JP5835390B2 - 基礎構造 - Google Patents

基礎構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5835390B2
JP5835390B2 JP2014064766A JP2014064766A JP5835390B2 JP 5835390 B2 JP5835390 B2 JP 5835390B2 JP 2014064766 A JP2014064766 A JP 2014064766A JP 2014064766 A JP2014064766 A JP 2014064766A JP 5835390 B2 JP5835390 B2 JP 5835390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
rising portion
neutralization
foundation
foundation structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014064766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015187342A (ja
Inventor
公 深井
公 深井
洋平 渡辺
洋平 渡辺
堀 一夫
一夫 堀
亨 桐林
亨 桐林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui House Ltd filed Critical Sekisui House Ltd
Priority to JP2014064766A priority Critical patent/JP5835390B2/ja
Publication of JP2015187342A publication Critical patent/JP2015187342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5835390B2 publication Critical patent/JP5835390B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、住宅等の建物における基礎構造に関する。
従来から、住宅等の建物における基礎としては、耐久性を高めるために、コンクリート内部に鉄筋を埋設した鉄筋コンクリート造のものが一般的に知られている。このような鉄筋コンクリート造の基礎では、コンクリート型枠を脱枠した後、大気中に曝される基礎の立ち上がり部のコンクリート表面から水分が蒸発し、乾燥収縮を引き起こすことにより内部に引張力が生じ、コンクリートが持つ許容引張強度をその引張力が超えた場合に、表面にひび割れが発生する。
また、鉄筋コンクリート造の基礎は、コンクリートに含まれる水酸化カルシウムによって強アルカリ性になっているため、鉄筋における錆の発生が抑制されているが、大気中に含まれる二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の酸性物質、或いは雨水や結露水等に含まれる水分といった劣化因子と反応することにより、コンクリートが経時的に中性化する。このようにコンクリートが中性化すると、コンクリート内部の鉄筋に錆が発生する。これにより、鉄筋が膨張し、コンクリートにひび割れ等を引き起こすことになり、基礎の耐久性が低下するといった問題が生じる。このようなコンクリートの中性化の問題は、地中に埋没された部分よりも大気中に曝された基礎の立ち上がり部において発生し易く、特に屋外側よりも劣化因子が滞留し易い床下空間に面する屋内側において進行し易い傾向にある。
そこで、従来から、基礎の立ち上がり部にコンクリートの中性化を抑制する塗料を塗布することにより、耐久性を向上させた基礎構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の建物の基礎構造では、図6に示すように、立ち上がり部101の天端面101aを覆うようにして、レベリング材を施工して仕上層102を設けた鉄筋コンクリート造の布基礎100において、立ち上がり部101の外側面101b及び内側面101cに、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材としてシリコン樹脂塗料又はポリマーセメント系塗料等を塗布してなる側面保護層103をぞれぞれ形成するとともに、立ち上がり部101の天端面101aと仕上層102との間に、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材としてエポキシ樹脂系塗料又は珪酸塩系表面含浸材等を塗布してなる天端面保護層104を形成することにより、立ち上がり部101を被覆している。
このように特許文献1の基礎構造では、大気中に曝された立ち上がり部101を、側面保護層103及び天端面保護層104によって被覆しているので、立ち上がり部101のコンクリートと二酸化炭素や水分等の劣化因子との反応を阻止して、コンクリートの中性化を抑制し、布基礎100の耐久性を向上させている。また、特許文献1の基礎構造では、布基礎100のコンクリートに含まれる水分の逸脱を防止することから、未反応のセメント成分と残留水分との反応を永続的に進行させて、長期的な強度増進を図ることができるとともに、コンクリートの乾燥収縮を低減して、ひび割れ等の発生を抑制することができる。
特開2011−032821号公報
しかしながら、特許文献1の建物の基礎構造では、コンクリートの中性化を抑制する塗料を基礎の立ち上がり部に塗布する作業を行う必要があるため、ムラ等が生じる虞があると共に、塗料を乾燥させる時間等も必要なため、作業に比較的時間を要するという問題がある。特に、立ち上がり部の内側面の作業は、基礎上に建物を施工した後は、床下空間へ潜って行う必要があり、十分な作業スペースを確保することができないので、基礎上に建物本体を施工する前に作業を行うことが好ましく、作業時間を短縮し、コストを軽減するために、効率良く作業を行うことが求められる。また、一般的にコンクリート構造物の耐久性を向上させるために、中性化の進行を遅らせようとする場合には、セメント量を増やし、水セメント比を低くすることが行われるが、その場合、セメント量の増加と共に硬化後の収縮量の増加につながるため、ひび割れ発生の問題が避けられない。また、セメント量の増加は、材料費の増加に繋がるため、コストも高くなるという問題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、コストを軽減しつつ、容易な作業で効率良く基礎の耐久性を向上させることができる施工性に優れた基礎構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の基礎構造は、立ち上がり部を有する鉄筋コンクリート造の基礎構造であって、上端が前記立ち上がり部の内部に配設された鉄筋の上端よりも上方、且つ、前記立ち上がり部の天端面より下方に位置し、下端が地盤上に敷設されている土間コンクリートの上面よりも上方に位置するように、コンクリートの中性化を抑制する養生シートが、前記立ち上がり部の内側面にのみ貼り付けられており、前記立ち上がり部の上端側は、レベリング材を施工してなる平滑な仕上層が形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の基礎構造は、前記立ち上がり部の上面と前記仕上層との間には、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材としてエチレン酢酸ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、又は珪酸塩系表面含浸材を塗布してなる上面保護層が形成されていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の基礎構造は、前記立ち上がり部の外側面は、コンクリートの中性化を抑制する弾性塗料を塗布してなる外側面保護層が形成されていることを特徴としている。
また、請求項4に記載の基礎構造の構築方法は、立ち上がり部を有する鉄筋コンクリート造の基礎構造の構築方法であって、型枠内にコンクリートを打設して、立ち上がり部を形成する工程と、前記立ち上がり部の上面にレベリング材を流し込んで平滑な仕上層を形成する工程と、前記型枠を脱枠した後、上端が前記立ち上がり部の内部に配設された鉄筋の上端よりも上方、且つ、前記立ち上がり部の天端面となる前記仕上層の上面より下方に位置し、下端が地盤上に敷設されている土間コンクリートの上面よりも上方に位置するように、コンクリートの中性化を抑制する養生シートを前記立ち上がり部の内側面にのみ貼り付ける工程とを有することを特徴としている。
また、請求項5に記載の基礎構造の構築方法は、立ち上がり部を有する鉄筋コンクリート造の基礎構造の構築方法であって、型枠内にコンクリートを打設して、立ち上がり部を形成する工程と、前記立ち上がり部の上面に対して、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材としてエチレン酢酸ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、又は珪酸塩系表面含浸材を塗布して上面保護層を形成する工程と、前記上面保護層上にレベリング材を流し込んで平滑な仕上層を形成する工程と、前記型枠を脱枠した後、上端が前記立ち上がり部の内部に配設された鉄筋の上端よりも上方、且つ、前記立ち上がり部の天端面となる前記仕上層の上面より下方に位置し、下端が地盤上に敷設されている土間コンクリートの上面よりも上方に位置するように、コンクリートの中性化を抑制する養生シートを前記立ち上がり部の内側面にのみ貼り付ける工程とを有することを特徴としている。
また、請求項6に記載の基礎構造は、前記立ち上がり部の上端側が、レベリング材を施工してなる平滑な仕上層が形成されていることを特徴としている。
本発明に係る基礎構造によれば、基礎の立ち上がり部の内側面は、コンクリートの中性化を抑制する養生シートが貼り付けられたものであるので、容易な作業で効率良く基礎の耐久性を向上させることができ、作業時間の短縮及びコストの軽減を図ることができる。また、立ち上がり部の内側面に、養生シートを貼り付けることで、基礎の耐久性を向上させているので、塗料を塗布する場合のようにムラが生じる虞がなく、施工性を向上させることができる。また、養生シートによって基礎の立ち上がり部のコンクリートに含まれる水分の逸脱を防止するので、コンクリートの乾燥収縮を低減して、ひび割れ等の発生を抑制し、基礎の耐久性を長期的に維持することができる。また、コンクリートの劣化スピードは、施工状況や材料によって大きく変わるが、本発明の基礎構造では、コンクリートと二酸化炭素や水分等の劣化因子との反応を阻止し、施工差や材料差に関係なく、中性化の抑制効果を発揮することができるので、中性化抑制のためにセメント量を増加させる必要がなく、コストを軽減することができる。
また、本発明に係る基礎構造によれば、養生シートの上端を立ち上がり部の天端面から所定距離だけ下方に位置するように貼り付けることで、より安定的に基礎の耐久性を維持することができる。
また、本発明に係る基礎構造によれば、立ち上がり部の外側面は、コンクリートの中性化を抑制する弾性塗料が塗布されているので、コンクリートの乾燥収縮を低減して、ひび割れ等の発生を抑制することができる。また、外面側のコンクリートにひび割れが発生するようなことがあっても、そのひび割れに追従して伸びることで、ひび割れを塞いで外部に露出させ難くすることにより、意匠性を向上させると共に、中性化の抑制を長期的に維持することができる。
本発明の第1の実施形態に係る基礎構造を用いた施工例を示す概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る基礎構造の一例を示す概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る基礎構造の他の一例を示す概略縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る基礎構造の更に他の一例を示す概略縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る基礎構造の一例を示す概略縦断面図である。 基礎構造の従来例を示す概略縦断面図である。
以下、本発明に係る基礎構造の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態に係る基礎構造は、住宅等の建物に用いられるものであって、基礎1は、図1及び図2に示すように、コンクリート構造体2の内部に鉄筋3を配設した鉄筋コンクリート造の布基礎である。
コンクリート構造体2は、図1及び図2に示すように、略直方体状のフーチング部4と、該フーチング部4の上面略中央から立ち上がった略四角柱状の立ち上がり部5とを有するものであって、断面逆T字状に形成されている。フーチング部4及び立ち上がり部5の下端は、地盤Gに埋設された状態になっており、基礎1によって囲まれた床下空間Sの地盤G上には、土間コンクリート6が敷設されている。また、土間コンクリート6の周端部の端面は、後述する養生シート10が貼り付けられている基礎1の立ちが上がり部5の屋内側の内側面51に接合されている。尚、土間コンクリート6の代わりに、防湿シートを敷設するようにしても良い。
この基礎1では、立ち上がり部の上端側は、レベル調整や水平性を確保する不陸調整のために、レベリング材を施工してなる平滑な仕上層7が所定の厚みで形成されており、その仕上層7の上面を立ち上がり部14の天端面52としている。レベリング材としては、例えば、水で練って流し込むことで、平滑な仕上層7を容易に形成することができるセメント系セルフレベリング材等を用いることができる。
また、立ち上がり部5には、アンカーボルト8が埋設されており、このアンカーボルト8は、上端が立ち上がり部5の天端面52から上方へ突出するように設けられている。そして、仕上層7上には、柱材9等の構造材が配設されており、これらの構造材がアンカーボルト8を介して立ち上がり部5に締結されている。
このように構成された本実施形態に係る基礎1では、図1及び図2に示すように、コンクリートの中性化を抑制して耐久性を向上させるために、立ち上がり部5の屋内側の空気と接触する内側面51に、コンクリートの中性化を抑制する養生シート10が貼り付けられている。養生シート10は、図2に示すように、立ち上がり部5の内側面51と土間コンクリート6の上面61の周端部とで形成される隅部から立ち上がり部5の天端面52の高さ位置までにわたって貼り付けられている。この立ち上がり部5の内側面51に貼り付けられる養生シート10としては、例えば、基材としてポリオレフィン系フィルム、内側面51に貼り付けるための粘着剤としてアクリル系粘着剤が使用されている住友スリーエム社製の「3MTMコンクリート保水養生テープ2227HP」等を用いることができる。尚、立ち上がり部5の内側面51に貼り付けられる養生シート10は、これに限定されるものではなく、立ち上がり部5の乾燥収縮を低減すると共に、中性化を抑制できるものであれば良い。
基礎1の構造では、このような養生シート10を立ち上がり部5の内側面51に貼り付けることで、水分蒸発の抑制効果によるコンクリート表面の緻密化により、コンクリートと二酸化炭素や水分等の劣化因子との反応を阻止し、コンクリートの中性化を抑制すると共に、ひび割れ等の発生を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。また、養生シート10は、内側に粘着剤が設けられており、立ち上がり部5の内側面51に沿って貼り付けるという容易な作業でコンクリートの中性化を抑制することができるので、作業時間を大幅に短縮し、コストを軽減することができる。また、養生シート10に対して、立ち上がり部5のコンクリートに近い色のデザインを施すことにより、美観を向上させるようにしても良い。尚、図2では、養生シート10の下端側が立ち上がり部5の内側面51と土間コンクリート6の上面61の周端部とで形成される隅部に留められるように貼り付けられている例を示しているが、養生シート10の立ち上がり部5の内側面51への貼り付け方は、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、下端側を立ち上がり部5の内側面51と土間コンクリート6の上面61の周端部とで形成される隅部で折り曲げて、土間コンクリート6の上面61に沿うように貼り付けても良い。また、養生シート10は、図4に示すように、その上端が立ち上がり部5の天端面52から所定距離h1だけ下方に位置するように内側面51に貼り付けられていても良く、下端が土間コンクリート6の上面61から所定距離h2だけ上方に位置するように内側面51に貼り付けられていても良い。このように、養生シート10の上端を立ち上がり部5の天端面51から所定距離h1だけ下方に位置するように貼り付けたり、下端を土間コンクリート6の上面61から所定距離h2だけ上方に位置するように貼り付けたりすることで、より安定的に基礎の耐久性を維持することができる。また、図5に示すように、養生シート10の下端側が地盤G内に入り込むようにしても良い。
以下、本実施形態に係る基礎1の構造の構築方法の一例について図2を参照しつつ説明する。基礎1の構築に際しては、まず鉄筋3やアンカーボルト8をセットした型枠内にコンクリートを打設して、フーチング部4及び立ち上がり部5を有するコンクリート構造体2を形成する。次に、立ち上がり部5の上面にレベリング材を流し込んで仕上層7を形成する。そして、型枠を脱枠した後、立ち上がり部5の内側面51に、コンクリートの中性化を抑制する養生シート10を貼り付ける。この際、養生シート10は、図2に示すように、上端が立ち上がり部5の天端面52と同じ高さに位置し、下端が立ち上がり部5の内側面51と土間コンクリート6の上面61の周端部とで形成される隅部に位置するように内側面51に貼り付けられる。また、養生シート10を内側面51に貼り付ける際、前述した通り、図4に示すように、上端が立ち上がり部5の天端面52から所定距離h1だけ下方に位置するように内側面51に貼り付ける場合もある。この場合には、養生シート10を立ち上がり部5の内側面51に貼り付けた後、基礎1上への建物本体の施工時等に、養生シート10が上端側から剥がれてしまうことを抑制することができる。また、下端が土間コンクリート6の上面61から所定距離h2だけ上方に位置するように内側面51に貼り付けたり、図3又は図5に示すように貼り付けるようにしても良い。そして、このように基礎1が施工された後、立ち上がり部5の上面に形成された仕上層7上に、柱材9等の構造材がアンカーボルト8を介して締結され、基礎1上に建物本体が施工されることになる。尚、フーチング部4は、通常、その全体が地盤Gに埋設されており、大気中に曝されないので、コンクリートの中性化が進み難いため、中性化を抑制するための対策は施していない。
次に、第2の実施形態に係る基礎構造について図5を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態に係る基礎構造と同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2の実施形態に係る基礎1aの構造は、図5に示すように、第1の実施形態に係る基礎1の立ち上がり部5の上面と仕上層7との間に、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材を塗布して上面保護層11を形成し、更に立ち上がり部5の屋外側の外側面53に、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材を塗布して外側面保護層12を形成しているものである。
外側面保護層12を形成する中性化抑制材としては、例えば、シリコン樹脂系塗料やポリマーセメント系塗料等の弾性塗料を用いることができる。シリコン樹脂系塗料やポリマーセメント系塗料は、耐候性や意匠性に優れると共に、コンクリートのひび割れに追従可能な弾性を有している。従って、立ち上がり部5の外側面53に塗布して外側面保護層12を形成することで、基礎1の意匠性が向上するとともに、立ち上がり部5のコンクリートにひび割れが発生するようなことがあっても、外側面保護層12がひび割れに追従して伸びることで、ひび割れを塞いで外部に露出させ難くして、中性化抑制効果を長期に亘って安定して維持することができる。このようなシリコン樹脂系塗料としては、例えば、関西ペイント社製の「シリコンテックス」、ポリマーセメント系塗料としては、例えば、宇部興産社製の「ビームプロテクターS」等を用いることができる。
また、立ち上がり部5の上面と仕上層7との間に形成される上面保護層11では、仕上層7によって覆われて外部に露出していないことから、上面保護層11を形成する中性化抑制材は、外側面保護層12を形成する中性化抑制材に比べて、耐候性や意匠性、ひび割れ追従性はそれ程要求されない。特に、硬化後に弾性を有するものは施工した構造材の沈み込み等の不具合を生じさせる可能性があることから好ましくないため、上面保護層11を形成する中性化抑制材としては、例えば、エチレン酢酸ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、又は珪酸塩系表面含浸材等を用いることができる。上面保護層11では、これらの中性化抑制材のうち、特に中性化抑制効果が高いエポキシ樹脂系塗料又は珪酸塩系表面含浸材を好適に用いることができる。
エポキシ樹脂系塗料は、接着性及び耐久性に優れているので、立ち上がり部5の上面に塗布して上面保護層11を形成することにより、立ち上がり部5の上面への劣化因子の接触を防止し、中性化抑制効果を長期に亘って安定して維持することができる。このようなエポキシ樹脂系塗料としては、例えば、関西ペイント社製の「アレスアクアプライマーEPO」、日本シーカ社製の「シーカデュア32」等を用いることができる。
また、珪酸塩系表面含浸材は、コンクリート表面に浸透させることにより、コンクリートに含まれる水酸化カルシウム等の成分と反応し、これによって生成される生成物質がコンクリートの微細な空隙を塞ぐことで、コンクリート表面を水密性及び気密性の高い緻密化した状態に改善することができる。従って、このような珪酸塩系表面含浸材を、立ち上がり部5の上面に塗布して上面保護層11を形成することにより、天端面52からの劣化因子の浸入を阻止して、中性化抑制効果を長期に亘って安定して維持することができる。このような珪酸塩系表面含浸材としては、例えば、エービーシー商会社製の「RCガード」等を用いることができる。
本実施形態に係る基礎1aの構造では、内側面51に養生シート10が貼り付けられているのに加えて、立ち上がり部5の上面と仕上層7との間に上面保護層11が形成され、立ち上がり部5の屋外側の外側面53にも外側面保護層12が形成されているので、立ち上がり部5のコンクリートと二酸化炭素や水分等の劣化因子との反応を阻止して、コンクリートの中性化を抑制することができると共に、コンクリートの乾燥収縮を低減して、ひび割れ等の発生を抑制することができる。更に、立ち上がり部5の上面と仕上層7との間に上面保護層11が形成されているので、柱材9や土台等の構造材をレベル調整や不陸調整が良好になされた平滑な仕上層7上に精度良く施工することができる。
以下、本実施形態に係る基礎1aの構造の構築方法の一例について図5を参照しつつ説明する。基礎1aの構築に際しては、基礎1と同様にまず鉄筋3やアンカーボルト8をセットした型枠内にコンクリートを打設して、フーチング部4及び立ち上がり部5を有するコンクリート構造体2を形成する。次に、立ち上がり部5の上面に対して、中性化抑制材を塗布して上面保護層11を形成する。その後、上面保護層11上にレベリング材を流し込んで仕上層7を形成する。そして、型枠を脱枠した後、立ち上がり部5の内側面51に、コンクリートの中性化を抑制する養生シート10を貼り付け、外側面53に、中性化抑制材を塗布して外側面保護層12を形成する。基礎1aの構造のように、上面保護層11及び外側面保護層12を形成する場合でも、立ち上がり部5の内側面51は、養生シート10を貼り付けるという容易な作業でコンクリートの中性化を抑制することができるので、作業時間を短縮することができる。また、基礎1aの場合も基礎1と同様に、養生シート10の下端は、図5に示すように、地盤G内に入り込む位置でも、図2〜図4に示すように、貼り付けられていても良い。
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
1、1a 基礎
2 コンクリート構造体
3 鉄筋
5 立ち上がり部
51 内側面
52 天端面
10 養生シート

Claims (6)

  1. 立ち上がり部を有する鉄筋コンクリート造の基礎構造であって、
    上端が前記立ち上がり部の内部に配設された鉄筋の上端よりも上方、且つ、前記立ち上がり部の天端面より下方に位置し、下端が地盤上に敷設されている土間コンクリートの上面よりも上方に位置するように、コンクリートの中性化を抑制する養生シートが、前記立ち上がり部の内側面にのみ貼り付けられており、
    前記立ち上がり部の上端側は、レベリング材を施工してなる平滑な仕上層が形成されていることを特徴とする基礎構造。
  2. 前記立ち上がり部の上面と前記仕上層との間には、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材としてエチレン酢酸ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、又は珪酸塩系表面含浸材を塗布してなる上面保護層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
  3. 前記立ち上がり部の外側面は、コンクリートの中性化を抑制する弾性塗料を塗布してなる外側面保護層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造。
  4. 立ち上がり部を有する鉄筋コンクリート造の基礎構造の構築方法であって、
    型枠内にコンクリートを打設して、立ち上がり部を形成する工程と、
    前記立ち上がり部の上面にレベリング材を流し込んで平滑な仕上層を形成する工程と、
    前記型枠を脱枠した後、上端が前記立ち上がり部の内部に配設された鉄筋の上端よりも上方、且つ、前記立ち上がり部の天端面となる前記仕上層の上面より下方に位置し、下端が地盤上に敷設されている土間コンクリートの上面よりも上方に位置するように、コンクリートの中性化を抑制する養生シートを前記立ち上がり部の内側面にのみ貼り付ける工程とを有することを特徴とする基礎構造の構築方法。
  5. 立ち上がり部を有する鉄筋コンクリート造の基礎構造の構築方法であって、
    型枠内にコンクリートを打設して、立ち上がり部を形成する工程と、
    前記立ち上がり部の上面に対して、コンクリートの中性化を抑制する中性化抑制材としてエチレン酢酸ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、又は珪酸塩系表面含浸材を塗布して上面保護層を形成する工程と、
    前記上面保護層上にレベリング材を流し込んで平滑な仕上層を形成する工程と、
    前記型枠を脱枠した後、上端が前記立ち上がり部の内部に配設された鉄筋の上端よりも上方、且つ、前記立ち上がり部の天端面となる前記仕上層の上面より下方に位置し、下端が地盤上に敷設されている土間コンクリートの上面よりも上方に位置するように、コンクリートの中性化を抑制する養生シートを前記立ち上がり部の内側面にのみ貼り付ける工程とを有することを特徴とする基礎構造の構築方法。
  6. 前記立ち上がり部の外側面に、コンクリートの中性化を抑制する弾性塗料を塗布して外側面保護層を形成する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の基礎構造の構築方法。
JP2014064766A 2014-03-26 2014-03-26 基礎構造 Active JP5835390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014064766A JP5835390B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 基礎構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014064766A JP5835390B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 基礎構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015187342A JP2015187342A (ja) 2015-10-29
JP5835390B2 true JP5835390B2 (ja) 2015-12-24

Family

ID=54429690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014064766A Active JP5835390B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 基礎構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5835390B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018109333A (ja) * 2017-01-06 2018-07-12 株式会社Nsp Ks コンクリート基礎およびその製造方法
JP2018109334A (ja) * 2017-01-06 2018-07-12 株式会社Nsp Ks コンクリート基礎およびその製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6865007B2 (ja) * 2016-09-29 2021-04-28 大和ハウス工業株式会社 プレキャストコンクリート基礎およびその製造方法
JP6988279B2 (ja) * 2017-08-31 2022-01-05 積水ハウス株式会社 建築物の基礎構造、および、その施工方法
JP7268586B2 (ja) * 2019-11-22 2023-05-08 積水ハウス株式会社 基礎被覆カバー

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0794349B2 (ja) * 1989-07-20 1995-10-11 工研開発株式会社 コンクリート構造物表面保護層の施工法
JP2004223999A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Shinjiro Cho 表面保護工法、表面保護構造、及び表面保護用シート
JP2008127920A (ja) * 2006-11-23 2008-06-05 Toyota Motor Corp 基礎及びその製造方法
JP5316297B2 (ja) * 2009-08-05 2013-10-16 積水ハウス株式会社 建物の布基礎構造
JP5989423B2 (ja) * 2012-06-29 2016-09-07 東海旅客鉄道株式会社 コンクリート構造物の保護構造及びコンクリート構造物の保護工法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018109333A (ja) * 2017-01-06 2018-07-12 株式会社Nsp Ks コンクリート基礎およびその製造方法
JP2018109334A (ja) * 2017-01-06 2018-07-12 株式会社Nsp Ks コンクリート基礎およびその製造方法
JP7008312B2 (ja) 2017-01-06 2022-01-25 株式会社Nsp Ks コンクリート基礎およびその製造方法
JP7008311B2 (ja) 2017-01-06 2022-01-25 株式会社Nsp Ks コンクリート基礎およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015187342A (ja) 2015-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5835390B2 (ja) 基礎構造
JP5576207B2 (ja) 据付け基礎及びその施工方法
JP2015187388A (ja) 防水シートの端部処理方法
KR101065470B1 (ko) 단열성능 및 방수성능을 향상시킨 건물의 옥상부 또는 외벽부의 보강공법
KR20150094000A (ko) 콘크리트 구조물의 복합방수공법
JP5316297B2 (ja) 建物の布基礎構造
JP2008127920A (ja) 基礎及びその製造方法
KR101699210B1 (ko) 타일을 이용한 수처리시설물에 대한 방수공법
JP5893579B2 (ja) 基礎構造の施工方法
KR101743555B1 (ko) 건물 외벽의 균열 및 철구조물의 부식을 방지할 수 있는 건물 외벽 방수 시공 방법
KR101798580B1 (ko) 콘크리트 구조체에 일체 시공되는 방수시트 및 이를 이용한 방수공법
KR100469292B1 (ko) 콘크리트 구조물의 방수처리방법
KR101936592B1 (ko) 구조물의 바닥 시공방법
KR101545812B1 (ko) 터널용 매립 실런트 및 이의 시공방법
JP4726437B2 (ja) 基礎コンクリートの改善方法
JP7400174B2 (ja) 構造物の防水工法
JP5893653B2 (ja) 防水シートを用いた水切り材の製造方法
KR100509208B1 (ko) 고무화 아스팔트 및 폴리우레탄레진으로된 몰탈과스테인레스 배수로를 사용한 건축물 지하바닥 및 배수로시공방법
KR102458693B1 (ko) Sbr 기반의 방수 시공 방법
FI128677B (fi) Menetelmä vesieristetyn lattialaattaelementin valmistamiseksi
KR20200087498A (ko) 건축 구조물용 모서리 마감부재
KR101667024B1 (ko) 건축물 바닥용 타일 시공방법
JP2019044439A (ja) 建築物の基礎構造、および、その施工方法
CN210562697U (zh) 一种用于高水位游泳池池壁与外墙连接处防水节点结构
KR102108862B1 (ko) 무근 일체화 키를 갖는 콘크리트 구조물의 테두리 보호장치

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150903

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5835390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250