JP5832466B2 - 手押し車 - Google Patents
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Description
例えば、この種の手押し車として、図13に示すような手押し車本体である歩行車本体1a10と、座部120とを備え、図13で実線で示す着座姿勢と、二点鎖線で示す跳ね上げ姿勢とを選択できるようになっている歩行車(歩行器、歩行補助車、あるいは歩行補助器とも称される)100が提案されている。
この歩行車100は、例えば、使用者が歩行に疲れたときに、座部120を上記着座姿勢にすれば、使用者が、前輪側を背にして着座可能になっているとともに、跳ね上げ姿勢にすれば、使用者がハンドル部111の把手を持って歩行車本体110に掴まりながら歩行する際に歩行の妨げにならないようになっている。
さらに、安全性を高めるために、ブレーキレバー112を下方に押し下げることによって後輪114がロック状態になるブレーキロック手段や、着座時に歩行車100を動かなくすることができるようにしたり、座部120に体重がかかると、後輪114がロック状態になるような構造を備えたものもある。
図10中、115は前輪である。
そして、このように、後輪114がロックされていない状態で使用者がハンドル部111を手で持ちながら前輪115側を背にして座ろうとした場合、荷重の掛かり具合によっては歩行車100が前方(着座しようとする使用者の背面方向に)にずれ動き、使用者が転倒して怪我をするおそれがある。
座可能な座部を備えていれば、特に限定されないが、例えば、歩行車、シルバーカー、シ
ョッピングカーが挙げられる。
かかる構成とした場合、座部を跳ね上げ姿勢にすると、ハンドル本体を持って歩行する際に使用者が体をハンドル本体のコの字の内側に入れ込んで歩行する際に座部が邪魔にならず、安定した姿勢でハンドル本体に支えられた状態で歩行することができ、座部を容易に着座姿勢にして着座することができる。
また、跳ね上げ姿勢にすることで、座部が歩行の際邪魔にならないので、座部を大きくすることができ、結果として着座姿勢にしたとき、安定した姿勢でゆったりと着座できる。
したがって、ブレーキロック手段によって車輪ロック状態することを忘れたり、ブレーキロック手段がなくても使用者が安全に座部に着座できる。
図1〜図7は、本発明にかかる手押し車の第1の実施の形態としての歩行車をあらわしている。
歩行車本体1aは、図1〜図3に示すように、前輪フレーム部3aと、後輪フレーム部4aと、ブレーキ部5aと、ハンドル部6aとを備えている。
また、両前輪脚部31は、上端に後述するハンドル部6aの支柱62がスライド可能に嵌合される支柱スライド嵌合部31aを有し、下端に前輪となるキャスター輪31bを備えている。
なお、前脚部連結部32と前輪脚部31との固定は、ねじ固定あるいは溶接固定のいずれでもよい。
そして、固定脚部33bが両前輪脚部31の内側で、前輪脚部31の上端に沿うように前輪脚部31に固定ねじ33c、33dによってねじ固定されている。
また、背凭れ本体部33aには、図1および図2に示すように、バッグ状荷物収容部9が支持されている。
部材本体部34aの他端には、折り畳み用レバー34dが装着されている。
後輪脚部41は、略ヘの字形をしていて、への字の短辺側が走行時に走行面に対して平行となるように短辺側の先端が前輪脚部31の支柱スライド嵌合部31aより少し下方に枢支されていて、枢支部41aを中心に前輪脚部31側に回動して折り畳み状態にできるとともに、下端に後輪41bを備えている。
なお、後脚部連結部42と後輪脚部41との固定は、ねじ固定あるいは溶接固定のいずれでもよいが、この実施の形態では溶接で固定されている。
座受けバー43の突設長さは、後述する座受け部材34の部材本体部34aを係止可能で、両座受けバー43間に歩行車Aに掴まって歩行する使用者の歩行を妨げないような十分な隙間が形成される長さとなっている。
両シュー支持部51は、図4に示すように、金属プレートをジグザグに折り曲げて形成され、中央の枢支部51aの一端に支持部本体51bが設けられている。
すなわち、後述するように、ブレーキレバー63を操作してのブレーキ操作時やリンク機構7aによる車輪ロックが行われない状態では、後輪41bにブレーキがかからず、後輪41bがスムーズに回転するようにしている。
支持部本体51bは、その先端部に合成樹脂製のブレーキシュー52が取り付けられている。
ハンドル本体61は、金属パイプからなり、略コの字形をしていて、コの字の横辺部の両開放端部に樹脂製のグリップ部材64が装着一体化されている。
レバー支持部64bは、ブレーキレバー63が枢支されているとともに、ブレーキワイヤー8の一端が内部でブレーキレバー63に固定されている。
支柱62は、上端がレバー支持部64bに固定され、下端部が支柱スライド嵌合部31aにスライド可能に外嵌され、図示していない係合ピンを支柱62の下端部に設けられた係合孔を介して支柱スライド嵌合部31aに上下方向に間隔を隔てて穿設された4つの係合孔のいずれかに係合させることによってハンドル本体61の高さを4段階に変更できるようになっている。
そして、ブレーキレバー63は、使用者によってグリップ本体64aとともに握られることによって、グリップ本体64a側に回動し、ブレーキワイヤー8を引き上げ、後述するように、ブレーキシュー52を後輪41bに圧接させて後輪41bに制動をかけることができるようになっている。また、ブレーキ解除位置からロック位置までグリップ本体64aから離れる方向に回動させることによっても、ブレーキワイヤー8を引き上げ、後述するように、ブレーキシュー52を後輪41bに圧接させて後輪41bに制動をかけることができ、かつ、後輪4をロック状態に保持できるようになっている。
座部形成フレーム21は、フレーム本体21aと、ばね係止バー21bとを備えている。
ばね係止バー21bは、フレーム本体21aの中間部を連結するように設けられている。
座板部材22は、座面を構成し、内部に座部形成フレーム21に受けられる座板本体(図示せず)と、座板本体を被覆する化粧カバーとからなり、化粧カバーの座板部材22の底面側に設けられた袋状部分に座部形成フレーム21が挿入された状態で、座部形成フレーム21に装着されている。
そして、座板部材22は、着座姿勢で、ハンドル本体61のコの字の内側を下方から臨む位置となるようになっている。
第1ジョイント部材71は、一端が座部形成フレーム21の枢支軸近傍で、座部形成フレーム21に枢支軸71aを中心に回動可能に枢支され、他端が枢支軸72bを中心に回動可能に第2ジョイント部材72の一端に枢支されている。
また、第2ジョイント部材72は、他端が第3ジョイント部材73の一端に設けらた緩衝部としての長孔73aに長孔73aの長手方向にスライド可能に貫通して設けられたスライドピン72cを介して第3ジョイント部材73の一端を支持している。
第4ジョイント部材74は、その中間部が後脚部連結部42に支持された支持アーム77の回動軸77aを中心に回動可能に支持され、他端が枢支軸74aを中心に回動可能に第5ジョイント部材75の一端に枢支されている。
第6ジョイント部材76は、他端が固定部材76aによってブレーキ部5aの連結部53に固定されている。
まず、図3および図5に示す座部形成フレーム21が跳ね上げ姿勢にある状態、すなわち、座部2aが跳ね上げ姿勢にある状態から、図6の座部形成フレーム21が着座姿勢にある状態になるときのリンク機構7aの動きは、以下のとおりである。
第1ジョイント部材71が後輪41b側に引っ張られると、図6に示すように、第2ジョイント部材72は、回動軸72aを中心に第1ジョイント部材71の枢支軸72b側が後輪41b側に向かって回動し、スライドピン72c側が前輪31b側に向かって回動する。
この第2ジョイント部材72の回動に伴って、長孔73aの長手方向の内壁に当接しているスライドピン72cによって、第3ジョイント部材73が前輪31b方向に引っ張られる。
第4ジョイント部材74の回動に伴って、第5ジョイント部材75が上方に引き上げられる。
連結部53が上方に引き上げられると、枢支部51aが図5に示す矢印X方向に回動し、ブレーキシュー52が後輪41bに圧接され、完全に座部2aが着座姿勢になると、後輪41bがロック状態に維持される。
なお、このとき、座部形成フレーム21は、コイルばね24によって付勢されているので、回動の中間位置に設けられた死点をすぎると、着座姿勢側に引っ張られ、着座姿勢にしっかりと保持される。
なお、このとき、座部形成フレーム21は、コイルばね24によって付勢されているので、回動の中間位置に設けられた死点をすぎると、跳ね上げ姿勢側に引っ張られ、跳ね上げ姿勢にしっかりと保持される。
そして、ブレーキレバー63を握るのをやめると、ブレーキレバー63は、図1〜図3に示す元のブレーキ解除位置まで戻ると同時に第3ジョイント部材73〜第6ジョイント部材76が元の状態に戻りブレーキが解除される。
また、跳ね上げ姿勢にすることで、座部が歩行の際邪魔にならないので、座部2aを大きくすることができ、結果として着座姿勢にしたとき、安定した姿勢でゆったりと着座できる。
また、リンク機構7aは、緩衝部としての長孔73aを備えているので、ブレーキレバー63を操作したときに、座部2aにその力が加わらない。
したがって、ブレーキレバー63を操作する場合に、座部2aの荷重がブレーキレバー63にかかることがなく、ブレーキレバー63を軽く操作できるとともに、座部2aが跳ね上げ姿勢から着座姿勢に倒れて急に後輪41bがロックされ、使用者が躓いて倒れるという事故も防止できる。
なお、特に限定されないが、この折り畳みの際、座部形成フレーム21が座受け部材34に受けられる状態、すなわち、着座姿勢にしておくと、後輪41bがロック状態になっているので、歩行車Aを折り畳み状態で立った状態により安定して保持することができる。
図10〜図12に示すように、このシルバーカーBは、シルバーカー本体1bと、座部2bとを備えている。
前輪フレーム部3bと、後輪フレーム部4bと、ブレーキ部5bと、ハンドル部6bとは、上記歩行車Aとほぼ同じような構造をしている。したがって、同じ機能部分は同じ符号を付している。
すなわち、座部2bは、左右対称の一対(図では片側しかあらわていない)のフレーム枢支部材20と、座部形成フレーム25と、座板部材26と、バッグ状荷物収容部27と、車輪ロック機構としてのリンク機構7bと、を備えている。
座部形成フレーム25は、略Uの字形をしていて、図10および図11に示す跳ね上げ姿勢と、図12に示す着座姿勢を選択できるように、Uの字の開放端部分がそれぞれフレーム枢支部材20の段状切欠部20a内に嵌り込み、段状切欠部20aの側壁面に枢支されて、跳ね上げ姿勢と、着座姿勢とを選択可能になっている。
そして、座部形成フレーム25は、着座姿勢のとき、座部2bにかかる体重等の荷重が、Uの字の両側の縦辺部分を介して段状切欠部20aの底面に受けられるようになっている。
なお、コイルばね24は、図では明瞭ではないが、リンク機構7bの動きに干渉されないように、後述するリンク機構7bとは水平方向にずれた位置になるように設けられている。
なお、バッグ状荷物収容部27は、図12に示すように、座部2bを着座姿勢にすると、口が水平方向を向くが、ファスナー等を閉じた状態にしておくことで、収容された荷物はバッグ状荷物収容部27外に零れ落ちることがない。
第1ジョイント部材710は、略くの字形をしていて、くの字の上辺側の中間位置が枢支軸711によってフレーム枢支部材20の軸受け部20bに回動自在に枢支されている。
第3ジョイント部材730は、一端に緩衝部となる長孔731を備え、この長孔731内に第2ジョイント部材720の他端に設けられた軸ピン712がスライド可能に挿通されている。
また、第3ジョイント部材730は、他端がブレーキ部5bの連結部53に固定されている。
すなわち、ブレーキ操作の際には、座部2bに力が加わらず、跳ね上げ姿勢が維持される。
そして、座部2bを着座姿勢から跳ね上げ姿勢に戻すと、第1ジョイント部材710が逆方向に回動し、ブレーキシュー52が後輪41bからはなれ、ブレーキ解除状態となる。
また、上記の実施の形態では、ブレーキレバーを押し下げることによっても後輪をロック状態にすることができたが、押しボタン等を操作してブレーキレバーを引き上げた状態で固定してロック状態を維持し、押しボタンを再度操作すればロックが解除されるようにしても構わないし、ブレーキレバーは、歩行使用時のブレーキ操作のみに用いられるようにしても構わない。
上記リンク機構は、上記歩行車では6つのジョイント部材、上記シルバーカーでは3つのジョイント部材により構成されていたが、各部材の大きさや形を変更することによってショイント部材の数を変更しても構わない。例えば、上記歩行車においては、第5ジョイント部材と第6ジョイント部材は1つの部材としても構わない。
B シルバーカー(手押し車)
1a 歩行車本体
1b シルバーカー本体
2a、2b 座部
20 フレーム枢支部材
20a 段状切欠部
21 座部形成フレーム
21a フレーム本体
21b ばね係止バー
22 座板部材
23 軸受け部材
24 コイルばね
24a 係止ピン
25 座部形成フレーム
26 座板部材
27 荷物収容容器
3a 前輪フレーム部
31 前輪脚部
31a 支柱スライド嵌合部
31b キャスター輪(前輪)
32 前脚部連結部
33 背凭れフレーム
33a 背凭れ本体部
33b 固定脚部
33c、33d 固定ねじ
34 座受け部材
34a 部材本体部
34b,34c 連結バー
34d 折り畳み用レバー
4a 後輪フレーム部
41 後輪脚部
41a 枢支部
41b 後輪
42 後脚部連結部
43 座受けバー
5a、5b ブレーキ部(ハンドブレーキ機構)
51 シュー支持部
51a 枢支部
51b 支持部本体
51c 他端折れ曲がり部
51d 枢支軸
52 ブレーキシュー
53 連結部
6a,6b ハンドル部
61 ハンドル本体
62 支柱
63 ブレーキレバー(ハンドブレーキ機構)
64 グリップ部材
64a グリップ本体
64b レバー支持部
7a,7b リンク機構
71 第1ジョイント部材
71a 枢支軸
72 第2ジョイント部材
72a 回動軸
72b 枢支軸
72c スライドピン
73 第3ジョイント部材
73a 長孔(緩衝部)
73b 枢支軸
74 第4ジョイント部材
74a 枢支軸
75 第5ジョイント部材
75a 枢支軸
76 第6ジョイント部材
76a 固定部材
77 支持アーム
77a 回動軸
710 第1ジョイント部材
711 枢支軸
712 軸ピン
720 第2ジョイント部材
721 枢支軸
730 第3ジョイント部材
731 長孔(緩衝部)
8 ブレーキワイヤー(ハンドブレーキ機構)
9a,9b バッグ状荷物収容部
Claims (5)
- 下方に設けられた前輪および後輪によって走行するとともに、使用者が上方に設けられたハンドル部に掴まり、走行させつつ歩行する手押し車本体と、
この手押し車本体に枢支され、枢支軸を中心に回動させることによって、使用者が着座可能な着座姿勢と、跳ね上げ姿勢とを選択可能な座部を有し、かつ、
前記座部の回動動作に連動して、前記座部が着座姿勢のとき、前記前輪および後輪の少なくともいずれかの車輪の回転をロックする車輪ロック機構を備える手押し車であって、
前記手押し車本体が、ハンドブレーキ機構を有し、
ハンドブレーキ機構は、前記ハンドル部に設けられたブレーキレバーと、
ブレーキシュー及びこのブレーキシューを前輪および後輪の少なくともいずれかの車輪の周面に車輪ロック状態まで圧接可能かつブレーキ解除可能に支持するシュー支持部を有するブレーキ部を備えるとともに、
前記ブレーキレバーにブレーキワイヤーの一端が固定され、ブレーキワイヤーの下端がブレーキ部に連結されており、
前記車輪ロック機構は、複数のジョイント部材とこれらを連結する軸で構成されたリンク機構を有し、
このリンク機構は、前記座部を着座姿勢にすると、前記ブレーキシューを車輪ロック状態とし、
前記座部を跳ね上げ姿勢にすると、ブレーキシューを車輪ロック解除状態にするように、一端が前記座部に枢支され、他端が前記ブレーキ部に枢支されているとともに、
長孔を有する長孔付きジョイント部材と、前記長孔にスライド自在に通されたスライドピンを介して前記長孔付きジョイント部材に連結される他のジョイント部材を備え、
前記座部が跳ね上げ姿勢のとき、前記スライドピンが前記ブレーキレバーの操作による前記ブレーキ部の動きをスライドピンより座部側のジョイント部材に伝達しないように前記長孔内をスライドするように構成されていることを特徴とする手押し車。
- ハンドブレーキ機構は、ブレーキレバーを下方に押し下げたとき、ブレーキシューを車輪ロック状態に保持する第2の車輪ロック手段を備えている請求項1に記載の手押し車。
- ハンドル部が、略コの字の横辺の開放端側を後輪側にむけた状態で手押し車本体に支持されるハンドル本体を有し、座部がハンドル本体のコの字の内側を下方から臨む位置で、前輪側端部が手押し車に枢支されている請求項1または請求項2に記載の手押し車。
- 座部は、座板と、この座板を支持するとともに、手押し車本体に回動可能に設けられた座部形成フレームとコイルばねを備え、
前記コイルばねは、前記座部形成フレームが、その回動の中間位置から跳ね上げ側に回動すると、前記座部形成フレームを跳ね上げ姿勢側に付勢し、
前記座部形成フレームが、その回動の中間位置から着座姿勢側に回動すると、前記座部形成フレームを着座姿勢側に付勢するように、
その一端が座部形成フレーム側に固定され、他端が手押し車本体側に固定されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の手押し車。 - ハンドル部が、高さ変更可能に設けられている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の手押し車。
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