出手段に相当するものである。
なお、電源端子Vccと直流電源10の負極(接地極)との間(又は接地端子GNDとの間)には、電源端子Vccに印加される電源電圧を平滑化するためのコンデンサ11が接続されている。
出力端子OUT1,OUT2,OUT3,OUT4のうち、OUT1,OUT2は、A相側のモータ通電回路21AにA相コイル2Aを接続するための接続端子である。これらの出力端子OUT1,OUT2は、それぞれ、モータ駆動回路20の外部でA相コイル2Aの一端、他端に適宜の接続ケーブル(通電線)を介して接続される。
また、出力端子OUT3,OUT4は、B相側のモータ通電回路21BにB相コイル2Bを接続するための接続端子である。これらの出力端子OUT3,OUT4は、それぞれ、モータ駆動回路20の外部でB相コイル2Bの一端、他端に適宜の接続ケーブル(通電線)を介して接続される。
これらの出力端子OUT1,OUT2,OUT3,OUT4は、モータ駆動回路20の一側面に互いに近接して順番に並ぶように配置されている。そして、出力端子OUT2、OUT3は、それぞれ本発明における第i相側接続端子、第j相側接続端子に相当するものである。
指令信号入力端子IN1,IN2,IN3,IN4のうち、IN1,IN2は、A相側のモータ通電回路21Aを制御する指令信号をスイッチング制御部24に入力するための接続端子、IN3,IN4は、B相側のモータ通電回路21Bを制御する指令信号をスイッチング制御部24に入力するための接続端子である。
これらの指令信号入力端子IN1,IN2,IN3,IN4は、モータ駆動回路20の外部で、コントロールユニット30に適宜の接続ケーブルを介して(あるいは、回路基板の配線パターンを介して)接続されている。
この場合、指令信号入力端子IN1,IN2,IN3,IN4にコントロールユニット30から入力される指令信号は、ハイ(H)又はロー(L)の2値レベルの信号である。以降、ハイレベルの指令信号をHレベルの指令信号、ローレベルの指令信号をLレベルの指令信号という。
そして、指令信号入力端子IN1,IN2に付与される指令信号の組み合わせに応じて、A相側のモータ通電回路21Aの動作状態(ひいては、A相側のモータ通電回路21Aから出力端子OUT1,OUT2に付与される電位レベル)が規定されるようになっている。
同様に、指令信号入力端子IN3,IN4に付与される指令信号の組み合わせに応じて、B相側のモータ通電回路21Bの動作状態(ひいては、B相側のモータ通電回路21Bから出力端子OUT3,OUT4に付与される電位レベル)が規定されるようになっている。
各相のモータ通電回路21A,21Bは、いずれも同じ構成の回路である。具体的には、各相のモータ通電回路21A,21Bは、所謂、Hブリッジ型のスイッチング回路である。
さらに詳細には、各相のモータ通電回路21A,21Bは、半導体スイッチ素子S1,S2を含む第1スイッチ回路部22と、半導体スイッチ素子S3,S4を含む第2スイッチ回路部23とにより構成されている。半導体スイッチ素子S1〜S4は、例えばトランジスタ(図示例ではバイポーラトランジスタ)により構成され、そのオンオフを制御可能である。なお、半導体スイッチ素子S1〜S4は、例えばFET(電界効果トランジスタ)もしくはIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等により構成されていてもよい。
第1スイッチ回路部22は、半導体スイッチ素子S1にダイオードD1を並列に接続してなるスイッチ部と、半導体スイッチ素子S2にダイオードD2を並列に接続してなるスイッチ部とを、電源端子Vccと接地端子GNDとの間に直列に接続して構成されている。
同様に、第2スイッチ回路部23は、半導体スイッチ素子S3にダイオードD3を並列に接続してなるスイッチ部と、半導体スイッチ素子S4にダイオードD4を並列に接続してなるスイッチ部とを、電源端子Vccと接地端子GNDとの間に直列に接続して構成されている。
従って、第1スイッチ回路部22及び第2スイッチ回路部23は電源端子Vccと接地端子GNDとの間に並列に接続されている。
なお、半導体スイッチS1〜S4のそれぞれの通電可能な方向は、電源端子Vcc側(正極側)から接地端子GND側(負極側)に向かう向きである。また、ダイオードD1〜D4のそれぞれの通電可能な方向(順方向)は、接地端子GND側(負極側)から電源端子Vcc側(正極側)に向かう向きである。
そして、A相側のモータ通電回路21Aにおいては、第1スイッチ回路部22の電源端子Vcc側のスイッチ部と接地端子GND側のスイッチ部との間の中点が、A相コイル2Aの一端に接続された出力端子OUT1にモータ駆動回路20の内部で導通されている。
さらにA相側のモータ通電回路21Aの第2スイッチ回路部23の電源端子Vcc側のスイッチ部と接地端子GND側のスイッチ部との間の中点が、A相コイル2Aの他端に接続された出力端子OUT2にモータ駆動回路20の内部で導通されている。
また、B相側のモータ通電回路21Bにおいては、第1スイッチ回路部22の電源端子Vcc側のスイッチ部と接地端子GND側のスイッチ部との間の中点が、B相コイル2Bの一端に接続された出力端子OUT3にモータ駆動回路20の内部で導通されている。
さらにB相側のモータ通電回路21Bの第2スイッチ回路部23の電源端子Vcc側のスイッチ部と接地端子GND側のスイッチ部との間の中点が、B相コイル2Bの他端に接続された出力端子OUT4にモータ駆動回路20の内部で導通されている。
モータ通電回路21A,21Bは、上記の如く構成されているので、それぞれの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフ制御によって、各相のコイル2A,2Bの両端のそれぞれを、電源端子Vcc又は接地端子GNDに導通させること(ひいては、電源端子Vccを介して直流電源10の正極に接続したり、あるいは、接地端子GNDを介して直流電源10の負極に接続すること)が可能となっている。
スイッチング制御部24は、モータ駆動回路20の内部で入力端子IN1〜IN4に導通されている。このスイッチング制御部24は、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号の組に応じて、A相側のモータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフを制御すると共に、入力端子IN3,IN4に入力される指令信号の組に応じてB相側のモータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフを制御するように構成された回路部である。
この場合、スイッチング制御部24は、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号の組に応じて、出力端子OUT1,OUT2の出力(電位)が図2に示す状態になるように、A相側のモータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフを制御する。
具体的には、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号のレベルがそれぞれLレベル、Lレベルである場合には、スイッチング制御部24は、モータ通電回路21Aの半導体スイッチS1〜S4の全てをオフ状態に制御することで、出力端子OUT1,OUT2の両方をオフ状態にする。この状態は、A相コイル2Aの両端が、直流電源10の正極及び負極から遮断された状態(遮断状態)である。
また、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号のレベルがそれぞれHレベル、Lレベルである場合には、スイッチング制御部24は、モータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1,S2,S3,S4をそれぞれオン状態、オフ状態、オフ状態、オン状態に制御することで、出力端子OUT1の出力をHレベル(ハイレベル)、出力端子OUT2の出力をLレベル(ローレベル)にする。
この状態は、A相コイル2Aの出力端子OUT1側の一端が直流電源10の正極に接続された状態(正極接続状態)となると共に、A相コイル2Aの出力端子OUT2側の他端が直流電源10の負極に接続された状態(負極接続状態)となって、A相コイル2Aに出力端子OUT1側から出力端子OUT2側に励磁電流を流す電圧が印加される状態である。
また、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号のレベルがそれぞれLレベル、Hレベルである場合には、スイッチング制御部24は、モータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1,S2,S3,S4をそれぞれオフ状態、オン状態、オン状態、オフ状態に制御することで、出力端子OUT1の出力をLレベル(ローレベル)、出力端子OUT2の出力をHレベル(ハイレベル)にする。
この状態は、A相コイル2Aの出力端子OUT1側の一端が直流電源10の負極に接続された状態(負極接続状態)となると共に、A相コイル2Aの出力端子OUT2側の他端が直流電源10の正極に接続された状態(正極接続状態)となって、A相コイル2Aに出力端子OUT2側から出力端子OUT1側に励磁電流を流す電圧が印加される状態である。
また、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号のレベルがそれぞれHレベル、Hレベルである場合には、スイッチング制御部24は、モータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1,S2,S3,S4をそれぞれオフ状態、オン状態、オフ状態、オン状態に制御することで、出力端子OUT1,OUT2の両方の出力をLレベル(ローレベル)にする。
この状態は、A相コイル2Aの両端が同電位(本実施形態では接地電位)に接続(すなわち短絡)された状態となるため、直流電源10からA相コイル2Aに励磁電流が通電されることはないものの、ステッピングモータ1のロータ5が回転しようとすると、該ロータ5に制動力が作用する状態である。
B相側のモータ通電回路21Bについては、スイッチング制御部24は、入力端子IN3,IN4に入力される指令信号の組に応じて、出力端子OUT3,OUT4の出力(電位)が図2に示す状態になるように、B相側のモータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフを制御する。
この場合、B相側のモータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフの制御の仕方は、A相側のモータ通電回路21Bと同じである。従って、入力端子IN3,IN4に入力される指令信号の組と出力端子OUT3,OUT4の出力(電位)との対応関係は、入力端子IN1,IN2に入力される指令信号の組と出力端子OUT1,OUT2の出力(電位)との対応関係と同じである。
コントロールユニット30は、マイクロコンピュータ、あるいは、CPU、RAM、ROM等を含む電子回路ユニットにより構成される。このコントロールユニット30には、前記電流検出用抵抗12の発生電圧が、増幅器13を介して入力される。電流検出用抵抗12の発生電圧は、該抵抗12に流れる電流(直流電源10からステッピングモータ1への通電電流)に比例する電圧であり、以降、これを電流検出信号Viという。
そして、コントロールユニット30は、実装されるプログラムを実行することで実現される機能、あるいは、ハードウェア構成により実現される機能として、各相のコイル2A,2Bの断線、短絡等の異常の有無を検知するための処理(異常検知処理及び補助処理)を実行する異常検知処理部31を備えている。
異常検知処理部31は、本発明における異常検知処理手段に相当するものであり、ステッピングモータ1の運転停止状態で、モータ通電回路21A,21Bを所定の動作状態にスイッチング制御部24を介して制御しつつ、電流検出用抵抗12から増幅器13を介してコントロールユニット30に入力される電流検出信号Viを監視する。そして、異常検知処理部31は、電流検出信号Viの大きさを、あらかじめ設定された所定の閾値と比較することで、回路システムの異常の有無を検知する。
この場合、異常検知処理部31の処理による検知対象の異常は、本実施形態では、各相のコイル2A又は2Bの短絡(コイル2A又は2Bの両端間の短絡)、各相のコイル2A又は2Bの断線(もしくは、直流電源と各相のコイル2A又は2Bとの間の通電経路の断線)、あるいは、コイル2A及び2Bの特定の端部同士の短絡(詳しくは、コイル2AのOUT2側の端部と、コイル2BのOUT3側の端部との間の短絡)である。
さらにコントロールユニット30は、ステッピングモータ1の運転停止の直前におけるA相コイル2A及びB相コイル2Bの励磁電流の通電パターンを示すデータ(以降、通電パターンデータという)を記憶保持するメモリ32を備えている。
このメモリ32は、本発明における記憶保持手段に相当するものであり、不揮発性のメモリにより構成されている。
本実施形態では、メモリ32に記憶保持する通電パターンデータは、ステッピングモータ1の運転停止の直前に、A相コイル2A及びB相コイル2Bにどの方向の励磁電流を通電していたかを示すデータである。その通電パターンデータとしては、本実施形態では、例えば、前記指令信号入力端子IN1,IN2,IN3,IN4にコントロールユニット30が出力する指令信号のレベル(Hレベル又はLレベル)を示すデータが使用される。
ただし、通電パターンデータとしては、上記以外のデータを使用してもよい。例えば、モータ通電回路21A,21Bのそれぞれの半導体スイッチ素子S1〜S4のオンオフ状態を示すデータを、コントロールユニット30がスイッチング制御部24から取得できるように構成されている場合には、当該データを通電パターンデータとして使用してもよい。
また、例えばA相コイル2A及びB相コイル2Bのそれぞれの通電電流を検出する電流センサが備えられている場合には、該電流センサの出力を通電パターンデータとして使用することも可能である。
次に、本実施形態の作動(異常検知処理部31の処理の詳細等)を説明する。
ステッピングモータ1の運転時には、コントロールユニット30は、A相コイル2A及びB相コイル2Bに同時に励磁電流を通電する2相励磁方式での運転制御により、ステッピングモータ1のロータ5を回転させるように指令信号を生成して、該指令信号をモータ駆動回路20の入力端子IN1〜IN4に入力する。
この場合、モータ駆動回路20の入力端子IN1〜IN4に入力される指令信号は、図3(a)又は図3(b)に示すパターンで生成される。なお、図3(a)は、ステッピングモータ1のロータ5を正転方向(例えば時計周り方向)に回転させる場合の指令信号のパターンを示し、図3(b)は、ステッピングモータ1のロータを逆転方向(例えば反時計周り方向)に回転させる場合の指令信号のパターンを示している。
この場合、指令信号により規定されるA相コイル2A及びB相コイル2Bの励磁電流の通電パターンは、図3に示す(1)〜(4)の4種類である。通電パターン(1)は、IN1〜IN4に入力される指令信号のレベルがそれぞれH、L、L、Hとされる場合のパターンである。この通電パターン(1)では、A相コイル2Aには、OUT1側からOUT2側に向かう励磁電流が通電され、B相コイル2Bには、OUT4側からOUT3側に向かう励磁電流が通電される。
また、通電パターン(2)は、IN1〜IN4に入力される指令信号のレベルがそれぞれH、L、H、Lとされる場合のパターンである。この通電パターン(2)では、A相コイル2Aに通電される励磁電流は、通電パターン(1)と同じ向きの電流であり、B相コイル2Bに通電される励磁電流は、通電パターン(1)と逆向きの電流である。
また、通電パターン(3)は、IN1〜IN4に入力される指令信号のレベルがそれぞれL、H、H、Lとされる場合のパターンである。この通電パターン(3)では、A相コイル2Aに通電される励磁電流とA相コイル2Aに通電される励磁電流との両方が、通電パターン(1)と逆向きの電流となる。
また、通電パターン(4)は、IN1〜IN4に入力される指令信号のレベルがそれぞれL、H、L、Hとされる場合のパターンである。この通電パターン(4)では、A相コイル2Aに通電される励磁電流は、通電パターン(1)と逆向きの電流であり、B相コイル2Bに通電される励磁電流は、通電パターン(1)と同じ向きの電流である。
コントロールユニット30は、ステッピングモータ1のロータ5を回転させる場合に、上記通電パターン(1)〜(4)を図3(a)又は(b)に示す形態で切替えるように、指令信号をIN1〜IN4に出力する。このとき、かかる指令信号に応じてスイッチング制御部24が各相のモータ通電回路21A,21Bを制御する。
このとき、通電パターン(1)〜(4)の切換毎に、A相コイル2A及びB相コイル2Bに同時にパルス状の励磁電流が通電されると共に、図4(a)〜(c)に例示する如く、A相側の磁極及びB相側の磁極のいずれか一方側の磁極の極性が反転し、これに応じて、ロータ5が、励磁電流の1パルス分の回転角度としての所定の回転角度(電気角で90度の回転角度)づつ、回転する。
この場合、各通電パターンでの励磁電流の通電により到達するロータ5の回転位置は、該ロータ5のN極が、A相側のS極と、これに周方向で隣り合うB相側のS極との間の中間位置(周方向での中間位置)になり、且つ、該ロータ5のS極が、A相側のN極と、これに周方向で隣り合うB相側のN極との間の中間位置(周方向での中間位置)になるような回転位置に規定される。
なお、図4(a)〜(c)は、通電パターンを(2)→(3)→(4)(又は(4)→(1)→(2))というように切り換えた場合の例を示している。
補足すると、通電パターンを一定に維持した状態、あるいは、A相コイル2A及びB相コイル2Bの両方の通電を遮断した状態では、ステッピングモータ1のロータ5の回転位置は、一定に維持される。
以上のように、ステッピングモータ1の運転中は、2相励磁方式によりロータ5の回転位置が制御される。
また、コントロールユニット30は、ステッピングモータ1の運転停止状態で、異常検知処理部31の処理を実行する。
本実施形態では、この異常検知処理部31の処理は、例えば、ステッピングモータ1の運転の要求があった場合(ステッピングモータ1を備える給湯器、ガスコンロ等の機器の運転開始時等)に、ステッピングモータ1の実際の運転を開始する直前に実行される。
ここで、異常検知処理部31の処理の概要を説明しておく。異常検知処理部31は、A相コイル2A及びB相コイル2Bの一方のコイル2A又は2Bの両端を遮断した状態(該両端を開放端にした状態)で、励磁対象のコイルとして選択した他方のコイル2B又は2Aだけに直流電源10から励磁電流を通電しつつ、異常の有無を検知する4種類の異常検知処理S1〜S4と、A相コイル2A及びB相コイル2Bの一方のコイル2A又は2Bの両端を直流電源10の負極(接地極)に導通させた状態で、励磁対象のコイルとして選択した他方のコイル2B又は2Aだけに直流電源10から励磁電流を通電しつつ、異常の有無を検知する1種類の異常検知処理S5との総計5回の異常検知処理S1〜S5を順次実行する。
この場合、上記異常検知処理S1〜S4は、励磁対象(励磁電流の通電対象)のコイル2A又は2Bと、通電方向との組み合わせが互いに異なるものとされる。また、本実施形態では、異常検知処理S5における励磁対象のコイルはA相コイル2A、その通電方向は出力端子OUT2からOUT1に向かう向きである。
そして、本実施形態では、異常検知処理S1〜S5の実行順序は、ステッピングモータ1の運転停止の直前(現在の運転停止状態となる前に行われていた運転が停止される直前)通電パターンデータとして、前記メモリ32に記憶保持されている通電パターンデータに応じて決定される。また、異常検知処理S1〜S5のそれぞれは、あらかじめ定められた所定の時間幅の期間で実行される。
なお、以降の説明では、異常検知処理S1〜S5を区別する必要がないときは、単に、異常検知処理Sと表記する。
また、異常検知処理部31は、各異常検知処理Sを実行する都度、該異常検知処理Sの次に、ロータ5の回転位置を、初回(第1回)の異常検知処理の実行開始前の回転位置と同じ回転位置に保持又は復帰させるようにA相コイル2A及びB相コイル2Bの両方に励磁電流を通電する補助処理Cを実行する。この補助処理Cは、あらかじめ定められた時間幅の期間で実行される。そして、補助処理CでのA相コイル2A及びB相コイル2Bへの励磁電流の通電は、メモリ32に記憶保持されている通電パターンデータにより示される通電パターンと同じパターンで実行される。
さらに、異常検知処理部31は、いずれかの回(例えばn回目)の異常検知処理Sとその次の補助処理Cとで、A相コイル2A又はB相コイル2Bに通電する励磁電流の向きが反転する場合、あるいは、いずれかの回(例えばm回目)の異常検知処理Sの次の補助処理Cとその次(m+1回目)の異常検知処理Sとで、A相コイル2A又はB相コイル2Bに通電する励磁電流の向きが反転する場合は、上記n回目の異常検知処理Sとその次の補助処理Cとの間、あるいは、上記m回目の異常検知処理Sの次の補助処理Cと、その次のm+1回目の異常検知処理Sとの間で、あらかじめ定めた所定時間だけA相コイル2A及びB相コイル2Bの両方の通電を一時的に遮断する通電遮断処理Dを実行する。
以上を前提として、異常検知処理部31の処理をさらに詳細に説明する。
本実施形態では、異常検知処理部31は、メモリ32に記憶保持されている通電パターンデータにより示される、ステッピングモータ1の運転停止の直前の通電パターンが前記通電パターン(1)である場合には、異常検知処理S1〜S5を、例えば図5(a)に示す順番(図示例ではS1→S4→S2→S3→S5の順番)で、それぞれ実行する。
また、上記通電パターンデータにより示される通電パターンが通電パターン(2)である場合には、異常検知処理部31は、異常検知処理S1〜S5を、例えば図6に示す順番(図示例ではS1→S3→S2→S4→S5の順番)で、それぞれ実行する。
また、上記通電パターンデータにより示される通電パターンが通電パターン(3)である場合には、異常検知処理部31は、異常検知処理S1〜S5を、例えば図7に示す順番(図示例ではS2→S3→S1→S4→S5の順番)で、それぞれ実行する。
また、上記通電パターンデータにより示される通電パターンが通電パターン(4)である場合には、異常検知処理部31は、異常検知処理S1〜S5を、例えば図8に示す順番(図示例ではS2→S4→S1→S3→S5の順番)で、それぞれ実行する。
そして、異常検知処理部31は、上記のいずれの場合でも、各異常検知処理Sの次に補助処理Cを実行する。さらに、異常検知処理部31は、異常検知処理Sと補助処理Cとの間で適宜、通電遮断処理Dを実行する。
各異常検知処理Sは、次のように実行される。すなわち、異常検知処理部31は、各異常検知処理Sの実行期間(所定の時間幅(例えば200ms)の期間)において、図5(a)並びに図6〜図8に示すパターンの指令信号の組をモータ駆動回路20の入力端子IN1〜IN4に入力する。
具体的には、S1の異常検知処理では、入力端子IN1だけにHレベルの指令信号が入力され、他の入力端子IN2、IN3、IN4には、Lレベルの指令信号が入力される。
このとき、A相コイル2Aに、出力端子OUT1側からOUT2側に向かう励磁電流を直流電源10から通電するように、A相側のモータ通電回路21Aがスイッチング制御部24により制御される。詳しくは、モータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1〜S4がそれぞれオン、オフ、オフ、オンとなる(ひいては、A相コイル2AのOUT1側の一端が正極接続状態、OUT2側の他端が負極接続状態となる)ように制御される。
そして、B相側のモータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4はいずれもオフとなるように制御される。このため、B相コイル2Bの両端は、直流電源10から遮断される。
また、S2の異常検知処理では、入力端子IN2だけにHレベルの指令信号が入力され、他の入力端子IN1、IN3、IN4には、Lレベルの指令信号が入力される。
このとき、A相コイル2Aに、出力端子OUT2側からOUT1側に向かう励磁電流(S1の異常検知処理と逆向きの励磁電流)を直流電源10から通電するように、A相側のモータ通電回路21Aがスイッチング制御部24により制御される。詳しくは、モータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1〜S4がそれぞれオフ、オン、オン、オフとなる(ひいては、A相コイル2AのOUT2側の一端が正極接続状態、OUT1側の他端が負極接続状態となる)ように制御される。そして、S1の異常検知処理と同様に、B相コイル2Bの両端は、直流電源10から遮断される。
また、S3の異常検知処理では、入力端子IN3だけにHレベルの指令信号が入力され、他の入力端子IN1、IN2、IN4には、Lレベルの指令信号が入力される。
このとき、B相コイル2Bに、出力端子OUT3側からOUT4側に向かう励磁電流を直流電源10から通電するように、B相側のモータ通電回路21Bがスイッチング制御部24により制御される。詳しくは、モータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4がそれぞれオン、オフ、オフ、オンとなる(ひいては、B相コイル2BのOUT3側の一端が正極接続状態、OUT4側の他端が負極接続状態となる)ように制御される。
そして、A相側のモータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1〜S4はいずれもオフとなるように制御される。このため、A相コイル2Aの両端は、直流電源10から遮断される。
また、S4の異常検知処理では、入力端子IN4だけにHレベルの指令信号が入力され、他の入力端子IN1、IN2、IN3には、Lレベルの指令信号が入力される。
このとき、B相コイル2Bに、出力端子OUT4側からOUT3側に向かう励磁電流(S3の異常検知処理と逆向きの励磁電流)を直流電源10から通電するように、B相側のモータ通電回路21Bがスイッチング制御部24により制御される。詳しくは、モータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4がそれぞれオフ、オン、オン、オフとなる(ひいては、B相コイル2BのOUT4側の一端が正極接続状態、OUT3側の他端が負極接続状態となる)ように制御される。そして、S3の異常検知処理と同様に、A相コイル2Aの両端は、直流電源10から遮断される。
以上のように、S1〜S4の異常検知処理では、それぞれ、A相コイル2A及びB相コイル2Bのいずれか一方にだけ、一方向の励磁電流を通電し、且つ他方のコイル2A又は2Bの両端を直流電源10から遮断する(該両端を電気的な開放端にする)ようにモータ通電回路21A,21Bが制御される。そして、S1〜S4の異常検知処理のそれぞれで、通電対象のコイル2A又は2Bと、通電方向との組み合わせが互いに異なるものとされる。
ここで、S1〜S4の異常検知処理のそれぞれにおいて、通電対象のコイル2A又は2Bへの通電が正常に行われる場合には、概ね所定の範囲内の大きさの励磁電流が電流検出用抵抗12を介して通電対象のコイル2A又は2Bに流れる。
このため、コントロールユニット30に電流検出用抵抗12から入力される電流検出信号Viの大きさは、例えば図5(b)に示すように、所定の第1閾値TH1と第2閾値TH2(<TH1)との間の範囲内に収まる。
一方、A相コイル2A又はB相コイル2Bの断線(もしくはコイル2A又はコイル2Bと直流電源10との間の通電経路の断線)が発生した場合には、S1〜S4の異常検知処理のいずれかで、通電対象のコイル2A又は2Bに電流が流れないため、電流検出信号Viの大きさがゼロ(<TH2)となる。
例えばA相コイル2Aの断線(もしくはコイル2Aと直流電源10との間の通電経路の断線)が発生した場合には、図5(c)に示すように、S1及びS2の異常検知処理において、電流検出信号Viの大きさが第2閾値TH2よりも小さくなる。
なお、このことは、B相コイル2Bの断線(もしくはコイル2Bと直流電源10との間の通電経路の断線)が発生した場合でも同様である。この場合には、S3及びS4の異常検知処理において、電流検出信号Viの大きさが第2閾値TH2よりも小さくなる。
また、A相コイル2A又はB相コイル2Bの短絡(出力端子OUT1,OUT2間、あるいは、OUT3,OUT4間の短絡)が発生した場合には、S1〜S4の異常検知処理のいずれかで、直流電源10から通電対象のA相コイル2A又はB相コイル2Bをバイパスする短絡経路で電流が流れることとなるために、電流検出用抵抗12に、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1よりも大きくなるような過大な電流が流れる。
例えばB相コイル2Bの短絡が発生した場合には、図5(d)に示すように、S3及びS4の異常検知処理において、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1よりも大きくなる。
なお、このことは、A相コイル2Aの短絡が発生した場合でも同様である。この場合には、S1及びS2の異常検知処理において、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1よりも大きくなる。
そこで、異常検知処理部31は、S1〜S4の異常検知処理のいずれかで、電流検出信号Viの大きさが所定の第1閾値TH1を超えた場合には、通電対象のA相コイル2A又はB相コイル2Bの短絡(出力端子OUT1,OUT2間、あるいは、OUT3,OUT4間の短絡)による異常が発生したと判断する。
また、異常検知処理部31は、S1〜S4の異常検知処理のいずれかで、電流検出信号Viの大きさが所定の第2閾値TH2を下回るものとなっている場合には、通電対象のA相コイル2A又はB相コイル2Bの断線(もしくは、通電対象のA相コイル2A又はB相コイル2Bと直流電源10との間の通電経路の断線)による異常が発生したと判断する。
なお、上記第1閾値TH1及び第2閾値TH2は、あらかじめ実験等に基づき設定されている。この場合、第1閾値TH1は、本発明における第1閾値に相当するものであると同時に、本発明における第2閾値に相当するものでもある。
次に、S5の異常検知処理では、入力端子IN1,IN4のうちの一方、例えば入力端子IN1にLレベルの指令信号が入力され、残りの3つの入力端子IN2,IN3,IN4にHレベルの指令信号が入力される。
このとき、A相コイル2Aに、出力端子OUT2側からOUT1側に向かう励磁電流を直流電源10から通電するように、A相側のモータ通電回路21Aがスイッチング制御部24により制御される。詳しくは、モータ通電回路21Aの半導体スイッチ素子S1〜S4がそれぞれオフ、オン、オン、オフとなる(ひいては、A相コイル2AのOUT2側の一端が正極接続状態、OUT1側の他端が負極接続状態となる)ように制御される。
また、B相側のモータ通電回路21Bの半導体スイッチ素子S1〜S4がそれぞれオフ、オン、オフ、オンとなるように制御される。すなわち、B相コイル2Bの両端が負極接続状態となるようにモータ通電回路21Bが制御される。
本実施形態では、出力端子OUT2とOUT3とが隣接しているので、半田不良やゴミの付着等に起因して、出力端子OUT2,OUT3間の短絡(A相コイル2AのOUT2側の端部とB相コイル2BのOUT3側の端部との間の短絡)が発生する場合もある。
ここで、出力端子OUT2,OUT3間の短絡が発生していても、A相コイル2A又はB相コイル2Bの短絡、あるいは、A相コイル2A又はB相コイル2Bの断線(もしくはコイル2A又は2Bと直流電源10との間の断線)がいずれも発生していない状況であれば、S1〜S4の異常検知処理では、通電対象のコイル2A又は2Bに正常に励磁電流が流れる。このため、この状況では、S1〜S4の異常検知処理において、電流検出信号Viの大きさは、第1閾値TH1と第2閾値TH2との間に収まる。従って、異常検知処理部31は、S1〜S4の異常検知処理では異常の発生を検知しない。
一方、S5の異常検知処理では、A相コイル2AのOUT2側の一端が正極接続状態、B相コイル2BのOUT3側の一端が負極接続状態となる。このため、出力端子OUT2,OUT3間の短絡が発生している場合には、直流電源10からA相コイル2Aをバイパスする短絡経路で電流が流れることとなる。従って、電流検出用抵抗12に、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1よりも大きくなるような過大な電流が流れる。
このため、出力端子OUT2,OUT3間の短絡が発生している場合には、図5(e)に示すように、S5の異常検知処理において、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1よりも大きくなる。
そこで、異常検知処理部31は、S1〜S4の異常検知処理で、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1と第2閾値TH2との間の範囲に収まっている場合において、S5の異常検知処理で、電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1を超えた場合には、出力端子OUT2,OUT3間の短絡(換言すれば、A相コイル2AのOUT2側の端部とB相コイル2BのOUT3側の端部との間の短絡)による異常が発生したと判断する。
なお、A相コイル2Aの短絡、A相コイル2Aの断線(もしくはA相コイル2Aと直流電源10との間の通電経路の断線)、及び出力端子OUT2,OUT3間の短絡がいずれも発生していない場合には、STEP5では、B相コイル2B側の短絡もしくは断線の有無に係らず、A相コイル2Aだけに正常に電流が流れることとなる。従って、この場合には、電流検出信号Viの大きさは、図5(b)あるいは図5(d)に例示する如く、第1閾値TH1と第2閾値TH2との間の範囲に収まる。
補足すると、出力端子OUT2,OUT3間の短絡が発生していない場合であっても、A相コイル2Aの短絡が発生している場合には、S5の異常検知処理では、S1,S2の異常検知処理と同様に電流検出信号Viの大きさが第1閾値TH1よりも大きくなる。
さらに、出力端子OUT2,OUT3間の短絡が発生していない場合であっても、A相コイル2Aの断線(もしくはA相コイル2Aと直流電源10との間の通電経路の断線)が発生している場合には、S5の異常検知処理では、S1,S2の異常検知処理と同様に電流検出信号Viの大きさが第2閾値TH1よりも小さくなる(図5(c)を参照)。
異常検知処理部31は、以上の如く、ステッピングモータ1の運転開始前に、異常検知処理S1〜S5を実行することで、短絡もしくは断線による異常の有無を検知する。
次に、各異常検知処理Sの次の補助処理Cは次のように実行される。すなわち、異常検知処理部31は、各補助処理Cの実行期間(所定の時間幅(例えば70ms)の期間)において、図5(a)並びに図6〜図8に示す如く、メモリ32に記憶保持されている通電パターンデータにより示されるステッピングモータ1の運転停止の直前の通電パターン(1)又は(2)又は(3)又は(4)に対応するパターンの指令信号の組(すなわち、図3に示した指令信号の組)をモータ駆動回路20の入力端子IN1〜IN4に入力する。
これにより、各補助処理Cにおいて、ステッピングモータ1の運転停止の直前の通電パターン(1)又は(2)又は(3)又は(4)と同じ通電パターンで、A相コイル2A及びB相コイル2Bの両方に励磁電流が通電される。
ここで、各異常検知処理Sでは、A相コイル2A及びB相コイル2Bのいずれか1つのコイル2A又は2Bにだけ励磁電流を通電させるようにモータ通電回路21A,21Bが制御される。
このため、ステッピングモータ1の回路システムが正常である場合における各異常検知処理Sの実行中に、ステッピングモータ1のロータ5が、2相励磁方式での運転時(運転停止の直前を含む)には実現し得ない回転位置に回転してしまう。
そして、仮に、補助処理Cを実行することなく、異常検知処理S1〜S5を実行した場合には、該異常検知処理S1〜S5の実行後に、ステッピングモータ1の運転を開始するときに、その運転開始当初のロータ5の回転位置が、前回の運転の停止時におけるロータ5の回転位置からずれてしまう場合がある。
一例として、ステッピングモータ1の前回の運転停止の直前における通電パターンに応じて、A相側及びB相側の磁極とロータ5の磁極とが図9(a)に示すような状態になっていた場合を想定する。
このとき、ステッピングモータ1の運転停止後、異常検知処理部31の処理によりA相コイル2A又はB相コイル2Bの通電が開始するまでの状態では、ロータ5の回転位置は、ステッピングモータ1の運転停止の直前の状態(図9(a)の状態)に維持されている。
そして、例えば異常検知処理部31の処理のうちのS1(又はS2)の異常検知処理によって、A相コイル2Aへの励磁電流の通電が行われると、ロータ5は、図9(b)に示す如く、1.5パルス分の回転角度(電気角で135度)だけ当初の回転位置(図9(a)の回転位置)から回転する。
さらに、この状態で、A相コイル2A及びB相コイル2Bの両方の通電を遮断した場合には、ロータ5が、正転方向及び逆転方向のいずれか一方の不定方向に、0.5パルス分の回転角度(電気角で45度)だけ回転する。
このとき、ステッピングモータ1の負荷状態等に起因して、図9(c)に示す如く、ロータ5が当初の回転位置から離れる方向に回転する場合がある。例えば、ステッピングモータ1の出力軸にギヤが接続されているような場合には、該ギヤにおけるバックラッシュの影響で、ロータ5が当初の回転位置に近づく方向よりも離れる方向に回転しやすい状況となっている場合がある。このような場合には、ロータ5が当初の回転位置から離れる方向に回転する。
そして、この場合には、ロータ5は、当初の回転位置から2パルス分の回転角度(電気角で180度)だけずれた回転位置に回転することとなる。
さらに、この状態で、ステッピングモータ1の前回の運転停止の直前と同じ通電パターンでA相コイル2A及びB相コイル2Bに励磁電流を通電すると、ロータ5が、正転方向及び逆転方向のいずれか一方の不定方向に、2パルス分の回転角度(電気角で180度)だけ回転する。このとき、ステッピングモータ1の負荷状態等に起因して、図9(d)に示す如く、ロータ5が当初の回転位置から離れる方向に回転する場合がある。この場合には、ロータ5は、当初の回転位置から4パルス分の回転角度(電気角で360度)だけずれた回転位置に回転することとなる。
そこで、異常検知処理部31は、各異常検知処理Sを実行する都度、ロータ5の回転位置を、当初の回転位置(ステッピングモータ1の運転停止の直前の通電パターンにより規定される回転位置)に、復帰させるために、該異常検知処理Sの次に上記の如く補助処理Cを実行する。
この補助処理Cにより、該補助処理Cの直前の異常検知処理Sでロータ5の回転位置が当初の回転位置からずれてしまっても、該ロータ5の回転位置を当初の回転位置に復帰させることができる。
補足すると、本実施形態では、5種類の異常検知処理のうちの最後の異常検知処理S(本実施形態ではS5)の次の補助処理Cにおいては、ロータ5の回転位置を安定化するために、該補助処理Cの実行時間を、それ以前の補助処理Cの実行時間よりも若干長い時間に設定している。
次に、通電遮断処理Dについて説明する。A相コイル2A又はB相コイル2Bに一方向の励磁電流を通電することと、逆方向の励磁電流を通電することとを、時間差をおかずに連続的に切換えるようにモータ通電回路21A又は21Bを制御すると、励磁電流が十分に減衰していない状態でモータ通電回路21A又は21Bの切換制御が行われるため、当該切換えの直後に瞬間的に過剰な電流が流れやすい。
このため、異常検知処理部31は、異常検知処理Sの次に補助処理Cを実行するとき、あるいは、補助処理Cの次に異常検知処理Sを実行するときに、A相コイル2A又はB相コイル2Bの通電方向が切り換わることとなる場合に、異常検知処理Sと補助処理Cとの間で、A相コイル2A及びB相コイル2Bの両方の通電を一時的に遮断するように、モータ通電回路21A,21Bを制御する通電遮断処理Dを実行する。
本実施形態では、図5〜図8にそれぞれ示す如く、2回目の異常検知処理S(図5(a)及び図8ではS4、図6及び図7ではS3)の次の補助処理Cまでは、各相のコイル2A,2Bの通電方向が順番に切換ることがないので、通電遮断処理Dは、実行されない。そして、2回目の異常検知処理S(図5(a)及び図8ではS4、図6及び図7ではS3)の次の補助処理Cの実行後に、異常検知処理Sと補助処理Cとの間、あるいは、補助処理Cと異常検知処理Sとの間で通電遮断処理Dが所定時間の時間幅で実行される。
ここで、異常検知処理Sとその次の補助処理Cとの間での通電遮断処理Dの時間幅が長過ぎると、異常検知処理Sに続く通電遮断処理Dにおいて、前記した図9(b)の状態から図9(c)の状態に移行する場合がある。ひいては、通電遮断処理Dに続く補助処理Cにおいて、ステッピングモータ1のロータ5が当初の回転位置(ステッピングモータ1の運転停止の直前の通電パターンにより規定される回転位置)から離れる側に回転してしまう虞がある。
このため、本実施形態では、通電遮断処理Dを実行する時間幅は、A相コイル2A又はB相コイル2Bの通電方向の切換え時に過剰な電流が流れるのを適正に防止し得る時間幅で、且つ、該通電遮断処理Dの次の補助処理Cでロータ5を当初の回転位置に復帰させることが可能な短い時間幅(所定値以下の時間幅)に、あらかじめ実験等に基づいて設定されている。該時間幅は、本実施形態では、例えば0.7ms以下の時間幅(例えば0.2ms)である。
なお、通電遮断処理Dを実行する時間幅は、本実施形態では、補助処理Cの次の通電遮断処理Dでも、異常検知処理Sの次の通電遮断処理Dと同じ時間幅に設定されている。ただし、補助処理Cの次の通電遮断処理Dでは、ロータ5は回転停止状態に維持されるので、該補助処理Cの次の通電遮断処理Dの時間幅は、異常検知処理Sの次の通電遮断処理Dの時間幅よりも長い時間幅に設定されていてもよい。
また、図5〜図8にそれぞれ示す1回目の異常検知処理Sとその次の補助処理Cとの間、該補助処理Cと2回目の異常検知処理Sとの間、該2回目の異常検知処理Sとその次の補助処理Cとの間でも、通電遮断処理Dを実行するようにしてもよい。
以上が、異常検知処理部31の処理の詳細である。
この処理により、ステッピングモータ1の運転停止状態で、各相のコイル2A,2Bの短絡による異常、あるいは、各相のコイル2A,2Bの断線(もしくはコイル2A又は2Bと直流電源10との間の通電経路の断線)による異常、あるいは、出力端子OUT2,OUT3間の短絡(コイル2A,2Bの特定の端部同士の短絡)による異常を検知することができる。
そして、コントロールユニット30は、異常検知処理部31によるS1〜S5のいずれの異常検知処理でも異常が検知されない場合には、ステッピングモータ1の実際の運転(2相励磁方式による運転)を開始する。また、S1〜S5のいずれかの異常検知処理で異常が検知された場合には、コントロールユニット30は、ステッピングモータ1の運転を開始させずに、エラー警報等を出力する。
以上説明した実施形態によれば、ステッピングモータ1の運転停止状態で、A相及びB相のいずれか1つの相のコイル2A又は2Bに励磁電流を通電した状態で、コイル2A又は2Bの短絡、断線等の異常を支障なく検知することができる。さらに、S1〜S4の異常検知処理に加えてS5の異常検知処理を実行することで、A相コイル2A及びB相コイル2Bの特定の端部同士の短絡(詳しくは、隣接する出力端子OUT2,OUT3間の短絡)を検知することもできる。
また、異常検知処理Sの次に補助処理Cを実行するようにしたことによって、ステッピングモータ1の運転開始前に、ステッピングモータ1のロータ5の回転位置が、当初の回転位置(前回の運転停止時の回転位置)からずれた位置になるのを防止することができる。
このため、2相励磁方式によるロータ5の回転位置を制御を高い信頼性で適切に行うことができる。
次に、以上説明した実施形態の変形態様をいくつか説明する。
前記実施形態では、異常検知処理部31の処理をステッピングモータ1の運転開始の直前に行うようにしたが、ステッピングモータ1の運転停止中に、随時(例えば、一定の時間間隔、もしくは、あらかじめ定められたスケージュールで)、異常検知処理部31の処理を実行するようにしてもよい。
そして、この場合、異常検知処理部31で、ステッピングモータ1の運転開始の要求の有無を逐次監視し、いずれかの異常検知処理Sの実行中に、ステッピングモータ1の運転開始の要求が発生した場合(例えば、ユーザが運転開始の操作を行った場合、あるいは、あらかじめ設定されたスケージュールでの運転開始時刻になった場合等)には、当該実行中の異常検知処理Sを完了し、次の補助処理Cを実行した後に、異常検知処理部31の処理を中止して、ステッピングモータ1の運転を開始するようにしてもよい。
このようにすることで、前記第4発明の実施形態が構築されることとなる。
また、前記実施形態におけるS1〜S5のいずれかの異常検知処理で、異常の発生が検知された場合(例えば、図5のS1の異常検知処理でA相コイル2Aの通電に関する異常が検知された場合等)には、以後の異常検知処理部31の処理を中止すると共に、以後のステッピングモータ1の運転を禁止するようにしてもよい。
また、前記実施形態におけるS5の異常検知処理では、入力端子IN1にLレベルの指令信号を入力する代わりに、入力端子IN4にLレベルの指令信号を入力し、残りの3つの入力端子IN1,IN2,IN3にHレベルの指令信号を入力してもよい。この場合、B相コイル2BのOUT3側の一端が正極接続状態(Hレベル状態)、OUT4側の他端が負極接続状態(Lレベル状態)となると共に、A相コイル2Aの両端が負極接続状態(Lレベル状態)となるようにモータ通電回路21A,21Bが制御されることとなる。
このようにした場合であっても、出力端子OUT2,OUT3間の短絡が発生している場合には、S5の異常検知処理ににおいて、直流電源10から短絡経路を通って電流が流れることとなって、電流検出信号Viが第1閾値TH1を超えるようになる。
また、前記実施形態では、S5の異常検知処理で、出力端子OUT2,OUT3間の短絡の有無を検知するようにしたが、この検知の代わりに、あるいは、この検知に加えて、出力端子OUT1,OUT3間の短絡の有無、あるいは、OUT1,OUT4間の短絡の有無、あるいは、OUT2,OUT4間の短絡の有無を検知するようにすることも可能である。
出力端子OUT1,OUT3間の短絡の有無を検知する場合には、例えば、入力端子IN1〜IN4に入力する指令信号をそれぞれHレベル、Lレベル、Hレベル、Hレベルとする(ひいては、OUT1〜OUT4のそれぞれの出力(電位)を、Hレベル,Lレベル,Lレベル,Lレベルとする)ようにモータ通電回路21A,21Bを制御すればよい。
あるいは、入力端子IN1〜IN4に入力する指令信号をそれぞれHレベル、Hレベル、Hレベル、Lレベルとする(ひいては、OUT1〜OUT4のそれぞれの出力(電位)を、Lレベル,Lレベル,Hレベル,Lレベルとする)ようにモータ通電回路21A,21Bを制御してもよい。
また、出力端子OUT1,OUT4間の短絡の有無を検知する場合には、例えば、入力端子IN1〜IN4に入力する指令信号をそれぞれHレベル、Lレベル、Hレベル、Hレベルとする(ひいては、OUT1〜OUT4のそれぞれの出力(電位)を、Hレベル,Lレベル,Lレベル,Lレベルとする)ようにモータ通電回路21A,21Bを制御すればよい。
あるいは、入力端子IN1〜IN4に入力する指令信号をそれぞれHレベル、Hレベル、Lレベル、Hレベルとする(ひいては、OUT1〜OUT4のそれぞれの出力(電位)を、Lレベル,Lレベル,Lレベル,Hレベルとする)ようにモータ通電回路21A,21Bを制御してもよい。
また、OUT2,OUT4間の短絡の有無を検知する場合には、例えば、入力端子IN1〜IN4に入力する指令信号をそれぞれLレベル、Hレベル、Hレベル、Hレベルとする(ひいては、OUT1〜OUT4のそれぞれの出力(電位)を、Lレベル,Hレベル,Lレベル,Lレベルとする)ようにモータ通電回路21A,21Bを制御すればよい。
あるいは、入力端子IN1〜IN4に入力する指令信号をそれぞれHレベル、Hレベル、Lレベル、Hレベルとする(ひいては、OUT1〜OUT4のそれぞれの出力(電位)を、Lレベル,Lレベル,Lレベル,Hレベルとする)ようにモータ通電回路21A,21Bを制御してもよい。
また、各相のモータ通電回路21A,21Bが、その電源端子Vcc側の半導体スイッチS1,S3の両方を同時にオン状態に制御することが可能に構成されている場合には、S5の異常検知処理において、A相コイル2Aの両端を正極接続状態にすると共に、B相コイル2BのOUT3側の一端を負極接続状態、OUT4側の他端を正極接続状態するようにモータ通電回路21A,21Bを制御するようにしてもよい。
あるいは、B相コイル2Bの両端を正極接続状態にすると共に、A相コイル2BのOUT2側の一端を負極接続状態、OUT1側の他端を正極接続状態するようにモータ通電回路21A,21Bを制御するようにしてもよい。
このようにしても、出力端子OUT2,OUT3間の短絡の有無を検知できる。
このとこは、出力端子OUT1,OUT3間の短絡の有無、あるいは、OUT1,OUT4間の短絡の有無、あるいは、OUT2,OUT4間の短絡の有無を検知する場合でも同様である。
また、前記実施形態では、異常検知処理部31の処理では、S5の異常検知処理を、S1〜S4の異常検知処理の後に実行するようにしたが、S1〜S4のいずれかの異常検知処理の実行前にS5の異常検知処理を実行するようにしてもよい。
S1〜S5の異常検知処理の実行順序は、任意の順序でよい。そして、例えば、ステッピングモータ1の運転停止の直前の通電パターンによらずに、既定の一定順序で、S1〜S5の異常検知処理を実行するようにしてもよい。
また、異常の種別を区別することを必要とせずに、単に断線、短絡等の異常の有無を検知する場合には、例えば、S1及びS2の一方、あるいは、S及びS3の一方の異常検知処理を省略してもよい。さらに、例えば、S1及びS2の異常検知処理で、B相コイル2Bの両端を遮断状態にする代わりに、S5の異常検知処理と同様に、B相コイル2Bの両端を直流電源10の負極(又は正極)に接続するようにモータ通電回路21Bを制御したり、あるいは、S3及びS4の異常検知処理で、A相コイル2Aの両端を遮断状態にする代わりに、A相コイル2Aの両端を直流電源10の負極(又は正極)に接続するようにモータ通電回路21Aを制御するようにしてもよい。
なお、S2の異常検知処理で、B相コイル2Bの両端を直流電源10の負極(又は正極)に接続するようにモータ通電回路21Bを制御した場合には、S5の異常検知処理は不要である。
また、前記実施形態では、モータ通電回路21A,21B及びスイッチング制御部24を単一のICにより構成したが、これらを回路基板上に各別に構成してもよい。
また、前記実施形態では、直流電源10の負極を接地するようにしたが、直流電源10の正極を接地するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、A相及びB相の2相のコイル2A,2Bを備えるステッピングモータ1を例にとって説明したが、本発明は、3相以上のコイルを備えるステッピングモータであって、その運転時に複数相のコイルに励磁電流を通電することで、ロータの回転位置の制御が行われるステッピングモータについても、適用できる。
1…ステッピングモータ、2A…A相コイル(第1相のコイル)、2B…B相コイル(第2相のコイル)、10…直流電源、12…電流検出用抵抗(電流検出手段)、21A,21B…モータ通電回路、22…第1スイッチ回路部、23…第2スイッチ回路部、31…異常検知処理部(異常検知処理手段)、S1〜S5…異常検知処理、C…補助処理、D…通電遮断処理。

Claims (7)

  1. 第1相〜第N相(N:2以上の整数)のN相のコイルを有し、該N相のコイルのうちの複数相のコイルに励磁電流を同時に通電する複数相励磁方式により運転制御が行われるステッピングモータと、各相のコイルに直流電源から励磁電流を通電させるべく各相のコイルに接続されたモータ通電回路とを備える回路システムの異常検知装置であって、
    前記複数相励磁方式によるステッピングモータの運転の停止直前における前記励磁電流の通電パターンを示すデータを記憶保持する記憶保持手段と、
    各相のコイルへの励磁電流の通電時に前記直流電源から流れる電流に応じた出力を発生する電流検出手段と、
    前記ステッピングモータの運転停止中に、前記N相のコイルから励磁対象のコイルとして選択した1つの相のコイルに前記励磁電流を通電するように前記モータ通電回路を制御しつつ、前記電流検出手段の出力に基づいて前記回路システムの異常の有無を検知する異常検知処理を1回以上実行する異常検知処理手段とを備え、
    前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中における各回の前記異常検知処理で異常が検知されなかった場合に、該異常検知処理の次の処理として、前記記憶保持手段に記憶保持されたデータにより示される通電パターンで複数相のコイルに励磁電流を通電するように前記モータ通電回路を制御する補助処理を実行するように構成されていることを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
  2. 請求項1記載のステッピングモータの回路システムの異常検知装置において、
    前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中に、少なくとも各回の前記異常検知処理で異常が検知されない限り、該ステッピングモータの全ての相のコイルのそれぞれを前記励磁対象のコイルとして順次選択して、前記異常検知処理を実行するように構成されていることを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
  3. 請求項2記載のステッピングモータの回路システムの異常検知装置において、
    前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中におけるn回目(n:1以上の整数)の前記異常検知処理とその次の前記補助処理とでそれぞれ同一の相のコイルに互いに逆向きの励磁電流を通電する場合における当該n回目の異常検知処理とその次の補助処理との間、並びに、前記ステッピングモータの運転停止中におけるm回目(m:1以上の整数)の前記異常検知処理の次の前記補助処理とm+1回目の前記異常検知処理とでそれぞれ同一の相のコイルに互いに逆向きの励磁電流を通電する場合における当該補助処理とm+1回目の異常検知処理との間で、各相のコイルへの励磁電流の通電を遮断するように前記モータ通電回路を制御する通電遮断処理を実行するように構成されており、
    前記n回目の異常検知処理とその次の補助処理の間で前記通電遮断処理を実行する時間幅は、該補助処理により実現される前記ステッピングモータのロータの回転位置を該ステッピングモータの運転停止の直前におけるステッピングモータのロータの回転位置に復帰させ得るように、所定値以下の時間幅にあらかじめ設定されていることを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
  4. 請求項2又は3記載のステッピングモータの回路システムの異常検知装置において、
    前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転開始の要求の有無を逐次監視し、前記異常検知処理の実行中に前記ステッピングモータの運転開始の要求があった場合で、且つ、該異常検知処理で異常の発生が検知されない場合に、該異常検知処理の次の前記補助処理の実行後に、前記ステッピングモータの運転を開始させるように構成されていることを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路システムの異常検知装置において、
    前記モータ通電回路は、各相のコイル毎に備えられており、各相のコイルにそれぞれ対応する前記モータ通電回路は、該モータ通電回路が接続されたコイルの一端を、前記直流電源の正極に接続させる正極接続状態と該直流電源の負極に接続させる負極接続状態と該直流電源の正極及び負極から遮断させる遮断状態とのいずれかの状態に制御可能に構成された第1スイッチ回路部と、該コイルの他端を、前記直流電源の正極に接続させる正極接続状態と該直流電源の負極に接続させる負極接続状態と該直流電源の正極及び負極から遮断させる遮断状態とのいずれかの状態に制御可能に構成された第2スイッチ回路部とを備えており、
    前記異常検知処理手段は、前記各回の異常検知処理において、前記励磁対象のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の一方を正極接続状態、他方を負極接続状態に制御すると共に、該励磁対象のコイル以外の各相のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の両方を遮断状態に制御する制御処理と、前記励磁対象のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の一方を正極接続状態、他方を負極接続状態に制御すると共に、該励磁対象のコイル以外の1つ又は複数の相のコイルに接続された前記モータ通電回路のそれぞれの第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の両方を正極接続状態又は負極接続状態に制御する制御処理とのうちのいずれか一方の制御処理を、前記モータ通電回路の制御処理として実行するように構成されていることをことを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
  6. 請求項5記載のステッピングモータの回路システムの異常検知装置において、
    前記N相のコイルのうちの2つの相である第i相(i:1以上N以下の整数)のコイル及び第j相(j:1以上N以下の整数であり、且つ、iと異なる整数)のコイルにそれぞれ対応する前記モータ通電回路は、前記第i相のコイルの両端のうちの一方側の端部を接続する第i相側接続端子と前記第j相のコイルの両端のうちの一方側の端部を接続する第j相側接続端子とが隣接するように設けられており、
    前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中におけるいずれか1つの回の異常検知処理において、前記第i相のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の一方を正極接続状態、他方を負極接続状態に制御すると共に、前記第j相のコイルに接続された前記モータ通電回路の第1スイッチ回路部及び第2スイッチ回路部の両方を正極接続状態又は負極接続状態に制御する制御処理を、当該制御処理によって前記第i相側接続端子に接続される前記第i相のコイルの端部と前記第j相側接続端子に接続される前記第j相のコイルの端部とのうちの一方が前記直流電源の正極に接続され、且つ他方が前記直流電源の負極に接続されるように実行するように構成されていることを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のステッピングモータの回路システムの異常検知装置において、
    前記異常検知処理手段は、前記ステッピングモータの運転停止中における各回の異常検知処理において、前記電流検出手段の出力により示される電流の大きさを、高低2種類の所定の第1閾値及び第2閾値の少なくともいずれか一方と比較することにより前記異常の発生を検知するように構成されていることを特徴とするステッピングモータの回路システムの異常検知装置。
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