JP5827808B2 - ペット用トイレ砂及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ペット用のトイレ、特に猫用の上下二重構造のトイレの上部側に配して使用するペレット状に造粒した、撥水性でありながら表面に残留した尿を吸収する吸水性をも備えたペット用トイレ砂及びその製造方法に関する。
廃棄物となるトイレ砂の使用量を減少させる等の趣旨から尿の吸収をシート材に任せ、該シート材の上方に、簀の子等を介して、猫等のペット類を導く観点でトイレ砂を配することとした二重構造のペット用のトイレが提供されている。このようなペット用のトイレでは、トイレ砂は吸水性は不要であり、かえって十分な撥水性を備え、ペット類の尿を、その周囲に残留させることなく、速やかにかつ確実にシート材上に流下させ得るものとすることが好ましいとされていた。
特許文献1はペット用トイレ砂及びその製造方法に関するものであり、前者のペット用トイレ砂は、ポリプロピレンフィルムと不織布又はパルプ繊維との解砕物を熱融着して構成したものであり、上記不織布はパルプ繊維及びポリエチレンで構成したものである。またこのペット用トイレ砂の製造方法は、ポリプロピレンフィルムと不織布又はパルプ繊維とを解砕し、得られたそれらの解砕物を圧力を掛けて成形口から押し出し、このとき発生する熱により該成形口から押し出される解砕物相互を融着させてペレット状の粒体に形成するものである。
このペット用トイレ砂は、撥水性であり、解砕物の一部のみが溶融状態となって結合した態様のペレット状粒体となっているそれは、適度な弾力性を有し、これを、前記ペット用トイレの上方側に配置した場合には、猫等のペットに違和感を与えない利点がある。そして撥水性であるから、ここに猫等のペットが排尿した場合に、その尿の大部分は、直ちに下方のシート材上に流下し、該シート材に吸収されることになる。しかし全ての尿が直ちに流下することにはなかなかならず、一部の尿が、上部の撥水性のトイレ砂の表面に球状等になりながら付着し残留する事実が認められ、これがペット用トイレから悪臭を発する原因となることが分かった。
特許文献2は、動物用トイレ砂に関し、これは、複数の粒状物から構成される動物用トイレ砂であって、該複数の粒状物には、撥水性を有する第1粒状物と、吸水性を有する第2粒状物とが含まれるものとなっており、その趣旨は、トイレ砂と吸液シートとの双方を用いる二重構造のトイレにおいて、この二種類の粒状物からなる動物用トイレ砂を上方に、吸液シートを下方に、それぞれ配置して、上方のトイレ砂に排泄された排泄物の液体の大部分を速やかに吸液シートへ移動させるようにし、かつ通過し得なかった水分については時間の経過と共にトイレ砂中に吸収されるようにし、悪臭の発生を回避しようとするものとされている。
しかしこの特許文献2の動物用トイレ砂は、吸水性の粒状物と撥水性の粒状物との混合物であり、上方のトイレ砂中に残留する尿等の水分は、云うまでもなく、吸水性の粒状物にのみ付着するわけではなく、撥水性の粒状物にも付着する。吸水性の粒状物に付着した水分は、時間の経過と共に、その粒状物中に吸収されて行き、臭い成分もその中に閉じこめられる可能性があるが、撥水性の粒状物にも多くはないが必ず付着し、付着した水分は、猫等の対象の動物がその上を歩く等により、その粒状物が移動して吸水性の粒状物に接触すれば、その粒状物に吸収される可能性があるが、そうでなければ、その撥水性の粒状物に付着したままとなり、蒸発するのを待つだけとなる。従って臭い成分も粒状物中に吸収されることがないので、そこから放出され、悪臭を発することとなる虞がある。
特許文献3は、動物用トイレ砂に関し、これは、シリカゲルを主原料とした粒状物であり、吸収性を有する部分と、撥水加工を施すことで表面の一部に構成した撥水性を有する部分とを備えた粒状物からなるものである。
この特許文献の3の動物用トイレ砂を前記ペット用のトイレの上方側に配置して使用した場合には、猫等のペット類がその上で排尿すると、その水分の多くが比較的良好にその下方のシート材に流下し、これに吸収されることになる。他方、トイレ砂中にも若干の尿が残留することになるが、これらは該トイレ砂の吸収性の部分から吸収されると思われる。従ってこのペット用のトイレから悪臭が発生することになる可能性は比較的低いものと思われる。しかし、このトイレ砂を構成する粒状物は球状等の固形物であり、紙類等で作成したトイレ砂と比較して固いため、その上で排尿等をする猫等のペットにとって違和感のある問題がある。またこのトイレ砂は燃えるゴミとして廃棄することもできない問題もある。
特許第3878927号公報 特開2006−55098号公報 特許第4521233号公報
本発明は、以上の従来技術の問題点を解決し、下部に尿吸収用のシート材を配し、上部にトイレ砂を配する二重構造のペット用トイレの上部側に配するのに適するトイレ砂であって、撥水性を有し、ペット類の排泄した尿を良好に下部のシート材に流下させうると共に、上部に残留した尿を吸収することも可能で、かつ適度な弾力性を有し、更に燃えるゴミとして廃棄することも可能なペット用トイレ砂及びその製造方法を提供することを解決の課題とする。
本発明の1は、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と吸水材粉末とを混合し熱融着させた混合物の表面の一部に露出する吸水材による吸水面及び内部の吸水材と外部の水分との接触用として表面に開口するひび割れを備えたペレットに構成したペット用トイレ砂である。
本発明の2は、本発明の1のペット用トイレ砂において、
前記ペレットの標準外径を5〜7mmに設定し、
前記吸水性粉末としてパルプ繊維の粉末を採用し、
前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との標準配合比率を、
ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物:吸水材粉末=60〜40:40〜60に設定し、
前記ペレットの外径を標準外径とする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率を標準配合比率に定め、
前記ペレットの外径を標準外径より小径にする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合における該吸水材粉末の割合を標準配合比率より高め、
該ペレットの外径を標準外径より大径にする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合における吸水材粉末の割合を標準配合比率から低めることとしたものである。
本発明の3は、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方を解砕し、この解砕物と吸水材粉末とを混合し、得られた混合物に圧力を掛け、このときに発生する熱により相互に融着させた前記混合物を成形口から押し出すことで成形されたペレットの表面性状を観察しながら、熱が不足して融着が十分に進行せず前記混合物が結合していない場合には圧力を高くし、熱が高いために前記混合物が溶融している場合には圧力を低くして、前記混合物の一部が溶けて相互に結合したその表面にひび割れを生成することによって、その表面の一部に吸水材の露出した吸水面を備えかつ表面に内部の吸水材と外部の水分との接触用のひび割れを備えたペレットに成形するペット用トイレ砂の製造方法である。また、本発明の3において、成形口から吐出された前記混合物の表面の温度が60〜75度の範囲になるように圧力を調整したペット用トイレ砂の製造方法である。

本発明の4は、本発明の3のペット用トイレ砂の製造方法において、
前記成形口から押し出されるペレットの表面性状を観察し、前記混合物に圧力を加えて前記ペレットの表面にひび割れを生じさせることとしたものである。
本発明の5は、本発明の3のペット用トイレ砂の製造方法において、
前記吸水性粉末としてパルプ繊維の粉末又は高吸水性ポリマー粉末の一方又は双方を採用したものである。
本発明の6は、本発明の3のペット用トイレ砂の製造方法において、
前記ペレットの標準外径を5〜7mmに設定し、
前記吸水性粉末としてパルプ繊維の粉末を採用し、
前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との標準配合比率を、
ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物:吸水材粉末=60〜40:40〜60に設定し、
前記ペレットの外径を標準外径とする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率を標準配合比率に定め、
前記ペレットの外径を標準外径より小径にする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合における該吸水材粉末の割合を標準配合比率より高め、
該ペレットの外径を標準外径より大径にする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合における吸水材粉末の割合を標準配合比率から低めることとしたものである。
本発明の1のペット用トイレ砂によれば、例えば、簀の子状部材で上下を仕切った二重構造で、該簀の子状部材の上側には、ペット用トイレ砂を、下方には尿等の水分を吸収するシート材を、それぞれ配する構成のペット用トイレにおいて、その簀の子状部材の上側に配して良好に使用することができる。
本発明の1のペット用トイレ砂は、その材質との関係より、基本的に撥水性であるが、その吸水材も含まれており、ペレットに構成されるその表面には、該吸水材の一部が露出した吸水面が構成され、該ペレットの表面には加えて適切にひび割れが開口し、内部の吸水材がそのひび割れ内面に露出することも多いため、このペット用トイレ砂を、前記ペット用トイレの簀の子上に配して使用すると、猫等のペット類がその上で排尿をした場合に、その尿の多くは該ペット用トイレ砂が基本的には撥水性であるためその間を通過して該簀の子状部材の下方に流下し、下方に配されているシート材で吸収されることになる。
一部の尿は簀の子状部材の上側のペット用トイレ砂や簀の子状部材に付着して残留することになるが、これらの尿は、その一部は、該ペット用トイレ砂の表面に露出している吸水面から吸水材に吸収され、他の一部は、表面のひび割れを通じてその内部に滲入し、そのひび割れ内面に露出している吸水材に良好に吸収されることになる。
こうしてペット用トイレ砂の表面や簀の子状部材に付着残留した尿は、その殆どが良好にその中の吸水材に吸収されることとなり、その結果、その臭い成分はトイレ砂内に閉じこめられ、ペット用トイレからの不快な臭いの放出は相当程度低下することになる。このペット用トイレ砂の尿吸収は、これに十分な撥水性を保持させながらも、これにひび割れを形成し、これを通じて尿をその内部に滲入させるようにしたため、より効率的に行われ、良好に臭いを閉じこめることができるようになる。
またこのペット用トイレ砂は、以上のように、その表面に多数のひび割れが開口するように構成してあり、材料であるポリオレフィン系フィルム又はポリ酢酸ビニル系フィルムの解砕物及び吸水材粉末が完全に溶融した上で成形されたものではない。それ故、このペット用トイレ砂は、紙類で成形したもののような適度な弾力性を有しており、その上で排尿しようとするペット類に違和感を与えない。またこれは、使用後には、燃えるゴミとして廃棄できる。
本発明の2のペット用トイレ砂によれば、成形口から押し出し、その際の加圧により生成する熱によって材料の一部を溶融し、ペレット状に成形する一般的な押し出し成形によって作成する場合に、前記ペレットの外径と材料の配合との関係を適切に定めたことにより、ペレット状のペット用トイレ砂の外径いかんに拘わらず、適切な撥水性と適度な吸水性とを有するそれとすることができる。
すなわち、ペット用トイレ砂を構成するペレットの外径を5〜7mmの標準外径にする場合は、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と吸水材粉末との配合比率も標準配合比率である前者:後者=60〜40:40〜60にして、前記押し出し成形によって作成すれば、適切な撥水性及び吸水性を備えたペレットからなるペット用トイレ砂を容易に作成することができる。
またペレットの外径を標準外径より大きくしたい場合又は小さくしたい場合は、それぞれ前記材料の配合比率を前記標準配合比率から前記のように変更すればよい。例えば、ペレット外径を前記標準外径より大きくする場合は、その大きさの増大の程度に応じて、前記吸水材粉末の割合を前記標準配合比率より小さくし、逆の場合は、すなわち、ペレット外径を前記標準外径より小さくする場合は、その大きさの減少の程度に応じて、前記吸水材粉末の割合を大きくする訳である。
こうして本発明の2のペット用トイレ砂によれば、種々の外径のいずれであっても、撥水性と吸水性のバランスを適切に保持し、適度な弾力性を有するそれに確実に構成することができる。それ故、ペットの性質等に応じて種々の外径のペレットからなるペット用トイレ砂を提供可能である。また、このペット用トイレ砂を、前記ペット用トイレの上部側の簀の子上に配して使用すると、猫等のペット類がその上で排尿をした場合に、その尿の多くはその間を通過して該簀の子状部材の下方に流下し、下方に配されているシート材で吸収されることになる。また、前記のように、トイレ砂に適切な弾力性が確保されているため、その上で排尿しようとするペット類に違和感を与えない。
本発明の3のペット用トイレ砂の製造方法によれば、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方と吸水材粉末とからなり、表面の一部に吸水材による吸水面を有し、かつ内部の吸水材に繋がりうる適切な多数のひび割れを開口する、全体として適切な撥水性と吸水性とを備え、更に適切な弾力性を備えたペット用トイレ砂を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の4のペット用トイレ砂の製造方法によれば、成形口から押し出されるペレットの表面性状を観察して、ひび割れが少なければ圧力を低下させ、多すぎれば圧力を上げるという簡単な操作により、成形時の圧力を調整して混合物の温度を調整し、表面に開口する適切な数のひび割れと適切な弾力性とを有するトイレ砂を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の5のペット用トイレ砂の製造方法によれば、安価に又は少量でも必要な吸水性を適切に有するペット用トイレ砂を製造することができる。またパルプ繊維の粉末又は高吸水性ポリマー粉末の一方又は双方とポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方とで作成された衛生用品が製造・販売されており、それらの製造の過程で規格に合致しない等の理由で廃棄されるものを使用することも可能であり、そうすれば、一層安価に製造できる利点もある。
本発明の6のペット用トイレ砂の製造方法によれば、種々の外径のペレットからなるそれらについて、表面のひび割れが適切に構成され、ペレット外表面に吸水材が露出する吸水面に加えて、ひび割れ内面への吸水材の露出状態が適切になり、その撥水性と吸水性とが適切に保持されるトイレ砂を容易確実に作成できることになる。また、ペレット外径に適合する材料の適正な配合比率により、上記のように、ペレット外表面に適切にひび割れが形成され、かつペレットそれ自体に適切な弾力性が確保され、これを前記ペット用トイレの上部側の簀の子上に配して使用した場合に、その上で排尿しようとするペット類に違和感を与えないトイレ砂を得ることができる。
ペレットの外径を5〜7mmの標準外径にする場合は、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と吸水材粉末との配合比率も標準配合比率である前者:後者=60〜40:40〜60にして作成すれば、前記のような適切な撥水性及び吸水性並びに弾力性を備えたペレットからなるペット用トイレ砂を容易に作成することができる。
またペレットの外径を標準外径より大きくしたい場合又は小さくしたい場合は、それぞれ前記材料の配合比率を前記標準配合比率から前記のように変更すればよい訳である。例えば、ペレットの外径を前記標準外径より大きくする場合は、その大きさの増大の程度に応じて、前記吸水材粉末の割合を前記標準配合比率より小さくし、逆の場合は、すなわち、ペレットの外径を前記標準外径より小さくする場合は、その大きさの減少の程度に応じて、前記吸水材粉末の割合を大きくする訳である。
こうして本発明の6のペット用トイレ砂の製造方法によれば、種々の外径のいずれであっても、撥水性と吸水性のバランスを適切に保持し、適度な弾力性を有するそれを確実に製造することができる。それ故、ペットの性質に応じて適切な外径のペレットからなるペット用トイレ砂を与えるべく種々の外径のペレットからなるペット用トイレ砂を製造可能である。またこの製造方法で作成したペット用トイレ砂を、前記ペット用トイレの上部側の簀の子上に配して使用した場合、前記のように、目的の性状を確実に有しているので、猫等のペット類がその上で排尿をした場合に、その尿の多くはその間を通過して該簀の子状部材の下方に流下し、下方に配されているシート材で吸収されることになる。また、前記のように、トイレ砂に適切な弾力性が確保されているため、その上で排尿しようとするペット類に違和感を与えないものでもある。
本発明は、ペット用トイレ砂及びその製造方法に関するものである。
以上のペット用トイレ砂は、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と吸水材粉末とを成形口から押し出し熱融着して、表面の一部に露出する吸水材による吸水面及び内部の吸水材と外部の水分との接触用として表面に開口するひび割れを備えたペレットに構成したものである。
前記ポリオレフィン系フィルムとしては、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムが適当である。これら又はポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方は、解砕する必要があるが、この解砕は、材料の使用態様に応じて、別個に、または混合した上で適当な解砕手段で2〜15mm程度に解砕して原料とする。作成するペレットの外径が大きい場合は、多くの場合、一部に比較的大きな解砕物が含まれていても不都合ではないが、押し出し成形の際に掛かる圧力が比較的小さくなるため、温度上昇が少なく溶融しにくくなる可能性がある。それ故、作成するペレットの外径が大きい場合は、比較的大きな解砕物に加えて小さな解砕物を含めるようにするべきである。あるいは小さな解砕物のみでも不都合ではない。作成するペレットの外径が小さい場合は、余り大きな解砕物を含めるのは不都合であるが、この場合は押し出し成形の際に掛かる圧力が大きくなり、温度も高くなって溶融が進みやすくなるため、不都合でない限度で大きな解砕物とするのが、ひび割れ及び弾力性を確保する観点で、都合がよい。
前記吸水材粉末としては、パルプ繊維の粉末又は高吸水性ポリマー粉末の一方又は双方を採用することができる。パルプ繊維の粉末は、パルプを適当な解砕手段で解砕して作成することができる。その他の吸水性粉末を採用することも当然可能である。
前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と吸水材粉末の材料として、使い捨ておむつのような衛生用品の廃棄物(製造の過程で規格に適合しない等の理由で廃棄されたもの)を使用することが可能である。その場合には、それが同様な材質で作成されているので、解砕機でそれを前記のようなサイズに解砕すれば、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物とパルプ繊維の粉末又は高吸水性ポリマー粉末の一方又は双方との混合物を一層安価にかつ一度に作成できる利点がある。なお、それらの混合割合が不適当な場合は不足する材質の解砕物を添加して調整する。
ペット用トイレ砂を構成するペレットの外径は種々の寸法に構成できるが、その場合には、ペレットの外形寸法と、吸水材粉末であるパルプ繊維の粉末とポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方との配合割合との関係を以下のように設定するのが適当である。
ペレットの外径を標準外径、すなわち、5〜7mmに設定した場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率も、標準配合比率である、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物:吸水材粉末=60〜40:40〜60に設定するのが適当でである。
またペレットの外径を標準外径より大きくする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率を後者の吸水材粉末の割合が標準配合比率におけるそれの割合より小さくなるように設定し、ペレットの外径を標準外径より小さくする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率を後者の吸水材粉末の割合が標準配合比率におけるそれの割合より大きくなるように設定するのが適当である。
以上において、ペレットの外径を標準外径より大きくする程度に応じて、前記材料における吸水材粉末の割合を標準配合比率におけるそれの割合より小さくし、ペレットの外径を標準外径より小さくする程度に応じて、前記材料における吸水材粉末の割合を標準配合比率におけるそれの割合より大きくすべきものである。
このように、ペレットの外径と、材料の配合比率を関係づけて設定することにより、押し出し成形によって製造されるペレットからなるペット用トイレ砂の撥水性と吸水性のバランス及び弾力性を適正なものとすることができる。
すなわち、ペレットの外径が小さくなると、成形口から押し出される材料の混合物の受ける圧力が大きくなり、これによって温度も上昇し、材料は溶融しやすくなる。その結果、撥水性のポリオレフィン系フィルム等の解砕物の多くの部分が溶融し、吸水材粉末を包み込んで、全体として撥水性が高まり、吸水性が失われる傾向となる。またこの場合は弾力性を低下させる傾向が強くなる。それ故、その場合には、ペレット外径が小さくなるほど吸水材の割合を大きくして吸水性を確保できるようにし、またひび割れを生じやすくして、弾力性を確保しやすくする。
また、ペレットの外径が大きくなると、以上とは逆で、成形口から押し出される材料の混合物の受ける圧力が小さくなり、これによって温度上昇が小さくなり、材料は溶融し難くなる。その結果、撥水性のポリオレフィン系フィルム等の解砕物の溶融部分が少なくなり、ひび割れも生じやすくなる。それ故、ペレット内部への水分の滲入が容易になり、全体として撥水性が低下し、吸水性が高まる傾向となる。また弾力性を向上させる傾向が強くなる。それ故、この場合には、ペレット外径が大きくなるほど吸水材の割合を小さくし撥水性を確保できるようにし、また過剰なひび割れの発生をなくして、適度の弾力性を保持しながら、ペレット形状を保持できるようにする。
以上のペレット外径に関連する材料の混合比率の調整は、ペレット外径に関連する前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物の解砕サイズの調整と相まって、より適切な撥水性、吸水性及び弾力性を備えたペット用トイレ砂を得ることができる。
なお、本発明のペット用トイレ砂を構成するペレットには、消臭剤を配合することが好ましい。ペレット中の吸水材によって尿が吸収され、閉じこめられることによって、外部への臭気の発散はかなりの程度抑制されるが、消臭剤を配合することによって、消臭作用はより高められる。消臭剤としては、特定のそれに限定されない。
従って本発明のペット用トイレ砂によれば、これを、上下を簀の子状部材で区画し、該簀の子状部材の上にペット用トイレ砂を、下に尿吸収用のシート材を、それぞれ配して使用する二重構造のペット用トイレに、その簀の子状部材上に配するペット用トイレ砂として使用すると、猫等のペット類がその上で排尿をした場合に、その尿の多くは該ペット用トイレ砂が基本的には撥水性であるためその間を通過して該簀の子状部材の下方に流下し、下方に配されているシート材で吸収されることになる。
このとき、一部の尿は簀の子状部材の上のペット用トイレ砂にや簀の子状部材に付着して残留することになるが、これらの尿は、その一部は、該ペット用トイレ砂の表面に露出している吸水面から吸水材に吸収され、他の一部は、表面のひび割れを通じてその内部に滲入し、そのひび割れ内面に露出している吸水材に良好に吸収されることになる。
こうして本発明のペット用トイレ砂の表面等に付着残留した尿は、その殆どが良好にその中の吸水材に吸収されることとなり、その結果、その臭い成分はトイレ砂内に閉じこめられ、ペット用トイレからの不快な臭いの放出は相当程度低下することになる。このペット用トイレ砂の尿吸収作用は、そのペレットに十分な撥水性を保持させながらも、これにひび割れを形成し、これを通じて尿をその内部に滲入させるようにしたため、より効率的に行われ、良好に臭いを閉じこめることができるようになるものである。また以上の尿の吸収作用の結果生じる消臭効果は、ペレットに消臭剤を配合した場合はより確実なものとなる。
またこのペット用トイレ砂は、以上のように、その表面に多数のひび割れが開口するように構成してあり、材料であるポリオレフィン系フィルム又はポリ酢酸ビニル系フィルムの解砕物及び吸水材粉末が完全に溶融した上で成形されたものではない。それ故、このペット用トイレ砂は、紙類で成形したもののような適度な弾力性を有しており、その上で排尿しようとするペット類に違和感を与えない。
次に前記本発明のペット用トイレ砂の製造方法は、ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方を解砕し、この解砕物と吸水材粉末とを混合し、得られた混合物を圧力を掛けて成形口から押し出し、このとき発生する熱により該成形口から押し出される混合物相互を適切に融着させ、その表面の一部に吸水材の露出した吸水面を備えかつ表面に内部の吸水材と外部の水分との接触用のひび割れを開口させたペレットに成形するものである。
前記ポリオレフィン系フィルムの具体例は、先に述べたとおり、ポリエチレンフィルム等であり、ポリオレフィン系フィルム又はポリ酢酸ビニル系フィルムと吸水材粉末とは、特別にこの方法のために用意したそれを使用することも当然不都合ではないが、前記のように、これらを含む各種の廃材を利用することも可能である。そうすれば、資源の有効利用が図れると共に、より安価にペット用トイレ砂が製造できる利点もある。このような廃材としては、前記したように、規格に合致しない等の何らかの理由で廃棄されるポリオレフィンフィルム又はポリ酢酸ビニル系フィルム及びパルプ繊維又は高吸水性ポリマー粉末等の吸水性粉末をその構成要素としている未使用のおむつ等の衛生用品などが採用可能である。
前記のように、これらの材料は解砕して使用するが、これらの解砕サイズは詳細は先に述べたように、製造するペレットの外径に対応して、その外径が大きくなるほど、小さい解砕物とするか、少なくとも小さい解砕物を含めるのが適当であり、外径が小さくなるほど、不都合が生じない程度に大きく解砕するのが適当である。なお、これらの解砕は、適当な公知の解砕機を用いて行うことができる。
前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率は、ペット用トイレ砂を構成するペレットの外径と関連づけて適切に設定する。これは、ペット用トイレ砂に関して先に述べたとおりであり、理由もそのとおりである。
材料として、前記のような廃材を用いた場合は、作成するペレットの外径との関係で、材料における配合比率が、それを解砕しただけの材料では対応しない場合があるが、その場合には、云うまでもなく、必要なだけ、ポリオレフィン系フィルム等の解砕物又は吸水材粉末を適量追加混合してその配合比率を調整すればよい。
以上の解砕材料及び吸水材粉末の混合物は、前記のように、これに圧力を掛けて、例えば、スクリーン部材に開口した多数の成形口から押し出し、前記のように、このときに発生する熱により押し出される混合物相互を融着させてペレットに成形する。長さは適切に切断する。この押し出し時に、圧力が不足すると発生する熱が不足し融着が十分に進行せず、ペレットが形成されない。成形口から吐出される混合物は結合せずバラバラに分解してしまうことになる。また圧力が高過ぎると解砕物全体が溶けて成形口から溶融状態で吐出され、ペレットが成形できない。成形口から押し出される混合物のポリオレフィン系フィルムの粉末等の一部のみが溶けて相互に結合する程度に圧力を設定すべきである。
もっとも、以上において、先に述べたように、製造すべきペレット外径に対応して解砕材料のサイズを適切に設定し、かつ材料の配合比率も、ペレット外径に対応して、適切に設定しておくことにより、作成するペレット外径との関係で圧力が若干高低いずれかに変動しても、ある程度の範囲では、それに対応し、適切な結果、すなわち、表面に適当なひび割れを備え、適度な弾力性を有し、かつ撥水性と適度な吸水性とを備えたペレットからなるペット用トイレ砂を押し出し成形することができる。
以上において、前記成形口の口径は、当然、製造するペレット外径に対応させる。例えば、ペット用トイレ砂を構成するペレットの外径は3mm〜8mmの範囲にあり、それ故、該成形口の口径は、対応するそのような径に設定する。多くの場合は、ペット用トイレ砂を構成するペレット外径として5mm〜7mmが適切であり、これに対応するように設定することが多い。
これらの径の成形口から押し出すべく前記混合物に加える圧力は、前記のように、成形口から押し出される棒状の吐出物の外観を観察して決定すべきものであるが、材料のポリオレフィン系フィルム等の重合度及び材料の配合比率にも関係するが、吐出物(ペレット)表面の適度のひび割れ及び適切な熱溶着状態は、その表面温度が概ね60〜75℃の範囲にあるときに得られる。この範囲を大きく逸脱するようでは、全体に溶融したり、溶着結合不可となる。前記のような表面性状が得られる余地はない。
それ故、前記圧力は、通常は、成形口から吐出される棒状の吐出物(ペレット)の表面の温度が60〜75℃の範囲になるように調整すべきである。その上で、成形口から押し出されるペレットの表面状態を観察し、その表面に適度のひび割れが生成するように、前記圧力を更に調整する。
押し出し成形機の通常の運転では、連続運転をすると徐々に温度が上昇する傾向があるが、このような温度の変化は、基本的に圧力を調整した後は、水冷又は空冷手段によって冷却することにより調整するのが適当である。具体的には、先に述べたように、吐出されるペレットの表面温度が適切な温度範囲、前記のような条件の場合は、60〜75℃内に保持されるように制御するのが適当である。勿論、併せて表面に適度のひび割れが生じているかも観察し、そのようになるように圧力を調整する。
こうして得られたペレットは、白色系で紙製又はパルプ繊維製のような質感となり、他方で水性の液体をはじく撥水性を備えると共に、微小球状等になって付着した液体をその表面に露出している吸水面から吸収し、更にひび割れから内部に滲入させ、そのひび割れ内面に露出している吸水材で吸収する吸水性も併せて備えたものとなる。それ故、これをペット用トイレ砂として採用し、前記した二重構造のペット用トイレの上部の簀の子状部材上に配すると、その上で、猫等のペットが排尿した場合、そのペレットの周囲及びその下方の簀の子状部材を流下してその下方に予め敷設してある吸水性のシート材に素早くかつ確実に吸収されるようになる。ペレット表面又は簀の子状部材に残留付着した尿は、前記のように、その表面の吸水面及びひび割れ内面に露出した吸水材に吸収され、該ペレット内に閉じこめられることになる。ペレット表面や簀の子状部材には尿が残留しないので、ペット用トイレからの悪臭の発散を効果的に抑えることができるものとなる。前記のように、ペレットに消臭剤を配合した場合は、一層その消臭効果は高いものとなる。
前記のように、本発明のペット用トイレ砂を構成するペレットは、適度な弾力性を備えるものでもあり、排尿のためにその上を歩く猫等のペットに違和感を与えない。またこのペレットは材料との関係もあり、その表面が白色であり、尿がかかった場合にその汚れが付着することとなるため、尿のかかったものとそうでないものとの区別が容易であり、必要に応じて、尿のかかったもののみを容易に除去できる。こうして尿のかかったペレットを除去することで、一層、ペット用トイレからの臭気の放出を抑制することができることになる。
ポリプロピレンフィルム及びパルプ繊維を5〜8mmに混合状態で同時に解砕し、更にこの解砕混合物に消臭剤を添加して原料とした。この混合物の成分は、ポリプロピレンフィルム解砕物:パルプ繊維解砕物:消臭剤=50重量部:50重量部:2重量部である。
この混合物を縦押し型造粒機に供給し、圧力を掛けて該原料をスクリーンの成形口から吐出させた。該成形口の口径は6mmである。押し出される棒状の吐出物の状態を観察し、かつその表面温度を測定した。該棒状の吐出物の表面には、これが棒状の形体を保持できないほどにはならない程度の適度のひび割れを有し、更にその表面温度は60〜70℃の範囲となっていた。良い状態であるので、この圧力状態を維持できるように加圧力をそのままに保持した。成形口から押し出される棒状の吐出物は、適当な長さに切断し、ペレットとした。
その後は、押し出される棒状の吐出物の表面温度が上記60〜70℃を維持できるように該縦押し型造粒機を水冷方式で冷却した。
こうして前記表面温度を維持しつつ前記成形口より押し出された棒状の吐出物を、前記のように、切断し、得られたペレットをペット用トイレ砂とした。
<外観の観察>
以上の実施例1で得たペット用トイレ砂を構成するペレットは、外観を観察すると、白色系で、表面に多数のひび割れを有しており、触れてみると、紙製の粒体のような弾力性を有していた。
<撥水性、吸水性、臭気閉じ込めの性能テスト>
実施例1によって得たペット用トイレ砂を構成するペレットを、二重構造のペット用トイレの上部の簀の子状部材上に配して、その上から一定量の人工尿を流下させ、簀の子状部材の下に流れ落ちた人工尿の量を測定し、前者に対する後者の割合を計測した。前記ペット用トイレの下部の容器部としてはポリプロピレン製の箱形容器を用いた。前記簀の子状部材は上記容器部の上下方向途中に浮かせた状態に配した格子状のそれを用い、格子の目開き寸法を4mmとした。前記ペット用トイレ砂を構成するペレットは簀の子状部材の上に厚さ20mmに敷き詰めた。
気温25℃の室内に、前記のように、簀の子状部材の上にペレットを敷き詰めたペット用トイレを置き、敷き詰めたペレットの上に、洗浄びんに入れた人工尿30gを、そのノズルから15秒間で放水し、放水終了時点から60秒後までに該簀の子状部材の下に流下した人工尿の重量を秤量して、放水した人工尿に対する簀の子状部材の下に流下した人工尿の割合を計算した。
人工尿による簀の子状部材下への流下量の測定は、ペレットへの放水の位置を変えて3回行った。その測定結果は次の通りである。
第1回目 : 29.4g
第2回目 : 28.5g
第3回目 : 29.0g
平均値 : 約29.0g
流下量/放水量(平均値) : 約96.7重量%
実施例1で得たペット用トイレ砂を構成するペレットは、供給した人工尿を効果的にはじいて、簀の子状部材の下まで、供給量の約96.7重量%が流下しており、高い撥水機能を有していることが分かる。
人工尿の洗浄びんからの3回目の放水終了時点から60秒後に簀の子状部材上のペレットを観察すると、人工尿に接触したと思われる痕跡は感じられたが、肉眼では、残留する尿は見いだせなかった。十分な吸水力を有していると判断した。
人工尿の洗浄びんからの3回目の放水終了時点から24時間経過後に、ペット用トイレからの臭いの放出の有無を大人5人で確認したが、明瞭な臭いは、感じられなかった。このとき、同時にペレットの外観を観察すると、人工尿のかかったと思われる部位に若干の汚れが見えた。汚れたペレットを必要に応じて除去することで、尿に接触したペレットを除去することが容易にできることになる。これによって臭いの発生もより確実に防止できることになる。
ポリプロピレンフィルム、不織布及び高吸水性ポリマー粉末からなる未使用の衛生用品(使い捨ておむつ)を5〜8mmに解砕して原料とした。該衛生用品中の不織布の構成材料はポリエチレンとパルプ繊維とである。更にこの原料には、成分を調整するためにパルプ繊維の解砕物を添加した。得られた原料の成分は、ポリプロピレンフィルム解砕物:パルプ繊維解砕物:高吸水性ポリマー=60重量部:40重量部:0.1重量部である。
この原料を縦押し型造粒機に供給し、実施例1と同様に、圧力を掛けて該原料をスクリーンの成形口から吐出させた。該成形口の口径は、実施例1と同様に、6mmである。この原料で、実施例1と全く同様に処理してペット用トイレ砂を構成するペレットを得た。
<外観の観察>
以上の実施例2で得たペット用トイレ砂を構成するペレットは、外観を観察すると、実施例1のそれと全く同様に、白色系で、表面に多数のひび割れを有しており、触れてみると、紙製の粒体のような弾力性を有していた。
<撥水性、吸水性、臭気閉じ込めの性能テスト>
実施例2によって得たペット用トイレ砂を構成するペレットを、二重構造のペット用トイレの上部の簀の子状部材上に配して、その上から一定量の人工尿を流下させ、簀の子状部材の下に流れ落ちた人工尿の量を測定し、前者に対する後者の割合を計測した。これは実施例1と全く同様に行った。
3回行った測定結果は次の通りである。
第1回目 : 28.5g
第2回目 : 29.1g
第3回目 : 28.3g
平均値 : 約28.6g
流下量/放水量(平均値) : 約95.3重量%
実施例2で得たペット用トイレ砂を構成するペレットは、供給した人工尿を効果的にはじいて、簀の子状部材の下まで、供給量の約95.3重量%が流下しており、高い撥水機能を有していることが分かる。
人工尿の洗浄びんからの3回目の放水終了時点から、実施例1と同様に、60秒後に簀の子状部材上のペレットを観察すると、人工尿に接触したと思われる痕跡は感じられたが、肉眼では、残留する尿は見いだせなかった。十分な吸水力を有していると判断した。
人工尿の洗浄びんからの3回目の放水終了時点から24時間経過後に、ペット用トイレからの臭いの放出の有無を大人5人で確認したが、この場合も、明瞭な臭いは、感じられなかった。このとき、同時にペレットの外観を観察すると、実施例1のそれと同様に、人工尿のかかったと思われる部位に若干の汚れが見えた。汚れたペレットを必要に応じて除去することで、尿に接触したペレットを除去することが容易にできることになる。一層、臭いの発生を抑制することができる。
本発明のペット用トイレ砂及びその製造方法は、ペット用品の製造及び販売の分野で有効に利用することができる。

Claims (5)

  1. ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と吸水材粉末とを混合し熱融着させた混合物の表面の一部に露出する吸水材による吸水面及び内部の吸水材と外部の水分との接触用として表面に開口するひび割れを備えたペレットに構成したペット用トイレ砂。
  2. ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方を解砕し、この解砕物と吸水材粉末とを混合し、得られた混合物に圧力を掛け、このときに発生する熱により相互に融着させた前記混合物を成形口から押し出すことで成形されたペレットの表面性状を観察しながら、熱が不足して融着が十分に進行せず前記混合物が結合していない場合には圧力を高くし、熱が高いために前記混合物が溶融している場合には圧力を低くして、前記混合物の一部が溶けて相互に結合したその表面にひび割れを生成することによって、その表面の一部に吸水材の露出した吸水面を備えかつ表面に内部の吸水材と外部の水分との接触用のひび割れを備えたペレットに成形するペット用トイレ砂の製造方法。
  3. 成形口から吐出された前記混合物の表面の温度が60〜75度の範囲になるように圧力を調整した請求項2のペット用トイレ砂の製造方法。
  4. 前記吸水性粉末としてパルプ繊維の粉末又は高吸水性ポリマー粉末の一方又は双方を採用した請求項のペット用トイレ砂の製造方法。
  5. 前記ペレットの標準外径を5〜7mmに設定し、
    前記吸水性粉末としてパルプ繊維の粉末を採用し、
    前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との標準配合比率を、
    ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物:吸水材粉末=60〜40:40〜60に設定し、
    前記ペレットの外径を標準外径とする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合比率を標準配合比率に定め、
    前記ペレットの外径を標準外径より小径にする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合における該吸水材粉末の割合を標準配合比率より高め、
    該ペレットの外径を標準外径より大径にする場合は、前記ポリオレフィン系フィルム及びポリ酢酸ビニル系フィルムの一方又は双方の解砕物と前記吸水材粉末との配合における吸水材粉末の割合を標準配合比率から低めることとした請求項のペット用トイレ砂の製造方法。
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