JP5823380B2 - 回転コネクタ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転コネクタ装置に関し、より詳しくは、EMC(Electro Magnetic Compatibility、電磁両立性)を高めることができて多重高速通信に使えるような回転コネクタに関する。
回転コネクタ装置は、固定側部材と、これに対して回転可能に取り付ける回転側部材を有し、これらの間に形成される環状をなす収容空間にフラットケーブルが収容されている。そして、フラットケーブルの一方の端は、固定側部材に固定されてコネクタが接続され、フラットケーブルの他方の端は、回転側部材に固定されてコネクタが接続され、フラットケーブルの長手方向の中間部分には、湾曲して折り返す折り返し部が形成されている。この構造により、回転側部材が左右いずれの方向に回転したときでも、フラットケーブルが弾発性をもって巻き締めと巻き戻しがなされ、信号の伝送が可能である。
このような回転コネクタを、例えばCAN(Controller Area Netwrok)などの多重高速通信に使用する場合、電磁ノイズによる電磁両立性の低下が問題となる。
このため、電磁両立性を高めるべく、下記特許文献1のフラットケーブルが提案されている。このフラットケーブルは、2本で一対の信号導体を備えたフラットケーブルを、その幅方向に沿って斜めで平行をなす多数の折曲線で折り曲げてツイストペア構造にしたものである。
しかし、ツイストペア構造にすると、フラットケーブルが有する弾発性が損なわれてしまい、回転側部材の円滑な回転が阻害される。
また、特許文献1の図6(b)に開示されているように、フラットケーブルの一面にメッキからなるシールド層を備えることも考えられる。しかし、回転側部材の回転に伴うフラットケーブルの摺動や湾曲により、座屈や摩滅が起こり、シールド層の剥離や割れなどが生じるおそれがある。
特開2009−104907号公報
そこで、この発明は、特に電磁両立性を高めて、多重高速通信への使用に十分に対応できるようにすることを主たる課題とする。
そのための手段は、固定側部材と、該固定側部材に対して回転可能に取り付けられる回転側部材を有し、これらで構成された環状をなす収容空間に、長手方向の一部が湾曲して折り返される折り返し部を有し、一端部を前記回転側部材に固定し、他端部を前記固定側部材に固定したフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置であって、前記フラットケーブルとして、信号導体を備えた信号フラットケーブルと、電磁シールド材を備えたシールドフラットケーブルを有し、これらが、前記収容空間を構成する両側の周壁に近い側に前記シールドフラットケーブルが位置するように重ね合わされるとともに、前記信号フラットケーブルでない第3のフラットケーブルを、前記信号フラットケーブルにおける前記シールドフラットケーブルと反対側の面に重ね合わされて収容され、前記収容空間に、上面にローラ及び受圧規制部を備えた環状の遊動部材を配置するとともに、前記フラットケーブルの前記折り返し部が、前記遊動部材上に保持され、前記回転側部材の一方向の回転に伴って、前記シールドフラットケーブルの折り返し部が前記受圧規制部に当接して前記遊動部材を前記一方向に回転させ、前記回転側部材の他方向の回転に伴って、前記第3のフラットケーブルの折り返し部が前記ローラに当接して前記遊動部材を前記他方向に回転させる回転コネクタ装置である。
なお、前記信号フラットケーブルは、信号導体のみを備えるもののほか、信号導体のほかに回路導体を備えるものであってもよい。
上記回転コネクタ装置は、自動車におけるステアリング部分に装着するSRCや、ロボットアーム等の回転部分を有する機構におけるコネクタ装置とすることができる。
この構成により、シールドフラットケーブルが信号フラットケーブルの外側に位置することになるので、電磁シールド効果を得られる。
具体的には、信号導体を備えた信号フラットケーブルと、これとは別に、電磁シールド材を備えたシールドフラットケーブルを備えて重ね合わせたので、フラットケーブルが有する弾発性を損なうことはなく、回転側部材の円滑な回転性が得られる。しかも、これらを重ね合わせて収容するに際しては、シールドフラットケーブルが信号フラットケーブルの外側に位置するように行ったので、信号フラットケーブルに対する電磁シールド効果が得られる。
また、メッキからなるシールド層を備えた場合と異なり、回転側部材の回転に伴うフラットケーブルの摺動や湾曲によっても、座屈や摩滅が起こることはなく、電磁シールド効果を長期間にわたって維持できる。
さらに、信号導体を備えた信号フラットケーブルのほかに、シールドフラットケーブルを備えるので、信号フラットケーブルに物理的な負荷をかけないようにすることも可能である。
このように、多重高速通信への使用に十分に対応できるような回転コネクタ装置が得られる。
前記信号フラットケーブルでない第3のフラットケーブルを、前記信号フラットケーブルにおける前記シールドフラットケーブルと反対側の面に重ね合わされて収容されるため信号フラットケーブルでない第3のフラットケーブルが導体間距離を確保し、インピーダンスの安定を図る。
また、前記収容空間に、上面にローラ及び受圧規制部を備えた環状の遊動部材を配置するとともに、前記フラットケーブルの前記折り返し部が、前記遊動部材上に保持され、前記回転側部材の一方向の回転に伴って、前記シールドフラットケーブルの折り返し部が前記受圧規制部に当接して前記遊動部材を前記一方向に回転させ、前記回転側部材の他方向の回転に伴って、前記第3のフラットケーブルの折り返し部が前記ローラに当接して前記遊動部材を前記他方向に回転させるため、信号フラットケーブルの折り返し部は、ローラや受圧規制部に当接しないで移動し、安定したインピーダンスを実現することができる。
詳しくは、回転コネクタ装置では、導体の電気抵抗を下げたり軽量化を図ったりするため、フラットケーブルの長さは短いほうが好ましい。このため、フラットケーブルの一部に平面視U字状に湾曲した折り返し部を有し、この折り返し部をローラに引っ掛ける、いわゆるローラUターン式の回転コネクタ装置が一般に用いられている。
しかし、信号導体を有するフラットケーブルでローラを引っ張ったりすると、信頼性が低下するおそれがある。
さらにまた、前記のようにしてフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置では、回転側部材が回転すると、その回転に従ってフラットケーブルに巻き締めと巻き戻しがなされる。このとき、回転側部材の回転角度や回転数に応じてフラットケーブルの重なり方に変化が生じ、インピーダンス整合を行うべき信号源側と負荷側でインピーダンスにバラツキが生じるおそれがあるが、上述の構成により、信号フラットケーブルの折り返し部がローラ等に接触せず、シールドフラットケーブルと第3のフラットケーブルで回転力を伝達するため、信号導体を備えた信号フラットケーブルに物理的な負荷を一切かけず、安定したインピーダンスを実現することができる。
また、前記シールドフラットケーブルの電磁シールド材の幅は、前記信号フラットケーブルの信号導体を有する部分の幅よりも幅広に設定されるとともに、
前記電磁シールド材の形成位置が、シールドフラットケーブルに信号フラットケーブルを重ね合わせたときに電磁シールド材が信号導体を有する部分に重なるように設定されるのが好ましい。
前記第3のフラットケーブルを、導体のない部分を有するスペーサフラットケーブルで構成することによって、スペーサフラットケーブルが導体間距離を確保し、インピーダンスの安定を図る。
この発明は、固定側部材と、該固定側部材に対して回転可能に取り付けられる回転側部材を有し、これらで構成された環状をなす収容空間に、長手方向の一部が湾曲して折り返される折り返し部を有し、一端部を前記回転側部材に固定し、他端部を前記固定側部材に固定したフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置であって、前記フラットケーブルとして、信号導体を備えた信号フラットケーブルと、電磁シールド材を備えたシールドフラットケーブルを有し、これらが、前記収容空間を構成する両側の周壁に近い側に前記シールドフラットケーブルが位置するように重ね合わされて収容され、前記シールドフラットケーブルの電磁シールド材の幅が、前記信号フラットケーブルの信号導体を有する部分の幅よりも幅広に設定されるとともに、前記電磁シールド材の形成位置が、シールドフラットケーブルに信号フラットケーブルを重ね合わせたときに電磁シールド材が信号導体を有する部分に重なるように設定され、前記シールドフラットケーブルにおける前記電磁シールド材より幅方向外側に、回路導体を配置した回転コネクタ装置である。
また、前記収容空間に、上面にローラを備えた環状の遊動部材を配置するとともに、前記フラットケーブルの前記一部に、前記ローラによって湾曲して折り返される折り返し部を有し、前記遊動部材上に保持した場合であっても、安定したインピーダンスを実現することができる。
詳しくは、回転コネクタ装置では、導体の電気抵抗を下げたり軽量化を図ったりするため、フラットケーブルの長さは短いほうが好ましい。このため、フラットケーブルの一部に平面視U字状に湾曲した折り返し部を有し、この折り返し部をローラに引っ掛ける、いわゆるローラUターン式の回転コネクタ装置が一般に用いられている。
しかし、信号導体を有するフラットケーブルでローラを引っ張ったりすると、信頼性が低下するおそれがある。
さらにまた、前記のようにしてフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置では、回転側部材が回転すると、その回転に従ってフラットケーブルに巻き締めと巻き戻しがなされる。このとき、回転側部材の回転角度や回転数に応じてフラットケーブルの重なり方に変化が生じ、インピーダンス整合を行うべき信号源側と負荷側でインピーダンスにバラツキが生じるおそれがあるが、上述の構成により、安定したインピーダンスを実現することができる。
前記シールドフラットケーブルに加えて、導体のない部分を有するスペーサフラットケーブルを、前記信号フラットケーブルにおける前記シールドフラットケーブルと反対側の面、または前記シールドフラットケーブルにおける信号フラットケーブルと反対側の面に重ね合わせてもよい。スペーサフラットケーブルが導体間距離を確保し、インピーダンスの安定を図る。
前記フラットケーブルを前記収容空間に収容するときには、前記信号フラットケーブル以外のフラットケーブルを前記ローラに引っ掛けて折り返すとよい。
前記固定側部材、回転側部材、遊動部材のうちの少なくとも一部に、電磁シールド機能部が形成されることも好ましい。
この発明の態として、前記第3のフラットケーブルを、シールドフラットケーブルで構成することができる。
前記シールドフラットケーブルの電磁シールド材が、内外の電磁ノイズを遮蔽したり吸収したりして、信号フラットケーブルへの与干渉を低減する。
前記のように信号フラットケーブルの両面側にシールドフラットケーブルを重ね合わせたため、電磁シールド材が信号フラットケーブルに接近することになる。このことによるインピーダンスの低下を極力抑えることが好ましいので、前記信号フラットケーブルが一対の信号導体組を有する場合には、該信号導体組を構成する2本の信号導体の間隔を広くするのが望ましい。具体的には、信号導体の幅以上の間隔であるとよい。
また、電磁シールド機能をより確実に得るため、前記シールドフラットケーブルにおける前記電磁シールド材の幅と形成位置は、前記信号フラットケーブルを重ね合わせたときに前記信号導体を有する部分に重なり合うように設定されるのが好ましい。
前記信号フラットケーブルには、回路導体を備えることもでき、この場合には、前記2本のシールドフラットケーブルのうちの少なくとも一方のシールドフラットケーブルの電磁シールド材が、前記信号フラットケーブルを重ね合わせたときに前記回路導体と信号導体を有する部分に重なり合うように備えられるとよい。小さいスペースにより多くの回路を実装できるうえに、電磁障害も防げる。
小スペースに多くの回路を実装することは、前記2本のシールドフラットケーブルのうちの少なくとも一方のシールドフラットケーブルにおける信号フラットケーブルと反対側の面に、回路導体を備えた回路フラットケーブルを有する回転コネクタ装置でも実現できる。
さらに、前記フラットケーブルに、このフラットケーブルを構成するケーブル相互間の密着性を向上する密着性向上手段が備えられた回転コネクタ装置であるとよい。密着性向上手段は、たとえばグリスなどで構成できる。密着性向上手段がケーブル相互間の距離、特に信号導体と電磁シールド材との距離を一定に保持し、インピーダンスの変動を抑える。
またこの発明の態様として、前記固定側部材を固定側ケースで構成するとともに、前記回転側部材を回転側ケースで構成するとともに、前記フラットケーブルを、前記信号導体を構成する伝送路導体を有し、前記信号フラットケーブルを構成する第1フラットケーブルと、前記電磁シールドを構成するシールド導体を有し、前記シールドフラットケーブルを構成する第2フラットケーブルとを重ね合わせて構成したことを特徴とする。
上記第2フラットケーブルにおいてシールド導体を配置する相対位置は、第1フラットケーブルと第2フラットケーブルとを重ね合わせた際に、第1フラットケーブルにおける伝送路導体に対して、対向するとともに略平行となる第2フラットケーブルにおける幅方向の位置とすることができる。
なお、第1フラットケーブルにおいて信号伝送路を構成する伝送路導体と、第2フラットケーブルにおいてシールド体を構成するシールド導体とは、同じ導体で構成してもよいし、一方の導体を他方に比べて導電性能の高い導体で構成してもよい。
この発明により、回転部分であっても、第1フラットケーブルの伝送路導体によって電気信号を確実に伝送することができる。
詳しくは、昨今の電装品の多様化に伴い、高度な制御が必要な電装品に対しては、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)を用いるが、電装品数の増加に伴い、制御が相互に関係する電装品全体を制御するためには、各電装品を単独制御するECU同士を接続する必要がある。しかし、上述の回転コネクタ装置で用いるフラットケーブルでは、電磁ノイズが発生したり、インピーダンスを安定させることはできないため、電気信号を確実に伝送することはできず、回転コネクタ装置を装着する必要のある回転部分を介して、ECU同士を接続することはできなった。
これに対し、この発明では、回転側ケースと固定側ケースとで形成する収容空間に、信号伝送路を構成する伝送路導体を有する第1フラットケーブルと、該伝送路導体に相対する幅方向位置にシールド体を構成するシールド導体を有する第2フラットケーブルとを重ね合わせるとともに、巻き回して収容しているため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の間にシールド導体が介在することとなる。
したがって、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体同士をシールド導体が電気的に遮断することができる。よって、伝送路導体を導通する電気信号によって発生する電磁ノイズが相互に干渉することを防止することができる。また、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の間にシールド導体が介在するため、伝送路導体同士の径方向の間隔を確保することができ、インピーダンスを安定させ、確実な信号伝送を確立することができる。
例えば、巻回状態において、伝送路導体を導通する電気信号同士の干渉を防止し、インピーダンスを安定させるために、フラットケーブルを、伝送路導体とシールド導体とを絶縁しながら階層状に構成したり、伝送路導体を有するフラットケーブルの表面に無電解メッキによってシールド体を設けることも想定できる。
しかし、フラットケーブルを、伝送路導体とシールド導体とを絶縁しながら階層状に構成することは、構成が非常に複雑化するため、製造コストや製造手間が増大する。また、通常のフラットケーブルと異なる構成であるため、専用の製造設備を構築する必要がある。これに対し、本発明の回転コネクタ装置では、信号伝送路を構成する伝送路導体を有する第1フラットケーブルと、シールド体を構成するシールド導体を有する第2フラットケーブルとを重ね合わせて構成しているため、回路導体を構成する通常のフラットケーブルと同様の構成で、第1フラットケーブルと第2フラットケーブルとを構成すればよく、これまでの製造設備を用いて製造することができる。したがって、製造コストの増大を抑制しながら製造することができる。
また、伝送路導体を有するフラットケーブルの表面に無電解メッキによってシールド体を設ける場合、無電解メッキを設けるための別の工程が必要となるとともに、例えば、巻き回し方向をUの字状に反転させる巻き方向反転部において、無電解メッキが剥離するおそれがある。これに対し、本発明の回転コネクタ装置では、信号伝送路を構成する伝送路導体を有する第1フラットケーブルと、シールド体を構成するシールド導体を有する第2フラットケーブルとを重ね合わせて構成しているため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の間にシールド導体が必ず介在し、伝送路導体を導通する電気信号によって発生する電磁ノイズが相互に干渉することを防止するとともに、伝送路導体同士の径方向の間隔を確保することができ、インピーダンスを安定させることができる。
このように、本発明の回転コネクタ装置は、製造コストの増加を抑制しながら、確実な信号伝送を確立することができる。したがって、例えば、回転部分を介したECU同士を接続した高精度な制御を実現することができる。
この発明の態様として、前記伝送路導体を、一対以上の伝送路導体で構成する伝送路導体組とし、前記シールド導体を、前記伝送路導体組の幅以上の導体幅で形成することができる。
上記一対以上の伝送路導体で構成する伝送路導体組は、2本の伝送路導体で構成する一対の伝送路導体組、一対の伝送路導体を複数備えた伝送路導体組、或いは、対構成された伝送路導体に、さらに対でない伝送路導体を加えた伝送路導体組とすることができる。
上記伝送路導体組の幅以上の導体幅ということは、例えば、2本の伝送路導体で構成した伝送路導体組の場合、2本の伝送路導体のそれぞれの外側の幅方向端部同士の幅間隔以上の幅方向長さの導体幅であり、つまり、伝送路導体組を構成する伝送路導体の配置範囲以上の導体幅である。
この発明により、巻回状態における径方向に重ね合わさる第1フラットケーブルの伝送路導体組同士の間に、伝送路導体組の幅以上の導体幅で構成したシールド導体が介在するため、確実に、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組同士を電気的に遮断し、伝送路導体を導通する電気信号によって発生する電磁ノイズが相互に干渉することを防止するとともに、伝送路導体同士の径方向の間隔を確保することによって、インピーダンスを安定させ、確実な信号伝送を確立することができる。
また、この発明の態様として、前記第1フラットケーブルにおける前記伝送路導体組より幅方向外側に、導電回路を構成する回路導体を配置することができる。
この発明により、第1フラットケーブルによって信号伝送路と、導体回路とを構成できる。したがって、信号伝送路と、導体回路とを異なるフラットケーブルで構成する場合と比較して、ケーブル数を低減しながら、信号伝送路と導体回路とをともに構成することができる。
また、この発明の態様として前記シールド導体を、前記第1フラットケーブルにおける導体配置範囲以上の導体幅で形成することができる。
上記前記第1フラットケーブルにおける導体配置範囲以上の導体幅ということは、伝送路導体組と、回路導体のすべての導体が配置された幅方向の配置範囲の長さ以上の長さである。
これにより、回路導体に電流を導通しても、導通する電流による電気信号の干渉を防止し、伝送路導体におけるインピーダンスを安定させることができる。
また、この発明の態様として、前記第2フラットケーブルを2枚重ねとすることができる。
この発明により、巻回状態における径方向に重ね合わさる第1フラットケーブルの伝送路導体同士の間に、2枚のシールド導体が介在するため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組同士の電気的遮断性を向上することができ、導通する電気信号の干渉を防止し、伝送路導体におけるインピーダンスをより安定させることができる。
また、この発明の態様として、前記第1フラットケーブルの前記第2フラットケーブルが配置された側と反対側に、所定の厚みを有する第3フラットケーブルを配置して重ね合わせたり、前記第2フラットケーブルの前記第1フラットケーブルが配置された側と反対側に、所定の厚みを有する第3フラットケーブルを配置して重ね合わせることができる。
上記第3フラットケーブルは、いわゆるダミーケーブルといわれ、導体を有さないケーブル、或いは、前記第1フラットケーブルと重ね合わせた状態において、少なくとも伝送路導体に相対する相対範囲に導体を有さないケーブルとすることができる。
この発明により、例えば、巻回状態における最外周や最内周、或いは、U字状に反転させた巻き方向反転部の前後であっても、シールド導体と伝送路導体とを近接させながら、巻き回し部分において、径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の間に所定の厚みを有する第3フラットケーブルが介在するため、径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の径方向の間隔を第3フラットケーブルの厚み分広げて確保することができる。したがって、伝送路導体を導通する電気信号同士の電磁ノイズによる相互干渉を防止するとともに、伝送路導体におけるインピーダンスをより安定させることができる。
また、例えば、シールド導体を有する第2フラットケーブルを複数枚重ね合せて確保する伝送路導体同士の径方向の間隔と同程度の径方向の間隔を第3フラットケーブルで確保する場合、第2フラットケーブルのみの場合と比較して、電磁ノイズによる相互の干渉を防止する効果は低減するものの、シールド導体を有さない第3フラットケーブルを用いることで軽量化するとともに、シールド導体分のコストを低減することができる。
なお、前記第1フラットケーブルの前記第2フラットケーブルが配置された側と反対側と、前記第2フラットケーブルの前記第1フラットケーブルが配置された側と反対側の両方に、所定の厚みを有する第3フラットケーブルを配置して重ね合わせた場合、巻き回し部分において、径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の間に、所定の厚みを有する2枚の第3フラットケーブルが介在するため、径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の径方向の間隔をさらに広げて確保することができる。
したがって、シールド導体と伝送路導体とが近接した状態を保ちながら、伝送路導体を導通する電気信号同士の電磁ノイズによる相互干渉を確実に防止するとともに、径方向に重ね合わさる伝送路導体同士の径方向の間隔をさらに広げることができ、伝送路導体におけるインピーダンスを安定させることができる。
また、この発明の態様として、前記第3フラットケーブルにおいて、一対以上の前記伝送路導体で構成する伝送路導体組に相対する相対範囲の幅方向外側に、導電回路を構成する回路導体を配置することができる。
これにより、回路導体に電流を導通しても、導通する電流によって発生した電磁ノイズによる電気信号の干渉を確実に防止し、高精度の信号通信を実現することができるとともに、伝送路導体におけるインピーダンスを安定させることができる。
また、この発明の態様として、重ね合わせたフラットケーブルの密着性を向上させる密着性向上手段を、少なくともフラットケーブルの間に設けることができる。
上記重ね合わせたフラットケーブルは、第1フラットケーブルと第2フラットケーブルとの重ね合わせ、或いは、第1〜3フラットケーブルの重ね合わせとすることができる。
上記密着性向上手段は、フラットケーブルの表面に塗布し、ケーブル表面同士の密着性を向上させるグリスや、ワセリンのような粘性や潤滑性を有するゼリー状物質とすることができる。
これにより、巻回状態におけるフラットケーブルがばらけることを防止できる。したがって、シールド導体と伝送路導体とが巻き回し部分において離れず、伝送路導体におけるインピーダンスを安定させながら、伝送路導体を導通する電気信号同士の電磁ノイズによる相互干渉をより確実に防止することができる。
また、この発明の態様として、前記信号伝送路は、多重高速伝送通信線路であることを特徴とすることができる。
上記多重高速伝送通信線路は、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、或いはFlexRay等の多重高速伝送方式による通信線路とすることができる。
これにより、電磁両立性の高い多重高速伝送通信を実現することができる。詳しくは、シールド導体を有する第2フラットケーブルと、多重高速伝送通信線路を有する第1フラットケーブルを重ね合せることによって、多重高速伝送通信線路における電磁ノイズの抑制及びインピーダンスの安定を図ることができる。したがって、例えば、高度な制御が必要な電装品に対するECU同士を接続し、電気信号を伝送する場合であっても、電磁両立性(EMC:Electro Magnetic Compatibility)の高い多重高速伝送通信を実現することができる。
この発明によれば、電磁両立性の向上を図り、多重高速通信への使用に十分に対応できる回転コネクタ装置が得られる。
回転コネクタ装置の概略横断面図と、B−B切断部におけるフラットケーブルの断面図。 回転コネクタ装置の一部の縦断面図。 フラットケーブルの分離状態の断面図。 他の例に係るフラットケーブルの分離状態の断面図。 他の例に係る回転コネクタ装置の概略横断面図。 他の例に係る回転コネクタ装置の概略横断面図。 他の例に係る回転コネクタ装置の概略横断面図。 第2実施形態の回転コネクタ装置の概略横断面図と、B−B切断部におけるフラットケーブルの断面図。 第2実施形態のフラットケーブルの分離状態の断面図。 第2実施形態の他の例に係るフラットケーブルの分離状態の断面図。 第2実施形態の他の例に係る回転コネクタ装置の概略横断面図と、C−C切断部におけるフラットケーブルの断面図。 第2実施形態の解析結果を示す表とグラフ。 第2実施形態の解析結果を示す表とグラフ。 第3実施形態のステアリングロールコネクタの外観図。 第3実施形態のステアリングロールコネクタの分解斜視図。 第3実施形態のロテータを分離したステアリングロールコネクタの平面図。 第3実施形態のフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態のステアリングロールコネクタを用いて構成した通信回路の概念図。 第3実施形態の図16のA−A断面におけるフラットケーブルについての概念図。 第3実施形態の第2パターンのフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態の第2パターンにおける別のフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態の第2パターンにおける別のフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態の第2パターンにおける別のフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態の第3パターンのフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態の第3パターンのフラットケーブルを収容したステアリングロールコネクタにおいてロテータを分離した平面図。 第3実施形態の第4パターンのフラットケーブルの構成についての概念図。 第3実施形態の第4パターンのフラットケーブルを収容したステアリングロールコネクタにおいてロテータを分離した平面図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
第1実施形態
図1(a)は、ローラUターン式の回転コネクタ装置11の内部構造を示すための概略横断面図であり、図1(b)は、図1(a)のB−B切断部におけるフラットケーブル21のみの断面図、図2は回転コネクタ装置11の構造を示すための一部の縦断面図、図3はフラットケーブル21の断面図である。図1(b)、図3では、構造を明瞭に示すためフラットケーブル21の厚さを強調して図示している。また、図2中、A−Aで示す切断箇所は、図1(a)の横断面図の切断箇所である。
なお、この一形態では、回転コネクタ装置11として、自動車のステアリング装置に組み込まれ、図示しない車両側のECU(Electronic Control Unit)と、図示しないステアリング側のECUを接続するステアリングロールコネクタの例を説明するが、その他の回転コネクタ装置であってもよい。
図1、図2に示すように、回転コネクタ装置11は、固定側部材としてのステータ31と、このステータ31に対して回転可能に取り付ける回転側部材としてのロテータ41を有し、これらステータ31とロテータ41で構成された環状をなす収容空間12に、環状の遊動部材51と、前記フラットケーブル21を収容した構造である。
前記ステータ31は、中央に円形の穴を有する略環状をなす固定側リング板部材32と、この固定側リング板部材32における外周側部位の上面に係合して一体化される平面視円形をなす外周筒部材33で構成されている。
固定側リング板部材32および外周筒部材33には、外方に張り出すコネクタハウジング(図示せず)が形成され、このコネクタハウジングにコネクタが内蔵される。このコネクタには、前記フラットケーブル21の一方の端部が接続される。
前記ロテータ41は、前記ステータ31の固定側リング板部材32の上面側と外周筒部材33の内周側との間に、前記収容空間12を形成できるように、平面視リング状をなす天板部42と、この天板部42の内周縁から垂設された内周筒部43とを一体に有する。
天板部42には、コネクタハウジング(図示せず)が一体形成され、コネクタが内蔵される。このコネクタには、前記フラットケーブル21の他方の端部が接続される。
内周筒部43は、ステアリングホイール(図示せず)の回転が伝達される部分である。このため、ロテータ41は、ステアリングホイールの回転に伴って左右に回転する。
前記遊動部材51は、全体として環状をなす板状で、上面に、適宜間隔で並ぶ複数の円筒状突起52が形成されている。これら円筒状突起52には、軸心を上下方向とするローラ53が回転可能に保持されている。ローラ53の軸心には軸54を有し、この軸54の下端が、ステータ31の内底面に当接する構成である。この構成により、遊動部材51は、フラットケーブル21に引っ張られたり押されたりして、収容空間12内を左右に回転可能となる。また、ローラ53の大きさは、前記収容空間12の幅よりも小さく形成され、前記フラットケーブル21を巻き締め巻き戻し自在に収容できるように構成されている。
ローラ53間には、ローラ53の曲面と同様に湾曲する曲面55を有した規制部56,57が設けられている。これら規制部56,57は壁のように立ち上がる形状で、これらのうちの一つの規制部57は、遊動部材51を回転させるために圧力を受ける受圧規制部57で、フラットケーブル21(23)の湾曲した折り返し部23eを受けるべく折り返し部23eの湾曲に応じた曲率の曲面55を有している。
前記フラットケーブル21は、3本のフラットケーブル22,23,24で構成されている。すなわち、信号導体22aを備えた信号フラットケーブル22と、電磁シールド材23aを備えたシールドフラットケーブル23と、導体のない部分24aを有するスペーサフラットケーブル24である。
前記信号フラットケーブル22は、例えばCAN(Controller Area Netwrok)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRayなどの多重高速通信のために、2本で一対の信号導体22aを備えている。
これら2本の信号導体22aは、図3にも示したように、適宜幅の帯状をなす絶縁被覆22bの中に保持される。絶縁被覆22bは、合成樹脂からなり絶縁性を有する2枚のラミネートシートを貼り合わせて構成されるものである。つまり、前記2本の信号導体22aが、ラミネートシートで挟み込まれることで前記信号フラットケーブル22が構成される。
このとき、信号導体22a同士の間の間隔w1は、信号導体の幅w2と同等か、それよりも広いのが望ましい。このようにすることで、振動等で、信号フラットケーブル22が動いてしまった場合でも、確実にシールド効果を発揮させることができる。
また、この例の信号フラットケーブル22では、前記信号導体22aのほかに、回路導体としての平角導体22cも保持している。具体的には、2本で一対の信号導体22aが幅方向の中央部に、2本の前記平角導体22cがその両側に、配設されている。なお、図3では、信号導体22aを信号フラットケーブル22の幅方向中央部に配置しているが、幅方向端部に配置することも可能である。
前記シールドフラットケーブル23は、電磁ノイズによる悪影響の発生を防止すべく、電磁波を遮断したり吸収したりする性質を有する前記電磁シールド材23aを備えたもので、電磁シールド材23aとしては、たとえば銅などからなる平角導体を用いることができる。この電磁シールド材23aも、前記信号フラットケーブル22の場合と同様に、適宜幅の帯状をなす絶縁被覆23bの中に保持される。
シールドフラットケーブル23の幅は、信号フラットケーブル22の幅とほぼ同じである。そして、シールドフラットケーブル23における電磁シールド材23aの幅w3は、信号フラットケーブル22の信号導体22aを有する部分の幅w4よりも幅広に設定されている。また、電磁シールド材23aの形成位置は、シールドフラットケーブル23に信号フラットケーブル22を重ね合わせたときに電磁シールド材23aが信号導体22aを有する部分に対応するように設定される。
前記スペーサフラットケーブル24は、前記信号フラットケーブル22が径方向で並んだときに信号導体22a同士の間隔を保持し、インピーダンスの変動を抑えるためのもので、前記導体のない部分24aを有する。この例では、幅方向の全体にわたって導体のない部分24aを有する例を示している。
また前記スペーサフラットケーブル24は、合成樹脂からなり絶縁性を有する2枚のラミネートシートを貼り合わせただけで、所定幅の帯状をなすように形成されている。
スペーサフラットケーブル24の幅は、前記信号フラットケーブル22及びシールドフラットケーブル23とほぼ同じに設定されている。
スペーサフラットケーブル24の導体のない部分24aは、前記信号フラットケーブル22の信号導体22aのある部分に対応する部分にあればよい。このため、スペーサフラットケーブル24は、たとえば図4に示したように、信号導体22aが保持された幅方向の中央部に導体のない部分24aがあれば足り、導体のない部分24aの両側に回路導体としての平角導体24bを備えたものであってもよい。
また、電磁シールド材23aも、信号導体22aが保持された幅方向の中央部に重なる範囲にあれば足りるので、図4に示したように、幅方向の中央部のみに電磁シールド材23aを挟み込んだ構成でもよい。この場合も、シールドフラットケーブル23における電磁シールド材23aの幅w3は、信号フラットケーブル22の信号導体22aを有する部分の幅w4よりも幅広に設定されている。このようにすることで、振動等で、信号フラットケーブル22が動いてしまった場合でも、確実にシールド効果を発揮させることができる。
電磁シールド材23aを幅方向の中央部のみに備えるので、この電磁シールド材23aの両側には、図4に示したように、回路導体としての平角導体23cを、隙間をあけて備えることができる。
このように構成されたスペーサフラットケーブル24は、図3で示したように、相互に重ね合わされた信号フラットケーブル22とシールドフラットケーブル23のうちの信号フラットケーブル22における前記シールドフラットケーブル23と反対側の面、または図3に仮想線で示したように、前記シールドフラットケーブル23における信号フラットケーブル22と反対側の面に重ねられる。
そして、これら信号フラットケーブル22、シールドフラットケーブル23、スペーサフラットケーブル24は、U字状に湾曲して折り返される折り返し部22e,23e,24eを形成して、相互間で相対摺動可能な状態で前記収容空間12に収容される。
このとき、信号フラットケーブル22の上に重ねられたシールドフラットケーブル23が、前記収容空間12を構成する両側の周壁34,44に近い側に位置するようにして収容する。すると、図1(b)に示したように、左右両側においてシールドフラットケーブル23が信号フラットケーブル22よりも外側に位置して、信号導体22aを覆う状態になり、信号導体22aを電磁ノイズから守る。
また、フラットケーブル21の収容に際しては、信号フラットケーブル22以外のフラットケーブル23,24がローラ53に引っ掛けて折り返されるようにする。すなわち、図1(a)に示したように、スペーサフラットケーブル24の折り返し部24eを、前記遊動部材51の受圧規制部57から折り返し方向に数えて2個目のローラ53(受動ローラ53a)に引っ掛ける。また、シールドフラットケーブル23の折り返し部23eを、前記受圧規制部57に当接させる。そして、信号フラットケーブル22の折り返し部22eを、前記受圧規制部57から折り返し方向に数えて1個目のローラ53(補助ローラ53b)の周りに、補助ローラ53bとの間に隙間をあけた状態で位置させる。
なお、フラットケーブル21を収容する時には、相互間の密着性を高めるため、粘着性と潤滑性を有するグリスなどの物質を塗布しておく。これにより、信号フラットケーブル22、シールドフラットケーブル23、スペーサフラットケーブル24の一体性が高く、バラけにくい状態で円滑な巻き締めと巻き戻しが可能となる。
このようにフラットケーブル21を収容した回転コネクタ装置11では、ロテータ41等が次のように動作する。
すなわち、ロテータ41が図1における時計回り方向に回転すると、一端がロテータ41に固定された信号フラットケーブル22、シールドフラットケーブル23、スペーサフラットケーブル24の折り返し部22e,23e,24eが、フラットケーブル21の巻き締めと巻き戻しの過程で、遊動部材51の周方向で時計回り方向に移動する。
この移動により、シールドフラットケーブル23の折り返し部23eが当接している受圧規制部57は周方向に押され、遊動部材51が時計回り方向に回転する。
このとき、スペーサフラットケーブル24の折り返し部24eは、受動ローラ53aとともに、同様に移動する。信号フラットケーブル22の折り返し部22eは、補助ローラ53bに接触しないで前記と同様に移動する。
ロテータ41が図1における反時計回り方向に回転した場合には、一端がロテータ41に固定された信号フラットケーブル22、シールドフラットケーブル23、スペーサフラットケーブル24の折り返し部22e,23e,24eが、フラットケーブル21の巻き締めと巻き戻しの過程で、遊動部材51の周方向で反時計回り方向に移動する。
この移動により、スペーサフラットケーブル24の折り返し部24eが、受動ローラ53aを反時計回り方向に引っ張り、遊動部材51が反時計回り方向に回転する。
このとき、シールドフラットケーブル23の折り返し部23eは、受圧規制部57とともに、同様に移動する。信号フラットケーブル22の折り返し部22eは、補助ローラに接触しないで前記と同様に移動する。
前記信号導体22aを電磁ノイズからより良く守るためには、前記信号フラットケーブル22のうちシールドフラットケーブル23が重ならない部分を少なくするとよい。そのためには、前記補助ローラ53bの径を、信号フラットケーブル22の湾曲限界を考慮しつつ、極力小さくすればよい。具体的には、シールドフラットケーブル23が重ならない部分を信号フラットケーブル22の全体の長さの10%程度よりも低くするとよい。
このためには、信号フラットケーブル22の長さが600mmの場合、シールドフラットケーブル23と重ならない非シールド部分の長さは60mm以下とする必要がある。信号フラットケーブル22のステータ31側とロテータ側の両端末部分での非シールド部分が15mmであると仮定すると、補助ローラ53b部分での非シールド部分の長さは30mm程度に収める必要がある。この結果、補助ローラ53bの直径はおよそ10mm以下とするのが望ましいことになる。一方、フラットケーブル一般の湾曲限界からは、ロールの直径は小さくしても8mm程度までであるので、前記補助ローラ53bの直径は8mm〜10mm程度とするのが好ましい。
以上のように構成された回転コネクタ装置11では、フラットケーブル21を信号フラットケーブル22とシールドフラットケーブル23とスペーサフラットケーブル24を重ね合わせて構成したので、フラットケーブル21が有する弾発性を損なうことはなく、折り返し部22e,23e,24eを含む全体の弾発力によって巻き締めや巻き戻しがなされる。このため、ロテータ41の円滑な回転性を確保できる。
しかも、シールドフラットケーブル23が信号フラットケーブル22の外側に位置するように収容しているので、信号フラットケーブル22に対する電磁シールド効果が得られ、多重高速通信での誤作動をなくすことができる。しかも、電磁シールド材23aの幅w3は、信号導体22aを有する部分の幅w4よりも広く、電磁シールド材23aは信号導体22aを有する部分に重なるので、振動等で信号フラットケーブル22が動いてしまった場合でも、確実にシールド効果を発揮させることができる。
また、電磁シールド材23aは絶縁被覆23bで被覆されているので、ロテータ41の繰り返しなされる回転によっても、電磁シールド材23aに座屈や摩滅が起こることはなく、電磁シールド効果を長期間にわたって維持できる。
さらに、収容空間12に対する収容において、シールドフラットケーブル23とスペーサフラットケーブル24で回転力を伝達するようにしたので、信号導体22aを備えた信号フラットケーブル22に物理的な負荷を一切かけずにすむ。このため、誤作動などを招来することがなく、高い信頼性を得ることができる。
加えて、信号フラットケーブル22同士が径方向に並んだときに、スペーサフラットケーブル24が信号導体22a同士の間隔を確保するので、干渉を防止し、インピーダンスの安定化に資する。
したがって、多重高速通信への使用に十分に対応できるような回転コネクタ装置となる。
以下、その他の例について説明する。この説明において、先の構成と同一または同等の部位については同一の符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図5は、電磁シールド効果を向上させるために遊動部材51の一部に、電磁シールド機能部を備えた例である。この回転コネクタ装置11は、前記受圧規制部57と補助ローラ53bとの間、すなわち遊動部材51におけるシールドフラットケーブル23の折り返し部23eと信号フラットケーブル22の折り返し部22eとの間に相当する位置に、曲面55を有する壁状の補助規制部58が形成されている。そして、この補助規制部58に、電磁シールド機能部59が形成されている。電磁シールド機能部59は、銅などからなる薄い金属板やメッシュ材の保持で構成できる。
このように電磁シールド機能部59を有すると、シールドフラットケーブル23によって電磁ノイズからの影響を防げる上に、電磁シールド機能部59によっても電磁ノイズによる悪影響を防止できて、信頼性をさらに向上させることが可能になる。
このほか、電磁シールド機能部59を、遊動部材51のその他の部位に備えてもよく、遊動部材51のほかの部材に備えてもよい。
図6は、シールドフラットケーブル23の折り返し部23eをローラ53に引っ掛けた例を示している。このように構成しても前記と同様の効果が得られる。
図7は、信号フラットケーブル22を、前記受動ローラ53aに引っ掛けたスペーサフラットケーブル24の上に重ねて収容した例を示している。このとき、受動ローラ53a部分において、スペーサフラットケーブル24の折り返し部24eと信号フラットケーブル22の折り返し部22eの間には隙間が形成されている。
これら図6、図7に示したようにフラットケーブル21は様々な態様で収容できる。
また、フラットケーブル21は、スペーサフラットケーブル24を省略して、信号フラットケーブル22とシールドフラットケーブル23で構成してもよい。
この発明の構成と、前記一形態の構成との対応において、
この発明の固定側部材は、前記ステータ31に対応し、
回転側部材は、前記ロテータ41に対応するも、
この発明は、前記の構成のみに限定されるもではなく、その他の形態を採用することもできる。
第2実施形態
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図8(a)は、いわゆるローラUターン式の回転コネクタ装置111の内部構造を示すための概略横断面図であり、図8(b)は、図8(a)のB−B切断部におけるフラットケーブル121のみの断面図、図2は回転コネクタ装置111の構造を示すための一部の縦断面図、図9はフラットケーブル121の断面図である。図8(b)、図9では、構造を明瞭に示すためフラットケーブル121の厚さを強調して図示している。また、図2中、A−Aで示す切断箇所は、図8(a)の横断面図の切断箇所である。
なお、この一形態では、回転コネクタ装置111として、自動車のステアリング装置に組み込まれ、図示しない車両側のECU(Electronic Control Unit)と、図示しないステアリング側のECUを接続するステアリングロールコネクタの例を説明するが、その他の回転コネクタ装置であってもよい。
図8、図2に示すように、回転コネクタ装置111は、固定側部材としてのステータ131と、このステータ131に対して回転可能に取り付ける回転側部材としてのロテータ141を有し、これらステータ131とロテータ141で構成された環状をなす収容空間112に、環状の遊動部材151と、前記フラットケーブル121を収容した構造である。
前記ステータ131は、中央に円形の穴を有する略環状をなす固定側リング板部材132と、この固定側リング板部材132における外周側部位の上面に係合して一体化される平面視円形をなす外周筒部材133で構成されている。
固定側リング板部材132および外周筒部材133には、外方に張り出すコネクタハウジング(図示せず)が形成され、このコネクタハウジングにコネクタが内蔵される。このコネクタには、前記フラットケーブル121の一方の端部が接続される。
前記ロテータ141は、前記ステータ131の固定側リング板部材132の上面側と外周筒部材133の内周側との間に、前記収容空間112を形成できるように、平面視リング状をなす天板部142と、この天板部142の内周縁から垂設された内周筒部143とを一体に有する。
天板部142には、コネクタハウジング(図示せず)が一体形成され、コネクタが内蔵される。このコネクタには、前記フラットケーブル121の他方の端部が接続される。
内周筒部143は、ステアリングホイール(図示せず)の回転が伝達される部分である。このため、ロテータ141は、ステアリングホイールの回転に伴って左右に回転する。
前記遊動部材151は、全体として環状をなす板状で、上面に、適宜間隔で並ぶ複数の円筒状突起152が形成されている。これら円筒状突起152には、軸心を上下方向とするローラ153が回転可能に保持されている。ローラ153の軸心には軸154を有し、この軸154の下端が、ステータ131の内底面に当接する構成である。この構成により、遊動部材151は、フラットケーブル121に引っ張られたり押されたりして、収容空間112内を回転コネクタ装置111の中心軸周りに左右に回転可能となる。また、ローラ153の大きさは、前記収容空間112の幅よりも小さく形成され、前記フラットケーブル121を巻き締め巻き戻し自在に収容できるように構成されている。
ローラ153間には、ローラ153の曲面と同様に湾曲する曲面155を有した規制部156,157が設けられている。これら規制部156,157は壁のように立ち上がる形状で、これらのうちの一つの規制部157は、遊動部材151を回転させるために圧力を受ける受圧規制部157で、フラットケーブル121(123)の湾曲した折り返し部123eを受けるべく折り返し部123eの湾曲に応じた曲率の曲面155を有している。
前記フラットケーブル121は、3本のフラットケーブル122,123,124で構成されている。すなわち、信号導体122aを備えた1本の信号フラットケーブル122と、電磁シールド材123a、124aを備えた2本のシールドフラットケーブル123,124である。
前記信号フラットケーブル122は、例えばCAN(Controller Area Netwrok)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRayなどの多重高速通信のために、2本で一対の信号導体122aを備えている。これら2本の信号導体122aが信号導体組である。
この信号導体組(2本の信号導体122a)は、図9にも示したように、適宜幅の帯状をなす絶縁被覆122bの中に保持される。絶縁被覆122bは、合成樹脂からなり絶縁性を有する2枚のラミネートシートを貼り合わせて構成されるものである。つまり、前記2本の信号導体122aが、ラミネートシートで挟み込まれることで前記信号フラットケーブル122が構成される。
このとき、信号導体122a同士の間の間隔w11は、信号導体122aの幅w12と同等か、それよりも広く設定される。これは、シールドフラットケーブル123,124の間に信号導体122aが配置されるため、信号導体122aの容量成分が増加してしまうことによるインピーダンスの低下を抑制するためである。
また、この例の信号フラットケーブル122では、前記信号導体122aのほかに、平角導体からなる回路導体122cも保持している。具体的には、2本で一対の信号導体122aが信号フラットケーブル122の幅方向の中央部に、2本の前記回路導体122cがその両側に、配設されている。この回路導体122cと信号導体122aとの間の間隔w13も、信号導体122aの容量成分の増加を抑制するため、信号導体の幅w12と同等か、それよりも広く設定される。
シールドフラットケーブル123,124は、電磁ノイズによる悪影響の発生を防止すべく、電磁波を遮断したり吸収したりする性質を有する前記電磁シールド材123a,124aを備えたもので、電磁シールド材123aとしては、たとえば銅などからなる平角導体を用いることができる。この電磁シールド材123a,124aも、前記信号フラットケーブル122の場合と同様に、適宜幅の帯状をなす絶縁被覆123b,124bの中に保持される。
シールドフラットケーブル123,124の幅は、信号フラットケーブル122の幅とほぼ同じである。そして、シールドフラットケーブル123,124における電磁シールド材123a,124aの幅w14は、信号フラットケーブル122の信号導体122aを有する部分の幅w15よりも幅広に設定されている。また、信号フラットケーブル122をシールドフラットケーブル123,124に幅方向両端を揃えて重ねたときに少なくとも信号導体122aを有する部分と重なり合う位置に、電磁シールド材123a,124aが形成されている。さらに、電磁ノイズによる悪影響の発生を防止するために、電磁シールド材123a,124aは前記回路導体122cまで覆う幅とすることが好ましい。
このように構成された2本のシールドフラットケーブル123,124は、信号フラットケーブル122の厚み方向の両面側に、信号フラットケーブル122を挟むように重ねられる。
そして、これら信号フラットケーブル122、シールドフラットケーブル123,124は、U字状に湾曲して折り返される折り返し部122e,123e,124eを形成して、相互間で相対摺動可能な状態で前記収容空間112に収容される。
この収容により、前記収容空間112を構成する両側の周壁134,144に近い左右両側において、図8(b)に示した如く、シールドフラットケーブル123,124が信号フラットケーブル122を挟み込み、信号導体122aを覆う状態になり、信号導体122aを電磁ノイズから守る。
また、フラットケーブル121の収容に際しては、信号フラットケーブル122以外のフラットケーブル、つまりシールドフラットケーブル124がローラ153に引っ掛けて折り返されるようにする。すなわち、図8(a)に示したように、シールドフラットケーブル124の折り返し部124eを、前記遊動部材151の受圧規制部157から折り返し方向に数えて2個目のローラ153(受動ローラ153a)に引っ掛ける。また、シールドフラットケーブル123の折り返し部123eを、前記受圧規制部157に当接させる。そして、信号フラットケーブル122の折り返し部122eを、前記受圧規制部157から折り返し方向に数えて1個目のローラ153(補助ローラ153b)の周りに、補助ローラ153bとの間に隙間をあけた状態で位置させる。
なお、フラットケーブル121を収容する時には、このフラットケーブル121を構成するケーブル相互間の密着性を高めるために密着性向上手段(図示せず)を備える。密着性向上手段は、粘着性と潤滑性を有するグリスなどの物質で構成でき、フラットケーブル121の全体に塗布しておく。これにより、信号フラットケーブル122、シールドフラットケーブル123,124の一体性が高く、バラけにくくなると共に、信号導体122aと電磁シールド材123a,124aとの距離を一定に保ちつつ、円滑な巻き締めと巻き戻しが可能となる。
つまり、信号フラットケーブル122、シールドフラットケーブル123,124相互間の距離が安定し、導体間の距離を一定に保持できる。この結果、インピーダンスの変動を抑えられる。
このようにフラットケーブル121を収容した回転コネクタ装置111では、ロテータ141等が次のように動作する。
すなわち、ロテータ141が図8における時計回り方向に回転すると、一端がロテータ141に固定された信号フラットケーブル122、シールドフラットケーブル123,124の折り返し部122e,123e,124eが、フラットケーブル121の巻き締めと巻き戻しの過程で、遊動部材151の周方向で時計回り方向に移動する。
この移動により、シールドフラットケーブル123の折り返し部123eが当接している受圧規制部157は周方向に押され、遊動部材151が時計回り方向に回転する。
このとき、他方のシールドフラットケーブル124の折り返し部124eは、受動ローラ153aとともに、同様に移動する。信号フラットケーブル122の折り返し部122eは、補助ローラ153bに接触しないで前記と同様に移動する。
ロテータ141が図8における反時計回り方向に回転した場合には、一端がロテータ141に固定された信号フラットケーブル122、シールドフラットケーブル123の折り返し部122e,123eが、フラットケーブル121の巻き締めと巻き戻しの過程で、遊動部材151の周方向で反時計回り方向に移動する。
この移動により、シールドフラットケーブル124の折り返し部124eが、受動ローラ153aを反時計回り方向に引っ張り、遊動部材151が反時計回り方向に回転する。
このとき、シールドフラットケーブル123の折り返し部123eは、受圧規制部157とともに、同様に移動する。信号フラットケーブル122の折り返し部122eは、補助ローラに接触しないで前記と同様に移動する。
前記信号導体122aを電磁ノイズからより良く守るためには、前記信号フラットケーブル122のうちシールドフラットケーブル123,124が重ならない部分を少なくするとよい。そのためには、前記補助ローラ153bの径を、信号フラットケーブル122の湾曲限界を考慮しつつ、極力小さくすればよい。また、前記受圧規制部157を補助ローラ153bに近づけることによっても、シールドフラットケーブル123が重ならない部分を小さくできる。具体的には、シールドフラットケーブル123,124が重ならない部分を信号フラットケーブル122の全体の長さの10%程度よりも低くするとよい。
以上のように構成された回転コネクタ装置111では、フラットケーブル121を信号フラットケーブル122とシールドフラットケーブル123,124を重ね合わせて構成したので、フラットケーブル121が有する弾発性を損なうことはなく、折り返し部122e,123e,124eを含む全体の弾発力によって巻き締めや巻き戻しがなされる。このため、ロテータ141の円滑な回転性を確保できる。
しかも、シールドフラットケーブル123,124が信号フラットケーブル122の厚み方向の両面側に位置するように収容しているので、信号フラットケーブル122に対する電磁シールド効果が得られ、多重高速通信での誤作動をなくすことができる。しかも、電磁シールド材123a,124aの幅w14は、信号導体122aを有する部分の幅w15よりも広く、電磁シールド材123a,124aは信号導体122aを有する部分に重なり合うので、確実にシールド効果を発揮させることができる。
また、電磁シールド材123a,124aは絶縁被覆123b,124bで被覆されているので、ロテータ141の繰り返しなされる回転によっても、電磁シールド材123a,124aに座屈や摩滅が起こることはなく、電磁シールド効果を長期間にわたって維持できる。
さらに、前記のように電磁シールド材123a,124aで信号導体122aを挟み込むように重ねる結果、信号導体122aのインピーダンスが低下することになるが、信号導体組を構成する2本の信号導体122a間の間隔を前記のように極力広くとることによって、電磁シールド材123a,124aとの関係で低下するインピーダンスの影響を受けにくくすることができる。このため、信号導体122aのインピーダンスが小さくなってしまうことを抑制できる。
このことを検証すべくコンピュータ解析を行った。図12、図13はその結果を示す。
解析は、信号導体122aの幅w12ごとに、信号導体122a同士の間の間隔w11を変えて行った。図12(a)は、信号導体122aの幅w12が0.80mmの結果、図12(b)は0.70mmの結果、図12(c)は0.65mmの結果を示し、図13(d)は0.60mmの結果、図13(e)は0.05mmの結果、図13(f)は0.40mmの結果である。
解析条件は、信号導体122a、電磁シールド材123a,124aの厚さが0.035mmで、絶縁被覆122b,123a,124aの比誘電率が3、シールドフラットケーブル123,124の電磁シールド材123a,124aの間が0.8mmである(図9参照)。また、特定インピーダンスの許容値は、100Ω〜140Ωとした。
その結果、信号導体122aの幅w12が0.80mm、0.70mm、0.65mm、0.60mm、0.05mm、0.40mmのいずれにおいても、信号導体122aの幅w12が信号導体122a同士の間の間隔w11よりも大きくなると、すなわちw11/w12の値が1より下になると、インピーダンスの低下が顕著になることが分かる。
したがって、前記のように信号導体122a同士の間の間隔w11が信号導体122aの幅w12と同等か、それよりも広く設定されると、インピーダンスの低下を抑制できる。
なお、特定インピーダンスの許容値を100Ω〜140Ωとしたので、信号導体122aの幅w12は、0.4mm〜0.7mmであるのが望ましい。
加えて、収容空間112に対する収容において、シールドフラットケーブル123,124で回転力を伝達するようにしたので、信号導体122aを備えた信号フラットケーブル122に物理的な負荷を一切かけずにすむ。このため、誤作動などを招来することがなく、信頼性を得ることができる。
したがって、多重高速通信への使用に十分に対応できるような回転コネクタ装置となる。
以下、その他の例について説明する。この説明において、先の構成と同一または同等の部位については同一の符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図10は、他の例に係るフラットケーブル121の断面図を示しており、この図に示すように、2本のシールドフラットケーブル123,124のうちの一方のシールドフラットケーブル124における信号フラットケーブル122と反対側の面に、回路導体125aを備えた回路フラットケーブル125を有するものであってもよい。この場合には、前記のように信号フラットケーブル122に回路導体122cを備えた場合よりも、より多くの回路を実装でき、空間の有効利用が図れる。
図11は、前記のようにローラを有しない、いわゆるダミー式といわれる回転コネクタ装置111の構造を示す。すなわち、図11(a)に示したように、1本の信号フラットケーブル122と2本のシールドフラットケーブル123,124は、環状をなす収容空間112内においてそれぞれの折り返し部122e,123e,124eが収容空間112を三等分する位置に存在するように収容される。
このような構成においても、図11(b)に示したように、信号フラットケーブル122は両面側をシールドフラットケーブル123,124で覆われるので、前記のようにシールド効果を得られる。
なお、図8、図11に図示した以外にも、フラットケーブル121は様々な態様で収容できる。
この発明の構成と、前記一形態の構成との対応において、
この発明の固定側部材は、前記ステータ131に対応し、
回転側部材は、前記ロテータ141に対応するも、
この発明は、前記の構成のみに限定されるもではなく、その他の形態を採用することもできる。
例えば、前記信号フラットケーブル122は、信号導体122aのみで構成してもよい。
また、前記の構成では信号フラットケーブル122が1本の例を示したが、複数本であってもよい。この場合には、シールドフラットケーブル123,124を共用できる。
第3実施形態
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
なお、図14はステアリングロールコネクタ210(以下、「SRC210」という)の外観図を示し、図15はSRC210の分解斜視図を示し、図16はロテータ213を分離したSRC210の平面図を示している。また、図17はフラットケーブルの構成についての概念図を示し、図18はSRC210を用いて構成する伝送回路400の概念図を示している。また、図19は、図16のA−A断面における重ね合せケーブル300についての概念図を示している。
SRC210は、図18に示すように、図示省略するステアリングホイールに装備した電装品を制御し、ステアリングホイール内に配置されたステアリングECU410(以下、「S−ECU410」という)と、車両本体側に配置したメインECU420(以下、「M−ECU420」という)との間の電気信号を伝送する伝送回路400を構成するとともに、図示省略するその他の導電回路を構成している。
このように、S−ECU410及びM−ECU420の伝送回路400と、その他導電回路を構成するSRC210は、図14及至図16に示すように、重ね合せケーブル300を収容するケーブルハウジング211と、ケーブルハウジング211を構成するステータ212とロテータ213との回転位置を固定する回転ロックユニット214とを備えている。
ケーブルハウジング211は、平面視中央部分にステアリングシャフト(図示省略)が軸方向に貫通する差込孔Hが形成された略円筒状の形態で構成されている。差込孔Hは、前記ステアリングコラム(図示省略)に支持されたステアリングシャフトの挿入を許容する径で形成されている。
なお、SRC210は、図示省略するステアリングホイールの車体側であるステアリングコラム(図示省略)に収容され、差込孔Hを貫通したステアリングシャフトの上端部に、回転操作を行うためのステアリングホイールが固定される。
ケーブルハウジング211は、相対回転可能に嵌合されたステータ212とロテータ213とで構成している。
ステータ212は、底板として環状に形成した固定側リング板212aと、この固定側リング板212aの外周縁から垂直に延びる円筒状の外周筒部212bとで構成している。固定側リング板212aの外周縁と外周筒部212bの下端とは嵌合により一体に構成している。
このように構成したステータ212は、車体側の適宜の部材、例えばステアリングコラム内に配置されたコンビネーションブラケットスイッチ(図示省略)に固定される。なお、ステータ212の外周筒部212bは、後述するロテータ213より大径に形成している。
ステータ212は、固定側コネクタ323を備えている。
固定側コネクタ323は、第1固定側コネクタ323aと第2固定側コネクタ323bとがある。第1固定側コネクタ323aと第2固定側コネクタ323bとは、所定間隔を隔ててそれぞれのコネクタ接続口が同じ方向を向くように外周筒部212bの外側に配置されている。
前記ロテータ213は、環状に形成された回転側リング板213aと、この回転側リング板213aの内周縁から垂直に延びる円筒状の内周筒部213bとで構成している。そしてロテータ213は、ステアリングホイールとともに一体的に回転するように構成されている。したがって、ロテータ213は、ステータ212に対して前記ステアリングホイールの回転軸と同一の軸回りに回転することができる。
回転側リング板213aは、ロテータ213の回転軸方向において前記固定側リング板212aに対向するように配置されている。
なお、ロテータ213の回転軸方向は、上述したステアリングホイールの軸方向(図14,15中の上下方向)と同じ方向である。
また、前記内周筒部213bは、外周筒部212bと半径方向で対向するように配置されている。そして、ロテータ213は、回転側コネクタ333を備えている。なお、回転側コネクタ333は、回転側リング板213aから上方向きの第1回転側コネクタ333aと第2回転側コネクタ333bとがある。
このように構成したステータ212とロテータ213とを組み合わせて構成したケーブルハウジング211の内部には、ステータ212の固定側リング板212a及び外周筒部212b、並びにロテータ213の回転側リング板213a及び内周筒部213bによって、図15に示すように、複数枚を重ね合わせるとともに、巻き回した重ね合せケーブル300を収容する環状の収容空間Sを構成している。
収容空間Sに収容する重ね合せケーブル300は、収容空間Sにおける巻回状態において径外側(図17において上側)から径内側(図17において下側)に向かって、第1ダミーフラットケーブル301(以下、「第1ダミーFC301」という)、シールドフラットケーブル302(以下、「シールドFC302」という)、伝送路フラットケーブル303(以下、「伝送路FC303」という)、及び第2ダミーフラットケーブル304(以下、「第2ダミーFC304」という)とを、この順に重ね合わせて構成している。なお、図17は、重ね合せケーブル300の構成を容易に理解するため、幅(図17において左右方向)に対する厚みを厚く図示している。
なお、第1ダミーFC301、シールドFC302、伝送路FC303及び第2ダミーFC304はすべて同じ幅で構成している。また、第1ダミーFC301及び第2ダミーFC304は、2枚のラミネートシート300aを重ねて貼り合わせて構成している。これに対し、シールドFC302及び伝送路FC303は、適宜の幅で構成した銅合金製の薄板平角状の平角導体300bを適宜の間隔を隔てて複数配置し、それら平角導体300bを一体的に表裏両側から絶縁性のラミネートシート300aで挟みこんで構成している。
シールドFC302及び伝送路FC303の構成についてさらに詳述すると、伝送路FC303は、図17における左側から、導電回路を構成する回路導体310,2本の伝送路導体330aで構成する伝送路導体組330、さらに回路導体310をそれぞれ適宜の幅方向(図17における左右方向)の間隔を隔てて配置し、これらを一体的に表裏両側から絶縁性のラミネートシート300aで挟みこんで構成している。
シールドFC302は、図17における左側から、導電回路を構成する回路導体310、シールド導体320、さらに2本の回路導体310をそれぞれ適宜の幅方向の間隔を隔てて配置し、これらを一体的に表裏両側から絶縁性のラミネートシート300aで挟みこんで構成している。
なお、シールド導体320は、シールドFC302と伝送路FC303とを重ね合わせた際に、シールドFC302において、伝送路導体組330に対向する幅方向位置に配置している。さらに、シールド導体320は、2本の伝送路導体組330の幅方向外側間の距離w30以上となる導体幅W31で形成している。
また、上述の回路導体310は、伝送路導体組330やシールド導体320よりも幅方向外側に配置している。
上述の第1回転側コネクタ333aと第1固定側コネクタ323a、及び、第2回転側コネクタ333bと第2固定側コネクタ323bとは、それぞれ収容空間Sに巻回状態で収容する上述の重ね合せケーブル300によって相互に電気的に接続されている。
詳しくは、第1回転側コネクタ333aと第1固定側コネクタ323aとは、伝送路導体組330を有する伝送路FC303によって接続され、第2回転側コネクタ333bと第2固定側コネクタ323bとは、シールド導体320を有するシールドFC302によって接続されている。
そして、固定側コネクタ323は、図示省略するステアリングコラム内において車体側の導電回路等から引き出されたケーブル(図示省略)に接続され、回転側コネクタ333は、図示省略するステアリングホイール内において、例えば、ホーンスイッチ、エアバッグユニットなどの導電回路から引き出されたケーブル(図示省略)にそれぞれ接続される。
詳しくは、第1固定側コネクタ323aは、ステアリングコラム内において、図示省略する伝送路配線によってM−ECU420(図18)に接続され、第2固定側コネクタ323bは、ホーン等の導電回路から引き出されたケーブルに接続される。なお、シールドFC302のシールド導体320は、第2固定側コネクタ323bを介してアース接続される。
そして、第1回転側コネクタ333aは、ステアリングホイール内において図示省略する伝送路配線によってS−ECU410(図18)に接続され、第2回転側コネクタ333bは、ホーン等の導電回路から引き出されたケーブルに接続される。
このように、第1固定側コネクタ323aによってM−ECU420に接続され、第1回転側コネクタ333aによってS−ECU410に接続された伝送路導体組330は、2線式差動電圧方式であるCAN通信を可能に構成している。
詳しくは、伝送路導体組330を構成する伝送路導体330aに流れる電圧の差の有無によってデータ送信する方式であるCAN通信を用いることにより、外部から電磁ノイズが混入した場合でも各線の差電圧は変化しないため、電磁ノイズによる影響を受けにくく、確実な信号データを送信することができる。
なお、上述したように、伝送路導体組330を用いてCAN通信可能な構成としたが、LIN(Local Interconnect Network)通信、又はFlexRay通信を用いてもよい。例えば、エンジン等のパワートレイン系や、ステアリング、ブレーキ、スロットル等の駆動操作系などの制御対象に応じて適した通信方式を採用してもよい。
このように構成された第1ダミーFC301、シールドFC302、伝送路FC303及び第2ダミーFC304を重ね合わせて重ね合せケーブル300とし、収容空間Sに巻き回して収容している。
詳しくは、重ね合せケーブル300の内側端部を内周筒部213bに固定し、外側端部を外周筒部212bに固定するとともに、重ね合せケーブル300の内端側を内周筒部213bに一方向に巻き付け、重ね合せケーブル300の外端側を内端側の巻き方向が逆になるように外周筒部212bの内側に巻き込み、重ね合せケーブル300の中間部をU字状に反転させ、ロテータ213の回転により移動するUターン部300cを形成して、重ね合せケーブル300を収容空間Sに収容している。
さらに詳しくは、第1ダミーFC301とシールドFC302の外側端部は、外周筒部212bに固定されるとともに、シールドFC302のシールド導体320及び回路導体310は第2固定側コネクタ323bに接続され、内側端部は、内周筒部213bに固定されるとともに、シールドFC302のシールド導体320及び回路導体310は第2回転側コネクタ333bに接続される。
また、伝送路FC303と第2ダミーFC304の外側端部は、外周筒部212bに固定されるとともに、伝送路FC303の伝送路導体組330及び回路導体310は第1固定側コネクタ323aに接続され、内側端部は、内周筒部213bに固定されるとともに、伝送路FC303の伝送路導体組330及び回路導体310は第1回転側コネクタ333aに接続される。
さらに、重ね合せケーブル300の各ケーブル301,302,303,304の中間部に形成し、巻き回し方向を反転させるUターン部300c(301c,302c,303c,304c)を、収容する収容空間Sにおいて周方向に等間隔に配置している。
なお、重ね合せケーブル300の各ケーブル301,302,303,304においてそれぞれの対向面及びその外側面には、図17において仮想線で示すグリス305を塗布し、各ケーブル301,302,303,304同士の密着性を向上している。このようにして、収容空間Sに収容した巻回状態において、重ね合せケーブル300の各ケーブル301,302,303,304が密着し、ばらけることを防止している。
重ね合せケーブル300を上述したように構成したため、収容空間Sに巻き回して収容した重ね合せケーブル300は、図19に示すように、伝送路導体組330の径外側にシールド導体320が配置され、伝送路導体組330の径内側にダミーFC301,304が配置されることとなる。よって、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組330同士の間には、シールド導体320と、2枚のダミーFC301,304が介在することとなる。
したがって、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組330同士をシールド導体320によって電気的に遮断するとともに、伝送路導体組330同士の間隔を確保することができる。さらに、2枚のダミーFC301,304によって、図19に示すように、巻回状態において伝送路導体組330同士の径方向の間隔を、シールドFC302と伝送路FC303とで重ね合せケーブル300を構成した場合と比較して、ダミーFC2枚分広げて確保することができる。
このように、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組330同士をシールド導体320によって電気的に遮断するため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組330同士における電磁ノイズによる電気的干渉を防止することができる。また、シールドFC302及び2枚のダミーFC303304によって、伝送路導体組330同士の径方向の間隔を広く確保できるため、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させることができる。よって、確実な電気的信号の伝送が必要であるS−ECU410とM−ECU420との信号伝送を実現することができる。
詳しくは、ロテータ213と、ステータ212とを組み合わせたSRC210の内部に構成された環状の収容空間Sにおいて、重ね合せケーブル300の一端部をロテータ213の内周筒部213bに固定し、他端部をステータ212の外周筒部212bに固定するとともに、重ね合せケーブル300を巻き回して収容し、重ね合せケーブル300を、信号伝送路を構成する伝送路導体330aを有する伝送路FC303と、シールド体を構成するシールド導体320を有するシールドFC302とを重ね合わせて構成し、シールド導体320を、シールドFC302において、伝送路導体330aに相対する相対位置に配置したため、回転部分であっても、伝送路FC303の伝送路導体330aによって電気信号を確実に伝送することができる。
詳しくは、ロテータ213とステータ212とで形成する収容空間Sに、信号伝送路を構成する伝送路導体330aを有する伝送路FC303と、シールド体を構成するシールド導体320を有するシールドFC302とを重ね合わせて構成し、シールド導体320を、シールドFC302において、伝送路導体330aに相対する相対位置に配置するとともに、巻き回して収容しているため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体330a同士の間にシールド導体320が介在することとなる。
したがって、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路FC303の伝送路導体330a同士をシールド導体320が電気的に遮断することができる。
よって、伝送路導体330aを導通する電気信号によって発生する電磁ノイズが相互に干渉することを防止するとともに、伝送路導体330a同士の径方向の間隔を確保できるため、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させ、確実な信号伝送を確立することができる。
例えば、巻回状態において、伝送路導体330aを導通する電気信号同士の干渉を防止し、インピーダンスを安定させるために、フラットケーブルを、伝送路導体330aとシールド導体320とを絶縁しながら階層状に構成したり、伝送路導体330aを有するフラットケーブルの表面に無電解メッキによってシールド体を設けることも想定できる。
しかし、フラットケーブルを、伝送路導体330aとシールド導体320とを絶縁しながら階層状に構成することは、構成が非常に複雑化するため、製造コストや製造手間が増大する。また、通常のフラットケーブルと異なる構成であるため、専用の製造設備を構築する必要がある。これに対し、本発明のSRC210では、信号伝送路を構成する伝送路導体330aを有する伝送路FC303と、シールド体を構成するシールド導体320を有するシールドFC302とを重ね合わせて構成しているため、回路導体310を構成する通常のフラットケーブルと同様の構成で、伝送路FC303とシールドFC302とを構成すればよく、これまでの製造設備を用いて製造することができる。したがって、製造コストの増大を抑制しながら製造することができる。
また、伝送路導体330aを有するフラットケーブルの表面に無電解メッキによってシールド体を設ける場合、無電解メッキを設けるための別の工程が必要となるとともに、巻き回し方向をUの字状に反転させるUターン部300cにおいて、無電解メッキが剥離するおそれがある。これに対し、本発明のSRC210では、信号伝送路を構成する伝送路導体330aを有する伝送路FC303と、シールド体を構成するシールド導体320を有するシールドFC302とを重ね合わせて構成しているため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体330a同士の間にシールド導体320が必ず介在し、電気信号によって発生する電磁ノイズによって相互に干渉し合うことを確実に防止し、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させることができる。
このように、SRC210は、製造コストの増加を抑制しながら、確実な信号伝送を確立することができる。したがって、回転部分を介したECU410,420同士を接続し、高精度な制御を実現することができる。
また、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路FC303の伝送路導体330a同士の間には、シールド導体320と、2枚のダミーFC301,304が介在するため、シールドFC302のみが介在する場合に比べて、重ね合わさる伝送路導体330a同士の径方向の間隔を広げることができるため、伝送路導体330aにおけるインピーダンスをより安定させることができる。
また、伝送路導体330aを、一対以上の伝送路導体330aで構成する伝送路導体組330とし、シールド導体320を、伝送路導体組330の幅方向外側間距離w30以上の導体幅W31で形成したため、巻回状態における径方向に重ね合わさる伝送路導体組330同士の間に、伝送路導体組330の幅方向外側間距離w30以上の導体幅W31で構成したシールド導体320が介在するため、一対の伝送路導体330aで構成する伝送路導体組330を導通する電気信号によって発生する電磁ノイズが相互に干渉することを防止するとともに、伝送路導体組330同士の径方向の間隔を確保することによって、インピーダンスを安定させ、確実な信号伝送を確立することができる。
また、伝送路FC303のシールドFC302が配置された側と反対側に、所定の厚みを有するダミーFC304を配置し、シールドFC302の伝送路FC303が配置された側と反対側に、さらにダミーFC301を配置して重ね合わせたため、巻き回し部分において、径方向に重ね合わさる伝送路導体330a同士の間に、所定の厚みを有するダミーFC301,304が重なり合った状態で介在し、径方向に重ね合わさる伝送路導体330a同士の径方向の間隔を確保することができる。
したがって、シールド導体320と伝送路導体330aとが近接した状態を保ちながら、伝送路導体330aを導通する電気信号同士の電磁ノイズによる相互干渉をより確実に防止するとともに、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させることができる。
また、フラットケーブルを重ね合わせた重ね合せケーブル300の密着性を向上させるグリス305を設けたため、巻回状態における重ね合せケーブル300がばらけることを防止できる。したがって、シールド導体320と伝送路導体330aとが巻き回し部分において離れず、伝送路導体330aを導通する電気信号同士の電磁ノイズによる相互干渉をより確実に防止するとともに、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させることができる。
また、伝送路FC303における伝送路導体組330より幅方向外側に、導電回路を構成する回路導体310を配置しているため、伝送路FC303によって信号伝送路と、導体回路とを構成できる。したがって、信号伝送路と、導体回路とを異なるフラットケーブルで構成する場合と比較して、ケーブル数を低減しながら、導体回路を構成することができる。
なお、上記実施形態の具体例として、伝送路導体330a及びシールド導体320の導体厚みを35μm、伝送路導体330aの導体幅を0.8mm、幅方向外側間距離w30を2.2mm、シールド導体320の導体幅W31を2.4mmとするとともに、PET樹脂製(比誘電率約3)のラミネートシート300aでシールドFC302、伝送路FC303及びダミーFC301,304を構成したところ、巻回状態によらず、1MHzの通信周波数でインピーダンスが320Ω前後で安定するSRC210を構成することができた。
また、伝送路導体330a及びシールド導体320を上述の導体厚みと同様の厚みで構成し、伝送路導体330aの導体幅0.6mm、幅方向外側間距離w30を1.5mm、シールド導体320の導体幅W31を1.7mmとするとともに、PET樹脂製(比誘電率約3)のラミネートシート300aでシールドFC302、伝送路FC303及びダミーFC301,304を構成した場合であっても、巻回状態によらず、1MHzの通信周波数でインピーダンスが120Ω前後で安定するSRC210を構成することができた。
なお、自動車におけるステアリングホイール部分に装着するSRC210について説明したが、ロボットアーム等の回転部分を有する機構におけるコネクタ装置として上記構成を用いてもよい。
なお、上記実施形態では、重ね合せケーブル300は第1ダミーFC301、シールドFC302、伝送路FC303及び第2ダミーFC304を重ね合わせて構成し、収容空間Sに巻き回して収容しているが、少なくとも、重ね合せケーブル300を第1ダミーFC301とシールドFC302とを重ね合せて構成し、収容空間Sに巻き回して収容していれば、シールド導体320を有するシールドFC302による上記効果を得ることができる。
また、上述の説明では、伝送路導体組330及び回路導体310を有する伝送路FC303と、シールド導体320及び回路導体310を有するシールドFC302と、ラミネートシート300aのみで構成されたダミーFC301,304とを重ね合わせて重ね合せケーブル300を構成したが、ダミーFC301,304において、伝送路導体組330に電気的影響のない幅方向位置に、導電回路を構成する回路導体310を配置してもよい。
さらにまた、第2パターンの重ね合せケーブル300の構成についての概念図である図20に示すように、巻回状態において、伝送路導体組330と回路導体310とを有する伝送路FC303の径外側に、伝送路導体組330及び回路導体310の全体の幅(図20における幅方向外側間距離w30)より導体幅W31が広い幅広導体で構成した幅広シールド導体320aを有するシールドFC302aを2枚重ね合わせるとともに、伝送路FC303におけるシールドFC302と反対側に第2ダミーFC304を配置して重ね合せケーブル300を構成してもよい。
このように構成しても、図17のフラットケーブルと同様の効果を奏するとともに、2枚のシールドFC302aのうち径外側のシールドFC302aの幅広シールド導体320aに、ステアリングヒータ等の大電流によって作動する電装品を接続し、幅広シールド導体320aに大電流を導通させることによって、幅広シールド導体320aをシールド導体として機能させるとともに、大電流の導通を許容する回路導体として機能させることができる。
したがって、幅広シールド導体320aと、大電流の導通を許容する回路導体を別途設ける場合と比較して、コンパクトに構成できるとともに、材料コスト、軽量化をはかることができる。もちろん、通常の回路導体の導体幅W31で導通可能な電流を導通させるために幅広シールド導体320aを用いてもよい。
また、シールドFC302aを2枚重ねとしたため、巻回状態における径方向に重ね合わさる伝送路FC303の伝送路導体330a同士の間に、2枚の幅広シールド導体320aが介在するため、巻回状態において径方向に重ね合わさる伝送路導体組330同士の電気的遮断性を向上することができ、導通する電気信号の干渉を防止し、伝送路導体330aにおけるインピーダンスをより安定させることができる。
なお、上述の第2パターンの重ね合せケーブル300(図20参照)において、第2ダミーFC304の代わりに、図21に示すように、幅方向中央にシールド導体320を配置するとともに、伝送路FC303の回路導体310に対応する位置に回路導体310を配置したシールドFC302aを配置してもよい。
この場合、第2ダミーFC304の代わりのシールドFC302aには、伝送路FC303における伝送路導体組330の幅方向外側間距離w30より、幅広の導体幅W31を有するシールド導体320を配置する。これにより、導通する電気信号の干渉を防止し、伝送路導体330aにおけるインピーダンスをさらに安定させることができる。
また、上述の第2パターンの重ね合せケーブル300(図20参照)において、図22に示すように、上から2層目のシールドFC302aと、3層目の伝送路FC303との順番を入れ替えるとともに、上から4層目の第2ダミーFC304の代わりに、複数の回路導体310が幅方向に等間隔に配置したノーマルフラットケーブル306(以下、「ノーマルFC306」という)を設けてもよい。
このように、伝送路FC303の伝送路導体組330を、上から1層目と3層目のシールドFC302aの幅広シールド導体320aによって挟み込んでいるため、4層目に回路導体310を複数配置したノーマルFC306を設けても、導通する電気信号の干渉を防止し、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させることができる。
さらにまた、図23に示すように、幅狭の幅狭伝送路導体330bを有するとともに、回路導体310を複数配置した伝送路FC303を、4層構造のうち上から2層目と3層目に設け、幅狭伝送路導体330bに対応する箇所にシールド導体320を配置するとともに、回路導体310を複数配置したシールドFC302aを上から1層目と4層目に配置してもよい。このように、2層目と3層目に伝送路導体を重ねた場合であっても、伝送路導体が幅の狭い幅狭伝送路導体330bであるため、1層目と4層目との両側からシールド導体320で挟み込むことで、導通する電気信号の干渉を防止し、幅狭伝送路導体330bにおけるインピーダンスを安定させることができる。
また、幅広シールド導体320aを、伝送路FC303における導体配置範囲である幅方向外側間距離w30以上の導体幅W31で形成したため、回路導体310に電流を導通しても、導通する電流による電気信号の干渉を防止し、伝送路導体330aにおけるインピーダンスを安定させることができる。
また、第3パターンの重ね合せケーブル300の構成についての概念図である図24に示すように、巻回状態において、伝送路導体組330と回路導体310とを有する伝送路FC303の径外側に、伝送路導体組330及び回路導体310の全体の幅より導体幅が広い幅広導体で構成した幅広シールド導体320aを有するシールドFC302aを2枚重ね合わせ、さらにその径外側に第1ダミーFC301を重ね合わせるとともに、伝送路FC303におけるシールドFC302aと反対側に第2ダミーFC304を配置し、さらにその径内側に、回路導体310を複数有するノーマルFC306を重ね合わせて重ね合せケーブル300を構成してもよい。
このように構成しても、第2パターンのフラットケーブル(図20)と同様の効果を奏するとともに、複数の回路導体310を有するノーマルFC306によって、複数の電装品に回路導体310を接続して導電回路を構成することができる。また、このとき、巻回状態においてノーマルFC306における回路導体310の中央側の2本が伝送路FC303における伝送路導体組330の巻回方向径内側に配置されるが、ノーマルFC306の回路導体310と伝送路FC303の伝送路導体組330との間に第2ダミーFC304が介在するため、ノーマルFC306の回路導体310に導通する電流が伝送路導体組330を伝送する伝送信号に影響を及ぼすことを防止できる。
なお、この重ね合せケーブル300の場合、径内側から順に、ノーマルFC306、第2ダミーFC304、伝送路FC303、2枚のシールドFC302a、及び第1ダミーFC301の計6枚で構成されているため、図16に示すように等間隔に配置された4箇所のUターン部300cを、第1ダミーFC301と径外側のシールドFC302aとを重ね合わせた状態で形成するUターン部301c、径内側のシールドFC302aで形成するUターン部302c、伝送路FC303と第2ダミーFC304とを重ね合わせた状態で形成するUターン部303c、及びノーマルFC306で形成するUターン部304cで構成することができる。
このように、Uターン部300cを構成することによって、2枚の重ね合せケーブル300が重ね合わさったUターン部300cが、周方向に4つ配置されたUターン部300cのうち対角部分に配置されるため、ロテータ213の回転移動に伴って、4つのUターン部300cを均等に保ちながら移動することができる。
もちろん、図25に示すように、6つのUターン部300c(301c,302c,303c,304c,305c,306c)が周方向に均等な位置となるように、それぞれのケーブル301,302a,303,304,306にUターン部300cを形成してもよい。
また、第4パターンの重ね合せケーブル300の構成についての概念図である図26に示すように、巻回状態において、伝送路導体組330と回路導体310とを有する伝送路FC303aの径外側に、シールド導体320と回路導体310とを有するシールドFC302bを配置し、伝送路FC303aの径内側に、回路導体310を有する第2ダミーFC304aを配置し、シールドFC302b、伝送路FC303a及び第2ダミーFC304aを重ね合わせて重ね合せケーブル300を構成してもよい。
詳しくは、伝送路FC303aは、幅方向の一方(図26において左側)に伝送路導体組330を配置し、他方(図26において右側)に回路導体310を配置している。
シールドFC302bは、幅方向の一方(図26において左側)であり、伝送路FC303aにおける伝送路導体組330の配置に対応する位置にシールド導体320を配置し、他方(図26において右側)に回路導体310を配置している。
第2ダミーFC304aは、伝送路FC303aにおいて伝送路導体組330を配置した一方(図26において左側)には回路導体310を配置せず、伝送路FC303aの回路導体310に対応する他方位置に回路導体310を配置している。
シールドFC302b,伝送路FC303a及び第2ダミーFC304aを上述のように構成し、重ね合わせて重ね合せケーブル300を構成することによって、第1ダミーFC301、シールドFC302、伝送路FC303、及び第2ダミーFC304とで構成した重ね合せケーブル300(図17)の場合と同様の効果を奏するとともに、重ね合せケーブル300の枚数を減らしながら、回路導体310で構成する導電回路数を増加させることができる。
また、シールドFC302b、伝送路FC303a及び第2ダミーFC304aは、伝送路FC303aにおいて伝送路導体組330を配置した一方側に回路導体310を配置せず、それぞれ他方側に回路導体310を配置しているため、各回路導体310を導通する電流が伝送路導体組330を伝送する信号に影響を与えることを防止できる。
なお、このように、3枚構成の第4パターンの重ね合せケーブル300の場合、第4パターンの重ね合せケーブル300を収容したSRC210においてロテータ213を分離した平面図である図27に示すように、3つのUターン部300c(301c,302c,303c)が周方向に均等な位置となるように、それぞれの重ね合せケーブル300にUターン部300cを形成することとなる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の回転コネクタ装置は、SRC210に対応し、
以下同様に、
信号伝送路や多重高速伝送通信線路を構成する伝送路導体は、伝送路導体330aに対応し、
固定側ケースは、ステータ212に対応し、
フラットケーブルは、シールドFC302,302a,302b、伝送路FC303,303a、ダミーFC301,304,304aに対応し、
第1フラットケーブルは、伝送路FC303に対応し、
第2フラットケーブルは、シールドFC302に対応し、
伝送路導体組の幅は、幅方向外側間距離w30に対応し、
シールド導体の導体幅は、導体幅W31に対応し、
密着性向上手段は、グリス305に対応し、
幅広導体は、幅広シールド導体320aに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
ケーブルハウジングにおいて、固定側ケースが車体側に固定され、回転側ケースがステアリング側に組み付けられ、ケーブルハウジング内部の収容空間に収容されたフラットケーブルを介して、車体側とステアリング側との間の例えば、ホーンやエアバッグ等の電装品を電気的に接続する回転コネクタ装置に適用できる。
11…回転コネクタ装置
12…収容空間
21…フラットケーブル
22…信号フラットケーブル
22a…信号導体
22e…折り返し部
23…シールドフラットケーブル
23a…電磁シールド材
23e…折り返し部
24…スペーサフラットケーブル
24a…導体のない部分
24e…折り返し部
31…ステータ
34…周壁
41…ロテータ
44…周壁
51…遊動部材
53…ローラ
59…電磁シールド機能部
111…回転コネクタ装置
112…収容空間
121…フラットケーブル
122…信号フラットケーブル
122a…信号導体
122c…回路導体
122e…折り返し部
123,124…シールドフラットケーブル
123a,124a…電磁シールド材
123e,124e…折り返し部
125…回路フラットケーブル
125a…回路導体
131…ステータ
141…ロテータ
210…SRC
212…ステータ
213…ロテータ
301…第1ダミーFC
302,302a,302b…シールドFC
303,303a…伝送路FC
304,304a…第2ダミーFC
305…グリス
320…シールド導体
320a…幅広シールド導体
330…伝送路導体組
330a…伝送路導体
S…収容空間
w30…幅方向外側間距離
W31…導体幅

Claims (22)

  1. 固定側部材と、該固定側部材に対して回転可能に取り付けられる回転側部材を有し、これらで構成された環状をなす収容空間に、長手方向の一部が湾曲して折り返される折り返し部を有し、一端部を前記回転側部材に固定し、他端部を前記固定側部材に固定したフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置であって、
    前記フラットケーブルとして、信号導体を備えた信号フラットケーブルと、電磁シールド材を備えたシールドフラットケーブルを有し、
    これらが、前記収容空間を構成する両側の周壁に近い側に前記シールドフラットケーブルが位置するように重ね合わされるとともに、
    前記信号フラットケーブルでない第3のフラットケーブルを、前記信号フラットケーブルにおける前記シールドフラットケーブルと反対側の面に重ね合わされて収容され、
    前記収容空間に、上面にローラ及び受圧規制部を備えた環状の遊動部材を配置するとともに、前記フラットケーブルの前記折り返し部が、前記遊動部材上に保持され、
    前記回転側部材の一方向の回転に伴って、前記シールドフラットケーブルの折り返し部が前記受圧規制部に当接して前記遊動部材を前記一方向に回転させ、
    前記回転側部材の他方向の回転に伴って、前記第3のフラットケーブルの折り返し部が前記ローラに当接して前記遊動部材を前記他方向に回転させる
    回転コネクタ装置。
  2. 前記シールドフラットケーブルの電磁シールド材の幅が、前記信号フラットケーブルの信号導体を有する部分の幅よりも幅広に設定されるとともに、
    前記電磁シールド材の形成位置が、シールドフラットケーブルに信号フラットケーブルを重ね合わせたときに電磁シールド材が信号導体を有する部分に重なるように設定された
    請求項に記載の回転コネクタ装置。
  3. 前記第3のフラットケーブルを、導体のない部分を有するスペーサフラットケーブルで構成した
    請求項または請求項に記載の回転コネクタ装置。
  4. 固定側部材と、該固定側部材に対して回転可能に取り付けられる回転側部材を有し、これらで構成された環状をなす収容空間に、長手方向の一部が湾曲して折り返される折り返し部を有し、一端部を前記回転側部材に固定し、他端部を前記固定側部材に固定したフラットケーブルが収容された回転コネクタ装置であって、
    前記フラットケーブルとして、信号導体を備えた信号フラットケーブルと、電磁シールド材を備えたシールドフラットケーブルを有し、
    これらが、前記収容空間を構成する両側の周壁に近い側に前記シールドフラットケーブルが位置するように重ね合わされて収容され、
    前記シールドフラットケーブルの電磁シールド材の幅が、前記信号フラットケーブルの信号導体を有する部分の幅よりも幅広に設定されるとともに、
    前記電磁シールド材の形成位置が、シールドフラットケーブルに信号フラットケーブルを重ね合わせたときに電磁シールド材が信号導体を有する部分に重なるように設定され、
    前記シールドフラットケーブルにおける前記電磁シールド材より幅方向外側に、回路導体を配置した
    回転コネクタ装置。
  5. 前記収容空間に、上面にローラを備えた環状の遊動部材を配置するとともに、前記フラットケーブルの前記一部に、前記ローラによって湾曲して折り返される折り返し部を有し、前記遊動部材上に保持される
    請求項に記載の回転コネクタ装置。
  6. 導体のない部分を有するスペーサフラットケーブルが、前記信号フラットケーブルにおける前記シールドフラットケーブルと反対側の面、または前記シールドフラットケーブルにおける信号フラットケーブルと反対側の面に重ねられた
    請求項または請求項に記載の回転コネクタ装置。
  7. 前記信号フラットケーブル以外のフラットケーブルが前記ローラに引っ掛けて折り返された
    請求項から請求項のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  8. 前記固定側部材、回転側部材、遊動部材のうちの少なくとも一部に、電磁シールド機能部が形成された
    請求項から請求項のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  9. 前記第3のフラットケーブルを、シールドフラットケーブルで構成した
    請求項1から請求項のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  10. 前記信号フラットケーブルに、回路導体が備えられるとともに、
    前記2本のシールドフラットケーブルのうちの少なくとも一方のシールドフラットケーブルの電磁シールド材が、前記信号フラットケーブルを重ね合わせたときに前記回路導体と信号導体を有する部分に重なり合うように備えられた
    請求項に記載の回転コネクタ装置。
  11. 前記2本のシールドフラットケーブルのうちの少なくとも一方のシールドフラットケーブルにおける信号フラットケーブルと反対側の面に、回路導体を備えた回路フラットケーブルを有する
    請求項9または請求項10に記載の回転コネクタ装置。
  12. 前記フラットケーブルに、このフラットケーブルを構成するケーブル相互間の密着性を向上する密着性向上手段が備えられた
    請求項から請求項11のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  13. 前記信号フラットケーブルが、2本の信号導体で一組とされる信号導体組を有し、
    該信号導体組を構成する前記2本の信号導体間の距離が、前記信号導体の幅以上に設定された
    請求項から請求項12のうちのいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  14. 前記固定側部材を固定側ケースで構成するとともに、前記回転側部材を回転側ケースで構成するとともに、
    前記フラットケーブルを、
    前記信号導体を構成する伝送路導体を有し、前記信号フラットケーブルを構成する第1フラットケーブルと、
    前記電磁シールドを構成するシールド導体を有し、前記シールドフラットケーブルを構成する第2フラットケーブルとを重ね合わせて構成し
    請求項に記載の回転コネクタ装置。
  15. 前記伝送路導体を、一対以上の伝送路導体で構成する伝送路導体組とし
    請求項14に記載の回転コネクタ装置。
  16. 前記第1フラットケーブルにおける前記伝送路導体組より幅方向外側に、導電回路を構成する回路導体を配置した
    請求項15に記載の回転コネクタ装置。
  17. 前記第2フラットケーブルを2枚重ねとした
    請求項14乃至16のうちいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  18. 前記第1フラットケーブルの前記第2フラットケーブルが配置された側と反対側に、所定の厚みを有する第3フラットケーブルを配置して重ね合わせた
    請求項14乃至17のうちいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  19. 前記第2フラットケーブルの前記第1フラットケーブルが配置された側と反対側に、所定の厚みを有する第3フラットケーブルを配置して重ね合わせた
    請求項14乃至18のうちいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  20. 前記第3フラットケーブルにおいて、一対以上の前記伝送路導体で構成する伝送路導体組に相対する相対範囲の幅方向外側に、導電回路を構成する回路導体を配置した
    請求項18又は19のうちいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  21. 重ね合わせたフラットケーブルの密着性を向上させる密着性向上手段を、少なくともフラットケーブルの間に設けた
    請求項14乃至20のうちいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
  22. 前記信号伝送路は、多重高速伝送通信線路であることを特徴とする
    請求項14乃至21のうちいずれか一項に記載の回転コネクタ装置。
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