JP6000604B2 - ゴム塗装方法並びにこのゴム塗装方法で使用されるゴム用塗料、ゴム用塗料組成物及びゴム塗装用下地処理剤 - Google Patents

ゴム塗装方法並びにこのゴム塗装方法で使用されるゴム用塗料、ゴム用塗料組成物及びゴム塗装用下地処理剤 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム塗装方法並びにこのゴム塗装方法で使用されるゴム用塗料、ゴム用塗料組成物及びゴム塗装用下地処理剤に関するものである。
ゴムは主に、自動車・車両部品、電気部品、水道部品、光学用ゴム、医療用ゴム、スポーツ施設・用品、遊具、油圧・空圧機器、道路標識・安全保安部品などに用いられている。近年、ゴムはこれらの用途において、美装仕上げのための色付けや、オゾン劣化の防止、ゴム表面の改質(撥水性、撥油性、親水性の付与)、難燃性などの条件が求められてきている。
しかし、従来ゴムに対し塗装による着色は難しいという固定概念があり、ゴム用塗料の開発は進んでいないのが現状である。
特許文献1には、タイヤへの密着性および摩擦熱や洗車に対する耐久性に優れたツヤ出し被膜を形成しうるツヤ出し方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、タイヤ表面のシリコーンを除去するために脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物の少なくとも1種を含有する溶液で洗浄し、次いでタイヤ表面を珪酸ソーダ4重量%〜20重量%含有の水溶液で洗浄、水拭き乾燥後、ウレタン樹脂からなる水性ツヤ出し組成物を塗布する必要があり、工程が多く、手間と時間がかかるという問題があった。またゴムへの密着性という点でも十分ではなかった。
特開2009−155620号公報
本発明は、上述したような問題点を解決すべくなされたものであって、工程が少なく多くの手間と時間を必要とせず、塗料のゴムへの密着性に優れたゴム塗装方法を提供するものである。
また、本発明は、そのゴム塗装方法において用いられるゴム用塗料、ゴム用塗料組成物及びゴム塗装用下地処理剤を提供するものである。
請求項1に係る発明は、下地処理剤をゴム表面に塗布し、次いでその上からウレタン系塗料を塗布するゴム塗装方法であって、前記下地処理剤が可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び下式で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするゴム塗装方法に関する。
請求項2に係る発明は、前記下地処理剤中の前記可塑剤が、ゴム表面に0.5〜30g/mで塗布されることを特徴とする請求項1記載のゴム塗装方法に関する。
請求項3に係る発明は、前記下地処理剤が有機溶剤を含有し、前記有機溶剤が、イソプロピルアルコール、メタノール等のアルコール系の溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶剤、及びキシレン等の芳香族系の溶剤からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム塗装方法に関する。
請求項4に係る発明は、前記ウレタン系塗料が、水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一つに記載のゴム塗装方法に関する。
請求項5に係る発明は、前記ウレタン系塗料が、さらにアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項4記載のゴム塗装方法に関する。
請求項6に係る発明は、前記下地処理剤が、水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか一つに記載のゴム塗装方法に関する。
請求項7に係る発明は、下地処理剤とウレタン系塗料を含有するゴム用塗料であって、前記下地処理剤が可塑剤を含有し、前記可塑剤がフタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び下式で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするゴム用塗料に関する。
請求項8に係る発明は、前記ウレタン系塗料が、水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項7記載のゴム用塗料に関する。
請求項9に係る発明は、前記ウレタン系塗料が、さらにアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項8記載のゴム用塗料に関する。
請求項10に係る発明は、エタノール、メタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つを、ゴム用塗料100重量部に対し20〜50重量部含むことを特徴とする請求項7乃至9いずれか一つに記載のゴム用塗料に関する。
請求項11に係る発明は、イソシアネート硬化剤を、ゴム用塗料100重量部に対し5〜20重量部含むことを特徴とする請求項7乃至10いずれか一つに記載のゴム用塗料に関する。
請求項12に係る発明は、前記ウレタン系塗料が、着色顔料及び粘性調整剤を含み、前記粘性調整剤が発酵セルロース及び/又はラポナイト(登録商標)からなり、前記粘性調整剤の含有量が0.02〜3重量%であって、粘度が20℃において10〜500cpsであって、前記着色顔料の粒子径が30μm以下であることを特徴とする請求項7乃至11いずれか一つに記載のゴム用塗料に関する。
請求項13に係る発明は、粘度が20℃において20〜300cpsであることを特徴とする請求項12記載のゴム用塗料に関する。
請求項14に係る発明は、インクジェット用であることを特徴とする請求項12又は13記載のゴム用塗料に関する。
請求項15に係る発明は、可塑剤と水性ウレタン樹脂を含有するゴム用塗料組成物であって、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び下式で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするゴム用塗料組成物に関する。
請求項16に係る発明は、さらにアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項15記載のゴム用塗料組成物に関する。
請求項17に係る発明は、エタノール、メタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つを、ゴム用塗料組成物100重量部に対し20〜50重量部含むことを特徴とする請求項15又は16記載のゴム用塗料組成物に関する。
請求項18に係る発明は、イソシアネート硬化剤を、ゴム用塗料組成物100重量部に対し5〜20重量部含むことを特徴とする請求項15乃至17いずれか一つに記載のゴム用塗料組成物に関する。
請求項19に係る発明は、さらに着色顔料及び粘性調整剤を含み、前記粘性調整剤が発酵セルロース及び/又はラポナイトからなり、前記粘性調整剤の含有量が0.02〜3重量%であって、粘度が20℃において10〜500cpsであって、前記着色顔料の粒子径が30μm以下であることを特徴とする請求項15乃至18いずれか一つに記載のゴム用塗料組成物に関する。
請求項20に係る発明は、粘度が20℃において20〜300cpsであることを特徴とする請求項19記載のゴム用塗料組成物に関する。
請求項21に係る発明は、インクジェット用であることを特徴とする請求項19又は20記載のゴム用塗料組成物に関する。
請求項22に係る発明は、可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び下式で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするゴム塗装用下地処理剤に関する。
請求項23に係る発明は、水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項22記載のゴム塗装用下地処理剤に関する。
請求項1に係る発明によれば、下地処理剤をゴム表面に塗布し、次いでその上からウレタン系塗料を塗布するゴム塗装方法であって、前記下地処理剤が可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び前記式(化1)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであるゴム塗装方法であることにより、下地処理剤を拭き取る必要がなく、下地処理剤の上からウレタン系塗料を塗布すればよいので、工程が少なく多くの手間と時間を必要としないゴム塗装方法を提供することができる。また、ウレタン系塗料のゴムへの密着性に優れたゴム塗装方法を提供することができる。
また、ウレタン系塗料をゴム表面に密着性よく塗装することができるので、ゴムに色つけができゴム表面を美装仕上げすることができる。また、オゾン劣化の防止や、ゴム表面の改質(撥水性、撥油性、親水性の付与)をすることができ、ゴムを難燃性とすることができる。
請求項2に係る発明によれば、下地処理剤中の可塑剤が、ゴム表面に0.5〜30g/mで塗布されることにより、下地処理剤の量が不足或いは過剰となることがなく、ウレタン系塗料の密着性に優れたゴム塗装方法とすることができる。また、ウレタン系塗料と下地処理剤中の可塑剤が一体となってゴム表面に膜を形成することができ、塗料のゴムへの密着性をより向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、下地処理剤が有機溶剤を含有し、有機溶剤が、イソプロピルアルコール、メタノール等のアルコール系の溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶剤、及びキシレン等の芳香族系の溶剤からなる群から選択される少なくとも1つであることにより、下地処理剤を容易に希釈することができるので、下地処理剤の塗布作業性を向上させることができる。
請求項4に係る発明によれば、ウレタン系塗料が水性ウレタン樹脂を含有することにより、下地処理剤による密着性向上効果を高めることができる。また、耐摩耗性に優れた塗膜をゴム表面に形成することができ、低硬度のゴムの伸びにも追従できる塗膜をゴム表面に形成することができる。
請求項5に係る発明によれば、ウレタン系塗料がさらにアクリル樹脂を含有することにより、多用途で使用可能なゴム塗装方法とすることができる。
請求項6に係る発明によれば、下地処理剤が水性ウレタン樹脂を含有することにより、下地処理剤の粘度が高くなりゴム表面に薄膜を形成するので、下地処理剤自身のゴム表面への密着性を向上させることができる。また、その上からウレタン系塗料が塗装されたときに、下地処理剤がゴム表面から流れ落ちてしまいウレタン系塗料の密着性が減少することを防ぐことができる。
請求項7に係る発明によれば、下地処理剤とウレタン系塗料を含有するゴム用塗料であって、前記下地処理剤が可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び前記式(化2)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであるゴム用塗料であることにより、塗装の際に、工程が少なく多くの手間と時間を必要としないことが可能となる。また、ゴムへの密着性に優れたゴム用塗料とすることができる。
これにより、ゴム表面に密着性よく塗装することができるので、ゴムに色つけができゴム表面を美装仕上げすることができる。また、オゾン劣化の防止や、ゴム表面の改質(撥水性、撥油性、親水性の付与)をすることができ、ゴムを難燃性とすることができる。
請求項8に係る発明によれば、ウレタン系塗料が水性ウレタン樹脂を含有することにより、耐摩耗性に優れた塗膜をゴム表面に形成することができ、低硬度のゴムの伸びにも追従できる塗膜をゴム表面に形成することができる。
請求項9に係る発明によれば、ウレタン系塗料がさらにアクリル樹脂を含有することにより、多用途で使用可能なゴム用塗料とすることができる。
請求項10に係る発明によれば、エタノール、メタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つを、ゴム用塗料100重量部に対し20〜50重量部含むゴム用塗料とすることにより、塗料の乾燥性を向上させることができる。
請求項11に係る発明によれば、イソシアネート硬化剤を、ゴム用塗料100重量部に対し5〜20重量部含むゴム用塗料とすることにより、ゴムやタイヤから出る加硫剤や油分、劣化防止剤で塗膜が黄変する現象を防止することができる。これは、特に白色の塗料において有効である。
請求項12に係る発明によれば、ウレタン系塗料が、着色顔料及び粘性調整剤を含み、前記粘性調整剤が発酵セルロース及び/又はラポナイト(登録商標)からなり、前記粘性調整剤の含有量が0.02〜3重量%であって、粘度が20℃において10〜500cpsであって、前記着色顔料の粒子径が30μm以下であるゴム用塗料であることにより、白色顔料等の比重の大きい無機顔料を用いた場合であって且つ低粘度であっても、ゴム用塗料における顔料の沈殿を防止することができる。これにより、塗装の着色が薄まることを防止でき、また、塗料を常時攪拌する必要がなくなる。
請求項13に係る発明によれば、粘度が20℃において20〜300cpsであるゴム用塗料であることにより、塗装後の塗料が垂れにくく、且つインクジェットに用いる際に噴射しやすいゴム用塗料とすることができる。
請求項14に係る発明によれば、塗装の着色が薄まることを防止でき、塗料を常時攪拌する必要がなくなることに加え、インクジェットのノズルの詰まりの発生がないので、インクジェット用のゴム用塗料として好適に使用できる。
請求項15に係る発明によれば、可塑剤と水性ウレタン樹脂を含有するゴム用塗料組成物であって、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び前記式(化3)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであるゴム用塗料組成物であることにより、塗装の際に、工程が少なく多くの手間と時間を必要としないことが可能となる。また、ゴムへの密着性に優れたゴム用塗料組成物とすることができる。
これにより、ゴム表面に密着性よく塗装することができるので、ゴムに色つけができゴム表面を美装仕上げすることができる。また、オゾン劣化の防止や、ゴム表面の改質(撥水性、撥油性、親水性の付与)をすることができ、ゴムを難燃性とすることができる。
また、耐摩耗性に優れた塗膜をゴム表面に形成することができ、低硬度のゴムの伸びにも追従できる塗膜をゴム表面に形成することができる。
請求項16に係る発明によれば、ゴム用塗料組成物がさらにアクリル樹脂を含有することにより、多用途で使用可能なゴム用塗料組成物とすることができる。
請求項17に係る発明によれば、エタノール、メタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つを、ゴム用塗料100重量部に対し20〜50重量部含むゴム用塗料組成物とすることにより、塗料の乾燥性を向上させることができる。
請求項18に係る発明によれば、イソシアネート硬化剤を、ゴム用塗料100重量部に対し5〜20重量部含むゴム用塗料組成物とすることにより、ゴムやタイヤから出る加硫剤や油分、劣化防止剤で塗膜が黄変する現象を防止することができる。これは、特に白色の塗料において有効である。
請求項19に係る発明によれば、さらに着色顔料及び粘性調整剤を含み、前記粘性調整剤が発酵セルロース及び/又はラポナイトからなり、前記粘性調整剤の含有量が0.02〜3重量%であって、粘度が20℃において10〜500cpsであって、前記着色顔料の粒子径が30μm以下であるゴム用塗料組成物であることにより、白色顔料等の比重の大きい無機顔料を用いた場合であって且つ低粘度であっても、ゴム用塗料における顔料の沈殿を防止することができる。これにより、塗装の着色が薄まることを防止でき、また、塗料を常時攪拌する必要がなくなる。
請求項20に係る発明によれば、粘度が20℃において20〜300cpsであるゴム用塗料組成物であることにより、塗装後の塗料が垂れにくく、且つインクジェットに用いる際に噴射しやすいゴム用塗料組成物とすることができる。
請求項21に係る発明によれば、塗装の着色が薄まることを防止でき、塗料を常時攪拌する必要がなくなることに加え、インクジェットのノズルの詰まりの発生がないので、インクジェット用のゴム用塗料組成物として好適に使用できる。
請求項22に係る発明によれば、可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び前記式(化4)で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであるゴム塗装用下地処理剤であることにより、塗料のゴムへの密着性を向上させることができる。
請求項23に係る発明によれば、水性ウレタン樹脂を含有するゴム塗装用下地処理剤であることにより、下地処理剤は粘度が高くなりゴム表面に薄膜を形成するので、下地処理剤自身のゴム表面への密着性を向上させることができる。また、その上からウレタン系塗料が塗装されたときに、下地処理剤がゴム表面から流れ落ちてしまいウレタン系塗料の密着性が減少することを防ぐことができる。
実施例2の塗装方法で塗装されたゴムの、紫外線の照射時間による光沢保持率の変化を示すグラフである。 実施例2の塗装方法で塗装されたゴムの、紫外線の照射時間による色差(ΔE)の変化を示すグラフである。 実施例2の塗装方法で塗装されたゴム及び未塗装のゴムの、紫外線の照射300時間後の表面写真(×300)である。 実施例8の塗装方法で塗装されたゴム及び未塗装のゴムの、紫外線の照射2000時間後の表面写真(×300)である。
以下、本発明に係るゴム塗装方法並びにこのゴム塗装方法で使用されるゴム用塗料、ゴム用塗料組成物及びゴム塗装用下地処理剤について説明する。
本発明に係るゴム塗装方法において、まず下地処理剤をゴム表面に塗布する。
下地処理剤は有機溶剤を含有することができる。この有機溶剤としては、これらに限定されるものではないが、イソプロピルアルコール、メタノール等のアルコール系の溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶剤、キシレン等の芳香族系の溶剤が好ましく用いられ、これらを単独或いは組み合わせて用いることができる。
下地処理剤は可塑剤を含有する。この可塑剤としては、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物が用いられ、これらを単独或いは組み合わせて用いることができる。
下地処理剤は、可塑剤と有機溶剤とを重量%比で1:99〜100:0、好ましくは40:60〜60:40で含有する。
フタル酸エステルとしては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル等を用いることができる。
脂肪族2塩基酸エステルとしては、アジピン酸ジイソノニル、コハク酸ジエチル等を用いることができる。
グリコールエステル酸としては、エチレングリコールアセテート等を用いることができる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリブチル等を用いることができる。
アルキルスルホン酸フェニルエステルとしては、メザモール(ランクセス社製)等を用いることができる。
脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、下式で示される化合物を用いることができる。
本発明者の実験的知得により、ゴムに含まれている劣化防止剤、ワックス、シリコーン、及びゴムの伸びが、ゴムと塗料の密着性を阻害していることがわかった。
劣化防止剤(老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤)は、ゴムが日光、オゾン等と反応して亀裂へと成長する過程を防止するためにゴムに含まれている。この劣化防止剤はゴム表面に浮き易く、ブリードの原因となっている。
ワックスは、二重結合を持つゴムの耐オゾン性を向上させるためにゴムに含まれている。ワックスは、ゴム表面に徐々に出てきて薄い膜(ブルーム)を形成し、ゴム表面を保護するが、これがブルーム現象による粉吹きの原因となっている。
シリコーンはゴムに離型剤として含まれ、ゴム成型時に使用される。車のタイヤではツヤ出しや撥水剤等として使用される場合がある。このシリコーンも塗料の密着性不良の原因となっている。
また、塗膜が仮に密着していても、塗膜自体に柔らかさがなければ、ゴムの柔軟な動きに追従せず、クラックや剥離の原因となる。
本発明に係る下地処理剤は、上記のような構成をとることにより、ゴムに対する浸透性が良く、これら劣化防止剤、ワックス、シリコーン等のゴムと塗料の密着性を阻害している物質を除去することができるので、ゴムと後述するウレタン系塗料との密着性を向上させることができる。また、柔軟性に優れゴムの伸びに追従することができるので、塗膜のクラックの発生や剥離を防止することができる。
下地処理剤は、水性ウレタン樹脂を含有することができる。これにより、下地処理剤は粘度が高くなりゴム表面から弾かれ難くなる。よって、ゴム表面に薄膜を形成することが可能となる。これにより、下地処理剤自身のゴム表面への密着性が向上することとなる。また、下地処理剤の上からウレタン系塗料を塗装する際に、下地処理剤がゴム表面から流れ落ちてしまうことがないので、ウレタン系塗料の密着性も向上させることができる。
下地処理剤は、水性ウレタン樹脂の他にアクリル樹脂を含有することができる。アクリル樹脂を含有することにより、多用途で使用可能とすることができる。
ゴム表面に下地処理剤を塗布した後、その上からウレタン系塗料を塗布する。
下地処理剤中の可塑剤が、ゴム表面に0.5〜30g/mで塗布されることが好ましい。これにより、ウレタン系塗料と下地処理剤中の可塑剤が一体となってゴム用塗料となり、ゴム表面にゴム用塗料の膜を形成することができ、塗料のゴムへの密着性をより向上させることができる。
塗布量が0.5g/m未満であると、ゴム表面の下地処理剤の量が不足し、ウレタン系塗料を十分に密着させることができないので好ましくない。塗布量が30g/mを超えると、ゴム表面の下地処理剤の量が過剰となり、ウレタン系塗料を十分に密着させることができないので好ましくない。
また、予め、下地処理剤に含まれるものと同じ可塑剤とウレタン系塗料を混合してゴム用塗料とし、このゴム用塗料をゴム表面に直接塗布することもできる。
この場合、可塑剤の含有量は、1〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜5重量%である。可塑剤の含有量が1重量%未満であると、密着性の点で好ましくない。可塑剤の含有量が10重量を超えると、塗装面に粘着性が出てしまい好ましくない。
ウレタン系塗料は、水性ウレタン樹脂を含有することが好ましい。ウレタン系塗料としては、ターナーラバーペイントRF−200、YN−1000、YN−4000(いずれもターナー色彩社製)が例示できる。
ウレタン系塗料は、水性ウレタン樹脂の他にアクリル樹脂を含有してもよい。これにより、多用途で使用可能なゴム塗装方法とすることができる。
ウレタン系塗料は、その他、着色顔料、添加剤、水を適宜配合することができる。
着色顔料としては、塗料に一般的に使用されるものを用いることができる。例えば、白色顔料としてチタン、青色顔料としてシアニンブルー、黒色顔料としてカーボンを用いることができる。
ウレタン系塗料ターナーラバーペイントYN−1000(ターナー色彩社製)は、水性ウレタン樹脂、着色顔料、添加剤、及び水を成分とする、耐摩耗性に優れたウレタン系塗料である。エスカレータのハンドレールゴムに好適に使用される。
ウレタン系塗料ターナーラバーペイントRF−200(ターナー色彩社製)は、水性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、着色顔料、添加剤、及び水を成分とする、多用途で使用可能なウレタン系塗料である。ラバーフェンス、ゴム看板、模型用に好適に使用される。
ウレタン系塗料ターナーラバーペイントYN−4000(ターナー色彩社製)は、水性ウレタン樹脂、着色顔料、添加剤、及び水を成分とする、風船の伸びにも追従するような柔軟性に優れたウレタン系塗料である。低硬度ゴム用、ゴム風船用、防振用ゴムに好適に使用される。
下地処理剤の塗布後にウレタン系塗料を塗布する場合、ウレタン系塗料の粘度は20℃において500〜3000cpsであることが好ましい。
本発明のゴム用塗料は、エタノール、メタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つを、ゴム用塗料100重量部に対し20〜50重量部含むことができる。これにより、塗料の乾燥性を向上させることができる。
本発明のゴム用塗料は、イソシアネート硬化剤を、ゴム用塗料100重量部に対し5〜20重量部含むことができる。これにより、ゴムやタイヤから出る加硫剤や油分、劣化防止剤で塗膜が黄色化する現象を防止することができる。これは、特に白色の塗料において有効である。
イソシアネート硬化剤としては、バーノックDNW−5000(DIC社製)等を用いることができる。
本発明のゴム用塗料は、インクジェットに用いることができる。以下、インクジェットに用いる場合のゴム用塗料について特有の事項についてのみ説明する。
本発明のインクジェット用ゴム用塗料は、着色顔料を含むことができ、さらに粘性調整剤を含むことができる。
粘性調整剤としては、温度変化により粘度が変化し難い発酵セルロースやラポナイト(登録商標)が好適に用いられる。
粘性調整剤の含有量は、0.02〜3重量%であることが好ましい。
発酵セルロースとは、酢酸菌の亜種を適正な培地で通気攪拌培養して得られる、生分解性を有する天然由来の素材であり、例えば、国際公開第2008/057985号、特開2009−161624号公報、国際公開第2004/108164号、特開2007−98577号公報、特開2006−247971号公報、特開2004−249573号公報、特開平11−279202号公報、特許第3796613号公報、特開平10−231466号公報、特開平10−95803号公報、特許第2926210号公報、特開平7−76198号公報及び特開平6−1647号公報に記載されるものを用いることができる。
本発明のインクジェット用ゴム用塗料は、粘性調整剤により、粘度が20℃において10〜500cpsに調整されることが好ましく、20〜300cpsに調整されることがさらに好ましい。
着色顔料の粒子径は、30μm以下であることが好ましい。
着色顔料の含有量は、色によって異なるが、白色顔料の場合、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは25重量%程度、黒色や青色顔料の場合、好ましくは1〜6重量%、さらに好ましくは3重量%程度である。
白色顔料の場合は、隠ぺい力の理由により含有量を多くする必要があり、沈殿が起こりやすい。
本発明のインクジェット用ゴム用塗料においては、粘度が20℃において10〜500cps、さらに好ましくは20〜300cpsであり、着色顔料の粒子径が30μm以下であることにより、固形分が多く比重の大きいチタン顔料を用いる場合であって且つ低粘度であっても、着色顔料の沈殿を防ぐことができ、インクジェットに用いることができる。
ウレタン系塗料又はゴム用塗料の粘度が10cps未満であると、塗料がゴム表面から流れ落ちてしまう虞や、塗料の垂れが生じる虞があり、好ましくない。
ウレタン系塗料又はゴム用塗料の粘度が500cpsを超えると、インクジェットでの印字が難しくなり好ましくない。
着色顔料の粒子径が30μmを超えると、インクジェットの詰まりが生じ易く、印字が出来なくなり好ましくない。
以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明に係るゴム塗装方法並びにこのゴム塗装方法で使用されるゴム用塗料、ゴム用塗料組成物及びゴム塗装用下地処理剤は、これらに限定されるものではない。
<下地処理剤の調製>
フタル酸ジブチルを実施例1の下地処理剤とし、フタル酸ジブチルとイソプロピルアルコール(IPA)とを50:50の割合(重量%)で混合したものを実施例2の下地処理剤とした。実施例2とは、可塑剤としてフタル酸ジブチルの代わりに、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、コハク酸ジエチル、エチレングリコールアセテート、リン酸トリブチル、アルキレンオキサイド付加物液(化1〜5中のm=1、n=1に相当)、メザモール(ランクセス社製)、フタル酸ジイソノニル(DINP)(ジェイ・プラス社製)を用いること以外は同じ条件のものを、それぞれ実施例9〜16の下地処理剤とした。また、イソプロピルアルコールのみを含むものを比較例1の下地処理剤、市販のアクリル系溶剤、30%ケイ酸ナトリウム水溶液を、それぞれ比較例2及び3の下地処理剤とした。
<下地処理剤及びウレタン系塗料の塗布>
クロロプレンゴム(CRゴム)表面に実施例1,2,9〜16、及び比較例1〜3の下地処理剤を可塑剤が15g/mとなるように塗布した。
次いで、下地処理剤の上からウレタン系塗料ターナーラバーペイントRF−200(ターナー色彩社製)を塗布した。
また、実施例2とは下地処理剤中の可塑剤がゴム表面において夫々0.3,0.5,30,40g/mとなるように塗布したこと以外は同じ条件のものを、夫々実施例3,4,5,6とし、塗装対象ゴムがEPDMであってウレタン系塗料がターナーラバーペイントYN−1000(ターナー色彩社製)であること以外は同じ条件のものを実施例7とした。また、実施例7とはウレタン系塗料がターナーラバーペイントYN−4000(ターナー色彩社製)であること以外は同じ条件のものを実施例8とした。
組み合わせを下記表1に示す。
試験1(密着性)
実施例1〜6,9〜16及び比較例1〜3の塗装方法において、碁盤目試験を行い、テープ引き剥がし後の碁盤目の状態を目視確認し、ゴムへの塗料の密着性を評価した。
また、実施例1〜6,9〜16及び比較例1〜3の塗装方法において、天然ゴム(NR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレン(IR)、ウレタン(U)、クロルスルホン化ポリエチレン(CSM)、クロロプレンゴム(CR)、エラストマー、ブチルゴム(IIR)を塗装対象物とする場合の塗料の密着性も同様に評価した。結果を下記表2に示す。
表2の結果から、実施例の塗装方法によるゴムの塗料は、比較例の塗装方法によるゴムの塗料に比べて、密着性に優れていることは明らかである。
実施例2〜6の比較により、下地処理剤中の可塑剤がゴム表面に0.5〜30g/mとなるようにウレタン系塗料を塗布したものが、0.5g/m未満のもの、及び30g/mを超えるものに比べて、塗料の密着性に優れていることがわかる。
試験2(耐水性)
実施例1〜6,9〜16及び比較例1〜3の塗装方法により塗料が塗装されたゴムを、24時間水中に浸漬させ、目視により膨れ、剥がれを評価した。
実施例1〜6,9〜16の塗装方法により塗料が塗装されたゴムに、塗料の膨れや剥がれは見られなかった。
一方、比較例1〜3の塗装方法により塗料が塗装されたゴムには、一部塗料の膨れや剥がれが見られた。
試験3(低温時の塗膜の伸び)
実施例1〜6,9〜16及び比較例1〜3の塗装方法により塗料が塗装されたゴムに対し、JIS K−6251に準拠して−20℃における引っ張り試験を行った。
実施例1〜6,9〜16の塗装方法により塗料が塗装されたゴムに、塗料のクラック等は見られなかった。
一方、比較例1〜3の塗装方法により塗料が塗装されたゴムには、一部塗料のクラックが見られた。
試験4(耐候性)
実施例2及び8の塗装方法により塗料が塗装されたゴムに、JIS K5600−7−7に準拠してキセノンランプにより紫外線を照射し、耐候性を評価した。
図1は、実施例2の塗装方法で塗装されたゴムの、紫外線の照射時間による光沢保持率、即ち初期の光沢を100とした時の変化を示すグラフである。
図2は、実施例2の塗装方法で塗装されたゴムの、紫外線の照射時間による色差(ΔE)の変化を示すグラフである。
図3は、実施例2の塗装方法で塗装されたゴム及び未塗装のゴムの、紫外線の照射300時間後の表面写真(×300)である。
図4は、実施例8の塗装方法で塗装されたゴム及び未塗装のゴムの、紫外線の照射2000時間後の表面写真(×300)である。
図1の結果からわかるように、実施例2の塗装方法により塗料が塗装されたゴムは、照射時間700時間においても光沢保持率100%を保持しており、耐候性に優れていることがわかる。
図2の結果からわかるように、実施例2の塗装方法により塗料が塗装されたゴムは、照射時間300時間においても色差(ΔE)に変化が見られず、耐候性に優れていることがわかる。
図3及び4の写真を見てわかるように、未塗装のゴム表面にはオゾン劣化によるクラックが見られるのに対し、実施例2及び8のゴム表面の塗膜上にクラック等の欠陥は見られず、実施例のゴムは耐候性に優れていることがわかる。
試験5(耐摩耗性)
実施例7の塗装方法で塗装されたゴムを、ウォッシャビリティ洗浄試験機を用い洗浄液なしで豚毛ブラシ洗浄2万回を行い、目視により耐摩耗性を評価した。
ゴム表面に摩耗は見られず、実施例7の塗装方法で塗装されたゴムは耐摩耗性に優れていることがわかる。
試験6(繰り返しの可撓性)
エスカレータのハンドレールに実施例7の塗装方法で塗装し、エスカレータを1日13時間、1ヶ月稼動させた後の光沢保持率を測定することにより、繰り返しの可撓性を評価した。
稼動後の光沢保持率は、エスカレータ稼動前と比べて99%以上の光沢保持率を維持していた。よって、実施例7の塗装方法で塗装されたゴムは繰り返しの可撓性に優れていることがわかる。
試験7(耐傷性)
実施例7の塗装方法で塗装されたゴム表面を爪(鉛筆硬度Hに相当)で擦り、耐傷性を評価した。
ゴム表面に傷はほとんど見られず、実施例7の塗装方法で塗装されたゴムは耐傷性に優れることがわかる。
試験8(寒熱サイクル試験)
実施例7の塗装方法で塗装されたゴムを、−20℃16時間と、室温8時間とのサイクルを6サイクル行い、目視によりゴム表面に異常がないかを評価した。
結果、ゴム表面に異常は見られなかった。
試験9(低温屈曲試験)
実施例7の塗装方法で塗装されたゴムを、−20℃に冷却後、山折り屈曲させ、ゴム表面に異常がないかを評価した。
結果、ゴム表面に異常は見られなかった。
以上より、本発明に係るゴム塗装方法により塗装されたゴムは、塗料の密着性に優れ、耐候性やその他の項目において、優れた性能を示すことがわかる。
また、実施例の下地処理剤の可塑剤のどの組み合わせにおいても、実施例と同等の効果が得られた。
<インクジェット用ゴム用塗料の調製>
フタル酸ジブチルとイソプロピルアルコール(IPA)とを50:50の割合(重量%)で混合したものを下地処理剤とし、さらに増粘剤を抜いたウレタン系塗料ターナーラバーペイントYN−1000クリヤー(ターナー色彩社製)に発酵セルロース(サンアーティストH−PX(三栄源エフ・エフ・アイ社))0.2重量%を加えたものと混合した。
これに粒子径10μm以下の白色顔料(CR97、石原産業)30gと、粘性調整剤として発酵セルロース(サンアーティストH−PX(三栄源エフ・エフ・アイ社))0.2gを添加して粘度を250cpsに調整し、実施例17のゴム用塗料とした。
その他、下記表3のようにパラメータを変化させ、実施例18〜28のゴム用塗料とした。
尚、実施例22及び28のゴム用塗料は、白色顔料の沈殿が見られた。
試験10(インクジェット塗装の目視評価)
実施例17〜28のゴム用塗料を、インクジェット塗装装置により、クロロプレンゴム(CRゴム)表面に、フタル酸ジブチルが15g/mとなるように塗布し、塗装状態を目視で評価した。
実施例17〜28のゴム用塗料は、全てCRゴム表面に塗装することができた。
但し、実施例17のゴム用塗料による塗装においては、塗料の粘度が低いため塗料の垂れが見られた。また、実施例28のゴム用塗料は、粒子が大きいため白色顔料の沈殿が見られ、インクジェットのノズルに詰まりが発生した。
<乾燥性評価のためのゴム用塗料の調製>
フタル酸ジブチルとイソプロピルアルコール(IPA)とを50:50の割合(重量%)で混合したものを下地処理剤とし、増粘剤を抜いたウレタン系塗料ターナーラバーペイントYN−1000クリヤー(ターナー色彩社製)と混合した。
これにエタノールを35重量%となるように添加し、実施例29のゴム用塗料とした。
エタノールの添加量を15、20、50、60、0重量%としたものをそれぞれ実施例30、31、32、33、34とした。実施例29とはエタノールの代わりにイソプロピルアルコールを用いたものを実施例35のゴム用塗料とした。
試験11(乾燥性)
CRゴム表面にフタル酸ジブチルが15g/mとなるように塗布し、10分後、20分後に指で塗装面に触れ、指に塗料が付くかどうかにより乾燥性を評価した。
実施例29、31、32、35は、10分後において塗装面は既に乾燥していた。実施例30、33、34は10分後において塗装面は乾燥していなかったが、20分後には塗装面は既に乾燥していた。
<変色性評価のためのゴム用塗料の調製>
フタル酸ジブチルとイソプロピルアルコール(IPA)とを50:50の割合(重量%)で混合したものを下地処理剤とし、CRゴム表面にフタル酸ジブチルが15g/cmとなるように塗布した。
次いで、ウレタン系塗料ターナーラバーペイントYN−1000クリヤー(ターナー色彩社製)に粒子径10μm以下の白色顔料(CR97、石原産業)30gと、イソシアネート硬化剤(バーノックDNW−5000、DIC社製)を10重量%となるように添加したものを、下地処理剤の上から塗布した(実施例36)。
イソシアネート硬化剤の添加量を3、5、20、25、0重量%としたものをそれぞれ実施例37、38、39、40、41とした。
試験12(変色性)
塗布1日後に塗装面が黄変していないかどうかを目視により評価した。
実施例36、38、39の塗装面は、7日後でも黄変は見られなかった。実施例37、40、41の塗装面は、少しの黄変が見られた。
本発明は、タイヤ,パッキン,シール等の自動車・車両部品、電気部品の絶縁用器具、ホース,ゴムパッキン等の水道部品、カメラ,双眼鏡等に用いられる光学用ゴム、医療用ゴム、野球場,テニスコート,ゴルフ場等のスポーツ施設・用品、遊具、油圧・空圧機器の防振ゴム並びにスポンジ、カラーコーン(登録商標),可倒装置等の道路標識・安全保安部品などに好適に利用されるものである。

Claims (8)

  1. 下地処理剤をゴム表面に塗布し、次いでその上からウレタン系塗料を塗布するゴム塗装方法であって、
    前記下地処理剤が可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び下式で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするゴム塗装方法。
  2. 前記下地処理剤中の前記可塑剤が、ゴム表面に0.5〜30g/mで塗布されることを特徴とする請求項1記載のゴム塗装方法。
  3. 前記下地処理剤が有機溶剤を含有し、前記有機溶剤が、イソプロピルアルコール、メタノール等のアルコール系の溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶剤、及びキシレン等の芳香族系の溶剤からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム塗装方法。
  4. 前記ウレタン系塗料が、水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一つに記載のゴム塗装方法。
  5. 前記ウレタン系塗料が、さらにアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項4記載のゴム塗装方法。
  6. 前記下地処理剤が、水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか一つに記載のゴム塗装方法。
  7. 可塑剤を含有し、前記可塑剤が、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル酸、リン酸エステル、アルキルスルホン酸フェニルエステル及び下式で表される脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とするゴム塗装用下地処理剤。
  8. 水性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項7記載のゴム塗装用下地処理剤。
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