JP5834877B2 - 3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3次元表示用パターン位相差フィルムを形成することが可能な3次元表示用パターン配向膜を作製するための3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法に関する。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。3次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされ、この一方式としてパッシブ方式がある。
図7はパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この方式では、フラットパネルディスプレイを構成する画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の複数の画素にパターン状に分割し、一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と当該画素の分割パターンに対応したパターン状の位相差層が形成されたパターン位相差フィルムとを用い、右目用の映像と、左目用の映像とを円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用と左目用の円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって3次元表示を可能とする。このようにパッシブ方式においてはパターン位相差フィルムが必須になる。
このパターン位相差フィルムの従来技術として、下記の特許文献1には、特定の方向に延在する複数の溝を表面に有する基板上に、溝の延在方向に沿って配向すると共に重合した液晶材料が位相差層として存在する位相差板が開示されている。そして、この基板は、第1の方向に延在した溝を含む第1の溝領域と、これに直交する第2の方向に延在した溝を含む第2の溝領域とを有し、第1及び第2の溝領域はそれぞれストライプ状であると共に交互に配置されている型(版)を転写して得られ、この型の溝をパルスレーザー、研磨、バイト切削などにより形成することが記載されている。
特開2010−152296号公報
このように、パターン位相差フィルムでは、異なるパターンをストライプ状で交互に形成する必要がある。このような、微小なライン状凹凸構造が略一定方向に形成される帯状の第1凹凸構造領域と、前記第1凹凸構造と異なる方向に微小なライン状凹凸構造が形成される帯状の第2凹凸構造領域とが交互に形成されている3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法として、例えば、下記に示す方法が検討されている。
この方法は、具体的には、無機材料からなる第1層の表面に第1凹凸構造領域を形成する第1研磨工程と、第1層の第1凹凸構造領域の表面に帯状のレジスト部をパターン形成する工程と、レジスト部及び非レジスト部の表面に無機材料からなる第2層膜を形成する第2層形成工程と、第2層膜の表面を前記異なる方向に研磨して第2凹凸構造領域を形成する第2研磨工程と、レジスト部及び該レジスト部上の第2層膜を剥離するレジスト剥離工程とからなる。すなわち、帯状のレジスト部の形成によって一方の凹凸構造領域(将来凹凸構造領域が形成される領域でもよい)を一時的にマスキングし、その後にレジスト部を剥離することによって異なる凹凸構造領域を帯状に交互に配列させる方法である。
しかしながら、レジスト部は樹脂であり、無機材料の第2層膜との密着が不充分である。このため、ラビング処理などで第2層膜の表面を強く研磨すると、一部の第2層膜がレジストから剥離して脱落して異物となり、ラビング布などに巻き込まれると研磨の際に表面に傷が生じて不良となる恐れがある。また、これによりレジスト自体も削り取られて脱落し、やはり原版の不良となってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、3次元表示用パターン位相差フィルムを形成することが可能なパターン配向膜を、高精度で作製することができる3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法を提供する。具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) 微小なライン状凹凸構造が略一定方向に形成される帯状の第1凹凸構造領域と、前記第1凹凸構造と異なる方向に微小なライン状凹凸構造が形成される帯状の第2凹凸構造領域とが交互に形成されている3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法であって、
無機材料からなる第1層の表面に、前記第1凹凸構造領域を形成する第1研磨工程と、
前記第1層の表面に帯状のレジスト部をパターン形成する工程と、
前記レジスト部の表面に、前記レジスト部との密着性を向上させるためのアンカー層を形成する工程と、
前記レジスト部及び非レジスト部の表面に無機材料からなる第2層膜を形成することで、前記非レジスト部上に第2層パターンを形成する第2層形成工程と、
前記第2層膜の表面を前記異なる方向に研磨して第2凹凸構造領域を形成する第2研磨工程と、
前記レジスト部と、該レジスト部上の前記アンカー層と、該アンカー層上の前記第2層膜と、を剥離するレジスト剥離工程と、
を備える3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
(2) 前記アンカー層が、酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、酸化珪素、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、からなる群より選択される1種である(1)記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
(3) 前記アンカー層の膜厚が0.01μm以上1μm以下である(1)又は(2)に記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
(4) 前記アンカー層を、前記レジスト部及び非レジスト部の全面に形成する(1)から(3)いずれか記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
(5) 前記第2層膜が金属クロム、金属ニッケル、金属チタン、ダイヤモンドライクカーボン、からなる群より選択される1種である(1)から(4)いずれか記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
本発明によれば、3次元表示用パターン位相差フィルムを形成することが可能なパターン配向膜を、高精度で作製することができる3次元表示用パターン配向膜用原版を提供できる。
本発明の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法の一例を示す工程図であり、工程(a)から(b)を示す図である。 図1に続き、工程(c)から(d)を示す図である。 図2に続き、工程(e)から(f)を示す図である。 図3に続き、工程(g)を示す図である。 本発明の製造方法によって得られた版を用いて賦型転写した3次元表示用パターン配向膜の斜視図である。 図3の3次元表示用パターン配向膜上に液晶層が配向形成されたパターン位相差フィルムの斜視図である。 パッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の例を示す概略図である。
図面を用いて本発明を具体的に説明する。図1から図4は、本発明の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法の一例を示す工程図である。この製造プロセスは、工程(a)から(g)で構成されている。具体的には、図1の工程(a)に示す無機材料からなる第1層の表面に、図1の工程(b)に示すように第1凹凸構造領域を形成する第1研磨工程と、図2の工程(c)に示すように第1層の第1凹凸構造領域の表面に帯状のレジスト部をパターン形成する工程と、図2の工程(d)に示すようにレジスト部及び非レジスト部の表面にアンカー層を形成する工程と、図3の工程(e)に示すようにアンカー層上に第2層膜を形成する工程と、図3の工程(f)に示すように第2層膜の表面を前記異なる方向に研磨して第2凹凸構造領域を形成する第2研磨工程と、図4の工程(g)に示すようにレジスト部、及び、該レジスト部上のアンカー層と第2層膜を剥離するレジスト剥離工程と、からなる。以下、各工程について詳細に説明する。
<第1研磨工程>
図1(a)及び図1(b)に示すように、第1層10の表面を研磨して、その略全面に微小なライン状凹凸構造である、第1凹凸構造領域12を形成する。
第1層10は基材の最表層として存在する無機材料層である。無機材料としては、後述する第2層を剥離除去可能に積層できるものであれば特に限定されるものではなく、ニッケル、銅、アルミニウム、スズ、クロム、ステンレス、鉄等の金属材料;SiO、SiO、Al、GeO、TiO、Cr、ZrO、Ta、Nb等の無機酸化物;Si、AlN等の無機窒化物;SiO等の無機酸化窒化物;SiC等の無機炭化物;DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等を挙げることができ、なかでも、後述する第2層や第3層を剥離除去可能に積層できる観点から、金属材料、DLC等であることが好ましく、チタン、ニッケル、クロム、DLCであることがより好ましい。
第1凹凸構造領域12は、第1層10の表面に略一定方向にランダムに形成されたものである。ここで、略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造とは、例えば、表面にラビング処理がなされた場合等に形成されるような微小な傷のようなライン状凹凸構造が、略一定方向に形成されたものである。微小なライン状凹凸構造としては、本発明の原版を用いて形成されたパターン配向膜により3次元表示可能なパターン位相差フィルムとすることができるものであれば特に限定されるものではない。
微小なライン状凹凸構造の断面形状としては、凹凸構造を有し、上記液晶化合物を所定の方向に配列できるものであれば特に限定されるものではなく、略矩形、略三角形、略台形等とすることができる。また、一定の形状でなくともよい。微小なライン状凹凸構造の高さ、幅、及び周期としては、液晶化合物を配列させることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明において、微小なライン状凹凸構造の幅は、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1nm〜500nmの範囲内であることがより好ましく、特に、1nm〜100nmの範囲内であることがさらに好ましい。また、微小なライン状凹凸構造の高さは、1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1nm〜100nmの範囲内であることがより好ましく、特に、1nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。さらに、微小なライン状凹凸構造の周期は、必ずしも一定ではなくてもよいが、概ね1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、なかでも1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。微小なライン状凹凸構造が上述のサイズであることにより、安定的に液晶化合物を配列させることができるからである。
研磨方法としては、砥石研磨、ペーパー研磨、テープ研磨、バフ研磨、サンドブラスト法、ショットブラスト法、グリットブラスト法、ガラスビーズブラスト法等のブラスト法、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、レーヨン、コットンなどの合成繊維からなる合成樹脂毛、不織布、動物毛、スチールワイヤ等のブラシ材を用いる、ラビング法を含むブラシグレイニング法、金属ワイヤーで引っかくワイヤーグレイニング法、研磨剤を含有するスラリー液を供給しながらブラシ研磨する方法(ブラシグレイニング法)、ボールグレイン法、液体ホーニング法等のバフ研磨法、ショットピーニング法等を挙げることができる。
第1層10がDLCのような硬い基材表面の場合には、テープ研磨法、ペーパー研磨であることが好ましいが、本発明においては第1層10をチタンやクロムやニッケルのような金属材料とすることも好ましいので、この場合にはラビンク法も好ましく用いられる。
<第2層形成工程>
まず、図1(c)に示すように、第1凹凸構造領域12が形成された第1層10の表面に帯状の第1レジスト部31と非レジスト部32とをパターン形成する。
レジストを平行な帯状に形成する方法としては、レジスト材料を塗布することによりレジスト膜(図示せず)を形成した後、平行な帯状に露光し、次いで、現像することにより、第1レジスト部31と非レジスト部32とをパターン形成することができる。
本工程に用いられるレジスト材料としては、ポジ型レジスト材料(光照射部分が溶解するもの)およびネガ型レジスト材料(光照射部分が固まるもの)のいずれも用いることができる。ポジ型レジスト材料としては、例えばノボラック樹脂をベース樹脂とした化学増幅型レジスト等が挙げられる。また、ネガ型レジスト材料としては、例えば架橋型樹脂をベースとした化学増幅型レジスト、具体的にはポリビニルフェノールに架橋剤を加え、さらに酸発生剤を加えた化学増幅型レジスト等が挙げられる。なかでも、レジスト剥離工程におけるレジスト剥離の容易さ、溶解容易性、ポットタイム(可使時間)の観点からポジ型レジスト材料であることが好ましい。
レジスト材料は、化学増幅レジスト、非化学増幅レジストいずれも使用可能であるが、後述する残留溶剤との関係から親水性のものをなるべく含まないレジストであることが好ましい。ポジ型レジストとしては、スチレン−マレイン酸系樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルフェノール系樹脂、ノボラック樹脂などのベース樹脂において、フェノール基やカルボキシル基などの水素原子を酸の作用により解離する基で置換した樹脂が例示できる。ネガ型のレジストとしては、上記のベース樹脂において、フェノール基やカルボキシル基などの水素原子を酸や光により重合する基で置換した樹脂が例示できる。
スチレン−マレイン酸系樹脂を含むポジ型レジストとしては、例えば、WO2005/001576号国際公開公報に記載の、スチレン/マレイン酸系共重合体のように分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有する高分子物質、及び、露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質(赤外線吸収色素)、を含有するポジ型感光性組成物などが例示できる。ここで、スチレン/マレイン酸系共重合体は、スチレン系単量体と、無水マレイン酸との共重合物であるスチレン/無水マレイン酸系共重合体に、水アルコールなどの水酸基を有する化合物を反応させて部分エステル化させて得ることができる。このスチレン/マレイン酸系共重合体は公知であり、例えば、SARTOMER社製の商品名SMA1140などを使用できる。
上記レジスト材料を塗工してレジスト膜を形成する方法としては、一般的な塗工方法を用いることができ、例えばスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等を使用することができる。
上記レジスト膜を平行な帯状に露光する方法としては、通常のフォトマスク描画に用いられる電子線描画法、もしくはレーザー描画法等を用いることができる。また、マスクを介して紫外線照射を行う方法を用いることもできる。なかでも、レーザー描画法であることが好ましい。上記金属基材の形状がロール状である場合であっても、精度よくパターン状に露光することができるからである。また、露光後のレジスト膜の現像方法としては、一般的なアルカリ現像などの現像方法を用いることができる。
このようにして形成されたレジスト部31の膜厚は1μm以上10μm以下が好ましい。1μm未満であると膜厚ムラが大きく、レジスト色の濃淡の違いで線幅のバラツキが大きくなること、また後述する2層目の研磨(ラビング)工程において、レジスト膜下にある1層目チタン膜へレジストを突き抜けて傷つけてしまうため好ましくなく、10μmを超えると露光時の減衰が大きくなりレジストの深い部分が露光不足となったり、近在する2層目間の段差が大きく(図3の工程(e)の隣接する第2層膜20間の段差)、図3の工程(f)において高さが低い2層目へラビング布の毛の先端が入りにくくなり、後述する液晶の塗工時に、液晶が一方向に配向する領域が狭くなるため好ましくない。
次いで、図2の工程(d)に示すように、レジスト部31及び非レジスト部32上に、アンカー層40が、好ましくは0.01μm以上1μm以下で薄膜形成される。アンカー層40はレジスト部31上に形成されていればよく、非レジスト部32上には必ずしもなくてもよい。このアンカー層40は、酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、酸化珪素、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、より選択される1種である。例えば第2層が金属チタンの場合には、密着性の観点から酸化チタンがアンカー層40として好ましい。他のアンカー層/第2層の好ましい組み合わせとしては、酸化クロム/金属クロム、酸化クロム/金属チタン、酸化クロム/金属ニッケル、酸化珪素/金属クロム、シランカップリング剤/金属ニッケル、チタン系カップリング剤/金属チタンなどが例示できる。
なお、シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランのようなアルキル系、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシランのようなビニル系、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのようなエポキシ系、p−スチリルトリメトキシシランのようなスチリル系、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなメタクリロキシ系、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランのようなアクリロキシ系、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ系、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランのようなウレイド系、3−クロロプロピルトリメトキシシランのようなクロロプロピル系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランのようなメルカプト系、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファンのようなスルフィド系、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランのようなイソシアネート系が例示でき、チタン系カップリング剤としては、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、イソプロポキシチタンジメタクリレートイソステアレート、イソプロポキシチタントリスジオクチルフォスフェート、イソプロポ
キシチタントリN−エチルアミノエチルアミナト、チタニウムビスジオクチルピロフォスフェートオキシアセテート等が例示できる。
薄膜形成の方法は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)、気相成長法(CVD法)、めっき法、塗布法等を挙げることができる。
次いで、図3の工程(e)に示すように、アンカー層40上に、無機材料の第2層膜20が、好ましくは0.01μm以上1μm以下で薄膜形成される。これにより、非レジスト部32の凹部内に第2層膜20からなる第2層パターンが形成される。この第2層膜20の膜厚が0.01μm未満であると第1層表面に研磨又はラビングにより形成された微小な凹凸が第2層膜により埋まらず、第1層の微小な凹凸と第2層の微小な凹凸が混在し配向不良となるので好ましくなく、1μmを越えると段差が大きくなり位相差量が変化するので好ましくない。薄膜形成の方法は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)、気相成長法(CVD法)、めっき法、塗布法等を挙げることができる。無機材料としては、上記の第1層10と同じでもよく、異なっていてもよいが、好ましくは金属クロム、金属ニッケル、金属チタン、ダイヤモンドライクカーボン、からなる群より選択される1種である。
<第2研磨工程>
次に、図3の工程(f)に示すように、第2層膜20の全面、すなわちアンカー層40上の第2層膜20の表面を、第1凹凸構造領域12aと異なる方向に研磨して、第2層パターン21の表面に、微小なライン状凹凸構造である、第2凹凸構造領域21aを形成する。この工程は、研磨方向が第1凹凸構造領域12aと異なる方向である点を除いては、基本的に図1の工程(b)で説明した上記の第1研磨工程と同じ工程である。よって研磨方向以外の詳細説明を省略する。
第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域21aとは、上記微小なライン状凹凸構造の形成方向が異なる。図1の工程(b)の第1研磨工程と、図3の工程(f)の第2研磨工程とでは、XY平面における相互の微小なライン状凹凸構造の形成方向θが、それぞれ135度及び45度であり90度異なる場合(図2(f)のθ1=135度、θ2=45度参照)を示しているが、これに限らず、例えば45度異なっていてもよい。なお、θ1=0度、θ2=90度であってもよい。
最後に、図4の工程(g)に示すように、この状態でアルカリ処理や溶剤処理などによりレジスト部31を剥離する。このとき、レジスト部31上に形成されるアンカー層40と第2層膜20も併せて除去されて第1層10上の第1凹凸構造領域12aが形成されると共に表面に第2凹凸構造領域21aが形成された第2層パターン21が残り、3次元表示用パターン配向膜用原版100が得られる。
図4の工程(g)に示すように、この3次元表示用パターン配向膜用原版100は平面視Aにおいては、第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域21aとが帯状交互に形成されている。また、断面視Bにおいては第1層10上に、アンカー層40と第2層パターン21とが凸部として存在して、アンカー層40と第2層パターン21との合計膜厚h分の段差が形成されている。
<パターン配向膜/パターン位相差フィルム>
このようにして得られた3次元表示用パターン配向膜用原版100は、図5に示すように、TAC(トリアセチルセルロース)やCOP(環状オレフィン樹脂)やアクリル樹脂などからなる位相差の小さいフィルム110上に、従来公知のUV硬化樹脂などの賦型樹脂120を積層した積層体の賦型樹脂面を圧着され、3次元表示用パターン配向膜用原版100の第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域21aで構成される微小なライン状凹凸構造が賦型樹脂表面121に転写され、その後UV硬化させる。これによりパターン配向膜150が得られる。
さらに、図6に示すように、この賦型樹脂表面121上には重合性の液晶化合物160が塗布されることで、微小なライン状凹凸構造に沿って液晶分子が配向し、その後に重合硬化することでパターン位相差フィルム200が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施形態の説明は、第1凹凸構造領域12aと第2凹凸構造領域21aとで段差を有する版を基に説明したが、本発明はこれに限らず、第1凹凸構造領域と第2凹凸構造領域とが、同一平面に交互に形成されている3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法でも適用可能である。
また、例えば、上記実施形態の説明は平板状の版を基に説明したが、本発明はこれに限らず、ロール状のロール版に対しても適用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下の実施例は図1から図4に示す工程(a)から(g)を、最表面に第1層を備える円筒状のロール基材に適用して形成したものである。
[実施例1]
<第1研磨工程>
図1の工程(a)(b):円筒状の基材の最表面チタン層5μm(第1層)の円周方向に対し、円筒の円周方向から+45度方向でラビング処理し、全面に第1凹凸構造領域を形成した。
<第2層形成工程>
図2の工程(c):レジスト材料として、上記のスチレン−マレイン酸系樹脂及び赤外線吸収色素を含むポジ型レジストを、固形分5%となるように溶剤で希釈し、円周方向に対し上記のレジストをコーティングし、15℃から25℃で所定時間乾燥した。
その後、実施例及び比較例について、赤外線レーザー露光方法で360μm幅の平行な帯状にパターンを形成し、アルカリ溶液にて現像処理を行い、その後、洗浄として水にてレジストの残渣を除去することにより、360μm幅の非レジスト部と、360μmピッチで高さ5μmのレジスト部とをチタン層上に交互に形成した。
図2の工程(d):第1レジスト部及び非レジスト部に、アンカー層として0.1μmの酸化チタン層をスパッタリングで形成した。
図3の工程(e):第1レジスト部及び非レジスト部に、第2層膜として厚さ0.1μmのチタン層をスパッタリングで形成した(合計の段差hとして0.2μm)。
<第2研磨工程>
図3の工程(f):第2層膜の全面を、円筒の円周方向から+135度方向にラビング処理して第2凹凸構造領域を形成した。
<レジスト剥離工程>
図4の工程(g):レジスト部、及び、該レジスト部上のアンカー層と第2層膜とを、MEK,IPA,メタノールの混合溶剤で剥離して、第1凹凸構造領域及び第2凹凸構造領域を360μmピッチで交互に形成し、本発明の3次元表示用パターン配向膜用原版を得た。
<パターン配向膜の作製>
透明フィルム基材として60μmのTACに、希釈溶剤としてMEKとMIBKとが質量比4対1で混合されてなる希釈溶剤で希釈された固形分45%、2500mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み8μmとなるようにコーティングし、溶剤を80℃で30秒間で乾燥蒸発させた後、上記で作製した版にゴムロールで1000MPa/cmの加重で押し付けた後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
<パターン位相差フィルムの作製>
得られたパターン配向膜の表面に、重合性の液晶化合物として紫外線硬化性液晶材料(UCL−001、大日本インキ化学工業製)に反応開始剤を0.3重量%を添加したものを塗工後紫外線を照射し、リタデーションが110nmのパターン位相差フィルムを得た。
<クロスニコルを用いた評価>
得られたパターン位相差フィルムを、消光位を示すようクロスニコルに挟み肉眼で観察したところ、問題となるような光漏れはみられなかった。
[実施例2]
実施例1において、円筒状の基材の最表面をクロム層5μmに、アンカー層を酸化クロム層に、第2層膜をクロム層とした他は、実施例1と同様に行った。実施例1と同様のクロスニコルを用いた評価で光漏れはみられなかった。
[実施例3]
実施例1において、円筒状の基材の最表面をニッケル層5μmに、アンカー層を酸化クロム層に、第2層膜をニッケル層とした他は、実施例1と同様に行った。実施例1と同様のクロスニコルを用いた評価で光漏れはみられなかった。
[実施例4]
実施例1において、円筒状の基材の最表面をニッケル層5μmに、アンカー層を酸化クロム層に、第2層膜をクロム層とした他は、実施例1と同様に行った。実施例1と同様のクロスニコルを用いた評価で光漏れはみられなかった。
[比較例1]
アンカー層40を形成せずにレジスト部上に直接第2層膜の形成した以外は、実施例1と同様の試験を行なった。
その結果、クロスニコルを用いた評価では、多数の光漏れが確認された。光学顕微鏡で観察したところ、長さコンマ数mm〜数mmの線状の配向不良部分から光が漏れており、これは、第2研磨工程時にレジスト上から剥離した第2層膜が異物となり、レジスト上にない第2層膜に傷が生じたり、また、レジストを削り取って第1層に傷が生じたりし、傷上の液晶の配向が乱れたためと分かった。
[比較例2]
実施例4において、アンカー層40の厚みを0.005μとした他は、実施例4と同様に行った。その結果、クロスニコルを用いた評価では、多数の光漏れが確認された。
10 第1層
12a 第1凹凸構造領域
20 第2層膜
21 第2層パターン
21a 第2凹凸構造領域
31 レジスト部
32 非レジスト部
40 アンカー層
100 3次元表示用パターン配向膜用原版
110 位相差の小さいフィルム
120 賦型樹脂
121 賦型樹脂表面
150 パターン配向膜
160 液晶化合物
200 パターン位相差フィルム

Claims (5)

  1. 微小なライン状凹凸構造が略一定方向に形成される帯状の第1凹凸構造領域と、前記第1凹凸構造と異なる方向に微小なライン状凹凸構造が形成される帯状の第2凹凸構造領域とが交互に形成されている3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法であって、
    無機材料からなる第1層の表面に、前記第1凹凸構造領域を形成する第1研磨工程と、
    前記第1層の表面に帯状のレジスト部をパターン形成する工程と、
    前記レジスト部の表面に、前記レジスト部と第2層膜との密着性を向上させるためのアンカー層を形成する工程と、
    前記レジスト部及び非レジスト部の表面に無機材料からなる前記第2層膜を形成することで、前記非レジスト部上に第2層パターンを形成する第2層形成工程と、
    前記第2層膜の表面を前記異なる方向に研磨して第2凹凸構造領域を形成する第2研磨工程と、
    前記非レジスト部上は、前記アンカー層、前記第2層パターンを剥離しないで、前記レジスト部と、該レジスト部上の前記アンカー層と、該アンカー層上の前記第2層膜と、を剥離するレジスト剥離工程と、
    を備える3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
  2. 前記アンカー層が、酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、酸化珪素、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、からなる群より選択される1種である請求項1記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
  3. 前記アンカー層の膜厚が0.01μm以上1μm以下である請求項1又は2に記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
  4. 前記アンカー層を、前記レジスト部及び非レジスト部の全面に形成する請求項1から3いずれか記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
  5. 前記第2層膜が金属クロム、金属ニッケル、金属チタン、ダイヤモンドライクカーボン、からなる群より選択される1種である請求項1から4いずれか記載の3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法。
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