JP5836303B2 - 遊技機 - Google Patents
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しかして、かかる手口の不正行為を防止するため、前記ベース体と前記カバー体とを接合状態で封印し且つ封印解除に際してベース体又はカバー体の一部の破壊を要するリベット等の封印手段を設けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
基板ボックスに制御基板を収納してなる制御装置を備え、
前記基板ボックスは、
設置時の状態で遊技者に近い側を「前」、反対側を「後」としたとき、前側に位置するベース体と、
該ベース体の後側をカバーするものであって、前記ベース体に対向位置する後面部材の周囲を周枠部材で囲って前面開口状に形成された透明なカバー体と、
前記ベース体と前記カバー体とを接合した状態で封印し且つ封印解除に際してベース体又はカバー体又は自己の破壊を要する封印手段と、を有するものであり、
前記制御基板は、
前記基板ボックスの内部に取り付けられる回路基板と、
該回路基板に装着された少なくとも一つの検査対象電子部品を含む複数の電子部品と、を有するものである遊技機において、
前記カバー体は、
前記制御基板の検査対象電子部品を設けた領域をカバーする着脱カバーと、制御基板の前記以外の領域をカバーする固定カバーに分割形成され、
さらに前記固定カバーは、該固定カバーの前記後面部材から前記回路基板に向けて前記着脱カバーに沿う部位にも前記周枠部材を延設して検査対象電子部品を設けた前記領域以外の領域を外部に晒されない状態であって外部からの不正工作が困難な状態に囲うと共に、前記ベース体に対して取外し手段を持たない固定手段で取り付けられており、
一方、前記着脱カバーは、前記封印手段によって前記ベース体に取り付けられるものである遊技機を提供する。
したがって、不正者が制御基板ごとそっくり不正改造品に交換しようとする場合、着脱カバーの封印解除と固定カバーの破壊という二重のハードルを越える必要があり、しかもその痕跡が着脱カバーと固定カバーに残るため、そのような不正行為の抑止効果と、仮に不正が行われても簡単・迅速に発見し得る効果がある。
なお、便宜上、遊技機は、遊技者に近い側を「前」、反対側を「後」として説明する。また、その遊技機に装着された後述する制御装置は、図9の設置状態を基準として遊技者側(遊技者に近い側)を「前」、反対側を「後」とし、図面上に「前」、「後」、「上」、「下」を参考表記した。
遊技機は、図9に示したように、四角い枠状の外枠1と、その外枠1の前面に横開きの扉状に取り付けた前枠2と、その前枠2の後面に取り付けた機構盤3と、を有する。前記機構盤3は、前枠2に着脱交換可能な状態に装着された遊技板(図示せず)の後面を覆うように取り付けられており、遊技球を貯留する球タンク4と、その球タンク4の遊技球を下方に流す導出樋5と、その導出樋5の遊技球を入賞の景品として遊技者に放出する景品球放出装置6と、を備え、さらに遊技に関わる制御を行う制御装置7を備えている。
前記制御装置7は、図2、図4、図5に示したように、内部中空の箱構造である基板ボックス8に、CPUやメモリー等の電子部品9,9…を搭載した制御基板10を収納したものであり、両横に突設した取付片11,12を介して機構盤3に取り付けられる。
前記制御基板10は、板状の回路基板13と、該回路基板13に装着された多数の電子部品9,9…とから概略構成される。電子部品9,9…の中には、ゲームのプログラムを記録したROM90が含まれており、このROM90が、監督官庁によって検査される検査対象電子部品である。ROM90は、回路基板13の後述する基板ボックス8の封印手段14が設けられている部位に対向する辺側の領域15に配置されており、その領域15内に装着されたROMソケット16に着脱自在に差し込まれている。
前記基板ボックス8は、蓋付き箱の「身」に相当するベース体17と、蓋付き箱の「蓋」に相当するカバー体18と、ベース体17にカバー体18を被せた状態で封印する封印手段14と、から概略構成される。
前記ベース体17は、例えばポリカーボネート等の透明な合成樹脂製であって、図2に示したように、前記機構盤3に当接する横長長方形状の前面部材19と、該前面部材19の四辺から後ろ向きに突設した側枠部材20a〜20dと、図2において右側の側枠部材20bの外側に二つに分けて突設した封印ボックス21,22と、を有しており、全体として後面が開口したトレー状になっている。
前記カバー体18は、例えばポリカーボネート等の透明な合成樹脂製であって、図2に示したように、横向き略凹字状の固定カバー22と、十字状の着脱カバー23とからなる。
前記固定カバー22は、前記ベース体17の前面部材19に対向位置すると共に回路基板13の前記ROM90設置用の領域15に対応する部分を横向きにへこませた略横向き凹字状の後面部材24と、該後面部材24の前記横向きにへこませた部分を含む周囲を囲うように前向きに突設した周枠部材25a〜25dと、からなり、全体として前面開口状に形成されている。
かかる固定カバー22は、周枠部材25a〜25dの開口サイズがベース体17の前記側枠部材20a〜20dの開口サイズより一回り小さくなっており、したがってベース体17の側枠部材20a〜20dの内側に固定カバー22の周枠部材25a〜25dが嵌まる。
なお、ベース体17の上下に位置する側枠部材20a,20cと、固定カバー22の上下に位置する周枠部材25a,25cは、それぞれが間に若干の隙間を有する二重構造になっており、ベース体17に固定カバー22が嵌った状態で側枠部材20a,20cと周枠部材25a,25c同士は互いに噛み合う。
前記着脱カバー23は、制御基板10の検査対象電子部品たるROM90を設けた領域15をカバーするもので、図1、図2に示したように、前記固定カバー22の横向きのへこみに整合し且つ固定カバー22の後面部材24と面一のレベルに位置する着脱主板29と、その着脱主板29の周囲を囲う周壁30と、該着脱主板29と直交する状態に配設された封印手段14と、機構盤3に取り付けるための前記取付片11と、を有しており、全体的に十字の形態になっている。
封印手段14は、ベース体17と着脱カバー23とを接合して封印し且つ封印解除に際してベース体17と着脱カバー23の一部を破壊するものである。実施形態の封印手段14は、図2、図5〜図8に示したように、ベース体17に突設した前記封印ボックス21(前記のように封印ボックス21は、側枠部材20bの上下に二つ設けられているが、二つの封印ボックス21はほぼ上下対称の構造になっているため、一方の封印ボックス21のみについて説明する。以下同じ。)と、該封印ボックス21に嵌合するように着脱カバー23に形成された封印カバー部31と、該封印カバー部31に形成された角穴状の封印穴32と、該封印穴32の奥部から前記封印ボックス21に通じる連通穴33と、前記封印穴32側から連通穴33に装着された金属製のアンカーリベット34と、封印穴32側からアンカーリベット34の中心にねじ込まれたワンウェイネジ35と、前記封印穴32を塞ぐ封印キャップ36と、前記封印穴32の周囲を囲うように設定された破断予定線(図8破線参照。但し、この破線は、実際の封印カバー部31や封印ボックス21に刻まれているものではなく、あくまでも破断方向を示す想像線である。)への工具の切り込み口となる破断口37,37…と、からなる。なお、封印カバー部31に設けられた破断口37は、三角キャップ状で該封印カバー部31と一体成形された蓋カバー38で塞がれており、この蓋カバー38を図8に示したように破断して使用するようになっている。したがって封印カバー部31の蓋カバー38を見れば、一見して封印手段14の状態が確認できる。
以上の封印手段14は、着脱カバー23と固定カバー22の継ぎ目部分に丸囲いの「1」と刻印されているものに対応するものと、同じく丸囲いの「2」に対応するものがある。
封印手段14は、前記のように丸囲いの「2」と刻印されているものが残っているため、着脱カバー23を封印ボックス21に取り付ければ、再度封印することができる。
したがって、不正者が制御基板10ごとそっくり不正改造品に交換しようとする場合、着脱カバー23の封印解除と固定カバー22の破壊という二重のハードルを越える必要があり、しかもその痕跡が着脱カバー23と固定カバー22の双方に残り得るため、そのような不正が行い難く、また、行われても簡単・迅速に発見し得る。
この形態の基板ボックス8は、固定カバー22をベース体17に取付け、次に着脱カバー23をベース体17に取付け、最後に前記丸囲いの「1」に対応する封印手段14での封印を実行すると、固定カバー22と着脱カバー23が封印手段14で一括固定され、しかも封印手段14の封印解除をした場合でもベース体17側に残る封印部材で固定カバー22の固定が継続されるため、固定カバー22のための固定手段を別途設ける必要がない。
[技術的手段]
基板ボックスに制御基板を収納してなる制御装置を備え、
前記基板ボックスは、
設置時の状態で遊技者に近い側を「前」、反対側を「後」としたとき、前側に位置するベース体と、
該ベース体の後側をカバーするものであって、前記ベース体に対向位置する後面部材の周囲を周枠部材で囲って前面開口状に形成された透明なカバー体と、
前記ベース体と前記カバー体とを接合した状態で封印部材で封印し且つ封印解除に際してベース体又はカバー体又は自己の破壊を要する封印手段と、を有するものであり、
前記制御基板は、
前記基板ボックスの内部に取り付けられる回路基板と、
該回路基板に装着された少なくとも一つの検査対象電子部品を含む複数の電子部品と、を有するものである遊技機において、
前記制御基板は、前記回路基板の、前記カバー体の前記封印手段が設けられている部位に対向する辺側の領域に前記検査対象電子部品を配置し、
前記カバー体は、
前記制御基板の検査対象電子部品を設けた前記領域をカバーする着脱カバーと、制御基板の前記以外の領域をカバーする固定カバーに分割形成され、
前記固定カバーは、前記周枠部材を前記着脱カバーに沿う部位にも設けると共に前記ベース体に対して取外し手段を持たない固定手段で取り付けられており、
前記着脱カバーは、前記封印手段によって前記ベース体に取り付けられるものであり、
さらに前記封印手段は、封印解除の破壊によって前記封印部材が切り離されてベース体に残るものであり、
一方、前記固定手段は、前記封印手段の封印部材で固定されるものであることを特徴とする遊技機。
このような隙間を設定するには、ROM90の寸法に合わせて着脱カバー23を成形すれば良いが、隙間が小さい場合には高い精度が必要になってコストが高くつき、また、ROM90の設計変更が困難になるおそれがある。そこで図14の制御装置7は、着脱カバー23の着脱主板29に大径部と小径部が連続する段付孔42を形成し、その段付孔42に金属製の調節ピン43を通して端部をROM90に当接させ、その状態で段付孔42に接着剤44を充填して固めることにより個々のROM90毎に着脱主板29との間の隙間が最も好ましい「0」に設定されるようにした。
この制御装置7によれば、ROM90とROMソケット16との間に不正チップを介在させた場合に着脱カバー23が正常に装着されないため、一見して不正が発見できる。
また、遊技機としてパチンコ機を例示したが、スロットマシン、その他の遊技機にも同様に適用できる。
また、検査対象電子部品を設ける領域15は、実施形態のように回路基板13の一辺の中央付近に設ける場合の他、回路基板13のコーナー付近に設けるようにしてもよい。
8 …基板ボックス
9 …電子部品
90 …ROM(検査対象電子部品)
10 …制御基板
13 …回路基板
14 …封印手段
15 …領域
17 …ベース体
18 …カバー体
22 …固定カバー
23 …着脱カバー
24 …後面部材
25a〜25d …周枠部材
28a …爪片(固定手段)
28b …係合孔(固定手段)
Claims (1)
- 基板ボックスに制御基板を収納してなる制御装置を備え、
前記基板ボックスは、
設置時の状態で遊技者に近い側を「前」、反対側を「後」としたとき、前側に位置するベース体と、
該ベース体の後側をカバーするものであって、前記ベース体に対向位置する後面部材の周囲を周枠部材で囲って前面開口状に形成された透明なカバー体と、
前記ベース体と前記カバー体とを接合した状態で封印し且つ封印解除に際してベース体又はカバー体又は自己の破壊を要する封印手段と、を有するものであり、
前記制御基板は、
前記基板ボックスの内部に取り付けられる回路基板と、
該回路基板に装着された少なくとも一つの検査対象電子部品を含む複数の電子部品と、を有するものである遊技機において、
前記カバー体は、前記制御基板の検査対象電子部品を設けた領域をカバーする着脱カバーと、制御基板の前記以外の領域をカバーする固定カバーに分割形成され、
さらに前記固定カバーは、該固定カバーの前記後面部材から前記回路基板に向けて前記着脱カバーに沿う部位にも前記周枠部材を延設して検査対象電子部品を設けた前記領域以外の領域を外部に晒されない状態であって外部からの不正工作が困難な状態に囲うと共に、前記ベース体に対して取外し手段を持たない固定手段で取り付けられており、
一方、前記着脱カバーは、前記封印手段によって前記ベース体に取り付けられるものであることを特徴とする遊技機。
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