JP2007059222A - 多層フレキシブルフラットケーブルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片面に熱融着性接着層を有し、長さ違いの2枚の絶縁フィルム(1a、1b)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2a)を5本配列し、両端部には導体端末露出部(t1)を設けて加熱融着し、1層目用のフラットケーブル体(10a)とする。また、長さ違いの2枚の絶縁フィルム(1c、1d)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2b)を2本配列し、両端部には導体端末露出部(t2)を設けて加熱融着し、2層目用のフラットケーブル体(10b)とする。そして、フラットケーブル体(10a、10b)の端末導体露出部(t1、t2)の面を同一面とし、端末部間スペース(s1)を設けて両フラットケーブル体を重ね合わせ、両面テープにて貼り合わせて多層(2層)フラットケーブル(20)とする。
【選択図】図2
Description
片面に熱融着性接着層(図示せず)を有する2枚の絶縁フィルム(1、1)を、接着層面を互いに内側にして、この間に複数本の平角導体(2)を所定間隔に並列配列し、両端部の導体(2)を所定長露出させて、接続端末部(端末導体露出部)(t)を設けて加熱融着させ、好ましくは該接続端末部(t)に補強テープ(h)を貼り付けフラットケーブル(10’)としている。この従来のフラットケーブルについては下記特許文献1に記載されている。
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、省スペース性と簡便な接続性という従来のフレキシブルフラットケーブルの利点を失うことなく、更なる高集積化を可能とする多層フレキシブルフラットケーブルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記多層フラットケーブルを構成する基本構成フラットケーブル体は、それぞれのピッチ、導体の種類、幅、絶縁フィルムの種類、芯数など、フラットケーブル体を成す構成を必要に応じて個別に選択してもよい。また、上記基本構成フラットケーブル体を貼り合わせる手段は、両面テープ、接着剤などが用いられるが、特に限定されるものではない。また、基本構成フラットケーブル体の接続端末部の補強テープの有無によって限定されるものではない。また例えば図3(b)に示す通り、多層の導体が横断面から見て直列している事に限定されるものではない。
上記第1観点の多層フラットケーブルでは、導体が単層のフラットケーブル体を基本構成単位とし、ケーブル長さ、導体数等が調製された基本構成フラットケーブル体の複数枚が、多層、例えば2層、3層に端末部間スペースを設けて重ね、貼り合わされた構造をしているため個別層の導体間の接触を防止でき、各層の導体間の絶縁信頼性を確保出来る。また、必要数の基本構成フラットケーブル体を重ね、貼り合わせる事によって、任意の多層構造をとる事ができ、必要な導体芯数を従来と同じ幅スペースに配列させる事が出来る。また導体が複数層であってもコネクターとの勘合が可能である構造を持った多層フラットケーブルとなる。なお、前記端末部間スペースは、コネクターとの関係で、例えば50μm〜2mmの幅である。
上記第2観点の多層フラットケーブルでは、導体が単層のフレキシブルフラットケーブル体を基本構成単位とし、ケーブル長さが、同一の長さ、若しくは長さ違いに調製され、また導体数等が調製された基本構成フラットケーブル体の2枚が、端末部間スペースを設けて2層に重ね、貼り合わされた構造をしており、それぞれの接続端末部は任意の端末部間スペースを設けているため個別層の導体間の接触を防止でき、各層の導体間の絶縁信頼性を確保出来る。また、基本構成ケーブル体を2層に重ねる事によって、必要な導体芯数を従来と同じ幅スペースに配列させる事が出来る。また導体が2層であってもコネクターとの勘合が可能である構造を持った多層フレキシブルフラットケーブルとなる。
上記第3観点の製造方法では、上記第1観点の多層フレキシブルフラットケーブルを効率良く製造することができる。
上記第4観点の製造方法では、上記第2観点の多層フレキシブルフラットケーブルを効率良く製造することができる。
図1は、本発明の多層フラットケーブルに用いる基本構成フラットケーブル体を示す斜視図である。図2は、本発明の多層フラットケーブルの第1実施形態(2層フラットケーブル)を示す略図であり、同図(a)は平面図、また同図(b)は同図(a)のx−x部の断面図である。また図3は、本発明の多層フラットケーブルの第2実施形態(3層フラットケーブル)を示す略図であり、同図(a)は平面図、また同図(b)は同図(a)のy−y部の断面図である。
これらの図において、1,1’,1a,1b,1c,1d,1e,1fは絶縁フィルム、2,2a,2b,2cは導体、10は基本構成フラットケーブル体、10aは1層目用のフラットケーブル体、10bは2層目用のフラットケーブル体、10cは3層目用のフラットケーブル体、20は多層フラットケーブル(2層フラットケーブル)、30は多層フラットケーブル(3層フラットケーブル)、s1,s2は端末部間スペース、t,t1,t2,t3は接続端末部(端末導体露出部)である。
―基本構成フラットケーブル体の製造―
本発明の多層フラットケーブルを構成する基本構成フラットケーブル体の製造について図1を用いて説明する。
片面に熱融着性接着層(図示せず)を有し、長さが導体の長さと同じ絶縁フィルム(1)と、該フィルム(1)よりも両端末導体露出部(t,t)の長さ分短くした絶縁フィルム(1’)の2枚の絶縁フィルム(1,1’)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2)を所定のピッチで3本配列し、両端部には接続端末部(端末導体露出部)(t,t)を設け、加熱融着させてフラットケーブル体(10)を製造した。なお、前記両端末導体露出部(t,t)は両端対称とした。
前記絶縁フィルム(1,1’)としては、例えばポリエステルラミネートフィルムが用いられる。また前記導体(2)としては、例えば銅平角銅線、錫−鉛合金めっき平角銅線、錫めっき平角銅線等が用いられる。なお、図1では導体の本数を3本としているが、特に限定されるものではなく、例えば2〜50本が用いられる。
本発明の多層(2層)フラットケーブルの製造について図2(a)、(b)を用いて説明する。なお各層のフラットケーブル体は上記した基本構成フラットケーブル体(10)に準じた構造としている。また1層用および2層目用のフラットケーブル体の長さは、多層に重ね、貼り合わせた際に、各層のケーブル体の接続端末部間に端末部間スペースができる長さに調製している。
1層目用のフラットケーブル体として、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有し、長さ違いの2枚の絶縁フィルム(1a)(幅10mm×長さ150mm×厚さ0.05mm)、(1b)(幅10mm×長さ140mm×厚さ0.05mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2a)として、厚さ0.05mm×幅0.7mmの錫めっき平角銅線をピッチ1mmで5本配列し、両端部には導体端末露出部(t1)を設けて加熱融着し、ケーブル全長が150mm、導体端末露出部長が各5mm、ケーブル幅が10mmのフラットケーブル体(10a)を製造した。
また2層目用のフラットケーブル体として、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有し、長さ違いの2枚の絶縁フィルム(1c)(幅10mm×長さ138mm×厚さ0.05mm)、(1d)(幅10mm×長さ128mm×厚さ0.05mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2b)として、厚さ0.05mm×幅0.7mmの錫めっき平角銅線をピッチ2mmで2本配列し、両端部には導体端末露出部(t2)を設けて加熱融着し、ケーブル全長が138mm、導体端末露出部長が各5mm、ケーブル幅が10mmのフラットケーブル体(10b)を製造した。前記2層目用フラットケーブル体(10b)の長さは、1層目用フラットケーブル体長さ−2×(接続端末部長さ+端末部間スペース長さ)である。
そして、前記1層目用フラットケーブル体(10a)と2層目用フラットケーブル体(10b)のそれぞれの端末導体露出部(t1)、(t2)の面を同一面とし、端末部間スペース(s1)を設けるため、フラットケーブル体(10a)の端末導体露出部(t1)より長手方向に、1.0mm中央寄りにフラットケーブル体(10b)を重ね合わせ、両面テープにて貼り合わせて多層(2層)フラットケーブル(20)を製造した。
―多層(3層)フラットケーブルの製造―
1層目用のフラットケーブル体として、上記実施例1と同じフラットケーブル体(10a)を用いた。
また2層目用のフラットケーブル体として、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有し、長さ違いの2枚の絶縁フィルム(1c)(幅10mm×長さ138mm×厚さ0.05mm)、(1d)(幅10mm×長さ128mm×厚さ0.05mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2b)として、厚さ0.05mm×幅0.7mmの錫めっき平角銅線をピッチ1mmで3本配列し、両端部には端末導体露出部(t2)を設けて加熱融着し、ケーブル全長が138mm、端末導体露出部長が各5mm、ケーブル幅が10mmのフラットケーブル体(10b)を製造した。前記2層目用フラットケーブル体(10b)の長さは、1層目用フラットケーブル体長さ−2×(接続端末部長さ+端末部間スペース長さ)である。
また3層目用のフラットケーブル体として、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有し、長さ違いの2枚の絶縁フィルム(1e)(幅10mm×長さ126mm×厚さ0.05mm)、(1f)(幅10mm×長さ116mm×厚さ0.05mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に導体(2c)として、厚さ0.07mm×幅1.0mmの平角銅線をピッチ3mmで2本配列し、両端部には端末導体露出部(t3)を設けて加熱融着し、ケーブル全長が126mm、導体端末露出部長が各5mm、ケーブル幅が10mmのフラットケーブル体(10c)を製造した。前記3層目用フラットケーブル体(10c)の長さは、2層目用フラットケーブル体長さ−2×(接続端末部長さ+端末部間スペース長さ)である。
そして、前記1層目用フラットケーブル体(10a)と2層目用フラットケーブル体(10b)のそれぞれの端末導体露出部(t1)、(t2)の面を同一面とし、端末部間スペース(s1)を設けるため、フラットケーブル体(10a)の端末導体露出部(t1)より長手方向に、1.0mm中央寄りにフラットケーブル体(10b)を重ね合わせ、接着剤にて貼り合わせた。
次いで、前記2層目用フラットケーブル体(10b)と3層目用フラットケーブル体(10c)のそれぞれの端末導体露出部(t2)、(t3)の面を同一面とし、フラットケーブル体(10b)の端末導体露出部(t2)より長手方向に、1.0mm中央寄りにフラットケーブル体(10c)を重ね合わせ、接着剤にて貼り合わせて端末部間スペース(s2)を設け、多層(3層)フラットケーブル(30)を製造した。
なお各層のフラットケーブル体は上記した基本構成フラットケーブル体(10)に準じた構造としている。
―多層(背面同士貼り合わせ2層)フラットケーブルの製造―
図示はしないが、厚さ0.05mm×幅0.7mmの錫めっき平角銅線をピッチ1mmで5本配列させた、ケーブル全長が150mm、導体端末露出部長が各5mm、ケーブル幅が10mmのフラットケーブル体の2枚を、端末導体露出面からみて背面同士を、ケーブルの長手方向において1mmずらして端末部間スペースを設け、それぞれの背面に予め塗工しておいた熱可塑性接着剤を接着させるに十分な熱を持ったロールによってラミネートして貼り合わせ、多層(背面同士貼り合わせ2層)フラットケーブルを製造した。
2,2a,2b,2c 導体
10 基本構成フラットケーブル体
10a 1層目用のフラットケーブル体
10b 2層目用のフラットケーブル体
10c 3層目用のフラットケーブル体
20 多層フラットケーブル(2層フラットケーブル)
30 多層フラットケーブル(3層フラットケーブル)
s1,s2 端末部間スペース
t,t1,t2,t3 接続端末部(端末導体露出部)
Claims (4)
- 片面に熱融着性接着層を有し、両端末の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルムを、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体を所定間隔に並列配置して加熱融着したフレキシブルフラットケーブル体を基本構成単位とし、この基本構成単位のフラットケーブル体の複数枚を多層に重ね、貼り合わせて成る多層フレキシブルフラットケーブルであって、
前記フラットケーブル体の複数枚は、それぞれを多層に重ね、貼り合わせた際に、各層のフラットケーブル体の接続端末部間に端末部間スペースができる長さに調製されており、またフラットケーブル体の端末導体露出面側の絶縁フィルム面と、次層となるフラットケーブル体の端末導体露出面側からみて背面側の絶縁フィルム面と、が端末部間スペースを設けて重ね、貼り合わされて成ることを特徴とする多層フレキシブルフラットケーブル。 - 片面に熱融着性接着層を有し、両端末の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルムを、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体を所定間隔に並列配置して加熱融着したフレキシブルフラットケーブル体を基本構成単位とし、この基本構成単位のフラットケーブル体の複数枚を多層に重ね、貼り合わせて成る多層フレキシブルフラットケーブルであって、
前記フラットケーブル体の2枚が、同一の長さ、若しくは長さ違いに調製されており、また2枚のフラットケーブル体の端末導体露出面側からみて背面側の絶縁フィルム面同士が、両接続端末部の先端部と先端部との間に端末部間スペースを設けて重ね、貼り合わされて成ることを特徴とする多層フレキシブルフラットケーブル。 - 請求項1記載の多層フレキシブルフラットケーブルの製造方法であって、
片面に熱融着性接着層を有し、両端部の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルムを、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体を所定間隔に並列配置して加熱融着したフレキシブルフラットケーブル体を多層フレキシブルフラットケーブルの基本構成単位として製造する場合、該フラットケーブル体の複数枚を多層に重ね、貼り合わせた際に、各層のフラットケーブル体の接続端末部間に端末部間スペースができる長さに調製して、多層分用のフラットケーブル体を製造し、次いでこれらフラットケーブル体を、順次、フラットケーブル体の導体露出面側の絶縁フィルム面と、次層となるフラットケーブル体の端末導体露出面側からみて背面側の絶縁フィルム面とを、端末部間スペースを設けて多層に重ね、貼り合わせて多層フレキシブルフラットケーブルを製造することを特徴とする多層フレキシブルフラットケーブルの製造方法。 - 請求項2記載の多層フレキシブルフラットケーブルの製造方法であって、
片面に熱融着性接着層を有し、両端部の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルムを、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体を所定間隔に並列配置して加熱融着したフレキシブルフラットケーブル体を多層フレキシブルフラットケーブルの基本構成単位として製造する場合、前記フラットケーブル体の長さを、同一の長さ、若しくは長さ違いに調製して2層分用のフラットケーブル体を製造し、次いでこれらフラットケーブル体を、それぞれの端末導体露出面側からみて背面側の絶縁フィルム面同士を、両接続端末部の先端部と先端部との間に端末部間スペースを設けて2層に重ね、貼り合わせて多層フレキシブルフラットケーブルを製造することを特徴とする多層フレキシブルフラットケーブルの製造方法。
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