JP5833813B2 - 卵白蛋白質組成物 - Google Patents
卵白蛋白質組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5833813B2 JP5833813B2 JP2010196280A JP2010196280A JP5833813B2 JP 5833813 B2 JP5833813 B2 JP 5833813B2 JP 2010196280 A JP2010196280 A JP 2010196280A JP 2010196280 A JP2010196280 A JP 2010196280A JP 5833813 B2 JP5833813 B2 JP 5833813B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- egg white
- protein composition
- white protein
- ovomucin
- band
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Description
卵白の起泡性や食感を改善する目的で、従来、卵白の粘度を調整する方法(特許文献1参照)や、卵白液を不完全に加熱変性して均質化処理する方法(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、前者では、なお、泡立て時間の早さ、泡立て高さや固さが不十分であり、後者においては、卵白を水で希釈した上で加熱変性処理を行う必要があるために、水分含量が多く体積が増えるため、これを食品製造に用いる際、取り扱い・運搬がしにくい、コスト高になるという問題があった。
さらに、液状卵白は、スプレードライ等で乾燥粉末化した後、加湿・加温(70〜80℃)して「熱蔵」されることがある(特許文献3参照)。熱蔵は、乾燥卵白を殺菌するために行われるが、熱蔵をすることにより、乾燥卵白が水に溶けにくくなるという問題点があった。
(1)加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱凝固物のゲル強度と比較して1.1倍以上であり、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α1-オボムチン及びα2-オボムチンが検出され、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα1-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα2-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%であることを特徴とする卵白蛋白質組成物。
(2)超遠心分離したときの沈殿物の質量が卵白蛋白質組成物全質量の1〜2%である(1)記載の卵白蛋白質組成物。
(3)表面疎水性が980〜1200である(1)又は(2)記載の卵白蛋白質組成物。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いて得た熱蔵乾燥卵白。
(5)卵白を高圧ホモジナイザー処理することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物の製造方法。
(6)(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いた固形状加熱食品。
(7)(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を起泡させてなる起泡食品。
(8)(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いた液状加熱食品。
本発明の卵白蛋白質組成物は、加熱ゲル強度が高いために、ハム・ソーセージ等の畜肉加工食品や、水産物加工食品に配合され食感の改良に使用され、これらの製品に多彩なテクスチャーを付与することができる。また、本発明の卵白蛋白質組成物は、熱水への分散性が向上し、蛋白質補給飲料などへの使用も可能になる。
加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱ゲル強度と比較して1.1倍以上であり、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析したとき、α1-オボムチン及びα2-オボムチンが検出され、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα1-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα2-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%
であることを特徴とする卵白蛋白質組成物に関する。
原料として用いる卵白は、トリの種類によって異なるが鶏卵の場合、固形分を約12%含み、そのうち卵白蛋白質は約11%であり、その他、少量の糖類等を含む。
卵白蛋白質は、トリの種類によって、その組成が異なるが、通常、約54質量%のオボアルブミン、約12質量%のオボトランスフェリン、約11質量%のオボムコイド、約3.5質量%のオボムチン、その他からなっている。
オボムチンは、卵黄周囲の濃厚卵白の粘度の発現に関わっている糖蛋白質であり、α-オボムチン及びβ-オボムチンの重合体として卵白中に含まれている。すなわち、通常、オボムチンは、卵白中で、α-オボムチンとβ-オボムチンがジスルフィド結合を介して超巨大分子化しており、繊維状構造体を形成し、ゲル状組織をとっている。
本発明者等は、卵白が高圧ホモジナイザーで特定条件により処理されることにより、意外にも、これを加熱して凝固させたゲル(加熱ゲル)のゲル強度が高められることを見出した。この加熱ゲル強度の改善は、卵白蛋白質の変性により生じるものであり、具体的には、高圧ホモジナイザー処理の圧力、流量又は処理回数に依存するが、原料として用いる卵白の加熱ゲルと比較して、1.1倍以上、最大1.5倍のゲル強度を示すことが確認された。
(a)卵白蛋白質濃度11質量%に調整した卵白蛋白質組成物を折径30mmのナイロン製のケーシングに充填して80℃で40分間加熱して加熱凝固物を製造する。
(b)加熱凝固物を5℃で24時間保存する。
(c)保存後の加熱凝固物を室温(20℃)に3時間放置して品温20℃にする。
(d)加熱凝固物をケーシングから取り出して、長さ方向に対して直角に厚さ3cmにカットする。
(e)カットされた加熱凝固物のゲル強度をFUDOH RHEO METER NRM-2010J-CW((株)レオテック製)で測定した値である。具体的には、ゲル強度は、加熱凝固物のカット品をカットした面のいずれか片方が底面となるように測定テーブルに置き、球形Φ8mmプランジャーを使用し、テーブル上昇速度6cm/分の条件でゲル強度(破断応力)を測定する。
本発明者等は、卵白が特定条件により高圧ホモジナイザーで処理されることにより、オボムチンの高次構造が変化するとともに重合体が分解され、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、単量体(α1-オボムチンとα2-オボムチン)のバンドのピーク面積が増加することを見出した。この卵白蛋白質の変性の程度は、高圧ホモジナイザーを用いた蛋白変性処理の強さ、具体的には、例えば、高圧ホモジナイザー処理の圧力、流量又は処理回数に依存する。そして、さらに、本発明者等は、この蛋白変性が特定の範囲である場合に上述したゲル強度の改善がされることを見出した。
デジタルゲルイメージャーを用いることにより、ゲルのバンドをデジタルカメラで撮影して得られた画像を解析して、バンドの濃淡を数値化することにより、バンドの位置(Pixel Position)に対するピクセル強度(Pixel Intensity)を得ることができる。
デジタルゲルイメージャーを用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターン中のα1-オボムチン及びα2-オボムチンとオボトランスフェリンのバンドから、α1-オボムチン及びα2-オボムチンとオボトランスフェリンの量を相対的に比較することができる。
さらに、本発明者等は、高圧ホモジナイザーで処理された卵白蛋白質組成物は、未処理卵白と比べて、超遠心分離したとき、沈殿物の質量が顕著に減少していることを見出した。この卵白蛋白質の沈殿物の減少の程度は、高圧ホモジナイザーを用いた蛋白変性処理の強さに依存する。また、この沈殿物の減少の程度が特定の範囲である場合に上述したゲル強度の改善がされる。
本発明者等は、さらにまた、卵白を高圧ホモジナイザー処理することによって、表面疎水性が僅かであるが増加すること、凝固開始温度が上昇することも見出した。表面疎水性が増加することは、高圧ホモジナイザー処理により卵白蛋白質が微変性し、高次蛋白質構造が開きほぐれたことを示唆している。また、本発明の卵白蛋白質組成物が乾燥して乾燥卵白にして熱蔵しても不溶化しないのは、高圧ホモジナイザー処理したことにより、卵白蛋白の凝固開始温度が高くなっているためであると推測される。この表面疎水性の増加は、高圧ホモジナイザーを用いた蛋白変性処理の強さに依存する。また、この表面疎水性の増加の程度が特定の範囲である場合に上述したゲル強度の改善がされる。
Hayakawa,S. and Nakai,S., Can. Inst. Food Sci. Technol. J. 18 No.4, 290-295(1985)の方法を一部変更して次のように表面疎水性を測定した。即ち、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に試料を溶解し、10,000×g、20分間の遠心分離で不溶物を除去し、これを50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈し、タンパク質濃度0.025%及び0.05%の試料溶液を調製した。
上述の構成を有する本発明の卵白蛋白質組成物は、このように従来の卵白蛋白質組成物にはない物性を有するものであるが、さらに、意外にも、泡立てたときの起泡特性が顕著に改善されていることが分かった。つまり、未処理の卵白と比べて、泡立ちが早く、且つ、固いことが分かった。
上述の構成を有する本発明の卵白蛋白質組成物は、さらに、意外にも、熱水中に分散した際の特性が顕著に改質されていることが分かった。未処理の卵白は熱水中に分散した場合、熱変性して沈殿物を生成して熱水が白濁するが、本願発明に係る卵白蛋白質組成物は、例えば、100℃の熱水中に流し入れ、攪拌した場合、沈殿は生じず、且つ、透明感のある分散状態になることが分かった。あるいは、室温程度の水中に卵白蛋白質組成物を入れて分散させた後、当該溶液を100℃に加熱しても沈殿は生じず、且つ、熱水が白濁しないことが分かった。
本発明の一実施形態に係る卵白蛋白質組成物の製造方法は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα1-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα2-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%となるように原料卵白に高圧ホモジナイザーを使用して蛋白変性処理を施す工程からなる。
(1)原料卵白
本実施形態に係る卵白蛋白質組成物を製造するには、まず、液卵白を用意する。液卵白としては、例えば、卵を割卵して卵黄と分離した生液卵白、これにろ過、殺菌、冷凍、濃縮等の処理を施したものの他、本発明の効果を損なわない範囲で、卵白中の成分を除去する処理、例えば、糖分を除去する脱糖処理やリゾチームを除去する処理を行なったもの等を用いることができる。
また、後述する乾熱(熱蔵)処理中に卵タンパク質中のアミノ基と反応してメイラード反応を起こし、褐変、不快臭の発生等の品質の低下を防止することができる点で、脱糖処理を行った液卵白を用いるのが好ましい。脱糖処理は、酵母、酵素、細菌等を用いて常法により行えばよい。
高圧ホモジナイザーとは、常圧下で高回転攪拌での均質化されるホモジナイザーではなく、均質クリアランス部に高圧力をかけて粒子を粉砕する装置を意味しており、例えば、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するもの等が挙げられる。高圧ホモジナイザーを使用して高圧力をかけることで、卵白蛋白質を変性、具体的には、オボムチン重合体の高次構造がほぐれ、分解するとともに、高いゲル強度を発現する変性した卵白蛋白質を得ることができる。
例えば、高圧ホモジナイザーで液卵白を処理する際の圧力は、処理に使用する高圧ホモジナイザーの種類、流量等にもよっても異なり、特に限定されるものではないが、所望のゲル強度を有する卵白蛋白質組成物を短時間で容易に得ることができることから、好ましくは10〜50MPa、より好ましくは10〜40MPaである。
このような範囲の圧力下において、液卵白を処理すると、卵白蛋白質に大きな衝撃力を付与することができ、卵白蛋白質を一層効率よく構造変化及び変性することができる。圧力が10MPa未満であると、卵白蛋白質に付与される衝突力が小さく、卵白蛋白質を変性させ難く、ゲル強度が1.1倍以上の卵白蛋白質組成物を得ることができない。また圧力が50MPaを超えると、卵白蛋白質が熱変性して不溶性の凝集物を生成しやすく、ゲル強度が1.1倍以上の卵白蛋白質組成物を得にくい。また、50MPaを超えると、卵白が熱変性するという問題も生じやすい。
本発明の熱蔵乾燥卵白とは、液状の卵白蛋白質組成物を噴霧乾燥、パンドライ、凍結乾燥、真空乾燥等の種々の方法で乾燥して得られた粉末状又はフレーク状の卵白であって熱蔵処理を施したものをいう。本発明の卵白蛋白質組成物を乾燥して得た乾燥卵白は、熱蔵処理されているにもかかわらず、不溶物が少ないという利点がある。これは、高圧ホモジナイザーによる蛋白変性処理によって卵白蛋白の凝固開始温度が高くなっており、熱蔵処理時に蛋白質が熱変性しにくいためであると推測される。
本実施形態に係る卵白蛋白質組成物は、添加剤を用いずにゲル強度等の点から改質されていることから、風味等の悪影響を与えずに種々の食品に利用することにより優れた品質改良効果が得られる。具体的には、例えば、以下の食品が挙げられる。
400個の殻付卵を割り、全卵から卵白のみを分離して、10kgの未調整卵白を得た。未調整卵白(蛋白質濃度:11%)の品温を約25℃に調整し、高圧ホモジナイザーのインバータ周波数を60Hzに設定して、12.5、25、37.5、及び50MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理を1回行った。圧力が、12.5、25、37.5及び50MPaで処理したサンプルが本発明品に相当する。高圧ホモジナイザー処理を行わない卵白(未処理品)、5MPaの圧力でホモジナイザー処理をした卵白が対照品となる。高圧ホモジナイザー処理には、株式会社イズミフードマシナリ製ホモゲナイザー(型番HV−0H)を用いた。
サンプル1〜3、対照品1及び未処理卵白を、それぞれSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法用のサンプルバッファーで希釈して蛋白質濃度が0.1mg/mLになるよう調整し、沸騰水浴上で5分間加熱して電気泳動用サンプルとした。
サンプル1〜4、及び未処理卵白を、それぞれ約10gずつ遠心管に取り、152,000gで30分間超遠心分離処理した。その後、上層液を除去し、前記の測定方法により沈殿物の質量を測定した。沈殿物質量の測定のために用いた超遠心機は日立工機株式会社製超遠心機(型番CS150NX)であった。結果を表3に示す。
前記の方法により、表面疎水性及び相対表面疎水性を測定した。
結果を表4及び図3に示す。
37.5MPaでの高圧ホモジナイザー処理品(サンプル3)及び未処理品について、凝固開始温度を測定した。
試料を10mL容試験管に4mLずつ分注し、プログラム恒温機で55℃から80℃まで1℃/minの速度で昇温し、55、60、62.5、65、67.5、70及び80℃に達温後、氷水で冷却したものの物性を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
1:原料卵白(未処理品)と同等の物性
2:下方45度に傾けた時に素早く流動する
3:下方45度に傾けた時にゆっくり流動する
4:下方45度に傾けた時にプリプリと揺れるが流動しない
5:逆さまにしても全く動かない
これを基準に0.5刻みで評価した。大きい数字ほど固化していることを示す。
乾燥卵白は、液卵白を脱糖後、高圧ホモジナイザー処理し、スプレードラヤーを用いて噴霧乾燥した。その後、乾燥卵白の水分含量が約7%になるよう清水を噴霧し、アルミ袋に充填して密封後、75℃で16日間及び20日間それぞれ静置した。加熱処理した乾燥卵白35gに対して、清水245gを加えて撹拌混合した。その結果、熱蔵して16日目及び20日目の試料は、清水に一部溶解しないものが認められ、溶解液と不溶部分に分離したため、溶解液の容量を測定し、溶解液の割合を算出した。
サンプル1〜4、及び未処理卵白の起泡性を測定した。
気泡高さと固さの測定方法は次のとおりである(加糖試験)。
各サンプルを600gずつ計量し、これにそれぞれ上白糖600gを溶解し、品温20℃に保持してミキサー(ホバート・コーポレーション社製、ホバートミキサー A−120型)にて、ホイッパーを用いて高速撹拌(380rpm)して、2分おきに泡の高さと固さを測定した。
卵白蛋白質組成物(サンプル2)を用いて、下記のようにタマゴスプレッドを製造した。すなわち、卵白蛋白組成物を折径57mmのケーシング袋に充填し、80℃のボイル槽で40分間加熱処理して製した加熱凝固卵白を約1cm四方にダイスカットしたもの40部、液卵黄を折径57mmのケーシング袋に充填し、80℃のボイル槽で40分間加熱処理して製した加熱凝固卵黄を約1cm四方にダイスカットしたもの40部、及びマヨネーズ20部を用意した。次いで、全原料を混合タンクに投入し、加熱凝固卵が崩れない程度の攪拌速度でゆっくり攪拌しながら混合してタマゴスプレッドを得た。得られたタマゴスプレッドを食したところ、加熱凝固卵白が適度な固さを有して食感がよく、食味も良好であった。
卵白蛋白質組成物(サンプル1)を用いて、下記のようにスポンジケーキを製造した。すなわち、卵白蛋白組成物700部に砂糖375部を加えてミキサーに投入し15分間撹拌して起泡させた。また、これとは別に、液卵黄300部に砂糖375部を加えて同様にミキサーで起泡させた。続いて、これらの起泡物と小麦粉750部を混合機で混ぜて生地を調製した。得られた生地を直径18cmのスポンジケーキ用の丸型に流し込み、170℃のオーブンで30分間焼成し、室温にてあら熱をとり、型からはずし、スポンジケーキを得た。得られたスポンジケーキは、外観状ふっくらとしてボリューム感があり食味も良好であった。
卵白蛋白質組成物(サンプル3)を用いて、下記のように中華スープを製造した。すなわち、卵白蛋白組成物5部、粉末鶏がらだし5部、清水90部を混合し、得られた混合液を鍋で品温90℃まで加熱することにより中華スープを得た。得られた中華スープを食したところ、卵白が略均一に分散しており、食味も良好であった。
Claims (7)
- 加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱凝固物のゲル強度と比較して1.1倍以上であり、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α1-オボムチン及びα2-オボムチンが検出され、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα1-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα2-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%であり、
表面疎水性が980〜1200であることを特徴とする卵白蛋白質組成物。 - 超遠心分離したときの沈殿物の質量が卵白蛋白質組成物全質量の1〜2%である請求項1記載の卵白蛋白質組成物。
- 請求項1または2のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いて得た熱蔵乾燥卵白。
- 卵白を高圧ホモジナイザー処理することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物又は請求項3に記載の熱蔵乾燥卵白の製造方法。
- 請求項1乃至2のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物又は請求項3に記載の熱蔵乾燥卵白を用いた固形状加熱食品。
- 請求項1乃至2のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物又は請求項3に記載の熱蔵乾燥卵白を起泡させてなる起泡食品。
- 請求項1乃至2のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物又は請求項3に記載の熱蔵乾燥卵白を用いた液状加熱食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010196280A JP5833813B2 (ja) | 2010-09-02 | 2010-09-02 | 卵白蛋白質組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010196280A JP5833813B2 (ja) | 2010-09-02 | 2010-09-02 | 卵白蛋白質組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012050389A JP2012050389A (ja) | 2012-03-15 |
JP5833813B2 true JP5833813B2 (ja) | 2015-12-16 |
Family
ID=45904551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010196280A Active JP5833813B2 (ja) | 2010-09-02 | 2010-09-02 | 卵白蛋白質組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5833813B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103263036B (zh) * | 2013-06-14 | 2014-07-09 | 迟玉杰 | 一种高速溶性、无苦腥味蛋清粉的制备方法 |
JP5879002B1 (ja) * | 2015-03-02 | 2016-03-08 | キユーピー株式会社 | 加熱液全卵の製造方法 |
JP6510717B1 (ja) * | 2018-09-14 | 2019-05-08 | キユーピー株式会社 | 加熱凝固卵白の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5635965A (en) * | 1979-08-29 | 1981-04-08 | House Food Ind Co Ltd | Production of albumen-containing food material |
JP3054367B2 (ja) * | 1996-04-18 | 2000-06-19 | キユーピー株式会社 | 卵白組成物 |
JP4809396B2 (ja) * | 2008-05-30 | 2011-11-09 | キユーピー株式会社 | ゲル状レトルト食品 |
-
2010
- 2010-09-02 JP JP2010196280A patent/JP5833813B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012050389A (ja) | 2012-03-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105555149B (zh) | 面条用松散改良剂的制造方法 | |
EP1459635A1 (en) | Transglutaminase cross-linked soy protein composition, fish and meat products and analogues thereof | |
JP2004313122A (ja) | 液状食品の膜生成抑制方法 | |
JP5727082B1 (ja) | 水畜産肉製品用食感改良剤、該水畜産肉製品用食感改良剤を用いた、水畜産肉製品、水畜産肉製品の製造方法、及び水畜産肉製品の食感改良方法 | |
Cheetangdee | Characteristic of sausages as influenced by partial replacement of pork back-fat using pre-emulsified soybean oil stabilized by fish proteins isolate | |
JP4578448B2 (ja) | 粉末卵及びこれを用いた食品 | |
JP4558691B2 (ja) | 油揚げおよびその製造方法 | |
JP5833813B2 (ja) | 卵白蛋白質組成物 | |
JP6755731B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP5136467B2 (ja) | 卵白用起泡性向上剤 | |
EP1106082A1 (fr) | Produit culinaire à pouvoir crémeux | |
JP2010068786A (ja) | 魚肉すり身加工食品およびその製造方法 | |
JP5644211B2 (ja) | 酸性水中油型乳化食品 | |
JPWO2016136581A1 (ja) | 穀類加工食品用ほぐれ改良剤 | |
JP4758975B2 (ja) | 加熱凝固卵加工食品及び硫化黒変抑制材 | |
JP2004147536A (ja) | 凝固卵白様組成物 | |
JP7336895B2 (ja) | ポテトサラダの製造方法 | |
JPH11225685A (ja) | 食品の製造方法および品質改良剤 | |
JP6960033B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP5149774B2 (ja) | 気泡入り加工食品 | |
JP7213232B2 (ja) | 冷凍麺食品 | |
JP2018130041A (ja) | デンプン含有食品用添加剤 | |
Cheetangdee | Agriculture and Natural Resources | |
JP2009089686A (ja) | 挽肉加工品、これを配合したソースおよびこれらの製造方法ならびに挽肉改質剤 | |
JP2008295355A (ja) | 卵加工食品及び卵加工食品用の品質保持材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130418 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140624 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150304 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150403 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151007 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151030 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5833813 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |