JP5837170B2 - 超高分子量ポリエチレン樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体 - Google Patents
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Description
〔1〕
極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、
MFR(メルトフローレート)が0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m3以上である、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外の高密度ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、を含む超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であって、
該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である、
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物。
〔2〕
極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂30〜90質量%と、MFR(メルトフローレート)が0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m3以上である、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外の高密度ポリエチレン樹脂10〜70質量%と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物を得る第1の溶融混練工程と、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物と、MFRが0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m 3 以上である前記高密度ポリエチレン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第2の溶融混練工程と、を有し、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である、
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
〔3〕
極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、MFR(メルトフローレート)が0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m3以上である、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外の高密度ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、を含むポリエチレン樹脂組成物の成形体であって、
該成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である、
成形体。
本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物は、
極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂と、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を含む超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であって、
該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である。
超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]は、5dL/g以上であり、好ましくは8dL/g以上であり、より好ましくは15dL/g以上である。超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]が5dL/g以上であることにより、得られる成形体の耐摩耗性及び摺動性がより向上する。また、極限粘度が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂は、通常の混練条件で分散しにくい傾向にあるが、本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であれば分散性よく超高分子量ポリエチレン樹脂を含むものとなる。一方で、超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]が5dL/g未満であると、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物に含まれる樹脂全体の分子量が低すぎることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の本来の特性の一つである、耐摩耗性や摺動性といった特性が低下する。超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]は、超高分子量ポリエチレン樹脂の重合系に連鎖移動剤として水素を存在させるか、又は重合温度を変化させることによって調節することが可能である。尚、極限粘度は実施例に記載の方法により測定した。
(A−1):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bYc ・・・式1
(式1中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Yはアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4、R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Yはそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(A−2):Ti(OR7)dX(4-d)・・・・・式2
(式2中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
群(2)R2とR3とが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはR2が炭素原子数2又は3のアルキル基であり、R3が炭素原子数4以上のアルキル基であること。
群(3)R2、R3の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR2、R3に含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
式1においてR4、R5及びR6で表される炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、炭素原子数1以上12以下のアルキル基又はアリール基が好ましく、炭素原子数3以上10以下のアルキル基又はアリール基がより好ましい。このような基としては特に限定されないが、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチル−4−メチルペンチル、2−プロピルヘプチル、2−エチル−5−メチルオクチル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。このなかでも、ブチル、sec−ブチル、2−メチルペンチル及び2−エチルヘキシル基が好ましい。
(A−2):Ti(OR7)dX(4-d)・・・・・式2
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
AlR8 jZ(3-j) ・・・式3
(式中、R8は炭素数1以上20以下の炭化水素基、Zは水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基からなる群に属する基であり、jは2以上3以下の数である。)
(M2)γ(Mg)δ(R9)e(R10)f(OR11)g・・・・・式4
(式中、M2は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R9、R10及びR11はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、γ、δ、e、f及びgは次の関係を満たす実数である。0≦γ、0<δ、0≦e、0≦f、0≦g、0<e+f、0≦g/(γ+δ)≦2、kγ+2δ=e+f+g(ここで、kはM2の原子価を表す。))
極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂(以下、単に「ポリオレフィン樹脂」ともいう。)を用いることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察により、屈折率の差によって観察される塊状物を特定範囲の大きさ及び個数に制御することができる。
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体は、該成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である。ここで、「塊状物」とは、成形体断面から切片を切り出して位相差顕微鏡で観察した時に観察される塊状物で、島状に点在するものをいう。この塊状物は、超高分子量ポリエチレン樹脂又は超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物の分散不良の部位が観察されているものと解釈されるが、これに制限されない。なお、特に射出成形体においてこの塊状物の多寡と成形体外観の良否とが概ね相関する。即ち、塊状物のサイズが大きく、量の多いものは成形体の外観が悪くなり、塊状物のサイズが小さく、量の少ないものは成形体の外観はよい。
本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法は、極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物を得る第1の溶融混練工程と、前記超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第2の溶融混練工程と、を有し、前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である。
第1の溶融混練工程は、極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂と、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン濃縮物を得る工程である。
第2の溶融混練工程は、超高分子量ポリエチレン濃縮物と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る工程である。第2の溶融混練工程は、一回で行ってもよいし、複数回で行ってもよい。
極限粘度は、ISO 1628−3:2010に準じて、135℃のデカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した。
MFRは、JIS K7210:1999に準じて、条件コードDの条件で測定した。
密度は、JIS K 7112:1999に準じて、D法(密度こうばい管)で測定した。
トルクは、4C150−01型のラボプラストミル(株式会社 東洋精機製作所製)でR60型ミキサーを用いて測定した。トルクの測定値としては、混練終了時の最終の値を用いた。
実施例及び比較例で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を190℃で約10MPaの圧力で圧縮成形し、1mm厚みのシートを作製した。該シートの一部を切り取り、その断面からミクロトームを用いて厚み約10μmの切片を作製した。該切片をOLYMPUS製BX51N−33−PHU−D顕微鏡にて、10倍の対物レンズを用いて透過位相差観察を行った。透過位相差観察画像には、200μmのスケールを表示した。この時、観察視野は約0.899mm×約0.668mmの範囲とした。透過位相差観察画像(以下、「原画」ともいう。)を1360×1024ピクセルのサイズでJPEGで取り込み、以下の処理に供した。
位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の塊状物の総面積(%)=(10μm2以上の塊状物の総面積(mm2)/(0.899mm×0.668mm))×100
二値化は、「粒子解析」のモードを用いて行い、パラメータは表1の様に設定した。
実施例及び比較例で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を190℃で約10MPaの圧力で圧縮成形し、約1mmの厚みのシートを得た。該シートからJIS K7113:1995の2号ダンベルを打抜き、引張試験に供した。引張試験は JIS K7162:1994に準じて、引張速度50mm/minで行った。引張試験はn=5で行い、その平均値を表2に示した。
窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブにヘキサン1600mLを添加した。10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液800mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液800mLとを4時間かけて同時に添加した。添加後、ゆっくりと昇温し、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1600mL除去し、ヘキサン1600mLで10回洗浄することにより、固体触媒成分[A]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は3.05mmolであった。
ヘキサン、エチレン、水素、触媒を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給した。重合温度はジャケット冷却により58℃に保った。ヘキサンは40L/Hrで供給した。固体触媒成分[A]と、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムとを使用した。固体触媒成分[A]は0.2g/Hrの速度で重合器に添加し、トリイソブチルアルミニウムは10mmol/Hrの速度で重合器に添加した。エチレン系重合体の製造速度は10kg/Hrであった。エチレンを連続供給することにより重合圧力を0.5MPaに保った。触媒活性は80000g−PE/g−固体触媒成分[A]であった。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05Mpaのフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレン及び水素を分離した。重合スラリーは、連続的に溶媒分離工程を経て、乾燥工程へ送られた。塊状のポリマーの存在も無く、スラリー抜き取り配管も閉塞することなく、安定して連続運転ができた。得られた超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度([η])は、23.5dL/gであった。
(1段目)
ヘキサン、エチレン、水素、触媒を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給した。重合圧力は0.83MPaであった。重合温度はジャケット冷却により85℃に保った。ヘキサンは40L/Hrで供給した。触媒として、トリイソブチルアルミニウムと固体触媒成分[A]とを使用した。固体触媒1は1.7g/hの速度で重合器に添加し、トリイソブチルアルミニウムは10ミリモル/hの速度で重合器に添加した。エチレン系重合体の製造速度は14kg/hであった。水素は気相のエチレンに対する水素濃度が62mol%になるようにポンプで連続的に供給した。触媒活性は5400g−PE/g−固体触媒成分[A]であった。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05Mpa、温度70℃のフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレンおよび水素を分離した。分離した後、フラッシュドラムの内容物を連続的に二段目の重合器にスラリーポンプで輸送した。別途、重合器からポリエチレン樹脂を抜き取り、MFRを測定したところ、280dg/minであった。
フラッシュドラムから内容物を攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給することにより、多段重合エチレン系重合体組成物を製造した。重合圧力は0.29MPaであった。なお、重合器にはエチレンのみを供給し、水素は供給しなかった。重合温度はジャケット冷却により57℃に保った。エチレン系重合体の製造速度は6kg/hであった。ポリエチレン樹脂の生産性は2250−PEg/g−固体触媒成分[A]であった。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に溶媒分離工程を経て、乾燥工程へ送られた。塊状のポリマーの存在も無く、スラリー抜き取り配管も閉塞することなく、安定して連続運転ができた。1段目および2段目の重合での最終的な触媒活性は7650g−PE/g−固体触媒1であった。こうして得られた最終的に得られた超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]は6.1dL/gであった。
参考例2で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂として表2に示すMFRが1〜600dg/minである高密度ポリエチレン粉末とを表2に示す割合で混合したのち、ラボプラストミルに45g投入し、190℃、50回転で10分間溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物を得た。尚、該混合物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.2質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.9質量部配合した。
参考例2と同様に重合して得られた超高分子量ポリエチレン樹脂(得られた超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度([η])は、23.4dL/gであった。)と、ポリオレフィン樹脂としてMFRが40dg/minである高密度ポリエチレン粉末とを表2に示す割合で混合したのち、ナカタニ機械株式会社製AS型30mm二軸押出機(L/D=32)にて混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物を得た。この時、スクリューはダルメージタイプを使用した。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=70回転で、吐出量が約4kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行った。尚、該混合物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
実施例6で用いた超高分子量ポリエチレン樹脂25質量%と実施例6で用いたポリオレフィン樹脂75質量%を混合したのち、二軸押出機に投入し、混練した。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=70回転で、吐出量が約4kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行った。尚、該混合物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
参考例3で得られた、多段重合によるポリエチレンをラボプラストミルに45g投入し、190℃、50回転で10分間溶融混練した。尚、該混合物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.2質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.9質量部配合した。
実施例1で用いた超高分子量ポリエチレン50質量%とポリオレフィン樹脂として粘度法による分子量が900(カタログ値)である市販の低分子量ポリオレフィン「ハイワックス100P」(商品名、三井化学株式会社製)50質量%を混合したのち、ラボプラストミルに45g投入し、190℃、50回転で10分間溶融混練して濃縮物を得た。尚、該混合物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.2質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.9質量部配合した。
Claims (3)
- 極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、
MFR(メルトフローレート)が0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m3以上である、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外の高密度ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、を含む超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であって、
該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である、
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物。 - 極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂30〜90質量%と、MFR(メルトフローレート)が0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m3以上である、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外の高密度ポリエチレン樹脂10〜70質量%と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物を得る第1の溶融混練工程と、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂濃縮物と、MFRが0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m 3 以上である前記高密度ポリエチレン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第2の溶融混練工程と、を有し、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である、
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。 - 極限粘度[η]が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、MFR(メルトフローレート)が0.1〜800dg/minであり、密度が942kg/m3以上である、前記超高分子量ポリエチレン樹脂以外の高密度ポリエチレン樹脂20〜80質量%と、を含むポリエチレン樹脂組成物の成形体であって、
該成形体断面の位相差顕微鏡観察において、
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、
屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、250個以下であり、
屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、30個以下であり、
屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、80個以下であり、且つ
前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、10%以下である、
成形体。
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