JP5833916B2 - ハートカム機構及びハートカム機構を備えた物入れ装置 - Google Patents

ハートカム機構及びハートカム機構を備えた物入れ装置 Download PDF

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Description

本願発明は、取付部材に軸支された回動部材の回動動作を制御するハートカム機構及びハートカム機構を備えた物入れ装置に関するものであり、特に、車両に用いられる蓋体の回動動作を制御するハートカム機構及びハートカム機構を備えた物入れ装置に関するものである。
従来から、取付部材に軸支された回動部材を、ハートカム機構を用いて制御する構成が多数採用されている。例えば、運転席と助手席との間に配置されるコンソールボックスでは、コンソールボックスの開口部を覆う蓋体の回動動作をスムーズに行わせるため、ハートカム機構が用いられている。
ハートカム機構を用いることにより、スプリングの付勢力によって開方向に付勢されている蓋体を、閉状態に維持することも、閉状態を解除して開状態まで回動させる一連の動作を滑らかに行わせることができる。また、逆に、手動操作によって蓋体を開状態から閉状態に回動させるときも、この回動動作を滑らかに行うことができ、しかも、閉状態でのロックが滑らかに行われる。
コンソールボックスにおいて、蓋体の回動制御にハートカム機構を用いた構成としては、開閉部材の制動機構の発明が特許文献1に提案されている。特許文献1に記載された開閉部材の制動機構では、容器ホルダーの本体側に円弧状のガイド部が形成され、ガイド部に係合してガイド部内を移動するロックピンが、容器ホルダーの本体側から立設した回転軸に軸支されたアームの自由端側に設けられている。
また、アームとアームを軸支する回転軸との間には、回転式ダンパが介在されている。そして、蓋体には、蓋体を開方向に付勢するスプリングが作用している。蓋体の開閉動作を行う際にロックピンが移動するガイド部の溝幅形状としては、溝部の始点における溝幅、終点における溝幅、始点と終点との間にある中間部における溝幅が、全てロックピンの外形寸法と略等しい溝幅に形成されている。
特開2003−118467号公報
特許文献1に記載された発明では、ロックピンが移動するガイド部の溝幅形状として、溝の全長に亘って全てロックピンの外形寸法と略等しい溝幅として形成されている。そのため、例えば、射出成形等により形成されたロックピンの太さ径や、アームに対する取付角度等において寸法誤差が生じた場合には、ロックピンがガイド部の溝内を移動するときに、ロックピンと溝との間において強干渉が発生してしまう虞が生じる。
ロックピンと溝との間において強干渉の発生している部位が、ロックピンの移動において最も滑らかな移動が必要となる中間部分、即ち、溝における始点と終点との中間部分の領域であると、蓋体の開閉時における操作性やフィーリングを悪化させることになる。そして、強干渉によって耳障りな異音が発生したり、蓋体の回動途中において不作動を起こして回動が停止してしまうなど、製品としての品質の低下を招いてしまう。
また、使用者が蓋体に対して正常な操作を行わない場合、例えば、蓋体をハートカム機構による保持に抗して無理にこじ開けようとした場合には、ハートカム機構を構成する部品に対して破損を生じさせてしまう虞れがある。ハートカム機構を構成する部品に破損を生じさせたときには、蓋体を閉状態で保持しておく機能が失われ、蓋体は開いた状態のままになってしまう。このような状態になると、美観上もコンソールボックスとしての機能上からも好ましくない状態になる。
そこで、ハートカム機構を構成する部品の連動関係を一時的に解除可能に構成することで、蓋体に対して異常な操作が行われた場合でも、ハートカム機構を構成する部品の破損を免れるような工夫をすることが考えられる。しかしながら、部品の破損を回避できても、蓋体の正常動作が失われた状態になってしまうのであれば、使用者にとっては故障状態であることに変わりがない。
また、数多く行われることではないが、使用者自らが蓋体を分解などして修理した場合には、蓋体の分解修理時に蓋体の一部を破損してしまったり、蓋体を付勢しているバネ部材を正しく装着させることができなくなってしまうことがある。自己修復可能なハートカム機構であれば、使用者等による修理は必要なくなるが、自己修復が迅速に行われるものでなければ、やはり使用者にとって不安や不満を与えてしまうことになり、好ましいものにはならない。
本願発明は、上述した従来の問題を解決し、ロックピンの移動において最も滑らかな移動が必要となる中間部分の領域において、ロックピンとカム溝との間で強干渉が発生するのを確実に防止し、可動部材がスムーズに回動することができ、しかも、可動部材に対して無理な操作が行われても、ハートカム機構の損傷を防止し、しかも、自己修復を迅速に行うことのできるハートカム機構及びハートカム機構を備えた物入れ装置の提供を目的としている。
本願発明の課題は、請求項1〜3に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明のハートカム機構では、可動部材と、前記可動部材を回動可能に軸支する取付部材と、前記可動部材と一体的に回動し、前記可動部材の回動軸を中心に円弧状の軌跡を描くように移動する自由端部側にロックピンを立設したアームと、前記ロックピンが係合して移動する円弧状のカム溝を有するハートカム部材と、を備え、
前記カム溝における一方の端末側にロックピン係脱保持部が構成され、前記ハートカム部材が、前記カム溝の両端末間における中間部の領域において、前記可動部材の回動軸と平行に形成されかつ前記取付部材に立設された第2回動軸に軸支され、前記ハートカム部材が、前記可動部材の回動に連動して所定角度の範囲内で前記第2回動軸を中心に回動され、
前記カム溝の溝幅形状が、前記カム溝の前記中間部の領域において、前記カム溝の溝幅を前記中間部の領域を除く他の部位における溝幅よりも幅広に形成され、前記カム溝の両端末部において、前記ロックピンの外形寸法と略等しい溝幅に形成されてなり、溝幅を幅広に形成した前記カム溝の領域と前記カム溝の前記両端末との間が、前記カム溝の溝幅が徐変して滑らかに連結されてなることを最も主要な特徴としている。
また、本願発明のハートカム機構では、前記ロックピンが前記ロックピン係脱保持部によって保持されている状態のときに、前記アームが回動して、前記ロックピン係脱保持部による前記ロックピンの保持状態を無理に解除する力が前記ロックピンに作用したときには、前記ロックピンを前記ロックピン係脱保持部での保持から離脱させることを主要な特徴としている。
本願発明の物入れ装置では、本願発明のハートカム機構を備え、前記取付部材としての収納体と、前記可動部材としての前記収納体の開口を覆う蓋体とを備えたことを最も主要な特徴としている。
本願発明に係わるハートカム機構では、ロックピンの移動において最も滑らかな移動が必要となる中間部分の領域において、カム溝の溝幅が他の部位における溝幅よりも幅広に形成されている。この構成によって、製品細部の構成において寸法誤差等が生じている場合であっても、あるいは、ロックピンやカム溝において熱変形の影響が生じて、ロックピンとカム溝との間での位置関係に誤差が生じたとしても、前記中間部分の領域では、カム溝の溝幅が他の部位における溝幅よりも幅広に形成されているので、寸法誤差や熱変形の影響を幅広の溝幅によって吸収することができる。そして、ロックピンは、カム溝の中間部分の領域においてカム溝と強干渉せずに自由に移動することができるので、可動部材の回動をスムーズに行わせることができる。
このように、ロックピンが移動する軌跡の中間領域において、カム溝の溝幅が幅広に構成されているので、この中間領域においてロックピンはカム溝の側面に対して非接触状態で移動することができる。この構成により、ロックピンの移動としては、中間領域における非接触状態から生ずる円滑な移動を行うことができる。
また、ハートカム部材は、カム溝の両端末間における中間部の領域に配設した第2回動軸を中心として、可動部材の回動に連動して所定角度の範囲内で回動することができる。即ち、ハートカム部材は、第2回動軸を中心としてシーソー動作を行うことができる。そして、第2回動軸に近いほど、ハートカム部材の回動によるカム溝の移動量は少なくなるので、第2回動軸の近傍ではシーソー動作による影響がほとんど及ぼさなくなる。しかも、シーソー動作による影響がほとんど及ぼさない第2回動軸の近傍におけるカム溝の溝幅は、幅広に構成されているので、シーソー動作による影響がカム溝の中間部に係合しているロックピンに対してほとんど及ばない構成にできる。
幅広に形成した中間部分の領域から両端末に向かうに従って、カム溝の溝幅が徐々に狭くなるように形成されているので、カム溝の中間部分においてロックピンがカム溝の側壁に摺接していなくても、徐々にロックピンはカム溝の側壁に摺接することができ、カム溝の両端末部に向かって確実に案内されて移動していくことができる。
しかも、ロックピンとカム溝との間で取付位置に関する位置ずれ等が生じている場合であっても、溝幅が徐々に狭くなるように形成されているカム溝の部位との間において強干渉が発生しようとしても、強干渉状態を回避する方向にハートカム部材又はアームは個別に回動することができる。そして、このハートカム部材又はアームの回動によって、強干渉状態の発生は回避される。
カム溝の両端末部における溝幅は、ロックピンの外形寸法と略等しい溝幅に形成されている。そして、回動方向にバネ付勢されている可動部材の回動によって、アームが回動してロックピンが回動方向の終点側である一方の端末部に達したときには、ロックピンは一方の端末部におけるカム溝の溝幅内に係合することができ、しかもバネ力による回動方向への付勢力が作用しているので、回動部材に対して回動終点での状態を維持することができる。
また、バネ力による可動部材の回動始点側では、カム溝内にはハートカムが配設されており、ロックピンがハートカムのロックピン係脱保持部である係合凹部に係合することに
よって、ロックピンの移動が規制されることになる。しかもこのとき、ロックピンは係合凹部におけるカム溝の溝幅に係合することになるので、ロックピンが係合凹部から外れてしまうのを抑えておくことができる。そして、可動部材は回動方向に付勢しているバネ力に抗して、回動始点側における状態が維持されることになる。
そして、振動等が取付部材に加わったとしても、回動部材の回動始点側及び回動終点側において可動部材が取付部材に対して相対的に振動するのを、ロックピンがカム溝の溝幅に係合していることによって防いでおくことができる。これにより、可動部材の振動によって生じる雑音の発生を防止しておくことができる。
本願発明におけるハートカム機構では、ロックピンがロックピン係脱保持部によって保持されている状態のときに、可動部材に対して無理な操作が加わったときには、アームが弾性変形して、ロックピンをロックピン係脱保持部から離脱させることができる。
しかも、ロックピン係脱保持部から離脱したロックピンは、ロックピン係脱保持部を乗り越えて幅広に構成されているカム溝内に進入することができるので、弾性変形したアームは迅速に弾性復帰を行うことができる。そして、正常状態としてのロックピンとカム溝との配置関係が再構成されるので、可動部材は正常の作動を奏することができる。
このように、使用者が無理に可動体を操作しても、ハートカム機構が損傷することなく、アームの弾性変形によって回避することができる。そして、ハートカム機構の損傷を回避した後には、迅速に正常なハートカム機構に復帰することができる。このように、中途半端な状態で故障を知った使用者が、あわてて可動体を動かしてしまう前に、ハートカム機構の作動を正常に復旧させることができる。即ち、使用者が異常を感じる前に、ハートカム機構を迅速に復旧させることができる。
本願発明のハートカム機構を備えた物入れ装置では、取付部材として物を入れる収納体を構成し、可動部材の構成として収納体の開口を覆う蓋体を構成しておくことができる。
このように構成しておくことにより、蓋体の回動をスムーズに行わせることができる。そして、寸法誤差や熱変形の影響が生じていたとしても、蓋体付きの収納体としての品質向上を図ることができる。
蓋体を閉状態としたコンソールボックスの斜視図である。(実施例1) ハートカム部材とコンソールボックスとの分解状態を示す図である。(実施例1) 蓋体の開状態と閉状態との中間状態を示す斜視図である。(実施例1) 蓋体の開状態を示す斜視図である。(実施例1) ハートカム部材の他の構成を示すコンソールボックスの斜視図である。(実施例2) ハートカム部材の別の構成を示すコンソールボックスの斜視図である。(実施例2)
本願発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わるハートカム機構としては、以下においては、車両のコンソールボックスの開口部を覆う蓋体の回動を制御するハートカム機構を例に挙げて説明を行う。
しかし、本願発明に係わるハートカム機構としては、コンソールボックスの開口部を覆う蓋体の回動を制御する構成に限定されるものではなく、可動部材と連動してハートカム
部材又はアームが回動することができる構成であれば、本願発明を好適に適用することができる。このため、本願発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1〜図4を用いて、本願発明に係わるハートカム機構について説明する。図1に示すように、ペットボトルやビン、缶等の容器を収納することができるコンソールボックス1の開口部は、蓋体2の回動によって開閉状態にすることができる。隣同士がぶつからない様に複数の容器をそれぞれの収納空間8内に収納するため、コンソールボックス1内は、図3、図4で示すようにボトルホルダ片7によって仕切られた構成になっている。
また、コンソールボックスを覆うカバー内にコンソールボックス1を取り付けるときに、後述するハートカム機構6が損傷したり、ハートカム機構6における回動が他の部材によって干渉されないようにするため、ハートカム機構6の下方には補強片9が設けられている。
蓋体2の左右に設けた一対の回動軸3を回動中心とした構成で、蓋体2はコンソールボックス1に軸支されている。即ち、図3、図4に示すように、蓋体2の左右側縁に設けたフランジ部2aの先端側には、フランジ部2aの外面側から回動軸3が立設された構成になっている。
尚、回動軸3の構成としては、フランジ部2aの外面側から立設された構成に限定されるものではなく、蓋体2の回動を取り出して、取り出した蓋体2の回動をアーム4の回動に利用することができる構成であれば、他の適宜な構成を採用することができる。
また、蓋体2には、蓋体2を開方向に付勢する図示せぬバネが作用している。更に、前記図示せぬバネ力によって蓋体2が開方向に回動するときに、蓋体2の回動をスムーズにしかもゆっくりと軽やかに回動させるため、コンソールボックス1の一方の側面に配設した一方の回動軸3には、図示せぬ回転式ダンパが設けられている。回転式ダンパの構成としては、従来から公知の構成を採用することができる。そして、コンソールボックス1の他方の側面1aに配設した他方の回動軸3には、図1で示すようにハートカム機構6が設けられている。
コンソールボックス1における左右の側面(図示例では、他方の側面1aを示している。)には、コンソールボックス1の強度を高めるため、補強用リブ1bが形成されている。
図2に示すように、ハートカム機構6は、蓋体2の回動軸3に固定されて、蓋体2と一体的に回動するアーム4と、アーム4の自由端においてアーム4の端面から垂直に立設したロックピン5と、ハートカム部材10と、ハートカム部材10を回動支持する回動支持部材17と、から構成されている。
そして、ロックピン5は、回動軸3を回動中心として円弧状の軌跡内を移動することができる。ハートカム部材10は略三日月形の形状において外周側となる領域の中央部には、ハートカム部材10の第2回動軸18に軸支される軸孔19が形成されている。ハートカム部材10は、第2回動軸18を中心として所定の角度範囲内で回動することができる。言い換えると、ハートカム部材10は、第2回動軸18を中心としてシーソー動作を行うことができる。
ハートカム部材10は、略三日月形の形状において内周側となる領域に沿って、カム溝12が形成されている。カム溝12内にアーム4の自由端側に形成したロックピン5が係合することができる。カム溝12は、略円弧状のガイド溝として形成されており、カム溝12の溝幅は
、一方の端末部の領域12a及び他方の端末部の領域12bにおいて、ロックピン5の外周径と略等しい溝幅に形成されている。
そして、一方の端末部の領域12aと他方の端末部の領域12bとの間である中間部の領域12cにおける溝幅は、中間部の領域12cを除くカム溝12の他の部位における溝幅よりも広く構成されている。しかも、他の部位における溝幅よりも広く構成されている中間部の領域12cから両端末部の領域12a、12bに向かうのに従って、溝幅が徐々に狭く形成されており、両端末部の領域12a、12bにおいて溝幅は、ロックピン5の外周径と略等しい溝幅になっている。
このように本願発明では、第2回動軸18に近いカム溝12の部位ほど、ハートカム部材10がシーソー動作を行ってもカム溝12の移動量は少ないので、第2回動軸18の近傍ではシーソー動作による影響がロックピン5に対してほとんど及ぼされない。しかも、第2回動軸18の近傍におけるカム溝12の溝幅は、幅広に構成されているので、この幅広のカム溝12に係合しているロックピン5は、更に、シーソー動作による影響が殆ど及ぼされないことになる。
ロックピン5の外周径と略等しい溝幅になっている一方の端末部の領域12aとしては、蓋体2が開放状態となったときに、ロックピン5がカム溝12内で位置する部位として形成しておくことも、上記ロックピン5がカム溝12内で位置する部位の近傍も含めて形成しておくこともできる。
コンソールボックス1、蓋体2、ハートカム機構6等は、合成樹脂材を用いた射出成形やブロー成形等によって構成することができるが、上記各部材を金属板等で構成することもできる。
図2、図4で示すように、一方の端末部の領域12aにおいて、カム溝12の溝幅は、ロックピン5の外形寸法と略等しい溝幅に形成されている。これによって、回動方向にバネ付勢されている蓋体2によってアーム4も蓋体2の回動方向に付勢されることになる。そして、ロックピン5が一方の端末部の領域12aの奥部に達したときには、特に、ロックピン5が一方の端末部の領域12aの奥部におけるカム溝12の溝幅内に係合することができる。
しかもこのとき、バネ力によって、アーム4にはロックピン5を一方の端末部の領域12aの奥部側に押し込む付勢力が作用しているので、ロックピン5と一方の端末部の領域12aの奥部におけるカム溝との係合状態が維持されることになり、蓋体2としては開放状態が維持されることになる。
図1、図2に示すように、他方の端末部の領域12b内には、ハートカム11が配設されており、ハートカム11によって、カム溝12はハートカム11の周囲に第1区間15a、第2区間15b及び第3区間15cが形成されている。第2区間15bには、ロックピン5を係合させて蓋体2を閉状態に維持する係合凹部16が、ハートカム11の部位に形成されている。係合凹部16は、ロックピン5を係脱させることができるロックピン係脱保持部として構成されている。
第1区間15aの先端側には、カム溝12の中間部の領域12cを通り第1区間15a内を通ったロックピン5を、スイッチバック式にハートカム11の係合凹部16に移動させるための第1凹部14aが構成されている。ロックピン5が係合凹部16に係合すると、ロックピン5は蓋体2に作用しているバネ力によって係合凹部16側に押圧されることになり、ロックピン5と係合凹部16との係合状態が維持されることになる。そして、蓋体2は、コンソールボックス1の開口部を閉塞した状態に維持されることになる。
閉塞状態に維持されている蓋体2をバネ力に抗して一時的に更に閉方向に押圧することで、ロックピン5を係合凹部16との係合状態から開放させることができる。蓋体2を更に閉方向に押圧することにより、ロックピン5は係合凹部16との係合状態から開放されて、第2凹部14bに移動することができる。そして、蓋体2に作用しているバネ力によって、ロックピン5は、第2凹部14bからスイッチバック式に第3区間15cを通って中間部の領域12c内に移動することができる。
ロックピン5が、第2凹部14bから第3区間15cを通り、更に中間部の領域12cを通って一方の端末部の領域12aに移動するとき、蓋体2の回動軸3に設けた図示せぬ回転式ダンパが作用して、蓋体2の回動をスムーズにしかもゆっくりと軽やかに回動させることができる。また、蓋体2をコンソールボックス1の開口部を開放させた状態から閉塞させた状態に回動させるときも、図示せぬ回転式ダンパ及び蓋体2を開方向に付勢するバネ力によって蓋体2の回動に抵抗力を与えることができ、蓋体2を静かにしかも厳かに閉じることができる。
製造時の寸法誤差等によって、ロックピン5とカム溝12との間において係合状態での位置関係に誤差が生じている場合であっても、ロックピン5が一方の端末部の領域12aや他方の端末部の領域12bに来たときには、ハートカム部材10が第2回動軸18を中心として回動することができるので、位置関係における誤差をハートカム部材10の回動によって吸収することができる。
そして、振動等がコンソールボックス1に加わったとしても、蓋体2の開状態及び閉状態において蓋体2がコンソールボックス1に対して相対的に振動するのを、ロックピン5がカム溝12の溝幅に係合していることによって防ぐことができる。これにより、蓋体2の振動によって生じる雑音の発生を防止しておくことができる。
図3に示すように、ロックピン5がカム溝12の中間部の領域12cを通過しているときには、製造時の寸法誤差等によって、ロックピン5とカム溝12との間において係合状態での位置関係に誤差が生じているときには、ハートカム部材10が第2回動軸18を中心として回動しても、上記位置関係の誤差を全て吸収することはできない。
そこで、本願発明では、カム溝12における中間部の領域12cでの溝幅を、カム溝12の他の部位における溝幅よりも幅広に構成している。カム溝12を形成する一対の側壁が、回動軸3側に近い側の側壁13aと回動軸3側から遠い側の側壁13bとから構成されているものとする。
このとき、中間部の領域12cでの溝幅を、カム溝12の他の部位における溝幅よりも幅広に形成する構成方法としては、即ち、中間部の領域12cにおいて、側壁13aと側壁13bとの間隔における最短距離である溝幅を幅広に形成する構成方法としては、側壁13aから回動軸3までの距離を、回動軸3からロックピン5の中心までの長さからロックピン5の半径分を除いた長さ寸法よりも短い距離となるように構成しておくことができる。
あるいは、側壁13bから回動軸3までの距離を、回動軸3からロックピン5の中心までの長さ寸法からロックピン5の半径分を加えた長さ寸法よりも長い距離となるように構成しておくことができる。更には、中間部の領域12cにおいて、上述したように回動軸3からの距離となるように形成した側壁13aと側壁13bとを同時に両方とも備えた構成にしておくこともできる。
このように構成しておくことにより、アーム4に対するロックピン5の取付位置や取付角度に寸法誤差が生じたとしても、溝幅を幅広に形成したカム溝12の中間部の領域12cにお
いて誤差を吸収することができる。そして、ロックピン5の移動において最も滑らかな移動が必要となるカム溝12の中間部の領域12cにおいて、ロックピン5とカム溝12とが強干渉してしまうのを防止できる。そして、強干渉によって生じる騒音や蓋体2が回動途中で停止してしまうことを未然に防止できる。
これにより、回転式ダンパと相まって、蓋体2の回動をスムーズにしかもゆっくりと軽やかに回動させることができる。
カム溝12の中間部の領域12cからカム溝12の両端末部の領域12a、12bに移行するカム溝12の領域では、カム溝12の溝幅が中間部の領域12cでの溝幅から順次狭く形成され、両端末部の領域12a、12bにおいて形成したロックピン5の外周径と略等しい溝幅となるように漸減された構成になっている。
このように構成しておくことによって、中間部の領域12cにおいてロックピン5が側壁13aや側壁13bとの摺接状態から離間していたとしても、溝幅が漸減される領域をロックピン5が通ることによって、ロックピン5は徐々に側壁13a又は側壁13bに摺接することができる位置関係となり、両端末部の領域12a、12bにおいては側壁13aと側壁13bとによって確実に両端末部の領域12a、12bにおける奥部まで案内されることができる。そして、ロックピン5とカム溝12との間で、上述したように両端末部の領域12a、12bにおける作用を奏することができる。
また、本願発明では、ロックピン5を立設しているアーム4が捻じれ方向に対して弾性変形可能に構成されている。そのため、ロックピン5がロックピン係脱保持部である係合凹部16に係合しているときに、無理に蓋体2を開閉させる操作が行われた場合であっても、アーム4が捻じれ方向に弾性変形を行うことができ、ロックピン5と係合凹部16との係合状態を解除することができる。
そして、係合凹部16との係合状態を解除されたロックピン5は、係合凹部16を乗り越えてカム溝12内に係合することができる。特に、カム溝12の中間部における溝幅が幅広に構成されているいので、係合凹部16を乗り越えたロックピン5は、幅広のカム溝12内に係合し易くなる。そして、アーム4は、捻じれ状態が解除されるので、迅速に元の状態に弾性復帰することができる。
しかも、ロックピン5が係合凹部16を乗り越えてカム溝12内に係合した時点において、アーム4が弾性復帰した状態では、通常のアーム4とカム溝12との配置関係に戻っているので、ハートカム機構としては、その後正常な機能を奏することができる。
このように構成されているので、無理に蓋体2を開閉させる操作が行われても、使用者は、中途半端な状態での故障を感じることなく、通常の開閉操作をそのまま行うことができる。
図5、図6を用いて、本願発明に係わるハートカム機構6について、ハートカム部材20、25の変形例について説明する。図5に示すハートカム機構6の構成例では、アーム4及びアーム4に立設したロックピン5の構成は、実施例1における構成と同様の構成になっている。しかし、ハートカム部材20におけるカム溝22は、ハートカム部材20の表裏方向に貫通した孔形状に形成されており、この点での構成において、実施例1におけるハートカム部材10とは異なった構成になっている。ただし、カム溝22内に配されているハートカム21は、図5の表面側においてロックピン5と干渉しない状態でハートカム部材22の本体と連結固定された構成になっている。
他の構成は、実施例1における構成と同様の構成を備えており、実施例1における構成と同様の構成については、実施例1で用いた部材符号を用いることで、その部材についての説明を省略する。
図5に示したハートカム機構6においても、実施例1と場合と同様に、カム溝22の中間部の領域22cにおける溝幅は、カム溝22の他の部位における溝幅よりも幅広に形成されている。そして、カム溝22における一方の端末部の領域22a及び他方の端末部の領域22bでの溝幅は、ロックピン5の外形寸法と略等しい幅寸法に形成されている。また、中間部の領域22cから両端末部の領域22a、22bに掛けての領域では、中間部の領域22cから両端末部の領域22a、22bに向かって溝幅が漸減するように形成されている。
図6に示すハートカム機構6の構成例では、アーム4及びアーム4に立設したロックピン5の構成が、実施例1における構成とは逆に内向きに立設された構成になっている。そして、内向きに立設されたロックピン5を係合させるように、ハートカム部材20におけるカム溝22は、外向きに開口した形状に形成されている。
この点での構成において、図6に示したハートカム部材25とロックピン5との関連構成が、実施例1におけるハートカム部材10とロックピン5との関連構成とは異なった構成になっている。
他の構成は、実施例1における構成と同様の構成を備えており、実施例1における構成と同様の構成については、実施例1で用いた部材符号を用いることで、その部材についての説明を省略する。
図6に示したハートカム機構6においても、実施例1と場合と同様に、カム溝27の中間部の領域27cにおける溝幅は、カム溝27の他の部位における溝幅よりも幅広に形成されている。そして、カム溝27における一方の端末部の領域27a及び他方の端末部の領域27bでの溝幅は、ロックピン5の外形寸法と略等しい幅寸法に形成されている。また、中間部の領域27cから両端末部の領域27a、27bに掛けての領域では、中間部の領域27cから両端末部の領域27a、27bに向かって溝幅が漸減するように形成されている。
そして、他方の端末部の領域27b内には、ロックピン5の移動方向を制御するハートカム26が形成されている。
図5、図6に示した構成例においても、蓋体2の回動に連動してアーム4が回動し、アーム4の自由端側に設けたロックピン5が、ハートカム部材20、25のカム溝22、27内を移動することにより、実施例1で説明したと同様の作用を奏することができる。
本願発明の技術思想は、ハートカム機構を備えた構成に対して好適に適用することができる。
1・・・コンソールボックス、2・・・蓋体、3・・・回動軸、4・・・アーム、5・・・ロックピン、6・・・ハートカム機構、10、20、25・・・ハートカム部材、11、21、26・・・ハートカム、12、22、27・・・カム溝、12a、22a、27a・・・一方の端末部の領域、12b、22b、27b・・・他方の端末部の領域、12c、22c、27c・・・中間部の領域、16・・・係合凹部、18・・・第2回動軸。

Claims (3)

  1. 可動部材と、
    前記可動部材を回動可能に軸支する取付部材と、
    前記可動部材と一体的に回動し、前記可動部材の回動軸を中心に円弧状の軌跡を描くように移動する自由端部側にロックピンを立設したアームと、
    前記ロックピンが係合して移動する円弧状のカム溝を有するハートカム部材と、を備え、
    前記カム溝における一方の端末側にロックピン係脱保持部が構成され、
    前記ハートカム部材が、前記カム溝の両端末間における中間部の領域において、前記可動部材の回動軸と平行に形成されかつ前記取付部材に立設された第2回動軸に軸支され、
    前記ハートカム部材が、前記可動部材の回動に連動して所定角度の範囲内で前記第2回動軸を中心に回動され、
    前記カム溝の溝幅形状が、前記カム溝の前記中間部の領域において、前記カム溝の溝幅を前記中間部の領域を除く他の部位における溝幅よりも幅広に形成され、前記カム溝の両端末部において、前記ロックピンの外形寸法と略等しい溝幅に形成されてなり、
    溝幅を幅広に形成した前記カム溝の領域と前記カム溝の前記両端末との間が、前記カム溝の溝幅が徐変して滑らかに連結されてなることを特徴とするハートカム機構。
  2. 前記ロックピンが前記ロックピン係脱保持部によって保持されている状態のときに、前記アームが回動して、前記ロックピン係脱保持部による前記ロックピンの保持状態を無理に解除する力が前記ロックピンに作用したときには、前記ロックピンを前記ロックピン係脱保持部での保持から離脱させるように前記アームが弾性変形してなることを特徴とする請求項1に記載のハートカム機構。
  3. 請求項1又は2に記載のハートカム機構を備え、前記取付部材としての収納体と、前記可動部材としての前記収納体の開口を覆う蓋体とを備えたことを特徴とするハートカム機構を備えた物入れ装置。
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