JP5831301B2 - 内燃機関の燃料噴射システム - Google Patents

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本発明は、内燃機関の燃料噴射システムに関する。
内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁においては、気筒内に臨む先端部が燃焼室での燃焼による火炎に晒されることになる。そのため、その先端部に燃料に由来する煤等のデポジットが堆積し易い。燃料噴射弁の先端部に形成された噴孔にデポジットが堆積し、該噴孔が塞がれる又は狭くなると、実際の燃料噴射量を目標噴射量に制御することが困難となったり、噴霧の燃料粒子径や噴霧角度、噴霧の貫徹力等の噴霧特性が変化したりする虞がある。
そのため、従来、燃料噴射弁の噴孔に堆積したデポジットを除去するための種々の技術が開発されている。例えば、特許文献1には、燃料安定度回復モードでは、燃料ポンプからの燃圧をノーマルモードより上昇させることで、噴孔から噴射される燃料の噴射圧力を高め、これによって、噴孔またはその近傍に堆積したデポジットを吹き飛ばす技術が開示されている。
また、特許文献2には、燃料噴射弁において弁体が弁座を離れてから着座するまでの燃料噴射期間に、弁体のリフト高さを第一の高さに制御した後、該第一の高さよりも低い第二の高さに制御する期間を所定期間設ける技術が開示されている。これによれば、弁体の高さが第二の高さとなることで、開口面積が縮小するため、噴孔内壁近傍の燃料速度が上昇する。そのため、噴孔に堆積したデポジットを除去することができる。
また、特許文献3及び4には、燃料噴射弁内部のシート部近傍におけるデポジットの生成を抑制するための技術が開示されている。
特開2008−267252号公報 特開2011−132849号公報 特開2008−025484号公報 特開2003−214294号公報
内燃機関の燃料噴射弁においては、噴孔のみならず、その先端部の内部にもデポジットが堆積する。そして、燃料噴射弁の先端部の内部にデポジットが堆積した場合においても、噴孔にデポジットが堆積した場合と同様の問題が生じる虞がある。しかしながら、上記のような従来技術では、燃料噴射弁の先端部の内部に堆積したデポジットを十分に除去することは困難であった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、燃料噴射弁の先端部の内部に堆積したデポジットをより効果的に除去することを目的とする。
本発明は、燃料噴射弁の先端部に堆積したデポジットを除去すべきときに、開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積が噴孔面積よりも小さくなるように弁体の弁座部
からのリフト量を低減するものである。
より詳しくは、本発明に係る内燃機関の噴射システムは、
噴射弁本体の先端部に噴孔が形成されており、噴射弁本体内部に形成された弁座部から弁体が離間すると該噴孔に燃料が供給される開弁状態となり、弁座部に弁体が着座すると噴孔への燃料の供給が遮断される閉弁状態となる燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁の先端部に堆積したデポジットを除去すべき所定の条件が成立した場合、開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積が噴孔面積よりも小さくなるように弁体の弁座部からのリフト量を低減する低リフト制御を実行するリフト制御部と、
を備える。
燃料噴射弁では、通常、開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積は、噴孔面積よりも大きくなっている。つまり、燃料を最も絞る最小絞り部は噴孔となっている。そのため、燃料の流速は噴孔内で最も大きくなり、燃料噴射弁の先端部の内部における燃料の流速は相対的に小さい。
これに対し、本発明においては、燃料噴射弁の先端部に堆積したデポジットを除去すべき所定の条件が成立した場合、開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積が噴孔面積よりも小さくなるように弁体の弁座部からのリフト量を低減する低リフト制御が実行される。
開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積が噴孔面積よりも小さくなると、最小絞り部は噴射弁本体内部の弁座部部分となる。これにより弁座部部分における燃料の流速が大きくなり、その結果、燃料噴射弁の先端部の内部における燃料の流速が大きくなる。
また、燃料噴射弁の先端部の内部においては、通常、液体燃料が単相流として流れることとなる。これに対し、開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積が噴孔面積よりも小さくなると、噴射弁本体内部における弁座部部分より上流側とそれより下流側との圧力差が大きくなるため、キャビテーションが生じ易くなる。そのため、燃料噴射弁の先端部の内部においては、液体燃料と気泡との二相流(気液混合流)が生じることとなる。
本発明によれば、燃料噴射弁の先端部に堆積したデポジットを除去すべきときに、低リフト制御を実行することによる上記のような作用によって、燃料噴射弁の先端部の内部におけるデポジットの剥離を促進させることができる。従って、燃料噴射弁の先端部の内部に堆積したデポジットをより効果的に除去することが可能となる。
尚、噴射弁本体に噴孔が複数形成されている場合、本発明に係る「噴孔面積」とは、全ての噴孔の噴孔面積の総和のことである。
本発明において、前記所定の条件は、燃料噴射弁の先端部におけるデポジットの堆積量が所定堆積量以上となったことが検知又は推定されたことであってもよい。所定堆積量とは、噴射弁本体の先端部に堆積したデポジットを除去すべきか否かを判別するためのデポジット堆積量の閾値である。これによれば、好適なタイミングで低リフト制御を実行することができる。
また、本発明に係る内燃機関の燃焼噴射システムは、リフト制御部によって低リフト制御を実行するときに、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を上昇させる燃圧制御部をさらに備えてもよい。
また、本発明に係る内燃機関の燃焼噴射システムは、リフト制御部によって低リフト制御を実行するときに、該低リフト制御を実行せずに燃料噴射を行う場合の一回の燃料噴射分の燃料を、複数回の燃料噴射に分割して噴射する分割噴射実行部をさらに備えてもよい。
これらによれば、燃料噴射弁の先端部の内部に堆積したデポジットの除去をより促進させることができる。
本発明によれば、燃料噴射弁の先端部の内部に堆積したデポジットをより効果的に除去することができる。
実施例に係る内燃機関の燃料噴射弁近傍の構成を示す図である。 実施例に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。 実施例に係る燃料噴射弁の先端部の構成を示す図である。 実施例に係る、低リフト制御での燃料噴射を実行する場合のフローを示すフローチャートである。 実施例に係る低リフト制御、燃圧上昇制御、及び分割噴射制御を実行しつつ燃料噴射を実行したときと、通常の燃料噴射を実行したときと、における、燃料噴射弁駆動信号、燃料噴射弁駆動電流、ニードル弁リフト量、燃料噴射弁への供給燃料圧力、サック内圧力、噴孔デポジット洗浄力、及び噴射弁内部デポジット洗浄力の推移を示すタイムチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例>
[システムの概略構成]
本実施例に係る内燃機関の燃料噴射システムの概略構成について図1〜3に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関の燃料噴射弁近傍の構成を示す図である。図2は、本実施例に係る燃料噴射弁の構成を示す図である。図3は、本実施例に係る燃料噴射弁の先端部の構成を示す図である。
本実施例に係る内燃機関1は、車両駆動用の多気筒内燃機関であり、筒内噴射型の火花点火式内燃機関である。ただし、本発明に係る内燃機関は火花点火式内燃機関に限られず、圧縮着火式内燃機関であってもよい。内燃機関1において、各気筒8には吸気ポート2および排気ポート3がそれぞれ二つずつ接続されている。吸気ポート2は吸気弁4の開閉を通して吸気を気筒8内に送り込み、排気ポート3は排気弁5の開閉を通して燃焼ガス等を排気として内燃機関1の排気系へ送り出す。気筒8内にはピストン9が摺動自在に設けられている。
また、内燃機関1には、点火プラグ6及び燃料噴射弁7が設けられている。点火プラグ6は、気筒8の略中心軸上に設けられており、気筒8内の頂面の略中心から気筒8内に臨む放電部を有している。この点火プラグ6によって、気筒8内の混合気への点火が行われる。
燃料噴射弁7は、気筒8内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁である。燃料噴射弁7は気
筒8の吸気ポート2側に設けられており、その先端部が、気筒8内の頂面の側方における二つの吸気ポート2の開口部の間の位置に臨んでいる。この燃料噴射弁7の先端部には複数の噴射孔が形成されている。該噴射孔から気筒8の中心軸方向に向かって図1における斜め下方に燃料が噴射される。図1においては、10が燃料噴射弁7から噴射された燃料の噴霧を表している。尚、燃料噴射弁7の詳細な構成については後述する。
内燃機関1には、電子制御装置であるECU30が併設されている。このECU30には、燃料噴射弁7の他、図示しない燃料タンクからデリバリパイプへ燃料を圧送する燃料ポンプ34等の各種装置が電気的に接続されている。そして、ECU30によって各種制御が実行される。
また、ECU30には、アクセル開度センサ31、クランク角センサ32、及びA/Fセンサ33等の各種センサが電気的に接続されている。アクセル開度センサ31は、内燃機関1を搭載した車両のアクセル開度を検出する。クランク角センサ32は、内燃機関1のクランク角を検出する。A/Fセンサ33は、内燃機関1から排出される排気の空燃比を検出する。そして、各種センサの検出値がECU30に入力される。
[燃料噴射弁の構成]
燃料噴射弁7はソレノイド駆動方式の燃料噴射弁である。燃料噴射弁7の噴射弁本体(ボディ)78内には燃料が流れる通路71が形成されている。この通路71には導入口77を介してデリバリパイプから燃料が供給される。供給された燃料は後述するニードル弁73の動作に伴って、ボディ78の先端部に形成された噴孔76から噴射される。
通路71の内部にはプランジャ72が摺動自在に設けられている。プランジャ72の先端にはニードル弁73が形成されている。ニードル弁73は、コイルスプリング74によって燃料噴射弁7の先端方向(図2における下方向)に付勢されている。また、プランジャ72を囲むように環状のソレノイドコイル75がボディ78内に設けられている。このソレノイドコイル75が励磁されると、プランジャ72に対して吸引力が働き、コイルスプリング74の付勢力に抗してプランジャ72を燃料噴射弁7の先端方向とは逆方向(図2における上方向)に変位させることが可能となる。また、燃料噴射弁7においては、ソレノイドコイル75への供給電流量を調整することでプランジャ72に作用する吸引力が制御される。
ボディ78の先端部の内部には、シート部79及びサック80が形成されている。コイルスプリング74の付勢力によってニードル弁73がシート部79に着座すると、通路71から噴孔76への燃料の供給が遮断される。つまり、燃料噴射弁7が閉弁状態となり、燃料噴射が停止される。一方、ソレノイドコイル75が励磁されることによってプランジャ72に対して吸引力が生じ、それによって、ニードル弁73が上方(図2における上方向)にリフトされ、該ニードル弁73がシート部79から離間すると、通路71からサック80を介して噴孔76へ燃料が供給される。つまり、燃料噴射弁7が開弁状態となり、燃料が噴射される。
尚、図3において、破線はニードル弁73がシート部79に着座した状態を示している。燃料噴射時におけるニードル弁73のシート部79からリフト量の制御については後述する。
[リフト制御]
次に、本実施例に係る燃料噴射時のニードル弁のリフト制御について説明する。 上述したように、燃料噴射弁7から燃料が噴射される際には、ニードル弁73が上方にリフトされることで、該ニードル弁73がシート部79から離間する。これにより、通路71からサック80を介して噴孔76へ燃料が供給されて、該噴孔76から燃料が噴射される。
そして、本実施例に係る燃料噴射弁7においては、ソレノイドコイル75への供給電流量を調整することでプランジャ72に作用する吸引力を制御し、それによって、開弁状態時におけるニードル弁73のリフト量を可変に制御することが可能となっている。尚、ここでのニードル弁73のリフト量とは、ニードル弁73がシート部79から離間してから次にシート部79に着座するまでの間において、ニードル弁73の位置がシート部79から最も離れた時のリフト量のことである。
ここで、本発明に係る内燃機関1では、燃料噴射弁7の先端部が気筒8内に臨んでいる。このような構成では、燃料噴射弁7の先端部が燃焼室での燃焼による火炎に晒されることになる。そのため、燃料噴射弁7の先端部に燃料に由来する煤等のデポジットが堆積し易い。このデポジットは、噴孔76内のみならず、燃料噴射弁7の先端部の内部(例えば、サック80内、シート部79、及びニードル弁73の先端部等)にも堆積する。燃料噴射弁7の先端部の内部に過剰な量のデポジットが堆積すると、実際の燃料噴射量を目標噴射量に制御することが困難となったり、燃料の噴霧特性が変化したりする虞がある。
そこで、本実施例においては、燃料噴射弁7の内部に堆積したデポジットを除去するために、開弁状態時におけるニードル弁73のリフト量を最大リフト量よりも低減する低リフト制御を実行する。
通常の燃料噴射時においては、開弁状態時におけるニードル弁73のリフト量は最大リフト量に制御される。尚、最大リフト量とは、燃料噴射弁7の構成に応じて定まるニードル弁73のリフト量の最大値である。ニードル弁73のリフト量が最大リフト量に制御された場合、開弁状態時におけるシート部79とニードル弁73との間の開口面積は噴孔76の噴孔面積よりも大きくなる。
これに対し、低リフト制御では、開弁状態時におけるシート部79とニードル弁73との間の開口面積が噴孔76の噴孔面積よりも小さくなるようにニードル弁73のリフト量を制御する。尚、噴射弁本体に噴孔が複数形成されている場合は、開弁状態時におけるシート部とニードル弁との間の開口面積が全ての噴孔の噴孔面積の総和よりも小さくなるようにニードル弁のリフト量が制御される。
開弁状態時におけるシート部79とニードル弁73との間の開口面積が噴孔76の噴孔面積よりも小さくなると、噴孔76から燃料が噴射されるまでの該燃料の流路における最小絞り部はボディ78内部のシート部79部分となる。これによりシート部79部分における燃料の流速が大きくなり、その結果、サック80内における燃料の流速も大きくなる。
また、通常の燃料噴射時、つまり、ニードル弁73のリフト量が最大リフト量に制御されている場合は、ボディ78内部のシート部79部分やサック80内においては、液体燃料が単相流として流れることとなる。これに対し、開弁状態時におけるシート部79とニードル弁73との間の開口面積が噴孔76の噴孔面積よりも小さくなると、ボディ78内部におけるシート部79部分よりも上流側とそれよりも下流側との圧力差(つまり、通路71内とサック80内との圧力差)が大きくなる。その結果、キャビテーションが生じ易くなる。そのため、ボディ78内部のシート部79部分やサック80内において、液体燃料と気泡との二相流(気液混合流)が生じることとなる。
低リフト制御を実行することによって生じる上記のような作用によれば、サック80内、シート部79、及びニードル弁73の先端部等の燃料噴射弁7の先端部の内部に堆積したデポジットの剥離を促進させることができる。従って、燃料噴射弁7の先端部の内部に
堆積したデポジットをより効果的に除去することが可能となる。
[その他の制御]
また、本実施例においては、燃料噴射弁7の内部に堆積したデポジットを除去すべく低リフト制御を実行するときには、それに加えて、燃圧上昇制御及び分割噴射制御を実行する。
燃圧上昇制御は、デリバリパイプから燃料噴射弁7に供給される燃料の圧力を通常の燃料噴射時よりも上昇させる制御である。この燃圧上昇制御は、ECU33によって燃料ポンプ34の回転数を上昇させて、燃料タンクからデリバリパイプへの燃料の供給量を増加させることで実現される。尚、このような燃圧上昇制御を実行しなくとも、低リフト制御を実行すると、シート部79より上流側の圧力は上昇することとなる。
分割噴射制御は、通常の燃料噴射時においては一回の燃料噴射によって噴射している量の燃料を複数回の燃料噴射に分割して噴射する制御である。この分割噴射制御は、ECU30によってニードル弁73の開閉タイミング変更し、その開閉回数を増加させることで実現される。
燃圧上昇制御を実行すると、ボディ78内部のシート部79部分やサック80内における燃料の流速が上昇する。また、分割噴射制御を実行すると、サック80内における圧力変動の回数が増加する。そのため、低リフト制御に加えてこれらの制御を実行することで、燃料噴射弁7の先端部の内部に堆積したデポジットの除去をより促進させることができる。
[燃料噴射制御フロー]
以下、低リフト制御での燃料噴射を実行する場合の制御フローについて図4に基づいて説明する。図4は、本実施例に係る低リフト制御での燃料噴射を実行する場合のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU30に予め記憶されており、ECU30によって繰り返し実行される。
本フローでは、ステップS101において、内燃機関1から排出される排気の空燃比Fafが所定の閾値th以上であるか否かが判別される。燃料噴射弁7の先端部にデポジットが堆積することで、実際の燃料噴射量が目標噴射量よりも少なくなると排気の空燃比が高くなる。ここで、所定の閾値thは、燃料噴射弁7の先端部におけるデポジットの堆積量が所定堆積量以上となったと推定できる空燃比の閾値である。また、所定堆積量は、燃料噴射弁7の先端部に堆積したデポジットの除去を実行すべきと判断できるデポジット堆積量の閾値である。
尚、燃料噴射弁7の先端部に堆積したデポジットの除去を実行すべきか否かについては、排気の空燃比以外のパラメータを用いて判別することもできる。例えば、燃料噴射弁7からの燃料噴射量の積算値及び内燃機関1の温度履歴等に基づいて燃料噴射弁7の先端部におけるデポジットの堆積量を推定し、その推定値に基づいて、その判別を行ってもよい。また、内燃機関1の運転中において所定時間が経過する毎に、燃料噴射弁7の先端部に堆積したデポジットの除去を実行すべきと判定するようにしてもよい。
ステップS101において否定判定された場合、本フローの実行は一旦終了される。この場合、通常の燃料噴射(即ち、ニードル弁73のリフト量を最大リフト量に制御して行なわれる燃料噴射)を実行するためのフローが実行される。一方、ステップS101において肯定判定された場合、次にステップS102〜S106の処理が実行される。
ステップS102においては、低リフト制御におけるニードル弁73の目標リフト量L1が算出される。この目標リフト量L1は、弁状態時におけるシート部79とニードル弁73との間の開口面積が噴孔76の噴孔面積よりも小さくなり、且つ、内燃機関1の運転状態に応じて要求される燃料噴射量を満たすことができる範囲内の値として算出される。
ステップS103においては、上記の燃圧上昇制御における目標燃料圧力Prが算出される。ステップS104においては、通常の燃料噴射を実行する場合に一回の燃料噴射によって噴射する目標燃料噴射量qstrが算出される。ステップS105では、上記分割噴射制御における燃料噴射の目標分割数nが算出される。目標燃料圧力Pr、目標燃料噴射量qstr、及び目標分割数nは、いずれも、ニードル弁73のリフト量を目標リフト量L1とする低リフト制御が実現でき、且つ、内燃機関1の運転状態に応じて要求される燃料噴射量を満たすことができる範囲内の値として算出される。尚、目標リフト量L1、目標燃料圧力Pr、目標燃料噴射量qstr、及び目標分割数nは、いずれも内燃機関1の運転状態をパラメータとするマップ又は関数を用いて算出することができる。
次に、ステップS106において、ニードル弁73のリフト量を目標リフト量L1に制御する低リフト制御、デリバリパイプから燃料噴射弁7に供給される燃料の圧力を目標燃料圧力Prに制御する燃圧上昇制御、及び、燃料噴射の分割数を目標分割数nに制御する分割噴射制御を実行しつつ、燃料噴射弁7からの燃料噴射が実行される。
[タイムチャート]
図5は、上記のような低リフト制御、燃圧上昇制御、及び分割噴射制御を実行しつつ燃料噴射を実行したとき(低リフト・高燃圧・分割噴射)と、通常の燃料噴射を実行したとき(通常噴射)と、における、燃料噴射弁駆動信号、燃料噴射弁駆動電流、ニードル弁のリフト量、燃料噴射弁への供給燃料圧力、サック内圧力、噴孔デポジット洗浄力、及び噴射弁内部デポジット洗浄力の推移を示すタイムチャートである。尚、噴孔デポジット洗浄力とは、噴孔76内に堆積したデポジットの除去に寄与する力ことであり、噴射弁内部デポジット洗浄力とは、燃料噴射弁7の先端部の内部に堆積したデポジットの除去に寄与する力のことである。また、図5は、分割噴射制御における分割回数を3回とした場合を示している。ただし、分割噴射制御における分割回数は3回に限られるものではない。
図5に示すように、低リフト・高燃圧・分割噴射を実行した場合、サック内圧力が繰り返し負圧となるため、通路71内とサック80内との圧力差が繰り返し大きくなる。これによりキャビテーションが生じ易くなる。その結果、通常噴射を実行した場合に比べて、噴射弁内部デポジット洗浄力が大きくなる。
尚、低リフト・高燃圧・分割噴射を実行した場合、通常噴射を実行した場合に比べて、噴孔デポジット洗浄力が小さくなる可能性がある。そのため、低リフト・高燃圧・分割噴射を実行するタイミングとは異なるタイミングで、噴孔に堆積したデポジットを優先的に除去するために通常噴射によるデポジットの除去を実行してもよい。
また、本実施例に係る低リフト制御を実行する場合には、燃圧上昇制御および分割噴射制御を必ず実行しなければいけないわけではない。しかしながら、上記のように、これらの制御のいずれか一方又は両方を低リフト制御と合わせて実行することで、燃料噴射弁7の内部に堆積したデポジットをより効果的に除去することが可能となる。
1・・・内燃機関
2・・・吸気ポート
4・・・吸気弁
6・・・点火プラグ
7・・・燃料噴射弁
71・・通路
72・・プランジャ
73・・ニードル弁
74・・コイルスプリング
75・・ソレノイドコイル
76・・噴孔
77・・導入口
78・・噴射弁本体(ボディ)
79・・シート部
8・・・気筒
9・・・ピストン
30・・ECU

Claims (4)

  1. 噴射弁本体の先端部に噴孔が形成されており、噴射弁本体内部に形成された弁座部から弁体が離間すると該噴孔に燃料が供給される開弁状態となり、弁座部に弁体が着座すると噴孔への燃料の供給が遮断される閉弁状態となる燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁の先端部に堆積したデポジットを除去すべき所定の条件が成立した場合、開弁状態時における弁座部と弁体との間の開口面積が噴孔面積よりも小さくなるように弁体の弁座部からのリフト量を低減する低リフト制御を実行するリフト制御部と、
    を備える内燃機関の燃料噴射システム。
  2. 前記所定の条件が、前記燃料噴射弁の先端部におけるデポジットの堆積量が所定堆積量以上となったことが検知又は推定されたことである請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
  3. 前記リフト制御部によって低リフト制御を実行するときに、前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を上昇させる燃圧制御部をさらに備える請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
  4. 前記リフト制御部によって低リフト制御を実行するときに、該低リフト制御を実行せずに燃料噴射を行う場合の一回の燃料噴射分の燃料を、複数回の燃料噴射に分割して噴射する分割噴射実行部をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
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