JP5830906B2 - 張り剛性評価方法、補強部材の取付け設計方法、張り剛性評価装置 - Google Patents
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Description
従来、張り剛性を評価する場合には、実際に押圧試験を実施し、また、有限要素解析その他の解析を実施するなどの手法が採用されている。
本発明は、前記のような点に着目したもので、補強部材を取り付けた状態の張り剛性を簡便に評価できる、若しくは目標となる張り剛性とするための補強部材の配置位置を簡便に求めることを目的とする。
前記パネル部品に設定した評価位置に対する、前記補強部材のパネル部品への取付け部までの最短距離である取付位置最短距離と前記補強部材の軸までの最短距離である軸位置最短距離との和である評価変数距離に基づき、当該補強部材を取り付けることによる、前記評価位置での張り剛性の上昇を評価し、
その評価は、前記評価変数距離と張り剛性の上昇の度合いとの相関関係を予め求めておき、その予め求めた相関関係を利用して、前記評価位置での張り剛性の上昇を評価し、
前記相関関係は、実験又は有限要素解析により、補強部材を取り付ける前後の各パネル部品の張り剛性値を求め、その求めた張り剛性値から、パネル部材の複数の評価点における張り剛性上昇率を算出して、各評価点での評価変数距離と前記算出した張り剛性上昇率とから、求めることを特徴とする。
前記請求項1に記載した張り剛性評価方法によって、前記対象とする補強部材を取り付けることによる前記評価範囲の各評価点での張り剛性の上昇の度合いを求め、その求めた上昇の度合いと補強前の張り剛性とに基づき、前記対象とする補強部材を取り付けることによる、前記評価範囲の各評価点の張り剛性を評価することを特徴とする張り剛性評価方法を提供するものである。
前記パネル部品における前記各評価点の位置に対する、前記補強部材のパネル部品への取付け部までの最短距離である取付位置最短距離と前記補強部材の軸までの最短距離である軸位置最短距離との和である評価変数距離、及び前記断面二次極モーメントに基づき、当該補強部材を取り付けることによる、前記各評価点の張り剛性の上昇の度合いをそれぞれ演算する張り剛性上昇度合い演算部と、
前記入力した補強前の張り剛性と、前記張り剛性上昇度合い演算部が演算した張り剛性上昇の度合いとに基づき、前記補強部材を取り付けたときの前記評価範囲の各評価点の張り剛性を演算する補強部材取付け後張り剛性演算部と、
を備え、
実験又は有限要素解析により、補強部材を取り付ける前後の各パネル部品の張り剛性値を求め、その求めた張り剛性値から、パネル部材の複数の位置における張り剛性上昇率を算出し、前記複数の位置での評価変数距離と前記算出した張り剛性上昇率とから、前記評価変数距離と張り剛性の上昇の度合いとの相関関係を予め求めておき、
前記張り剛性上昇度合い演算部は、前記予め求めた前記相関関係に基づき、前記評価点での張り剛性の上昇を評価することを特徴とする。
ここで、補強部材を取り付けた際における、前記取付位置最短距離若しくは軸位置最短距離のいずれか一方の最短距離と張り剛性の上昇の度合いとの関係も求めてみたが、さほど精度の良い相関を得ることが出来なかった。さらに本発明者らは、その取付位置最短距離と軸位置最短距離との和である評価変数距離と張り剛性の上昇の度合いとの相関を求めてみたところ、前記取付位置最短距離若しくは軸位置最短距離のいずれか一方の最短距離を変数とした場合に比べて、張り剛性の上昇の度合いとの相関が良かった。このような発明者らの知見に基づき、本発明は、前記評価変数距離に基づき、補強部材を取り付けることによる張り剛性の上昇を評価している。これによって、簡便且つより精度良く補強部材取付けによる張り剛性の上昇を評価することが可能となる。
本実施形態では、車両のドア部品におけるアウターパネルを、補強対象のパネル部品の例として説明する。但し、車両におけるルーフ部品などに本発明を適用しても構わない。すなわち、本発明の技術は、自動車のドアに限定して適用されるものではなく、例えば自動車のルーフ、ボンネット等のパネル部品であって、補強部材によって補強されるパネル部品に適用可能である。このように、本発明の技術は、少なくとも一方向に沿って湾曲した板部材からなるパネル部品であって、そのパネル部品の外縁部が拘束された状態で使用されるパネル部品であれば適用可能である。
ドア部品は、インナーパネルとアウターパネルとを備える。そして、例えばインナーパネルに両端部等が固定された補強部材に対し、複数の取付け部でアウターパネルとマスチック接合することで、アウターパネルに補強部材が取り付けられる。マスチック接合する部分がパネル部品への取付け部となる。
前記アウターパネルは、車両にドアが取り付けられた状態では、少なくとも車両前後に沿って湾曲した板形状となっている。本実施形態では、前記アウターパネルの前記湾曲した方向(車両前後方向)を湾曲方向とも呼ぶ。なお、パネル部品に対し加飾品や他の部品などが別途取り付けられていても良い。
取付け部(マスチック接合部)は、補強部材の軸方向に沿って全面に設定されず、互いの取付け部間に間隔を開けて設定される。
その調査のために解析に用いたモデルの例を図1〜図3に示す。
図1は、対象のパネル部品となるアウターパネル2のモデルであり、諸元として板厚0.7mm、平均メッシュサイズ10mmに設定した。図2は、インナーパネル3に補強部材4が一体となったモデルであり、諸元として板厚1.2mm、平均メッシュサイズ7.5mmに設定したモデルである。図2では、補強部材4としてインパクトビームの場合を例示している。図3は、図2のモデルから中央を横切るインパクトビーム(補強部材4)を取り除いたモデルである。
そして、これら2種類のドア1のモデルを用いてアウターパネル2上の任意の位置の張り剛性の測定を、補強部材4の位置、マスチック接合の位置、補強部材4の形状を種々に変えて行い、張り剛性に与える各因子の影響を整理した。
Q=(張り剛性値B−張り剛性値A)/張り剛性値A×100
なお、張り剛性の上昇率Qは、補強部材4の断面二次極モーメントIにも影響を受けるので、張り剛性の上昇率Qは、前記評価変数距離Dと前記断面二次極モーメントIを変数として求める事が出来る。もっとも、補強部材4の断面形状が決定されている場合には、評価変数距離Dだけが変数となる。また、上記解析に用いたモデルは、一例であり、他の公知のモデルを採用しても良い。
なお、別のアウターパネルについても実施してみたところ、図6と同様な分布関係になっていることを確認している。
なお、張り剛性の上昇率Qと評価変数距離Dとの相関関係を表す近似式(関数)としては、前記図6に示すデータの分布に沿った、反比例関数、正接関数、指数関数、区間に分けての近似直線の集合等が利用できる。また、図6の分布を表すマップを、張り剛性の上昇率Qと評価変数距離Dとの相関関係として利用しても良い。
ここで、張り剛性の上昇率Qの低い領域が、実際のパネル部品を評価する上で特に問題となる。このため、本実施形態では、前記近似曲線として、張り剛性の上昇率Qの低い領域で出来るだけ実験値を近似するように係数を設定した。
「近似曲線A」
Q =(I/5882)0.25
×(1000/(D−60)−1.5) ・・・(1)
但し D ≧65[mm]
(Dの好適範囲は 250[mm]<D<350[mm])
「近似曲線B」
Q =(I/5882)0.25
×(−0.08+0.3tan(100/D))×100
・・・(2)
但し D ≧65[mm]
Dの好適範囲は 240[mm]<D<400[mm]
なお、Qが負となる場合はQ=0とする。
Q =(I/5882)0.25×(−9D+385)
(65[mm]<D<80[mm])
Q =(I/5882)0.25×(−0.5D+105)
(80[mm]≦D<170[mm])
Q =(I/5882)0.25×(−0.125D+41.25)
(170[mm]≦D<250[mm])
Q =(I/5882)0.25×(−0.03D+17.5)
(250[mm]≦D)
ただし、Qが負となる場合はQ=0とする。
・・・(3)
Q =(I/5882)0.25×ΔQ
= F(I)×ΔQ
すなわち、補強部材の断面二次極モーメントIから求まるF(I)と、評価変数距離Dから求まる上昇係数ΔQとに分離することが出来る。このため、補強部材の形状を限定せずに、評価変数距離Dから上昇係数ΔQを求めることが可能となる。
そして、前記張り剛性の上昇率Q若しくは上昇係数ΔQが、張り剛性の上昇の度合いに対応する。
張り剛性上昇率Qの算出に用いる近似式は、補強部材を入れる前の張り剛性値と仮に決定した位置に補強部材を入れた場合の張り剛性値をそれぞれ有限要素解析から求め、張り剛性上昇率Qと評価変数距離Dの関係を図6のように整理し、整理した結果に近似するように決定する。張り剛性上昇率Qと評価変数距離Dの関係はD=0でQは最大値を取り、Dが大きくなるに従いQは小さくなる関係となるため近似曲線は反比例関数、正接関数、または区間内直線近似の集合からなる曲線で近似することが望ましい。もちろん、張り剛性上昇率Qと評価変数距離Dを整理した結果と良い相関を取るのであれば近似曲線は指数関数、対数関数、n次関数(nは1以上の整数)等で近似することも可能である。以降、補強部材の配置を変えても張り剛性上昇率Qと評価変数距離Dの関係は前記の手順に従い決定された近似式に従うため、前記近似式の決定手順は一度行うだけでよい。すなわち、近似式を決定するために必要な有限要素解析の回数は二回となる。張り剛性上昇率Qの算出は、アウターパネル上の張り剛性上昇率を算出したい位置と補強部材の位置関係からdm及びdrを決定し、評価変数距離Dを求め、前記近似式に代入することにより行う。前記張り剛性上昇率Qを算出する計算は手計算で実施してもよい。ただし、パネル部品上の多数の評価点に対して計算を行う場合は表計算ソフト等を用いて自動演算させることが望ましい。
次に、前記のような近似式を使用することによる、補強部材4を取り付けることによる張り剛性の評価方法の一例について、説明する。
その張り剛性の評価方法の例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10では、対象とするパネル部品に対し、対象とする補強部材4を取り付けていない状態で、予め設定した評価範囲の各評価点についての張り剛性を、有限要素解析によって求める。有限要素解析は、例えば後述の実施例における比較例の有限要素解析と同じ解析手法を採用すればよい。
次に、ステップS30では、対象とするパネル部品に対して補強部材4を配置する位置及び、パネル部品に対する補強部材4の取付け部位置5を仮決定する。このとき、前記補強部材4の軸Lを表す直線の方程式及び取付け部であるマスチック位置の座標を求めて設定する。マスチック位置の座標は、前記直線上に存在する。
ここで、前記パネル部品を有限要素解析する際の座標系に対する、前記直線及び座標として、前記補強部材4の軸Lを表す直線の方程式及び取付け部であるマスチック位置の座標を設定すればよい。前記直線は、例えばy切片及び傾き、または、直線の両端部の座標などで設定すれば良い。
(補強部材取付け後の張り剛性)=(補強部材取付け前の張り剛性)
×(1+(Q/100))
前記のような処理手順を、パネル部品上の任意の評価範囲内の全ての評価点に対して実施することで、補強部材4を取り付けた際の任意の範囲内の張り剛性の分布の変化を見積もる事が可能となる。このことにより、補強部材4、マスチック接合位置を様々に設定しつつ任意の評価範囲内での張り剛性の分布を調べ、パネル部品上の任意の評価範囲内の張り剛性が要件を満たすように補強部材4の設置位置(補強部材4の配置及びパネル部品への取付け部の位置)を最適化することが可能となる。当然、パネル部品内の任意の評価範囲というのはパネル全面でも構わない。
次に、補強部材4の配置を最適化する取付け設計方法の処理の一例を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS110では、対象とするパネル部品について、対象とする補強部材4を取り付けていない状態で、予め設定した評価範囲の各評価点についての張り剛性を、有限要素解析によって求める。
次に、ステップS130では、対象とするパネル部品に対して補強部材4を配置する位置及び、パネル部品に対する補強部材4の取付け部位置5を仮決定する。このとき、前記補強部材4の軸Lを表す直線の方程式及び取付け部位置5であるマスチック位置の座標を求めて設定する。
なお、前記パネル部品を有限要素解析する際の座標系に対する直線及び座標として、前記補強部材4の軸Lを表す直線の方程式及び取付け部位置5であるマスチック位置の座標を設定すればよい。
ステップS160では、前記任意の評価範囲の各評価点についての補強部材取付け後の張り剛性が、目標とする張り剛性未満の場合には、ステップS120若しくはステップS130に移行して処理を繰り返す。補強部材取付け後の張り剛性が、目標とする張り剛性以上の場合には処理を終了する。
なお、前記近似式から分かるように、補強部材4の形状を変えて断面二次極モーメントIを増大することで、補強部材取付け後の張り剛性を大きくすることも出来るし、前記任意の評価範囲の各評価点に対する補強部材4の位置やマスチック位置(取付け部の位置)を変更することで補強部材取付け後の張り剛性を変更することが出来る。
張り剛性評価装置20は、図11に示すように、張り剛性上昇度合い演算部を構成する上昇率演算部20A、及び補強部材取付け後張り剛性演算部20BをCPUが処理するプログラムとして備える。
張り剛性評価装置20への入力情報は、対象とする補強部材4を取り付ける前の状態においてパネル部品上に設定した評価範囲の各評価点の張り剛性を解析した結果である補強前の張り剛性、前記パネル部品に対する補強部材4の配置位置及び取付け部位置5、及び当該補強部材4の断面二次極モーメントIの情報である。なお、前記解析の際の座標系情報も入力する。
補強部材取付け後張り剛性演算部20Bは、入力された補強前の張り剛性と、前記張り剛性上昇率演算部20Aが演算した張り剛性の上昇の度合いとに基づき、前記補強部材4を取り付けたときの、前記評価範囲の各評価点の張り剛性を演算する。
なお、張り剛性評価装置20への入力及び出力は、例えばタッチパネルなどの表示部上で実施すれば良い。
以上のように、本発明に基づく本実施形態を採用すると、予め対象とする補強部材4を取り付ける前の張り剛性を求めておけば、対象とする補強部材4を取り付けることによる予め設定した各評価点位置における補強部材取付け後の張り剛性を、簡便に求めることが可能となる。このため、補強部材4の配置の最適化が簡便に実施することが可能となる。
図12は、本実施例の自動車ドア1の構成を示す斜視図である。ドア1は、図12に示すように、アウターパネル2とインナーパネル3を貼り合わせたパネル構造体となっており、それらの間に補強部材4を装着する。補強部材4は、接着剤を介してアウターパネル2の内面に接着されて取り付けられる。
ここで実施例の材質は、下記のような弾性率その他の値となっていた。
弾性率(ヤング率):210GPa 、YP:285MPa 、TS:345MPa、一様伸び:20.1%
本実施形態に基づく補強部材4の配置の評価による補強部材4の最適化と、比較例による補強部材4の配置の評価による補強部材4の最適化について比較を行った。
補強部材4の最適位置は、図13に示すように、その補強部材4の両端位置によって選定した、すなわち、図13に示す10点ずつの点群M及び点群Nから、それぞれ一点ずつ選んで形成される軸Lを持った補強部材4の配置を100通り想定し、それらのうちパネル部品上の張り剛性の最弱位置の張り剛性が最も高くなるときの位置を最適位置とした。
また、補強部材4は図14に示すような板厚1mmの一定断面のハット型の形状とした。この補強部材4の断面二次極モーメントIは5161(mm4)であった。
すなわち、有限要素解析として、解析ソフトにLS−DYNAver971d R3.2.1(Livermore Software Technology Corporation社製)を用いた。解析したモデル例を図15に示す。図15のモデルの平均メッシュサイズは、アウターパネル2が10mm、インナーパネル3および補強部材4が7.5mm、全ノード数が30728、アウターパネル2上の、解析対象とする領域内のノード数が1930点である。解析は静的陰解法を用いた。
先ずステップS210にて、補強部材4の形状を決定する。そして、補強部材4の断面二次極モーメントIを求める。
次に、ステップS220にて、補強部材4を配置する位置及びマスチックを付ける位置を仮決定して、有限要素解析モデルを作製する。
次に、ステップS240では、アウターパネル2上の張り剛性を評価したい検出領域内の全てのノード(評価点)に対して、ステップS230の処理をしたか判定する。終了していない場合にはステップS230の処理を繰り返す。終了している場合にはステップS250に移行する。
これを、前記100通りについて実施して、最弱位置の張り剛性が一番上昇する位置を最適位置とする。
以上の計算の結果、補強部材4の最適配置は図17の位置に決定された。
表1に、最適配置に補強部材4を設置した場合について、図18に示される位置の点A、Bについての本発明手法で得られる、2mm押下するのに必要な荷重の予測値、ならびに前記比較例による前記有限要素解析を行い得られた場合の2mm押下するのに必要な荷重、およびそれらの荷重を導出するのに必要な時間を記す。
表1から分かるとおり、本発明手法によって導かれる予測値(評価値)と、そのつど有限要素解析を行って求められた荷重とはほぼ等しいことが分かる。すなわち、本発明手法による予測値(評価値)が精度が高いことが分かる。
図19に示すように補強部材4がアウターパネル2の中央を横断するように設置した場合と、本発明による最適位置に設置した場合(図17参照)とで、図18で示した点A、Bに対して試験を行った。試験は、図20に示すように試験位置(A点、B点)を直径45mmのゴム圧子で外側(補強部材の取付け面と反対側)から押下し、荷重と変位の関係を求めた。評価は、2mm変位した時点での荷重が40Nを超えていれば可、40N以下であれば不可とした。
表2に、補強部材4の配置の最適化を行った場合(図17参照)と単にパネル中央に補強部材4を配置した場合(図19参照)との2つの例における評価結果を示す。
2 アウターパネル
3 インナーパネル
4 補強部材
5 マスチック接合位置(マスチック位置)
20 張り剛性評価装置
20A 張り剛性上昇率演算部(張り剛性上昇度合い演算部)
20B 補強部材取付け後張り剛性演算部
D 評価変数距離
dm 取付位置最短距離
dr 軸位置最短距離
I 断面二次極モーメント
L 軸
Q 張り剛性の上昇率
ΔQ 上昇係数
Claims (4)
- 少なくとも一方向に沿って湾曲した状態のパネル部品に対し、前記一方向に沿った方向に沿って延在する補強部材を取り付けることによる、当該パネル部品の張り剛性の上昇を評価する張り剛性評価方法であって、
前記パネル部品に設定した評価位置に対する、前記補強部材のパネル部品への取付け部までの最短距離である取付位置最短距離と前記補強部材の軸までの最短距離である軸位置最短距離との和である評価変数距離に基づき、当該補強部材を取り付けることによる、前記評価位置での張り剛性の上昇を評価し、
その評価は、前記評価変数距離と張り剛性の上昇の度合いとの相関関係を予め求めておき、その予め求めた相関関係を利用して、前記評価位置での張り剛性の上昇を評価し、
前記相関関係は、実験又は有限要素解析により、補強部材を取り付ける前後の各パネル部品の張り剛性値を求め、その求めた張り剛性値から、パネル部材の複数の評価点における張り剛性上昇率を算出して、各評価点での評価変数距離と前記算出した張り剛性上昇率とから、求めることを特徴とする張り剛性評価方法。 - 対象とする補強部材を取り付ける前の状態において、パネル部品上に設定した評価範囲の各評価点の張り剛性を補強前の張り剛性として求めると共に、
前記請求項1に記載した張り剛性評価方法によって、前記対象とする補強部材を取り付けることによる前記評価範囲の各評価点での張り剛性の上昇の度合いを求め、その求めた上昇の度合いと補強前の張り剛性とに基づき、前記対象とする補強部材を取り付けることによる、前記評価範囲の各評価点の張り剛性を評価することを特徴とする張り剛性評価方法。 - 請求項2に記載した張り剛性評価方法に基づき、前記評価範囲での張り剛性が目標とする目標張り剛性以上となる、前記補強部材の配置、及び当該補強部材のパネル部品への取付け部位置の少なくとも一方を選定することを特徴とする補強部材の取付け設計方法。
- 対象とする補強部材を取り付ける前の状態において、パネル部品上に設定した評価範囲の各評価点の張り剛性を解析した結果である補強前の張り剛性、前記パネル部品に対する補強部材の配置位置及び取付け部位置、及び当該補強部材の断面二次極モーメントの情報が入力され、その入力した情報に基づいて、前記補強部材を取り付けた後の前記評価範囲の各評価点の張り剛性を演算する張り剛性評価装置であって、
前記パネル部品における前記各評価点の位置に対する、前記補強部材のパネル部品への取付け部までの最短距離である取付位置最短距離と前記補強部材の軸までの最短距離である軸位置最短距離との和である評価変数距離、及び前記断面二次極モーメントに基づき、当該補強部材を取り付けることによる、前記各評価点の張り剛性の上昇の度合いをそれぞれ演算する張り剛性上昇度合い演算部と、
前記入力した補強前の張り剛性と、前記張り剛性上昇度合い演算部が演算した張り剛性上昇の度合いとに基づき、前記補強部材を取り付けたときの前記評価範囲の各評価点の張り剛性を演算する補強部材取付け後張り剛性演算部と、
を備え、
実験又は有限要素解析により、補強部材を取り付ける前後の各パネル部品の張り剛性値を求め、その求めた張り剛性値から、パネル部材の複数の位置における張り剛性上昇率を算出し、前記複数の位置での評価変数距離と前記算出した張り剛性上昇率とから、前記評価変数距離と張り剛性の上昇の度合いとの相関関係を予め求めておき、
前記張り剛性上昇度合い演算部は、前記予め求めた前記相関関係に基づき、前記評価点での張り剛性の上昇を評価することを特徴とする張り剛性評価装置。
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