JP5834057B2 - 折り畳み式運搬台車 - Google Patents

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Description

本発明は、運搬物を運搬する際に用いる折り畳み式運搬台車に関するものである。
従来、収納時に場所を取らずに収納できるように折り畳み収納可能に構成した折り畳み式運搬台車が提案されている。
この種の折り畳み式運搬台車は、運搬物を載置する底板部を背部側に折り畳み重合自在に設けると共に、左右の側部の一方又は双方を背部側に折り畳み重合自在に設けて、L字状又は平板状に折り畳み収納自在に構成して、不使用時に倉庫などに収納する際、コンパクトに折り畳んで重ね合わせ収納可能、所謂ネスティング収納可能に構成されているものが多い。
また、この折り畳み式運搬台車は、運搬作業時に底板部が勝手に折り畳まれないよう、例えば特許文献1や特許文献2(以下、従来例と称す。)に示すような、組み立て状態(水平状態)を保持するロック機構を底板部に設けたものが多く提案されている。
特許第3382066号公報 特許第3481849号公報
しかしながら、従来例のロック機構は、バネ部材を用いた構成としており、ロック機構を構成する部品の点数が多かったり、複雑な構造で組み立て工数が多かったりして、製造コストが高くなってしまう問題があった。
本発明は、このような現状に鑑み、ロック機構を少ない部品点数で簡易に構成し、組み付けが容易で、安価に製造することができ、更に操作性にも優れた実用性に優れた画期的な折り畳み式運搬台車を提供することを目的とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
運搬物を載置する底板部1と、この底板部1を囲むように立設した背部2及び左右の側部3と、この背部2若しくは側部3の下端に設けた車輪部4とから成り、前記背部2の下部側に前記底板部1の一辺部を枢着して、この底板部1を前記背部2に対して折り畳み重合自在に設けると共に、この底板部1の折り畳み操作を不能にする折り畳み操作ロック機構を備えた折り畳み式運搬台車において、前記折り畳み操作ロック機構は、操作部6とロック杆12とロック杆係合部13とから成る構成とし、前記操作部6は、方形状の箱状若しくはブロック状に形成すると共に、左右方向に貫通する傾斜長孔9を設けた構成とし、合成樹脂製の前記底板部1の前側部に設けた上下方向に貫通する貫通孔5内に、この貫通孔5の内周面を摺動案内面として上下垂直方向に摺動移動自在に設けた構成とし、前記ロック杆12は、金属製の丸棒状体から成り、連通状態の前記貫通孔5の左右側面に設けた横長水平ガイド孔11と、前記貫通孔5内に配設した前記操作部6の前記傾斜長孔9とに挿通配設した構成とし、前記ロック杆係合部13は、金属板材を鉤状に形成し、左右の各側部3の板状に形成した車輪取付け部16の板面上、若しくは車輪取付け部16に隣接する下部フレーム3A上面に立設状態に設けた構成として、前記底板部1に設けた前記貫通孔5の上部開口部7から突出する操作部6の上側操作凸部6Bを下方に向かって押圧してこの操作部6を押し下げ操作すると、この操作部6が下動すると共にこの操作部6の下動に伴い前記ロック杆12が前記傾斜長孔9の上側傾斜縁に押圧されこの上側傾斜縁に沿いつつ、前記横長水平ガイド孔11によって上下方向の移動が規制され、前記底板部1の前側若しくは後側に向かって水平移動し前記ロック杆係合部13と係合して、前記折り畳み操作ロック機構がロック状態となって、前記底板部1の折り畳み方向への回動動作が不能となり、この折り畳み操作ロック機構がロックされた状態で、前記底板部1に設けた前記貫通孔5の下部開口部8から突出する操作部6の下側操作凸部6Cを上方に向かって押圧してこの操作部6を押し上げ操作すると、この操作部6が上動すると共にこの操作部6の上動に伴い前記ロック杆12が前記傾斜長孔9の下側傾斜縁に押圧されこの下側傾斜縁に沿いつつ、前記横長水平ガイド孔11によって上下方向の移動が規制され、前記底板部1の後側若しくは前側に向かって水平移動し前記ロック杆係合部13から離脱して、前記折り畳み操作ロック機構がロック解除状態となって、前記底板部1の折り畳み方向への回動動作が可能となるように構成したことを特徴とする折り畳み式運搬台車に係るものである。
また、前記ロック杆係合部13を、前記ロック杆12がロック位置に移動した際、このロック杆12が当接する位置に配設して、前記操作部6を押し下げ操作すると、前記ロック杆12が前記ロック杆係合部13に当接して金属音を発するように構成したことを特徴とする請求項1記載の折り畳み式運搬台車に係るものである。
また、前記底板部1は、ハニカム構造にした載置部に、左右方向に横断する金属製の補強パイプ23を設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の折り畳み式運搬台車に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、折り畳み操作ロック機構の構成部品が少数で、且つ簡易な構成となり、組み付けが容易で安価に製造することができ、しかも、操作性にも優れた実用性に優れた画期的な折り畳み式運搬台車となる。
また、請求項2記載の発明においては、ロック杆がロック位置に移動した際、金属製のロック杆が金属製のロック杆係合部に当接して「カチン」という金属音を発するので、ロック杆とロック杆係合部との係合状態を確認しなくてもロック杆がロック杆係合部と係合状態にあり、折り畳み操作ロック機構がロック状態となったことを認識することができる一層実用性に優れた折り畳み式運搬台車となる。
また、請求項3記載の発明においては、軽量化を図ると共に耐荷重強度に優れた画期的な折り畳み式運搬台車となる。
本実施例の使用状態(底板部が水平展開状態)を示す斜視図である。 本実施例の使用状態(底板部が折り畳み収納状態)を示す斜視図である。 本実施例の底板部及び操作部を示す説明斜視図である。 本実施例の底板部の裏面側を示す説明平面図である。 本実施例の底板部の裏面側要部を示す説明斜視図である。 本実施例の底板部の裏面側要部を示す説明斜視図である。 本実施例の折り畳み操作ロック機構の動作説明図である。 本実施例の折り畳み操作ロック機構の動作説明図である。 本実施例の折り畳み操作ロック機構の動作説明図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明の折り畳み操作ロック機構は、底板部1が伏倒状態(水平状態)において、底板部1の上部開口部7から突出する操作部6の上側操作凸部を下方に向かって押圧してこの操作部6を押し下げ操作すると、この操作部6の下動に伴い、ロック杆12が操作部6に設けた傾斜長孔9の上側傾斜縁に押圧されこの上側傾斜縁に沿いつつ、横長水平ガイド孔11によって上下方向の移動が規制され、前後方向にスムーズに水平移動しロック杆係合部13と係合するロック位置に移動する。
このロック杆12がロック位置に移動した状態では、底板部1を起立回動させて折り畳もうとすると、ロック杆12がロック杆係合部13に係止し、起立回動不能なロック状態となり、底板部1の伏倒状態が保持される。
また、この折り畳み操作ロック機構がロック状態において、底板部1の下部開口部8から突出する操作部6の下側操作凸部を上方に向かって押圧してこの操作部6を押し上げ操作すると、この操作部6の上動に伴い、ロック杆12が操作部6に設けた傾斜長孔9の下側傾斜縁に押圧されこの下側傾斜に沿いつつ、横長水平ガイド孔11によって上下方向の移動が規制され、前後方向にスムーズに水平移動しロック杆係合部13から離脱しロック解除位置に移動して折り畳み操作ロック機構がロック解除状態となる。
即ち、このロック杆12がロック解除位置に移動した状態では、底板部1を起立回動させても、ロック杆12がロック杆係合部13に係止しないので、この底板部1が起立回動自在になり、この底板部1を起立回動させて背部2に重合状態にして折り畳み収納状態にすることができる。
このように、本発明は、折り畳み操作ロック機構の構成部品が少数で、且つ簡易な構成となるから、組み付けが容易で安価に製造することができ、しかも、折り畳み操作ロック機構のロック操作及びロック解除操作は、底板部1の回動操作方向と同じ方向、即ち、ロック操作方向は、底板部1を伏倒回動操作する方向と同じ方向の押し下げ操作、ロック解除操作方向は、底板部1を起立回動操作する方向と同じ方向の押し上げ操作なので、底板部1の回動操作と折り畳み操作ロック機構のロック操作が一連の動作の中で行うことができ、極めて操作性に優れた画期的な折り畳み式運搬台車となる。
また、例えば、操作部6の上側操作凸部6B押し下げ操作してロック杆12をロック位置に移動させた際、上側操作凸部6Bの上端面が底板部1の載置面1Aと面一状態となる、若しくは、底板部1の載置面1Aより下方に位置するように構成にすれば、操作部6の上側操作凸部6Bが底板部1の上部開口部7から突出していなければ折り畳み操作ロック機構がロック状態であると容易に認知でき、また、操作部6の上側操作凸部6Bが底板部1の上部開口部7から突出していれば折り畳み操作ロック機構がロック解除状態であると容易に認知できるから、ロック状態とロック解除状態との識別が一目で認知することができる一層実用性に優れた折り畳み式運搬台車となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、図1,2に示すように、運搬物を載置する底板部1と、この底板部1を囲むように立設した背部2及び左右の側部3と、この背部2若しくは側部3の下端に設けた車輪部4とから成り、背部2の下部側に底板部1の一辺部を枢着して、この底板部1を背部2に対して折り畳み重合自在に設けると共に、この底板部1の折り畳み操作を不能にする折り畳み操作ロック機構を備えた折り畳み式運搬台車である。
具体的には、本実施例の背部2は、金属板で形成したアングル状の下部フレーム2Aに、コ字状に形成した金属パイプ製の枠体2Bを立設状態に設け、この立設状態に設けた枠体2Bの左右の縦枠間に横杆材を適宜な間隔をおいて複数架設し、枠体2Bの横枠と下部フレーム2Aとの間に縦杆材を適宜な間隔をおいて複数架設して、格子状に形成した構成としている。
また、本実施例の背部2は、下部フレーム2Aの左右両端部に方形板状に形成した車輪取付け部16を設け、この車輪取付け部16に車輪部4を設けると共に、後述する底板部1の回動支点となる支軸(回動軸)を支持する一対の支持部17を設けた構成としている。
また、左右の側部3は、いずれも上述した背部2と同様に、金属板で形成したアングル状の下部フレーム3Aに、コ字状に形成した金属パイプ製の枠体3Bを立設状態に設け、この立設状態に設けた枠体3Bの左右の縦枠間に横杆材を適宜な間隔をおいて複数架設し、枠体3Bの横枠と下部フレーム3Aとの間に縦杆材を適宜な間隔をおいて複数架設して、格子状に形成した構成としている。
また、左右の側部3は、夫々の下部フレーム3Aの前方側(本実施例では背部2側を後方側とし、背部2及び側部3で形成されたコ字状囲い部の開口部側を前方側とする。)に、車輪取付け部16を設けると共に、この車輪取付け部16に車輪部4を設け、更に、後述する折り畳み操作ロック機構を構成するロック杆係合部13を設けた構成としている。
また、本実施例は、左右側部3の一方を折り畳み収納自在に設けた構成とし、折り畳み収納状態がL字状となるように構成して、収納時はネスティング状態で収納し得るように構成している。
具体的には、左側部3は、背部2に対して直交状態に配設し、左側部3の枠体3Bの後方側縦枠と、背部2の枠体2Bの左側縦枠とを連結具18を介して連結した構成とし、右側部3は、背部2に対して直交状態に配設し、右側部3の枠体3Bの後方側縦枠と、背部2の枠体2Bの右側縦枠とを枢着連結具19を介して枢着連結して、この右側部3を背部2に対して折り畳み重合自在に設けた構成としている。
尚、本実施例では上述のように、右側部3を背部2に対して回動自在に設けて背部2に折り畳み重合自在に設けた構成としたが、左側部3を回動自在に設けても良く、また、左右両方の側部3を回動自在に設けた構成としても良い。
また、符号20は、左側部3の枠体3Bの前側縦枠と、右側部3の枠体3Bの前側縦枠との間に架設することで、右側部3を背部2に対して直交状態に位置決めると共に、この右側部3の回動動作を阻止して変形を防止する架設杆20である。
また、底板部1は、図3に示すように、載置部をハニカム構造に形成した合成樹脂製の方形状板状体から成り、軽量化を図ると共に耐荷重強度に優れた構造とし、また、背部2側の側周面に上述した背部2の下部フレーム2Aに設けた支持部17に係合する軸受部21を設け、この支持部17と軸受部21とを係合させた状態でこれらに設けた軸挿通孔に回動軸を挿通して、この底板部1を回動自在に設けて背部2に対して折り畳み重合自在に設けた構成としている。
また更に、底板部1は、左右側の各側周面に、起立回動して背部2と重合状態にした際、伏倒回動を阻止しこの背部2との重合状態を保持する係止部22を夫々設けた構成とし、この係止部22は、押圧により弾性変形する構成とすると共に、底板部1を起立回動させた際、左右の側部3の枠体3Bの後側枠体に当接する構成とし、起立回動途中で左右の側部3の枠体3Bの後側枠体に当接した際、押圧により弾性変形(反り変形)して前記後側枠体を乗り越え、この後側縦枠を乗り越えた後、復帰弾性して、この後側縦枠に係止し、底板部1の起立状態(背部2との重合状態)が保持されるように構成している。
また、底板部1は、ハニカム構造にした載置部に、左右方向に横断する金属製の補強パイプ23を設けた構成(本実施例では、間隔をあけて二本配設した構成)とし、より一層耐荷重強度の向上を図った構成としている。
また更に、底板部1は、折り畳み操作ロック機構により折り畳み操作不能となる構成としている。
この折り畳み操作ロック機構は、底板部1の前側部に上下方向に貫通する貫通孔5を設け、この貫通孔5内に箱状若しくはブロック状に形成した操作部6を貫通孔5の内面に沿って上下動自在に設けると共に、上動した際、貫通孔5の上部開口部7から上端部が突出し、下動した際、貫通孔5の下部開口部8から下端部が突出するように構成し、操作部6に、この操作部6の左右方向に貫通する傾斜長孔9を設け、底板部1の裏面側で且つ貫通孔5の左右両側に、この貫通孔5の左右側面と平行な補強板部10を複数並設すると共に、夫々の補強板部10の板面に前後方向に長さを有する横長水平ガイド孔11を設け、この横長水平ガイド孔11と貫通孔5に設けた操作部6の傾斜長孔9とにロック杆12を挿通配設し、このロック杆12を、上部開口部7から突出する操作部6の上端部を下方に向かって押圧する下動操作により横長水平ガイド孔11に沿って前後方向に水平移動してロック位置に移動し、下部開口部8から突出する操作部6の下端部を上方に向かって押圧する上動操作により横長水平ガイド孔11に沿って前後方向に水平移動してロック解除位置に移動するように構成し、このロック杆12がロック位置に移動した際、このロック杆12と係合して底板部1の折り畳み方向への回動動作を不能にするロック杆係合部13を左右夫々の側部3に設けた構成としている。
以下、本実施例の折り畳み操作ロック機構について更に具体的に説明する。
底板部1に設けた貫通孔5は、図4に示すように、開口部形状を横長方形状に形成し、底板部1の前側中央部に設けた構成としている。
即ち、本実施例は、後述する操作部6を一か所に設けた構成とし、片手で操作可能な構成としている。
また、上部開口部7の開口縁に沿って板状に形成した当接部24を内方に向けて水平突設状態に設け、後述する操作部6を上動操作した際、操作部6がこの当接部24に当接して上動操作を停止するように構成している。
即ち、本実施例の貫通孔5は、この当接部24によって上部開口部7が下部開口部8よりも小径となり、この貫通孔5に配設する操作部6を上部開口部7から出し入れ不能とし、下部開口部8から出し入れ可能な構成としている。
また、この貫通孔5に収容配設する操作部6は、図3に示すように、横長方形状の箱状に形成し、左右側面に前下がり傾斜する傾斜長孔9を対向状態に設けた摺動部6Aと、この摺動部6Aの上面に突設した上側操作凸部6Bと、下面に突設した下側操作凸部6Cとから成り、上側操作凸部6Bの上面を下方に向けて押圧する下動操作を行うことにより、摺動部6Aが上述した貫通孔5の内周面を摺動案内面として下方に摺動し、下側操作凸部6Cの下面を上方に向けて押圧する上動操作を行うことにより、摺動部6Aが貫通孔5の内周面を摺動案内面として上方に摺動する、上下移動自在に設けた構成としている。
また、上側操作凸部6Bは、操作部6を下動操作した際、即ち、折り畳み操作ロック機構をロック操作した際、貫通孔5内に収容され、上面が底板部1の載置面1Aと面一状態になる、若しくは底板部1の載置面1Aよりも下方に位置するように構成し、上動操作した際、即ち、折り畳み操作ロック機構をロック解除操作した際、上側操作凸部6B全体が底板部1の載置面1A上に突出するように構成している。
即ち、本実施例は、操作部6を下動操作して折り畳み操作ロック機構をロックした際、底板部1の貫通孔5の上部開口部7から上側操作凸部6Bが突出せず、底板部1の載置面1A全面が平坦になり、底板部1全面を載置部として広く利用することができるように構成している。
更に、この上側操作凸部6Bが上部開口部7から突出していないことを視認することで、折り畳み操作ロック機構がロック状態であることを容易に認識することができる構成とし、逆に、上側操作凸部6Bが上部開口部7から突出した状態を視認することで、折り畳み操作ロック機構がロック解除状態であることを容易に認識することができる構成としている。
また、ロック杆12は、金属製の丸棒状体から成り、図4に示すように、底板部1の左右方向よりも稍短い長さに設定し、底板部1の裏面側に収納配設し得る構成としている。
また、このロック杆12は、図4,5に示すように、底板部1の裏面側に設けた複数の補強板部10に挿通し支持されながら前後方向に移動自在に設けた構成としている。
具体的には、補強板部10は、底板部1の前側中央部に設けた貫通孔5の左右両側に、この貫通孔5の左右側面と平行に、所定の間隔をおいて並設した構成としている。尚、本実施例では、貫通孔5の左右側面も、この補強板部10から成る構成としている。
更に、各補強板部10は、板面に前後方向に長さを有する横長水平ガイド孔11を連通状態に設けると共に、この横長水平ガイド孔11が、貫通孔5内に配設した操作部6の傾斜長孔9の一部とも連通状態となるように構成し、この連通状態の横長水平ガイド孔11及び傾斜長孔9に挿通配設して、横長水平ガイド孔11に沿って前後方向に水平移動自在に設けた構成としている。
また、本実施例では、図6に示すように、このロック杆12を横長水平ガイド孔11及び傾斜長孔9に挿入配設する際、底板部1の左右一方側の側周面に設けたロック杆挿入孔14から挿入し、挿入後、このロック杆挿入孔14を閉塞蓋15で閉塞して抜け止め状態に設けた構成としている。
また、このロック杆12と係合するロック杆係合部13は、図2に示すように、金属板材を鉤状に形成し、左右の各側部3の板状に形成した車輪取付け部16の板面上、若しくは車輪取付け部16に隣接する下部フレーム3A上面に突出先端部13Aを前方に向けて立設状態に設けた構成としている。
また、本実施例のロック杆係合部13は、ロック杆12がロック位置に移動した際、ロック杆12が当接する位置に配設した構成とし、操作部6を下動操作して折り畳み操作ロック機構をロックさせた際、金属製のロック杆12が金属製のロック杆係合部13に当接して「カチン」という金属音を発するように構成し、この金属音により、ロック杆12とロック杆係合部13との係合状態を確認しなくてもロック杆12がロック杆係合部13と係合状態にあり、折り畳み操作ロック機構がロック状態となったことを認識できるように構成している。
また、本実施例は、図4に示すように、底板部1の裏面にロック杆係合部収容凹部25を設け、底板部1を水平状態に配設した際、このロック杆係合部13がロック杆係合部収容凹部25内に収納されるように構成している。
上述のように構成した本実施例の作用・効果について以下に説明する。
本実施例を折り畳み収納状態から使用状態に展開する際は、先ず、折り畳み収納状態の右側部3を開き回動して背部2に対して直交状態にする。
この際、左右側部3間に架設杆20を架設することで、右側部3を背部2に対して容易に直交状態にすることができる。
次に、図7,8に示すように、背部2に折り畳み重合している底板部1を伏倒回動させて、背部2の下部フレーム2A及び左右側部3の各下部フレーム3Aに支持される水平状態にする。
この際、左右側部3に立設しているロック杆係合部13は、底板部1の裏面に設けたロック杆係合部収容凹部25に収容されるので、底板部1は、このロック杆係合部13と干渉することなく水平状態となることができる。
最後に、図9に示すように、上部開口部7から突出している操作部6の上側操作凸部6Bの上面を下方に向けて押圧し、操作部6を下動操作し、折り畳み操作ロック機構をロックし、この水平状態にした底板部1を起立回動不能にし、完了となる。
詳細には、操作部6を下動操作すると、操作部6の摺動部6Aが貫通孔5の側周面に沿って摺動しながら下動し、この摺動部6Aの下動により、操作部6(摺動部6A)に設けた傾斜長孔9の上側傾斜縁が、この傾斜長孔9に挿通したロック杆12を押圧し、押圧されたロック杆12が、傾斜長孔9の上側傾斜縁を摺動しながら、横長水平ガイド孔11によって上下方向の移動が規制され、ロック杆係合部13に接近する後方側にスムーズに水平移動し、ロック杆係合部13に当接係合するロック位置、具体的には、ロック杆係合部13の突出先端部13Aの真下の空間部13Bに移動する。
この空間部13Bに移動したロック杆12は、底板部1を起立回動すると、上方に持ち上げられて突出先端部13Aに当接するため、起立回動が阻止され、底板部1の水平状態が保持されることとなる。
また、本実施例は、このロック杆12がロック位置に移動した際、金属製のロック杆12が金属製のロック杆係合部13に当接して「カチン」という金属音を発するので、ロック杆12とロック杆係合部13との係合状態を確認しなくてもロック杆12がロック杆係合部13と係合状態にあり、折り畳み操作ロック機構がロック状態となったことを認識できる。
また、本実施例は、ロック杆12が金属製のロック杆係合部13に当接して移動が停止するので、ロック杆12が横長水平ガイド孔11の後側端縁に当接しないので、横長水平ガイド孔11の後側端縁がロック杆12の当接による摩耗劣化や変形がなくなり、よって、この横長水平ガイド孔11を設けた補強板部10の破損を可及的に低減することができる。
また更に、本実施例は、この折り畳み操作ロック機構をロック状態にした際、操作部6の上側操作凸部6Bが貫通孔5内に収容され、上部開口部7から突出していないので、例えば、本実施例をフォークリフト等の運搬装置で運搬する際、運転手が運転席から底板部1の載置面1Aを目視し上部開口部7から操作部6の上側操作凸部6Bが突出していないことを視認することで、一々運転席から降りて底板部1のロック状態を確認しなくても容易に底板部1がロック状態であることを認識でき、安心して運搬作業を行うことができる。
尚、本実施例を使用状態から収納状態に折り畳む際は、上述した手順を逆に行なえば良い。
また、折り畳み収納する際、折り畳み操作ロック機構をロック解除し、底板部1を起立回動自在な状態にするが、本実施例は、この折り畳み操作ロック機構をロック解除するために、貫通孔5の下部開口部8から突出する下側操作凸部6Cを上方に向けて押圧し操作部6を上動操作した際、ロック杆12が横長水平ガイド孔11の前側端縁に当接する前に、操作部6が上部開口部7の開口縁に設けた当接部24に当接して移動停止するように構成したから、下動操作時と同様に、横長水平ガイド孔11の後側端縁がロック杆12の当接による摩耗劣化や変形がなくなり、よって、この横長水平ガイド孔11を設けた補強板部10の破損を可及的に低減することができる。
このように、本実施例は、折り畳み操作ロック機構の構成部品を操作部6とロック杆12とロック杆係合部13のわずか三部品という少数で構成し、且つ、極めて簡易な構成としたから、製造時の組み付けが容易で安価に製造することができる。
しかも、本実施例は、折り畳み操作ロック機構のロック操作及びロック解除操作を、底板部1の回動操作方向と同じ方向、即ち、ロック操作方向は、底板部1を伏倒回動操作する方向と同じ方向の下動操作とし、ロック解除操作方向を、底板部1を起立回動操作する方向と同じ方向の上動操作としたから、底板部1の回動操作とロック若しくはロック解除のための操作部6の操作が一連の動作の中で行うことができ、極めて操作性に優れた折り畳み式運搬台車となる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 底板部
2 背部
3 側部
3A 下部フレーム
4 車輪部
5 貫通孔
6 操作部
6B 上側操作凸部
6C 下側操作凸部
7 上部開口部
8 下部開口部
9 傾斜長孔
11 横長水平ガイド孔
12 ロック杆
13 ロック杆係合部
16 車輪取付け部
23 補強パイプ

Claims (3)

  1. 運搬物を載置する底板部と、この底板部を囲むように立設した背部及び左右の側部と、この背部若しくは側部の下端に設けた車輪部とから成り、前記背部の下部側に前記底板部の一辺部を枢着して、この底板部を前記背部に対して折り畳み重合自在に設けると共に、この底板部の折り畳み操作を不能にする折り畳み操作ロック機構を備えた折り畳み式運搬台車において、前記折り畳み操作ロック機構は、操作部とロック杆とロック杆係合部とから成る構成とし、前記操作部は、方形状の箱状若しくはブロック状に形成すると共に、左右方向に貫通する傾斜長孔を設けた構成とし、合成樹脂製の前記底板部の前側部に設けた上下方向に貫通する貫通孔内に、この貫通孔の内周面を摺動案内面として上下垂直方向に摺動移動自在に設けた構成とし、前記ロック杆は、金属製の丸棒状体から成り、連通状態の前記貫通孔の左右側面に設けた横長水平ガイド孔と、前記貫通孔内に配設した前記操作部の前記傾斜長孔とに挿通配設した構成とし、前記ロック杆係合部は、金属板材を鉤状に形成し、左右の各側部の板状に形成した車輪取付け部の板面上、若しくは車輪取付け部に隣接する下部フレーム上面に立設状態に設けた構成として、前記底板部に設けた前記貫通孔の上部開口部から突出する操作部の上側操作凸部を下方に向かって押圧してこの操作部を押し下げ操作すると、この操作部が下動すると共にこの操作部の下動に伴い前記ロック杆が前記傾斜長孔の上側傾斜縁に押圧されこの上側傾斜縁に沿いつつ、前記横長水平ガイド孔によって上下方向の移動が規制され、前記底板部の前側若しくは後側に向かって水平移動し前記ロック杆係合部と係合して、前記折り畳み操作ロック機構がロック状態となって、前記底板部の折り畳み方向への回動動作が不能となり、この折り畳み操作ロック機構がロックされた状態で、前記底板部に設けた前記貫通孔の下部開口部から突出する操作部の下側操作凸部を上方に向かって押圧してこの操作部を押し上げ操作すると、この操作部が上動すると共にこの操作部の上動に伴い前記ロック杆が前記傾斜長孔の下側傾斜縁に押圧されこの下側傾斜縁に沿いつつ、前記横長水平ガイド孔によって上下方向の移動が規制され、前記底板部の後側若しくは前側に向かって水平移動し前記ロック杆係合部から離脱して、前記折り畳み操作ロック機構がロック解除状態となって、前記底板部の折り畳み方向への回動動作が可能となるように構成したことを特徴とする折り畳み式運搬台車。
  2. 前記ロック杆係合部を、前記ロック杆がロック位置に移動した際、このロック杆が当接する位置に配設して、前記操作部を押し下げ操作すると、前記ロック杆が前記ロック杆係合部に当接して金属音を発するように構成したことを特徴とする請求項1記載の折り畳み式運搬台車。
  3. 前記底板部は、ハニカム構造にした載置部に、左右方向に横断する金属製の補強パイプを設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の折り畳み式運搬台車。
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