JP5828541B2 - 植物栽培装置及び植物栽培装置における可動ベッドの運用方法 - Google Patents
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Description
農林水産省委託研究プロジェクト担い手プロ(平成22年度からはアシストプロ)「超省力施設園芸生産技術の開発」では、イチゴの高設栽培を対象に、ロボット収穫技術の活用も想定し、慣行の2.5培である収量10t/10aを確保しながら、単位面積当たり労働時間の半減と、単位収穫量当たり生産費の半減を目標とした研究開発に取り組んでいる。このため、収量向上の一つの手段として吊り下げ式可動ベッドによる密植により、単位面積当たりの株数を慣行の1.5培定植できる栽培方法を提案している。従来の可動ベッドでは、通路に入るため個々のベッドを別々に動かす必要があり、作業者の操作さらには収穫ロボットの導入の観点から、簡便な可動ベッド開閉制御方法の開発が求められている。
この植物栽培装置では、横梁に吊杆を介して固定された固定型栽培槽(固定ベッド)と、該横梁に吊杆を介して支持されかつ該横梁に沿って移動自在に設けられた移動型栽培槽(可動ベッド)とを有する構造とされ、該移動型栽培槽が、前記固定型栽培槽に対して近接又は離間することで、これら栽培槽の間に作業者が作業できる通路を形成する。
また、移動型栽培槽に対して、個別の駆動機構を設ける必要があり、機構全体が複雑となるとともに、該移動型栽培槽の移動及び停止制御を、磁気近接センサからの検出信号に基づいて行うようにしているので、制御が複雑化する。また、園芸用ハウス内で磁気近接センサを用いた場合、該センサの検出部に埃、ゴミ、錆びなどが付着して検出ミスが発生する恐れもあった。
また、前記ベッド連結ユニット毎の駆動モータは、スイッチボックスから駆動開始信号が出力されると一定時間、該ベッド連結ユニットを走行レールに沿って前進又は後進させるように駆動内容を設定しておけば、従来のような磁気近接センサ等の検出素子が不要となり、該センサによる検出ミス発生要因を排除することができる。
図1に符号100で示される植物栽培装置は、ハウスH内に一定高さで設置された走行レール1に沿って複数のベッド連結ユニット10(本例ではA〜Dからなる4ユニット)と、該ベッド連結ユニット10の中央部に配置された固定ベッド11と、該ベッド連結ユニット10の下方に位置する地面上に配置されたプラットフォーム20とを主な構成要素とする。
なお、前記連結ユニット3は、全てのベッド連結ユニット10において同一長さに形成されている。
前記駆動機構4は駆動モータ4Aと、走行レール1上を転動する走行ローラ4Bに対して該駆動モータ4Aの動力を伝達する動力伝達機構(図示略)とを具備する構成とされている。また、図中符号50で示すものは駆動モータ4Aに電力を供給する電源である。
また、ユニットBで示されるベッド連結ユニット10は、固定ベッド11を挟んで各側(図中左側の第1領域50、右側の第2領域51)にそれぞれ4台配置された可動ベッド2の中で、(左から数えて)2番目の2台の可動ベッド2を連結パイプ3で連結した構成とされている。
また、ユニットCで示されるベッド連結ユニット10は、固定ベッド11を挟んで各側(図中左側の第1領域50、右側の第2領域51)にそれぞれ4台配置された可動ベッド2の中で、(左から数えて)3番目の2台の可動ベッド2を連結パイプ3で連結した構成とされている。
また、ユニットDで示されるベッド連結ユニット10は、固定ベッド11を挟んで各側(図中左側の第1領域50、右側の第2領域51)にそれぞれ4台配置された可動ベッド2の中で、(左から数えて)4番目の2台の可動ベッド2を連結パイプ3で連結した構成とされている。
そして、このように構成されたベッド連結ユニット10では、2台の可動ベッド2が連結パイプ3を介して結合されているので、該ベッド連結ユニット10のユニットA〜Dを単位として、対応する2台の可動ベッド2を同時に走行させることができ、各ベッド連結ユニット10間における可動ベッド2の間隔調整、及びベッド連結ユニット10の可動ベッド2と固定ベッド11との間隔調整を行うことができる。また、このようなベッド連結ユニット10のユニットA〜Dを単位とした駆動によって、ユニットA〜D間における可動ベッド2の間隔を作業可能な通路幅S1〜S3(例えば100cm)、又は最小となる通路幅(例えば40cm)にすることができる。
ここで設定される既定時間(例えば45秒)は、隣接するベッド連結ユニット10の可動ベッド2の間隔を、作業可能な通路幅(例えば100cm)、又は最小となる通路幅(例えば40cm)にするために駆動モータ4Aを駆動する時間であって、事前の計測に基づき設定される。また、前記スイッチボックスSWでは、該当するユニットA〜Dについて、作業者がスイッチ(図示略)を押す毎に、前進(図中右方向への移動)又は後退(図中左方向への移動)を繰り返すように設定がされている。
このプラットフォーム20は、図1及び図3に示されるように、地面G上の台座21Aに支持されかつ前記走行レール1と平行に配置されたパイプレール21と、該パイプレール21を転動するローラ22を介して走行する移動フレーム23と、この移動フレーム23上に該移動フレーム23の走行方向(図3のa→b方向)と直交する方向に移動自在に設けられていて、その上に作業者が乗ることができる作業台車24と、該作業台車24を駆動する駆動機構(図示略)と、該駆動機構を操作する操作パネル25とから構成されるものであって、作業者による操作パネル25での操作によって、該作業台車24が矢印a−b方向(ベッドの移動方向)およびこれと直交する方向(ベッドの長手方向)に走行される。
なお、作業者は、作業可能な通路幅(例えば100cm)に設定された可動ベッド2間に、移動フレーム23が位置するように操作パネル25を操作する。
図1に示されるように、ユニットAのベッド連結ユニット10と、ユニットBのベッド連結ユニット10との間に、作業可能な通路幅(符号S1で示す)が形成されている状態で、ユニットBのベッド連結ユニット10を図中左側(矢印aで示す)に移動させた場合には、図4で示すように、ユニットBのベッド連結ユニット10と、ユニットCのベッド連結ユニット10との間に、作業可能な通路幅(符号S2で示す)を形成することができる。このとき、ユニットBのベッド連結ユニット10を駆動機構4によるモータ駆動により、該ベッド連結ユニット10の可動ベッド2を共にかつ同時に走行させることができる。また、ユニットBのベッド連結ユニット10と、ユニットCのベッド連結ユニット10との間に、作業可能な通路幅(符号S2で示す)を形成した場合には、これに合わせて移動フレーム23を矢印b方向に移動させ、該移動フレーム23上の作業台車24上にて作業者による作業、あるいは、台車23上に載せた摘み取りロボットや薬剤噴霧装置等の機器による作業を可能とする。
(変形例1)
上記実施形態では、各ベッド連結ユニット10において2台の可動ベッド2を連結パイプ3で着脱可能に(連動、単独いずれの移動も可能なように)連結するようにしたが、連結パイプ3で連結する可動ベッド2は2台に限定されず、2台以上の可動ベッド2を次々に直列に連結しても良い。また、種々の異なる長さの連結パイプ3を準備して、実施例の場合より遠い位置のベッド(例えば左側のAと右側のBあるいはC)、あるいは近い位置のベッド(右側のAとB、AとC)と任意に連結できる構成としても良い。
上記実施形態では、ユニットA〜Dのベッド連結ユニット10の全てをモータ駆動したが、例えば、ユニットA及びユニットCの間に位置するユニットBのベッド連結ユニット10の駆動モータ4Aを省略し、隣接するユニットA及びユニットCのベッド連結ユニット10で押すことで、該ユニットBのベッド連結ユニット10を矢印a方向又は矢印b方向に移動させるようにしても良い。
上記実施形態では。中央部に固定ベッド11を設けたが、この固定ベッド11の設置箇所についてはハウスHの状況によって適宜変更しても良いし、さらに追加して設置しても良い。また、不要であれば、該固定ベッド11を省略し、中央部にハウスHの屋根又は走行レール1を支持する支柱のみを設けても良い。
上記実施形態では、各ベッド連結ユニット10を予め定めた既定時間、モータ駆動することで矢印a方向又は矢印b方向に往復動させるようにしたが、このとき、各ベッド連結ユニット10の前部又は後部にリミットスイッチを設け、該リミットスイッチのON/OFFによって、該各ベッド連結ユニット10の衝突の危険性がある場合、モータ駆動を停止させ、駆動モータ4Aに過負荷がかからないようにしても良い。
上記実施形態では、図1、図4及び図5に示すように、ハウスH内において、プラットフォーム20のパイプレール21を、ベッド連結ユニット10の全可動範囲に設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ベッド連結ユニット10の可動範囲の半分に設け、パイプレール21を台座21Aに対して手動又は機械的にスライドさせることで、該パイプレール21上の移動フレーム23を、通路幅(符号S1〜S3で示す)が形成された箇所に位置させるようにしても良い。
2 可動ベッド
3 連結パイプ
4 駆動機構
4A 駆動モータ
10 ベッド連結ユニット
11 固定ベッド
20 プラットフォーム
H ハウス
A ユニット
B ユニット
C ユニット
D ユニット
SW スイッチボックス
Claims (6)
- 植物が栽培される複数の可動ベッドが走行レールに沿って移動自在に設けられ、該可動ベッドの間が作業通路となる植物栽培装置であって、
少なくとも2台の前記可動ベッドが連結パイプで結合されることで構成されるベッド連結ユニットを複数ユニット設け、これら各ベッド連結ユニットには、前記走行レールに沿ってユニット単位で前記可動ベッドを移動させる駆動モータを設置し、
前記ベッド連結ユニットの下方に位置する地面上には、前記走行レールと平行に配置されたパイプレールと、前記パイプレールに沿って走行し、作業者の作業台が取り付けられる移動フレームとを有するプラットフォームが設置され、
前記作業台は、前記移動フレームに対して、前記移動フレームの走行方向と直交する方向に移動自在である、
ことを特徴とする植物栽培装置。 - 前記走行レールには、該走行レールに設置された固定ベッドを挟むように、前記ベッド連結ユニットの一方の可動ベッドと、他方の可動ベッドが配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。 - 前記ベッド連結ユニット毎の駆動モータは、スイッチボックスから駆動開始信号が出力されると一定時間、該ベッド連結ユニットを前記走行レールに沿って前進又は後進させる、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の植物栽培装置。 - 植物が栽培される複数の可動ベッドが走行レールに沿って移動自在に設けられ、該可動ベッドの間が作業通路となる植物栽培装置であって、少なくとも2台の前記可動ベッドが連結パイプで結合されることで構成されるベッド連結ユニットを複数ユニット設け、これら各ベッド連結ユニットには、前記走行レールに沿ってユニット単位で前記可動ベッドを移動させる駆動モータを設置し、前記ベッド連結ユニットの下方に位置する地面上には、前記走行レールと平行に配置されたパイプレールと、前記パイプレールに沿って走行し、作業者の作業台が取り付けられる移動フレームとを有するプラットフォームが設置され、前記作業台は、前記移動フレームに対して、前記移動フレームの走行方向と直交する方向に移動自在である植物栽培装置における可動ベッドの運用方法であって、
前記各ベッド連結ユニットをユニット単位でモータ駆動することにより、該ベッド連結ユニットの可動ベッドを同時に走行させ、
前記作業台を、前記移動フレームに対して、前記移動フレームの走行方向と直交する方向に移動させる、
ことを特徴とする植物栽培装置における可動ベッドの運用方法。 - 前記走行レールには、該走行レールに設置された固定ベッドを挟むように、前記ベッド連結ユニットの一方の可動ベッドと、他方の可動ベッドが配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の植物栽培装置における可動ベッドの運用方法。 - 前記ベッド連結ユニット毎の駆動モータは、スイッチボックスから駆動開始信号が出力されると一定時間、該ベッド連結ユニットを前記走行レールに沿って前進又は後進させる、
ことを特徴とする請求項4又は5のいずれか1項に記載の植物栽培装置における可動ベッドの運用方法。
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