JP5834387B2 - 計数装置、ピッキングカートシステム - Google Patents

計数装置、ピッキングカートシステム Download PDF

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Description

本発明は、計数装置、ピッキングカートシステムに関する。
ピッキングシステムでは、例えば、オペレータは、指示された商品を指示された個数分だけ棚から取出し、カートの計量器に配置されるコンテナに商品を投入する。そして、カートでは、例えば、計量器による計量値と、投入商品について予め設定された単位重量とから、オペレータによる投入実績(投入個数)が算出され、カートの表示器に表示される。なお、試料を追加していく毎に総個数により順次補正していく技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−17126号公報
しかしながら、同一商品であっても個々に重量のバラツキがあるため、例えば、オペレータが、ある商品を実際には10個投入したにも関わらず、投入実績が11個と算出され表示器に表示されてしまう場合がある。この場合、実際の投入個数と表示個数とが一致しないため、先行技術文献のように単位重量を補正する方式があるが、重量値の変更は管理上責任者のみ行えるようにする場合がある。そのような場合、オペレータは責任者に確認等する必要が生じ、また、責任者は当該商品について設定されている単位重量を修正等する必要が生じ、作業に手間が掛かるという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、個々に重量のバラツキがある商品をピッキングするような場合であっても、物品の単位重量値を修正することなく迅速にピッキング作業をすることができる技術を提供する。
上記問題を解決するために、請求項1に係る計数装置は、取り出し指示された物品を特定する情報と前記物品の取り出し指示個数とを含む作業指示情報を表示部に表示し、計量部の上に載置された物品の個数を計数する物品の計数装置であって、前記指示個数の物品を複数に分割して前記計量部に載置することによって、前記表示部に表示された個数を確定させる分割キーを有し、前記分割キーが押された後に前記計量部に物品を更に載置したときに、前記計量部に載置されている全物品の合計個数を前記表示部に表示させるように制御することを特徴とする。
請求項1に係る計数装置によれば、指示個数の物品を複数に分割して少しずつ計数するので誤差が少なくなり、実際に投入した個数と表示部に表示される個数とが一致し易くなるので、物品の単位重量を変更することなく迅速に作業をすることが可能になる。更に、表示部に表示された個数と実際に投入した個数との一致を作業者が目視確認した場合、投入個数が正しかった旨を宣言する分割キーを押すことで直ちに確定させることができ、分割キーが押された後に物品を追加載置したときは、追加後、載置されている全物品の合計個数が特別な操作なく表示されるので、容易に計量部に載置されている数を確認することができる。
請求項2に係る計数装置は、請求項1に係る計数装置において、前記分割キーが押された後に前記計量部に物品を更に載置したときに、前記合計個数に加え、当該更に載置された追加分の個数を前記表示部に表示させるように制御することを特徴とする。
請求項2に係る計数装置によれば、合計個数とともに追加分の個数も表示されるので、追加した分の個数をも確認することができる。
請求項3に係る計数装置は、請求項1又は請求項2に係る計数装置において、前記物品の個数の計数には、前記指示個数の物品を複数回に分けて載置する場合に前記指示個数より少ない個数の物品が前記計量部に載置されたときに、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する第1の算出手段と、既に算出された個数分の理論重量値と、更に追加載置された個数分の重量値と、を加算した重量値に基づいて、前記合計個数を算出する第2の算出手段とを備えることを特徴とする
請求項3に係る計数装置によれば、指示個数が複数回に分割されて計数され、分割された重量値がその許容重量範囲の個数分として算出され、その個数分の重量値を理論重量値とするので誤差がないとしてみなされ、その重量値に分割された個数の実重量値とが加算されて個数が判断されるので、誤差が少ない重量値に基づき総指示個数が判断されるので、重量にバラツキのある物品であっても算出される総個数と実際に投入した物品の個数が合うようになる。したがって、従来のように、表示される個数と実際の個数とが合わないために作業者が責任者へ確認を取る手間が必要ないので迅速な作業ができる。
請求項4に係る計数装置は、請求項1又は請求項2に係る計数装置において、前記物品の個数の計数には、前記指示個数の物品を複数回に分けて載置する場合に前記指示個数より少ない個数の物品が前記計量部に載置されたときに、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する第1の算出手段と、既に載置された個数分の実重量値と、既に算出された個数分の理論重量値と、の差を誤差重量値として記憶する手段と、前記全物品の実重量値から前記誤差重量値を減算した重量値に基づいて、前記合計個数を算出する第2の算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項4に係る計数装置によれば、指示個数が複数回に分けられて計数され、その分けられた計数毎で個数が算出され、その個数分の理論重量値と、実際の実重量値との差の重量値が算出され、その個数を算出した実重量値の累積値から前記差の重量値が減算されて計量部に載った物品の個数が算出されるので、誤差を考慮しつつ全体の重量で判断されるので、表示される個数と実際の個数が異なることが少なくなり、かつ、全体の重量で判断しているのでより正しい重量にて判断可能になる。
請求項5に係る計数装置は、請求項3又は請求項4に係る計数装置において、前記第1の算出手段又は前記第2の算出手段は、前記物品の各個数を許容する重量値を示す重量値範囲情報を参照し物品の個数を算出し、前記指示個数未満の個数の算出時に参照する前記重量値範囲は、前記物品の追加載置後の前記指示個数と一致する個数の算出時に参照する前記重量値範囲よりも広いことを特徴とする。
請求項5に係る計数装置によれば、指示個数未満の途中段階の個数については柔軟性を考慮し大まかに計数し、指示個数と一致する個数と算出するときは、より狭い許容範囲の重量値で個数が算出されるのでより正確に個数が算出される。したがって、物品の重量にバラツキがある場合でも指示個数未満の段階で個数が合わないということを防ぎつつ、より正確に指示個数分の個数を計数することができる。
請求項6に係る計数装置は、請求項3から請求項5に係る計数装置において、前記第1の算出手段の前に、前記指示された物品が前記計量部の上に載置され、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する手段と、該算出された個数が前記指示個数と一致しなかった場合、複数回に分けて物品を載置すべき旨を前記表示部に表示させる手段とを更に備えることを特徴とする。
請求項6に係る計数装置によれば、オペレータが、ある物品について指示個数を計量部に載せた際に、個々の重量のバラツキによって、指示個数(実際の投入個数)と異なる個数が投入実績として算出された場合に、表示部にて次の作業(当該物品の個数を分けて投入する作業)を簡便に確認することができるようになる。従って、例えば、作業に不慣れなオペレータであっても手順を適宜確認することができるため、迅速に物品の個数を計数することができるようになる。
上記問題を解決するために、請求項7に係るピッキングカートシステムは、請求項1から請求項6の何れかに記載の物品の計数装置を備える移動可能なピッキングカートと、前記ピッキングカートと通信可能で、前記取り出し物品を特定する情報と、前記指示個数とを前記ピッキングカートへ送信する制御手段を有する管理装置とを具備することを特徴とする。
請求項7に係るピッキングカートシステムによれば、上述の如く、迅速に物品の個数を計数することができるため、迅速にピッキング作業をすることができるようになる。
本発明によれば、物品の単位重量値を変更することなく迅速に物品の個数を計数し、これにより、迅速にピッキング作業をすることができるようになる。
本発明の一実施形態に係るピッキングカートシステムのシステム構成図の一例である。 図1に示すカートの概観図の一例である。 図1に示すカートのブロック図の一例である。 図1に示す管理装置のブロック図の一例である。 図1に示す管理装置に記憶される情報等の一例である。 図1に示すカートにおいて個数を算出する際の概念図である。 図1に示すカートの動作の一例を示すフローチャートである。 重量値及び個数の変化を説明するための説明図である。 重量値及び個数の変化を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るピッキングカートシステム1のシステム構成図の一例である。
ピッキングカートシステム1は、図1に示すように、物品のピッキング作業を管理する管理装置10と、物品を載置するコンテナを配置し移動自在なカート30とを含む。管理装置10は、上位であるホストコンピュータ2と通信する。例えば、管理装置10は、物品(商品)の注文データをホストコンピュータ2から受信する。また、管理装置10は、無線ルータ20を介して、各カート30−1、30−2、・・・30−nと通信する。例えば、管理装置10は、所定位置から取り出し指示された物品を特定する情報と、当該物品の取り出し指示個数とをカート30へ送信する。なお、無線ルータを介して、ハンディターミナル(非図示)をピッキングカートシステム1に接続してもよい。
図2は、カート30の概観図の一例である。カート30は、図2に示すように、上下2段に仕切られ、複数の台秤(計量部)300が設けられている。具体的には、カート30は、下段後部には第1台秤(第1計量部)301、下段前部には第2台秤(第2計量部)302、上段後部には第3台秤(第3計量部)303、上段前部には第4台秤(第4計量部)304がそれぞれ設けられている。台秤301〜304の各々には、同一の物品(同一の物品識別情報の物品)を1個または複数個、収容するコンテナ31を搭載できるようになっている。なお、コンテナ31は、例えば、折り畳み可能なコンテナである。
カート30には押すためのハンドル305が設けられ、矢印A方向に進む。ハンドル305の前方(正面)には、作業者がカート30を押しながら、ピッキング作業について指示された作業指示情報または作業指示情報に基づく情報などを見ることが出来るように第1表示部306が設けられている。また、カート30の側部にはピッキング作業を行いながら、上記情報を見ることが出来るように第2表示部307が設けられている。第1表示部306および第2表示部306は、液晶タッチパネルを備え、作業者による入力が受付可能である。また、カート30の上部側部にはプリンタ308が設けられている。プリンタ308ではピッキングした物品を収容するコンテナ31に貼り付けるラベル等を発行できるようになっている。また、第1表示部306内には上位の管理装置と通信するためのアンテナ(非図示)が設けられている。更に、ピッキングする物品のバーコードを読み取るためスキャナー(非図示)が設けられている。
図3は、カート30のブロック図の一例である。カート30は、図3に示すように、CPU320、RAM321、ROM322、第1表示部306、第2表示部307、充電電源部323、通信部324、第1台秤301、第2台秤302、第3台秤303、第4台秤304、スキャナー309、プリンタ308、及びスピーカー部310を備えている。CPU320は、各種判断、演算を実行し、カート30に係る種々の機能を実現する(詳細は後述)。RAM321にはCPU320によって読み出されたデータ、作業指示情報、物品ファイル(後述)、誤差重量値(後述)、CPU320が処理を行う上で利用するフラグやレジスタなどを記憶する。ROM322には、CPU320が動作するためのプログラムが記憶されている。なお、表示部(第1表示部306および第2表示部307)には、通信部324を介して受信した作業指示情報が表示され、又、指示個数を分割して計数するための分割キー、作業が完了したことを宣言するための完了キーなども表示される。
図4は、管理装置10のブロック図の一例である。管理装置10は、図4に示すように、CPU120、RAM121、ROM122、HDD(ハードディスク)126、操作部(キーボード、マウス等)107、表示部(モニタ)106、通信部124を備える。管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータであってもよい。
管理装置10は、カート30における各秤300の配置位置を管理する秤ファイルをHDD126に記憶する。例えば、管理装置10は、図5(a)に示すような秤ファイルを記憶する。図5(a)に示す例において、秤ファイルは、カート30を識別するカート番号(カート識別情報)「0010」に対応付けて、当該カート30の下段後部のコンテナ31に投入された物品を計量する第1台秤301を識別する秤番号(秤識別情報)「0011」、当該カート30の下段前部のコンテナ31に投入された物品を計量する第2台秤302を識別する秤番号「0012」、当該カート30の上段後部のコンテナ31に投入された物品を計量する第3台秤303を識別する秤番号「0013」、当該カート30の上段前部のコンテナ31に投入された物品を計量する第4台秤304を識別する秤番号「0014」を記憶し、カート30を識別するカート番号「0020」に対応付けて、当該カート30の下段後部のコンテナ31に投入された物品を計量する第1台秤301を識別する秤番号「0021」、当該カート30の下段前部のコンテナ31に投入された物品を計量する第2台秤302を識別する秤番号「0022」、当該カート30の上段後部のコンテナ31に投入された物品を計量する第3台秤303を識別する秤番号「0023」、当該カート30の上段前部のコンテナ31に投入された物品を計量する第4台秤304を識別する秤番号「0024」などを記憶している。
また、管理装置10は、図5(b)に示すような物品毎に関する情報を記憶する物品ファイルをHDD126に記憶する。図5(b)に示す例においては、物品識別情報毎に、物品名、単位重量値、第2誤差率(%)、第1誤差率(%)などを物品毎に記憶している。物品識別情報としては、例えばJANコードが用いられている。
また、第1誤差率、第2誤差率については、後述のフローチャートでも説明するが、実際の投入個数が指示個数と一致するか否かを判断するときに許容する誤差の割合を第2誤差率とする。例えば、単位重量値が100g、指示物品が単位重量値100gで第2誤差率25%の物品Aであって指示個数が10個である場合、物品Aの実際の投入個数が指示個数と同数の10個であったと判断する際に許容する重量は、物品Aの10個分の理論重量値1000gを中心に物品Aの単位重量値100gの上下25%の範囲である。即ち、実際の投入個数が指示個数10個と一致すると判断するときに許容する許容重量値は、975g〜1025gである。このように、物品1個分の重量に第2誤差率を乗じた値を誤差として許容し、指示個数と同数が実際に投入されたか否かを判断している。
また、後述するように、指示個数に満たない個数で分割して物品をコンテナに投入するが、指示個数に到らない個数を判断するときに許容する誤差の割合を第1誤差率とする。例えば、例えば、単位重量値が100g、指示物品が単位重量値100gで第2誤差率25%の物品Aであって指示個数が10個である場合、物品Aの実際の投入個数が3個であったと判断する際に許容する重量は、物品Aの3個分の理論重量値300gを基準に物品Aの単位重量値100gの上下50%の範囲である。即ち、実際の投入個数が指示個数10個に至らない個数である3個であると判断するときに許容する許容重量値は、251g〜350gである。つまり、251g〜350を3個と判断し、例えば351gから450gであれば4個と判断する。このように、物品1個分の重量に第1誤差率を乗じた値を誤差として許容し、指示個数未満の個数を判断している。
以上のように、指示個数と一致する個数が投入されたか否かを判断するときに許容割合の小さい第2誤差率を用いるのに対して、分割投入する際などに指示個数未満の個数を判断するときに許容割合の大きい第1誤差率を用いている。従って、指示個数に達するまでの投入個数を計数する過程では、重量に多少のバラツキがあっても許容しつつ、最終的に指示個数と一致する個数が投入されたか否かを判断するときに、誤差が少ない正確な判断ができるようになる。
図6は、個数を算出する際の概念図である。具体的には、図5(c)の作業指示情報の最上位行の指示、即ち、単位重量値100g、第1誤差率50%、第2誤差率25%の物品Aが指示物品であって指示個数10個である作業指示情報の指示に対し個数を算出する際の重量値範囲情報の概念図である。つまり、図6に示すような、物品Aの個数別の許容重量範囲が、図5(b)に示す物品ファイルと、図5(c)に示す作業指示情報とから算出されるようプログラムされており、計量部300に物品Aを置いたときに出力される重量値に対応する個数を算出する。
例えば、指示個数10個未満の1個分の理論重量値は100g、第1誤差率は50%であるので、実際に投入された個数が1個であると判断するときの許容重量値範囲は、図6に示すように、1個分の理論重量値100gを中心とし1個分の重量の上下50%の範囲である51g〜150gである。つまり、ある個数が投入された場合の重量が51g〜150gであったとき、その個数は1個であると判断する。なお、下限許容重量値範囲を50gではなく51gとしたのは、2個〜9個の各個数の判断時において他の個数と範囲が重複しないようにしたことと整合させるためである。また、指示個数10個未満の2個分の理論重量値は200g、第1誤差率は50%であるので、実際に投入された個数が2個であると判断するときの許容重量値範囲は、2個分の理論重量値200gを中心とし1個分の重量の上下50%の範囲である151g〜250gである。つまり、ある個数が投入された場合の重量が151g〜250gであったとき、その個数は2個であると判断する。なお、下限許容重量値範囲を150gではなく151gとしたのは、3個の場合の範囲との重複を避けるためである。以下、3個〜9個の各個数であると判断するときの許容重量値範囲は、各個数の理論重量値を中心に1個分の重量の上下50%の範囲である。但し、指示個数10よりも1つ少ない個数、図6の例では9個の場合の上限許容重量値は、下記、10個の場合の下限許容重量値と合わせるために、950gでなく974gとしている。
一方、指示個数と同数の10個分の理論重量値は1000g、第2誤差率は25%であるので、実際に投入された個数が指示個数と同数の10個であると判断する許容重量値範囲は、10個分の理論重量値1000gを中心とし1個分の重量の上下25%の範囲である975g〜1025gである。つまり、ある個数が投入された場合の重量が975g〜1025gであったとき、その個数は10個であると判断する。
以上のように、指示個数に満たない場合は50%にすることで、個数と個数の間の重量値が生じることないので、どちらの個数かが判断できないことがなくエラーが生じなく、また、指示個数に対しては25%にすることでより厳密な範囲で個数を判断することができる。なお、管理装置10は、物品ファイルをカートに送信し、カート30は商品ファイルを受信し、RAM321に記憶するが、物品ファイルが更新された場合には、更新後、物品ファイルを各カート30へ送信する。
また、管理装置10は、カート30におけるピッキング作業を指示する作業指示情報をHDD126に記憶する。例えば、管理装置10は、図5(c)に示すような作業指示情報を記憶する。図5(c)に示す例において、作業指示情報は、秤番号「0011」に対応付けて、物品識別情報「0001」、指示物品名「A」、指示個数「10」、ロケーション「1」などを記憶し、秤番号「0012」に対応付けて、物品識別情報「0002」、指示物品名「B」、指示個数「20」、ロケーション「1」などを記憶している。作業指示情報における物品識別情報及び指示物品名は、所定位置から取り出すべき物品(指示物品)を示し、作業指示情報における指示個数は、所定位置から当該指示物品を取り出すべき個数(指示個数)を示している。ロケーションは、当該指示物品の置かれている所定位置を示している。なお、管理装置10は、各店舗からの注文情報に基づいて作業指示情報を生成し、HDD126に記憶するとともに、カート30に送信する。カート30は作業指示情報を受信し、RAM321に記憶するとともに、作業指示情報の内容(指示物品、指示個数、所定位置等)を表示部(第1表示部306又は第2表示部307の何れか一方または両方)に表示する。
カート30は、上述の如く、管理装置10から受信した作業指示情報の内容を表示部し、計量部300の上に載置された物品の個数を計数する。つまり、作業者は、カート30の表示部に表示された作業指示情報を確認し、作業指示情報によって示される所定位置から指示物品を取り出して、取り出した指示物品を、作業指示情報によって示される秤番号の台秤300の上に搭載されたコンテナ31内に投入する。これにより、カート30は、当該指示物品のコンテナ31への投入個数を計数する。
以下、図7に示すフローチャート、図8に示す重量値及び個数の変化を説明するための説明図を用いて、カート30の動作の流れを実施例1として説明する。なお、複数のカート30のうち、一つのカート(カート番号「0010」)が図5(c)作業指示情報のうち、最上位行の物品Aを10個、棚より取り出すピッキング指示があった場合の例にて示す。
ステップS1:指示物品、指示個数を含む作業指示情報をカート30が受信する。
ステップS2:作業指示情報の内容、つまり、どのコンテナに(秤番号「0001」より)、何を(物品識別情報に基づく物品名「A」)、いくつ(指示個数「10」より)投入するか、その作業をする位置(ロケーション「1」)が、カート30の第1表示部306、第2表示部307に表示される。具体的には、指示物品A、指示個数10、ロケーション「1」が第1表示部306、第2表示部307に表示される。
ステップS3:作業者は、S2で表示されたロケーション「1」へ移動し、当該位置に置いてある商品を取り出し、該商品、あるいはその棚に付されている商品を識別するバーコードをカート30に配置されているスキャナーで読み込んで商品の検品を行う。つまり、これからピッキングする商品が指示された商品と一致するかをCPU320が判断する。具体的には、読み込んだバーコードのコード情報と、ステップS1で受信した指示情報のうち物品識別情報とが一致するか否かを判断する。YESの場合はステップS5へ進む。 NOの場合はステップS4へ進む。
ステップS4:ピッキングしようとする商品と指示された商品とが異なるので、異なる旨のエラーが第1表示部306、第2表示部307に表示される。
ステップS5:ステップS3の判断でYESと判断されたので、「OK」の旨が第1表示部306、第2表示部307に表示されるとともに、ステップS1での指示個数分10個が秤番号「0001」に対応するコンテナに投入される。また、指示物品Aの10個分の実重量値が出力される。この例では、指示物品Aの10個分の実重量値として1050gが出力されたものとする。
ステップS6:ステップS5で出力された実重量値「1050g」が、図6に示すように、指示個数10個の許容重量値範囲「975g〜1025g」の範囲外、より詳細には、上限許容重量値「1025g」以上であるとCPU320が判断し、個数11個を算出し、個数11が表示部に表示される。
なお、図8の表内の列「最初」は、ここまでの重量値及び個数の状態を示している。つまり、列「最初」は、指示個数Pが10個、実際に作業者が投入した個数である実投入個数Qが10個、そのときの実際の重量である実重量値Kが1050g、そのときに算出された個数である算出個数SPが11個であることを示している。
なお、図6に示す各個数の許容重量値範囲は、物品ファイルで定まる指示物品の単位重量値、第1誤差率、第2誤差率、作業指示情報(指示物品、指示個数)に基づいて、CPU320での演算により算出するようプログラムされているが、作業指示情報を生成した際に予め、図6に示す内容に相当するテーブルを設定し、該設定したテーブルを読み出し、投入個数を判断するようにしてもよい。
ステップS7:ステップS6で表示された個数と、ステップS1で指示された個数とが一致しているかがCPU320により判断される。YESの場合はステップS17へ進み、NOの場合はステップS8へ進む。この例では、ステップS6で表示された個数が11個、ステップS1で指示された10個であるため、ステップS8へ進む。
なお、YESの場合はステップS6で表示された個数が消去される(なお、ステップS2で表示された指示個数はステップS17にて消去される)。NOの場合はステップS6で表示された個数は消去しない。これにより、作業員は、自分の投入によって算出された個数と表示された指示個数とが一致しないので、複数回に分けて再度投入し直す必要があることが分かる。この例では、作業者は、ステップS1で指示された10個に従って、ステップS5で10個載せたにも関わらず、ステップS6で表示された個数が11個となったので、指示個数10個よりも少ない個数にて複数回に分けて物品を投入し直す必要があることが分かる。
ステップS8:指示個数よりも少ない個数にて数回に分けて物品が計量部300に載置され、その重量値と図6に示す各個数の許容重量値範囲とから、個数が算出される。この例では、3個が投入され、3個分の実重量値が325gと、図6に示す各個数の許容重量値範囲とから、個数3個が算出される。なお、ステップS8は、本発明の第1の算出手段に相当する。
ステップS9:ステップS8で算出された個数が表示部に表示される。この例では、直近のステップS8で算出された3個が表示部に表示される。
ステップS10:CPU320は、表示部に表示された分割キーが押下されたか否かを判断する。YESの場合はステップS11へ進む。NOの場合はステップS8へ進み、投入個数を減らし、投入個数と、表示個数とが一致するようにする。なお、このステップS10は、ステップS9に続いて実行される場合の他、後述の如く、ステップS16に続いても実行される。
作業者は、ステップS8で投入した個数とステップS9で表示された個数とが一致した場合に、又は、ステップS16で表示された個数と、それまでにステップS8及びステップ13で投入した個数の合計個数とが一致した場合に、分割キーを押下する。この例において、ステップS9に続いてステップS10が実行されるときは、直近のステップS8で算出された個数3個と、直近のステップS9で表示された個数3個とが一致するので、作業者は分割キーを押下する。また、後述の如く、ステップS13を1回実行した後にステップS16から戻ってステップ10が実行されるときは、ステップS13を1回実行した後にステップS16で表示される個数が6個と、それまでに、ステップS8及びステップS13で投入された個数の合計個数6個(ステップS8での投入個数3個、ステップS13での投入個数3個)とが一致するので、作業者は分割キーを押下する。
ステップS11:分割キーが押下されると、ステップS9で表示された個数と、その個数分の理論重量値、又は、ステップS16で表示された個数と、その個数分の理論重量値が記憶される。この例において、最初にステップS11が実行されるときは、ステップS9で表示された個数3個と、3個分の理論重量値300gが記憶される。また、後述の如く、ステップS13を1回実行した後にステップS16からステップ10に戻ってステップS12が実行されるときは、ステップS16で表示された個数6個と、6個分の理論重量値600gが記憶される。
なお、図8の表内の列「再投入(新規)」は、この例において、最初にステップS11が実行されたときの重量値及び個数の状態を示している。つまり、列「再投入(新規)」は、実際に作業者が新たに分割して投入した個数である新規実投入個数Qnewが3個、そのときの実際の重量である新規実重量値Knewが325g、そのときに算出された個数である個数算出個数SQnewが3個、3個の理論重量値である理論重量値Rnewが300gであることを示している。また、算出個数SQnew「3個」、理論重量値Rnew「300g」はRAM321の所定エリアに記憶されている。
ステップ12:計量部300から出力される重量がゼロリセットされ、次回追加される物品が計量値0から計量されることになる。この例において、最初にステップS12が実行されるときは、ステップS8で載置された3個分の重量325gが風袋としてゼロリセットされ、続くステップS13にて追加される物品が計量値0から計量されることになる。また、この例においては、後述の如く、ステップS13を1回実行した後にステップS16から戻ってステップS12が実行されるときは、1回目のステップS13で追加載置された3個分の重量305gが風袋としてゼロリセットされ、2回目のステップS13にて追加される物品が計量値0から計量されることになる。
ステップS13:追加投入分の物品が計量部300に載置され、その重量値と図6に示した各個数の許容重量値範囲とから、追加個数が算出される。この例においては、作業者は、3個を追加し、その実重量値が305gであるものとする。この場合、CPU320は、実重量値「305g」と、図6に示した各個数の許容重量値範囲から、追加個数3個を算出する。また、この例においては、作業者は、更に4個を追加し、その実重量値が420gであるものとする。この場合、CPU320は、実重量値「420g」と、図6に示した各個数の許容重量値範囲から、追加個数4個を算出する。
ステップS14:ステップS11で記憶した理論重量値に、ステップS13で追加された個数分の重量を加算し、補正後重量値として記憶される。この例においては、最初にステップS14が実行されるときは、ステップS11で記憶した理論重量値「300g」に、ステップS13で追加された個数分の重量「305」を加算し、補正後重量値「605」として記憶される。また、この例においては、後述の如く、2回目にステップS14が実行されるときは、ステップS11で記憶した理論重量値「600g」に、ステップS13で追加された個数分の重量「420」を加算し、補正後重量値「1020」として記憶される。
ステップS15:ステップS14で算出された補正後重量値による個数と、ステップS1で指示された個数とが一致しているかがCPU320により判断される。NOの場合はステップS16へ進み、YESの場合はステップS17へ進む。この例においては、最初にステップS15が実行されるときは、ステップS14で算出された補正重量値「605g」が、ステップS1で指示された指示個数10の許容重量範囲「975g〜1025g」に含まれないのでステップS18へ進む。また、この例においては、後述の如く、2回目にステップS15が実行されるときは、ステップS14で算出された補正重量値「1020g」が、ステップS1で指示された指示個数10の許容重量範囲「975g〜1025g」に含まれるのでステップS17へ進む。なお、上述の補正後重量値による個数は、本発明の第2の算出手段によって算出される個数に相当する。
なお、上述のステップS15において、最初にステップS15が実行されるときは、図6に示す各個数の許容重量値範囲から、ステップS14で算出された補正重量値「605g」の個数を6個と算出し、指示個数10と一致しないのでステップS18へ進むというようにしてもよい。同様に、2回目にステップS15が実行されるときは、図6に示す各個数の許容重量値範囲から、ステップS14で算出された補正重量値「1020g」の個数を10個と算出し、指示個数10と一致するのでステップS17へ進むというようにしてもよい。なお、上記「6個」「10個」を算出する過程は、本発明の第2の算出手段に相当する。
ステップS16:ステップS11で記憶された個数に、ステップS13で追加された個数を加算し、加算後の個数を表示する。この例においては、上述の如く、1回目にステップS15が実行された後にステップS16が実行されるため、ステップS11で記憶された追加個数3個に、ステップS13で追加された個数3個を加算し、加算後の個数6個を表示する。そして、ステップS10へ戻る。なお、追加後の個数(上記例では6個)に加え、テップS13で追加された個数(上記例では3個)を表示してもよい。
ステップS17:ステップS2で表示された指示個数が消去される。これにより、作業者は、指示個数分の物品のコンテナへの投入が完了したことが分かる。
ステップS18:表示部に表示されている完了キーが押下され、完了信号とともに、物品の投入個数、物品名、物品識別情報、ステップS15で許容重量範囲内と判断した重量値等の実績情報が管理装置10へ送信される。また、RAM321に記憶された各重量値、個数等がクリアされ、1つのピッキング作業が終了する。なお、次のピッキング作業情報を受信している場合はステップS2へ戻り、指示物品、指示個数を表示部に表示するようにしてもよい。
なお、図8の表内の列「再投入(追加1回目)」は、この例において、ステップS13を1回実行した後にステップS16からステップS10に戻ってステップS11を実行したときの重量値及び個数の状態を示している。つまり、列「再投入(追加1回目)」は、実際に作業者が追加投入した個数である追加実投入個数Qaddが3個、追加後の累積の個数である累積実投入個数Qallが6個、追加3個分の実際の重量である追加実重量値Kaddが305g、補正後重量値HGが605g、そのときに算出された個数である累積算出個数SQallが6個、6個の理論重量値である累積理論重量値Rallが600gであることを示している。また、補正後重量値HG「605g」、累積算出個数SQall「6個」と、累積理論重量値Rnew「600g」がRAM321の所定エリアに記憶されている。
また、図8の表内の列「再投入(追加2回目)」は、この例において、ステップS13を2回実行した後にステップS14を実行したときの重量値及び個数の状態を示している。つまり、列「再投入(追加2回目)」は、実際に作業者が追加投入した個数である追加実投入個数Qaddが4個、追加後の累積の個数である累積実投入個数Qallが10個、追加4個分の実際の重量である追加実重量値Kaddが420g、補正後重量値HGが1020g、そのときに算出された個数である累積個数算出個数SQallが10個であることを示している。また、補正後重量値HG「1020g」、累積算出個数SQall「10個」はRAM321の所定エリアに記憶されている。
以上のように、指示個数分の重量を初めに算出し、その算出される個数が指示個数と一致しない場合は、その指示個数を複数回に分けて計数する。実施例1は、10個の指示個数に対して3個、3個、4個と3回に分けて累積して計数している。そして、その複数回に分けて累積して計数する際、図6に示すように、指示個数に満たない3個、6個の場合は、許容重量の割合を、物品1個分の重量の50%まで許容するようにしているので、指示個数以下の場合で、どちらの個数にも属さない重量値が生じることなく、また、最終的に指示個数である10個と判断するときは、理論重量値1000gに対して、975gから1025gまでを許容重量値としている。つまり、物品1個分の重量の25%まで許容するようにしている。
このように、指示個数を複数回に分けて計数し、指示個数に達するまでの途中の過程での重量の許容範囲を、最終的な指示個数での許容範囲よりも大きくすることで、物品ごとに重量のバラツキのあるような場合であっても、算出される個数と実際に投入される個数とが相違するということ少なくして計数することができる。従って、カート30の作業者が、従来のように、実際の投入個数と、算出される個数とが異なるために、責任者のいるところでまで移動し、当該責任者に単位重量値の設定操作を依頼してから、再度ピッキング操作をする必要がないので迅速なピッキング作業が可能になる。
なお、実施例1では、分割キーの押下後、それまでに計数した個数とその個数分の理論重量値を記憶し、重量値をゼロリセットし、追加載置した物品の実重量値と理論重量値とを加算した補正後重量値が指示個数分の許容重量値範囲に入るか否かを判断するが、複数回に分けて物品を計数する態様はこれに限定されない。
例えば、図9に示すように、ある個数の実重量値とその個数分の理論重量値との差を誤差重量値として記憶し、実重量を加算した重量値から誤算重量値を減算した補正後重量値が指示個数分の許容重量値の範囲に入るか否かを判断してもよい。以下、実施例2として、図9を用いて簡単に説明する。なお、図9の表の各列の意味は図8と同様である。
図9の列「再投入(新規)」に示すように、実施例1と同様に、新規に3個が投入され(Qnew)、その実重量である載置実重量値Knewが325gである場合、図6に示す各個数の許容重量値範囲から載置実重量値Knew「325g」の個数である算出個数SQnewを3個と算出し、算出個数SQnew「3個」が実際の投入個数3個と一致するため、作業者によって分割キーが押下される。なお、算出個数SQnew「3個」を算出する過程は、本発明の第1の算出手段に相当する。
分割キーの押下後、載置実重量値Knew「325g」、算出個数SQnew「3個」、及び、載置実重量値Knew「325g」と3個分の理論重量値「300g」との誤差「25g」を誤差重量値GnewとしてRAM321の所定エリアに記憶する。なお、単位重量値「100g」は予め別に記憶している。また、分割キーの押下後には計量部300がゼロリセットされる。
続いて、図9の列「再投入(追加1回目)」に示すように、実施例1と同様、3個が追加投入され(Qadd)、追加分の載置実重量値Knewが305gである場合、今回(追加1回目)の載置実重量値Knew「305g」と前回(新規)の載置実重量値Knew「325g」とを加算(305g+325g=630g)して累積実重量値Kallとし、累積実重量値Kall「630g」から前回(新規)の誤差重量値Gnew「25g」を減算(630g−25g=605g)して補正後重量値HGとしてRAM321の所定エリアに記憶する。なお、上述の補正後重量値HG「605g」は、本発明の第2の算出手段が物品の個数を算出するときに基礎とする重量値に相当する。
続いて、補正後重量値HG「605g」が指示個数10個の許容重量範囲に入るか否かを判断する。即ち、補正後重量値HG「605g」が図6に示す指示個数10個の許容重量範囲「975g〜1025g」に入るか否かを判断する。そして、この場合は入らないので、表示部に表示された指示個数10個は消去しない。そして、図6に示す各個数の許容重量値範囲から載置実重量値Knew「305g」の個数である算出個数SQaddを3個と算出し、算出個数SQadd「3個」と前回(新規)の算出個数SQnew「3個」とを加算(3個+3個=6個)して算出個数SQallとし、算出個数SQall「6個」を表示部に表示し、RAM321の所定エリアに記憶する。
なお、補正後重量値HG「605g」が指示個数10個の許容重量範囲に入るか否かを判断することに代えて、図6に示す各個数の許容重量値範囲から、補正後重量値HG「605g」の個数である算出個数SQallを6個と算出し、算出個数SQall「6個」が指示個数10個と一致しないので、表示部に表示された指示個数10個は消去しない、としてもよい。なお、算出個数SQall「6個」を算出する過程は、本発明の第2の算出手段に相当する。
そして、算出個数SQall「6個」が実際の投入個数6個と一致するため、作業者によって分割キーが押下される。分割キーの押下後、累積実重量値Kall「630g」、算出個数SQnew「6個」、及び、累積実重量値Kall「630g」と6個分の理論重量値「600g」との誤差「30g」を誤差重量値GallとしてRAM321の所定エリアに記憶する。また、分割キーの押下後には計量部300がゼロリセットされる。
続いて、図9の列「再投入(追加2回目)」に示すように、実施例1と同様、4個が追加投入され(Qadd)、追加分の載置実重量値Knewが420である場合、今回(追加2回目)の載置実重量値Knew「420g」と前回(追加1回目))の累積実重量値Kall「620g」とを加算(420g+630g=1050g)して累積実重量値Kallとし、累積実重量値Kall「1050g」から前回(追加1回目)の誤差重量値Gall「30g」を減算(1050g−30g=1020g)して補正後重量値HGとしてRAM321の所定エリアに記憶する。なお、上述の補正後重量値HG「1020g」は、本発明の第2の算出手段が物品の個数を算出するときに基礎とする重量値に相当する。
続いて、補正後重量値HG「1020g」が指示個数10個の許容重量範囲に入るか否かを判断する。即ち、補正後重量値HG「1020g」が図6に示す指示個数10個の許容重量範囲「975g〜1025g」に入るか否かを判断する。そして、この場合は入るので、表示部に表示された指示個数10個は消去する。なお、補正後重量値HG「1020g」が指示個数10個の許容重量範囲に入るか否かを判断することに代えて、図6に示す各個数の許容重量値範囲から、補正後重量値HG「1020g」の個数である算出個数SQallを10個と算出し、算出個数SQall「10個」が指示個数10個と一致したので、表示部に表示された指示個数10個は消去する、としてもよい。なお、算出個数SQall「10個」を算出する過程は、本発明の第2の算出手段に相当する。
作業者は指示個数と一致する計数、ピッキングができたことが分かるため、完了キーが押下され、一つのピッキング作業が終了する。
以上のように、実施例1では、物品の計数装置として、指示個数の物品を複数回に分けて載置する場合に指示個数より少ない個数の物品が計量部300に載置されたときに、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する第1の算出手段と、既に算出された個数分の理論重量値(図8の300,600)と、更に追加載置された個数分の重量値(同図の305,420)と、を加算した重量値(同図の605,1020)に基づいて、合計個数を算出する第2の算出手段とを備える、カート30に具備された物品の計数装置について説明している。
また、実施例2では、物品の計数装置として、指示個数の物品を複数回に分けて載置する場合に前記指示個数より少ない個数の物品が前記計量部に載置されたときに、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する第1の算出手段と、既に載置された個数分の実重量値(図9の325,630)と、既に算出された個数分の理論重量値(同図の300,600)と、の差を誤差重量値(同図の25,30)として記憶する手段と、全物品の実重量値(同図の630,1050)から前記誤差重量値(同図の25,30)を減算した重量値(同図の605,1020)に基づいて、合計個数を算出する第2の算出手段とを備える、カート30に具備された物品の計数装置について説明している。
なお、上記実施例1、2では、計量部300の上に物品を投入するコンテナが備わっている移動可能なカートを用いての説明であったが、これに限らず据え置きタイプの計数装置であってもよい。また、図7に示すフローのステップS7でNOの場合、指示個数を複数回に分けて投入すべき旨を表示部に表示してもよい。これにより、不慣れな作業者であっても、次のステップとして何をしたら良いかが迅速に分かる。また、上記実施例1、2では、指示個数を載せた場合の実重量値が指示個数の理論重量値を越える場合(例えば、物品Aを指示個数である10個載置した場合の実重量値1050gが物品Aの10個の理論重量値1000gを超える場合)の動作を説明したが、指示個数を載せた場合の実重量値が指示個数の理論重量値未満の場合の動作も同様である。同様に、指示個数未満の個数を載せた場合の実重量値が当該個数の理論重量値を超える例(例えば、物品Aを指示個数である10個未満の3個載置した場合の実重量値325gが物品Aの3個の理論重量値300gを超える場合)の動作を説明したが、指示個数未満の個数を載せた場合の実重量値が当該個数の理論重量値未満の場合も同様である。
以上、カート30によれば、単位重量値の設定を変更するなどの作業をすることなく、迅速に物品の個数を計数し、これにより、迅速にピッキング作業をすることができるようになる。なお、上記実施形態においては、計数装置の一例として、ピッキングカートシステム1のカート30について説明したが、計数装置は、ピッキングカートに限定されない。
上記実施例1、2について、いわゆるセットポイントを利用するようにしてもよい。物品の個数の計数作業を行う際の作業性を向上させるために、物品の個数を計数する前に目標個数の近傍のある値(これをセットポイントという)を予め設定しておき、計量部300から出力される計量値に基づく計数値がそのセットポイントを超えた場合に、その旨をブザー等によって報知するようにしてもよい。つまり、本実施例の場合、指示個数を分割して計量、もしくは、分割して累積して計数していくが、予めその指示個数の例えば8割の個数に達した場合に、その旨を、ブザー音の出力やメッセージの表示などによって、作業者に報知するようにしてもよい。
なお、本発明の一実施形態によるカート30の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の一実施形態によるカート30の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…ピッキングカートシステム、2…ホストコンピュータ、10…管理装置、20…無線ルータ、30…カート、31…コンテナ、106…表示部、107…操作部、120…CPU、121…RAM、122…ROM、124…通信部、126…HDD、301…台秤(下段後部)/第1計量部、302…台秤(下段前部)/第2計量部、303…台秤(上段後部)/第3計量部、304…台秤(上段後部)/第4計量部、305…ハンドル、306…第1表示部、307…第2表示部、308…プリンタ、309…スキャナー、310…プリンタ、320…CPU、321…RAM、322…ROM、323…充電電源部、324…通信部

Claims (6)

  1. 取り出し指示された物品を特定する情報と前記物品の取り出し指示個数とを含む作業指示情報を表示部に表示し、計量部の上に載置された物品の個数を計数する物品の計数装置であって、
    前記物品の各個数の重量値の誤差の割合を示した誤差率に基づいて、前記計量部の上に載置されている物品の個数を判断する個数一致判断手段を備え、
    前記個数一致判断手段は、
    前記誤差率である第1誤差率に基づいて、前記計量部の上に載置されている物品の個数が前記指示個数未満の一の個数と一致するか否かを判断し、
    前記誤差率である第2誤差率に基づいて、前記計量部の上に載置されている物品の個数が前記指示個数と一致するか否かを判断し、
    前記第1誤差率は、
    前記第2誤差率よりも大きいことを特徴とする物品の計数装置。
  2. 前記指示個数の物品を複数に分割して前記計量部に載置することによって、前記表示部に表示された個数を確定させる分割キーを有し、
    前記分割キーが押された後に前記計量部に物品を更に載置したときに、前記計量部に載置されている全物品の合計個数を前記表示部に表示させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の物品の計数装置。
  3. 取り出し指示された物品を特定する情報と前記物品の取り出し指示個数とを含む作業指示情報を表示部に表示し、計量部の上に載置された物品の個数を計数する物品の計数装置であって、
    前記指示個数の物品を複数に分割して前記計量部に載置することによって、前記表示部に表示された個数を確定させる分割キーを有し、
    前記分割キーが押された後に前記計量部に物品を更に載置したときに、前記計量部に載置されている全物品の合計個数を前記表示部に表示させるように制御し、
    前記物品の個数の計数として、
    前記指示個数の物品を複数回に分けて載置する場合に前記指示個数より少ない個数の物品が前記計量部に載置されたときに、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する第1の算出手段と、
    既に算出された個数分の理論重量値と、更に追加載置された個数分の重量値と、を加算した重量値に基づいて、前記合計個数を算出する第2の算出手段と
    を備えることを特徴とする物品の計数装置。
  4. 取り出し指示された物品を特定する情報と前記物品の取り出し指示個数とを含む作業指示情報を表示部に表示し、計量部の上に載置された物品の個数を計数する物品の計数装置であって、
    前記指示個数の物品を複数に分割して前記計量部に載置することによって、前記表示部に表示された個数を確定させる分割キーを有し、
    前記分割キーが押された後に前記計量部に物品を更に載置したときに、前記計量部に載置されている全物品の合計個数を前記表示部に表示させるように制御し、
    前記物品の個数の計数として、
    前記指示個数の物品を複数回に分けて載置する場合に前記指示個数より少ない個数の物品が前記計量部に載置されたときに、該載置された物品の実重量値に基づいて、該載置された物品の個数を算出する第1の算出手段と、
    既に載置された個数分の実重量値と、既に算出された個数分の理論重量値と、の差を誤差重量値として記憶する手段と、
    前記全物品の実重量値から前記誤差重量値を減算した重量値に基づいて、前記合計個数を算出する第2の算出手段と
    を備えることを特徴とする物品の計数装置。
  5. 前記第1の算出手段又は前記第2の算出手段は、前記物品の各個数を許容する重量値の範囲である重量値範囲を示す重量値範囲情報を参照し物品の個数を算出し、
    前記指示個数未満の個数の算出時に参照する前記重量値範囲は、前記物品の追加載置後の前記指示個数と一致する個数の算出時に参照する前記重量値範囲よりも広いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の物品の計数装置。
  6. 請求項1から請求項の何れかに記載の物品の計数装置を備える移動可能なピッキングカートと、
    前記ピッキングカートと通信可能で、前記取り出し物品を特定する情報と、前記指示個数とを前記ピッキングカートへ送信する制御手段を有する管理装置と
    を具備することを特徴とするピッキングカートシステム。
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