JP5826279B2 - メチルtert−ブチルエーテルを含む混合物の精製方法、ならびにメチルtert−ブチルエーテルを含む混合物の分解によるイソブテンの製造方法 - Google Patents

メチルtert−ブチルエーテルを含む混合物の精製方法、ならびにメチルtert−ブチルエーテルを含む混合物の分解によるイソブテンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)を含む混合物の効率的な精製方法、ならびにMTBEを含む混合物の分解によるイソブテンの製造方法に関する。
本発明の範囲における「重沸分」とは、液状の物質混合物の成分の群であり、それぞれの沸点が、前記物質混合物の残りの成分の沸点と比べて比較的高い温度にある、もしくはその蒸気圧が、前記残りの成分の蒸気圧よりも低いものである。「高沸分」および「高沸点成分」という概念は、「重沸分」の概念と同義に用いる。
本発明の範囲における「軽沸分」とは、液状の物質混合物の成分の群であり、それぞれの沸点が、前記物質混合物の残りの成分の沸点と比べて比較的低い温度にある、もしくはその蒸気圧が前記残りの成分の蒸気圧よりも高いものである。「沸騰しやすい成分」という概念は、「軽沸分」の概念と同義に用いる。
イソブテンは、多数の有機化合物、例えばブチルゴム、ポリイソブチレン、イソブテンオリゴマー、分岐鎖のC5アルデヒド、C5カルボン酸、C5アルコールおよびC5オレフィンの製造に重要な中間生成物である。さらに、イソブテンは、アルキル化剤として、特にtert−ブチル芳香族化合物の合成のためのアルキル化剤として、および過酸化物の生成のための中間生成物として使用される。さらに、イソブテンは、メタクリル酸およびそのエステルのための前駆体として使用することができる。
一般の工業用の流れの中では、イソブテンは、飽和および不飽和C4炭化水素と一緒に存在している。イソブテンと1−ブテンとの沸点差もしくは分離係数がわずかなため、この混合物からイソブテンを蒸留によって効率よく分離することはできない。したがって、工業用炭化水素からのイソブテンは、しばしば、イソブテンをその他の炭化水素混合物から容易に分離しうる誘導体に変換させ、この単離した誘導体をイソブテンと誘導体化剤とに再分解することにより得られている。
通常、イソブテンは、C4カット、例えばスチームクラッカーのC4留分から以下の通り分離される:多価不飽和炭化水素、主にブタジエンの大部分を、抽出および蒸留または線状ブテンへの選択的水素化により除去した後、残留する混合物(ラフィネート1または選択的に水素化されたクラック−C4)をアルコールまたは水と反応させる。メタノールを使用すると、イソブテンからメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)が生じ、水を使用するとtert−ブタノール(TBA)が生じる。これらを分離した後、前記誘導体をその形成と逆の順序でイソブテンに分解することができる。
工業用MTBEは、ガソリンエンジン用燃料中のオクタン価を高めるための、よく知られた成分である。この場合、純度に関して極めて高い要求はなされない。メタノールおよびtert−ブタノールの含有量は、それぞれ1質量%まであってよい。さらに、工業用MTBEは、C4〜C8炭化水素を0.5質量%まで、および水を500ppmまで含んでいてよい。比較的高い純度のMTBEは、薬品分野および分析化学では溶剤および抽出剤としても使用される。
イソブテンおよびメタノールへのMTBEの分解は、酸性触媒または塩基性触媒の存在下で、液相もしくは気液混合相、または純粋な気相中で実施することができる。公知の方法に関する適切な概要は、とりわけR.TrottaおよびI.Miraccaが示すCatalysis Today 34(1997),447〜455ページに記載されている。
US5567860には、高純度イソブテンの製造方法が記載されている。この方法では、イソブテンを含むC4流は、まずメタノールでエーテル化され、その結果変換率に応じて、MTBE、2−メトキシブタン(MSBE)、未反応のC4炭化水素、メタノール、水、ジメチルエーテル(DME)、C4オリゴマー、ならびにC3炭化水素およびC5炭化水素からの混合物が、C4流の不純物として得られる。この混合生成物は、蒸留により、C3炭化水素、C4炭化水素およびC5炭化水素、メタノールおよびDMEを含む軽沸分と、ならびにC4オリゴマーを含む高沸分とに分離される。前記塔の側方排出部において、MTBEおよび2−メトキシブタン(MSBE)が得られ、これらをその後、酸性触媒作用による分解に供給する。
DE102006040431では、MTBE分解によるイソブテンの製造方法が記載されている。ここで、出発MTBEは、返送されたMTBE流と一緒に塔内で高沸分の分離により精製され、得られたMTBEは分解される。この反応の流出物(Austrag)は、蒸留により、割合に応じた(anteilig)(共沸性の)量のメタノールを有するイソブテンと、メタノールおよび未反応のMTBEを主成分として有する混合物とに分離される。このメタノール/MTBE混合物から、引き続き前記メタノールの大部分が除去され、前記MTBEを含む流は、塔に返送されて高沸分が分離される。任意には、出発MTBEから軽沸分が分離される。
文献DE102006040430は、比較可能な方法を基礎にしている。分解で使用されたMTBEを、2−メトキシブタン1000質量ppm未満まで精製すること、および得られたイソブテン中の線状ブテンの濃度が1000質量ppm未満であることが特徴である。未反応のMTBEの返送は任意である。
DE102008040511では、中沸成分を排出するため、MTBE分解からの流出物は、イソブテンおよびメタノールの大部分を除去した後、前記中沸成分を除去するため蒸留に運ばれ、そして分解に返送される。この中沸分の排出は、任意に、出発MTBEに含まれている軽沸分と一緒に、軽沸分分離において行われてよい。
DE102009027404では、MTBE合成とMTBE分解との組合せが記載されており、MTBE分解の未反応のMTBEおよびメタノールは、MTBE合成に返送される。合成触媒の活性化低下を回避するため、この返送流から水が分離される。
DE10231051では、2回蒸留による高純度MTBEの製造方法が記載されている。この方法は、生成されたMTBEの非常に高い純度(99.7質量%超)によって際立っており、ならびにMTBEから分離された副成分、例えばC4炭水化物およびC5炭水化物、TBA、メタノールおよび2−メトキシブタンの他に、まだ相当量のMTBEも含んでいる比較的大きい副生成物流によって際立っている。得られたMTBEは、高純度イソブテンを製造するためのMTBE分解の出発材料として好適である。
イソブテンを二量化またはオリゴマー化してC4オリゴマー、いわゆるC8成分およびC12成分にすることによる高沸分の形成は、MTBE分解の公知の副反応の1つである。不所望のC8成分は、主に2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび2,4,4−トリメチル−2−ペンテンである。さらに、特に塩基性触媒上で、前記分解時に生じるメタノールの一部が、脱水下にてDMEに変換する。
したがって、DE102006040431およびDE102006040430で得られたメタノールを含むイソブテン流のさらなる後処理は、水での抽出によるメタノールの分離、およびそれに引き続く蒸留が企図されており、この後処理でDMEおよび水がイソブテンから分離される。
気相中でのMTBE分解は、この分解が一般に、比較的高い温度で進行するという利点がある。したがって、MTBEのイソブテンおよびメタノールへの反応の平衡は、生成物の側でより強いため、より高い変換率を達成することができる。しかし、分解温度が比較的高いため、別の、および/または追加的な副反応が発生することがある。
冒頭に記載した通り、イソブテンは、多数の有機化合物を製造するための重要な中間生成物である。これらの生成物の効率的な製造は、現在の工業的研究の中心分野であり、同時に生成物純度に対して非常に高い要求がなされる。表1は、市場で慣用のイソブテンの典型的な仕様を示している。留意すべきは、要求される高いイソブテン純度(99.9質量%超)の他に、とりわけ含酸素化合物(Oxygenate)に対する厳しい仕様(最大10質量ppm)である。特別な用途の場合、個々の場合において、さらにより高い純度が要求されることがある。
Figure 0005826279
しかし、MTBE合成に使用されるC4カットには、一般に、C4炭化水素の他に酸素含有化合物も含まれている。この酸素含有化合物の種類および量は、使用された原料流の種類および起源、ならびにクラッカーでの選択された技術的条件による。前記C4カットのさらなる後処理も、これらの不純物の含有量に影響を及ぼす。前記酸素含有化合物は、例えば、アセトアルデヒドおよびアセトンである。アセトンは、MTBE合成では、製造に伴い少なくとも割合に応じてMTBE生成物に達する。したがって、市場で一般のMTBEには、2−メトキシブタン、C3〜C4炭化水素、メタノール、水およびDMEの他に、アセトンも含まれている。前記MTBE生成物がイソブテンの製造のために使用され、アセトンがMTBE分解の前で分離されない場合、アセトンは反応部に達する。ここでは、アセトンは、場合によっては触媒の非活性化(例えばコークス化による)の原因の1つとなる。アセトンは、変換されない場合、プロセス中で濃縮され、最終的にイソブテン生成物に達する。これは同じく不所望なことである、というのは、酸素含有化合物は、高純度イソブテンがさらに使用される後続プロセスを妨害することがあるからである。考えうる後続プロセスは、例えば、ポリイソブテン(PIB)、ブチルゴム、またはメチルメタクリレート(MMA)の製造である。
前述の、および前記文献に記載されたMTBE後処理法およびMTBE分解法のいずれも、アセトンの明確な分離を企図していない。多くの方法は、MTBE分解での部分変換(Teilumsatz)を企図しており、未反応のMTBEおよびメタノールは、反応の後に配置された蒸留においてイソブテンから分離され、MTBE合成に返送されるか、またはMTBE分解に返送される。しかし、前記蒸留の塔底生成物を介するアセトンの分離では、未反応のMTBEがMTBE合成に返送されるか、またはMTBE分解に返送されることにより、プロセス中でアセトンの濃縮が起こる。アセトンがさらなる反応なしに反応器を通過すると、アセトンの濃度は限界濃度まで上昇し、この限界濃度では、アセトンは最終的に反応器の後に配置された蒸留の塔頂生成物に達するが、最終的にはイソブテン留分に達する。したがって、循環運転方式(Kreislauffahrweise)により、循環中のプロセスからアセトンの排出がなければ、最終的にアセトンがイソブテン留分に達するまで、不所望に高い濃度までの濃縮が起こる。前記蒸留の後に一般に配置される後処理工程(メタノールを除去するための、水による抽出、およびイソブテンからジメチルエーテルを除去するための蒸留)は、前記イソブテン生成物からのアセトンの分離を行わない。したがって、前記イソブテン生成物は、前記方法からのアセトンの排出がないと不純になり、一般の含酸素化合物仕様をもはや満たさない(表1を参照)。したがって、そこで要求される10質量ppm未満の仕様の合計は、とりわけ非常に要求が高いものである、というのは、アセトンの他に、さらなる含酸素化合物、例えばジメチルエーテル(DME)も製造に伴いイソブテン生成物中に存在し、同様に分離される必要があるからである。確かに、イソブテンのさらなる精製、例えば、蒸留または吸着による精製(例えば、EP1562883およびUS2004012656で提案される通り)も考えられる。しかし、この精製は、追加的な後処理工程であり、これに伴う比較的高い装置費用ならびに蒸留または吸着剤再生のための高いエネルギー消費により、前記方法の効果を極端に低下させるものである。
前記文献から公知の方法、例えば、DE102009027404では、少なくとも任意に、MTBEを含む出発材料(I)から蒸留により軽沸分が除去される。この軽沸分は、主にC4炭化水素またはC5炭化水素である。この場合、前記蒸留塔は、前記軽沸分が塔頂生成物として分離され、かつ塔底生成物が、前記軽沸分(C4炭化水素、C5炭化水素、および場合によりまた酸素含有化合物、例えばジメトキシメタン)を、イソブテン生成物中の相応の仕様(表1を参照)を損なわないような限界濃度までしか含んでいないように運転される。
Figure 0005826279
表2には、本発明による方法で典型的に、MTBEを含む出発物質中に含まれているか、または反応部において形成される、様々な成分の標準沸点が記載されている。多くの蒸留が、本発明による方法において、好ましくは高められた圧力下に実施されるため、追加的に0.5MPa(abs)での沸点も一緒に表に記載されている。見て分かる通り、アセトンの沸点はMTBEに非常に近く、高められた圧力では、アセトンの沸点はMTBEおよびメタノールの間にある。さらに、アセトンはメタノールとも、またMTBEとも共沸混合物を形成する。したがって、アセトンは、軽沸分分離のための蒸留の通常の運転方式では留出物に達することはなく、したがって分離されない。
つまり、前記蒸留においてアセトンを同時に分離することが根本的に考えられる。通常、この軽沸分分離は、塔底生成物がC4炭化水素およびC5炭化水素をほとんど含んでいないように、かつ塔頂生成物がMTBEおよびメタノールを可能な限り少なく含んでいるように運転される、というのは塔頂生成物が前記方法から排出されるからである(MTBE濃度 25質量%未満)。そこで、蒸留が、明らかにより多い留出物量(MTBE濃度 65質量%超)で、および場合により同時に高められた還流で運転されることで、アセトンは塔頂生成物としてのみ排出することができる。したがって、別の軽沸性成分と一緒にアセトンを簡単に蒸留することによるこのような分離は、極端に高いエネルギー消費、ならびにMTBEおよびメタノールの大きな損失を伴う。さらに、この留出物流は、C4炭化水素およびC5炭化水素の割合が高いため、新たな後処理なしでは、燃料添加剤として好適ではない。
したがって、本発明の課題は、工業用MTBEからの高純度MTBEの製造方法を提供することであり、この方法では、工業用MTBEから、有効かつ効率的な方法でアセトンが除去され、それにしたがい前記方法により、とりわけ高純度イソブテンの製造に好適なMTBEが得られる。
前記課題は、MTBEを含む出発材料を蒸留し、ここでアセトンを主に側方流中で除去することによって解決した。この側方流には、アセトンの他に主にMTBEおよびメタノールが含まれている。前記蒸留の塔頂流には、主にC4炭化水素およびC5炭化水素が含まれ、塔底流には、主にMTBEが含まれている。
したがって、本発明の対象は、以下の工程:
a)少なくともMTBE、メタノール、C4炭化水素、C5炭化水素およびアセトンを含んでいる工業用MTBE(I)を準備する工程;ならびに
b)工業用MTBE(I)を、C4炭化水素およびC5炭化水素を含んでいる塔頂生成物(II)、アセトン、メタノールおよびMTBEを含んでいる側方流(III)、ならびにMTBEを含んでいる塔底生成物(IV)に蒸留分離する工程
を含む、工業用MTBEの精製方法である。
本発明による方法は、DE102006040431、DE102006040430、およびDE10238370に記載されている最近の技術水準と比べて、アセトンを適切かつ有効に排出するという利点がある。
方法工程b)における蒸留分離を、塔底生成物(IV)が、工業用MTBE(I)中に含まれているアセトンの50質量%未満を含んでいるように実施するのが好ましい。
方法工程b)における蒸留分離は、この場合、典型的に蒸留塔で実施し、かつ側方流(III)は液状で取り出す。
工程b)で得られた塔底生成物(IV)から、任意に、重沸分、とりわけC8炭化水素も方法工程c)において除去することができる。したがって、好ましい実施態様では、方法工程b)の後で、最初の蒸留の塔底生成物(IV)を、さらなる蒸留でさらに精製する。この蒸留では、MTBEよりも沸点が高い成分、つまり重沸分、とりわけC8炭化水素を塔底生成物(V)として除去することができる。前記塔のさらなる課題は、2−メトキシブタンの部分的または完全な分離でありうる;というのは、2−メトキシブタンが、反応部で分解されて線状ブテンおよびメタノールになりうるからである;線状ブテンは、高すぎる濃度では、場合により、イソブテンの仕様を損なうことがある。前記蒸留のMTBEを含む塔頂生成物(VI)は、場合によりその純度のゆえに、薬品分野において溶剤および抽出剤として使用することができる。
したがって、本発明による方法の好ましい実施態様は、方法工程b)からの塔底生成物(IV)を、方法工程c)において、さらなる蒸留で、MTBEを含む塔頂生成物(VI)と、MTBEよりも沸点が高い成分を有する塔底生成物(V)とに分離することを企図している。
方法工程c)における蒸留分離は、好ましくは、MTBEを含む塔頂生成物(VI)が、2500質量ppm未満の2−メトキシブタン濃度を有するように実施することができる。
前記蒸留分離は、好ましくは、MTBEを含んでいる塔底生成物(IV)またはMTBEを含む塔頂生成物(VI)が、アセトンを50質量ppm未満含んでいるように実施する。
流(IV)もしくは重沸分分離後の流(VI)は、高純度イソブテンを接触分解により製造するための出発材料として特に好適である。
したがって、本発明による方法の好ましい実施態様は、MTBEを含んでいる塔底生成物(IV)またはMTBEを含む塔頂生成物(VI)を、方法工程d)において接触分解し、少なくともMTBE、イソブテンおよびメタノールを含んでいる分解生成物(VII)を得ることを企図している。この分解は、固体触媒上で、気相中において150〜500℃の温度範囲にて実施するのが好ましい。
方法工程d)で得られた分解生成物(VII)は、方法工程e)において、さらなる蒸留で、イソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)とMTBEおよびメタノールを含んでいる塔底生成物(VIII)とに分離する。
したがって、本発明の対象は、以下の工程:
d)流(IV)もしくは流(V)中に含まれているMTBEを、不均一系触媒上で分解して、少なくともMTBE、メタノールおよびイソブテンを含んでいる流(VII)を得る工程、ならびに
e)流(VII)を、少なくともイソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)と、少なくともMTBEおよびメタノールを含んでいる塔底生成物(VIII)とに蒸留分離する工程
を含むことを特徴とする、高純度イソブテンの製造でもある。
方法工程e)で得られ、かつイソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)は、この場合、アセトンを10質量ppm未満含んでいるのが好ましい。
流(VIII)中に含まれているMTBEは、MTBE分解の反応部に返送されるのが好ましい。そのためには、さらなる蒸留においてメタノールを塔底生成物として除去し、MTBEおよびメタノールを含んでいる流を分解に返送するのが好ましい。この返送は、本発明による方法の工程b)で行うのが好ましい。それとは別に、MTBE合成への返送も行うことができ、ここでメタノールの分離は必須ではないが、有利でありうる。MTBE合成への返送が行われるのが好ましく、この合成から、方法工程a)のためのMTBEを含む流が同じく生じる。
本発明による方法の好ましい実施態様では、方法工程e)で得られ、かつイソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)から、さらなる方法工程f)において、抽出によりメタノールを、および/または蒸留によりジメチルエーテルを除去することができる。
この場合、イソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)から、抽出剤(XIII)を用いる抽出により、およびメタノールを含んでいる抽出流(XI)の放出(Abfuehren)により、およびイソブテンが濃縮された流(X)の放出により、メタノールを除去するのが特に好ましい。
本発明による方法の好ましい実施態様では、メタノールを含んでいる抽出流(XI)を、さらなる方法工程で、蒸留において、メタノールを含んでいる塔頂生成物(XII)と抽出剤(XIII)を含んでいる塔底生成物(XIII)とに分離することができる。
さらに、方法工程e)で得られ、かつMTBEおよびメタノールを含んでいる塔底生成物(VIII)は、すべてまたは部分的に、場合によりさらなる後処理の後にも、方法工程b)に返送することができる。この場合、塔底生成物(VIII)は、方法工程a)において、工業用MTBE(I)の代わりに、または工業用MTBE(I)に加えて提供し、その後方法工程b)において蒸留分離することができる。
本発明による方法の好ましい実施態様では、MTBEおよびメタノールを含んでいる塔底流(VIII)は、さらなる方法工程で、蒸留において、メタノールを含んでいる塔底生成物(XVIII)とMTBEを含んでいる塔頂生成物(XVII)とに分離し、ここで塔頂生成物(XVII)は、すべてまたは部分的に方法工程b)に返送することができる。
それとは別の実施態様では、さらなる方法工程において、MTBEおよびメタノールを含んでいる塔底流(VIII)、ならびに少なくとも、さらなるメタノールを含む流(XXI)およびイソブテンを含む流(XX)をMTBE合成に供給し、MTBEを含む生成物(XXII)は、すべてまたは部分的に方法工程b)に返送することができる。
方法工程e)で得られたイソブテン(IX)は、本発明によればアセトンをほとんど含んでおらず、好ましくは95質量%超がイソブテンからなっており、販売製品として直接使用することができる、または前記の通り、さらに精製することができる。イソブテン(IX)は、方法工程f)においてさらに後処理されるのが好ましい。この場合、流(IX)中に含まれるメタノールは、公知の方法によれば、例えば抽出によって、分離することができる。流(IX)からのメタノールの抽出は、例えば水または水溶液を抽出剤として用いて、例えば抽出塔内で実施することができる。
前記抽出からの湿ったイソブテン流(X)は、さらなる蒸留において、ジメチルエーテルおよび水が分離され、後処理して乾燥したイソブテンにすることができる。この乾燥したイソブテンは、この場合、塔底生成物(XVI)として得られる。塔頂部の凝縮系では、相分離の後、水(XIV)は液状で、ジメチルエーテル(XV)は気体で取り除かれる。
以下に本発明を例示的に記載するが、請求項および詳細から生じる本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。請求項そのものも本発明の開示に含まれる。以下において、分野、一般式または化合物クラスの記載がある場合、この開示は、明確に言及されている相応の分野または化合物の群を包括するだけではなく、より分かりやすくするために明確に記載されていないが、個々の値(範囲)または化合物の省略により得ることができる分野および化合物群のあらゆる部分も包括するものである。
方法工程a):MTBEを含む出発物質の準備
本発明は、MTBEを含む混合物の効率的な精製方法、ならびにMTBEを含む混合物の分解によるイソブテンの製造方法に関する。様々な品質のMTBEを使用してよい。特に、様々な品質の工業用MTBEまたは工業用MTBEとメタノールとからの混合物を使用してよい。したがって、工業用MTBE(燃料品質)は好ましい出発物質である。表3は、工業用MTBEの典型的な組成を例示している。
Figure 0005826279
工業用MTBEは、公知の方法によれば、多価不飽和炭化水素が充分に除去されているC4炭化水素混合物、例えばラフィネートIまたは選択的に水素化されたクラック−C4とメタノールとの反応により製造することができる(MTBE合成)。このためには、根本的にあらゆる公知のMTBE合成方法を使用することができ、例えばMTBE合成は、DE10102082での記載と同様に行うことができる。
MTBE合成は、少なくとも2つの、特に好ましくは3つの固定床反応器内で実施する。メタノールが熱力学的平衡の近くまでイソブテンと反応する反応器として、慣用の固定床反応器(管束反応器、断熱固定床反応器、循環反応器)を使用してよい。前記固定床反応器のそれぞれ最後の反応器から、MTBEを含む反応混合物が取り除かれる。この反応混合物からのMTBEを含む留分の蒸留分離は、最も簡単な場合、1つの塔だけで行うことができる。この塔は、前記反応混合物中にまだ残存しているイソブテンをさらに反応させるために、反応蒸留としても実施することができる。この場合、塔底生成物として、MTBE分解のための出発物質(I)に用いることができる工業用MTBEが得られる。この留出物は、主に、メタノールとの共沸混合物形成のゆえにメタノールも含んでいる、未反応のC4炭化水素からなる。この塔底生成物は、MTBEの他に、製造に伴いさらに別の成分、例えば2−メトキシブタン、C4炭化水素、C5炭化水素、C8炭化水素および水を含んでおり、これらは副生成物としてMTBE合成中で形成されるか、またはすでに出発物質中に含まれており、分離されないものである。メタノール/イソブテンの選択された比率、および達成された変換率に応じて、さらにメタノールも含まれていてよい。本発明による方法では、MTBE合成および蒸留は、メタノール含有量が可能な限り少ないように運転するのが好ましい。
MTBE合成のための出発流には、一般にC4炭化水素の他に、酸素含有化合物も含まれている。この酸素含有化合物の種類および量は、使用された原料流の種類および起源、ならびにクラッカー内の選択された技術的条件による。C4カットのさらなる後処理も、これらの不純物の含有量に影響を及ぼす。この酸素含有化合物は、特にアセトンである。アセトンは、MTBE合成において、および後続の蒸留において、MTBEから分離されず、製造に伴い少なくとも割合に応じてMTBE生成物に達する。表3から読み取れる通り、工業用MTBEは、製造プロセスおよび使用された原料流に応じて、アセトンを500ppmまで含んでいてよい。本発明の課題は、アセトンを可能な限り完全に、かつ効率的にMTBEから除去することである。
方法工程b):軽沸分およびアセトンの分離
すでに上述の通り、前記文献から公知の方法では、少なくとも任意に、MTBEを含む出発物質(I)から蒸留により軽沸分が除去される。この軽沸分は、主にC4炭化水素またはC5炭化水素である。この場合、蒸留塔は、前記軽沸分が塔頂生成物として分離され、塔底生成物が、イソブテン生成物中の相応の仕様(表1参照)を損なわないような限界濃度までしか前記軽沸分を含まないように運転される。この運転方式では、アセトンは分離されない。アセトンは、蒸留の運転方式もしくは設計を変えることにより、根本的に留出物量および場合により還流比を著しく増加させることによっても、塔頂を介して割合に応じて分離することができることが判明した。しかし、アセトンを別の軽沸性成分と一緒に塔頂生成物として簡単な蒸留によりこのように分離することは、極端に高いエネルギー消費、ならびにMTBEおよびメタノールの大きすぎる損失を伴い、したがって好ましくない。
本発明によれば、アセトンの分離は、蒸留塔K1内で行われ、この塔内でMTBEを含む混合物(I)が、主にC4炭化水素およびC5炭化水素を含んでいる塔頂生成物(II)と、アセトン、メタノールおよびMTBEを含んでいる側方流(III)と、ならびにMTBEを含んでいる塔底流(IV)とに分離される。
好ましくは、この物質分離(Stofftrennung)は、側方排出部を備える蒸留塔内で実施され、前記塔は、20〜80の理論分離段を、好ましくは25〜60の、特に好ましくは35〜55の理論分離段を有する。供給流の送り込みは、側方排出部の下方で、好ましくは少なくとも5段下方で、特に好ましくは10段下方で行われる。側方流の排出は、好ましくは上から数えて5〜25段の間で、特に好ましくは10〜20段の間で行われる。好ましくは、前記塔は、実現された段数、使用されたMTBEの組成、ならびに塔底生成物および塔頂生成物および側方流の必要な純度に応じて、100〜800の還流比、特に150〜750の還流比で運転されるのが好ましい。ここで、還流比は、留出物の質量流量で割った還流の質量流量として定義されている。側方排出流(III)の質量流量の、塔への供給流(I)の質量流量に対する比は、好ましくは0.01〜0.2、特に好ましくは0.05〜0.01である。側方流(III)の排出は、液状で行われるのが好ましい。前記塔は、好ましくは0.2〜0.6MPa(abs)の操作圧、特に好ましくは0.3〜0.4MPa(abs)の操作圧で運転される。前記塔を加熱するには、例えば蒸気を使用することができる。凝縮は、選択された操作圧に応じて、冷塩水(Kuehlsole)、冷却水または空気によって行われてよい。前記塔の塔頂蒸気は、すべてまたは部分的にのみ凝縮することができ、その結果、塔頂生成物(II)は、液状か、または蒸気状で取り除くことができる。塔頂生成物(II)は、熱利用するか、または別のプロセス、例えば合成ガス設備において出発物質として利用することができる。
蒸留条件の設定により、好ましくは供給されたアセトンの50質量%超が、特に好ましくは75質量%超が側方流(II)により放出される。塔底生成物(IV)には、好ましくは供給されたアセトンの50質量%未満、特に好ましくは80質量%未満が含まれている。アセトンの濃度は、塔底生成物(IV)中では、50ppm未満が好ましく、30ppm未満が特に好ましい。
前記アセトンの分離は、分離壁塔でも行うことができると指摘されている。分離壁塔は、部分範囲に縦方向の仕切り(Laengstunterteilung)を有する蒸留塔である。溶接され固定された壁、または固定せずに差し込まれた壁として作られたこの縦方向の仕切りは、前記塔の該当する部分範囲での、液体流と蒸気流との交差混合(Quervermischung)を防止する。分離壁塔として塔K1を実施する場合、側方流(III)は分離壁の範囲で取り除かれる。これには、アセトンのより強い濃縮が側方排出流(III)で行われること、および側方排出流(III)がC4炭化水素およびC5炭化水素をより少なく含んでいるという利点がある。
方法工程c):高沸分の分離
好ましい実施態様では、方法工程b)でアセトンと軽沸分とを分離するために最初の蒸留の後、方法工程c)でMTBE流(IV)をさらなる蒸留においてさらに精製する。この工程では、重沸分、とりわけC8炭化水素、例えばジイソブテンが塔底生成物として除去される。前記塔のさらなる課題は、2−メトキシブタンの部分的または完全な分離でありうる、というのは、2−メトキシブタンは、MTBE分解反応塔内で線状ブテンとメタノールとに分解されうるからである。線状ブテンは、濃度が高すぎると、場合によりイソブテン−仕様を損なうことがある。
方法工程c)による、アセトンおよび軽沸分が除去されたMTBE流(IV)の、MTBEを有する塔頂流(VI)およびMTBEよりも沸点の高い化合物を有する塔底流(V)への蒸留分離は、好ましくは少なくとも1つの塔で、特に好ましくは蒸留塔K2のみで行われる。
塔K2において、特にC8炭化水素のみが分離されるならば、この塔が15〜60の理論分離段を、好ましくは20〜55の理論分離段を、特に好ましくは30〜45の理論分離段を有する場合に有利でありうる。本発明の範囲において、留出物の質量流量で割った還流の質量流量として定義された還流比は、実現された段数、使用されたMTBEの組成、および必要な純度に応じて、好ましくは0.5〜7、特に好ましくは1〜4の値に設定される。
塔K2において、C8炭化水素および追加的に2−メトキシブタンが分離されるならば、使用された蒸留塔は、好ましくは50〜140の理論分離段を、特に好ましくは60〜120の理論分離段を、殊に好ましくは80〜110の理論分離段を有する。還流比は、実現された段数、使用されたMTBEの組成、および必要な純度に応じて、好ましくは1〜20、特に好ましくは2.5〜10である。仮に2−メトキシブタンの分離が必要でなくても、床数が比較的多い塔の設計は不利点であるわけではない、というのは、より大規模の塔のためのより高い設備投資の一部は、エネルギー節約(還流比の減少)によって補われうるからである。同時に、これによってより高度の運転柔軟性が得られる。
塔K2の操作圧は、好ましくは0.1〜2.0MPa(abs)であってよい。方法工程d)において、MTBE分解反応器内の塔頂で得られたMTBE留分(VI)の分解が、気相中で、高められた圧力で行われる場合、蒸留を比較的高い圧力で実施することは有利であり、ここで、塔頂凝縮器は、好ましくは部分凝縮器として運転され、そして塔頂生成物(VI)は蒸気状で取り除かれる。この蒸気状で取り除かれた塔頂生成物は、直接またはさらなる予熱後に前記反応器に供給することができる。蒸留および反応器の圧力の違いは、この場合、特に少なくとも0.05MPa(abs)である。分解反応器内の反応圧力が、例えば0.7MPa(abs)の場合、したがって、蒸留圧力は好ましくは少なくとも0.75Mpa(abs)となる。0.95Mpa(abs)超の操作圧では、凝縮熱で(低圧)蒸気を生成することができ、この蒸気で前記方法の別の塔を加熱することができる。前記塔を加熱するためには、選択された操作圧に応じて、蒸気または熱媒油を使用してよい。
塔K2の塔頂生成物(VI)は、好ましくは2−メトキシブタンを2500ppm未満、特に好ましくは2000ppm未満含んでいる。流(VI)は、その純度のゆえ、溶剤および抽出剤として薬品分野および分析で使用することができる。しかし、前記流は、高純度イソブテンを製造するためのMTBE分解への供給流として用いられるのが好ましい。
塔K2の塔底生成物(V)には、高沸分であるC8炭化水素および2−メトキシブタン、ならびにMTBEが含まれている。塔内で主にC8炭化水素、例えばジイソブテンが分離されるならば、塔底生成物中のMTBE含有量は、25質量%未満の値に低下してよい。追加的に2−メトキシブタンが分離される場合、2−メトキシブタンとMTBEとの沸点差が小さいため、この分離のための消費を減らすために、目的に応じて60〜85質量%の、塔底生成物中の比較的高いMTBE含有量が許容される。前記両方の場合において、前記混合物は、熱利用されてよく、合成ガス設備用の出発物質として利用されてよく、または直接もしくは水素化後に燃料成分として使用されてよい。
方法工程d):MTBE分解
本発明による方法の工程d)では、方法工程b)で得られたMTBE流(IV)を、場合により方法工程c)で流(VI)よりも高沸点の成分をあらかじめ分離した後に、1つ以上の反応器内でイソブテンとメタノールとに分解する。MTBE分解は、気相中において不均一系触媒上で行われるのが好ましい。この場合、150〜500℃の温度範囲、特に200〜400℃の範囲で、MTBEのイソブテンおよびメタノールへの分解をもたらす固体触媒を使用してよい。
本発明による方法で使用される触媒は、例えば金属酸化物、混合金属酸化物、特に二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含んでいるようなもの、金属酸化物担体または金属塩上の酸、またはそれらの混合物であってよい。
本発明による方法では、気相中においてMTBEをイソブテンとメタノールとに分解するために、形式的に酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素からなる触媒が使用されるのが好ましい。このような触媒は、例えばUS5171920の例4またはEP0589557に記載されている。
形式的に酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を有し、かつ酸化マグネシウムの割合0.5〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、特に好ましくは10〜15質量%、酸化アルミニウムの割合4〜30質量%、好ましくは10〜20質量%、および二酸化ケイ素の割合60〜95質量%、好ましくは70〜90質量%を有する触媒を使用するのが特に好ましい。前記触媒が、酸化マグネシウムの他にアルカリ金属酸化物を有する場合、有利でありうる。このアルカリ金属酸化物は、例えばNa2OまたはK2Oから選択されてよい。好ましくは、前記触媒はアルカリ金属酸化物としてNa2Oを有する。好ましく使用される触媒は、好ましくは200〜450m2/g、好ましくは200〜350m2/gのBET表面積(DIN ISO9277に準拠する窒素を用いた容積測定)を有する。前記触媒が活性材料として担体に設けられる場合、活性材料のみが前記範囲のBET表面積を有する。触媒および担体からの材料は、それとは反対に、前記担体の性質に応じて、明らかに異なるBET表面積、特により小さいBET表面積を有していてよい。
前記触媒の細孔容積は、好ましくは0.5〜1.3ml/g、特に好ましくは0.65〜1.1ml/gである。
前記触媒のDIN66133に準拠する平均細孔容積は、好ましくは5〜20nm、特に好ましくは8〜15nmである。直径3.5〜50nmを有する細孔(メソ孔)に対して触媒の総細孔容積(DIN66133に準拠する水銀ポロシメーターで測定された、孔径3.5nm以上を有する細孔の細孔容積の総和)の少なくとも50質量%、好ましくは70質量%超の割合にするのが特に好ましい。
本発明による方法では、10μm〜10mmの平均粒度(ふるい分析により測定)、好ましくは0.5mm〜10mm、特に好ましくは1〜5mmの平均粒度を有する触媒を使用するのが好ましい。2〜4mm、特に3〜4mmの平均粒度d50を有する固体触媒が使用されるのが好ましい。
本発明による方法では、触媒を成形品として使用することができる。この成形品は、いずれの形状にもすることができる。前記触媒は、球、押出成形品またはタブレットの形状の成形品として使用されるのが好ましい。この成形品は、上述の平均粒度を有するのが好ましい。
このようなマグネシウム−アルミノケイ酸塩触媒の製造および使用は、DE102006040432に記載されている。これを引用する。
MTBEの分解は、気相中において、150〜500℃の、特に200〜400℃の温度範囲で、0.05〜2MPaの圧力、特に0.3〜1MPaの圧力、殊に0.5〜0.7MPaの圧力にて行われる。
MTBEのイソブテンおよびメタノールへの分解は、吸熱反応である。MTBEおよび生成物の部分凝縮を避けるため、反応器内の最小温度が150℃超、好ましくは200℃超であるように前記反応器を運転するのが好適である。したがって、前記反応器の前に接続された加熱器を使って設定することができるMTBEの入口温度は、少なくとも150℃、好ましくは少なくとも200℃である。
運転の進行中に、触媒の不活性化が増してきたら、変換率を一定に保つために、入口温度および/または運転温度を500℃まで高くすることは有利でありうる。500℃に達した際に、変換率を維持できなくなった場合、触媒をすべてまたは部分的に交換することは有利でありうる。
本発明による方法の工程d)におけるMTBEの変換率は、40%〜99%、特に好ましくは70%〜98%、殊に好ましくは85%〜95%である。
前記反応器は、0.1〜5h-1、特に1〜3h-1の空間速度(1時間当たりの触媒1Kgにつき出発材料1Kgでの重量毎時空間速度(WHSV))で、直線通路内で運転されるのが好ましい。
反応器として、管型反応器または管束反応器、特に10〜60mmの管の内径を有する前記反応器が使用されるのが好ましい。これらの反応器は、DE102006040433に記載の通り運転されるのが好ましい。
MTBEの分解では、副反応が生じる。この副反応は、MTBEか、または分解生成物であるイソブテンおよびメタノールに起因している。標準的に、MTBE分解では、メタノールからのジメチルエーテル(DME)の形成、ならびにイソブテンの二量化によるC8炭化水素の形成が生じる。イソブテンと水との反応により、まずtert−ブタノール(TBA)を形成させ、それと反対に反応器供給物中に含まれているTBAを水とイソブテンとに分解することができる。
前記副反応に加えて、たいていの場合、さらに同時平行で進行する反応が起こり、ここでMTBEからの不純物が反応する。これには、例えばMTBE中に含まれている2−メトキシブタンの分解が該当する。そこから、メタノールの分解により1−ブテンおよび2−ブテンが形成されうる。MTBE中に含まれている3−メトキシ−1−ブテンまたは1−メトキシ−2−ブテンから、分解において1,3−ブタジエンが形成されうる。
方法工程e)分解生成物の精製
前記分解生成物混合物をさらに精製するために、分解生成物(VII)が、方法工程d)でのさらなる蒸留において、イソブテンを有する塔頂流(IX)と未反応のMTBEを有する塔底流(VIII)とに分離される場合、有利でありうる。方法工程d)による、分解生成物(VII)の、イソブテンを有する塔頂流(IX)および未反応のMTBEを有する塔底流(VIII)への蒸留分離は、少なくとも1つの塔内で、好ましくは蒸留塔K3内のみで行われる。
方法工程e)で好ましく使用された蒸留塔K3は、好ましくは20〜55の理論分離段を、特に好ましくは25〜50、殊に好ましくは30〜45の理論分離段を有する。還流比は、実現された段数、反応器流出物の組成、ならびに留出物および塔底生成物の必要な純度に応じて、好ましくは5未満、特に好ましくは1未満である。塔K3の操作圧は、好ましくは0.1〜2.0MPa(abs)で設定することができる。圧縮器を省くため、分解反応器Rが方法工程b)で運転される圧力よりも低い圧力で前記塔を運転することは、有利でありうる。イソブテンを冷却水によって凝縮するには、約0.5MPa(abs)の圧力が必要である。方法工程b)における分解を、例えば0.65MPa(abs)の圧力で行うならば、方法工程c)の蒸留塔を0.55〜0.6MPa(abs)の操作圧で実施する場合、有利でありうる。エバポレーターを加熱するために、例えば0.4MPaの蒸気を使用してよい。塔底生成物(VIII)は、好ましくは未反応のMTBE、メタノール、ならびに場合により副生成物、例えばジイソブテンおよび2−メトキシブタンを含んでいる。前記塔頂生成物は、総塔頂生成物に対して95質量%超の純度を有するイソブテンであるのが好ましい。
方法工程e)で得られた塔底生成物(VIII)には、方法工程d)において未反応のMTBE、およびMTBEの分解で生じたメタノールの大部分が含まれている。場合により、この塔底生成物は、副生成物、例えばジイソブテンおよび/または2−メトキシブタンを含んでいることがある。流(VIII)の使用もしくは後処理には、様々な手段がある。MTBE分解装置が、MTBEを製造するための設備と一緒にある場合、流(VIII)は、このMTBE設備に、好ましくは合成部(Syntheseteil)に運ばれてよい。これは、仮に前記MTBE設備が、分解に必要とされるだけの量のMTBEを生成し、それとともに合成部に重沸成分のさらなる排出口が存在しない場合にも当てはまる。第2の手段は、流(VIII)からメタノールの大部分を蒸留分離し、残りを方法工程b)に返送することである。後者の手段は、供給されたMTBEが使用される単独型設備(stand alone plants)の場合に有利である。
アセトンは、蒸留塔K3内で割合に応じて塔底生成物(III)として分離され、供給流(VII)中に含まれているアセトンのわずかな割合が留出物(IX)に達する。しかし、前記の通り、塔底流(VIII)が反応部Rの前に返送される場合、アセトンは、方法工程b)における本発明による分離がなければ不所望に高い濃度まで濃縮する。反応器流出物(VII)中に含まれているアセトンの90〜99質量%は、塔底生成物(VIII)を介して分離されるのが好ましい。しかし、これは、方法工程b)においてアセトンの排出がされない場合、流(I)に含まれているアセトンのほぼ総量が塔K3の塔頂生成物(IX)に達するほど、循環中のアセトンが高い濃度まで濃縮することを意味している。これは、方法工程b)における本発明による排出により回避される。
方法工程d)において得られる塔頂生成物(IX)は、本発明によればアセトンをほとんど含んでおらず、かつ好ましくは95質量%超がイソブテンからなっており、直接、販売製品として使用するか、またはさらに精製することができる。
イソブテンがメタノールと最小共沸混合物を形成するため、方法工程e)で得られた塔頂生成物(IX)は、主生成物であるイソブテンの他に、特にメタノールを含んでいることがある。さらなる成分として、塔頂生成物(IX)中には、例えばメタノールの凝縮により生じうる例えばジメチルエーテル、および例えば2−メトキシブタンの分解により生じうる線状ブテン(1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン)、および水が含まれうる。
方法工程f):イソブテンの後処理
市場で慣用のイソブテン品質には、一般に事実上メタノールは含まれていない(表1参照)。メタノールは、自体公知の方法により、例えば抽出により、方法工程e)で得られた流(IX)から分離することができる。流(IX)からのメタノールの抽出は、抽出剤として水または水溶液を使って、例えば抽出塔内で実施することができる。この抽出は、水または水溶液を使って、好ましくは4〜16の理論分離段を有する抽出塔K4内で実施されるのが好ましい。抽出剤(XIII)は、抽出されうる流に対して抽出塔を並流または向流で貫流してよい。抽出剤(XIII)は、抽出されうる流に対して向流で抽出塔に通すのが好ましい。この抽出は、好ましくは15〜50℃の温度、特に好ましくは25〜40℃の温度にて実施される。例えば、理論分離段を6超有し、0.9MPa(abs)の圧力および40℃の温度にて運転される抽出塔を使用する場合、99質量%超のイソブテン含有量を有する水飽和イソブテンを得ることができる。
前記抽出で得られたメタノールを含む水抽出物(Wasserextrakt)(XI)は、蒸留して水とメタノールとに分離することができる。この分離は、蒸留塔K5内で行われるのが好ましい。水は、抽出剤(XIII)として抽出段階に返送されてよい。メタノール(XII)は、一般の技術的な合成、例えばエステル化またはエーテル化に利用することができる。メタノールは、MTBE合成に返送されるのが好ましく、この合成から出発流(I)が生じる。
場合によりイソブテンを含む流(IX)中に存在するアセトンは、前記抽出では溶解度平衡のため著しく分離されず、割合に応じて、湿ったイソブテン流(X)中に残存している。
前記抽出塔からの湿ったイソブテン流(X)は、さらなる蒸留塔K6内でジメチルエーテルおよび水から分離され、後処理されて乾燥したイソブテンになる。この乾燥したイソブテンは、この場合塔底生成物(XVI)として得られる。前記塔頂での凝縮系では、相の分離後に水(XIV)は気体状で、ジメチルエーテル(XV)は気体状で取り除かれる。乾燥に好ましく使用される蒸留塔は、好ましくは30〜80の理論分離段を、特に好ましくは40〜70の理論分離段を有する。還流比は、実現された段数、およびイソブテンの必要な純度に応じて、好ましくは100未満、特に好ましくは75未満である。塔K2の操作圧は、好ましくは0.1〜2.0MPa(abs)で設定することができる。
場合により流(X)中に存在するアセトンは、蒸留塔K6内で、沸点位(表2参照)のため著しく分離されず、この場合、割合に応じてイソブテン生成物(XVI)中に残存している。
しかし、本発明によれば、アセトンは、方法工程b)におけるアセトンの分離において排出されるため、本発明によれば流(X)は、アセトンを含んでいない。このようにして得られたイソブテンは、例えば表1に記載された組成を有することができる:しかし、純度要求によっては、必要があれば副生成物のより低い濃度も考えられる。
本発明による方法を実施することができる、好ましい実施態様のブロック図を図1に示す。出発MTBE(I)を、塔K1に供給する。塔K1において、MTBEを含む混合物(I)は、主にC4炭化水素およびC5炭化水素を含んでいる塔頂生成物(II)と、アセトン、メタノールおよびMTBEを含んでいる側方流(III)と、ならびにMTBEを含んでいる塔底流(IV)とに分離される。塔底流(IV)中には、出発流(I)中に含まれているアセトンの50質量%未満が含まれているのが好ましい。
前記方法のさらなる好ましい実施態様を図2に示す。ここで、流(I)中に含まれているアセトン、メタノール、ならびに含まれている軽沸分、特にC4炭化水素およびC5炭化水素の分離は、図1と同様に塔K1内で行われる。塔K2の塔底流(IV)は、塔K2に送られる。この塔内において、含まれている高沸分(C8炭化水素、例えばジイソブテン、2−メトキシブタン)が、少なくとも部分的に塔底生成物(V)として分離される。塔頂生成物(VI)は、軽沸分、メタノール、アセトンおよび高沸分が充分に除去されたMTBEであり、その純度のため、薬品分野および分析において溶剤および抽出剤として使用することができる。特に、塔頂生成物(VI)は、MTBEのイソブテンおよびメタノールへの逆反応(Rueckspaltung)による、高純度イソブテンの製造のための出発物質としても好適である。
MTBEの逆反応による、イソブテンのこのような製造方法を、図3に示す。図3による方法は、前記方法のさらなる好ましい実施態様である。出発MTBE(I)の後処理は、図2と同様に、塔K1およびK2において行われる。塔K2の塔頂生成物(VI)は、分解反応器Rに運ばれる。分解生成物(VII)は、塔K3において、形成されたイソブテン、DME、および(イソブテンとメタノールとの共沸混合物形成による)メタノールの割合を含んでいる塔頂生成物(IX)と、未反応のMTBEおよび生じたメタノールの大部分を有する塔底生成物(VIII)とに分離される。本発明によれば、アセトンは、割合に応じて塔K3において塔底を介して分離される。本発明によれば、流(VII)中にはアセトンが少ししか含まれていないため、塔頂生成物に達したアセトンは、イソブテン仕様を損なわない。塔底生成物(VIII)は、任意に、メタノールの分離後、塔K1の前に返送されてよく、MTBE合成S1に返送されてよく、または他の方法で使用されてよい。
塔K3の塔底流(VIII)を返送するための好ましい実施態様を、図4および図5に示す。
図4では、前記方法の好ましい実施態様が示されており、ここで塔K3の塔底流(VIII)は、メタノールの分離後に塔K1の前に返送される。流(VIII)から、塔K7においてメタノールの大部分が塔底生成物(XVIII)として分離される。MTBEおよびメタノールの一部を含んでいる塔頂生成物(XVII)は、塔K1に供給される。塔K7において、流(VIII)中に含まれているアセトンの大部分は塔頂生成物中に残留し、本発明によれば、塔K1において側方排出流(III)として排出される。
図5は、前記方法の好ましい実施態様を含んでおり、ここで塔K3の塔底流(VIII)は、MTBE合成S1に返送される。少なくとも、イソブテンを含むC4炭化水素流(XX)およびメタノールを含む流(XXI)が、MTBE合成S1に供給される。流(XXI)は、例えば新鮮なメタノールを含んでいるか、またはメタノールを含むC4流の水による抽出、およびそれに引き続くメタノール/水の分離の際に、前記方法の範囲内で回収されたメタノールを含んでいてよい。流(XXI)に含まれているメタノールは、(XX)中に含まれているイソブテンとMTBE合成S1において反応して、MTBEになる。このMTBEは、直接または流(XXII)の蒸留分離後にMTBEを含む流(I)として本発明による方法の工程a)で使用される。工程a)で使用する前に流(XXII)が分離される場合、この流には、少なくとも、未反応のC4炭化水素の大部分およびメタノールのさらなる割合も含まれている。この実施態様は、特に、流(XXII)の蒸留分離が、反応蒸留塔の形をとって実施される場合に有利でありうる。MTBE合成で反応蒸留塔を使用することは技術水準であり、イソブテンのMTBEへの変換率を高めるために使用される。
MTBEを含む流(I)を、前記の通り塔K1に供給する。流(Ia)を任意に排出し、例えば工業用MTBEとして市場に出すことができる。この好ましい実施態様では、流(XX)に含まれているアセトンは割合に応じて流(I)に達し、流(III)を介して前記方法から排出される。循環流(流(IV)、(VI)、(VII)および(VIII))中のアセトンの濃度は、この場合低いため、アセトンは特筆すべきほどイソブテン生成物(IX)に達しない。
流(XX)および(XXI)の含水量に応じて、図5による本発明の別形では、水を、前記方法から排出する必要がある。水を排出するための好ましい別形は、DE102009027404に記載されている。
図6は、方法工程e)で得られるメタノールを含むイソブテン流(IX)のさらなる後処理のための好ましい実施態様を示している。流(IX)から、抽出塔K4においてメタノールが水(XIII)と一緒に洗い落とされる。メタノールを負荷した水(methanolbeladene Wasser)(XI)は、塔K5でメタノールを含む流(XII)と水(XIII)とに分離され、水は抽出に返送される。流(XII)は、MTBE合成に返送されるのが好ましく、流(I)が生じるMTBE合成に返送されるのが特に好ましい。なおもDMEを含んでいる水飽和イソブテン流(X)は、引き続き塔K6においてさらに精製される。前記塔の塔頂では、通常、なおもイソブテンを含んでいるDMEを含む流(XIV)が得られる。水を分離するために、塔K6に塔頂デカンタを設けることは有効であり、このデカンタ内で水(XV)が第2相として分離され、排出されうる。前記塔の塔底において、イソブテン(XV)が得られる。流(IX)に場合により存在するアセトンは、塔K4でも塔K6でも完全に分離されず、したがって大部分がイソブテン生成物(XVI)に達する。しかし、本発明によれば、流(IX)には、アセトンがほとんど含まれていないため、流(XVI)もアセトンをほとんど含んでいない。
本発明による方法において塔、例えば前記図1〜図6中でK1〜K7と記された塔が使用される場合、これらの塔は、内部構造体、例えばトレイ、回転内部構造体、不規則床および/または規則充填物からの前記内部構造体が備えられていてよい。
前記塔のトレイは、例えば以下のタイプを使用してよい:
・トレイプレートに穴またはスリットを有するトレイ
・鐘状、球状または円蓋状のもので覆われているネックまたは煙突を有するトレイ
・トレイプレートに可動弁で覆われている穴を有するトレイ
・特別設計によるトレイ。
様々な不規則充填物を備える不規則床を有する塔を使用する場合、この不規則充填物は、ほぼあらゆる材料から、特に鋼鉄、特殊鉄鋼、銅、炭素、陶器(Steingut)、磁器、ガラスまたはプラスチックからなっていてよく、種々の形、特に球状、滑らかな、または刻み目の入った表面を有するリング状、内部仕切り(Innenstegen)または貫通穴(Wanddurchbruechen)を有するリング状、金網製リング(Drahtnetzringen)、サドル型充填物(Sattelkoerper)およびらせんの形状を有していてよい。
規則的な/整った形状を有する充填物は、例えば金属板または織布からなっていてよい。このような充填物の例は、金属またはプラスチック製のSulzer織布充填物BX、金属板製のSulzer層状充填物Mellapak、Sulzer高性能充填物、例えばMella−pakPlus、Sulzer社(Optiflow)、Montz社(BSH)およびKuehni社(Rombopak)の構造充填物である。
本発明による方法により製造されたイソブテンは、例えば、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ジイソブテン、ポリイソブテン、アルキルフェノール、メタリルクロライド、またはメタリルスルホン酸の製造のために使用することができる。特に、分解時に得られるメタノールも、メチルメタクリレートの製造のためのイソブテンも使用することは有利でありうる。メチルメタクリレートのこのような製造方法は、例えばEP1254887に記載されており、この方法を特に参照している。
本発明を以下の例によって説明する。
本発明による方法を実施することができる、好ましい実施態様のブロック図 前記方法のさらなる好ましい実施態様を示す図 前記方法のさらなる好ましい実施態様を示す図 前記方法の好ましい実施態様を示す図 前記方法の好ましい実施態様を示す図 方法工程e)で得られるメタノールを含むイソブテン流(IX)のさらなる後処理のための好ましい実施態様を示す図
実施例
例1:
MTBE分解を、熱媒油(Marlotherm SH、Sasol Olefins & Surfactans GmbH社)が流れる加熱ジャケットを有する管型反応器において実施した。触媒として、マグネシウムでドープされたシリカアルミナを使用した。前記触媒の製造は、特許出願DE102006040432に相応して行った(例2参照)。出発材料として、通常、燃料添加剤としてではなく、溶剤として使用される高純度MTBEを使用した(DRIVERON−S、Evonik Oxeno GmbH社)。
反応器に入れる前に、前記MTBEをエバポレーター内で260℃にて完全に蒸発させた。分解は、261℃の温度(反応器ジャケットの供給部にあるMarlothermの温度)にて実施し、圧力は反応器の端部の圧力維持によって一定に0.7MPa(abs)に設定した。MTBE供給は、一定に1500g/hに調整した。これは触媒量331gでWHSV値4.53h-1に相当する。前記反応器を離れた気体状の分解混合物を、完全に凝縮し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
1600時間持続した後、選択された反応条件下でのMTBEの変換率は、90.6%、ジメチルエーテルへの選択性は3.53%であり、ジイソブテンへの選択性は0.05%であった。1613時間後、アセトンを反応供給部に計量供給し、反応器供給物と反応器流出物とを、GC分析を用いてアセトンについて試験した。結果を表4に示す。
Figure 0005826279
アセトンの顕著な減少を確認することはできなかった。回収率は、いずれの場合も90質量%を上回っており、したがって測定精度の範囲内にある。アセトンを計量供給する間、微量のメチルビニルケトン(8ppmまで)および2−メトキシプロペン(2ppmまで)を検出することができた。
MTBEの変換率、ならびにジメチルエーテルおよびジイソブテンへの選択性は、変わらなかった。
前記例によって、アセトンが、MTBE分解の反応部では顕著に分解されず、したがって反応器供給物中に存在する場合、ほとんど変わらない濃度で、反応部の流出物中にも存在することを示すことができた。
例2、例3、例4および例5についての解説
以下の例2、例3、例4および例5では、定常シミュレーションプログラムASPEN Plus(Version2006、AspenTech社)を用いて計算を実施した。この計算は、本発明をさらに解説するものであり、およびMTBE分解の全体プロセスに対するアセトン排出の影響を表すものである。
明瞭で、再現可能なデータを作るために、一般に入手可能な物質データのみを使用した。前記例では、物性推算法(Property−Methode)「NRTL−RK」(H.Renon and J.M.Prausnitz,"Local Compositions in Thermodynamic Excess Functions for Liquid Mixtures",AlChE J.,Vol.14,No.1,(1986),135〜144ページ、およびO.Redlich and J.N.S.Kwong,"On the Thermodynamics of Solutions V.An Equation−of−state.Fugacities of Gaseous Solutions",Chem.Rev.,Vol.44(1979),223〜244ページ参照)を利用した。
MTBE合成における反応器RS1−1、RS1−2およびRS1−3、ならびにMTBE分解における分解反応器Rのモデリングのために、前記計算では、それぞれの触媒を用いた、広範囲な、実験から得た測定データに基づく動的反応器モデル(kinetische Reaktormodelle)を使用した。したがって、前記例には、反応器モデリングの際に仮定した反応温度もそれぞれ記載されている。反応段階の、出入りする流の組成もそれぞれ記載されているため、当業者は、動力学の正確な方程式を熟知していなくても、決められた所定の変換率で前記反応器を再調整することにより前記例を検算することができる。
例2a:(本発明によらない)
例2aでは、MTBEを含む出発流(I)から軽沸分、例えばC4炭化水素およびC5炭化水素のみが除去される塔K1*を考察する。このような塔は、文献から公知の多数の方法に記載されている(例えば、DE102009027404)。それによれば、塔K1*では、MTBEを含む出発物質(I)を、塔頂生成物(II*)と塔底生成物(IV*)とに分離する。塔K1*への供給物として、表5に記載された組成を有する、MTBE流(I)(MTBEを含む出発流)1000kg/hを仮定する(典型的な燃料MTBE、表3と比較)。
Figure 0005826279
塔K1*は、40の理論分離段を有し、0.35MPa(abs)の圧力にて運転する。供給物(I)の送り込みは、上から数えて15段目の上方で行う。還流を671kg/hで設定したため、留出物(II*)中のMTBE含有量はわずかであり(MTBE損失)、塔底生成物(IV*)は、軽沸分(C4炭化水素およびC5炭化水素)をほとんど含んでいない。この塔K1*の留出物は、MTBE15質量%の残留含有量を有し、塔底生成物は、50ppmのC4炭化水素およびC5炭化水素の残留含有量を有している。出発MTBE中に含まれているアセトン(150ppm)は、前記塔の運転方式では分離されず、塔底生成物(IV*)中の濃度は、150ppmのままである。
前記例によって、前記文献に記載された軽沸分塔の一般の運転方式では、アセトンは出発MTBE(I)から除去されないことを示すことができた。
例2b:(本発明によらない)
例2bでは、塔K1*の留出物質量流量を、同一の還流にて、供給流(I)中に含まれているアセトンの80質量%が留出物として分離されるように設定する。供給流(I)の質量流量および組成、ならびに塔K1の圧力、段数および送り込み段は、例2aと変わらない。
留出物(II*)および塔底生成物(IV*)の質量流量および相応の組成を図6に示す。
Figure 0005826279
表6から明らかなように、供給流(I)中に含まれているアセトンの80質量%を、塔底生成物(IV*)から分離するためには、例2aにおいて4.2kg/hの留出物質量流量を233kg/hに高める必要がある。留出物中のMTBE含有量は、約94質量%である。したがって、MTBE損失は著しい(22質量%)。留出物中のC4炭化水素およびC5炭化水素の含有量は、合計して約1.4質量%である。したがって、この流は、新たな後処理なしには、燃料添加剤として好適ではない。
例2c:(本発明によらない)
例2cでは、塔K1*の還流を947kg/hに高め、塔K1*の留出物質量流量を、この場合も同様に、供給流(I)中に含まれているアセトンの80質量%が留出物として分離されるように設定する。供給流(I)の質量流量および組成、ならびに塔K1*の圧力、段数および送り込み段は、例2aと変わらない。
留出物(II*)および塔底生成物(IV*)の質量流量および相応の組成を表7に示す。
Figure 0005826279
還流の増加にもかかわらず、供給流中に含まれているMTBEの約11質量%は、依然として留出物を介して排出される(MTBE損失)。留出物(I*)中のC4炭化水素およびC5炭化水素の含有量は、例2bと比べて約2.4質量%である。したがって、この流は、新たな後処理なしには、燃料添加剤として好適ではない。
例3a:(本発明による)
例3aは、図1に示された方法に相応する。塔K1は、例2aおよび例2bの塔K1*とは異なり、側方排出部(III)を備えた状態で運転する。供給流(I)の質量流量および組成は、例2aと変わらない。
塔K1は、52の理論段を有し、0.35MPa(abs)の圧力にて運転する。供給流(I)の送り込みは、上から数えて27段目の上方で行う。側方排出流(II)は、12段目から液状で取り出し、70kg/hに設定する。還流は、例2aと同様に選択した(670kg/h)。
Figure 0005826279
塔K1の留出物(II)は、例2aと同じく、MTBE15質量%の残留含有量を有する一方で、塔底生成物(IV)は、C5炭化水素を23ppmしか含んでいない(表8参照)。出発MTBE中に含まれているアセトン(150ppm)は、前記運転方式では、約60質量%が側方排出流(II)を介して排出され、塔底流(IV)には、もとの量のたった約40質量%しか含まれていない。表8から読み取れる通り、留出物質量流量(I)は、例2aと比べてほとんど変わっておらず、したがってこの流を介するMTBE損失もほとんど変わらない。側方排出流中では、MTBEの供給流中に含まれている量の約6質量%しか排出されない。しかし、例2bおよび例2cの留出物流とは異なり、側方排出流中のC4炭化水素およびC5炭化水素の含有量が少ないため(約2400ppm)、この流(II)は燃料添加剤として、場合により、MTBE合成からの流との混合後も市場に出すことができる。
例3b:(本発明による)
例3bでは、塔K1の還流を、例2cと同じく947kg/hまで高め、塔K1*の留出物質量流量は、留出物(II)がこの場合も同様にMTBE15質量%の残留含有量を含むように設定する。供給流(I)の組成、ならびに塔K1の圧力、段数および供給流の送り込み段、および側方排出流の取り出し段は、例3aと変わらない。
留出物(II)、側方排出流(III)および塔底生成物(IV)の質量流量および相応の組成を表9に示す。
Figure 0005826279
還流を増加することにより、例3bでは、供給流中の80質量%は、側方排出流および留出物を介して分離することができ、ここで側方排出流には、アセトン約79質量%が含まれている。しかし、例2bおよび例2cとは異なり、留出物(I)を介するMTBE損失は少なく、側方排出流を介しては、この場合も同様に、MTBEの供給流中に含まれている量の約6質量%しか排出されない。例3aと比べて、還流を増加することにより、側方流中のC4炭化水素およびC5炭化水素の含有量をさらに減らすことができるので(約1760ppm)、この流(II)はこの場合も同様に燃料添加剤として市場に出すことができる。
例2a、例2b、例2c、例3aおよび例3bによって、前記文献に記載された軽沸分塔K1*の通常の運転方式では、アセトンは出発MTBE(I)から除去されないことを示すことができた。留出物質量流量(II)*および還流を増加することにより、確かに同一の構成(側方排出部を備えていない塔K1*)によってアセトンは除去されるが、しかし、この運転方式は不所望に高いMTBE損失を伴う。軽沸分の塔(側方排出流を備えた塔K1)の本発明による構成は、アセトンを効率的に、かつMTBE損失をより少なくして分離することができる。
例4:(本発明による)
例4は、図5に示した高純度イソブテンの製造方法に相応し、イソブテン(IX)の精製のためには、図6による別形を仮定する。
MTBE合成S1への供給として、図5にしたがい、アセトン60ppmの割合を有する、表10に記載された組成のC4炭化水素流(XX)1800kg/hを仮定する(典型的なラフィネートI)。表10には、供給された新鮮なメタノール(XX)の組成および質量流量も同じく記載されている。方法工程e)から出る返送流(VIII)(塔K3の塔底生成物)の組成および質量流量は、表13に示されている。新鮮なメタノールの量は、メタノールの、イソブテンに対するモル比が、MTBE合成への供給物中で1.13であるように設定した。
Figure 0005826279
4炭化水素流(XX)、新鮮なメタノール(XXI)およびメタノールを含む返送流(VIII)を方法工程S1で混合し、MTBE合成に供給する。このMTBE合成は、例4では、一列に接続された3つの断熱固定床反応器RS1−1、RS1−2およびRS1−3と、蒸留塔KS1−1とからなる。第1の反応器RS1−1は、循環反応器として作られている。この反応器には、Amberlyst(登録商標)15(Rohm & Haas社)の充填を仮定する。この反応器RS1−1は、3.25m3の容積でモデリングされ、RS1−2は1.8m3で、およびRS1−3は1m3でモデリングされている。反応器RS1−1への入口温度は42℃で、仮定した循環流は5100kg/hである。反応器RS1−2への入口温度は40℃で、反応器RS1−3への入口温度は36℃である。前記条件下では、イソブテンの変換率は、3つの反応器すべてを通して約96%である。副反応として、使用された動的モデルにおいて、イソブテンおよび水からのTBAの形成、イソブテンからジイソブテンへの二量化、メタノールの、DMEおよび水への反応、ならびにn−ブテンからの2−メトキシブタンの形成が考慮される。
反応器RS1−3からの反応器流出物を、塔KS1−1に供給する。この塔は、70の理論段を有し、供給は、上から数えて50段目の上方で行う。前記塔は、0.9の還流比、および0.65MPa(abs)の圧力にて運転する。塔底生成物(I)(出発MTBE)は、工業用MTBEである(表10参照)。塔KS1−1では、アセトンは、完全に塔底物(Sumpf)に達する。留出物(XXII)は、主にC4炭化水素から、ならびにメタノール、MTBE合成中に形成されるDMEならびに水からなる。さらなる前記文献から公知の後処理工程、例えば抽出では、留出物(XXII)から含酸素化合物(Oxygenate)が除去され、さらに加工してさらなる有価生成物(Wertprodukt)にすることができる。
MTBE流(I)には、合計してさらに約1250ppmのC4炭化水素およびC5炭化水素、ならびに約120ppmのアセトンが含まれている。この流から、塔K1において、本発明によればC4炭化水素およびC5炭化水素ならびにアセトンを分離する。前記塔K1は、例3aおよび例3bと同じく52の理論段を有し、1341kg/hの還流および0.35MPa(abs)の圧力にて運転する。供給物(I)の送り込みは、上から数えて27段目の上方で行う。側方排出流(II)は、12段目から液状で取り出し、70kg/hに設定する。
表11は、塔K1の留出物(II)、側方排出流(III)および塔底生成物(IV)を示している。
Figure 0005826279
塔K1の留出物は、MTBE15質量%の残留含有量を有する。側方流が、流(I)に含まれているアセトンの圧倒的な割合を含んでいる(約79質量%)一方で、塔底生成物(IV)は、本発明によればアセトンをごくわずかしか含んでいない(25ppm、流(I)中に含まれている量の20質量%)。
軽沸分およびアセトンが除去されたMTBE流(IV)を、塔K2に供給し、この塔内で主にジイソブテンおよび2−メトキシブタンを、塔底物(V)を介して分離する。前記塔は、105の理論段を有し、3.2の還流比、および0.8MPa(abs)の圧力で運転する。流(IV)の付加は、上から数えて40段目の上方で行う。塔頂生成物(VI)として、MTBE98質量%超を有する気体状の留分が得られる。この留出物中の2−メトキシブタンの含有量は、2000質量ppmに調整した(表12参照)。アセトンは、前記塔内で完全に留出物に達する。
Figure 0005826279
MTBE留分(VI)を、反応温度までさらに加熱した後、図5にしたがい、方法工程d)の分解反応器に供給する。この分解反応器は、反応器容積0.9m3でモデリングされており、ここで形式上、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる触媒であって、その製造が特許DE102006040432.7に記載されている触媒での充填を仮定する。
前記反応器は、289℃および0.7MPa(abs)にて運転する。この反応条件では、MTBE変換率は約85%であり、2−メトキシブタンの変換率は約16%である。しかし、反応器供給物中の2−メトキシブタンの割合を2000質量ppmに制限したため、2−メトキシブタンの1−ブテンおよび2−ブテンへの分解にもかかわらず、イソブテン生成物中の線状ブテンに対する市場で一般の仕様は、損なわれない。アセトンに関しては、例1によれば、変換は仮定されない。表12は、反応器流出物(IV)の組成を示す。
反応器流出物(VII)を、部分的に凝縮し、2相で塔K3に供給する。前記塔は、45の理論段を有し、0.3の還流比および0.65MPa(abs)の圧力にて運転する。供給流(VI)の付加は、上から数えて28段目の上方で行う。塔底生成物は、主に未反応のMTBE(約33質量%)およびメタノール(約64質量%)ならびに供給流中に含まれているアセトンの大部分(56ppm)からなる(表13参照)。流(VIII)を、MTBE合成S1に返送する。
塔頂生成物(IX)は、イソブテン95質量%超の純度を有するイソブテンである。典型的なイソブテン仕様に求められる、線状ブテン(1000質量ppm未満)およびC5炭化水素(1000質量ppm未満)の範囲は、確実に守られる(表1も参照)。アセトンは、3ppmの濃度でしか含まれていないが、これは供給流(VII)中に含まれているアセトンの量のなおも約6質量%に相応する。
Figure 0005826279
抽出K4では、なおも含まれているメタノールを除去するために、流(IX)を水(XI)で洗う。塔K4は、5の理論段を有し、1.2MPa(abs)の圧力にて運転する。真水(XIII)の送り込みは、上から数えて1段目で行い、メタノールを負荷した水(XI)(水相)の排出は5段目で行い、および湿った、メタノールを含んでいないイソブテン流(X)(有機相)の排出は、1段目で行う。
Figure 0005826279
塔K4の真水、有機相(X)および水相(XI)の組成を表14に示す。
任意に、さらなる蒸留塔K5において、図6に示す通り、流(XI)を、この場合も同様に水とメタノールとに分離することができる。
湿ったイソブテン流(X)には、メタノールはほとんど含まれていないが、なおもDMEは含まれている。アセトンは、抽出においてほんの少しだけ減少した。
イソブテン流(X)を、塔K6に供給し、残留水とジメチルエーテルとに分離する。この塔は、70の理論段を有し、81の還流比および1.0MPa(abs)の圧力にて運転する。供給流(X)の付加は、上から数えて8段目の上方で行う。前記塔は、塔頂デカンタを有していて、そこで水(XV)を第2相として取り除く。
塔K6の留出物(XIV)、塔頂デカンタの水相(XV)および塔底生成物(XVI)の組成を表15に示す。
Figure 0005826279
塔K6の留出物(XIV)には、なおも約87質量%のイソブテンが含まれている。DMEは、任意に、さらなる塔においてより高く濃縮されてよく、前記イソブテンは、塔K6に返送することができる。
前記塔底生成物は、99.9質量%超の純度を有するイソブテンであり、表1による仕様を満たすものである。特に、含酸素化合物の合計は10ppm未満であり、アセトン濃度は2ppmである。
例5:(本発明によらない)
例5は、比較例として用いられ、本発明による方法を含んでいない。したがって、図5に類似の方法が考慮されるが、ただし、方法工程b)(つまり、塔K1の側方排出流中のアセトンの排出)は行われない。側方排出部を備えた塔K1の代わりに、例2aによる簡単な蒸留塔K1*が設けられる。他のあらゆる方法工程および塔の構成は、例4と変わらない。
MTBE合成S1への供給として、例4と同様に、同じ組成を有するC4炭化水素流(XX)1800kg/hを仮定する(表10参照)。表16には、供給された新鮮なメタノール(XX)の組成および質量流量が記載されている。表19は、方法工程e)から生じる返送流(VIII)(塔K3の塔底生成物)の組成および質量流量を示す。新鮮なメタノールの量は、この場合も同様に、メタノールのイソブテンに対するモル比が、MTBE合成への供給流中において1.13であるように設定する。
Figure 0005826279
4炭化水素流(XX)、新鮮なメタノール(XXI)およびメタノールを含む返送流(VIII)を、方法工程S1で混合し、MTBE合成に供給する。反応器の配置、反応器の規模ならびに入口温度は、例4と変わらない。これらの条件下でのイソブテンの総変換率は、約96%である。反応器RS1−3からの反応器流出物は、この場合も同様に塔KS1−1に供給する。段数、還流比および塔の圧力は、例4と変わらない。表16は、留出物(XXII)および塔底生成物(I)(出発MTBE)の組成および質量流量を示す。注目すべきは、塔K1内で分離がされないため、およびそれに伴って還流(VIII)中で高められたアセトン濃度のため、出発MTBE(I)中のアセトン濃度が、例4に比べて明らかに約1600ppmに上昇していることである。
MTBE流(I)から、塔K1*においてC4炭化水素およびC5炭化水素を分離する。塔K1*は、例2aと同様に、40の理論段を有し、0.35MPa(abs)の圧力にて運転する。供給物(I)の送り込みは、上から数えて15段目の上方で行う。例2aと同様に、塔底生成物(IV*)中のC4炭化水素およびC5炭化水素の濃度50ppmを達成するため、前記塔は、826kg/hの還流で運転する。表17は、塔K1*の留出物流(II*)および塔底流(IV*I)の組成を示す。
Figure 0005826279
アセトンは、前記運転方式では、すでに例2aに示した通り、分離されず、前記方法から排出されない。
MTBE流(IV*)を、塔K2に供給し、この塔内でジイソブテンおよび2−メトキシブタンを塔底物(V)を介して分離する。段数および塔の圧力は、例4と変わらない。還流比は、2.9である。表18は、塔K2の塔頂生成物および塔底生成物の組成ならびに質量流量を示す。アセトンは、前記塔内ではこの場合も同様に完全に留出物に達する。
Figure 0005826279
MTBE留分(VI)を、蒸発後および反応温度までさらに加熱した後、図5にしたがい、工程d)の分解反応器に供給する。反応器の容積、触媒の充填物および反応圧力は、例4と変わらない。反応温度は、この場合も同様に、約85%のMTBE変換率、および約16%の2−メトキシブタン変換率を達成するために、292℃まで高める。アセトンに関しては、この場合も同様に、変換は仮定されない。表18は、反応器流出物(IV)の組成を示す。
反応器流出物(VII)を、部分的に凝縮し、2相で塔K3に供給する。段数、還流比および塔の圧力は、例4と変わらない。例4にある通り、この場合も同様に、供給流(VII)中に含まれているアセトンの約6質量%しか塔頂生成物(IX)として蒸留されず、アセトンの約94質量%は塔底生成物(VIII)に達する(表19参照)。しかし、供給物中の濃度は、アセトンの排出がないために非常に高くなるので、アセトン約170ppmが、塔頂生成物に達する。
Figure 0005826279
流(VIII)を、MTBE合成S1に返送し、塔頂生成物(IX)を、例4と同様に塔K4および塔K6においてさらに後処理する。段数および塔の圧力は、両方の塔の場合、例4と変わらない。塔K6は、還流比73にて運転する。表20および表21は、前記流の相応の組成を示す。
Figure 0005826279
Figure 0005826279
表20および表21から分かる通り、確かにアセトンは、抽出塔K4においてまだわずかに減じているが、それにもかかわらず、イソブテン生成物(XVI)は、116ppmの値に達しており、表1で求められる仕様(含酸素化合物10ppm未満)を明らかに上回っている。
例4(本発明による)および例5(本発明によらない)の対比により、本発明による方法の利点を非常にはっきりと示すことができた。方法工程b)(アセトンの排出)がされないことにより、アセトンは、循環流中で濃縮し、不所望に高い濃度でイソブテン生成物に達する。
(I)、(Ia) MTBEを含む流もしくは工業用MTBE
(II) C4炭化水素およびC5炭化水素を含んでいる、K1の塔頂生成物
(III) アセトン、メタノールおよびMTBEを含んでいる、K1の側方流
(IV) MTBEを含んでいる、K1の塔底生成物
(V) MTBEよりも沸点が高い成分を含んでいる、K2の塔底生成物
(VI) MTBEを含む、K2の塔頂生成物
(VII) 少なくともMTBE、イソブテンおよびメタノールを含んでいる、K2の分解生成物
(VIII) MTBEおよびメタノールを含んでいる、K3の塔底生成物
(IX) イソブテンを含んでいる、K3の塔頂生成物
(X) イソブテンが濃縮された、K4の流
(XI) メタノールを含んでいる、K4の抽出流
(XII) メタノールを含んでいる、K5の塔頂生成物
(XIII) K5の塔底生成物および/またはK4のための抽出剤
(XIV) 水を含んでいる、K6の塔頂生成物
(XV) ジメチルエーテルを含んでいる、K6の側方流
(XVI) イソブテンを含んでいる、K6の塔底生成物
(XVII) MTBEを含んでいる、K7の塔頂生成物
(XVIII) メタノールを含んでいる、K7の塔底生成物
(XX) S1のためのイソブテンを含む流
(XXI) S1のためのメタノールを含む流
(XXII) S1のMTBEを含む生成物
(K1) 方法工程b)における蒸留塔
(K2) 方法工程c)における蒸留塔
(K3) 方法工程e)における蒸留塔
(K4) 方法工程f)における蒸留塔
(K5) 蒸留塔
(K6) 蒸留塔
(K7) 蒸留塔
(R) 方法工程d)におけるMTBE分解
(S1) MTBE合成

Claims (16)

  1. 以下の工程:
    a)少なくともMTBE(メチルtert−ブチルエーテル)、メタノール、C4炭化水素、C5炭化水素およびアセトンを含んでいる工業用MTBE(I)を準備する工程;ならびに
    b)工業用MTBE(I)を、C4炭化水素およびC5炭化水素を含んでいる塔頂生成物(II)、アセトン、メタノールおよびMTBEを含んでいる側方流(III)、ならびにMTBEを含んでいる塔底生成物(IV)に蒸留分離する工程
    を含む、工業用MTBEの精製方法。
  2. 方法工程b)における蒸留分離を、塔底生成物(IV)が、工業用MTBE(I)中に含まれているアセトンの50質量%未満を含んでいるように実施することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 方法工程b)における蒸留分離を、蒸留塔で実施し、かつ側方流(III)を液状で取り出すことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 方法工程b)からの、MTBEを含んでいる塔底生成物(IV)を、方法工程c)において、さらなる蒸留で、MTBEを含む塔頂生成物(VI)と、MTBEよりも沸点が高い成分を有する塔底生成物(V)とに分離することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 方法工程c)における蒸留分離を、MTBEを含む塔頂生成物(VI)が、2500質量ppm未満の2−メトキシブタン濃度を有するように実施することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. MTBEを含んでいる塔底生成物(IV)またはMTBEを含む塔頂生成物(VI)が、アセトンを50質量ppm未満含んでいることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の工業用MTBEの精製方法に引き続き、MTBEを含んでいる塔底生成物(IV)またはMTBEを含む塔頂生成物(VI)を、方法工程d)において接触分解し、少なくともMTBE、イソブテンおよびメタノールを含んでいる分解生成物(VII)を得ることを特徴とする、イソブテンの製造方法
  8. 前記分解を、固体触媒上で、気相中において、150〜500℃の温度範囲において実施することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 方法工程d)で得られた分解生成物(VII)を、方法工程e)において、さらなる蒸留で、イソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)とMTBEおよびメタノールを含んでいる塔底生成物(VIII)とに分離することを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
  10. 方法工程e)で得られ、かつイソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)が、アセトンを10質量ppm未満含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 方法工程e)で得られ、かつイソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)から、さらなる方法工程f)において、抽出によりメタノールを、および/または蒸留によりジメチルエーテルを除去することを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  12. 方法工程f)において、イソブテンを含んでいる塔頂生成物(IX)から、抽出剤(XIII)を用いる抽出により、およびメタノールを含んでいる抽出流(XI)の放出により、およびイソブテンが濃縮された流(X)の放出により、メタノールを除去することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. メタノールを含んでいる抽出流(XI)を、さらなる方法工程において、蒸留で、メタノールを含んでいる塔頂生成物(XII)と抽出剤(XIII)を含んでいる塔底生成物(XIII)とに分離することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 方法工程e)で得られ、かつMTBEおよびメタノールを含んでいる塔底生成物(VIII)を、すべてまたは部分的に方法工程b)に返送することを特徴とする、請求項9から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. MTBEおよびメタノールを含んでいる塔底流(VIII)を、さらなる方法工程において、蒸留で、メタノールを含んでいる塔底生成物(XVIII)とMTBEを含んでいる塔頂生成物(XVII)とに分離し、ここで塔頂生成物(XVII)をすべてまたは部分的に方法工程b)に返送することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. MTBEおよびメタノールを含んでいる塔底流(VIII)、ならびに少なくとも、さらなるメタノールを含む流(XXI)およびイソブテンを含む流(XX)を、MTBE合成(S1)に供給し、MTBEを含む生成物(XXII)をすべてまたは部分的に方法工程b)に返送することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
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