JP2012198325A - 3次元表示用パターン配向膜の製造方法および3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

3次元表示用パターン配向膜の製造方法および3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高品質なパターン位相差フィルムを容易かつ大量に製造することが可能なパターン配向膜の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成され、かつ、帯状に形成された凹部および凸部を有するパターン配向層用原版と、配向層形成用樹脂組成物からなる配向層形成用層と、を接触させた後、加圧し、上記配向層形成用層に上記パターン配向層用原版表面の形状を賦型する賦型工程と、上記賦型工程後に、上記配向層形成用層を硬化させる硬化工程および上記配向層形成用層を上記パターン配向層用原版から剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする3次元表示用パターン配向膜の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高品質なパターン位相差フィルムを容易に製造することが可能な3次元表示用パターン配向膜の製造方法に関するものである。
フラットパネルディスプレイとしては、従来、2次元表示のものが主流であったが、近年においては3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集め始めており、一部市販されているものも存在しつつある。そして、今後のフラットパネルディスプレイにおいては3次元表示可能であることが、その性能として当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされる。右目用の映像と左目用の映像とを別個に表示する方法としては、例えば、パッシブ方式というものが知られている。このようなパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図17はパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。図17に示すようにこの方式では、まず、フラットパネルディスプレイを構成する画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の複数の画素にパターン状に分割し、一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と当該画素の分割パターンに対応したパターン状の位相差層が形成されたパターン位相差フィルムとを用い、右目用の映像と、左目用の映像とを互いに直交関係にある円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにする。このようにして右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって3次元表示を可能とするものがパッシブ方式である。
このようなパッシブ方式では、上記パターン位相差フィルムと、対応する円偏光メガネとを用いることにより容易に3次元表示が可能なものにできるという利点がある。
ところで、上述したように、パッシブ方式においてはパターン位相差フィルムを用いることが必須になるところ、このようなパターン位相差フィルムについてはまだ広く研究・開発が行われておらず、標準的な技術としても確立されているものがないのが現状である。この点、特許文献1にはパターン位相差フィルムとして、ガラス基板上に配向規制力がパターン状に制御された光配向膜と、当該光配向膜上に形成され、液晶化合物の配列が上記光配向膜のパターンに対応するようにパターニングされた位相差層とを有するパターン位相差板が開示されている。しかしながら、このような特許文献1に開示されたパターン位相差板は、ガラス板を用いることが必須となっていることから、高価であり、また大面積のものを大量に製造できるというものではなく、その実用性に難点があった。
また、特許文献2では、パターン位相差フィルムの製造方法として、レーザー装置によりパターンを形成したロール版を用い、このようなロール版と、配向層形成用層とを接触させることにより表面にパターン状の微細凹凸を有する賦型されたパターン配向膜を形成する方法が開示されている。
しかしながら、このような方法で形成されたパターン位相差フィルムは、右目用および左目用の位相差層のパターン、すなわち、棒状化合物の配列方向の異なる領域間の端部近傍、すなわち、第1位相差領域および第2位相差領域の境界部分で棒状化合物の配列方向が乱れる配向欠陥が生じやすく、液晶表示装置に用いた場合には、上記端部近傍の液晶に配向欠陥を生じさせるといった問題があった。その結果、端部近傍からの光漏れを生じ、コントラストが低いものとなるといった問題があった。また、パターン配向膜表面に配向膜形成用樹脂の残渣が付着することに起因すると思われる棒状化合物の配列乱れが生じるといった問題があった。
さらに、レーザー方式で微細凹凸を形成する場合、レーザー装置が高額でありさらにクリーンルーム化や窒素供給装置などの付帯設備を含めると非常に大掛かりとなる。また、ロールに処理する場合、加工精度を満足するためのロール回転機構の精度を上げる必要があり設備導入に費用な時間がかかってしまう。さらに、レーザー加工時間に膨大な時間が必要となる。以上のようなことから、設備、時間、品質面から非常に製作し難いといった問題があった。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高品質なパターン位相差フィルムを容易に製造することが可能な3次元表示用パターン配向膜の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成され、かつ、帯状に形成された凹部および凸部を有するパターン配向層用原版と、配向層形成用樹脂組成物からなる配向層形成用層と、を接触させた後、加圧し、上記配向層形成用層に上記パターン配向層用原版表面の形状を賦型する賦型工程と、上記賦型工程後に、上記配向層形成用層を硬化させる硬化工程および上記配向層形成用層を上記パターン配向層用原版から剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする3次元表示用パターン配向膜の製造方法を提供する。
本発明によれば、帯状に形成された凹部および凸部を有するパターン配向層用原版(以下、単に原版とする場合がある。)を用いることにより、第1配向領域と、上記第1配向領域よりも厚みが小さい第2配向領域とがパターン状に形成された配向層を有する3次元表示用パターン配向膜(以下、単にパターン配向膜とする場合がある。)を容易に形成することができる。
このため、このような配向領域を有する配向層上に棒状化合物を含む位相差層を形成した場合には、各領域の端部近傍、すなわち、隣り合ったパターンの境界近傍において上記棒状化合物の配向が乱れることを抑制することができる。
したがって、隣り合ったパターンの境界近傍に生じ易い配向欠陥を抑制することが可能となり、境界近傍からの光漏れのない高品質な3次元表示用パターン位相差フィルムを得ることができる。
本発明においては、上記パターン配向層用原版が、ロール版であることが好ましい。連続的に配向層形成用層に賦型することを可能とし、パターン配向膜を容易かつ大量に形成することができるからである。また、本発明においては、特別な設備は必要としないため比較的容易に安価に製作できるからである。
本発明においては、上記剥離工程が、上記硬化工程後に行われることが好ましい。上記硬化工程が、上記原版および配向層形成用層を接触させた状態で行われることにより、上記配向層形成用層に賦型された原版表面の形状を、安定的に硬化させることができ、得られる配向層表面の形状を高精度なものとすることができるからである。
本発明においては、上記賦型工程が、上記パターン配向層用原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する充填処理と、上記配向層形成用層上に透明フィルム基材を配置する配置処理と、を行った後に加圧するもの、透明フィルム基材上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する配向層形成用層形成処理と、上記配向層形成用層と、上記パターン配向層用原版とを接触させる接触処理と、を行った後に加圧するもの、または上記パターン配向層用原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する充填処理、を行った後に加圧するものであることが好ましい。
上記第1配向領域および上記第1配向領域よりも厚みが小さい第2配向領域がパターン状に形成された配向層を容易かつ安定的に形成することができるからである。
本発明においては、上記凹部および凸部の段差が10nm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記第1配向領域および上記第1配向領域よりも厚みが小さい第2配向領域がパターン状に形成された配向層を安定的に形成することができるからである。
本発明においては、上記凹部および凸部の表面に形成された微小なライン状凹凸構造の高さが5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。棒状化合物を安定的に配列させることができるからである。
本発明においては、上記配向層形成用樹脂組成物の粘度が、5mPa・s〜200000mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記第1配向領域および上記第1配向領域よりも厚みが小さい第2配向領域がパターン状に形成された配向層を安定的に形成することができるからである。
本発明においては、上記配向層形成用樹脂組成物が紫外線硬化樹脂組成物であることが好ましい。上記第1配向領域および上記第1配向領域よりも厚みが小さい第2配向領域がパターン状に形成された配向層を容易に形成することができるからである。
本発明は、上述の3次元表示用パターン配向膜の製造方法により形成された3次元表示用パターン配向膜に含まれる配向層上に、屈折率異方性を有する棒状化合物を含む位相差層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記位相差層形成用塗工液の塗膜に含まれる棒状化合物を、上記配向層に含まれる第1配向領域および第2配向領域に形成された微小なライン状凹凸構造の方向に沿って配列させる配向工程と、を有することを特徴とする3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法を提供する。
本発明によれば、上述の3次元表示用パターン配向膜の製造方法により製造されたパターン配向膜を用いることにより、配向欠陥のない3次元用パターン位相差フィルム(以下、単にパターン位相差フィルムとする場合がある。)を容易に得ることができる。
本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法によれば、高品質なパターン位相差フィルムを容易かつ大量に製造することができるという効果を奏する。
本発明のパターン配向膜の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明における微小なライン状凹凸構造を説明する説明図である。 本発明における微小なライン状凹凸構造を説明する説明図である。 本発明における微小なライン状凹凸構造を説明する説明図である。 本発明における微小なライン状凹凸構造を説明する説明図である。 本発明における微小なライン状凹凸構造を説明する説明図である。 本発明における微小なライン状凹凸構造を説明する説明図である。 本発明に用いる原版の形成方法の一例を示す工程図である。 本発明に用いる原版の形成方法の他の例を示す工程図である。 本発明に用いる原版の形成方法の他の例を示す工程図である。 本発明における加圧方法を説明する説明図である。 本発明における加圧方法を説明する説明図である。 本発明に用いられる透明フィルム基材の一例を示す概略断面図である。 本発明のパターン位相差フィルムの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明により製造されるパターン位相差フィルムを説明する説明図である。 本発明における他の工程を説明する説明図である。 パッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の例を示す概略図である。
本発明は、3次元表示用パターン配向膜の製造方法およびそれを用いた3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法に関するものである。
以下、本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法および3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法について詳細に説明する。
A.3次元表示用パターン配向膜の製造方法
まず、本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法について説明する。
本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法は、表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成され、かつ、帯状に形成された凹部および凸部を有するパターン配向層用原版と、配向層形成用樹脂組成物からなる配向層形成用層と、を接触させた後、加圧し、上記配向層形成用層に上記パターン配向層用原版表面の形状を賦型する賦型工程と、上記賦型工程後に、上記配向層形成用層を硬化させる硬化工程および上記配向層形成用層と、を上記パターン配向層用原版から剥離する剥離工程を有することを特徴とするものである。
このような本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法について図を参照しながら説明する。図1は、本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1に例示するように、透明フィルム基材1上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工することにより(図1(a))、上記配向層形成用層2´を形成し、上記配向層形成用層2´を、表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成され、かつ、ロールの回転方向に沿って帯状に形成された凹部11aおよび凸部11bを有するロール版(原版)10上に配置することにより接触させた後、加圧ロールにて加圧することにより(図1(b))、上記配向層形成用層2´に、上記原版(ロール版)10の凹部11aおよび凸部11bの形状を賦型し、上記凹部11aおよび凸部11bに対応した表面形状の第1配向領域および第2配向領域(2aおよび2b)を形成し、その後、配向層形成用層2´に対してロール版10上に接触させた状態で紫外線を照射し(図1(c))、配向層形成用層を硬化させ、上記配向層形成用層2´を上記ロール版20から剥離することにより、透明フィルム基材1および上記透明フィルム基材1上に形成された配向層2を有するパターン配向膜20を得るものである(図1(d))。
なお、この例においては、図1(a)〜(b)が賦型工程であり、図1(c)が硬化工程であり、図1(d)が剥離工程である。
本発明によれば、帯状に形成された凹部および凸部を有するパターン配向層用原版を用いることにより、第1配向領域と、上記第1配向領域よりも厚みが小さい第2配向領域とがパターン状に形成された配向層を有するパターン配向膜を容易に形成することができる。ここで、上記第2配向領域が上記第1配向領域よりも厚みが小さいこと、すなわち、第1配向領域および第2配向領域がそれぞれ凸形状および凹形状であり、両領域の微小なライン状凹凸構造が形成された表面の高さ方向の位置が異なることにより、両領域の高さが同程度である場合と比較して、このような配向領域を有する配向層上に棒状化合物を含む位相差層を形成した場合には、両領域間の境界付近において位相差層に含まれる棒状化合物の配向が乱れることを抑制することができる。
したがって、このような配向領域を含む配向層上に棒状化合物を含む位相差層を形成した場合には、隣り合ったパターンの境界近傍に生じ易い配向欠陥を抑制することが可能となり、境界近傍からの光漏れのない高品質なパターン位相差フィルムを得ることができる。
また、上記原版の表面に形成された凹凸が微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成されたものとすることで、例えば、金属基材等の基材表面を研磨等により容易に形成することができる。
さらに、上述のように、レーザー方式で微細凹凸を形成した原版は、設備、時間、品質面から非常に製作し難いといった問題があるのに対して、本発明のように微小なライン状凹凸構造が凹部および凸部表面に形成されているものでは、それぞれの表面に、微小なライン状凹凸構造を容易かつ精度良く形成することができる。
また、本発明者等はレーザーによりパターンを形成した原版(以下、レーザーパターン版)を用いた場合に棒状化合物の配列乱れが生じやすい原因を調査したところ、レーザーパターン版を用いた場合には、原版に付着した配向層形成用樹脂組成物の残渣が配向層形成用層にそれ自体またはその形状が転写されること、および、耐久性が低く表面のパターン形状が乱れやすいことも原因の一つであることを見出した。
すなわち、レーザーによりパターンを形成する場合には、材質上の問題から、配向層形成用樹脂組成物の残渣が付着しやすく、また、キズが付きやすいことから原版表面の拭き取りが困難であることで、原版に付着した配向層形成用樹脂組成物の残渣が、配向層形成用層に転写されやすい状態となるのである。
これに対して、上記パターン配向層用原版では、上記原版の材質を自由度高く選択できることから、原版に付着する配向層形成用樹脂組成物の残渣の付着防止や、原版表面の拭き取り容易性に優れるものとすることができ、原版に付着した配向層形成用樹脂組成物自体またはその形状が、配向層形成用層に転写することを防止することができる。したがって、このような転写のない高品質な配向層を安定的に形成することができ、上記転写等に起因する棒状化合物の配列乱れのないものとすることができるのである。
さらに、上記原版の材質を自由度高く選択できることから、耐久性に優れたものとすることができ、原版表面の形状を安定的に配向層形成用層に賦型することができる。
本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法は、少なくとも賦型工程、硬化工程、および剥離工程を含むものである。
以下、本発明の3次元表示用パターン配向膜の製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.賦型工程
本発明の製造方法における賦型工程は、パターン配向層用原版と、配向層形成用樹脂組成物からなる配向層形成用層と、を接触させた後、加圧し、上記配向層形成用層に上記パターン配向層用原版表面の形状を賦型する工程である。
(1)パターン配向層用原版
本工程に用いられるパターン配向層用原版は、表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成され、かつ、帯状に形成された凹部および凸部を有するものである。
本工程においては、加圧することによって、このような略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造を、上記配向層形成用層に賦型することにより、この形状に対応した微小なライン状凹凸構造が表面に形成された第1配向領域(凸形状)および第2配向領域(凹形状)を形成することができる。
このような原版の形状としては、板状であっても良いが、ロール状であること、すなわち、原版がロール版であることが好ましい。連続的に配向層形成用層に賦型することを可能とし、パターン配向膜を容易かつ大量に形成することができるからである。
本工程における原版に形成される微小なライン状凹凸構造は、加圧により配向層形成用層に賦型されるものであり、本発明により形成される配向層上に棒状化合物を含む位相差層を形成した際に、上記位相差層中に含まれる棒状化合物を一定方向に配列させるために形成されるものである。
本発明における微小なライン状凹凸構造は、略一定方向にランダムに形成されたものであり、例えば、表面にラビング処理がなされた場合等に形成されるような微小な傷のようなライン状凹凸構造が、略一定方向に形成されたものである。
本工程における微小なライン状凹凸構造の高さ、幅、および周期としては、棒状化合物を配列させることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては微小なライン状凹凸構造の幅は、1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1nm〜50μmの範囲内であることがより好ましく、特に、1nm〜10μmの範囲内であることがさらに好ましい。
また、微小なライン状凹凸構造の高さは、5nm〜5μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、5nm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、特に、5nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、微小なライン状凹凸構造の周期は0.5nm〜50nmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.5nm〜30nmの範囲内であることが好ましく、特に、0.5nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。微小なライン状凹凸構造が上述のサイズであることにより、安定的に棒状化合物を配列させることができるからである。
ここで、微小なライン状凹凸構造の高さ、幅、および周期はそれぞれ図2におけるl、m、nで示される距離を意味する。
本発明における凹部および凸部の表面に形成される微小なライン状凹凸構造の形成方向、すなわち、配向層形成用層に賦型されることにより形成される第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物を配列させる方向としては、所望の3次元映像を表示可能とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、90°異なる方向、45°異なる方向および平行な方向等とすることができる。
本工程においては、原版がロール版である場合には、ロールの回転方向に対する第1配向領域および第2配向領域の微小なライン状凹凸構造の形成方向(第1配向領域/第2配向領域)が、45°/135°、0°/90°、0°/45°または0°/135°、および0°/0°等であることが好ましい。
上記微小なライン状凹凸構造の形成方向が45°/135°、または、0°/90°のように互いに直交する方向の場合、第1配向領域および第2配向領域上に形成される第1位相差領域および第2位相差領域の面内レターデーションをλ/4とすることにより、これらの位相差領域を透過することで直線偏光がそれぞれ互いに直交関係にある円偏光になるため、容易に3次元表示が可能な表示装置を製造するために好適に用いられるものにできるからである。
また、上記微小なライン状凹凸構造の形成方向が0°/45°または0°/135°のように、形成される第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物の配列方向が45°の角度となる方向である場合には、上記第1位相差領域および第2位相差領域の面内レターデーション値をλ/2分に相当するものとし、さらに、λ/4板と組み合わせて用いることにより、容易に3D表示装置を製造するために好適に用いられるものにできるからである。
さらに、上記微小なライン状凹凸構造の形成方向が0°/0°のように、形成される第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物の配列方向が平行となる方向である場合には、上記第1位相差領域および第2位相差領域を、それぞれ厚みが薄く、面内レターデーション値がλ/4分に相当する低位相差領域および厚みが厚く、面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当する高位相差領域とすることにより、これらの位相差領域を透過することで直線偏光がそれぞれ互いに直交関係にある円偏光になるため、容易に3次元表示が可能な表示装置を製造するために好適に用いられるものにできるからである。
図3は、凹部および凸部の表面に形成される微小なライン状凹凸構造の方向が45°および135°、図4は0°および90°、図5は0°および45°図6は、0°および0°の場合のロール版表面を示すものである。
なお、図3〜図6中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図中の矢印は、微小なライン状凹凸構造の形成方向を示すものである。
本工程における凹部および凸部の形成方向としては、配向層形成用層に精度良く原版の表面形状を賦型することができるものであれば特に限定されるものではないが、原版がロール版である場合には、ロールの回転方向に沿った方向であることが好ましい。
本工程における凹部および凸部の幅としては、両者の幅が同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。
しかしながら、本発明においては凹部および凸部の幅が同一であることが好ましい。液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいては、通常、R、G、B等の画素部が同一の幅で形成されていることから、凹部および凸部の幅を同一幅とすることにより、この凹部および凸部に対応して形成される配向層の第1配向領域および上記第2配向領域の幅を同一幅とすることができるからである。その結果、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を用いて3次元表示可能な液晶表示装置を製造する場合に、上記第1配向領域および上記第2配向領域が形成されたパターンと、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて画素部が形成されているパターンとを対応関係にすることが容易になり、その結果、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を用いて容易に3D液晶表示装置を製造することができるようになるからである。また、発光型表示装置に用いられる画素部も同一の幅で形成されていることから、上記第1配向領域および上記第2配向領域の幅を同一幅とすることにより、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を用いて3次元表示可能な発光型表示装置を製造する場合に、上記第1配向領域および上記第2配向領域が形成されたパターンと、発光型表示装置に用いられる画素部が形成されているパターンとを対応関係にすることが容易になり、その結果、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を用いて容易に3D発光型表示装置を製造することができるようになるからである。尚、発光型表示装置の色純度やコントラストを向上させる目的で、発光型表示装置と本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜の間にカラーフィルタを配置しても良いが、その場合は、凹部および凸部のパターン、すなわち、形成される第1配向領域および上記第2配向領域が形成されたパターンと、発光型表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて画素部が形成されているパターンとを対応関係にすることが好ましい。
上記凹部および凸部の具体的な幅としては、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜の用途に応じて適宜決定される。例えば、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を、3次元表示可能な液晶表示装置を製造するために使用する場合、凹部および凸部の幅は液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて画素部が形成されている幅に対応するように適宜決定されることになる。このように凹部および凸部の幅は特に限定されるものではないが、通常、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜600μmの範囲内であることがより好ましい。
本工程における凹部および凸部の段差としては、10nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、20nm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に、50nm〜2μmの範囲内であることが好ましい。上記段差が上述の範囲内であることにより、上記凹部および凸部に対応して形成される第1位相差領域および第2位相差領域の端部近傍での棒状化合物の配向の乱れを効果的に抑制できるからである。また、第1配向領域および第2配向領域上に形成される位相差層の厚みの調整が容易だからである。
また、本工程においては、凹部および凸部に形成される微小なライン状凹凸構造の形成方向が、平行な場合、すなわち、第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物を配列させる方向を平行とするものである場合には、上記段差が、上記第1位相差領域および第2位相差領域の面内レターデーション値の差がλ/2分に相当するようになる距離であることが好ましい。本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜に含まれる配向層上に位相差層を形成しパターン位相差フィルムとし、第1位相差領域および第2位相差領域をそれぞれ、面内レターデーション値がλ/4分に相当する低位相差領域および面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当する高位相差領域とした場合、上記段差により両領域の厚みの差であるλ/2分を埋めることが可能になる。したがって、パターン位相差フィルムの位相差層表面の形状を平坦なものとすることができるからである。なお、このような段差としては、具体的にどの程度の距離にするかは、後述する位相差層に用いられる棒状化合物の種類により適宜決定されることになる。もっとも、当該距離は一般的に用いられる棒状化合物であれば、通常、0.5μm〜5.0μmの範囲内となる。
なお、上記凹部および凸部の段差は、図7中のD1で示す距離を意味するものとする。また、図7に示すように、表面に形成された微小なライン状凹凸構造を含む厚みの差をいうものとする。
また、図7中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、凹部および凸部の間に、上述のような微小なライン状凹凸構造を表面に含まない無配向部を有するものであっても良い。このような無配向部を配向層形成用層に加圧により賦型することにより、配向層を、第1配向領域および第2配向領域の間に形成され、第1配向領域および第2配向領域が有する棒状化合物を一方向に配列させる機能が互いの配向領域に及ぶことを抑制する無配向領域を有するものとすることができるからである。
本工程における原版の各構成の材料としては、上述の表面形状を精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、金属材料や、金属以外の無機材料であっても良く、樹脂等を用いるものであっても良い。具体的には、無機材料からなる基材と無機材料からなる凸部とからなるものや、無機材料からなる基材と樹脂からなる凸部からなるもの、樹脂からなる基材と無機材料からなる凸部からなるものを挙げることができる。
本工程においては、なかでも、金属材料からなる基材と、無機材料からなる凸部とからなるもの、すなわち、上記原版が、金属基材と金属基材上に形成された無機材料からなる凸部とを有するもの、金属基材と金属基材上に形成された金属材料からなる凸部とを有するもの、無機基材と無機基材の上に形成された金属材料からなる凸部とを有するもの、または、無機基材と無機基材の上に形成された無機材料からなる凸部とを有するものであることが好ましい。
本工程における基材を構成する金属材料としては、表面に微小なライン状凹凸構造を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、ニッケル、ステンレス、ブリキ、鉄、銅、銀、金、クロム、亜鉛、珪素、チタン、タンタル、スズ、アルミ、ニッケル−リンおよびこれらの合金、アルマイト等を挙げることができ、なかでも、ニッケル、銅、クロム、ステンレスであることが好ましい。
また、上記基材を構成する無機材料としては、表面に微小なライン状凹凸構造を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、酸化チタン(TiO、Ti)、酸化タンタル(Ta)、酸化ケイ素(SiO、SiO)、酸化錫(SnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化クロム(Cr)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO、ZnO)のような金属酸化物、TiC、SiC、BC、WCのような炭化物、TiN、SiN、CrN、BN、AIN、CN、ZrNのような窒化物、フッ化バリウム(BaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化マグネシウム(MgO)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、グラッシーカーボン、セラミック、窒化珪素、窒化炭素等を挙げることができ、なかでも、ダイヤモンドライクコーティング、TiC、SiC、BC、WCのような炭化物、TiN、SiN、CrN、BN、AIN、CN、ZrNのような窒化物であることが好ましい。表面に微小なライン状凹凸構造を容易に形成できるからである。また、剥離性に優れるため、本工程後の配向層形成用層を容易に剥離できるからである。
本工程における基材の形状としては、表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成することができ、さらに凸部を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、板状、ロール形状、スリーブ形状等とすることができ、なかでも、ロール形状、スリーブ形状等であることが好ましく、特に、スリーブ形状であることが好ましい。上記形状がロール形状またはスリーブ形状等のロール状であることにより、原版をロール版とすることができ、原版を回転しながら連続的に配向層形成用層に賦型可能なもの、すなわち、容易かつ大量にパターン配向膜を形成可能なものとすることができ製造効率の高いものとすることができるからである。また、本発明においては、特別な設備は必要としないため比較的容易に安価に製作できるからである。
また、上記形状がスリーブ形状であることにより、パターン配向膜を製造効率高く製造することが可能となるからである。また、スリーブ形状のものは、ロール形状のものに比べて軽量であり、取扱いが容易となるといった利点を有するからである。
ここで、ロール形状の基材としては、具体的には、軸付ロール、軸なしパイプ等を挙げることができる。ここで、軸なしパイプとは、その厚みが3000μm以上である円筒形上の基材を指すものである。
また、スリーブ形状とはシームレスの基材の帯状体を表し、上記スリーブ形状の基材は空気圧力や応力により容易に変形させることができるものであり、具体的にはその厚みが1000μm以下の円筒形状の基材を指すものである。
本工程においては、ロール形状またはスリーブ形状等のロール状の場合には、継ぎ目のないシームレスであることが好ましいが、板状の基材を円筒状にした継ぎ目を有するものも用いることができる。
本工程における凸部を構成する材料としては、上記基材上に安定的に積層できるものであれば特に限定されるものではなく、ニッケル、ステンレス、ブリキ、鉄、銅、銀、金、クロム、亜鉛、珪素、チタン、タンタル、スズ、アルミ、ニッケル−リン、モリブデン等の金属やこれらの合金等の金属材料、酸化チタン(TiO、Ti)、酸化タンタル(Ta)、酸化ケイ素(SiO、SiO)、酸化錫(SnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化クロム(Cr)、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO、ZnO)のような金属酸化物、TiC、SiC、BC、WCのような炭化物、TiN、SiN、CrN、BN、AIN、CN、ZrNのような窒化物、フッ化バリウム(BaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化マグネシウム(MgO)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、グラッシーカーボン、セラミック、窒化珪素、窒化炭素等の無機材料を挙げることができ、DLC、ニッケル、クロム、TiC、SiC、BC、WCのような炭化物、TiN、SiN、CrN、BN、AIN、CN、ZrNのような窒化物であることが好ましい。例えば、基材が金属基材である場合、上記基材上に容易に形成可能だからである。また、微小なライン状凹凸構造の形成が容易だからである。
本工程における無機材料からなる凸部の形成方法としては、所望の厚みの凸部を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、材料に応じて適宜選択されるものである。具体的には、蒸着法、スパッタ法、気相成長法(CVD法)等の乾式めっき法、湿式めっき法、塗布法等を挙げることができる。
具体的には、クロム、ニッケル等の金属材料である場合には、湿式めっき法あるいは乾式めっき法を用いることが好ましく、TiC、SiC、BC、WCのような炭化物、TiN、SiN、CrN、BN、AIN、CN、ZrNのような窒化物、DLC等である場合には、乾式めっき法を用いることが好ましい。このような方法であることにより、厚み精度良く形成することができるからである。
このような原版の形成方法としては、微小なライン状凹凸構造が表面に形成された凹部および凸部を有する原版を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、金属基材と、無機材料からなる凸部とを有するものである場合には、金属基材を準備し、前記金属基材の表面を略一定方向に研磨することにより表面に略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造を形成する第1研磨処理と、前記第1研磨処理後の金属基材の表面に帯状にレジストを形成するレジスト形成処理と、露出する金属基材を覆うように無機材料からなる凸部を形成する凸部形成処理と、前記凸部の表面を研磨することにより表面に略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造を形成する第2研磨処理と、前記レジストを剥離する剥離処理と、を有する方法を挙げることができる。
図8は原版の形成方法の一例を示す工程図である。図8に例示するように、まず、基材としてステンレス、ニッケルメッキあるいはクロムメッキ、気相成長法(CVD法)によりDLCなどの表面を有する金属あるいは無機基材21を準備し(図8(a))、上記金属あるいは無機基材21のペーパー研磨により表面を略一定方向に研磨することにより微小なライン状凹凸構造を形成し(図8(b))、次いで、金属あるいは無機基材21の表面に平行な帯状にレジスト22を形成し(図8(c))、露出する上記金属あるいは無機基材21を覆うように湿式または乾式めっき法によりニッケルやクロムあるいは気相成長法(CVD法)によりDLCからなる凸部23を形成し(図8(d))、上記凸部23の表面をペーパー研磨により研磨することにより微小なライン状凹凸構造を形成する(図8(e))。このとき上記金属あるいは無機基材21に残存するレジストは凹部が研磨されないための研磨保護層として機能する。その後、レジスト22を剥離することにより、微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成された表面に有する凹部11aおよび凸部11bを有する原版10とすることができる(図8(f))。
このような方法によれば、上記原版として金属あるいは無機基材と、上記金属あるいは無機基材上に平行な帯状に形成され、金属あるいは無機材料からなる凸部と、を有し、上記凸部の上面および上記凸部間に形成された凹部の露出した上記金属あるいは無機基材の表面に略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造を有するものを得ることができる。
図9は原版の形成方法の他の例を示す工程図である。図9に例示するように、まず、基材としてステンレス、ニッケルメッキあるいはクロムメッキ、気相成長法(CVD法)によりDLCなどの表面を有する金属あるいは無機基材21を準備し(図9(a))、上記金属あるいは無機基材21のペーパー研磨により表面を略一定方向に研磨することにより微小なライン状凹凸構造を形成し(図9(b))、次いで、金属あるいは無機基材21の表面を覆うように、ステンレス、ニッケルメッキあるいはクロムメッキなどの金属材料からなる凸部形成用層23´を形成し(図9(c))、上記凸部形成用層23´の表面をペーパー研磨により表面を略一定方向に研磨することにより微小なライン状凹凸構造を形成し(図9(d))、凸部形成用層23´上に平行な帯状にレジスト22を形成し(図9(e))、上記凸部形成用層23´をエッチングで除去し凸部23を形成し(図9(f))、その後、レジスト22を剥離することにより、微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成された表面に有する凹部11aおよび凸部11bを有する原版10とすることができる(図9(g))。
このような方法によれば、上記原版として金属あるいは無機基材と、上記金属あるいは無機基材上に平行な帯状に形成され、金属材料からなる凸部と、を有し、上記凸部の上面および上記凸部間に形成された凹部の露出した上記金属あるいは無機基材の表面に略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造を有するものを得ることができる。
図10は原版の形成方法の他の例を示す工程図である。図10に例示するように、まず、基材としてステンレス、ニッケルメッキあるいはクロムメッキ、気相成長法(CVD法)によりDLCなどの表面を有する金属あるいは無機基材21を準備し(図10(a))、上記金属あるいは無機基材21のペーパー研磨により表面を略一定方向に研磨することにより微小なライン状凹凸構造を形成し(図10(b))、次いで、金属あるいは無機基材21の表面に平行な帯状にレジスト22を形成し(図10(c))、露出する上記金属あるいは無機基材21を覆うように湿式または乾式めっき法によりニッケルやクロムあるいは気相成長法(CVD法)によりDLCからなる凸部23を形成し(図10(d))、その後、レジスト22を剥離する(図10(e))。次いで、基材41を覆うように、湿式または乾式めっき法によりニッケルやクロムあるいは蒸着法やスパッタ法で窒化チタン、炭化珪素、炭化チタン、炭化タングステンなどの金属あるいは無機材料からなる研磨保護層24を形成したのち(図10(f))、上記凸部23の表面をペーパー研磨により研磨することにより微小なライン状凹凸構造を形成し(図10(g))、その後、研磨保護層24を除去することで微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成された表面に有する凹部11aおよび凸部11bを有する原版10とすることができる(図10(h))。
このような方法によれば、上記原版として金属あるいは無機基材と、上記金属あるいは無機基材上に平行な帯状に形成され、金属あるいは無機材料からなる凸部と、を有し、上記凸部の上面および上記凸部間に形成された凹部の露出した上記金属あるいは無機基材の表面に略一定方向にランダムに形成された微小なライン状凹凸構造を有するものを得ることができる。
上記第1研磨処理および第2研磨処理で行われる研磨方法としては、微小なライン状凹凸構造を略一定方向にランダムに形成し、棒状化合物を配列可能に形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、砥石研磨、ペーパー研磨、テープ研磨、サンドブラスト法、ショットブラスト法、グリットブラスト法、ガラスビーズブラスト法等のブラスト法、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂などの合成繊維からなる合成樹脂毛、不織布、動物毛、スチールワイヤ等のブラシ材を用いるブラシグレイニング法、金属ワイヤーで引っかくワイヤーグレイニング法、研磨剤を含有するスラリー液を供給しながらブラシ研磨する方法(ブラシグレイニング法)、ボールグレイン法、液体ホーニング法等のバフ研磨法、ショットピーニング法、回転型バレルや振動型バレルを用いたバレル研磨法、リューター研磨法、砥粒流動研磨法、電解研磨法、化学研磨法、化学複合研磨法、電解複合研磨法、化学機械研磨法、CMP研磨法等を挙げることができる。本工程においては、なかでも、研磨カスが溜まらない方法であることが好ましく、特に、テープ研磨法、ブラシグレイニング法等であることが好ましい。微小凹凸を精度良く形成できるからである。また、研磨カスが残存することによる賦型不良を防止することができるからである。
上記レジスト形成処理に用いられるレジストおよびレジストのパターニング方法としては、一般的に用いられるものを使用することができ、上記金属基材や凸部の材質等に応じて適宜選択することができる。
上記剥離処理におけるレジストの剥離方法としては、上記レジストを精度よく除去できる方法であれば特に限定されるものではなく、レジスト材料に応じて適宜決定されるものである。
(2)配向層形成用層
本工程に用いられる配向層形成用層は、配向層形成用樹脂組成物からなるものである。
本工程に用いられる配向層形成用樹脂組成物としては、上記原版上に接触させた後、加圧することにより原版の表面形状を賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電離放射線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、電子線硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物等を挙げることができる。
本工程においてはこれらの何れの構成材料であっても好適に用いることができるが、なかでも電離放射線硬化性樹脂組成物が用いられることが好ましい。電離放射線硬化性樹脂組成物が用いられることにより、生産性の高いものにできるからである。なお、配向層形成用樹脂組成物として、電離放射線硬化性樹脂組成物が用いられた場合、本発明により形成される配向層は硬化された電離放射線硬化性樹脂組成物からなることになる。
本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物の具体例としては、ウレタンアクリレート,エポキシアクリレート,ポリエステルアクリレート,ポリエーテルアクリレート,メラミンアクリレート等のアクリロイル基をもつ重合性オリゴマー,モノマーと、アクリル酸,アクリルアミド,アクリロニトリル,スチレン等重合性ビニル基をもつ重合性オリゴマー,モノマー等の単体あるいは配合したものに、必要に応じて増感剤等の添加剤を加えたものに光重合開始剤を加えたもの等を挙げることができる。また、必要に応じて溶媒を含むものであっても良い。
このような溶媒としては、上記モノマー等を均一に溶解または分散できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、本工程に用いられる溶媒は、1種類でもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒でもよい。
また、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物としては、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィンコポリマー樹脂等を含むものを用いることができる。
また、本工程に用いられる配向層形成用樹脂組成物は、必要に応じて、酸素に対する変化を抑制するための酸化防止剤、光に対する変化を抑制するための光安定化剤、紫外性を吸収する紫外線吸収剤、粘度を調整するための粘度調節剤、屈折率を調整するための屈折率調整剤、賦型性を向上させるためのフッ素系またはシリコン系潤滑剤等を含むものであっても良い。
本工程に用いられる配向層形成用樹脂組成物の粘度としては、上記原版表面の形状を配向層形成用層に加圧により賦型することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、25℃において、5mPa・s〜200000mPa・sの範囲内であることが好ましく、なかでも、10mPa・s〜100000mPa・sの範囲内であること好ましく、特に、30mPa・s〜3000mPa・sの範囲内であることがさらに好ましい。
また、溶融型の樹脂の場合には、例えば、190℃におけるメルトフローインデックス(MFI)が、0.1g/10min以上であることが好ましく、なかでも1.0g/10min以上であることが好ましく、特に5.0g/10min以上であることが好ましい。上記粘度が上述の範囲内であることにより賦型性に優れたものとすることができるからである。
本工程に用いられる配向層形成用層の厚みとしては、上記原版の表面形状を精度よく賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、配向層とした際の厚みが一般的な位相差フィルムの配向層と同程度となるものとすることができる。具体的には、0.5μm〜20μmの範囲内とすることができる。
(3)賦型工程
本工程は、上記原版上に、配向層形成用樹脂組成物からなる配向層形成用層を接触させた後、加圧し、上記配向層形成用層に上記原版表面の形状を賦型する工程である。
本工程において加圧した際に付与される圧力としては、配向層形成用層に上記原版の表面形状を安定的に賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、本工程に用いられる配向層形成用樹脂組成物の粘度等に応じて適宜選択されるものであり、上記配向層形成用樹脂組成物および上記原版を用いて、上記原版の形状を上記配向層形成用層にどの程度賦型することができるか、圧力を調整しながら繰り返し実験を行うことにより見出されるものである。例えば、上述した粘度を有する上記配向層形成用樹脂組成物を用いた場合、上記圧力は、10MPa/cm〜2000MPa/cmの範囲内であることが好ましく、なかでも100MPa/cm〜1000MPa/cmの範囲内であることが好ましく、特に、150MPa/cm〜500MPa/cmの範囲内であることが好ましい。上記圧力が低すぎると、上記配向層形成用層が上記原版にあまり入り込まず、上記微小なライン状凹凸構造における凸構造の高さが十分ではないものとなるおそれがあるからであり、上記圧力が高すぎると、上記配向層形成用層が上記原版に入り込み過ぎて、原版から抜けなくなるおそれがあるからである。
本工程において、上記圧力を加圧する方法としては、配向層形成用層に上記原版の表面形状を安定的に賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベルトプレス方式、ロールタッチ方式等を用いる方法を挙げることができる。
以下、これらの方式を用いて配向層形成用層に上記圧力を負荷する方法を図を用いて説明する。
図11は、本発明における加圧方法を説明する説明図である。図11は、ロールタッチ方式により加圧する方法を例示するものであり、透明フィルム基材1を巻き出す巻き出し機51aと、配向層形成用樹脂組成物を吐出し配向層形成用層2´を形成する配向層形成用ダイ53と、紫外線を配向層形成用層2´に対して照射する紫外線照射装置55と、剥離ロールにて原版(この例においてはロール板)10から配向層形成用層を剥離する剥離ロール52と、パターン配向膜20を巻き取る巻き取り機51bと、を有し、さらに、配向層形成用層2´をロール版に加圧するゴム等の弾性を有する加圧ロール50を有するパターン配向膜製造装置を用いて加圧する方法を例示するものである。ロールタッチ方式においては、ゴム等の弾性を有する加圧ロールを用いることにより、加圧ロールが変形するため、ロール版と配向層形成用層との接触時間を長くすることができるため、配向層形成用層に所望の微小なライン状凹凸構造を安定的に賦型することが可能となる。
また、図12は、本発明における加圧方法を説明する説明図である。図12は、ベルトプレス方式により加圧する方法を例示するものであり、原版(この例においてはロール板)10に直接、配向層形成用樹脂組成物を吐出する配向層形成用ダイ53と、加圧ベルト56とを有するパターン配向膜製造装置を用いて加圧する方法を例示するものである。ベルトプレス方式においては、原版としてロール版を用いた場合、ロール版と加圧ベルトとを対峙させることによって、配向層形成用層に圧力を負荷することができる。ベルトプレス方式はロール版と配向層形成用層との接触時間を長くすることができるため、配向層形成用層に所望の微小なライン状凹凸構造を安定的に賦型することが可能となる。
なお、図12において説明していない符号については、図11と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程における賦型方法としては、上記配向層形成用層に上記原版の表面形状を精度よく賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記原版を配向層形成用層に押し当てる方法を挙げることができるが、なかでも上記パターン配向層用原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する充填処理と、上記配向層形成用層上に透明フィルム基材を配置する配置処理と、を行った後に、加圧する方法(第1実施態様)、透明フィルム基材上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する配向層形成用層形成処理と、上記配向層形成用層を、上記パターン配向層用原版上に接触させる接触処理と、を行った後に加圧する方法(第2実施態様)、上記パターン配向層用原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する充填処理、を行った後に、加圧する方法(第3実施態様)、であることが好ましい。第1配向領域および第2配向領域を安定的に形成することができるからである。
以下、このような賦型方法について説明する。
(a)第1実施態様
本態様の賦型方法は、上記原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する充填処理と、上記配向層形成用層上に透明フィルム基材を配置する配置処理と、を行った後に、加圧する方法である。このような賦型方法を用いて賦型することにより、透明フィルム基材上に、配向層が積層されたパターン配向膜を容易に形成することができる。
本態様に用いられる透明フィルム基材としては、樹脂材料からなり所定の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる透明フィルム基材は、位相差性が低いものであることが好ましい。より具体的には、本発明に用いられる透明フィルム基材は、面内レターデーション値(Re値)が、0nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。透明基材の面内レターデーション値が上記範囲よりも大きいと、例えば、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を用いて3D表示装置を製造した場合に、得られる3D表示装置の表示品質が悪くなってしまう場合があるからである。
本発明に用いられる透明フィルム基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明フィルム基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明に用いられる透明フィルム基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂からなるものを挙げることができるが、透明フィルム基材の面内レターデーションをゼロに近付けやすいことからアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
透明フィルム基材の厚みについては、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜の用途および透明フィルム基材を構成する材料等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではないが、通常は、20μm〜188μmの範囲内であることが好ましく、30μm〜90μmの範囲内であることがより好ましい。
なお、上記配向層が紫外性硬化性樹脂からなる場合は、透明フィルム基材と紫外線硬化性樹脂との接着性を向上させるためのプライマ層を透明フィルム基材上に形成してもよい。このプライマ層は、透明フィルム基材および紫外線硬化性樹脂との双方に接着性を有し、可視光学的に透明であり、紫外線を通過させるものであればよく、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系,ウレタン系のものを使用することができる。
本態様における透明フィルム基材としては、上記配向層が形成される面とは反対の面上に、図13に例示するようにアンチグレア層または反射防止層5等を有するものであっても良い。表示装置を製造した際に、表示品質の良い表示装置を得ることができるパターン位相差フィルムを形成可能となるからである。
本態様においては、このような反射防止層が形成されていることにより、本発明の製造方法により製造されるパターン配向膜を用いて液晶表示装置を製造した際に、表示品質の良い液晶表示装置を得ることができるという利点がある。なお、上記反射防止層、およびアンチグレア層は一方のみが用いられてもよく、または両方が用いられてもよい。
上記アンチグレア層は、太陽や蛍光灯などからの外光が、表示装置の表示画面に入射して反射することから生じる画面の映り込みを低減させる機能を有する層である。一方、上記反射防止層は、表面の正反射率を抑えることで画像のコントラストがよくなり、その結果、画像の視認性を向上させる機能を有するものである。本発明に用いられるアンチグレア層、反射防止層としては、所望のアンチグレア機能、または反射防止機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、表示画質向上を目的として表示装置に用いられるものとして一般的に公知のものを用いることができる。上記アンチグレア層としては、例えば、微粒子を分散させた樹脂層を挙げることができ、上記反射防止層としては、例えば、屈折率の異なる複数の層が積層された構成を有するものを挙げることができる。尚、アンチグレア層の最表面に反射防止層を設ければ、明室における画像の視認性を更に向上させることができる。
本態様における充填処理で行われる上記原版上への配向層形成用樹脂組成物の塗工方法としては、均一の厚みの配向層形成用層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート法、Tダイコート法、キャストコート法、ブレードコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、公知の方法を用いることができる。
本態様においては、なかでも、配向層形成用樹脂組成物への溶媒の添加が不要な方法であることが好ましく、特に、溶融押し出し法、ノンソルコーティング法を好ましく用いることができる。乾燥処理等を不要とすることができ、工程通過性に優れたものとすることができるからである。
ここで、溶融押し出し法としては、例えば、上記配向層形成用樹脂組成物をガラス転移温度以上熱分解温度以下の温度範囲内で熱溶融させた状態で準備し、Tダイを用いて押し出す方法等が挙げられる。
また、充填処理後、適宜乾燥処理や熱またはUVやEBによるハーフキュア処理を入れることができる。
本態様における配置処理で行われる上記配向層形成用層上に透明フィルム基材を配置する方法としては、上記配向層形成用層と透明フィルム基材とが十分に密着することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、原版上の配向層形成用層上に、ロール状の透明フィルム基材を連続的に巻き出しながら配置する方法等を挙げることができる。
(b)第2実施態様
本態様の賦型方法は、透明フィルム基材上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する配向層形成用層形成処理と、上記配向層形成用層と、上記原版とを接触させる接触処理と、を行った後に、加圧する方法である。このような賦型方法であることにより、透明フィルム基材上に配向層が積層されたパターン位相差フィルムを容易に形成することができる。
この場合、配向層形成用樹脂には配向層形成用樹脂と相溶性がある溶剤を含んでいても良い。溶剤を含有する場合、透明フィルム基材の上に配向層形成用樹脂組成物を塗工したのち、溶剤を蒸発させる乾燥処理を行うことが望ましい。また溶剤として、透明フィルム基材に浸透することで透明フィルム基材と配向層形成用層との間に溶剤浸透層を形成することができるため、透明フィルム基材と配向層との界面で発生するニジムラや密着不良を防止することが可能となる。
本態様における配向層形成用層形成処理で行われる透明フィルム基材上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工する方法としては、所望の厚みの配向層形成用層を形成できる方法であれば良く、上記「(a)第1実施態様」の項に記載の充填処理と同様とすることができる。
本態様における接触処理で行われる上記配向層形成用層を、上記原版上に接触させる方法としては、上記原版に配向層形成用層が十分に密着することができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「(a)第1実施態様」の項に記載の配置処理と同様とすることができる。
(c)第3実施態様
本態様の賦型方法は、上記原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、上記配向層形成用層を形成する充填処理、を行った後に加圧する方法である。このような賦型方法であることにより、例えば、配向層のみからなるパターン配向膜を容易に得ることができる。
本態様における充填処理で行われる、上記原版上に上記配向層形成用樹脂組成物を塗工する方法としては、所望の厚みの配向層形成用層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、上記「(a)第1実施態様」の項に記載の充填処理と同様とすることができる。
(4)第1配向領域および第2配向領域
本工程を行うことにより配向層形成用層に形成される第1配向領域および第2配向領域は、上記原版の表面形状が賦型されたものである。
したがって、上記配向層形成用層に形成された第1配向領域および第2配向領域は、それぞれ、原版の凹部および凸部に対応して凸形状および凹形状となる。また、これらの領域の形状およびサイズ、ならびに微小なライン状凹凸構造の形状および方向も、同様に、上記原版の凹部および凸部に対応した形状となる。
このため、原版として凹部および凸部にそれぞれロールの回転方向に対して0°および90°の方向に微小なライン状凹凸構造が形成されたロール原版を用いて長尺状の配向層形成用層に賦型した場合には、凸形状の第1配向領域に長手方向(長尺方向)に対して0°の方向に形成された微小なライン状凹凸構造が、凹形状の第2配向領域には長手方向に対して90°の方向に形成された微小なライン状凹凸構造が形成されることになる。
2.硬化工程
本発明の製造方法における硬化工程は、賦型工程後の上記配向層形成用層を硬化させる工程である。
本工程において、上記配向層形成用層を硬化させる方法としては、上記配向層形成用層を構成する配向層形成用樹脂組成物に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、上記配向層形成用樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂組成物の場合、紫外線硬化法および電子線硬化法等を挙げることができ、上記配向層形成用樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物の場合、加熱硬化法および常温硬化法等を挙げることができる。また、上記配向層形成用樹脂組成物として熱可塑性樹脂組成物を用いる場合は、冷却ロールなどを接触させる冷却法により硬化させることができる。
本工程における紫外線硬化法にて照射する紫外線の照射方法としては、通常、配向層形成用層の原版と接触する面の反対面から照射する方法が用いられるが、本工程が上記剥離工程後に行われる場合には、必要に応じて、原版と接触する面から照射する方法を用いるものであっても良い。短時間で十分に硬化させることができるからである。
本工程において紫外線硬化法にて硬化する場合、配向層形成用層の硬化率(反応率)としては、20%〜97%の範囲内であることが好ましく、なかでも30%〜90%の範囲内であることが好ましい。得られたパターン配向膜を保管した際に、微細な凹凸やパターンがつぶされて形状不良を生じたり、ブリード物が発生しやすくなりパターン配向層の液晶コート面側の汚染し、液晶配向不良を起こすといった不具合を防ぐことができるからである。また、液晶層との密着性を確保することが可能になる等の利点があるからである。
なお、硬化率とは、本工程を行った後の配向膜に含まれる反応性を有する官能基のモル数をX、本工程を行う前に配向層形成用層に含まれていた反応性を有する官能基のモル数をYとしたときに、(X−Y)/X × 100(%)で表されるものである。
本工程においては、紫外線硬化法にて紫外線を照射する際に、配向層形成用層を加熱するものであっても良い。反応効率を向上させることができるからである。
本工程において、配向層形成用層を加熱する方法としては、配向層形成用層を所望の温度とすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の加熱方法を用いることができるが、具体的には、原版として温度調節可能なものを用いる方法や、赤外線照射装置、温風送風装置等を用いる方法を挙げることができる。
3.剥離工程
本発明の製造方法における剥離工程は、上記賦型工程後に行われ、上記配向層形成用層を上記原版から剥離する工程である。
本工程における剥離方法としては、硬化された上記配向層形成用層を傷つけることなく上記原版を剥離することができれば、特に限定されるものではない。具体的には、既に説明した図11または図12に示すような剥離用ロールを用いて剥離する方法を挙げることができる。
本工程を行う順番としては、上記賦型工程後に行われるものであれば特に限定されるものではないが、上記硬化工程後に行われることが好ましい。上記硬化工程が、上記原版および配向層形成用層を接触させた状態で行われることにより、上記配向層形成用層に賦型された原版表面の形状を、安定的に硬化させることができ、得られる配向層表面の形状を高精度なものとすることができるからである。
4.3次元表示用パターン配向膜の製造方法
本発明の製造方法は、上記賦型工程、硬化工程、および剥離工程を有するものであるが必要に応じて、他の工程を有するものであっても良い。
このような他の工程としては、剥離工程後に得られるパターン配向膜をロール状に巻き取る巻き取り工程や、上記原版の表面を定期的に清掃する清掃工程等を挙げることができる。
また、必要に応じて、上記配向層上に透明フィルム基材を積層する積層工程を有するものであっても良い。なお、配向層および透明フィルム基材の積層方法としては、上述の配向層形成用層形成処理のように、透明フィルム基材上に配向層形成用樹脂組成物を塗工する方法や、上記配向層に透明フィルム基材を加熱圧着する方法や、接着剤等を介して貼り合わせる方法等を挙げることができる。
さらに、上記硬化工程および剥離工程後に、配向層形成用層をより十分に硬化させるための第2硬化工程を有するものであっても良い。上記パターン配向膜をより硬度に優れたものとすることができるからである。また、硬化工程および剥離工程に要する時間を短いものとすることが可能となる等、プロセスを自由度の高いものとすることができるからである。
具体的には、上記配向層形成用樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂組成物である場合には、上記硬化工程として紫外線硬化法を用いて上記配向層形成用層の原版と接触する面を硬化させ表面形状を転写した後、上記剥離工程により、上記配向層形成用層を原版から剥離し、その後、第2硬化工程として、上記配向層形成用層の上記原版と接触する面に対して紫外線照射を行うことができる。
また、上記配向層形成用樹脂組成物が電離放射線硬化性および熱可塑性を有する樹脂組成物である場合には、まず、加熱して溶融状態とした状態で上記賦型工程を行った後、上記硬化工程として冷却法を用いて上記配向層形成用層の原版と接触する面を硬化させ、表面形状を転写した後、上記剥離工程により、上記配向層形成用層を原版から剥離し、その後、第2硬化工程として、上記配向層形成用層の上記原版と接触する面に対して紫外線照射を行う紫外線硬化法を用いることができる。
このような第2硬化工程における上記配向層形成用層の硬化方法としては、上記硬化工程と同様とすることができる。
本工程における紫外線硬化法にて照射する紫外線の照射方法としては、配向層形成用層の原版と接触する面から照射する方法でも、接触する面の反対面から照射する方法でも良いが、上記接触する面から照射する方法であることが好ましい。上記配向層を、上記原版の表面形状をより安定的に保持するものとすることができるからである。
5.パターン配向膜
本発明の製造方法により得られるパターン配向膜は、少なくとも配向層を有するものであるが、通常、透明フィルム基材を有するものである。
また、上述のように、反射防止層またはアンチグレア層を有するものであっても良い。
本発明の製造方法により得られるパターン配向膜の用途としては、3次元表示用の表示装置に用いられるパターン位相差フィルムの形成に用いることができ、なかでも、配向欠陥がなく高品質性が要求されるパターン位相差フィルムの形成に用いられることが好ましい。
B.3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法
次に、本発明の3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法について説明する。
本発明の3次元表示用パターン位相差フィルム製造方法は、上述の3次元表示用パターン配向膜の製造方法により形成された3次元表示用パターン配向膜に含まれる配向層上に、屈折率異方性を有する棒状化合物を含む位相差層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記位相差層形成用塗工液の塗膜に含まれる棒状化合物を、上記配向層に含まれる第1配向領域および第2配向領域に形成された微小なライン状凹凸構造の方向に沿って配列させる配向工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の用パターン位相差フィルムの製造方法を図を参照して説明する。図14は本発明のパターン位相差フィルムの製造方法の一例を示す工程図である。図14に例示するように、本発明のパターン位相差フィルムの製造方法は、上述のパターン配向膜の製造方法により形成され、上記パターン配向層用原版の凹部および凸部に対応して形成された上記第1配向領域2aおよび第2配向領域2bを有する配向層2上に、屈折率異方性を有する棒状化合物を含む位相差層形成用塗工液を塗布して塗膜を形成し(図14(a))、その塗膜3´を加熱することにより、塗膜3´に含まれる棒状化合物を、上記配向層2に含まれる第1配向領域2aおよび第2配向領域2bに形成された微小なライン状凹凸構造の方向に沿って配列させることにより(図14(b))、上記配向層2上に第1位相差領域3aおよび第2位相差領域3bを有する位相差層3を形成し、パターン位相差フィルム30とするものである(図14(c))。
本発明によれば、上述のパターン配向膜の製造方法により製造されたパターン配向膜を用いることにより、配向欠陥のないパターン位相差フィルムを容易に得ることができる。
本発明のパターン位相差フィルムの製造方法は、少なくとも塗布工程と、配向工程と、を有することを特徴とするものである。
以下、本発明のパターン位相差フィルムの製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.塗布工程
本発明における塗布工程は、上述のパターン配向膜の製造方法により形成されたパターン配向膜に含まれる配向層上に、屈折率異方性を有する棒状化合物を含む位相差層形成用塗工液を塗布する工程である。
なお、上記パターン配向膜については、上記「A.3次元表示用パターン配向膜」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本工程に用いられる位相差層形成用塗工液に含まれる棒状化合物としては、屈折率異方性を有するものであり、配向領域の配向規制力に沿って規則的に配列することにより本工程における位相差層に所望の位相差性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本工程に用いられる棒状化合物は、液晶性を示す液晶性材料であることが好ましい。液晶性材料は屈折率異方性が大きいため、本発明の製造方法により製造されるパターン位相差フィルムに所望の位相差性を付与することが容易になるからである。
本工程に用いられる上記液晶性材料としては、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料を挙げることができる。本工程においては、これらのいずれの液晶相を示す材料であっても好適に用いることができるが、なかでもネマチック相を示す液晶性材料を用いることが好ましい。ネマチック相を示す液晶性材料は、他の液晶相を示す液晶性材料と比較して規則的に配列させることが容易であるからである。
また、本工程においては上記ネマチック相を示す液晶性材料として、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶性材料は柔軟性に優れるため、このような液晶性材料を用いることにより、本発明の製造方法により製造されるパターン位相差フィルムを透明性に優れたものにできるからである。
さらに、本工程に用いられる棒状化合物は、分子内に重合性官能基を有するものが好適に用いられ、なかでも3次元架橋可能な重合性官能基を有するものがより好適に用いられる。上記棒状化合物が重合性官能基を有することにより、上記棒状化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくい位相差層を得ることができるからである。なお、重合性官能基を有する棒状化合物を用いた場合、本工程を行うことにより形成される位相差層には、重合性官能基によって架橋された棒状化合物が含有されることになる。
なお、上記「3次元架橋」とは、液晶性分子を互いに3次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることを意味する。
上記重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、或いはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらにまた、本工程における棒状化合物は液晶性を示す液晶性材料であって、末端に上記重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような棒状化合物を用いることにより、例えば、互いに3次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた上記を形成することができるからである。
なお、本工程においては片末端に重合性官能基を有する液晶性材料を用いた場合であっても、他の分子と架橋して配列安定化することができる。
本工程に用いられる棒状化合物の具体例としては、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示することができる。
なお、本工程において上記棒状化合物は、1種類のみを用いてもよく、または、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、上記棒状化合物として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料と、片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)及び光学特性を任意に調整できる点から好ましい。また、信頼性確保の観点からは、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料が好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つであることが好ましい。
本工程に用いられる棒状化合物の位相差層形成用塗工液中の含有量としては、配向層上に塗布する塗布方法に応じて、位相差層形成用塗工液の粘度を所望の値にできるものであれば特に限定されない。なかでも本工程においては、上記位相差層形成用塗工液中、5質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも、10質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
本工程に用いられる位相差層形成用塗工液としては、上記棒状化合物を少なくとも含むものであるが、通常、溶媒を含むものである。また、必要に応じて他の化合物を含むものであっても良い。
このような溶媒としては、上記棒状化合物を均一に溶解または分散できるものであれば特に限定されるものではないが、上記「A.パターン配向膜の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、他の化合物としては、本工程により形成される位相差層において、棒状化合物の配列秩序を害するものでなければ特に限定されるものではない。本工程に用いられる上記他の化合物としては、例えば、カイラル剤、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、および、シランカップリング剤等を挙げることができる。
本工程においては、上記棒状化合物として上記重合性液晶材料を用いる場合は、上記他の化合物として重合開始剤または重合禁止剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、アデカ社製N1717、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性色素とアスコルビン酸やトリエタノールアミンのような還元剤との組み合わせ等を例示できる。本工程では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、上記光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始助剤を併用することができる。このような光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の3級アミン類や、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミド安息香酸エチル等の安息香酸誘導体を例示することができるが、これらに限られるものではない。
上記重合禁止剤としては、例えば、ジフェニルピクリルヒドラジド、トリ−p−ニトロフェニルメチル,p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ピクリン酸、塩化銅、メチルハイドロキノン、メトキノン、tert−ブチルハイドロキノン等の反応の重合禁止剤を用いることができるが、なかでも保存安定性の点からハイドロキノン系重合禁止剤が好ましく、メチルハイドロキノンを用いるのが特に好ましい。
また、本工程における位相差層形成用塗工液には、下記に示すような他の化合物を添加することができる。添加できる他の化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミノ基エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物;アクリル基やメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。
本工程における位相差層形成用塗工液の塗布方法としては、配向層上に位相差層形成用塗工液からなる塗膜を安定的に形成できる方法であれば特に限定されるものではない。本工程において、具体的には、上記「A.3次元表示用パターン配向膜の製造方法」の項に記載の配向層形成用層の形成方法と同様とすることができる。
本工程により形成される塗膜の厚みは、後述する配向工程後に、所定の位相差性を達成できる範囲内とするものであれば特に限定されるものではなく、本発明の製造方法により製造されるパターン位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定されるものである。
本工程においては、なかでも、上記第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物を配列させる方向が45°/135°、または、0°/90°のように互いに直交する方向の場合、第1配向領域および第2配向領域上に形成される第1位相差領域および第2位相差領域の面内レターデーションをλ/4分に相当するような範囲内となるような厚みとなるように塗布することが好ましい。これらの位相差領域を透過することで直線偏光がそれぞれ互いに直交関係にある円偏光になるため、容易に3次元表示が可能な表示装置を製造するために好適に用いられるものにできるからである。
また、上記第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物を配列させる方向が0°/45°のように、第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物の配列させる方向が45°の角度となる方向の場合、上記第1位相差領域のみに面内レターデーション値をそれぞれλ/2分に相当するような範囲内となるような厚みとなるように塗布すること、または、上記第1位相差領域および第2位相差領域の面内レターデーション値をそれぞれλ/2分に相当するような範囲内となるような厚みとなるように塗布することが好ましい。第1位相差領域の遅相軸の方向と遅相軸が平行なλ/4板と組み合わせて用いることにより、容易に3D表示装置を製造するために好適に用いられるものにできるからである。
ここで、このような位相差領域を有する場合に、λ/4板と組み合わせることにより、容易に3D表示装置を製造することができる点について、より詳細に説明する。図15は、パターン位相差フィルムと、λ/4板とを組み合わせた、3次元表示可能な発光型表示装置の一例を示す概略図である。図15に例示するように、パターン位相差フィルムと、λ/4板とを組み合わせて用いる発光型表示装置は、パッシブ方式により3D表示が可能なものとなる。その原理は次の通りである。
まず、発光型ディスプレイの画素部を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の複数の画素にパターン状に分割し、一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。次に、パターン位相差フィルムとして、位相差層の第1位相差領域が左目用映像表示画素の配列パターンに対応するように形成され、かつ第1位相差領域以外の領域(図15では、当該領域には何も形成されていないものとする。)が右目用映像表示画素の配列パターンに対応するように形成されたものを用意する。そして、このような本発明により製造されるパターン位相差フィルムを、偏光板の表示面側に配置し、さらにλ/4板をパターン位相差フィルムの表示面側に配置する。このとき、第1位相差領域の遅相軸の方向と、偏光板の偏光軸の方向とが45°で交差するようにし、さらに第1位相差領域の遅相軸方向とλ/4板の遅相軸方向とが平行または直交の関係になるようにする。このようにパターン位相差フィルムとλ/4板とを配置することによって、右目用映像表示画素および左目用映像表示画素によって表示された映像(以下、それぞれ「右目用映像」、「左目用映像」と称する場合がある。)は、次のような経路で観察者に視認されることになる。
すなわち、右目用映像表示画素および左目用映像表示画素によって表示された各映像は、まず、偏光板を透過することから、それぞれが直線偏光に変換されることになる。ここで、図15においては、偏光板の偏光軸は0°方向となっているため、第2偏光板を透過した各映像も、0°方向の直線偏光となる。次に、このように直線偏光に(0°)変換された各映像は、本発明により製造されるパターン位相差フィルムに入射することになるが、左目用映像は第1位相差領域を通過し、右目用映像は位相差層が形成されていない領域を通過するため、左目用映像は偏光軸が90°の直線偏光(L1)として、パターン位相差フィルムを透過するが、右目用映像には変化はなく、偏光軸が0°の直線偏光(L2)のままパターン位相差フィルムを透過することになる。次に、L1およびL2がλ/4板に入射することにより、左目用映像は右旋回の円偏光(C1)に、右目用映像は左旋回の円偏光(C2)に、それぞれ変換されることになる。
このように、パターン位相差フィルムおよびλ/4板を通過した右目用映像および左目用映像は、互いに直交する円偏光に変換されることになるため、視聴者に右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにすることによって、右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることができ、3次元表示が可能となるのである。
なお、図15においては、パターン位相差フィルムにおける位相差層において、第2位相差領域には何も形成されていない例を説明したが、例えば、上記第2位相差領域に、面内レターデーション値がλ/2分に相当し、かつ遅相軸方向が上記第1位相差領域の遅相軸方向と45°で交差する関係にあり、さらに遅相軸方向が、偏光板の偏光軸方向と平行又は直交の関係にある第2位相差領域が形成されている場合であっても、上記と同様に3次元表示可能な発光型表示装置を得ることができる。
本工程において、第1位相差領域のみをλ/2分に相当する厚みとなるように塗膜を形成する場合には、必要に応じて、フォトリソ法等一般的なパターニング手法や、グラビア印刷法等により第1位相差領域となる箇所にのみ塗膜を形成する方法を用いることができる。なお、第1位相差領域をパターン状に形成する場合には、必要に応じて、位相差性を示さない材料からなる第2位相差領域を別途形成するものであっても良い。
さらに、上記第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物を配列させる方向が0°および0°のように、形成される第1配向領域および第2配向領域の棒状化合物の配列方向が平行となる方向である場合には、上記第1位相差領域および第2位相差領域を、それぞれ厚みが薄く、面内レターデーション値がλ/4分に相当する低位相差領域および厚みが厚く、面内レターデーション値がλ/4+λ/2分に相当する高位相差領域となるように塗布することが好ましい。これらの位相差領域を透過することで直線偏光がそれぞれ互いに直交関係にある円偏光になるため、容易に3次元表示が可能な表示装置を製造するために好適に用いられるものにできるからである。
本工程においては、上記配向工程後の面内レターデーションがλ/4分に相当するような範囲内の厚みにする場合、具体的にどの程度の厚みにするかは、棒状化合物の種類により適宜決定されることになる。もっとも、当該厚みは本工程において一般的に用いられる棒状化合物であれば、通常、上記配向工程後の厚みが0.1μm〜1.9μmの範囲内となるものであることが好ましく、0.25μm〜1.75μmの範囲内となるものであることがより好ましく、0.5μm〜1.5μmの範囲内となるものであることがさらに好ましい。
また、λ/2分に相当するような範囲内の距離とする場合には、通常、0.5μm〜4μmの範囲内となるものであることが好ましく、1μm〜3μmの範囲内となるものであることがより好ましく、1.5μm〜2.5μmの範囲内となるものであることがさらに好ましい。
2.配向工程
本発明における配向工程は、上記位相差層形成用塗工液の塗膜に含まれる棒状化合物を、上記配向層に含まれる第1配向領域および第2配向領域に形成された微小なライン状凹凸構造の方向に沿って配列させる工程である。
本工程における棒状化合物を第1配向領域および第2配向領域に形成された微小なライン状凹凸構造の方向に沿って配列させる方法としては、所望の方向に配列させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な方法を用いることができるが、棒状化合物が液晶性材料である場合には、上記塗膜を棒状化合物の液晶相形成温度以上に加温する方法が用いられる。具体的には、上記棒状化合物の種類等により異なるものであるが、50℃〜60℃の範囲内で加温する方法を挙げることができる。
本工程により形成される位相差層は、上述のパターン配向膜の製造方法を用いて形成された配向層が形成されていることにより、第1位相差領域と第2位相差領域とが、上記第1配向領域および上記第2配向領域が形成されたパターンと同一のパターン状に形成されたものになる。
なお、本工程に形成される位相差層に第1位相差領域および第2位相差領域からなるパターンが形成されていることは、例えば、偏光板クロスニコルの中にサンプルを入れて、サンプルを回転させた場合に明線と暗線が反転することを確認することにより評価することができる。このとき、第1位相差領域および第2位相差領域からなるパターンが細かい場合は偏光顕微鏡で観察するとよい。また、前述したAxoScanで各パターン内の遅相軸の方向(角度)を測定しても良い。
本工程により形成される位相差層の面内レターデーション値としては、所望の3次元映像を表示できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明により製造されるパターン位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定することができる。したがって、第1位相差領域および第2位相差領域が示す具体的な面内レターデーションの数値範囲についても特に限定されるものではなく、本発明により製造されるパターン位相差フィルムの用途に応じて適宜調整すればよい。
本工程においては、位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当する程度のものとする場合には、具体的には、100nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、110nm〜150nmの範囲内であることがより好ましく、120nm〜140nmの範囲内であることがさらに好ましい。
また、面内レターデーション値がλ/2分に相当する程度とする場合には、通常、200nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、220nm〜280nmの範囲内であることがより好ましく、230nm〜270nmの範囲内であることが特に好ましい。
さらに、λ/2+λ/4分に相当する程度のものとする場合、具体的には、300nm〜480nmの範囲内であることが好ましく、330nm〜450nmの範囲内であることがより好ましく、360nm〜420nmの範囲内であることがさらに好ましい。
ここで、面内レターデーション値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標であり、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚みをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。面内レターデーション値(Re値)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができるし、微小領域の面内レタデーション値はAXOMETRICS社(米国)製のAxoScanでミューラーマトリクスを使って測定することも出来る。また、本願明細書においては特に別段の記載をしない限り、Re値は波長589nmにおける値を意味するものとする。
3.パターン位相差フィルムの製造方法
本発明のパターン位相差フィルムの製造方法は、上記塗布工程および配向工程を少なくとも有するものであるが、必要に応じて、塗布工程後に、位相差層形成用塗工液の塗膜を乾燥する乾燥工程や、上記棒状化合物として重合性液晶材料を用いる場合、上記重合性液晶材料を重合する重合工程を有するものであっても良い。
上記乾燥工程における塗膜の乾燥方法としては、加熱乾燥方法、減圧乾燥方法、ギャップ乾燥方法等、一般的に用いられる乾燥方法を用いることができる。また、本工程における乾燥方法は、単一の方法に限られず、例えば残留する溶媒量に応じて順次乾燥方式を変化させる等の態様により、複数の乾燥方式を採用してもよい。
さらに、上記塗膜の乾燥方法としては、一定の温度に調整された乾燥風を、上記塗膜に当てる方法を用いることもできるが、このようは乾燥方法を用いる場合は、上記塗膜に当てる乾燥風の風速が3m/秒以下であることが好ましく、特に30m/分以下であることが好ましい。
上記重合工程における重合性液晶材料の重合方法としては、重合性液晶材料が有する重合性官能基の種類に応じて任意に決定すればよい。なかでも本工程においては、活性放射線の照射により硬化させる方法が好ましい。活性放射線としては、重合性液晶材料を重合することが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光または可視光を使用することが好ましい。
また、本発明においては、図16に例示するような位相差層上に粘着層6を形成する粘着層形成工程(図16(a)〜(b))およびセパレータ7を積層するセパレータ積層工程(図16(b)〜(c))や、配向工程後に、長尺状のパターン位相差フィルムを裁断し、枚葉に成形されたパターン位相差フィルムとして得るための裁断工程を有するものであっても良い。
なお、図16中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、これらの各工程が独立して行われるもの、すなわち、工程毎に長尺状のパターン配向膜等をロール状に巻き取られた状態から巻き出し、所定の処理を行った後に巻き取るものであっても良いが、全工程が連続して行われること、すなわち、原材料からロールトゥロールにて行われることが好ましい。
具体的には、上述のパターン配向膜の製造方法により製造されるパターン配向膜が長尺状である場合には、長尺状のパターン配向膜から最終製造物であるパターン位相差フィルムが途中ロール状に巻き取られることなくロールトゥロールで製造されることが好ましい。
4.パターン位相差フィルム
本発明により製造されるパターン位相差フィルムの用途としては、3次元表示用の表示装置に用いることができ、なかでも、配向欠陥がなく高品質性が要求される表示装置に用いられることが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
基板の長尺方向に対して45°方向にペーパー研磨したニッケル基板に、溶剤希釈したレジストをコーティングし乾燥後、レーザー露光方法で360μm幅の平行な帯状にパターンを形成し、現像処理を行い、余分なレジストを除去することにより、レジスト層をニッケル基板上に360μmピッチで高さ5μmで形成した。さらにその上にDLCからなる凸部形成用層を厚み0.8μmとなるように形成した後、基板の長尺方向に対して135°方向にペーパー研磨を実施した。その後、レジストを剥離し、ランダムな微小なライン状凹凸構造が表面に形成された凸部および凹部を有する原版を作成した。
また、微小なライン状凹凸構造の寸法は、高さ:5nm〜5μm、幅:1nm〜3μm、周期(ピッチ):0.5nm〜3μmであった。
なお、凹部および凸部の形状、ならびに微小なライン状凹凸構造の幅、高さ、周期については、日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4500を用いて、表面を観察した。また、ガラス切片で断面を製作し、日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4500を用いて、上記フィルムの断面を観察し、得られた画像から計測した。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
以下の方法により、上記原版を用いてパターン配向膜の形成性について確認した。
透明フィルム基材として60μmのTAC(トリアセチルセルロース)に、固形分100%、200mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み10μmとなるようにコーティングし、上記で作成した原版にゴムロールで200MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られたパターン配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、上記パターン配向膜は、原版の45°と135°の微小なライン状凹凸構造を有し、45°パターンと135°パターンの凹凸段差が0.8μmの転写が確認された。
また、上記配向層を構成するアクリル系紫外線硬化樹脂組成物の反応率は70%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
上記パターン配向膜に、希釈溶剤としてMEK(メチルエチルケトン)とMIBK(メチルイソブチルケトン)とが質量比で4対1で混合されてなる希釈溶剤で希釈された固形分20%の溶剤分散型紫外線硬化液晶を厚み1μmとなるようにコーティングし、溶剤を50℃で30秒間乾燥蒸発させたのち紫外線硬化を行い、位相差層(以下、液晶層とする場合がある。)を有するパターン位相差フィルムを得た。
(密着性評価)
得られたパターン位相差フィルムについて、JIS K5600−5−6に規定するクロスカット試験(90°方向でクロスするように切れ目を入れ、セロファンテープ(ニチバン社製)で剥離する試験)に準じて行った。具体的には、液晶面に縦、横に90°でクロスするように切れ目を入れ、この上にセロファンテープを貼り付け、90°でゆっくり剥がし、位相差層および配向層が剥がれずに残るかどうかを確認した。全体の80%以上が剥離した場合は、実用性がないと判断した。
その結果、剥離がなく、十分な密着性を有することが確認できた。
(位相差性評価)
クロスニコルによる、目視確認を行ったところ、45°、135°の配向性がピッチ360μmで明確に確認された。
[実施例2]
基板の長尺方向に対して45°方向にペーパー研磨したクロム基板に、溶剤希釈したレジストをコーティングし乾燥後、レーザー露光方法で360μmの平行な帯状のパターンを形成し、現像処理を行い余分なレジストを除去し、レジスト層をニッケル基板上に360μmピッチで高さ5μmとなるように形成した。さらにその上にDLCを厚み1.5μmとなるように形成した後、基板の長尺方向に対して135°方向にペーパー研磨を実施した。その後、レジストを剥離し、ランダムな微小なライン状凹凸構造をもつ凸部と凹部をもつ原版を作成した。
なお、上述の走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、得られた原版における微小なライン状凹凸構造の形状については実施例1と同様のものを得ることができたことが確認できた。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
熱可塑性アクリル樹脂組成物(粘度2g/10min)を融点以上に加熱し溶融化した後、Tダイ法で厚み100μmとなるように版にコーティングし、ゴムロールで1500MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られたパターン配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、上記パターン配向膜の配向層には、原版の45°と135°の微小なライン状凹凸構造を有し、45°パターンと135°パターンの凹凸段差が1.5μmの転写が確認された。
また、上記配向層を構成する熱可塑性アクリル樹脂組成物の反応率は100%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
実施例1と同様にして位相差層を形成し、密着性評価および位相差性評価を行った。
その結果、密着性については十分な密着性を有することが確認できた。
また、配向性については45°、135°の配向性がピッチ360μmで明確に確認された。
[実施例3]
基板の長尺方向に対して、45°方向にペーパー研磨したニッケル基板に、溶剤希釈したレジストをコーティングし乾燥後、レーザー露光方法で320μmの平行な帯状パターンを形成し、現像処理を行い余分なレジストを除去し、レジスト層をニッケル基板上に320μmピッチで高さ10μmとなるように形成した。さらにその上に湿式法でクロムメッキを厚み0.7μm形成した後、135°方向にペーパー研磨を実施した。その後、レジストを剥離し、ランダムな微小なライン状凹凸構造をもつ凸部と凹部をもつ原版を作成した。
なお、上述の走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、得られた原版における微小なライン状凹凸構造の形状については実施例1と同様のものを得ることができたことが確認できた。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
透明フィルム基材として60μmのTACに、希釈溶剤としてMEKとMIBKとが質量比で4対1で混合されてなる希釈溶剤で希釈された固形分45%、2500mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み8μmとなるようにコーティングし、溶剤を80℃で30秒間で乾燥蒸発させた後、上記で作成した版にゴムロールで1000MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られたパターン配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、上記パターン配向膜は、原版の45°と135°の微小なライン状凹凸構造を有し、45°パターンと135°パターンの凹凸段差が0.7μmの転写が確認された。
また、上記配向層を構成するアクリル系紫外線硬化樹脂組成物の反応率は45%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
実施例1と同様にして位相差層を形成し、密着性評価および位相差性評価を行った。
その結果、密着性については十分な密着性を有することが確認できた。
また、配向性については45°、135°の配向性がピッチ320μmで明確に確認された。
[実施例4]
基板の長尺方向に対して、45°方向にペーパー研磨したDLC基板に、溶剤希釈したレジストをコーティングし乾燥後、レーザー露光方法で500μmパターンを形成し、現像処理を行い余分なレジストを除去し、レジスト層をDLC基板上に500μmピッチでを高さ2μmとなるように形成した。さらにその上にDLCを厚み0.5μmとなるように形成した後、基板の長尺方向に対して135°方向にペーパー研磨を実施した。その後、レジストを剥離し、ランダムな微小なライン状凹凸構造をもつ凸部と凹部をもつ原版を作成した。
なお、上述の走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、得られた原版における微小なライン状凹凸構造の形状については実施例1と同様のものを得ることができたことが確認できた。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
透明フィルム基材として60μmのTACに、希釈溶剤としてMEKとMIBKとが質量比で4対1で混合されてなる希釈溶剤で希釈された固形分45%、10000mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み25μmとなるようにコーティングし、溶剤を80℃で30秒間で乾燥蒸発させた後、上記で作成した版にゴムロールで1000MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られたパターン配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、上記パターン配向膜は、原版の45°と135°の微小なライン状凹凸構造を有し、45°パターンと135°パターンの凹凸段差が0.5μmの転写が確認された。
また、上記配向層を構成するアクリル系紫外線硬化樹脂組成物の反応率は80%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
実施例1と同様にして位相差層を形成し、密着性評価および位相差性評価を行った。
その結果、密着性については十分な密着性を有することが確認できた。
また、配向性については45°、135°の配向性がピッチ500μmで明確に確認された。
[実施例5]
基板の長尺方向に対して、45°方向にペーパー研磨したDLC基板の表面にスパッタ法でニッケル-クロム合金を厚み0.3μm積層し135°方向にペーパー研磨を実施した。その上に溶剤希釈したレジストを厚み5μmコーティングし乾燥後、レーザー露光方法で420μmの平行な帯状のパターンを形成し、現像処理を行い余分なレジストを除去した後、さらにエッチング処理によりニッケル-クロム合金を除去した。その後、レジストを剥離し、ランダムな微小なライン状凹凸構造をもつ凸部と凹部をもつ原版を作成した。
なお、上述の走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、得られた原版における微小なライン状凹凸構造の形状については実施例1と同様のものを得ることができたことが確認できた。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
透明フィルム基材として60μmのTACに、希釈溶剤としてMEKとMIBKとが質量比で4対1で混合されてなる希釈溶剤で希釈された固形分45%、50mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み25μmとなるようにコーティングし、溶剤を80℃で30秒間乾燥蒸発させた後、上記で作成した版にゴムロールで2000MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られたパターン配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、上記パターン配向膜は、原版の45°と135°の微小なライン状凹凸構造を有し、45°パターンと135°パターンの凹凸段差が0.3μmの転写が確認された。
また、上記配向層を構成するアクリル系紫外線硬化樹脂組成物の反応率は58%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
実施例1と同様にして位相差層を形成し、密着性評価および位相差性評価を行った。
その結果、密着性については十分な密着性を有することが確認できた。
また、配向性については45°、135°の配向性がピッチ420μmで明確に確認された。
[実施例6]
基板の長尺方向に対して、45°方向にペーパー研磨したクロム基板に、溶剤希釈したレジストをコーティングし乾燥後、レーザー露光方法で360μmの平行な帯状のパターンを形成し、現像処理を行い余分なレジストを除去し、レジスト層をニッケル基板上に360μmピッチで高さ5μmとなるように形成した。さらにその上にDLCを厚み0.8μmとなるように形成した後、レジストを剥離した。その後蒸着法によりクロム面に窒化チタンを厚み0.7μmとなるように形成したのち、135°方向にペーパー研磨を実施した。その後、窒化チタンを剥離し、ランダムな微小なライン状凹凸構造をもつ凸部と凹部をもつ版を作成した。
なお、上述の走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、得られた原版における微小なライン状凹凸構造の形状については実施例1と同様のものを得ることができたことが確認できた。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
透明フィルム基材として40μmのアクリルフィルムに、希釈溶剤としてMEKとMIBKとが質量比で4対1で混合されてなる希釈溶剤で希釈された固形分45%、100mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み6μmとなるようにコーティングし、溶剤を80℃で30秒間乾燥蒸発させた後、上記で作成した版にゴムロールで3000MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られたパターン配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、上記パターン配向膜は、原版の45°と135°の微小なライン状凹凸構造を有し、45°パターンと135°パターンの凹凸段差が0.8μmの転写が確認された。
また、上記配向層を構成するアクリル系紫外線硬化樹脂組成物の反応率は74%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
実施例1と同様にして位相差層を形成し、密着性評価および位相差性評価を行った。
その結果、密着性については十分な密着性を有することが確認できた。
また、配向性については45°、135°の配向性がピッチ360μmで明確に確認された。
[比較例]
クロム基板表面に45°および135°の角度をもつ微小凹凸構造を360μmの平行な帯状となるように形成した。
なお、得られた原版の形状については実施例1と同様に測定したところ、360μm幅の平行な帯状のパターンを明確に計測できなかった。また、微小凹凸構造も確認できなかった。
[評価]
(1)パターン配向膜の作製
透明フィルム基材として60μのTACに、固形分100%、200mPa・sのアクリル系紫外線硬化樹脂組成物を厚み10μmとなるようにコーティングし、上記で作成した版にゴムロールで200MPa/cmの加重で押し付け、微小凹凸構造とパターンに充填した後、紫外線を照射し、固化させたのち剥離し、パターン配向層をもつ基材(パターン配向膜)を得た。
得られた配向膜について、上述の走査型電子顕微鏡を用いた測定により測定したところ、微小凹凸構造は計測できなかった。また、上記配向層を構成するアクリル系紫外線硬化樹脂組成物の反応率は70%であった。
(2)パターン位相差フィルムの作製
実施例1と同様にして位相差層を形成し、密着性評価および位相差性評価を行った。
その結果、密着性については十分な密着性を有することが確認できた。
しかしながら、配向性については45°、135°のパターンの境界が不明瞭であり、実用性に問題があることが確認された。
1 … 透明フィルム基材
2´ … 配向層形成用層
2 … 配向層
2a … 第1配向領域
2b … 第2配向領域
3 … 位相差層
3a … 第1位相差領域
3b … 第2位相差領域
5 … 反射防止層またはアンチグレア層
6 … 粘着層
7 … セパレータ
10 … パターン配向層用原版
11a … 凹部
11b … 凸部
20 … パターン配向膜
30 … パターン位相差フィルム

Claims (11)

  1. 表面に微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成され、かつ、帯状に形成された凹部および凸部を有するパターン配向層用原版と、配向層形成用樹脂組成物からなる配向層形成用層と、を接触させた後、加圧し、前記配向層形成用層に前記パターン配向層用原版表面の形状を賦型する賦型工程と、
    前記賦型工程後に、前記配向層形成用層を硬化させる硬化工程および前記配向層形成用層を前記パターン配向層用原版から剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  2. 前記パターン配向層用原版が、ロール版であることを特徴とする請求項1に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  3. 前記剥離工程が、前記硬化工程後に行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  4. 前記賦型工程が、
    前記パターン配向層用原版上に前記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、前記配向層形成用層を形成する充填処理と、
    前記配向層形成用層上に透明フィルム基材を配置する配置処理と、
    を行った後に、加圧するものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  5. 前記賦型工程が、
    透明フィルム基材上に前記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、前記配向層形成用層を形成する配向層形成用層形成処理と、
    前記配向層形成用層と、前記パターン配向層用原版とを接触させる接触処理と、
    を行った後に、加圧するものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  6. 前記賦型工程が、
    前記パターン配向層用原版上に前記配向層形成用樹脂組成物を塗工し、前記配向層形成用層を形成する充填処理、
    を行った後に、加圧するものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  7. 前記凹部および凸部の段差が10nm〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  8. 前記微小なライン状凹凸構造の高さが5nm〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  9. 前記配向層形成用樹脂組成物の粘度が、5mPa・s〜200000mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  10. 前記配向層形成用樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の3次元表示用パターン配向膜の製造方法により形成された3次元表示用パターン配向膜に含まれる配向層上に、屈折率異方性を有する棒状化合物を含む位相差層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、
    前記位相差層形成用塗工液の塗膜に含まれる棒状化合物を、前記配向層に含まれる第1配向領域および第2配向領域に形成された微小なライン状凹凸構造の方向に沿って配列させる配向工程と、
    を有することを特徴とする3次元表示用パターン位相差フィルムの製造方法。
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