JP5693999B2 - 空気入りタイヤ及びタイヤ保護剤 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ及びタイヤ保護剤に関する。
空気入りタイヤは、地面と接するトレッド部に連続する一対のサイドウォール部を有している。このサイドウォール部は、車両にタイヤが装着されたときに車両周囲の人の視界に容易に入る部分であるため、当該タイヤのサイドウォール部の外観を悪化させない、更には美麗であることが望まれる。そのために、サイドウォール部のゴム組成物に、老化防止剤を含ませることが行われており、また、サイドウォール部の表面に、カラーゴムまたは塗料により着色して装飾を施すことが行われている。更に、サイドウォール部に、識別標識としての文字や記号等に塗料で着色することが行われている。
このようなサイドウォール部の着色部分は、サイドウォール部の表面で露出しているため、外部から摩擦や衝撃を受けたり、また、湿潤環境や汚泥などから作用を受けたりして、塗料に疵が生じ,また、劣化、更には、塗料の消失が生じていた。このため、塗料自体の耐久性の向上が図られているが十分ではなかった。
タイヤのサイドウォール部の保護剤として、シリコーンオイルを主成分とする艶出し保護剤が知られている(特許文献1)。このようなシリコーンオイルを主成分とする艶出し保護剤をタイヤのサイドウォール部に塗布することにより、撥水性や光沢が付与され、耐久性が向上するとされている。しかしながら、艶出し保護剤は、タイヤ表面に極薄く塗布されるので、サイドウォール部のゴムやこのゴム表面上の塗料を物理的に保護するのは困難であり、耐久性が十分ではなかった。
特開平5−98215号公報
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、空気入りタイヤのサイドウォール部それ自体又はこのサイドウォール部に形成された塗料着色部を保護することで耐久性を向上させることのできる空気入りタイヤ及びタイヤ保護剤を提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤのサイドウォール部に形成された保護層を備え、該保護層が、タイヤのサイドウォール部にインクにより形成された塗料層の表面を覆って形成され、かつ、該保護層が水系ウレタン樹脂よりなり、該水系ウレタン樹脂は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とをウレタン化反応させて得られる水酸基価100〜300の水溶性ウレタンポリオールと、親水性基含有ポリイソシアネートとを含み、かつ、該ポリオール成分は、全ポリオール中で5〜60%が脂環構造を有するポリオールであることを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤにおいて、更に、水分散性アクリル樹脂を含み、かつ、当該水分散性アクリル樹脂が、その成分の一部がイソシアヌレート環を持つアクリレートを共重合させたものであることが好ましく、当該水分散性アクリル樹脂が、水溶性ウレタンポリオールと水分散性アクリル樹脂の合計量に対して固形分換算で70%以下の量であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、保護層の厚さは、5〜40μmであることが好ましい。更に、保護層が、紫外線吸収剤を含む構成とすることもできる。
本発明のタイヤ保護剤は、水系ウレタン樹脂よりなり、上記タイヤのサイドウォール部にインクにより形成された塗料層の表面を覆う保護層を形成するものである。
本発明によれば、水系ウレタン樹脂よりなる保護層がタイヤのサイドウォール部に形成されることにより、弾力性があり耐衝撃性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性などに優れた高耐久性の保護層によって、空気入りタイヤを保護することができる。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤのサイドウォール部表面近傍の模式的な断面図である。 本発明の別の実施形態の空気入りタイヤのサイドウォール部表面近傍の模式的な断面図である。
以下、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。
図1に示す本実施形態の空気入りタイヤのサイドウォール部表面近傍の模式的な断面図において、空気入りタイヤ1は、タイヤのサイドウォール部のゴム11の表面上に、塗料からなるペイント層12が形成され、このペイント層を覆って、保護層13が形成されている。この保護層13は、ウレタン樹脂により形成されている。
図2に示す別の形態の空気入りタイヤのサイドウォール部表面近傍の模式的な断面図においては、空気入りタイヤ2は、タイヤのサイドウォール部のゴム11の表面上に、保護層13が形成されている。つまり、図1に示す実施形態との相違は、ペイント層12が形成されておらず、保護層13がタイヤ11を直接的に覆っている点である。保護層13は、ウレタン樹脂により形成されている。
一般に、変形しない物に対しては、無機の硬質の材料からなる種々の保護層が知られている。そこで、空気入りタイヤのサイドウォール部を外部からの摩擦や衝撃に対して保護することを考えると、保護層としては、このような摩擦や衝撃で疵が生じないような硬質の材料からなることが好ましいとも考えられる。しかしながら、保護層が保護すべきタイヤのサイドウォール部のゴムや、このゴム上に形成された塗料層は、走行中や荷重の変動によって変形するから、このような変形に伴って繰り返し加えられる歪に対して耐え得るような無機の硬質な材料は存在しない。
そこで、発明者らは、空気入りタイヤのサイドウォール部を保護するための材料について種々検討した結果、水系ウレタン樹脂よりなる保護層が特に好適であることを見出した。水系ウレタン樹脂よりなる保護剤は、ゴルフボールの保護層に用いられときには、光沢を与えて美観を保持し、かつ、打撃時の変形に追随してクラック等の破壊を起こさず、しかも耐候性及び耐水性にも優れている。
このような水系ウレタン樹脂を、空気入りタイヤのサイドウォール部の保護層として用いることで、弾力性があってタイヤ変形に伴う繰り返し歪に耐え、耐衝撃性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性に優れる保護層が得られる。したがって、悪路走行時や洗車時にも、保護層13より内側のゴム又はペイント層の疵や剥離を防止することができ、よってタイヤのサイドウォール部のゴム又はそのゴム表面上に形成された塗料よりなる装飾の美観を維持することができる。
この水系ウレタン樹脂の一つの例には、ポリオール成分及び多塩基成分を反応させて得られる水酸基含有ポリエステルと、ポリイソシアネートとを含有し、当該ポリオール成分及び多塩基成分のうちの少なくともポリオール成分は、その成分の分子内に脂環構造を有するものである水系ウレタン樹脂(ウレタン樹脂例1)がある。
また、この水系ウレタン樹脂の別の例には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて得られる水酸基価100〜300の水溶性ウレタンポリオールと、親水性基含有ポリイソシアネートと、必要に応じて水分散性ウレタン樹脂又は水分散性アクリル樹脂とを含み、好ましくは当該ポリオール成分の一部が、ポリオールと多塩基酸とを、両者の少なくとも一方が脂環構造を有するものを反応させて得られるポリエステルポリオールを含む水系ウレタン樹脂(ウレタン樹脂例2)がある。
前者のウレタン樹脂例1の例としては、特開平10−234884号公報に、ゴルフボール用塗料組成物として記載された組成物を、本発明のタイヤの保護層に用いることができる。このウレタン樹脂例1において、分子内に脂環構造を有するポリオール成分としては、好適には、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール、又はこれらの混合物が挙げられる。また分子内に脂環構造を有する多塩基酸成分としては、好適には、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカボン酸等のジカルボン酸、これらの酸無水物、これらの酸ハロゲン化物、又はこれらの混合物が挙げられる。
上記の分子内に脂環構造を有するポリオール成分や多塩基酸成分は、水酸基含有ポリエステルの構成成分の一部であっても全部であってもよい。分子内に脂環構造を有するポリオール成分は、全ポリオール成分中に3重量%以上含有されているのが好ましく、更に5〜40重量%含有されるのが好ましい。分子内に脂環構造を有する多塩基酸成分は、全多塩基酸成分中に5重量%以上含有されているのが好ましく、更に10〜55重量%含有されるのが好ましい。脂環構造を有するポリオール成分、多塩基酸成分の含有量が上記範囲外であると、耐久性が低下する。
分子内に脂環構造を有するポリオール成分に併用することのできる、分子内に脂環構造を有しないポリオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3,3−ジメチロールヘプタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、又はこれらの混合物等が挙げられる。また、分子内に脂環構造を有する多塩基酸成分に併用することのできる、分子内に脂環構造を有しない多塩基酸成分としては、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、これらの酸無水物、これらの酸ハロゲン化物、又はこれらの混合物等が挙げられる。
水酸基含有ポリエステルは、ポリオール成分と多塩基酸成分をエステル化反応させることによって得られる。このようにして得られる水酸基含有ポリエステルの重量平均分子量はGPC測定で3,000〜35,000のものが好ましく、その水酸基価は50〜300、特に150〜250のものが好ましい。水酸基含有ポリエステルの重量平均分子量、水酸基価が上記範囲外であると、耐久性が低下する。
一方、無黄変ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等のアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体、又はこれらの混合物が好適である。この無黄変ポリイソシアネートと水酸基含有ポリエステルとは、水酸基含有ポリエステルの水酸基に対する無黄変ポリイソシアネートのイソシアネート基の比率(モル比)が0.8〜1.3の範囲で使用するのが好ましい。
更に、必要に応じて、顔料、蛍光増白剤、硬化触媒、レベリング剤、紫外線吸収剤等を併用してもよく、また、溶剤を使用して塗料組成物の粘度を調整するのも更に好ましい。
ウレタン樹脂例1の組成物は2液型であり、これをタイヤ表面に塗布して、例えば60℃以下の温度で乾燥硬化させて塗膜を形成することができる。もちろん、タイヤに、まず、白色顔料、硬化触媒や溶剤などの添加剤を配合した塗料組成物を均一に塗布し乾燥硬化させ、次いでこの上に、ウレタン樹脂例1の組成物を適当に溶剤で希釈して塗布し乾燥硬化させて、保護層を形成してもよいが、ウレタン樹脂例1のみの塗装によって本発明の目的を達成することが可能である。
後者のウレタン樹脂例2の例としては、特開2001−271027号公報に、ゴルフボール用水系塗料組成物として記載された組成物を、本発明のタイヤの保護層に用いることができる。このウレタン樹脂例2において、水溶性ウレタンポリオールは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とをウレタン化反応させて得られる水酸基価100〜300の化合物である。水溶性ウレタンポリオールの水酸基価を100〜300の範囲とすることにより、目的とする耐衝撃性、耐摩耗性、耐汚染性等の物性を確保することができる。
ポリオール成分は、分子内に水溶化のために必要な基を有するポリオール、又はこのポリオールとそれ以外のポリオールとの混合ポリオールであるが、物性の設計が容易である等の点から、混合ポリオールが好ましい。このポリオール成分は、その成分の一部、具体的には(ポリエステルポリオールなどの合成原料を含む)全ポリオール中で5〜60%が脂環構造を有するポリオールであることが好ましい。また、ポリオール成分は、その成分の一部、具体的には全多塩基酸中で10〜70%が脂環構造を有する多塩基酸とポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオールであることが好ましい。更に、ポリオール成分は、成分の一部が脂環構造を有するポリオールと多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール、又は成分の一部が脂環構造を有するポリオールと成分の一部が脂環構造を有する多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールであってもよい。
分子内に水溶化のために必要な基を有するポリオールとしては、原料入手の容易さなどの理由から、分子内にカルボキシル基を有するジオールが好ましく、具体的には、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸等が挙げられる。
分子内に水溶化のために必要な基を有するポリオール以外のポリオールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールヘプタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等のトリオール、ペンタエリスリトール等のテトラオールが挙げられる。脂環構造を有するポリオールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。ポリオールとしては、この他に、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。ポリエステルポリオールは、ポリオールと多塩基酸との重縮合により得られる。このポリオールとしては、例えば、前記のジオール類、トリオール、テトラオール、脂環構造を有するポリオールが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂環構造を有するジカルボン酸、トリス−2−カルボキシエチルイソシアヌレートが挙げられる。アクリルポリオールは、水酸基を有するアクリルモノマーの共重合体である。このようなアクリルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートが挙げられる。これらのポリオールは、必要とする塗膜物性に応じて単独であるいは混合して使用することができる。
ポリオール成分とのウレタン化反応に使用されるポリイソシアネート成分としては、一般に用いられている芳香族、脂肪族、脂環式などのポリイソシアネートであり、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−4−イソシアナトメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは、単独であるいは混合して使用することができる。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分とのウレタン化反応に際しては、必要に応じて、ジブチルチンジラウレート等の錫系化合物やトリエチルアミン等のアミン系化合物を反応触媒として使用できる。この反応において溶媒として使用することのできる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
中和に使用される塩基としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。これらの塩基は、得られる水溶性ウレタンポリオールの安定性に応じて、単独であるいは混合して使用することができる。中和には、例えば、水溶性ウレタンポリオール中のカルボキシル基1当量に対して塩基を0.6〜1.3等量使用するのが好適である。
水溶性ウレタンポリオールには、水分散性ウレタン樹脂や水分散性アクリル樹脂を組合わせて使用することができる。水分散性ウレタン樹脂や水分散性アクリル樹脂の配合割合は、任意の量に調整できる。また、水分散性アクリル樹脂は、その成分の一部がイソシアヌレート環を持つアクリレートを共重合させたものが好ましい。水分散性アクリル樹脂は、水溶性ウレタンポリオールと水分散性アクリル樹脂の合計量に対して固形分換算で70%以下の量であることが好ましい。
水分散性ウレタン樹脂は、例えば、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオールと分子内に水溶化のために必要な基を有するポリオールとを有機溶媒中でポリイソシアネートを滴下しながら反応させ、塩基で中和後、さらに、高速分散機で攪拌しながらイオン交換水を加え、鎖延長剤を滴下し反応させて得られる。水分散性ウレタン樹脂の製造に使用される分子内に2個以上の水酸基を有するポリオールや分子内に水溶化のために必要な基を有するポリオール、ポリイソシアネート、有機溶媒、中和に使用される塩基、触媒等としては、水溶性ウレタンポリオールの製造に用いられる前記のそれぞれが挙げられる。鎖延長剤としては、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−シクロヘキシルメタンジアミン、ピペラジン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物や、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール等のポリオールや、水等が挙げられる。
水分散性アクリル樹脂は、エチレン性不飽和化合物を付加重合させて得られる。エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステルや、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル化合物や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物や、ブタジエン、イソプレン等のジオレフィン化合物や、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド化合物や、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート等のイソシアヌレート環を有するアクリル酸化合物、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
水溶性ウレタンポリオールやこれに水分散性ウレタン樹脂あるいは水分散性アクリル樹脂を組合わせたものを硬化させるのに使用される親水性基含有ポリイソシアネートは、具合的には例えば、芳香族、脂肪族、脂肪族環状ポリイソシアネートにポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオールを反応させて親水性化したものである。この芳香族、脂肪族、脂肪族環状ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−4−イソシアネートメチルシクロヘキサン等、又はこれらのビュレット、ウレタン、ウレトジオン基あるいはイソシアヌレート環を含有する誘導体等が好ましく、このうちイソシアヌレート環を含有する誘導体が最も好ましい。水溶性ウレタンポリオールやこれに水分散性ウレタン樹脂あるいは水分散性アクリル樹脂を組合せたものと親水性基含有ポリイソシアネートとの反応割合は、水系塗料組成物を塗装した空気入りタイヤの耐衝撃性、耐摩耗性、耐汚染性などの点から、水溶性ウレタンポリオール等中の全水酸基に対する親水性基含有ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比が0.8〜3.0の範囲であることが好ましい。
種々の特性を付与するために、ウレタン樹脂例2の水系塗料組成物には、必要に応じて、顔料、染料、分散安定剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、レベリング剤、消泡剤、硬化触媒等の添加剤を併用することができる。
上述した、ウレタン樹脂例1及びウレタン樹脂例2のいずれも、空気入りタイヤのサイドウォール部に形成された保護層13の層厚としては、5〜40μmの範囲とすることが好ましい。この範囲に満たないと、保護層としてのタイヤ保護の効果が十分でなく、この範囲を超えるとタイヤ変形に伴う繰り返し歪に耐えられず、保護層として割れるという点で不利である。より好ましい範囲は、10〜30μmの範囲である。
また、保護層13が紫外線吸収剤を含むことは、タイヤのゴム11やペイント層12の変色や老化を抑制し、耐候性を高めることができるので好ましい。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の2-(2‘-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。例として、白石カルシウム社製、商品名:シーソーブー701、城北化学工業社製、商品名:JF-77などを適用することができる。紫外線吸収剤を含む場合の配合量は、保護層100に対して0.5〜4.0重量部の範囲とするのが好ましい。また、保護層13には、先にも述べたように紫外線吸収剤以外にも顔料、蛍光増白剤、硬化触媒、レベリング剤等を含有させることができる。
上述した、ウレタン樹脂例1及び2のいずれも、図1に示したような、ゴム11の表面上に形成されたペイント層12を覆う保護層13に適用することができるし、また、図2に示したような、ゴム11の表面を直接的に覆う保護層13に適用することができる。このゴム11は、通常の空気入りタイヤのゴムを適用することができ、特に限定されない。また、ペイント層に用いられる塗料は、空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に塗布される公知の塗料を適用することができる。
(実施例1)
空気入りタイヤ(サイズ195/60R15)のサイドウォール部のカットサンプルに対して、塗料(ペイント材:DNPファインケミカル社製、商品名:FLEXインク)により厚さ20μmのペイント層を形成した後、特開2001−271027号公報の実施例1の水性ウレタン樹脂をスプレーガンにて塗膜の厚さが15μmになるように塗装してから、50℃で45分間加熱乾燥させ、室温で16時間放置して試料を作製した。水性ウレタン樹脂よりなる保護層の層厚は15μmであった。なお、上記水性ウレタン樹脂は、トリメチロールプロパン201部、グリセリン184部、ジメチロールヘプタン120部、ジメチロールプロピオン酸134部、N−メチル−2−ピロリドン500部を攪拌しつつ60℃に昇温後、ヘキサメチレンジイソシアネート714部を滴下し、80℃に昇温して4時間反応させた後、30℃まで冷却し、攪拌しながら、トリエチルアミン101部、N−メチル−2−ピロリドン170.5部、イオン交換水1741.2部を加えて得られた水溶性ウレタンポリオール(不揮発分35%、水酸基価211(固形分))100部と、親水性基含有イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)製、バイヒジュール3100、NCO含有量17.3%、不揮発分100%)42部と、イオン交換水50部とにより調製されたものである。
(実施例2)
塗料によるペイント層を形成しない以外は実施例1と同様にして水性ウレタン樹脂の保護層を形成させた試料を作製した。水性ウレタン樹脂よりなる保護層の層厚は15μmであった。
(比較例)
比較のために、実施例1の塗料によるペイント層を形成したままで、水性ウレタン樹脂の保護層を形成させない試料を用意した。
これらの試料に対して、落球試験及びひっかき硬度試験を行った。落球試験条件は、試料から垂直150mm上の位置より重量30gのプラスドライバーを塗装面に落下させ、落下点の表面観察を実施して、塗膜の割れや剥離の有無を検査した。ひっかき硬度試験は、JIS K5600 5−4に準拠し、H以上の硬度でひっかき後の表面観察を実施し、塗膜の割れ、剥離の有無を検査した。
その結果、実施例1及び実施例2の保護層は、落球試験及びひっかき硬度試験のいずれにおいても保護層の割れや剥離が生じておらず、実施例1のペイント層も割れや剥離が生じていなかった。これに対して、比較例1は、保護層を有していなかったため、両方の試験においてペイント層の離脱が生じていた。
1、2:空気入りタイヤ
11:ゴム
12:ペイント層
13:保護層

Claims (6)

  1. タイヤのサイドウォール部に形成された保護層を備え、
    該保護層が、タイヤのサイドウォール部にインクにより形成された塗料層の表面を覆って形成され、かつ、該保護層が水系ウレタン樹脂よりなり、
    該水系ウレタン樹脂が、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とをウレタン化反応させて得られる水酸基価100〜300の水溶性ウレタンポリオールと、親水性基含有ポリイソシアネートとを含み、かつ、
    該ポリオール成分は、全ポリオール中で5〜60%が脂環構造を有するポリオールであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 更に、水分散性アクリル樹脂を含み、かつ、当該水分散性アクリル樹脂が、その成分の一部がイソシアヌレート環を持つアクリレートを共重合させたものである請求項記載の空気入りタイヤ。
  3. 更に、水分散性アクリル樹脂を含み、かつ、当該水分散性アクリル樹脂が、水溶性ウレタンポリオールと水分散性アクリル樹脂の合計量に対して固形分換算で70%以下の量である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記保護層が、厚さ5〜40μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記保護層が、紫外線吸収剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 水系ウレタン樹脂よりなり、請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りタイヤのサイドウォール部にインクにより形成された塗料層の表面を覆う保護層を形成するタイヤ保護剤。
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