JP3303749B2 - 遊技機用制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機、スロ
ットマシーン等の遊技機に設けられる制御装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機等の遊技機には、内部の基板
上にＲＯＭやＣＰＵ等の制御素子を設置した制御装置が
内蔵されている。この制御装置は、遊技機の作動内容を
制御するため、制御素子が不正に取り替えられたり、不
正に改造されたりする虞れがある。よって、このような
不正を防止するために、従来は、例えば制御装置の左右
両側のカバーとシャーシとに跨がるように、カバー同士
の境目に封印シートを貼着する手段が採用されている。
つまり、制御装置の上カバーが取り外されると、封印シ
ートが直ちに破れるため、制御素子が不正に取り替えら
れたり、改造されたりする事態を容易に発見することが
できることから、不正行為の防止を企図したものであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記制御装置
にあっては、カバーが取り外されても、同一形状の偽造
の封印シートが貼着された場合には、不正の行為を容易
に発見することができず、不正行為の防止に繋がらな
い。又、管轄の警察署が制御素子をチェックする場合
等、正規の目的でカバーを開ける場合には、再度封印シ
ートを貼着し直さなければならないため、非常に煩わし
い。

【０００４】そこで、請求項１に記載の発明は、上記従
来の制御装置における問題点を解消し、不正行為の確実
な発見を可能として、不正行為を効果的に防止する一
方、制御装置のチェックも容易とする遊技機用制御装置
を提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、制御素子を設置した基板
を、両サイドに側縁と上下端でのみ連結される上固着翼
を夫々延設した上カバーと、両サイドに前記上固着翼と
対応し、取付タブ或いは柱状突起を設けた下固着翼を夫
々延設した下カバーとで覆い、前記上固着翼をワンウェ
イタイプのネジによって前記取付タブに螺着するか、或
いは前記上固着翼に前記柱状突起を貫通させて抜け止め
溶着するかして、前記上下カバーを互いに取り外し不能
に固定すると共に、前記上カバーの上面に開口部を設
け、その開口部に、回動操作によって前記開口部へ着脱
可能な蓋部材を装着し、その蓋部材の外周に、ワンウェ
イタイプのネジを保持する複数のネジ保持部を、夫々一
対の連結部によって前記蓋部材から離反させて連設し、
前記ネジにより、前記ネジ保持部の少なくとも１つを前
記上カバーに螺着して、前記蓋部材の回動を阻止可能と
する一方、前記上カバーにおける前記上固着翼との連結
部分を切断することで、前記上固着翼を残して前記上カ
バーを取り外し可能としたことを特徴とするものであ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、遊技機の一例であるパチ
ンコ機１の裏面を示したもので、パチンコ機１の裏側に
付設された機構板２の中央よりやや下側には、遊技機用
制御装置（以下「制御装置」と略称する）３が着脱可能
に取り付けられている。この制御装置３は、図２に示す
ように、機構板２への取付用の上下の設置金具４，４
と、表面にパチンコ機１の作動内容を制御するためのＲ
ＯＭやＣＰＵ等の制御素子６，６・・が設置された基板
５と、そして透明な合成樹脂製の上カバー７及び下カバ
ー８とによって形成される。これらは、設置金具４，４
が、下カバー８の裏側にネジ止めされ、下カバー８の表
側に基板５が配置された状態で、基板５の各コーナー際
のネジ孔９，９・・と下カバー８のネジ止めタブ１０，
１０・・とがネジ１１，１１・・で螺着されることで、
設置金具４，４、基板５、下カバー８とが夫々一体に組
み付けられる。又、上カバー７の両サイドには、上カバ
ー７の側縁と上下端でのみ連結される上固着翼１２，１
２が夫々延設される一方、下カバー８の両サイドにも、
上カバー７の上固着翼１２，１２と対応し、取付タブ１
４，１４を夫々設けた下固着翼１３，１３が夫々延設さ
れ、各上固着翼１２を２本の木ネジ１５，１５で取付タ
ブ１４，１４に螺着することで、上下カバー７，８が一
体化される。この木ネジ１５，１５は、いわゆるワンウ
ェイタイプで、ヘッドの部分にマイナスのドライバを押
し当てて右回転させた場合には、その回転に伴って右回
転するが、ドライバを左回転させた場合には、ヘッド上
でドライバがスリップし、回転しないものである。

【０００７】一方、上カバー７の下方中央（基板５上の
ＲＯＭ等の制御素子６の前面に当る部分）には、図３に
も示す如く、円形の開口部１６が穿設されると共に、開
口部１６の周縁に、外周で周方向に突条１８，１８・・
を断続的に突設した連結筒１７が突設されており、その
連結筒１７に、開口部１６を閉塞可能なキャップ状の蓋
部材１９が装着されている。この蓋部材１９は、図４に
示す如く、連結筒１７に外嵌される大径の筒体２０を有
し、筒体２０の内周の周方向に突条２１，２１・・を断
続的に突設してなり、連結筒１７への装着は、軸方向で
連結筒１７の突条１８，１８・・の間に蓋部材１９側の
突条２１，２１・・を位置させて連結筒１７に外嵌させ
た後、軸方向で突条１８と２１とが重なるように左右ど
ちらかに回転させることで、図５に示すように、突条１
８，２１同士が係合して、蓋部材１９の軸方向への抜け
止め装着がなされるものである。又、蓋部材１９の筒体
２０外周には、放射方向へ４つのネジ保持部２２，２２
・・が等間隔で突設されている。各ネジ保持部２２は、
筒体２０と一対の連結部２３，２３により連結される筒
状体で、その内部中央に形成された仕切板２４には、ネ
ジ挿通孔２５が穿設されると共に、ネジ挿通孔２５の奥
側には、ネジ挿通孔２５を囲むように弾性片２６が形成
され、各ネジ挿通孔２５に、先述の木ネジ１５と同じワ
ンウェイタイプの木ネジ２７が、半分程度ネジ挿通孔２
５に挿通した状態で弾性片２６に把持されている。更
に、上カバー７の上面で、抜け止め状態で装着される蓋
部材１９の各ネジ保持部２２と対応する位置には、木ネ
ジ２７が螺合可能な螺着部２８，２８・・が形成されて
いる。

【０００８】以上の如く構成された制御装置３において
は、図６のように、下カバー８に上カバー７を螺着した
後、上カバー７の連結筒１７に蓋部材１９を外嵌して回
転させ、突条１８と２１同士の係合で蓋部材１９が抜け
止め装着される状態で、４つのネジ保持部２２のうちの
何れか１つの木ネジ２７を、対応する上カバー７の螺着
部２８へねじ込む。すると、螺着されるネジ保持部２２
を介して、蓋部材１９の回動が阻止されるため、蓋部材
１９は上カバー７に固定されたままで、開口部１６は閉
塞されることとなる。勿論この状態では、ワンウェイタ
イプの木ネジ２７は、螺着時と反対方向（左回り）に回
転させることができないから、ネジ保持部２２での螺着
状態は解除不能となる。これは、上下カバー７，８を螺
着する木ネジ１５，１５でも同様である。

【０００９】但し、正規の目的で、基板５上に設置され
た制御素子６の内容をチェック等する場合は、蓋部材１
９を取り外す。即ち、螺着したネジ保持部２２の連結部
２３，２３を、ニッパ等の工具で切断し、当該ネジ保持
部２２を筒体２０から切り離すと、蓋部材１９の回動が
可能となるため、突条１８と２１との係合がなくなる位
置まで回転させれば、蓋部材１９を連結筒１７から取り
外すことができる。よって、開口部１６が開放し、開口
部１６を通して基板５上の制御素子６をチェックするこ
とが可能となる。一方、チェック後に再び蓋部材１９を
固定する場合は、蓋部材１９を抜け止め状態で装着し、
最初に螺着したネジ保持部２２に隣接するネジ保持部２
２を上記と同様に木ネジ２７で螺着すれば良い。よって
ここでは、このような蓋部材１９の分離と固定とを３回
繰り返すことができる。

【００１０】このように、本形態においては、蓋部材１
９を取り外すためには、連結部２３，２３を切断して上
カバー７と螺着されたネジ保持部２２を蓋部材１９から
切り離さなければならないから、不正に蓋部材１９が取
り外された場合には、必ずその痕跡が残る。従って、容
易に不正行為を発見することができると共に、不正行為
の防止にも繋がる。特に、蓋部材１９の固定と分離と
が、１つのネジ保持部２２の螺着や切断で可能となるた
め、作業が簡単で、手間もかからない。尚、ネジ保持部
２２の数は上記形態に限定するものでなく、適宜増減可
能である。又、蓋部材１９と連結筒１７との装着構造
も、上記構造に限らず、連結筒１７の外周か蓋部材１９
の内周の何れか一方にＬ字溝を、他方にそのＬ字溝に挿
入可能な突起を夫々設けることで、蓋部材１９の外嵌と
回転とによる抜け止めを実現したり、その他連結筒１７
に雄ネジ部を、蓋部材１９に雌ネジ部を設けて、回動量
の少ないネジ装着で実現したりしても良い。

【００１１】又、本形態では、リサイクルや焼却処分の
ために基板５を取り外す必要が生じた場合は、下カバー
８に螺着されている上カバー７の上固着翼１２，１２の
上下部分を切断すれば、図７のように、上固着翼１２，
１２を残して上カバー７を取り除くことができるため、
基板５の取り外しも可能となる。尚、この構成は、上記
ワンウェイタイプの木ネジ１５，１５による以外に、他
の固定手段でも実現できる。例えば、図８に示すよう
に、下カバー８の下固着翼１３，１３に、取付タブ１
４，１４に代えて柱状突起２９，２９を突設する一方、
上カバー７の上固着翼１２，１２には、透孔３０，３０
を穿設する。これによれば、上下カバー７，８の組付け
により、図９（Ａ）の如く、透孔３０，３０を通して突
出した柱状突起２９，２９の先端を、熱したドライバー
等で溶かすことで、同図（Ｂ）の如く、上固着翼１２，
１２が抜け止め溶着されて、上カバー７は、上固着翼１
２，１２を分離しない限り取り外し不能となる。

【００１２】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、蓋部材
を取り外すためには、連結部を切断して上カバーと螺着
されたネジ保持部を蓋部材から切り離さなければならな
いから、不正に蓋部材が取り外された場合には、必ずそ
の痕跡が残る。従って、容易に不正行為を発見すること
ができると共に、不正行為の防止にも繋がる。特に、蓋
部材の固定と分離とが、１つのネジ保持部の螺着や切断
で可能となるため、作業が簡単で、手間もかからない。
又、正規の目的で、基板上の制御素子をチェック等する
場合は、螺着したネジ保持部の連結部を切断すれば、蓋
部材の回動が可能となるため、蓋部材を上カバーから取
り外し、開口部を通して制御素子をチェックすることが
できる。更に、前記上カバーの両サイドに、側縁と上下
端でのみ連結される上固着翼を夫々延設して、当該連結
部分を切断することで、上固着翼を残して上カバーを下
カバーから取り外し可能としているから、リサイクルや
焼却処分のために基板を取り外す必要が生じた場合の対
応が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機の説明図である。

【図２】制御装置の説明図である。

【図３】上カバーの正面図及びＡ−Ａ断面図である。

【図４】（Ａ）蓋部材の正面図及び側面図である。 （Ｂ）蓋部材の背面図及び断面図である。

【図５】（Ａ）上カバーに装着した蓋部材のネジ保持部
の断面説明図である。 （Ｂ）上カバーに装着した蓋部材の断面説明図である。

【図６】蓋部材を装着した状態の制御装置の正面図であ
る。

【図７】上カバーを取り外した状態の制御装置の説明図
である。

【図８】上カバーの固定手段の変更例を示す説明図であ
る。

【図９】（Ａ）溶着前の上下カバーの組付け状態の説明
図である。 （Ｂ）溶着後の上下カバーの組付け状態の説明図であ
る。

【符号の説明】

１・・パチンコ機、３・・制御装置、５・・基板、７・
・上カバー、８・・下カバー、１２・・上固着翼、１３
・・下固着翼、１６・・開口部、１７・・連結筒、１
８，２１・・突条、１９・・蓋部材、２２・・ネジ保持
部、２３・・連結部、２７・・木ネジ、２８・・螺着
部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 制御素子を設置した基板を、両サイドに
   側縁と上下端でのみ連結される上固着翼を夫々延設した
   上カバーと、両サイドに前記上固着翼と対応し、取付タ
   ブ或いは柱状突起を設けた下固着翼を夫々延設した下カ
   バーとで覆い、前記上固着翼をワンウェイタイプのネジ
   によって前記取付タブに螺着するか、或いは前記上固着
   翼に前記柱状突起を貫通させて抜け止め溶着するかし
   て、前記上下カバーを互いに取り外し不能に固定すると
   共に、前記上カバーの上面に開口部を設け、その開口部
   に、回動操作によって前記開口部へ着脱可能な蓋部材を
   装着し、その蓋部材の外周に、ワンウェイタイプのネジ
   を保持する複数のネジ保持部を、夫々一対の連結部によ
   って前記蓋部材から離反させて連設し、前記ネジによ
   り、前記ネジ保持部の少なくとも１つを前記上カバーに
   螺着して、前記蓋部材の回動を阻止可能とする一方、前
   記上カバーにおける前記上固着翼との連結部分を切断す
   ることで、前記上固着翼を残して前記上カバーを取り外
   し可能としたことを特徴とする遊技機用制御装置。