JP5826718B2 - インサート部材を有する成形品の射出成形方法 - Google Patents

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本発明は、可動及び固定の一対の型で形成されるキャビティ内にインサート部材をセットした状態で射出成形して得られる成形品の射出成形方法に関するものである。
一般に、射出成形品は、40〜80°Cに加熱された成形型(金型)のキャビティ(成形空間)に、270〜290°Cの溶融樹脂を射出させ、当該溶融樹脂の硬化後において、成形型を脱型させて成形品を取り出し、当該成形品の温度が所定温度に低下するまで、放置して空冷させている。射出成形品の全体が厚肉部で構成されたり、或いは一部に厚肉部が存在している場合には、前記空冷時において、厚肉部は空冷のばらつき(空冷斑)に起因する熱変形によりひずみが生じて、成形品の表面が波打ったり、緩やかな凹凸が生じたりすることがあり、成形品の表面精度として正確なフラット面が要求される成形品では、不良品となる。
このため、成形品の厚肉部の射出成形は、成形品の内部にインサートされるインサート部材を用いることにより、射出成形部の肉厚を薄くして、脱型後の空冷時において熱変形によるひずみの発生を防止している。
例えば、特許文献1に示されるように、背もたれに肘掛け部を有するパイプ椅子において、当該背もたれの射出成形において、当該肘掛け部は、背もたれの他の部分に比較して、全体厚が大きいために、インサート部材がインサートされた状態で射出成形している。
パイプ椅子の構造、及び当該パイプ椅子の従来の射出成形方法について、本発明に係る図面である図1ないし図5を参照して簡単に説明する。背もたれBは、横断面視でわん曲されて、人体の背部を支える背もたれ本体1と、当該背もたれ本体1の幅方向の両側部であって、しかも高さ方向に沿って下半部を構成しているパイプ状をしたパイプ脚挿入部2と、当該パイプ脚挿入部2の上端部であって、背もたれ本体1の両側補強部8の高さ方向の中央部に、前方に向けてほぼ水平となって一体に形成された左右一対の肘掛け部3とを備えている。パイプ椅子Cは、1本のパイプ体を平面視でコの字形に屈曲させると共に、両側面視でそれぞれL字形に屈曲させて、座部支持部4及び左右一対の前パイプ脚部5が形成され、座部支持部4に座部6が一体に取付けられ、前記座部支持部4の後側コーナー部にそれぞれ左右一対の後パイプ脚7が溶接により一体化され、当該左右一対の後パイプ脚7の上端部が、それぞれ前記背もたれBの左右一対のパイプ脚挿入部2に圧入された構成である。なお、図1において、9は、背もたれBのパイプ脚挿入部2を後パイプ脚7に固定するためのビスを示す。
一方、背もたれBの成形型Mは、図4及び図5に示されるように、背もたれ本体1を成形するキャビティを形成するための固定及び可動の一対の型M1 ,M2 と、当該可動型M2 とで左右一対の肘掛け部3のキャビティを形成するために、当該一対の型M1 ,M2 の開閉方向とほぼ直交する方向に進退するスライド型M3 とで構成され、当該スライド型M3 は、前記パイプ脚挿入部2のパイプ脚挿入孔2aを形成するためのシャフト部材M31と、前記可動型M2 とで肘掛け部3のキャビティを形成するための上下一対の肘掛け部成形型部M32とを備えている。図4及び図5において、Xは、可動型M2 のスライド方向を示し、Yは、前記スライド方向Xに対して後述の角度(θ)〔θ>90°〕で交差するスライド型M3 のスライド方向を示す。なお、図4において、11は、背もたれ本体1のキャビティを形成するために、固定型M1 に形成されたキャビティ形成凹部を示し、可動型M2 のスライド案内を行うタイロッドは図示していない。
パイプ椅子Cの肘掛け部3は、背もたれ本体1に比較して厚肉であるため、成形時には、スライド型M3 の肘掛け部成形型部M32に、成形樹脂と同等の樹脂から成るインサート部材S’をセットして、当該インサート部材S’の全周に厚さ3〜5mm程度の樹脂が射出されて被覆される構造になっている。
従来の背もたれBの射出成形において使用される肘掛け部3’のインサート部材S’は、図2(b)、図3(b)及び図14に示されるように、肘掛け部3’の全体形状に対して僅かに相似小形をなしていて、肘掛け部3’の先端部に相当する部分には、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部12の底面12aに当接して、成形樹脂の厚さを定めるための当接突起81が設けられ、当該当接突起81の内側(基端部に寄った側)には、前記キャビティ形成凹部12の底面12aの一体に突設された位置決め突起80を挿入させる位置決め孔82が貫通され、更に、インサート部材S’の基端部には、成形時においては、シャフト部材M31の先端部が挿入され、成形後において、パイプ脚挿入部2のパイプ脚挿入孔2aに挿入された後パイプ脚7の先端部が挿入されるパイプ脚挿入凹部83が非貫通状態で形成されている。ここで、製品としての背もたれBのパイプ脚挿入部2と肘掛け部3’との交差角(θ)〔図3(b)参照〕は、鈍角状に交差しているため、前記パイプ脚挿入凹部83の軸心と、インサート部材S’の表面とのなす角度(θ)は、鈍角を形成している。
この結果、図2(b)及び図3(b)に示されるように、肘掛け部3’の内側面と、パイプ脚挿入部2及び当該パイプ脚挿入部2を上方が延設されて形成される背もたれ本体1の両側補強部8との交差部に、当該肘掛け部3’の厚さに対応する長さを有する平面状の突出部84が不可避的に発生する。この平面状の突出部84は、人がパイプ椅子Cに座った場合に、人体の脇腹が直接に当たって、座り心地を悪くしていた。
特開2005−65764号公報
本発明は、パイプ椅子に座った場合に、人体の脇腹が直接に当たる前記突出部をなくしたパイプ椅子の背もたれの射出成形方法の提供を課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、固定及び可動の一対の型で成形されるキャビティにインサート部材をセットして、当該キャビティに溶融樹脂を射出して、インサート部材がインサートされた成形品を射出成形する方法であって、前記キャビティの対向面のいずれか一方に、前記一対の型の開閉方向に沿って突出した状態で一体に固定される1ないし複数のボルト状の仮固定部材と、当該仮固定部材の全体を挿通可能であって、当該仮固定部材と同数のボルト孔状の仮固定貫通孔が形成されたインサート部材とを使用し、前記一対の型のいずれか一方のキャビティに配置されたインサート部材の仮固定貫通孔に仮固定部材を挿入して、当該仮固定部材を前記一方の型に螺合させることで、前記仮固定部材と仮固定貫通孔とは、当該仮固定部材の先端部に段差状に形成された係止部が、当該仮固定貫通孔の内部に形成された同じく段差状の被係止部に、射出圧によりインサート部材の位置がずれないような係止力で係止される構成になっていて、前記仮固定部材の係止部と前記インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部との係止により、前記一対の型のいずれか一方に当該インサート部材を仮固定して型締めした状態で、前記キャビティに溶融樹脂を射出し、脱型後又は脱型時において、一方の型から成形品を取り出すことにより、前記仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩すことで、前記仮固定部材と前記仮固定貫通孔との係止を解除させて、前記インサート部材の仮固定貫通孔から当該仮固定部材を相対的に脱出させることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、固定及び可動の一対の型で形成されるキャビティの対向面のいずれか一方には、前記型の開閉方向に沿って突出した1ないし複数のボルト状の仮固定部材が一体に設けられるか、或いは一体に取付け可能になっており、溶融樹脂の射出前に、前記一対の型のいずれか一方のキャビティに配置されたインサート部材の仮固定貫通孔に仮固定部材を挿入して、当該仮固定部材を前記一対の型のいずれか一方に螺合させることで、前記キャビティに配置されるインサート部材は、前記1ないし複数の仮固定部材を介して仮固定される。即ち、インサート部材には、前記仮固定部材が挿入されるボルト孔状の仮固定貫通孔が形成され、当該仮固定部材と仮固定貫通孔とは、当該仮固定部材の先端部に段差状に形成された係止部が、当該仮固定貫通孔に形成された同じく段差状の被係止部に、当該仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩すことで、解除可能なように係止される。なお、キャビティに対するインサート部材の位置決めは、仮固定部材が複数の場合には、当該複数の仮固定部材より位置決めされ、仮固定部材が1つの場合には、例えば、キャビティの対向面とインサート部材とに、凹凸嵌合による位置決め部をそれぞれ別に設けることにより実現される。
仮固定部材の係止部と仮固定貫通孔の被係止部との係止により、一対の型により形成されるキャビティに対してインサート部材が不動、又は大きく位置ずれしない状態で位置決めされる。ここで、不動又は大きく位置ずれしない状態とは、当該キャビティ内に射出樹脂が所定の射出圧により流入した場合でも、当該射出圧により仮固定部材の位置が全くずれないか、或いは成形品として支障のない範囲での許容されるずれを指し、仮固定部材の係止部と仮固定貫通孔の被係止部との係止力は、この状態を実現できることが必要である。この結果、キャビティに射出樹脂が射出されると、インサート部材は、その全周囲が溶融樹脂により被覆された状態となり、溶融樹脂が所定温度まで冷却された時点で、一対の型を脱型させる。成形品は、仮固定部材を介して一方の型に残されているが、仮固定部材の係止部とインサート部材の仮固定貫通孔の被係止部との係止力に抗して、成形品に引抜き力を加えて、一方の型から当該成形品を取り出すと、当該引抜き力により、前記仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩されることで、前記係止が解除されて、一方の型から成形品が取り出される。即ち、上記した仮固定部材を用いたインサート部材の仮固定構造によって、射出成形時における溶融樹脂の射出圧による当該インサート部材の位置ずれの防止と、脱型時における当該仮固定部材の係止部と、インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部との係止の解除との相反する事項を同時に達成している。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記仮固定部材と前記仮固定貫通孔との係止の解除、及び当該仮固定貫通孔からの前記仮固定部材の相対的な脱出を容易にすべく、前記仮固定部材の係止部を形成する大径部は、小径部の側に向けて外径が小さくなるようなテーパー状に形成されていると共に、前記インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部を形成する小径孔部は、大径孔部から離れるに従って内径が大きくなるようなテーパー状に形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、前記仮固定部材の係止部を形成する大径部、及び前記インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部を形成する小径孔部は、一方の型からの成形品の取出し時点において、インサート部材の仮固定貫通孔から仮固定部材の頭部の相対的な脱出が容易なようにそれぞれ上記したテーパー状になっているため、成形品の取出しが容易となる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記仮固定部材は、テーパー状に形成された頭部が一体に設けられたボルト状であって、一対の型の一方に螺合されて、当該頭部と軸部の接続部に形成された段差部が、インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部を形成する段差面に当接する構成であることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、成形品の取出し時には、仮固定部材の係止部と、インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部との係止の解除後においては、ボルト状の仮固定部材の頭部と、インサート部材の仮固定貫通孔におけるボルト状の仮固定部材の軸部が配置されている部分とは、いずれも当該仮固定貫通孔からの仮固定部材の頭部の相対的な脱出を容易とすべく、互いに逆方向にテーパー状に形成されているため、仮固定部材の係止部がインサート部材の仮固定貫通孔の内周面に引っ掛かることなく、当該仮固定貫通孔から仮固定部材の頭部がスムーズに脱出される。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記仮固定部材は、一対の型の一方に螺合される軸部と、当該軸部よりも大径であって、当該軸部の先端部に螺合される外周面がテーパー状の頭部とから成って、当該頭部と軸部との接続部に形成された段差部が、インサート部材の仮固定貫通孔の段差面に当接する構成であることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、仮固定部材の頭部が軸部に対して螺合される構成であるため、当該軸部は、一対の型により形成されるキャビティの対向面の一方に固定したままで、仮固定部材の軸部をインサート部材の仮固定貫通孔に挿入した状態で、当該軸部に対してテーパー状をした頭部を螺合させることにより、当該軸部と頭部の間の係止部が、インサート部材の仮固定貫通孔の内部の被係止部に係止されて、前記キャビティの対向面の一方にインサート部材が仮固定される。また、成形品の取出し時の作用は、請求項3の発明と同様に、仮固定部材の頭部、及びインサート部材の仮固定貫通孔のテーパー形状により、前記係止の解除により、インサート部材の仮固定貫通孔から仮固定部材を引っ掛かることなく、容易に脱出させられる。
請求項5の発明は、請求項2の発明において、前記仮固定部材は、一対の型の一方に螺合される軸部と、当該軸部よりも大径であって、当該軸部の先端部に螺合される外周面がテーパー状の頭部とから成って、当該頭部は、インサート部材の仮固定貫通孔に形成された段差状の被係止部に圧入される構成であることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、仮固定部材を構成するテーパー状の頭部が、インサート部材の仮固定貫通孔の内部に形成された段差状の被係止部に圧入されているため、キャビティの対向面の一方に対するインサート部材の仮固定力を大きくできて、成形品の射出成形時において、射出圧によるインサート部材のずれがなくなる。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記成形品は、固定及び可動の一対の型と、当該一対の型の開閉方向に対してほぼ直交する方向にスライド可能なスライド型とを備えた成形型により成形されるパイプ椅子の背もたれであって、前記スライド型には、前記背もたれのパイプ脚挿入部にパイプ脚挿入孔を形成するための一対のシャフト部材と、前記可動型とで前記背もたれの肘掛け部のキャビティを形成する一対の肘掛け部成形型部とを備え、前記肘掛け部にインサートされるインサート部材は、その長手方向の一端部に前記シャフト部材の外周面に当接される凹弧状の当接凹面が形成されていると共に、前記キャビティの対向面の一方に突出して固定されるボルト状の仮固定部材を挿入可能な1ないし複数のボルト孔状の仮固定貫通孔が形成され、前記インサート部材の当接凹面を前記シャフト部材に当接させた状態で、当該インサート部材を、前記肘掛け部成形型部のキャビティ形成凹部に、1ないし複数の前記仮固定部材の螺合により仮固定しておき、この状態で、前記スライド型を成形位置まで前進させた後に、前記可動型を前進させて前記固定型に対して型締めすることにより形成された背もたれ本体、及び一対の肘掛け部の各キャビティに溶融樹脂を射出し、前記スライド型の後退時において、前記インサート部材の仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩すことで、前記仮固定部材の係止部と当該仮固定貫通孔の被係止部との係止を解除して、前記インサート部材の仮固定貫通孔から、前記肘掛け部成形型部に一体に設けられた仮固定部材を脱出させることを特徴としている。
請求項6の発明によれば、スライド型を構成する一対の肘掛け部成形型部に各インサート部材を仮固定するのに、従来の成形方法のように、一対のインサート部材の基端部に形成されたパイプ脚挿入凹部に、スライド型を構成する一対のシャフト部材をそれぞれ挿入する構造ではなくて、インサート部材の基端面の凹弧状の当接凹面を前記シャフトの外周面に当接させる構造と、肘掛け部を形成するキャビティの一対の対向面の一方に固定された仮固定部材の係止部と、インサート部材の仮固定貫通孔の内部の被係止部との係止構造との併用によって、前記肘掛け部を成形するキャビティの一対の対向面の一方にインサート部材を仮固定させて、パイプ椅子の背もたれの各肘掛け部を成形している。この結果、成形される肘掛け部における肘掛けとして機能する基端部を除く部分の幅を従来と同一に確保したままで、その基端部の幅のみを狭くすることが可能となって、肘掛け部の基端部の内側に、従来の成形方法では不可避的に発生していた平面状の突出部をなくすことができる。また、一対の肘掛け部は、背もたれ本体に対してほぼ垂直に配置されているため、スライド型の脱型時において、前記係止が自動的に解除されて、当該スライド型を構成する肘掛け部成形型部から成形品である肘掛け部が自動的に取り出される。
請求項1の発明によれば、一対の型のいずれか一方のキャビティに配置されたインサート部材のボルト孔状の仮固定貫通孔にボルト状の仮固定部材を挿入して、前記一方の型に螺合させることで、前記仮固定部材と前記仮固定貫通孔とは、当該仮固定部材の先端部に段差状に形成された係止部が、当該仮固定貫通孔の内部に形成された同じく段差状の被係止部に、射出圧によりインサート部材の位置がずれないような係止力で係止されているため、脱型後において、一方の型から成形品を引き抜くことにより、前記仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩すことで、前記仮固定部材と仮固定貫通孔との係止を解除して、前記インサート部材の仮固定貫通孔から当該仮固定部材を相対的に脱出させられて、インサート部材を有する成形品の射出成形が容易となる。
特に、請求項6のように、成形品がパイプ椅子の肘掛け部付きの背もたれである場合には、インサート部材の基端面の凹弧状の当接凹面を前記シャフト部材の外周面に当接させる構造と、キャビティの一対の対向面の一方に固定された仮固定部材の係止部と、インサート部材の仮固定貫通孔の内部の被係止部との係止構造との併用によって、肘掛け部を成形するキャビティの一対の対向面の一方にインサート部材を仮固定させて、パイプ椅子の背もたれの各肘掛け部を成形している。この結果、成形される肘掛け部における肘掛けとして機能する基端部を除く部分の幅を従来と同一に確保したままで、その基端部の幅のみを狭くすることが可能となって、肘掛け部の基端部の内側に、従来の成形方法では不可避的に発生していて、使用時において人体の脇腹に当接する平面状の突出部をなくすことができて、座り心地のよいパイプ椅子の背もたれを提供できる。
本発明に係る背もたれBを備えたパイプ椅子Cの斜視図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明、及び従来構造の背もたれBの肘掛け部3,3’の部分におけるインサート部材S1 ,S’と後パイプ脚7,7’との関係を示す平面図である。 (a),(b)は、それぞれ図2(a),(b)のU−U線及びU’−U’線断面図である。 スライド型M3 の肘掛け部成形型部M32にインサート部材S1 をセットした状態の成形型Mの斜視図である。 脱型時における成形型Mの斜視図である。 インサート部材S1 の背面図である。 図6でV−V線で破断したインサート部材S1 を、スライド型M3 を構成する一対の肘掛け部成形型部M32に仮固定(セット)する状態の平面断面図である。 成形型Mの型締めの途中の状態を示す平面断面図である。 成形型Mの型締め後において、実施例1の仮固定部材F1 によって肘掛け部成形型部M32に仮固定されたインサート部材S1 の部分の平面断面図である。 成形型Mの離型時に、肘掛け部成形型部M32に対するインサート部材S1 の仮固定が解除される状態を示す平面断面図である。 (a),(b)は、それぞれ実施例2の仮固定部材F2 によるインサート部材S1 の仮固定の前後の平面拡大断面図である。 実施例3の仮固定部材F3 によりインサート部材S1 が仮固定された状態の拡大断面図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明の成形方法により、一般射出成形品Pを成形する場合における成形時、及び脱型時における断面図である。 (a)は、従来の肘掛け部3’に使用されるインサート部材S’の背面図であり、(b)は、インサート部材S’のV’−V’線に沿った成形時の平面断面図である。
以下、「背景技術」の項目で説明した部分は、そのまま援用して、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に係る背もたれBの肘掛け部3の成形に使用されるインサート部材S1 が、図6及び図7に示されている。なお、図6は、左側のインサート部材S1 の背面図であって、射出成形法との関係で当該インサート部材S1 の縦断面の位置を明示することを目的として図示したものであり、反転させて背面図としたのは、背面側に突出している各部材を明示するためである。インサート部材S1 は、肘掛け部3の全体形状に対して僅かに小さな相似小形をなしていて、その基端部が鈍角状に屈曲されていて、片持支持される肘掛け部3の曲げ強度を高めるために、長手方向の中央部から基端に向けて肉厚が急激に大きくなっており、この構造は、従来のインサート部材S’と同等であるが、従来の肘掛け部3’の射出成形方法で使用されていたインサート部材S’に比較にして、以下の2点が大きく相違する。第1相違点は、インサート部材S1 には、当該インサート部材S1 をスライド型M3 の肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21a(可動型M2 のキャビティ形成空間61の底面61aと対向する面)〔図9参照〕にボルト状の仮固定部材F1 を用いて仮固定する際に、当該仮固定部材F1 の全体を挿入可能な仮固定貫通孔22が設けられている点である。第2相違点は、インサート部材S1 の基端部は、従来のインサート部材S’に比較して幅が狭くなっていて、その基端面は、スライド型M3 を構成するシャフト部材M31の外径に対応した凹円弧面状に形成されて、成形時に前記シャフト部材M31に当接する当接凹面23となっている点である。後述のように、上記した2つの点に特徴を有するインサート部材S1 を用いることにより、肘掛け部3の基端部の内側に平面状の突出部84の発生をなくして、背もたれBの肘掛け部3の内側面と両側補強部8の内側の面とを連続面にすることができる。
インサート部材S1 の仮固定貫通孔22は、図8に拡大して示されるように、ボルト状の仮固定部材F1 の頭部F1aを係止可能なように、段差を有するボルト孔状に形成され、仮固定貫通孔22の大部分の長さを占める小径孔部22bは、大径孔部22aから離れるに従って内径が大きくなるようなテーパー状に形成されていて、小径孔部22bと大径孔部22aとが交差する段差部が、仮固定部材F1 の頭部F1aを係止させる被係止部24を構成している。また、仮固定部材F1 の頭部F1aの外周面と底面との交差部は、仮固定貫通孔22の被係止部24に係止する係止部30を構成していて、当該仮固定部材F1 の頭部F1aの外周面に関しても、脱型時において、仮固定貫通孔22から仮固定部材F1 を引っ掛かることなく脱出させられるように、軸部F1bに近づくに従って外径が小さくなるようなテーパー状に形成されている。ボルト状の仮固定部材F1 の軸部F1bは、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに形成された雌螺子部20に螺合される。
インサート部材S1 の先端部には、前記キャビティ形成凹部21の底面21aに突設された位置決めピン25が挿入される位置決め挿入孔26が形成されている。インサート部材S1 の底面には、前記キャビティ形成凹部21にインサート部材S1 をセットする際に、当該キャビティ形成凹部21の底面21aに当接して、当該インサート部材S1 の裏面側に樹脂を被覆可能とする当接部27,28,29,31が突出して形成されている。なお、当接部27は、前記仮固定貫通孔22が形成される部分に設けられている。
ここで、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21にインサート部材S1 をセットした状態において、仮固定部材F1 に設けられた仮固定貫通孔22及び位置決め挿入孔26、並びに肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに設けられた位置決めピン25及び雌螺子部20は、いずれもスライド型M3 のスライド方向Yに沿うように形成されている。
次に、図1、図2、図6ないし図10を参照して、背もたれBの成形方法について説明する。まず、図1、図7及び図8に示されるように、スライド型M3 を構成する一対の肘掛け部成形型部M32の各キャビティ形成凹部21に、以下のようにして、互いに対称形状の左右一対のインサート部材S1 を仮固定(セット)する。なお、左右一対のインサート部材S1 の仮固定の作業は、同一であるので、以下の説明では、一方のインサート部材S1 の仮固定について説明する。即ち、固定型M1 に対して可動型M2 及びスライド型M3 の双方を離間させた状態で、インサート部材S1 の各当接凹面23をシャフト部材M31の外周面に当接させた状態で、肘掛け部成形型部M32の位置決めピン25を、インサート部材S1 の位置決め挿入孔26に挿入させて、当該インサート部材S1 の背面に突設された各当接部27,28,29,31を、キャビティ形成凹部21の底面21aに当接させると、インサート部材S1 の全方向の位置決めがなされた状態で、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21にインサート部材S1 が配置(セット)される。
次に、インサート部材S1 の仮固定貫通孔22にボルト状の仮固定部材F1 を挿入して、その軸部F1bの先端部を、キャビティ形成凹部21の底面21aの雌螺子部20に螺合させて、仮固定部材F1 の係止部30を、仮固定貫通孔22の内部に形成された段差状の被係止部24に係止させる。そして、当該「係止」とは、仮固定部材F1 の頭部F1aの底面の大部分を、仮固定貫通孔22の被係止部24を構成する段差面に当接させるのではなくて、当該頭部F1aの底面の外周縁部のみを、仮固定貫通孔22の段差面に当接させている点に特徴がある。即ち、前記「係止」による「係止力」は、溶融樹脂の射出成形時の射出力に耐えて、インサート部材S1 が位置ずれされないことのみが必要であって、これを遥かに超える「係止力」は不要であるのに加えて、脱型時において、背もたれBを構成する肘掛け部3が、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21から取り出される際に、前記「係止」が比較的スムーズに解除され、仮固定部材F1 のみが肘掛け部成形型部M32の側に残る必要があり、上記したように、仮固定部材F1 の頭部F1aの底面の外周縁部のみを仮固定貫通孔22の段差面に当接させることにより、射出成形時の射出圧によるインサート部材S1 の位置ずれの防止と、脱型時において、成形品である肘掛け部3の部分から、当該成形品を損傷させずに仮固定部材F1 を脱出させることの双方を可能にしている。
換言すると、上記した仮固定部材F1 を用いたインサート部材S1 の仮固定構造によって、射出成形時における溶融樹脂の射出圧による当該インサート部材S1 の位置ずれの防止と、脱型時における当該仮固定部材F1 の係止部30と、インサート部材S1 の仮固定貫通孔22の被係止部24との係止の解除との相反する事項を達成している点に本発明の特徴が存在する。
スライド型M3 の各肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21に左右一対のインサート部材S1 をそれぞれセットして仮固定した後に、スライド型M3 を前進端まで前進させ、その後に可動型M2 を前進させて、計3つの各型M1 ,M2 ,M3 を型締めする。なお、一般の型設計と同様に、一対の肘掛け部成形型部M32の型合せ面32は、可動型M2 の対応する型合せ面33(図8及び図9参照)と干渉することなく密着可能とするために、当該可動型M2 の進退方向Xを含む垂直面に対して僅かに傾斜して形成されている。図9は、型締めにより、肘掛け部成形型部M32と可動型M2 の各キャビティ形成凹部21,61が合体されて、肘掛け部3を成形するキャビティ34が形成された状態が示されている。なお、固定型M1 と可動型M2 の型締めにより、背もたれBの背もたれ本体1を成形するキャビティ(図示せず)が形成される。
上記した型締め後において、背もたれ本体1及び左右一対の肘掛け部3の各キャビティに溶融樹脂を射出する。溶融樹脂の射出時において、その射出圧がインサート部材S1 に作用するが、当該インサート部材S1 は、シャフト部材M31の外周面に対する自身の当接凹面23の当接、仮固定部材F1 とインサート部材S1 の仮固定貫通孔22との係止、及びインサート部材S1 の位置決め挿入孔26に対する位置決めピン25の挿入の相乗により、インサート部材S1 に対して射出圧が作用しても、肘掛け部成形型部M32に対してインサート部材S1 は、全く、或いは殆ど位置ずれしない。また、仮に僅かな位置ずれが生じたとしても、成形品である肘掛け部3の外周面にインサート部材S1 が露出しない限り問題とはならない。
ここで、インサート部材S1 がセットされたキャビティ34内における樹脂の流動をスムーズにするための樹脂流動孔を、当該インサート部材S1 の表裏に貫通して設けておくと、溶融樹脂の流動時にインサート部材S1 に無理な力が作用しなくなって、キャビティ34に対するインサート部材S1 の位置ずれを防止又は軽減できる。そして、当該樹脂の硬化後において、図5及び図10に示されるように、可動型M2 を後退させた後に、スライド型M3 を後退させて、脱型を行う。
上記脱型時において、スライド型M3 を後退させると、その後退時において、インサート部材S1 の仮固定貫通孔22の段差部の内周側の部分が崩れる等して、仮固定部材F1 の係止部30と、インサート部材S1 の仮固定貫通孔22の内部の被係止部24との係止が解除されて、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに、頭部F1aが一体となった仮固定部材F1 がそのまま残されて、背もたれ本体1の両側に左右一対の肘掛け部3がそれぞれ一体に形成された背もたれBが成形される。なお、図10において、Rは、インサート部材S1 を内部にインサートしている肘掛け部3の樹脂を示す。
このように、インサート部材S1 の基端面に、成形時においてシャフト部材M31の外周面に当接して、当該インサート部材S1 のセット位置を保持する当接凹面23を設ける構造によって、当該インサート部材S1 の基端部の幅を従来のインサート部材S’に比較して狭くできる。この結果、成形される肘掛け部3における肘掛けとして機能する基端部を除く部分の幅を従来と同一に確保したままで、その基端部の幅のみを狭くすることが可能となって、図3(a),(b)に示されるように、肘掛け部3の基端部の内側に、従来の射出成形方法では不可避的に発生していた平面状の突出部84をなくすことができ、肘掛け部3の内側面と、背もたれ本体1の両側補強部8との交差部(図1でAで示される部分)が連続面状となって、パイプ椅子Cに対する座り心地が良好となる。
上記のように、背もたれBの射出成形では、背もたれ本体1に対して一対の肘掛け部3がほぼ垂直に配置されているために、スライド型M3 の後退時(脱型時)において、成形品部である肘掛け部3に対する仮固定部材F1 の係止が自動的に解除される特徴がある。
また、射出圧によるインサート部材S1 の位置ずれを防止するために、複数の仮固定部材F1 を用いて、スライド型M3 の肘掛け部成形型部M32に対してインサート部材S1 を固定することも可能である。
なお、成形された肘掛け部3の裏面には、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに当接する各当接部27,28,29,31に対応する浅い凹部が発生するが、当該肘掛け部3の裏面(背面)であって、パイプ椅子Cの使用時には、視認不能であるので、問題とはならない。
図11に、肘掛け部成形型部M32にインサート部材S1 を仮固定するための実施例2の仮固定部材F2 が示されている。仮固定部材F2 は、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに打ち込まれた軸部F2bと、当該軸部F2bよりも外径が大きくて、当該軸部F2bの先端部に形成された雌螺子部41に螺合される雄螺子部42が一体に設けられた頭部F2aとから成る。頭部F2aの外周面、及び仮固定貫通孔22の小径部の内周面は、実施例1の仮固定部材F1 と同様にテーパー状に形成されている。
そして、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21にインサート部材S1 をセットして、当該インサート部材S1 の仮固定貫通孔22に、仮固定部材F2 の軸部F2bを挿入した状態では、当該軸部F2bの先端面は、仮固定貫通孔22の段差部に達していない。この状態で、前記軸部F2bの雌螺子部41に頭部F2aの雄螺子部42を螺合させると、頭部F2aの係止部30と、インサート部材S1 の仮固定貫通孔22の段差部に形成された被係止部24との係止により、当該軸部F2bの上端面と、仮固定貫通孔22の段差面との間の隙間43が発生した状態で、インサート部材S1 は、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに仮固定される。前記隙間43の存在により、大きな仮固定力が得られる。
射出成形後において、スライド型M3 をY方向に後退させると、インサート部材S1 の仮固定貫通孔22の段差部の内周側が崩れる等して、仮固定部材F2 の頭部F2aの係止部30と、インサート部材S1 の被係止部24との係止が解除されて、仮固定部材F2 は、頭部F2aが軸部F2bに一体に螺合されたままの状態で、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに残る。実施例2の仮固定部材F2 は、その軸部F2bを繰り返して使用できる利点がある。
図12に、肘掛け部成形型部M32にインサート部材S1 を仮固定するための実施例3の仮固定部材F3 が示されている。当該仮固定部材F3 は、前記仮固定部材F2 と同様に、頭部F3aと軸部F3bとから成り、当該頭部F3aのテーパー状の外周面44が、仮固定貫通孔22の小径孔部22bにおける大径孔部22aとの接続部にくさび状に圧入されて、インサート部材S1 を、肘掛け部成形型部M32のキャビティ形成凹部21の底面21aに仮固定している。このため、インサート部材S1 の仮固定力が大きくなる。
成形後においては、スライド型M3 の離間(脱型)により、仮固定貫通孔22の段差部が崩される等して、当該仮固定貫通孔22から仮固定部材F3 が脱出させられて、当該仮固定部材F3 は、そのままキャビティ形成凹部21の底面21aに残る。
上記した実施例1ないし3は、いずれもパイプ椅子Cの背もたれBの射出成形に対して本発明を実施した例であるが、本発明に係る「インサート部材を有する成形品の射出成形方法」は、一対の型で形成されるキャビティの対向面の一方に仮固定部材を用いてインサート部材を仮固定する点に特徴を有するので、対象成形品としては、パイプ椅子Cの背もたれBの成形に限られず、インサート部材を有する一般の射出成形品も含まれる。
図13(a),(b)は、それぞれ本発明の成形方法により、一般射出成形品Pを成形する場合における成形時、及び脱型時における断面図である。固定型M11と可動型M12とで成形型が構成されて、型締めにより、一般射出成形品Pのキャビティ71が形成される。固定型M11のキャビティ形成凹部72の底面72aには、上記した仮固定部材F1'の軸部F1b’が螺合される雌螺子部73が形成されていると共に、当該底面72aには、位置決めピン74が突設されている。一方、インサート部材S2 には、仮固定貫通孔75及び位置決め孔76が貫通して形成されている。また、固定型M11には、脱型後において、一般射出成形品Pを取り出すためのエジェクタピン77が出入り可能に設けられている。なお、図13において、78は、可動型M12に形成されたキャビティ形成凹部を示す。
そして、パイプ椅子Cの背もたれBの肘掛け部3の成形と同様にして、インサート部材S2 の仮固定貫通孔75及び位置決め孔76にそれぞれ仮固定部材F1'及び位置決めピン74を挿入して、固定型M11のキャビティ形成凹部72の底面72aに対して仮固定部材F1'を位置決め状態で仮固定させる。この状態で、型締めして、キャビティ71に溶融樹脂を射出して、当該溶融樹脂の硬化後において、脱型して、この状態で、エジェクタピン77を突出させると、仮固定部材F1'とインサート部材S2 の仮固定貫通孔75との係止が解除されて、固定型M11から一般射出成形品Pが取り出される。
B:背もたれ
C:パイプ椅子
1 〜F3 :仮固定部材
1a〜F3a:仮固定部材の頭部
1b〜F3b:仮固定部材の軸部
M:成形型
1,M11:固定型
2,M12:可動型
3 :スライド型
31:シャフト部材
32:肘掛け部成形型部
P:一般射出成形品
1,S2 :インサート部材
X:可動型のスライド方向
Y:スライド型のスライド方向
1:背もたれ本体
2:パイプ脚挿入部
2a:パイプ脚挿入孔
3:肘掛け部
8:両側補強部
21:キャビティ形成凹部
21a:キャビティ形成凹部の底面
22,75:仮固定貫通孔
23:インサート部材の当接凹面
24:仮固定貫通孔の被係止部
30:仮固定部材の係止部

Claims (6)

  1. 固定及び可動の一対の型で成形されるキャビティにインサート部材をセットして、当該キャビティに溶融樹脂を射出して、インサート部材がインサートされた成形品を射出成形する方法であって、
    前記キャビティの対向面のいずれか一方に、前記一対の型の開閉方向に沿って突出した状態で一体に固定される1ないし複数のボルト状の仮固定部材と、当該仮固定部材の全体を挿通可能であって、当該仮固定部材と同数のボルト孔状の仮固定貫通孔が形成されたインサート部材とを使用し、
    前記一対の型のいずれか一方のキャビティに配置されたインサート部材の仮固定貫通孔に仮固定部材を挿入して、当該仮固定部材を前記一方の型に螺合させることで、前記仮固定部材と仮固定貫通孔とは、当該仮固定部材の先端部に段差状に形成された係止部が、当該仮固定貫通孔の内部に形成された同じく段差状の被係止部に、射出圧によりインサート部材の位置がずれないような係止力で係止される構成になっていて、
    前記仮固定部材の係止部と前記インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部との係止により、前記一対の型のいずれか一方に当該インサート部材を仮固定して型締めした状態で、前記キャビティに溶融樹脂を射出し、
    脱型後又は脱型時において、一方の型から成形品を取り出すことにより、前記仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩すことで、前記仮固定部材と前記仮固定貫通孔との係止を解除させて、前記インサート部材の仮固定貫通孔から当該仮固定部材を相対的に脱出させることを特徴とするインサート部材を有する成形品の射出成形方法。
  2. 前記仮固定部材と前記仮固定貫通孔との係止の解除、及び当該仮固定貫通孔からの前記仮固定部材の相対的な脱出を容易にすべく、前記仮固定部材の係止部を形成する大径部は、小径部の側に向けて外径が小さくなるようなテーパー状に形成されていると共に、前記インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部を形成する小径孔部は、大径孔部から離れるに従って内径が大きくなるようなテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインサート部材を有する成形品の射出成形方法。
  3. 前記仮固定部材は、テーパー状に形成された頭部が一体に設けられたボルト状であって、一対の型の一方に螺合されて、当該頭部と軸部の接続部に形成された段差部が、インサート部材の仮固定貫通孔の被係止部を形成する段差面に当接する構成であることを特徴とする請求項2に記載のインサート部材を有する成形品の射出成形方法。
  4. 前記仮固定部材は、一対の型の一方に螺合される軸部と、当該軸部よりも大径であって、当該軸部の先端部に螺合される外周面がテーパー状の頭部とから成って、当該頭部と軸部との接続部に形成された段差部が、インサート部材の仮固定貫通孔の段差面に当接する構成であることを特徴とする請求項2に記載のインサート部材を有する成形品の射出成形方法。
  5. 前記仮固定部材は、一対の型の一方に螺合される軸部と、当該軸部よりも大径であって、当該軸部の先端部に螺合される外周面がテーパー状の頭部とから成って、当該頭部は、インサート部材の仮固定貫通孔に形成された段差状の被係止部に圧入される構成であることを特徴とする請求項2に記載のインサート部材を有する成形品の射出成形方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記成形品は、固定及び可動の一対の型と、当該一対の型の開閉方向に対してほぼ直交する方向にスライド可能なスライド型とを備えた成形型により成形されるパイプ椅子の背もたれであって、
    前記スライド型には、前記背もたれのパイプ脚挿入部にパイプ脚挿入孔を形成するための一対のシャフト部材と、前記可動型とで前記背もたれの肘掛け部のキャビティを形成する一対の肘掛け部成形型部とを備え、
    前記肘掛け部にインサートされるインサート部材は、その長手方向の一端部に前記シャフト部材の外周面に当接される凹弧状の当接凹面が形成されていると共に、前記キャビティの対向面の一方に突出して固定されるボルト状の仮固定部材を挿入可能な1ないし複数のボルト孔状の仮固定貫通孔が形成され、
    前記インサート部材の当接凹面を前記シャフト部材に当接させた状態で、当該インサート部材を、前記肘掛け部成形型部のキャビティ形成凹部に、1ないし複数の前記仮固定部材の螺合により仮固定しておき、
    この状態で、前記スライド型を成形位置まで前進させた後に、前記可動型を前進させて前記固定型に対して型締めすることにより形成された背もたれ本体、及び一対の肘掛け部の各キャビティに溶融樹脂を射出し、
    前記スライド型の後退時において、前記インサート部材の仮固定貫通孔の段差状の被係止部を部分的に崩すことで、前記仮固定部材の係止部と当該仮固定貫通孔の被係止部との係止を解除して、前記インサート部材の仮固定貫通孔から、前記肘掛け部成形型部に一体に設けられた仮固定部材を脱出させることを特徴とするインサート部材を有する成形品の射出成形方法。
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