JP5836137B2 - タイヤサイド部の塗料層補修方法 - Google Patents
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Description
この方法によれば、補修前に存在していた塗料層を白色層が隠すことによって、当該白色層の外表面に、補修前に存在していた塗料層に影響されることのない、装飾性もしくは標章の視認性の高い新たな塗料層を形成することが可能となる。
図1に示すところにおいて、図中1は、この発明の補修方法に用いることのできるタイヤを示し、図示のタイヤ1は、一般的な空気入りタイヤと同様に、一対のビード部2と、各ビード部2に連なってタイヤ半径方向外方に延びるそれぞれのサイドウォール部3と、それらのサイドウォール部3を連結するトレッド部4とを具えるとともに、図示は省略するが、内部に、ビード部2からサイドウォール部3を経てトレッド部4までトロイド状に延在する、タイヤの骨格をなすカーカスおよび、該カーカスの外周側に配設したベルト等を有するものである。なおこの空気入りタイヤ1に代えてソリッドタイヤとすることもできる。
この塗料層6は、様々な色の塗料で形成することができる他、図示の円環状の形態に加えて、または、該形態に代えて、サイド部外表面の、タイヤ周方向及び/またはタイヤ半径方向の一箇所または複数個所に存在する様々な形状をなす形態で設けることができる。なお、図示は省略するが、例えば、相互に大きさの異なる円環状の塗料層を複数個設けることもできる。
ところで、白色層10は、たとえば、サイド部5の外表面に、インクジェットプリンタのヘッドから、インキを含む塗料を噴射して、該表面上に印刷することで形成することができる。
ここで、前記UVインキに含まれる光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤が一般に使用され、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸メチル等の水素引き抜き型開始剤;ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の分子内開裂型開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型開始剤;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン型開始剤;及びアシルフォスフィンオキサイドを挙げることができる。光重合開始剤は上記のものを単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
そしてまた、前記UVインキに含まれるモノマーとしては、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマー等を適宜使用することができるが、これらは、各種高分子材料との接着性向上、弾性率制御の役割を担っており、接着剤の塗布液の粘度調整にも必要である。その配合量は、使用するオリゴマーによって適宜調整して決定される。モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート(アクリロイルモルホリン)、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の1官能性モノマー;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートトリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーを挙げることができる。
なお、上記のUVインキには、耐候性、耐熱性等の向上、粘度調整などのため適宜、その他の配合剤を配合することができる。
白色層10が補修前の塗料層6を隠すことで、白色層10上に形成された新たな塗料層10が塗料層6に影響されなくなり、装飾性または標章の視認性を向上することができる。
ところで、再塗装後の、既存の塗料層6を含む塗料層の総厚さを、例えば500μm以下とすることができる。
また、白色層形成工程と再塗装工程とを、それぞれ別の場所で実施することもできる。
上記のような保護層は弾力性があり、耐衝撃性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性に優れるため、タイヤの負荷転動時や、悪路走行時や洗車時に、保護層の内側の塗料層及びゴムに疵や剥離が生じることを有効に防止して、装飾性または標章の視認性を長期間維持することができる。
ここで、洗浄に当っては、たとえば高温・高圧の蒸気を噴出するスチームクリーナーを使用することができ、また、不織布やガーゼに、イソプロピルアルコール(IPA)等の溶剤を浸して、サイド部5を拭掃することで洗浄することもできる。
なお、白色層10を形成した後、塗料による新たな塗料層を形成する施す前に、上記と同様の、塵芥を除去する洗浄を行うこともできる。
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 タイヤサイド部
6 塗料層
10 白色層
Claims (4)
- タイヤのビード部、および、該ビード部に連なって延びるサイドウォール部を含むタイヤサイド部の外表面の少なくとも一部に、塗料を塗布してなる塗料層を設けたタイヤの、前記塗料層を補修するタイヤサイド部の塗料層補修方法であって、
明度が80%以上の白色塗料による白色層を前記塗料層上に形成する白色層形成工程を含み、
前記白色層の外表面に塗料による新たな塗料層を形成する再塗装工程を、前記白色層形成工程の後にさらに含むことを特徴とする、タイヤサイド部の塗料層補修方法。 - 前記白色層の厚みが50μm以上である、請求項1に記載のタイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記白色塗料の明度が100%である、請求項1または2に記載のタイヤサイド部の塗料層補修方法。
- 前記タイヤサイド部を洗浄する洗浄工程を、前記白色層形成工程の前にさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤサイド部の塗料層補修方法。
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