JP5821846B2 - 周波数変換器およびそれを用いた受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、周波数変換器およびそれを用いた受信機に関し、特に、幅広い周波数にわたる所望信号、および、局部発振(LO:Local Oscillator)周波数の奇数次を含む様々な周波数、強度を持った妨害信号に対して、所望信号を周波数変換しつつ、妨害信号を除去することのできる、省面積、低消費電力な周波数変換器およびそれを用いた受信機に関する。
近年、汎用のハードウェアを用いることで、ソフトウェアの変更のみで無線通信規格を切り替えることが可能な、ソフトウェア無線の研究開発が盛んに行われている。ソフトウェア無線では、一般的に利用される数10MHzから数GHzにわたる無線周波数(RF:Radio Frequency)に対応する必要がある。
図1に、RF信号を受信する受信機の例として、非特許文献1に開示された受信機の構成を示す。この受信機では、受信RF信号は、アンテナを介して、帯域選択フィルタ280、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)281、RFトラッキングフィルタ282、および周波数変換器283からなるRF回路に入力される。帯域選択フィルタ280では、後段に続く回路が飽和しないよう、受信RF信号から不要な帯域の妨害信号を除去する(ただし、ここでは、所望信号周波数の近傍の周波数に位置する妨害信号を除去することはできない)。帯域選択フィルタ280を通過した受信RF信号は、LNA281において増幅され、RFトラッキングフィルタ282においてさらに妨害信号が抑圧された後、周波数変換器283において、クロック生成器284で生成されたクロックを用いて周波数変換されてから、ベースバンド部においてフィルタリングなどのさらなる信号処理が行われる。
ソフトウェア無線では、コストや回路面積の観点から、特性の異なる部品を実装し、無線通信規格に応じてそれらの部品を切り替えて利用するのは望ましくない。特に、チップ内に集積化するのが困難な帯域選択フィルタの個数削減は、ソフトウェア無線の実現に向けて、大きな技術課題となっている。帯域選択フィルタの個数を削減する方法としては、帯域選択フィルタの通過帯域幅を可変とする方法や、数10MHzから数GHzの信号を全て通過させる方法が考えられる。一方で、LNAの前段に配置される帯域選択フィルタには、高線形性と同時に低雑音特性が要求される。これらの特性に優れたフィルタとして、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタなどの受動フィルタがあるが、受動フィルタの通過帯域幅を調整することは難しい。
したがって、ソフトウェア無線用の受信機においては、広い通過帯域幅を持つSAWフィルタを帯域選択フィルタとして利用する構成が有望な選択肢となる。しかし、この構成の場合、所望信号周波数によっては、最大で所望信号周波数の数10倍の周波数に位置する妨害信号も、LNAや周波数変換器に入力されることになる。その結果、RF回路には、非常に大きな妨害信号にも耐えられる高い線形性が求められる。高い線形性を実現することは、CMOSプロセスの微細化が進み、電源電圧が低下し、RF回路のダイナミックレンジを圧迫する中で、非常に大きな技術課題となっている。
また、周波数変換器の技術課題としては、LO信号の高次の周波数近傍に位置する妨害信号が、LO信号の高調波成分や混合器の非線形性により、所望信号と同様にベースバンドに周波数変換されてしまう、ということが挙げられる。このような妨害信号は、一般的な周波数変換器が有する緩慢な周波数特性では除去しきれず、ダイナミックレンジを圧迫する。特に、LO信号のLO周波数が低い場合には、LO信号を正弦波で伝送することが困難であり、むしろ、矩形波で伝送した方が、回路面積や消費電力の観点から利点が大きくなる。ただし、矩形のLO信号には、奇数次高調波成分が多く含まれているため、上述の課題はLO周波数が低いほど、重大である。一方、LO信号の偶数次高調波の周波数に位置する妨害信号は、通常、受信機を差動構成にすることにより除去できるが、差動間に非対称性があると、十分に妨害信号を抑圧することが困難になり、やはり、ダイナミックレンジを圧迫する。
非特許文献1に開示された受信機では、周波数変換器283内の高調波除去混合器と呼ばれる混合器(図2)と、RFトラッキングフィルタ282と、を用いることで、上述のような問題を解決している。高調波除去混合器では、位相が45度ずつ異なる3相の矩形のLO信号を用いる。例えば、位相が0度であるベースバンド(ベースバンドI信号と呼ぶ)は、受信RF信号を、−45度、0度、45度のLO信号とそれぞれ乗算し、それらの乗算結果をそれぞれ1:√2:1の利得で重み付けして加算することで得られる。位相が90度であるベースバンド信号(ベースバンドQ信号と呼ぶ)は、受信RF信号を、45度、90度、135度のLO信号とそれぞれ乗算し重み付け加算することで得られる。同様に、ベースバンドI信号およびQ信号の反転信号を得るには、それぞれ、135度・180度・225度のLO信号および225度・270度・315度のLO信号が用いられる。すなわち、ベースバンドI信号およびQ信号を復調するために、45度刻みで計8相のLO信号を用いる。このように、45度刻みのLO信号を重み付け加算することにより、周波数変換器283の周波数変換利得は、LO位相45度分に対応する時間遅延をz−1と表したとき、(1+√2・z−1+z−2)となる。このことから、周波数変換器283は、(1+√2・z−1+z−2)いう3タップの有限インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタ特性を有することになる。このFIRフィルタは、標本化周波数がLO周波数の8倍であり、LO周波数の3倍と5倍の位置に、利得が零となる点(零点)を持つ。その結果、LO周波数の3,5次に位置する妨害信号を除去することが可能となる(図3)。
その他の例として、図2に示した高調波除去混合器を、より高次の高調波まで除去できるように一般化した構成の高調波除去混合器を持つ周波数変換器を図4に示す(特許文献1)。特許文献1に開示された高調波除去混合器は、共通のLO信号から、各々異なる角度分だけ移相させた個別LO信号で駆動される。この高調波除去混合器は、(2W−1−1)個の個別混合器を複数並べ(図4では、2n+1個)、各々の個別混合器の出力信号を加算して出力する。特に、各々の個別混合器を重み付けして加算する際の利得を、入力される個別LO信号の位相に対応する余弦値に比例した値とすることで、LO周波数の奇数次に位置する妨害信号を(2−3)次まで抑圧することができる。
特表2008−523734号公報
S. Lerstaveesin, et al., "A 48-860 MHz CMOS Low-IF Direct-Conversion DTV Tuner," IEEE J. Solid-State Circuits, vol. 43, no. 9, pp. 2013-2024, Sep. 2008.
しかしながら、非特許文献1に開示された周波数変換器および受信機には、いくつかの問題がある。
第1の問題点は、所望信号周波数が低く、LO信号の7次以上の高調波に位置する妨害信号が受信機内のRF回路のダイナミックレンジを圧迫してしまう場合であっても、このような妨害信号を除去することができないということである。あるいは、3次、5次の周波数からはずれた位置に存在する妨害信号を、十分抑圧することができないため、このような妨害信号がRF回路のダイナミックレンジを圧迫するということである。そこで、周波数変換器の前段で、中心周波数を所望信号周波数に合わせたRFトラッキングフィルタを用いることで、妨害信号を除去している。しかし、RFトラッキングフィルタとして受動フィルタを用いた場合は、その面積が課題となり、能動フィルタを用いた場合は、その消費電力が課題となっていた。逆に、所望信号周波数が低い場合であっても、妨害信号が存在しない場合には、多相のLO信号を用いた高調波除去受信機はむしろ不要であり、多相のLO信号の生成動作によって無駄な電力を消費することになってしまう。
第2の問題点は、所望信号周波数が比較的高く、その3倍の周波数にある妨害信号が予め前段の帯域選択フィルタで除去されているような状況では、やはり、8相以上のLO信号を用いた高調波除去混合器は不要であり、多相のLO信号の生成動作やRFトラッキングフィルタの動作によって無駄な電力を消費することになるということである。
また、特許文献1に開示された周波数変換器を有する受信機も、考えうる所望信号周波数や妨害信号の周波数、強度に対して、常に最適な受信機の構成を採り得ていないという点で、同様の課題を抱えている。しかし、その課題を解決する技術については、特許文献1には開示されていない。
そこで、本発明の目的は、幅広い周波数にわたる所望信号、および、LO周波数の奇数次を含む様々な周波数、強度を持った妨害信号に対して、所望信号を周波数変換しつつ、妨害信号を除去することのできる周波数変換器を、省面積、低消費電力で実現することにある。
また、本発明の他の目的は、幅広い周波数にわたる所望信号、および、LO周波数の奇数次を含む様々な周波数、強度を持った妨害信号に対して、RFトラッキングフィルタを用いることなく、所望信号を受信しつつ、妨害信号を除去することのできる受信機を、省面積、低消費電力で実現することにある。
本発明の周波数変換器は、
受信機に用いられる周波数変換器であって、
LO信号を生成して出力するLO信号生成器と、
前記受信機で使用される使用帯域内に帯域制限された受信信号を、LO信号との乗算により周波数変換して出力する混合器と、を有し、
前記LO信号生成器は、位相分解能が可変であり、
前記周波数変換器は、LO信号の各位相値における信号利得が可変であることを特徴とする。
本発明の受信機は、
前記周波数変換器と、
前記周波数変換器の前段に設けられ、受信信号を前記使用帯域内に帯域制限する帯域選択フィルタと、を有することを特徴とする。
本発明の周波数変換器は、LO信号生成器と、受信機の使用帯域内に帯域制限された受信信号をLO信号との乗算により周波数変換して出力する混合器と、を有し、LO信号生成器の位相分解能が可変であり、また、LO信号の各位相値における信号利得が可変であることを特徴としている。
そのため、LO周波数が低く、受信機の使用帯域内にLO信号の高調波が数多く存在し、周波数変換される妨害信号の強度が大きい場合には、その分だけ位相分解能を細かくし、高い次数のFIRフィルタ特性を実現することができるため、消費電力や面積の大きなRFトラッキングフィルタを用いることなく、LO信号の高調波近傍に位置する妨害信号を抑圧することができるという効果が得られる。
また、特定の周波数に非常に大きな妨害信号が存在する場合には、その周波数での周波数変換利得が十分小さくなるように、本周波数変換器の信号利得を制御することで、本周波数変換器の出力信号が、妨害信号によって飽和するのを防ぐことができるという効果が得られる。逆に、妨害信号が存在しなければ、位相分解能は粗いままでもよいので、最小限の位相分解能でLO信号を生成することができ、LO信号の生成に要する消費電力を抑えることができるという効果が得られる。
また、LO周波数が高く、受信機の使用帯域内に存在するLO信号の高調波が少なくて、周波数変換される妨害信号の強度が小さい場合には、その分だけ位相分解能を粗くし、低い次数のFIRフィルタ特性を実現することができるため、LO信号の生成に要する消費電力を抑えることができるという効果が得られる。
非特許文献1に開示された受信機の構成を示す図である。 非特許文献1に開示された混合器の構成を示す図である。 非特許文献1に開示された周波数変換器の信号波形を示す図である。 特許文献1に開示された周波数変換器の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器のLO信号波形の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器の周波数特性の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の混合器の具体的な回路構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の混合器を駆動するクロックのタイミングチャートである。 本発明の第1の実施形態のLO信号生成器の具体的な構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の可変周波数発振器の具体的な構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の位相計数器の信号波形を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器の具体的な構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態のDACの具体的な回路構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器のLO位相とタップ係数との関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器のLO信号波形の他の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器の周波数特性の他の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器のLO信号波形のさらに他の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の周波数変換器の周波数特性のさらに他の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態の周波数変換器の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態の計数器の回路構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態の周波数変換器の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態のPPFおよび計数器の回路構成の一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態の周波数変換器の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態の周波数変換器の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態の周波数変換器の具体的な構成の一例を示す図である。 本発明の第5の実施形態の個別混合器の具体的な回路構成の一例を示す図である。 本発明の第5の実施形態の個別混合器の具体的な回路構成の他の例を示す図である。 本発明の第5の実施形態の加算器の具体的な回路構成の一例を示す図である。 本発明の第5の実施形態の個別混合器の具体的な回路構成のさらに他の例を示す図である。 本発明の第5の実施形態の個別混合器の具体的な回路構成の別の例を示す図である。 本発明の第6の実施形態の受信機の構成を示す図である。 本発明の第7の実施形態の受信機の構成を示す図である。 本発明の第8の実施形態の受信機の構成を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する全ての図面において、同一の構成要素には同一の符号を付加し、適宜説明を省略する。
(1)第1の実施形態
図5に、本発明の第1の実施形態の周波数変換器の構成を示す。本実施形態の周波数変換器は、混合器10と、LO信号の位相分解能およびLO信号の各位相値における振幅値が可変である位相分解能可変振幅値可変LO信号生成器(以下、単に「LO信号生成器」と呼ぶ)11と、を有する。
本実施形態の周波数変換器は、一般的な受信機を構成する基本回路である。ここで、混合器10に入力される受信RF信号は、前段に設けられたSAWフィルタなどの帯域選択フィルタ(不図示)によって、受信機で使用される使用帯域内に帯域制限されており、それによって使用帯域外の妨害信号が予め除去されているものとする。
混合器10は、上述のように帯域制限された受信RF信号と、LO信号生成器11が出力する直交LO信号と、の乗算を行うことによって、受信RF信号を直交するベースバンド信号(ベースバンドI信号とベースバンドQ信号)に周波数変換して出力する。
LO信号生成器11は、LO周波数(LO信号の周波数。以下、同じ)に基づいて決められた位相分解能で、かつ、周波数変換器の周波数変換利得が、除去したい妨害信号の周波数で小さくなるように決められた振幅値を持つ波形を、直交LO信号として生成する。
LO信号生成器11に入力される位相分解能制御ワード(以下、単に「制御ワード」と呼ぶ)CW(Control Word)1は、LO信号生成器11の位相分解能を変えるための第1の制御信号に対応する。
また、タップ係数制御ワード(以下、単に「制御ワード」と呼ぶ)CW2は、LO信号の各位相値における周波数変換器の信号利得を変えるための第2の制御信号に対応する。
なお、本明細書では、LO信号の各位相値における周波数変換器の信号利得とは、LO信号が移相する過程で、各位相値になったときの周波数変換器の利得、すなわち、周波数変換器のある瞬間(時間スケールでは、LO信号のLO周期よりも短いスケール)の利得を意味するものとする。これに対して、周波数変換器の周波数変換利得とは、より長い時間スケール(LO信号のLO周期よりも十分に長いスケール)で見たときの周波数変換器のいわば平均的な利得を意味するものとする。
また、以下の説明では、本発明の周波数変換器を、ダイレクトコンバージョン型受信アーキテクチャの受信機に適用することを想定し、所望信号周波数(受信機の使用帯域内の周波数のうち、所望の情報が含まれている所望信号の周波数。以下、同じ)とLO周波数とは等しく、周波数変換後の所望信号は直流を中心とするベースバンド信号であるとする。ただし、本発明の周波数変換器は、所望信号周波数とわずかに異なるLO周波数のLO信号を用いることで、所望信号を十分低い中間周波数信号に周波数変換する低中間周波数型の受信機や、周波数変換を2回行うダブルスーパーヘテロダイン型の受信機など、帯域制限された信号の周波数変換を行う様々なアーキテクチャの受信機にも、まったく同様の方法で適用可能である。
以下、本実施形態の周波数変換器の動作を、具体的な数値例を用いて説明する。
ここでは、数値例として、受信機の使用帯域を40MHzから1000MHzとし、混合器10に入力される受信RF信号は、前段の帯域選択フィルタによって予め使用帯域内に帯域制限されていると仮定する。つまり、LO信号の高調波としては、最大で25次(=1000/40)の高調波まで考慮すればよく、(2N−3)=25となるNは14となる。設計のしやすさを考えると、Nは整数であるのが望ましく、小数になる場合や割り切れない場合は、それよりも大きな整数Nとする。より望ましくは、Nは2のべき乗とすると、回路構成が単純になる。したがって、この数値例では、もっとも高次の高調波を考慮する必要がある場合として、N=16(=2)とする。このとき、LO信号生成器11の位相分解能は、11.25度(=180度/16)となる。また、実現可能なFIRフィルタのタップ係数は、15(=16−1)タップとなる。
以下、様々な値の所望信号周波数に対する、本実施形態の周波数変換器の動作を説明する。ここでは、受信RF信号が受信機の使用帯域内にあり、かつ、LO信号の奇数次(3,5,7,9,…)に位置する妨害信号を除去したい場合の動作を説明する。
例えば、所望信号周波数が400MHzの場合、その3倍の周波数は1200MHzである。しかし、1200MHzに位置する妨害信号は、予め除去されているため、たとえLO信号の波形が矩形波であり、3次成分を多く含んでいても問題はない。このことから、(2N−3)=0とし、N=1.5、N=2(=2)、位相分解能は90度(=180度/2)となる。よって、LO信号波形は、図6(A)に示すように、90度刻みの計4相の波形となる。このとき、各位相値におけるLO信号の振幅値は、各々、その余弦値に比例した値となる。このLO信号波形の各位相値における振幅値は、0〜90度の間は1(=cos(0))、90〜180度の間は0(=cos(90))、180〜270度の間はー1(=cos(−180))、270〜360度の間は0(=cos(270))である。
また、所望信号周波数が200MHzの場合、その3倍、5倍の周波数である600MHz、1000MHzに位置する妨害信号は除去されていない。したがって、LO信号の3次、5次の高調波に位置する妨害信号は大きな問題となる。そのため、(2N−3)=5とし、N=4、N=4(=2)、位相分解能は45度(=180度/4)となる。よって、LO信号波形は、図6(B)に示すように、45度刻みの計8相の波形となる。また、タップ係数は3(=4−1)タップとなり、周波数変換器が有する3タップFIRフィルタ特性は、次の式(1)の伝達関数で表される。
Figure 0005821846
ここで、z−1=exp(j×2πf/N/fLO)で、fは周波数、fLOはLO周波数ある。また、周波数変換器の周波数特性は、図7(A)のようになる。
また、所望信号周波数が120MHzの場合、N=8(=2)、位相分解能は22.5度(=180度/8)となる。よって、LO信号波形は、図6(C)に示すように、22.5度刻みの計16相の波形となる。また、タップ係数は7(=8−1)タップとなり、7タップFIRフィルタ特性は、次の式(2)の伝達関数で表され、周波数特性は、図7(B)のようになる。
Figure 0005821846
また、所望信号周波数が40MHzの場合、N=16(=2)、位相分解能は11.25度(=180度/16)となる。よって、LO信号波形は、図6(D)に示すように、11.25度刻みの計32相の波形となる。また、タップ係数は15(=16−1)タップとなり、15タップFIRフィルタ特性は、次の式(3)の伝達関数で表され、周波数特性は、図7(C)のようになる。
Figure 0005821846
上述のように本実施形態の周波数変換器においては、所望信号周波数がいかなる場合においても、受信機の使用帯域内のLO信号の奇数次の位置に、常にFIRフィルタの零点が位置している。
そのため、受信機において、7次以上の奇数次の周波数に位置する妨害信号を抑圧するためのRFトラッキングフィルタは不要であり、面積や消費電力を抑えることができる。さらには、LO周波数が比較的高く、その3倍の周波数の位置にある妨害信号が予め除去されているような場合には、LO信号の分解能を粗くし、常に必要最小限の位相分解能でLO信号を生成するので、多相のLO信号を生成する必要がなくなり、LO信号生成器11の消費電力を抑えることができる。また、混合器はただ1個でよく、非特許文献1および特許文献1のように、個別混合器を多数並べていないので、省面積である。
本実施形態における混合器10の具体的な回路例を図8Aに示す。この混合器10は、電流源を負荷としたギルバートセルミキサ40と、スイッチトキャパシタ部41,42と、で構成される。ギルバートセルミキサ40は、一般にRF回路で利用されている混合器であり、LO信号入力端子には、LO信号生成器11で生成された波形(本実施形態の数値例では、余弦波または正弦波)が入力される。LO信号の振幅は、本混合器10の線形性が損なわれない範囲で、極力大きく取るのが望ましい。ギルバートセルミキサ40は、ベースバンドに周波数変換された信号を、負荷として接続されたスイッチトキャパシタ部41,42に対し、電流信号として出力する。スイッチトキャパシタ部41,42は、図8Bのタイミングチャートに示したクロック信号CK,CKB,S1,S2,S3,S4によって駆動される。ここで、スイッチトキャパシタ部41の動作を説明する。CKがハイレベルであるLO半周期の間、ギルバートセルミキサ40の出力する電流信号は、容量43に充電される、S3がハイレベルになると、容量43に充電された電荷は、容量45の電荷と共有され、S4がハイレベルになると、容量43の電荷は接地端子に捨てられ、初期状態に戻る。CKBがハイレベルである間は、容量44について、同様の信号処理がなされる。容量43,44が、容量45と比較して十分に大きければ、容量45の接続される出力端子においては、常に、ギルバートセルミキサ40が出力する電流を、LO半周期分だけ積分した電圧値が得られる。スイッチトキャパシタ部42の動作も、同様である。これにより、式(1)、(2)、(3)で示したFIRフィルタ特性に加え、LO半周期にわたる電流積分によるsincフィルタリングが実現できる。
本実施形態におけるLO信号生成器11の具体的な構成例を図9に示す。このLO信号生成器11は、可変周波数発振器50と、可変周波数発振器50の出力信号と制御ワードCW1とに応じた位相値を出力する位相計数器55と、位相計数器55から出力された位相値と制御ワードCW2とに応じた振幅値をLO信号として混合器10に出力する位相振幅値変換器56と、を有する。位相計数器55は、計数器51と、乗算器52と、で構成され、また、位相振幅値変換器56は、ルックアップテーブル(LUT:Look−Up Table)53と、デジタルアナログ変換器(DAC:Digital−to−Analog Convertor)54と、で構成される。
本実施形態における可変周波数発振器50の具体的な構成例を図10に示す。この可変周波数発振器50は、一般にRF回路で利用される位相同期回路による周波数シンセサイザであり、位相比較器60、フィルタ61、電圧制御発振器62、および分周器63で構成される。発振周波数は、分周器63の分周比を制御することで可変となる。入力信号には、安定して高精度の信号が得られる水晶発振波などが用いられる。本実施形態では、90度刻みの4相のLO信号を得る場合に、可変周波数発振器50をLO周波数の4倍で発振させている。したがって、本実施形態の数値例では、電圧制御発振器62は、最高で4000MHz(4相×1000MHz)の発振周波数となる。一方、最低の発振周波数は、11.25度刻みの32相、40MHzのLO信号が必要な場合で、1280MHz(32相×40MHz)となる。4相の信号を得るために、可変周波数発振器50を4倍の周波数で発振させることによって、可変周波数発振器50の出力信号のデューティ比が50%からずれている場合も、本実施形態では、計数器51が、後述のように、常に可変周波数発振器50の出力信号の立ち上がりのタイミングのみに同期して計数動作を行うため、90度刻みの4相の信号が高精度で得られる、という利点がある。
計数器51は、可変周波数発振器50の出力信号の立ち上がりのタイミングのみに同期して、1ずつカウントアップする計数動作を行い、計数結果を乗算器52に出力する。オーバーフローしたら、再び0からカウントアップする。計数器51のビット数Wは、LO周波数が最も低い場合に、LO信号の何次高調波までが使用帯域内に入るかによって決まり、Wビットで最大(2−3)次高調波までを除去することが可能である。つまり、LO周波数が最低のときの(2−1)次高調波が使用帯域外になるようにWを選ぶ。通常、Wは、5ビットか6ビットあれば十分である。本実施形態の数値例では、W=5ビットで十分であり、これにより29次の高調波まで除去できる。計数器51は、可変周波数発振器50の出力信号1周期(=1/fRef、ここでfRefは可変周波数発振器50の発振周波数)ごとに、0,1,2,3,…,31,0,1,2,…とカウントアップする。
乗算器52は、計数器51の出力と制御ワードCW1とを乗算し、乗算結果を位相値としてLUT53に出力する。CW1のビット数は、直交復調することを考えると、(W−2)ビットで表される。これは、LO信号の3次高調波が使用帯域外になるときであっても、90度刻みの4相のLO信号が必要であるから、つまり、位相計数器55の出力としては、少なくとも4状態が必要であるからである。上述のNは、(2W−1/CW)に対応する。Nを2のべき乗となるように選ぶことを考慮すると、CW1は2W−1よりも小さな2のべき乗の数(1,2,4,8,…)となり、可変周波数発振器50の周波数は、LO周波数の2のべき乗倍(2/CW)となる。CW1が2のべき乗である場合は、乗算器52は、単純なビットシフト演算器として実装できる。本実施形態の数値例では、CW1は3ビットデジタル値として、1,2,4,8のいずれかとなる。CW1は、所望信号周波数に応じて、LO信号の(2/CW1−1)次成分が使用帯域外となるように選ぶ。LO周波数が400MHzのときは、CW1=8でよい。このとき、乗算器52の出力値は、0,8,16,24,…,248となるが、DAC54に入力される下位5ビットだけに注目すると、計数器51が0から31までカウントアップする間に、0,8,16,24が8回繰り返される。つまり、LO周波数fLOおよび位相分解能ΔΦは、可変周波数発振器50の周波数fRefを用いて、fLO=fRef×8/32=fRef/4、ΔΦ=360×8/32=90度と表される。また、LO周波数が200MHzのときは、CW1=4とする。このとき、乗算器52の出力値は、0,4,8,16,…,124となり、下位5ビットだけに注目すると、0,4,8,12,…,28が4回繰り返される。すなわち、fLO=fRef/8、ΔΦ=45度である。また、LO周波数が120MHzのときは、CW1=2とし、fLO=fRef/16、ΔΦ=22.5度であり、LO周波数が40MHzのときは、CW1=1とし、fLO=fRef/32、ΔΦ=11.25度となる。これらを一般化すると、LO信号の周波数fLOと、位相分解能ΔΦは、次の式(4)で表される。
Figure 0005821846
つまり、CW1を2倍にすると、LO周波数は2倍に速くなり、位相分解能は2倍に粗くなる。CW1=8,4,2,1のときの位相計数器46の出力を、それぞれ、図11(A),(B),(C),(D)に示した。
なお、本実施形態の位相計数器55は、計数器51のビット数を固定とし、制御ワードCW1に応じて乗算器52でビットシフト演算をしているが、CW1に応じて、計数器51のビット数自体を変えることによっても、同様の効果が得られる(この場合、乗算器52は不要になる)。例えば、CW1=8のときは2ビット計数器、CW1=4のときは3ビット計数器、CW1=2のときは4ビット計数器、CW1=1のときは5ビット計数器とする、という具合である。
ここまで説明したように、可変周波数発振器50の周波数および位相計数器55の位相分解能は、LO周波数に応じて決定される。したがって、本実施形態の周波数変換器を、図12に示すように、位相計数器55に対しては制御ワードCW1を出力し、可変周波数発振器50に対しては周波数制御信号を出力する周波数位相制御器80を有する構成にすることが可能である。
LUT53は、各位相値(デジタル値)ごとに、その位相値に対応する振幅値(デジタル値)を保持する。この振幅値は、制御信号CW2を介して可変であり、妨害信号の周波数や強度に応じて決定される。
LUT53は、位相計数器55の出力する位相値を、その位相値に対応する振幅値に変換してDAC54に出力する。本実施形態のように、LO周波数の奇数次に位置する妨害信号を除去したい場合は、位相計数器55の出力する位相値は、その位相値に対応する正弦値または余弦値に変換される。具体的には、W=5ビット、CW=2=8のとき、位相計数器55から位相値として出力される値は、0,8,16,24であり、これは、位相に直すと0,90,180,270度に対応する。したがって、LUT53は、余弦値として、それぞれcos(0o)=1、cos(90o)=0、cos(180o)=−1、cos(270o)=0をデジタル値として出力する。もちろん、これと直交するLO信号が得たければ、位相値に対応する正弦値を出力するようにする。LUT53のビット数Mは、LO信号の高調波をどれくらい抑圧したいかによって決まり、高調波を0.1%以下に抑えたければ10ビットが必要である。
DAC54は、LUT53の出力する振幅値をデジタル値からアナログ値に変換して混合器10に出力する。このDAC54の出力する信号は、階段状のアナログ信号となる。DAC54の具体的な回路例を図13に示す。このDAC54は、入力されたバイナリコードを、温度計コードに変換し、それに応じて、電流源の接続先を、正の出力端子か、負の出力端子かに切り替える構成である。出力信号は、電流信号を、負荷抵抗で電圧に変換することによって得られる。負荷抵抗と並列に接続された容量は、デジタル信号のフィードスルーなど、不要なスプリアス成分を除去するためのものである。DAC54のビット数は、LUT53のビット数と同じである。本実施形態においては、LO信号は、LO周波数に関わらず、DAC54にてアナログ信号に変換されるまでは、2値の矩形のデジタル信号として伝送される。このようなデジタル信号の伝送は、近年の微細CMOSプロセスを用いることで、省面積、省電力で実現可能である。なお、この他にも、バイナリで重み付けした電流源や抵抗を用いるDACや、抵抗値Rの抵抗と抵抗値2Rの抵抗とをはしご型に接続した、一般的に言われるところのR−2Rはしご型のDACなども、本実施形態の効果を損なうことなく、DAC54として適用することが可能である。
ここまで、LO信号の奇数次に位置する妨害信号を除去したいとし、LO信号を、LO周波数に応じて決定された位相分解能で、正弦波または余弦波を近似した波形とした。
それにより、本実施形態の周波数変換器は、LO奇数次の周波数の位置に零点を有するFIRフィルタ特性を有していた。これは、FIRフィルタのタップ係数として、LO信号の各位相に対して、図14(A)のように、余弦値(または正弦値)に比例する値をとる係数を選んだことに対応する。しかし、FIRフィルタのタップ係数を変えれば、それ以外のFIRフィルタ特性を実現することも可能である。その他の簡単なFIRフィルタの例として、図14(B)のように、各位相値に対する1次関数で表されるタップ係数を選ぶことができる。これは、図15のように、三角波を近似したLO信号を用いることに対応している。このときのFIRフィルタ特性は、図16に示すように、LO周波数の4,8,12,…倍の周波数に零点を有する(電流積分によるsincフィルタリングの効果は図示していない)。図16では、零点の数が、図7と比較して半分になっているが、これは、2つの零点を1つにまとめたことに起因しており、その分、ノッチの幅は広く、深さは深くなっており、より大きな減衰量が得られる。したがって、4の倍数次の位置に大きな妨害信号があることが予め分かっている場合には非常に有用である。3,7,15タップのときの伝達関数は、それぞれ、以下に示す式(5)、(6)、(7)のようになる。
Figure 0005821846
Figure 0005821846
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タップ係数を変えれば、4,8,12,…倍以外の周波数においても、複数の零点の位置を合わせることによって、より幅が広く、減衰量の多きなFIRフィルタ特性を実現することも可能である。
また、別の簡単な例として、図14(C)のように、0あるいは正の値の2値(または、0あるいは負の値の2値)で表されるタップ係数を選ぶことができる。これは、図17のように、矩形波のLO信号を用いることに対応している。このときのFIRフィルタ特性は、図18に示すように、標本化周波数の半分の周波数を除く、LO周波数の偶数次に零点を有する(電流積分によるsincフィルタリングの効果は図示していない)。したがって、混合器10の偶数次の非線形性が大きな場合や、偶数次の位置にあらかじめ大きな妨害信号が分かっている場合には、非常に有用である。3,7,15タップのときの伝達関数は、それぞれ、以下に示す式(8)、(9)、(10)のようになる。これらの式は、z−1の奇数次の係数が0になっており、実質、2点、4点、8点の移動平均を取っているのと等価である。
Figure 0005821846
Figure 0005821846
Figure 0005821846
(2)第2の実施形態
図19に、本発明の第2の実施形態の周波数変換器の構成を示す。本実施形態の周波数変換器は、第1の実施形態と比較して、位相計数器55において、計数器150を、可変周波数発振器50の出力信号の立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングに同期して計数動作をさせている点が異なる。これにより、計数器150は、可変周波数発振器50の2倍の周波数で動作することになるので、可変周波数発振器50の周波数範囲は、第1の実施形態と比較して半分となり、第1の実施形態の数値例では、640MHzから2000MHzの周波数範囲となる。その結果、可変周波数発振器50および計数器150の駆動回路の消費電流を抑えることができる。
本実施形態における計数器150の具体的な回路例を図20に示す。この計数器150は、縦続接続された遅延型フリップフロップ(DFF:D−type Flip−Flop)からなるシフトカウンタと、シフトカウンタの出力信号をバイナリのデジタル信号に変換するデコーダと、で構成される。縦続接続されたDFFの各々のクロック入力端子には、0度と180度のクロックが交互に入力されているため、実効的には入力されるクロックの2倍の周波数で動作する。本シフトカウンタは、入力クロックの半分の周期だけ位相がずれた、デューティ比が50%である、多相のクロックを出力する。デコーダは、これら多相クロックを、これら多相クロックの位相状態に対応するバイナリデジタル信号に変換する。例えば、16個のDFFを並べれば、32相のクロックが得られ、それをデコードすれば5ビットのバイナリ信号が得られる。なお、図中には、反転素子161が図示されているが、可変周波数発振器50が差動出力であれば、この反転素子161は不要である。
(3)第3の実施形態
図21に、本発明の第3の実施形態の周波数変換器の構成を示す。本実施形態の周波数変換器は、第1および第2の実施形態と比較して、位相計数器55において、可変周波数発振器50の出力信号を、多相フィルタ(PPF:Poly−Phase Filter)170を用いて90度刻みの4相にし、その4相の信号で計数器171を駆動している点が異なる。これにより、計数器1711は、可変周波数発振器50の周波数の4倍で動作するため、可変周波数発振器50の周波数範囲は、第2の実施形態のさらに半分となり、第1の実施形態の数値例では、320MHzから1000GHzの周波数範囲となる。その結果、可変周波数発振器50および計数器171の駆動回路の消費電流を抑えることができる。ただし、PPF170で、高精度に90度刻みの計4相のクロックを得るには、LO周波数に応じてPPF170の時定数を変える必要がある。
本実施形態におけるPPF170および計数器171の具体的な回路例を図22に示す。この計数器171は、縦続接続されたDFFからなるシフトカウンタと、シフトカウンタの出力信号をバイナリのデジタル信号に変換するデコーダと、で構成される。PPF170は、抵抗と容量による移相を利用して、2相の入力から、90度刻みの4相の信号を出力する。本シフトカウンタは、図20のシフトカウンタと比較して、縦続接続されたDFFの各々のクロック入力端子には、PPF170から0,90,180,270度のクロックが循環的に入力されているため、実効的には入力されるクロックの4倍の周波数で動作する点が異なる。本シフトカウンタは、入力クロックの4分の1の周期分だけ位相がずれた、デューティ比が50%である、多相のクロックを出力する。デコーダは、これら多相クロックを、これら多相クロックの位相状態に対応するバイナリデジタル信号に変換する。必要なDFFの個数は、第2の実施形態と同様である。なお、図中には、反転素子182が図示されているが、可変周波数発振器50が差動出力であれば、この反転素子182は不要である。
(4)第4の実施形態
図23に、本発明の第4の実施形態の周波数変換器の構成を示す。本実施形態の周波数変換器は、第1から第3の実施形態と比較して、位相計数器55として、計数器および乗算器を用いる代わりに、位相計数器55から出力された振幅値と制御ワードCW1とを加算する加算器190と、加算器190から出力された加算結果を、可変周波数発振器50の出力信号の信号周期だけ遅延させた上で、位相値としてLUT53に出力する遅延器191と、を用いた点が異なる。本実施形態のLO信号生成器11は、一般的に用いられる直接デジタルシンセサイザ(DDS:Direct Digital Synthesizer)の構成である。加算器190および遅延器191のビット数Wは、第1から第3の実施形態の計数器のビット数と同じであり、5ビットか6ビットあれば十分である。この点が、消費電力の大きな28ビットや32ビットの位相計数器が必要となる、一般のDDSとは大きく異なる点である。なお、本実施形態のように、加算器および遅延器を用いた構成でも、第2または第3の実施形態と同様の方法で、遅延器191を差動で駆動したり、4相で駆動したりすることで、可変周波数発振器50の周波数を、第1の実施形態の半分または4分の1にすることも可能である。
(5)第5の実施形態
図24に、本発明の第5の実施形態の周波数変換器の構成を示す。本実施形態の周波数変換器は、混合器200と、LO信号の位相分解能が可変である位相分解能可変LO信号生成器(以下、単に「LO信号生成器」と呼ぶ)201と、を有する。本実施形態の周波数変換器は、第1から第4の実施形態と比較して、LO信号の各位相値に対する信号利得の制御を、LO信号生成器201ではなく、混合器200で行っている点が異なる。したがって、制御ワードCW2は、混合器200に入力されている。
本実施形態の周波数変換器の具体的な構成例を図25に示す。
LO信号生成器201は、可変周波数発振器50と、位相計数器55と、一致検出器219と、で構成される。
一致検出器219は、位相計数器55から出力された位相値と予め指定された位相値とが一致することを検出した場合、2値の個別LO信号を混合器200に出力する、複数の個別一致検出器(不図示)で構成される。この個別一致検出器は、平易なデジタル回路で構成可能である。
混合器200は、複数の個別混合器210〜217と、加算器218と、で構成される。
個別混合器210〜217は、複数の個別一致検出器に対応して設けられ、対応する個別一致検出器から入力される個別LO信号の位相に対応する信号利得を持っている。この信号利得は、制御信号CW2を介して可変であり、その値は、妨害信号の周波数や強度に応じて決定される。
個別混合器210〜217は、対応する個別一致検出器から入力される個別LO信号と受信RF信号とを乗算し、その個別LO信号の位相に対応する信号利得で乗算結果を重み付けする。
加算器218は、個別混合器210〜217から出力された、重み付けされた乗算結果を加算して出力する。
なお、LO波形が十分な振幅を持った矩形であるため、個別混合器210〜217としては、線形性に優れ、かつ、信号利得が取りやすく小さな雑音指数が実現しやすいスイッチング混合器を使用することができる。また、DACを用いている第1から第4の実施形態と比較して、LO信号を2値の矩形波として伝送している経路がさらに増えるので、より省面積、より省電力である、という利点がある。
以下、本実施形態の周波数変換器の動作を、第1の実施形態の数値例を用いて説明する。すなわち、受信機の使用帯域は40MHzから1000MHzであり、Wは5ビット、CW1は3ビットデジタル値である。また、除去したい妨害信号は、LO信号の奇数次の周波数に位置しているとする。
個別混合器210〜217の信号利得は、それぞれ、A=cos(0)、A=cos(11.25)、A=cos(22.5)、A=cos(33.75)、A=cos(45)、A=cos(56.25)、A=cos(67.5)、A=cos(78.75)に比例しており、計8種類が必要である。一般には、2W−2個の個別混合器が必要であり、それら各個別混合器の信号利得は、kを0から(2W−2−1)の整数として、A=cos(360×k/2W−2)で表される。この個別混合器の数は、特許文献1の混合器が(2W−1−1)個の個別混合器が必要だったのと比較して、約半分になっている。これは、個別LO信号の各々がそれぞれ互いに同時にハイレベルにならないため、信号利得の等しい個別混合器を共用できるからである。これによって、個別混合器の面積や電流が削減できるほか、本来は等しい信号利得を有していてほしい個別変換器の信号利得が、製造工程における揺らぎなどの影響を受けてばらついてしまうのを防ぐことができる。
一致検出器219は、個別混合器210に、位相計数器55の出力が0(位相0に対応)のときのみにハイレベルとなり、それ以外の場合はローレベルの2値矩形波を、個別LO信号として供給する。同様に、1または31のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器211に供給し、2または30のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器212に供給し、3または29のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器213に供給し、4または28のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器214に供給し、5または27のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器215に供給し、6または26のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器216に供給し、7または25のとき(位相±11.25に対応)のみハイレベルとなる矩形波を個別混合器217に供給する。各々がFIRフィルタのタップ係数に対応する信号利得を有する個別混合器210〜217の出力を加算器218で加算することにより、矩形の個別LO信号を用いながら、擬似的に余弦波を模したLO信号による周波数変換を実現できる。すなわち、受信機の使用帯域内であり、かつ、LO奇数次の周波数に位置する妨害信号を除去できる。なお、ここでの説明は、ベースバンドI信号を得るための動作説明であり、LO信号の位相を90度ずらして動作させれば、ベースバンドQ信号が、180度ずらして動作させればベースバンドI信号の反転信号が、270度ずらして動作させればベースバンドQ信号の反転信号が、それぞれ得られる。
以下、様々な値の所望信号周波数に対する、本実施形態の周波数変換器の動作を説明する。
まず、所望信号周波数が400MHzの場合を考える。この場合、所望信号周波数の3倍の周波数に位置する妨害信号は、前段の帯域選択フィルタによって予め除去されている。このとき、CW1=8であり、位相計数器55の出力は0,8,16,24である。したがって、動作する個別混合器は210のみである。位相計数器55の出力が16の時には、ベースバンドI信号の反転信号が得られることも考慮すると、本実施形態の動作により、擬似的に再現されるLO信号波形は図6(A)に一致する。
次に、所望信号周波数が200MHzの場合を考える。この場合、所望信号周波数の5倍の周波数に位置する妨害信号までが、混合器200に入力される。このとき、CW1=4であり、位相計数器55の出力は、0,4,8,…,28である。したがって、動作する個別混合器は、210と214である。やはり、LO信号の位相が180度ずれたときには、ベースバンドI信号の反転信号が得られることも考慮すると、擬似的に再現されるLO信号波形は図6(B)に一致する。
同様に、所望信号周波数が120MHzの場合は、CW1=2であり、個別混合器210,212,214,216が動作し、擬似的に再現されるLO信号波形は図6(C)に一致する。また、所望信号周波数が40MHzの場合は、CW1=1であり、全ての個別混合器210〜217が動作し、擬似的に再現されるLO信号波形は図6(D)に一致する。
本実施形態における個別混合器210〜217の具体的な回路例を図26Aおよび図26Bに示す。図26Aは、電圧電流変換器220とスイッチングペア221とで構成される個別混合器の例である。この例では、電圧電流変換器220において、RF受信信号(RF電圧信号)に対して電圧電流変換を行い、スイッチングペア221において、RF電流信号をベースバンドの電流信号に変換して出力する。周波数変換利得は、電圧電流変換器220の電圧電流変換利得によって変えられる。図26Bは、スイッチングペア222と電圧電流変換器223とで構成される個別混合器の例である。この例では、スイッチングペア222において、RF受信信号(RF電圧信号)をベースバンドの電圧信号に変換し、電圧電流変換器223において、ベースバンドの電圧信号に対して電圧電流変換を行う。周波数変換利得は、電圧電流変換器223の電圧電流変換利得によって変えられる。すなわち、図26Aは、RF信号に対して電圧電流変換を行うのに対し、図26Bは、ベースバンド信号に対して電圧電流変換を行っており、この点で両者は異なる。
本実施形態における加算器218の具体的な回路例を図27に示す。この加算器108は、演算増幅器230と、スイッチトキャパシタ部231,232と、容量233,234と、で構成されるトランスインピーダンス増幅器である。演算増幅器230の正の入力端子には、個別混合器210〜217からの電流が流れ込み、その合計の電流がスイッチトキャパシタ部231を流れる。その結果、演算増幅器230の上側の出力端子からは、流れ込んだ電流を加算した値に比例する電圧が出力される。一方、演算増幅器230の負の入力端子には、正端子とは逆の電流が流れ込み、その結果、演算増幅器230の下側の出力端子からは、逆の電圧が出力される。容量素子233,234は、不要な妨害信号を除去するために用いられる。スイッチトキャパシタ部231,232の動作は、図8Aに示したスイッチトキャパシタ部41,42と同様であり、スイッチトキャパシタ部231,232を駆動するクロックの波形も、図8Bの波形と同様である。
なお、本実施形態の周波数変換器に入力される受信RF信号がRF電流信号である場合には、個別混合器210〜217を、図28Aまたは図28Bに示す構成にすることも可能である。この場合、個別混合器210〜217を構成するのは、スイッチングペア221または222と、電流信号を電圧信号に変換するための個別負荷抵抗240または242と、電圧信号を再度電流信号に変換するための個別電圧電流変換器241または243と、である。FIRフィルタのタップ係数に対応する、個別混合器210〜217の信号利得の可変機能は、図28Aでは個別負荷抵抗240を可変とすることで、図28Bでは個別電圧電流変換器243の電圧電流変換利得を可変とすることで、それぞれ実現している。個別混合器210〜217の出力を加算する加算器218(図25)は、図8Aで示したスイッチトキャパシタ部41,42や、図27で示した演算増幅器230を用いたトランスインピーダンス増幅器で構成可能である。
(6)第6の実施形態
図29に、本発明の第6の実施形態の受信機の構成を示す。本実施形態の受信機は、第1から第5の実施形態のいずれかで示した混合器10およびLO信号生成器11と、受信RF信号を受信機の使用帯域内に帯域制限する帯域選択フィルタ250と、LNA251と、混合器10の出力信号から所望信号周波数近傍の周波数に位置する妨害信号を除去するチャネル選択フィルタ252と、で構成される。
本実施形態の受信機は、ただ1つの帯域選択フィルタ250を用い、RFトラッキングフィルタを用いることなく、LO信号の奇数次を含む、様々な周波数の妨害信号を除去することができる。なお、通信に必要とされる信号対雑音比によっては、LNA251は必ずしも必要ない。また、混合器10の後段に、アナログデジタル変換器を設け、チャネル選択フィルタ252の機能をデジタル回路で実現することも可能である。
なお、第5の実施形態の周波数変換器を用いた受信機も、同様に構成可能である。
(7)第7の実施形態
図30に、本発明の第7の実施形態の受信機の構成を示す。本実施形態の受信機は、第6の実施形態と比較して、チャネル選択フィルタ252の出力信号の電力を検出する電力検出器260と、LO信号生成器11に入力する制御ワードCW1およびCW2を制御する制御器261と、を追加した点が異なる。制御器261は、通信開始前に、受信機の使用帯域(帯域選択フィルタ250の通過帯域)内でLO周波数を掃引することで、LO周波数ごとのチャネル選択フィルタ252の出力信号の電力を表す電波強度分布を検知し、検知した電波強度分布に応じて、LO信号生成器11の位相分解能および各位相値におけるLO信号の振幅値を制御する。したがって、制御器261は、図12で示した周波数位相制御器80の機能を兼ねる(図30では、可変周波数発振器を制御するための、周波数制御信号は図示していない)。
以下、本実施形態の受信機の動作を、第1の実施形態の数値例を用いて説明する。
例えば、LO周波数の3倍、5倍の周波数が、受信機の使用帯域内であったとしても、通信開始前に検知した電波強度分布から、その周波数に位置する妨害信号の電波強度が十分低いことが分かっていれば、CW1=8のままでも、所望信号を歪ませることなく受信できる。つまり、LO信号生成器11に求められる位相分解能は粗くてもよく、その分、可変周波数発振器50の発振周波数などで消費される電流を抑えることができる。別の例では、LO信号の4倍の位置に強度の大きな妨害信号がある場合は、その位置に零点が配置されるようなFIRフィルタになるように、制御信号CW2を介してFIRフィルタのタップ係数を更新する。これにより、大きな妨害信号は除去されるので、後段に続くフィルタなどの回路のダイナミックレンジを圧迫することがなくなる。その他にも、本実施形態の受信機は、電波強度分布を検知し、使用されていない帯域を使って通信する、コグニティブ無線にも適用可能である。
(8)第8の実施形態
図31に、本発明の第8の実施形態の受信機の構成を示す。本実施形態の受信機は、第7の実施形態と比較して、新たに混合器270、LO信号生成器271、およびチャネル選択フィルタ272を追加した点が異なる。本実施形態の構成では、通信中、LO周波数が固定されたLO信号生成器271とは独立に、LO信号生成器11の周波数を掃引できるので、通信中にも使用帯域内の電波強度分布を検知することが可能である。制御器261から、LO信号生成器271に入力される信号(点線)は、使用帯域内の電波強度分布に応じて、適宜CW1,CW2が更新されることを意味している(図31では、可変周波数発振器50を制御するための、周波数変換信号は図示していない)。これにより、通信中に時間変化する電波強度分布に応じて、最適な位相分解能およびタップ係数を設定することができる。
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
受信機に用いられる周波数変換器であって、
LO信号を生成して出力するLO信号生成器と、
前記受信機で使用される使用帯域内に帯域制限された受信信号を、LO信号との乗算により周波数変換して出力する混合器と、を有し、
前記LO信号生成器は、位相分解能が可変であり、
前記周波数変換器は、LO信号の各位相値における信号利得が可変であることを特徴とする周波数変換器。
(付記2)
前記LO信号生成器の位相分解能は、LO信号のLO周波数に応じて決定されることを特徴とする、付記1に記載の周波数変換器。
(付記3)
LO周波数の(2N−3)次までが前記使用帯域内にある場合、N以上の整数Nに対し、前記LO信号生成器の位相分解能を180/Nとすることを特徴とする、付記2に記載の周波数変換器。
(付記4)
前記Nは2のべき乗であることを特徴とする、付記3に記載の周波数変換器。
(付記5)
LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、妨害信号に対する前記周波数変換器の周波数変換利得が小さくなるように決定されることを特徴とする、付記1から4のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記6)
LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、該位相値における正弦値または余弦値に比例することを特徴とする、付記1から5のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記7)
LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、該位相値に対する1次関数で表されることを特徴とする、付記1から5のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記8)
LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、0あるいは正の値の2値、または、0あるいは負の値の2値をとることを特徴とする、付記1から5のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記9)
前記周波数変換器の信号利得は、LO信号の各位相値に対して、LO信号の振幅値を制御することで、可変とすることを特徴とする、付記1から8のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記10)
前記LO信号生成器は、
可変周波数発振器と、
前記可変周波数発振器の出力信号と、前記LO信号生成器の位相分解能を変えるための第1の制御信号と、に応じた位相値を出力する位相計数器と、
前記位相計数器から出力された位相値と、LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得を変えるための第2の制御信号と、に応じた振幅値をLO信号として前記混合器に出力する位相振幅値変換器と、を有することを特徴とする、付記9に記載の周波数変換器。
(付記11)
前記位相計数器は、
前記可変周波数発振器の出力信号に同期して計数動作を行い、該計数結果を出力する計数器と、
前記計数器から出力された計数結果と前記第1の制御信号とを乗算し、該乗算結果を前記位相値として前記位相振幅値変換器に出力する乗算器と、を有することを特徴とする、付記10に記載の周波数変換器。
(付記12)
前記乗算器は、
ビットシフト演算器であることを特徴とする、付記11に記載の周波数変換器。
(付記13)
前記位相計数器は、
前記第1の制御信号に応じてビット数が変わる計数器を有し、
前記計数器は
前記可変周波数発振器の出力信号に同期して計数動作を行い、該計数結果を前記位相値として前記位相振幅値変換器に出力することを特徴とする、付記10に記載の周波数変換器。
(付記14)
前記位相計数器は、
前記位相計数器から出力される位相値と前記第1の制御信号とを加算し、該加算結果を出力する加算器と、
前記加算器から出力された加算結果を、前記可変周波数発振器の出力信号に同期して遅延させた上で前記位相値として前記位相振幅値変換器に出力する遅延器と、を有することを特徴とする、付記10に記載の周波数変換器。
(付記15)
前記位相振幅値変換器は、
LO信号の各位相値ごとに、該位相値に対応する振幅値を保持し、前記位相計数器から出力された位相値を、該位相値に対応する振幅値に変換して出力するルックアップテーブルと、
前記ルックアップテーブルから出力された振幅値をデジタルからアナログに変換し、変換した振幅値をLO信号として前記混合器に出力するデジタルアナログ変換器と、を有し、
前記ルックアップテーブルが保持する各位相値ごとの振幅値は、前記第2の制御信号を介して可変であることを特徴とする、付記10から14のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記16)
前記周波数変換器の信号利得は、LO信号の各位相値に対して、受信信号に対する利得を制御することで、可変とすることを特徴とする、付記1から8のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記17)
前記LO信号生成器は、
可変周波数発振器と、
前記可変周波数発振器の出力信号と、前記LO信号生成器の位相分解能を変えるための第1の制御信号と、に応じた位相値を出力する位相計数器と、
前記位相計数器から出力される位相値が予め指定された位相値と一致することを検出した場合、2値の個別LO信号を前記混合器に出力する複数の個別一致検出器と、を有し、
前記混合器は、
前記複数の個別一致検出器に対応して設けられ、対応する個別一致検出器からの個別LO信号と受信信号とを乗算し、該個別LO信号の位相に対応する利得で該乗算結果を重み付けして出力する複数の個別混合器と、
前記複数の個別混合器から出力された、重み付けされた乗算結果を加算して出力する加算器と、を有し、
前記複数の個別混合器の各々の利得は、前記第2の制御信号を介して可変であることを特徴とする、付記16に記載の周波数変換器。
(付記18)
前記可変周波数発振器の出力信号の周波数は、前記LO信号のLO周波数の整数倍であることを特徴とする、付記10〜15、17のいずれか1項に記載の周波数変換器。
(付記19)
前記可変周波数発振器の出力信号の周波数は、前記LO信号のLO周波数の2のべき乗倍であることを特徴とする、付記18に記載の周波数変換器。
(付記20)
付記1から19のいずれか1項に記載の周波数変換器と、
前記周波数変換器の前段に設けられ、受信信号を前記使用帯域内に帯域制限する帯域選択フィルタと、を有することを特徴とする受信機。
(付記21)
前記周波数変換器の出力信号から、所望信号周波数近傍の妨害信号を除去するチャネル選択フィルタと、
前記チャネル選択フィルタの出力信号の電力を検出する電力検出器と、
前記LO信号生成器のLO周波数を掃印することによって得られる、LO周波数ごとの前記チャネル選択フィルタの出力信号の電力に応じて、前記LO信号生成器の位相分解能および前記周波数変換器のLO信号の各位相値における信号利得を制御する制御器と、をさらに有することを特徴とする、付記20に記載の受信機。
(付記22)
前記周波数変換器および前記チャネル選択フィルタをそれぞれ2つ以上有することを特徴とする、付記21に記載の受信機。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本出願は、2010年6月29日に出願された日本出願特願2010−147497を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (7)

  1. 受信機に用いられる周波数変換器であって、
    LO信号を生成して出力するLO信号生成器と、
    前記受信機で使用される使用帯域内に帯域制限された受信信号を、LO信号との乗算に
    より周波数変換して出力する混合器と、を有し、
    前記LO信号生成器は、位相分解能が可変であり、
    前記周波数変換器は、LO信号の各位相値における信号利得が可変であり、
    前記信号利得は、使用帯域内に含まれる妨害信号の周波数と強度に基づき決定され、
    前記周波数変換器の信号利得は、LO信号の各位相値に対して、LO信号の振幅値を制御することで、可変とし、
    前記LO信号生成器は、
    可変周波数発振器と、
    前記可変周波数発振器の出力信号と、前記LO信号生成器の位相分解能を変えるための第1の制御信号と、に応じた位相値を出力する位相計数器と、
    前記位相計数器から出力された位相値と、LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得を変えるための第2の制御信号と、に応じた振幅値をLO信号として前記混合器に出力する位相振幅値変換器と、を有することを特徴とする、周波数変換器。
  2. 受信機に用いられる周波数変換器であって、
    LO信号を生成して出力するLO信号生成器と、
    前記受信機で使用される使用帯域内に帯域制限された受信信号を、LO信号との乗算に
    より周波数変換して出力する混合器と、を有し、
    前記LO信号生成器は、位相分解能が可変であり、
    前記周波数変換器は、LO信号の各位相値における信号利得が可変であり、
    前記信号利得は、使用帯域内に含まれる妨害信号の周波数と強度に基づき決定され、
    前記周波数変換器の信号利得は、LO信号の各位相値に対して、受信信号に対する利得を制御することで、可変とし、
    前記LO信号生成器は、
    可変周波数発振器と、
    前記可変周波数発振器の出力信号と、前記LO信号生成器の位相分解能を変えるための第1の制御信号と、に応じた位相値を出力する位相計数器と、
    前記位相計数器から出力される位相値が予め指定された位相値と一致することを検出した場合、2値の個別LO信号を前記混合器に出力する複数の個別一致検出器と、を有し、
    前記混合器は、
    前記複数の個別一致検出器に対応して設けられ、対応する個別一致検出器からの個別LO信号と受信信号とを乗算し、該個別LO信号の位相に対応する利得で該乗算結果を重み付けして出力する複数の個別混合器と、
    前記複数の個別混合器から出力された、重み付けされた乗算結果を加算して出力する加算器と、を有し、
    前記複数の個別混合器の各々の利得は、前記第2の制御信号を介して可変であることを特徴とする、周波数変換器。
  3. LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、妨害信号に対する前記周波数変換器の周波数変換利得が小さくなるように決定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の周波数変換器。
  4. LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、該位相値における正弦値または余弦値に比例することを特徴とする、請求項1または2に記載の周波数変換器。
  5. LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、該位相値に対する1次関数で表されることを特徴とする、請求項1または2に記載の周波数変換器。
  6. LO信号の各位相値における前記周波数変換器の信号利得は、0あるいは正の値の2値、または、0あるいは負の値の2値をとることを特徴とする、請求項1または2に記載の周波数変換器。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の周波数変換器と、
    前記周波数変換器の前段に設けられ、受信信号を前記使用帯域内に帯域制限する帯域選択フィルタと、を有することを特徴とする受信機。
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