JP5819870B2 - ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置に関する。
ダウンドロー法を用いたガラス板の製造方法では、まず、成形工程において、成形体から溶融ガラスがオーバーフローしてガラスリボンが形成される。そして、続く徐冷工程において、ガラスリボンが、搬送ローラ対で狭持されつつ下方向に引き込まれることで、所望の厚さに引き伸ばされ、内部に歪が発生しないように、またガラスリボンが反らないように、ガラスリボンの冷却が行われる。その後、ガラスリボンは、所定の寸法に切断され、合紙等を挟んでお互いに積載され、又は、さらに搬送され次工程において処理(例えば、形状加工、イオン交換による化学強化処理)が施される。
従来のダウンドロー法を用いたガラス板の製造方法として、成形体の直下に設けられた冷却ローラ対の周速度を、この搬送ローラ対よりも下方に設けられた、ガラスリボンを下方向に引っ張るための搬送ローラ対の周速度よりも小さくすることで、ガラス板の反りを低減することが知られている(特許文献1)。
また、成形体の下方に配された複数の搬送ローラ対において、上方に配置された搬送ローラ対の周速度よりも、下方に設置された搬送ローラ対の周速度を速くすることで、ガラス板の反りを低減することが知られている(特許文献2)。
特開平10−291826号公報 特開平10−291827号公報
ところで、徐冷工程におけるガラスリボンの幅方向の両端部は「耳」若しくは「耳部」と言われ、ガラス基板製品として利用されずに、ガラスリボンから切断され、除去される。通常、この耳部は、製品(ガラス基板)として利用できる領域(以下、幅方向中央領域ともいう)と比べ、厚さが2〜5倍厚くなっている。ここで、耳部の厚さは、製品の板厚が変化してもそれほど変わらないので、製品として利用される幅方向中央領域の厚さとの差は、製造しようとする製品の厚さが薄いほど大きくなる。なお、複数の搬送ローラ対は、耳部よりも幅方向内側の部分を挟持して、ガラスリボンの搬送を行う。
特許文献1の製造方法では、成形体の直下において、耳部をガラスリボンの幅方向中央領域よりも早く冷却することで、ガラスリボンの幅方向に張力を働かせている。ここで、搬送ローラのシャフトは、高温で変形するのを防ぐために、ガラスリボンに比べると低い温度に維持されており、搬送ローラそのものも、接触するガラスの温度よりは低温である。このため、搬送ローラ対に挟持される領域のガラスは、その周辺領域よりも早く冷却される。また、ガラスリボンの板厚が薄い場合、耳部や搬送ローラ対に狭持される領域よりも幅方向内側であって搬送ローラ近傍の隣接領域(図7中符号Sで示す領域)も、早く冷却される。これは、当該隣接領域が、耳部と比べ厚さが極めて小さいため、耳部よりも保有熱量が小さく、また、ガラスリボンの幅方向中央部と比べ搬送ローラや徐冷炉の外壁に近く、冷却されやすいためである。なお、図7は、従来のガラス板製造装置を示し、図中の他の参照符号は、後述する実施形態で説明する各要素の符号と同じである。
特許文献2の製造方法では、下方に設けられた搬送ローラの周速度を上方に設けられた搬送ローラよりも速くするものであり、搬送方向の上流側から下流側にかけて搬送ローラの周速度を順に速くしていくことで、ガラスリボンに対し搬送方向に常に張力を加えるという考え方に基づいている。
しかしながら、特許文献2のように単に上流に対し、下流の搬送ローラの周速度を速くしても、効果が出ないばかりか、例えば板厚が0.5mm以下などの薄いガラス板を製造する場合に、例えば、実施例[0045]に記載されるような周速度差をつけると、ガラスリボンが割れてしまう虞があり、非常に危険である。
そこで、本発明は、ガラス板を製造する際に、徐冷炉内での冷却時に、ガラスリボンの複数の搬送ローラで狭持される部分に隣接する隣接領域に波形状の変形が生じるのを抑えるガラス板の製造方法及びガラス板製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス板の製造方法である。
当該製造方法は、
ガラス原料を熔解して溶融ガラスをつくる熔解工程と、
溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形し、ガラスリボンを形成する成形工程と、
前記ガラスリボンの幅方向の両端部に対して前記幅方向に隣接する近傍領域を、前記ガラスリボンの搬送方向に設けられた複数の搬送ローラ対で挟持しつつ、前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷を行う徐冷工程と、を有し、
前記成形工程では、成形体からオーバーフローさせて前記成形体の側壁を流下する溶融ガラスを、前記成形体の下端で張り合わせることで前記ガラスリボンを形成した後に、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部を冷却し、かつ、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部を前記ガラスリボンの幅方向の中央部よりも速く冷却し、
前記徐冷工程では、前記ガラスリボンに塑性変形が生じないように、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域において、前記ガラスリボンに対して前記搬送方向に張力を働かせ、
板厚0.5mm以下のガラス板を製造する。
前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速くする、ことが好ましい。
また、前記徐冷工程では、前記搬送ローラで狭持される部分に対して前記ガラスリボンの幅方向内側に隣接する隣接領域に塑性変形が生じないように、前記隣接領域の温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域において、前記ガラスリボンに対して搬送方向の張力を働かせる、ことが好ましい。
また、前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの搬送ローラで狭持される部分に対して前記ガラスリボンの幅方向内側に隣接する隣接領域の温度がガラス徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記隣接領域の温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速くする、ことが好ましい。
さらに、前記成形体の下端で前記熔融ガラスを張り合わせてガラスリボンを形成した後に、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部が冷却され、かつ、前記両端部の冷却速度が前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度よりも速い工程を含む、ことが好ましい。
また、前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記ガラスローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも0.03〜2%速くする、ことが好ましい。
前記ガラス板の幅方向の長さは、例えば1000mm以上である。
前記徐冷工程は、200m/時以上の搬送速度で前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷する、ことが好ましい。
本発明の他の態様のガラス板の製造方法は、ガラス原料を熔解して溶融ガラスをつくる熔解工程と、
溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形し、ガラスリボンを形成する成形工程と、
前記ガラスリボンの幅方向の両端部に対して前記幅方向に隣接する近傍領域を、前記ガラスリボンの搬送方向に設けられた複数の搬送ローラ対で挟持しつつ、前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷を行い、板厚0.5mm以下のガラスリボンを形成する徐冷工程と、を有する。
前記成形工程では、成形体からオーバーフローさせて前記成形体の側壁を流下する熔融ガラスを、前記成形体の下端で張り合わせることでガラスリボンを形成し、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部を冷却し、かつ、前記両端部の冷却速度を前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度よりも速く冷却し、
前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度が徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速くする。
さらに、本発明の他の一態様は、ガラス板製造装置である。
当該装置は、
ダウンドロー法を用いて溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形装置と、
前記ガラスリボンの幅方向の両端部に対して前記幅方向に隣接する近傍領域を複数の搬送ローラ対で挟持しつつ、前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷し、板厚0.5mm以下の前記ガラスリボンを形成する徐冷装置と、を有する。
前記成形装置は、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部を冷却し、かつ、前記両端部の冷却速度を前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度よりも速く冷却し、
前記徐冷装置は、前記複数の搬送ローラ対と、駆動部とを含み、
前記複数の搬送ローラ対の1つは、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる第1温度領域に、前記複数の搬送ローラ対の他の1つは、前記ガラスリボンの温度がガラス徐冷点以下となる第2温度領域に設けられて、前記ガラスリボンを下方向に引き込むことで前記ガラスリボンを搬送し、
前記駆動部は、前記第2温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度が、前記第1温度領域に設けられた搬送ローラの周速度よりも速くなるように前記搬送ローラを回転駆動させる。
上述のガラス板の製造方法及びガラス板製造装置は、徐冷炉内を搬送されるガラスリボンに対し搬送方向に効果的に張力を働かせることができ、ガラスリボンの搬送ローラ対に狭持される部分に隣接する隣接領域に波形状の変形が生じるのを抑えることができる。
本実施形態のガラス板の製造方法のフローの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態のガラス板製造装置の内部を説明する平面図である。 図2のIII線矢視断面図である。 本発明の第1実施形態の搬送ローラ対の回転駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。 本発明の第2実施形態の搬送ローラ対の回転駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。 本発明の第3実施形態の搬送ローラ対の回転駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。 従来のガラス板製造装置の内部を説明する平面図である。
以下、本発明のガラス板の製造方法及びガラス板製造装置について詳細に説明する。
また、本明細書における下記語句は、以下のように定める。
ガラスリボンの中央部とは、ガラスリボンの幅方向の幅のうちガラスリボンの幅方向の中心をいう。
ガラスリボンの中央領域とは、ガラスリボンの幅方向の幅のうちガラスリボンの幅方向の中心から幅の85%以内の範囲をいう。
ガラスリボンの両端部とは、ガラスリボンの幅方向の縁から200mm以内の範囲をいう。
ガラスリボンの幅方向の両端部に対して幅方向に隣接する近傍領域とは、上記両端部の幅方向内側の縁から、ガラスリボンの幅の20%以内の長さ分、幅方向内側に入った範囲までに含まれる領域をいう。
搬送ローラで狭持される部分に対してガラスリボンの幅方向内側に隣接する隣接領域とは、搬送ローラで狭持される部分の幅方向の内側の縁から、ガラスリボンの幅の6%以内の長さ分、幅方向内側に入った範囲までに含まれる領域をいう。
ガラスリボンの温度とは、後述するように、ガラスリボンに温度分布がある場合、ガラスリボンの周りの雰囲気温度から換算される値であり、例えば、雰囲気温度に−25〜−5℃の範囲で定められた温度を加算した温度をいう。
(ガラス板の製造方法)
図1は、本実施形態のガラス板の製造方法のフローの一例を説明する図である。ガラス板の製造方法は、熔解工程(ステップS10)と、清澄工程(ステップS20)と、攪拌工程(ステップS30)と、成形工程(ステップS40)と、徐冷工程(ステップS50)と、採板工程(ステップS60)と、形状加工工程(ステップS70)と、を主に有する。
熔解工程(ステップS10)では、図示されない熔解炉で、ガラス原料が、その上方からの間接加熱と、ガラス中に電流を流すことによる直接加熱とにより高温に加熱されて、溶融ガラスが作られる。ガラスの熔解は、これ以外の方法で行われてもよい。
次に、清澄工程が行われる(ステップS20)。清澄工程では、溶融ガラスが図示されない液槽に貯留された状態で、例えば、熔解工程での加熱時よりも溶融ガラスの温度を上昇させることで、溶融ガラス中の気泡の脱泡が促進される。これにより、最終的に得られるガラス板中の気泡含有率を低減することができ、歩留まりを向上させることができる。
清澄工程は、他の方法によって行われてよく、例えば、溶融ガラスが液槽に貯留された状態で、溶融ガラス中の気泡が清澄剤を用いて取り除かれてもよい。清澄剤としては、特に制限されず、例えば、酸化スズ、酸化鉄等の金属酸化物が用いられる。この場合の清澄工程は、具体的には、溶融ガラス中で価数変動する金属酸化物の酸化還元反応によって行われる。高温時の溶融ガラスにおいて、金属酸化物は還元反応により酸素を放出し、この酸素がガスとなって、溶融ガラス中の気泡を成長させて液面に浮上させる。これにより、溶融ガラス中の気泡は脱泡される。あるいは、酸素ガスの気泡は、溶融ガラス中の他の気泡中のガスを取り込んで成長し、溶融ガラスの液面に浮上する。これにより、溶融ガラス中の気泡は脱泡される。さらに、金属酸化物は、溶融ガラスの温度が低下すると、酸化反応により溶融ガラス中に残存した酸素を吸収し、溶融ガラス中の気泡を減少させる。
次に、攪拌工程が行われる(ステップS30)。攪拌工程では、ガラスの化学的および熱的均一性を保つために、攪拌装置により、溶融ガラスが機械的に攪拌される。これによって、脈理等のガラスの不均一性を抑制することができる。
次に、成形工程が行われる(ステップS40)。成形工程では、ダウンドロー法が用いられる。オーバーフローダウンドローやスロットダウンドロー等を含むダウンドロー法は、例えば特許第3586142号公報や図2及び図3に示された装置を用いた公知の方法である。例えば、オーバーフローダウンドロー法の成型工程は、成形体から溶融ガラスをオーバーフローさせて成形体の側壁を流下させ、さらに、この熔融ガラスを、成形体の下端で張り合わせることでガラスリボンを形成する工程である。ダウンドロー法における成形工程については、後述する。これにより、所定の厚さ、幅を有するシート状のガラスリボンが成形される。成形方法としては、ダウンドロー法の中でも、オーバーフローダウンドローが最も好ましいが、スロットダウンドローでもよい。
成形工程では、形成されたガラスリボンの耳部(幅方向の両端部)を冷却する。より詳細には、両端部に向かって張力を加えながらガラスリボンの耳部(幅方向の両端部)の粘度についてlogη=9以上となるまでガラスリボンの耳部(幅方向の両端部)を冷却することができる。このとき、ガラスリボンの耳部(幅方向の両端部)の冷却速度は、ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度よりも速い。なお、ガラスリボンの温度制御は、例えば、冷却ローラ、ガラスリボンの幅方向の両端部の近傍に設けられた風冷管などの冷却手段や、ガラスリボンの幅方向及び搬送方向に複数設けられたヒータなどの加熱手段を制御することにより実現することができる。
次に、徐冷工程が行われる(ステップS50)。徐冷工程では、シート状に成形されたガラスリボンは、歪みが発生しない又は低減するように冷却速度を制御して、図2及び図3に示す徐冷炉にて徐冷点以下に冷却される。具体的には、ガラスリボンの幅方向の両端部に幅方向に隣接する近傍領域が、ガラスリボンの搬送方向に少なくとも2つ設けられた複数の搬送ローラ対で挟持されつつ、例えば、下記の搬送ローラの周速度にて下方向に引き抜かれながら徐冷される。このような搬送速度でガラスリボンを搬送しつつ徐冷することにより、例えば板厚0.5mm以下のガラスリボンが形成される。ガラスリボンの温度が歪点の近傍になるときに、ガラスリボンの幅方向の両端部と幅方向の中央部との温度勾配がなくなるよう制御することで、ガラスリボンに発生する歪を低減することができる。
より詳細には、徐冷工程では、ガラスリボンの温度プロファイルを幅方向で一山の分布とし、その後一山の分布が搬送方向下流側に進むにつれて徐々に小さくなるように、ガラスリボンの周りに配置されるヒータ等の制御を行ってもよい。その際、ガラスリボンの歪点近傍の温度領域において、一山の分布が平坦な直線状の分布、すなわち幅方向の温度分布が一定となるように、図示されないヒータ等の制御を行うことができる。言い換えると、ガラスリボンの徐冷点に150℃を足した温度から歪点までの温度領域において、ガラスリボンの幅方向における中央部の冷却速度を、ガラスリボン幅方向の両端部の冷却速度よりも速くし、ガラスリボンの幅方向における中央部の温度が両端部よりも高い状態から歪点近傍の温度領域で同じになるように、温度プロファイルが一定になるようにしてもよい。
さらに、ガラスリボンの温度が徐冷点から(歪点−50℃)となる温度において、他の温度域に比べてゆっくりガラスリボンを徐冷してもよい。これにより、ガラスリボンの熱収縮率を低減することができる。
さらに、ガラスリボンの温度が、歪点から、歪点から200℃引いた温度になる温度領域において、ガラスリボンの温度プロファイルを幅方向に沿って谷になり、その谷の深さが搬送方向下流側に進むにつれて大きくなるように、すなわち、中央部の温度が両端部に比べて次第に低くなるように、図示されないヒータ等の制御を行ってもよい。このように、温度プロファイルにおいて徐々に谷を深くすることで、ガラスエッジに常にコンプレッションが加えることができるので、ガラスリボンが割れてしまうことを抑制できる。
ここで、搬送ローラの周速度は、ガラス板の生産性を向上させる観点からは、速いことが好ましい。具体的に、搬送ローラの周速度は、150m/時よりも速いことが好ましく、200m/時以上であることが好ましく、例えば、220m/時以上、240m/時以上、250m/時以上、270m/時以上、300m/時以上、340m/時以上であってもよい。また、ガラスリボンの板厚は、薄いほど搬送ローラ対で挟持される部分の内側の保有熱が小さくなるので、0.5mm以下であるとより本発明に好適となり、例えば、0.4mm以下であるとさらに本発明に好適となり、0.3mm以下であるとさらに本発明に好適となり、0.25mm以下であるとさらに本発明に好適となる。言い換えると、0.01〜0.5mmであるとより本発明に好適となり、例えば、0.01〜0.4mmであるとさらに本発明に好適となり、0.01〜0.3mmであるとさらに本発明に好適となり、0.01〜0.25mmであるとさらに本発明に好適となる。なお、搬送ローラの周速度は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、溶融ガラスが1日に後述する成形体に流入される量が6t未満である場合は、あるいは、溶融ガラスが1日に成形体に流入される量が6t以上である場合であっても製造するガラスの幅方向の大きさによっては、200m/時以下となることもある。溶融ガラスが1日に成形体に流入される量は、2t以上であってもよく、6t以上、10t以上、16t以上、20t以上であってもよい。なお、溶融ガラスが1日に成形体に流入される量(MG量)は、ガラス板の生産性を向上させる観点から、多いほど好ましい。
徐冷工程では、ガラスリボンの温度が徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、ガラスリボンの温度がガラス転移点以上軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速く、例えば、0.03〜2%速くする。
徐冷工程の後、採板工程が行われる(ステップS60)。具体的に、連続的に生成されるガラスリボンは一定の長さ毎に切断され、ガラス板が採板される。
この後、形状加工工程が行われる(ステップS70)。形状加工工程では、所定のガラス板のサイズや形状に切り出す他、ガラス端面の研削・研磨が行われる。形状加工は、カッターやレーザを用いた物理的手段を用いても、エッチングなどの化学的手段を用いてもよい。
ガラス板の製造方法は、この他に、洗浄工程及び検査工程を有するが、これらの工程の説明は省略する。なお、清澄工程及び攪拌工程はそれぞれ省略できる。
(ガラス板製造装置)
図2及び図3は、本発明の第1実施形態であるガラス板製造装置1の概略構成図である。本実施形態のガラス板製造装置1およびガラス板製造装置1を用いたガラス板の製造方法は、液晶表示装置あるいは有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイのガラス基板や携帯端末器の表示面のカバーガラスの製造に好適に適用される。これは、液晶表示装置あるいは有機EL表示装置等は近年、高精度、高画質が要求されており、それに使用されるガラス基板には波形状変形が0.2mm以下であることが要求されているためである。また、カバーガラスは、装置の表示面などに適用されることから、それに使用されるガラス基板には極めて高い平滑性が要求されているためである。
ガラス板製造装置1は、ダウンドロー法を用いて溶融ガラスAからガラス板Cを製造する。ガラス板製造装置1は、上下方向の3箇所に配された断熱板21,22,23によって間仕切りされてなる、炉室11、第1の徐冷炉12、第2の徐冷炉13、図示しない採板室を有している。断熱板21〜23は、セラミックファイバ等の断熱材からなる板状部材である。断熱板21〜23には、後述するガラスリボンBが下方に向かって通過するように、それぞれ搬送孔16が形成されている。断熱板21〜23はそれぞれ、図2において、理解の容易さのため、後述する炉壁15に接する水平方向の2個所を除いて図示を省略しているが、ガラスリボンBに対し紙面前面側及び背面側において、水平方向の2個所同士は一体に繋がっている。なお、図2及び図3では、断熱板により3箇所で間仕切りがされている例が示されているが、断熱板の個数及び設置位置は特に限定されず、断熱板は1以上設けられていればよい。なお、断熱板の数が多いほど、独立して雰囲気温度を制御できる空間が多くなり、徐冷条件の調整が容易になるので、後述する徐冷装置3には、断熱板が複数設けられ、複数の空間に間仕切りされていることが好ましい。言い換えると、徐冷炉は1以上設けられていてればよいが、3以上設けられていることがさらに好ましい。
ガラス板製造装置1は、成形装置2と、徐冷装置3、採板装置4とを有する。
成形装置2は、溶融ガラスAからダウンドロー法を用いてガラスリボンBを成形する装置である。成形装置2は、耐火物レンガやブロック状の電鋳柱耐火物等により組み立てられた炉壁15で囲まれた炉室11を有している。炉室11内には、成形体10と、ローラ対17とが設けられている。成形体10は、上方に向かって開放された溝10aを含み(図3参照)、溝10a内を溶融ガラスAが流れる。成形体10は、例えば煉瓦により構成されている。ローラ対17は、成形体10の下端で融合した溶融ガラスAの幅方向両側の端部(幅方向の両端部)に対応する位置にそれぞれ1対設けられ、溶融ガラスAを狭持し下方に向けて搬送する。なお、図2中紙面内の左右方向及び図3中の紙面に垂直方向が、ガラスリボンBの幅方向である。図2及び図3中紙面内の上下方向が、ガラスリボンBの搬送方向である。なお、図2及び図3では、成形体10とローラ対17が、間仕切りされずに設置されているが、徐冷条件の調整(雰囲気温度調整)を容易にするため、これらの間に断熱板を設けて間仕切りしてもよい。また、ローラ対17は、搬送方向に2対以上設置されても良い。
(徐冷装置)
徐冷装置3は、ガラスリボンBを複数の搬送ローラ対18,19で挟持しつつ下方に向けて引き抜きながら徐冷する。徐冷装置3は、炉室11の下方に隣接して設けられた第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13を有している。第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13は、炉室11をも構成する上述の炉壁15で囲まれてなる。徐冷装置3は、第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13内に、ガラスリボンBの搬送方向に沿って配された、後述するコンピュータに自動制御される加熱手段が設けられている。加熱手段は、特に制限されず、例えば電気ヒータが用いられる。第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13内のガラスリボンBの周りの雰囲気温度は、加熱手段で加熱されることにより、ガラスリボンBに反りや歪が発生しないように、ガラスリボンBの幅方向及び搬送方向の温度分布が後述するような分布を持つように温度制御されている。第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13内には、加熱手段で加熱されることにより、ガラスリボンBの搬送方向上流側から順に、ガラスリボンBがそれぞれ、軟化点SPとなる点、ガラス転移点Tgとなる点、徐冷点APとなる点、歪点StPとなる点が生じる。軟化点SPとは、ガラスの粘度が107.6dPa・sの温度を示す。また、徐冷点APとは、ガラスの粘度が1013dPa・sの温度を示している。歪点StPとは、ガラスの粘度が1014.5dPa・sの温度を示している。なお、図2及び図3において、ガラスリボンBの温度がこれらの点SP,Tg,AP,StPの温度となるガラスリボンBの位置は、破線の各引き出し線を水平方向に延長したときにガラスリボンBと交わる点で表される。なお、徐冷炉12,13内の搬送ローラ対18,19の設置数に制約は無く、少なくとも1以上設けられていればよい。
搬送ローラ対18,19は、第1の徐冷炉12内には、ガラスリボンBの搬送方向に配された3つの搬送ローラ対18が設けられている。第2の徐冷炉13内には、ガラスリボンBの搬送方向に配された4つの搬送ローラ対19が設けられている。本実施形態では、最上流側の2つの搬送ローラ対18は、ガラス転移点Tg以上軟化点SP以下のガラスリボンBの温度領域D(第1温度領域)に配されている。上流側から3番目及び4番目の搬送ローラ対18は、徐冷点APより高くガラス転移点Tg未満となるガラスリボンBの温度領域に配されている。上流側から5〜7番目の搬送ローラ対19は、徐冷点AP以下となるガラスリボンBの温度領域E(第2温度領域)に配されている。なお、軟化点SPは、炉室11内にあってもよい。搬送ローラ対18,19が、温度領域Dにあるか、温度領域Eにあるか、あるいは、徐冷点APより高くガラス転移点Tg未満となるガラスリボンBの温度領域等の情報は、後述するように、温度センサ34の計測によって得られたガラスリボンBの周りの雰囲気温度に基づいて点SP,Tg,AP,StPの位置を推定し、この推定した点SP,Tg,AP,StPの位置から決定される。
さらに、徐冷装置3は、検出制御部30と、駆動部32とを有している(図4参照)。
搬送ローラ対18,19は、ガラスリボンBを下方に向かって引き込むことでガラスリボンBを搬送する。各搬送ローラ対18は、ガラスリボンBの幅方向の両端部に隣接する近傍領域を狭持するようガラスリボンBの両側に配された4つの搬送ローラ18aと、ガラスリボンBに対し同じ側にある2つの搬送ローラ18aを連結する、ガラスリボンBの両側に配された2本の駆動用シャフト18bとを有している。各搬送ローラ対19は、ガラスリボンBの幅方向の両端部に隣接する近傍領域を狭持するようガラスリボンBの両側に配された4つの搬送ローラ19aと、ガラスリボンBに対し同じ側にある2つの搬送ローラ19aを連結する、ガラスリボンBの両側に配された2本の駆動用シャフト19bとを有している。なお、搬送ローラ対18,19は、上述のものに限定されない。例えば、各ローラ対の搬送ローラは、ガラスリボンBに対し同じ面側にあるもの同士が、駆動用シャフトによって連結されずに、ローラ対17のローラと同様に、ガラスリボンBの幅方向の両端部に独立して配置されたものであっても良い。
成形装置2の炉室11、第1の徐冷炉12、及び第2の徐冷炉13内のガラスリボンBの周りの雰囲気温度は、具体的に、ガラスリボンBが以下の温度分布を持つように温度制御されてもよい。
すなわち、成形体の下端で熔融ガラスAを張り合わせてガラスリボンBを形成した後に、ガラスリボンBの幅方向の両端部(耳部)の粘度をηとしたときlogη=9以上、好ましくはlogη=9以上14.5以下となるまで両端部が冷却され、かつ、両端部の冷却速度がガラスリボンBの幅方向の中央部の冷却速度よりも速くなるように、温度制御される。
あるいは、第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13内で行われる徐冷工程では、ガラスリボンBの搬送方向に引っ張り応力が働くように、少なくとも、ガラスリボンの幅方向の中央部の温度が徐冷点に150℃を足した温度から歪点から200℃引いた温度となる温度領域において、ガラスリボンBの幅方向の中央部の冷却速度が、ガラスリボンBの幅方向の両端部(耳部)の冷却速度よりも速くなるように温度制御することもできる。これにより、徐冷工程では、ガラスリボンBの幅方向の中央部で、常に搬送方向に引っ張り応力をかけることができる。
あるいは、ガラスリボンBの幅方向の中央部の温度がガラス軟化点以上の領域において、ガラスリボンBの幅方向の両端部(耳部)が中央部の温度より低く、且つ、中央部の温度が均一になるようにガラスリボンBの温度を制御する。さらに、ガラスリボンBの幅方向中央部に搬送方向の引っ張り応力が働くようにガラスリボンBの幅方向の中央部の温度が軟化点未満歪点以上の領域において、ガラスリボンBの幅方向の温度分布が中央部から両端部に向かって低くなるようにガラスリボンBの温度を制御する。さらに、ガラスリボンBの幅方向の中央部の温度が歪点となる温度領域において、ガラスリボンの幅方向の両端部(耳部)と中央部との温度勾配がなくなるようガラスリボンBの温度を制御する。これにより、ガラスリボンBの幅方向の中央部には、搬送方向の引っ張り応力がかかる。
さらに、ガラスリボンBの幅方向中央部に搬送方向の張力が働くようにガラスリボンBの幅方向の中央部の温度が歪点近傍未満の領域において、ガラスリボンBの幅方向の両端部(耳部)からガラスリボンBの幅方向の中央部に向かって低くなるようにガラスリボンBの温度を制御することもできる。これにより、ガラスリボンBの幅方向の中央部の歪点近傍未満の領域では、ガラスリボンBの幅方向の中央部で、常に搬送方向に引っ張り応力をかけることができる。
さらに、徐冷工程は、ガラスリボンBの幅方向の中央部の温度が、徐冷点になるまで、第1の平均冷却速度で冷却する第1の冷却工程と、ガラスリボンBの幅方向の中央部の温度が、徐冷点から歪点−50℃になるまで、第2の平均冷却速度で冷却する第2の冷却工程と、ガラスリボンの中央部の温度が、歪点−50℃から歪点−200℃になるまで、第3の平均冷却速度で冷却する第3の冷却工程と、を含むこともできる。この場合、第1の平均冷却速度は、5.0℃/秒以上であり、第1の平均冷却速度は、第3の平均冷却速度より速く、第3の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より速い。すなわち、平均冷却速度は、高い順番に、第1の平均冷却速度、第3の平均冷却速度、第2の平均冷却速度となっている。ガラスリボンBの搬送方向の冷却速度は、製造されるガラス板の熱収縮に影響を与える。しかし、上述のように冷却速度を設定することにより、ガラス板の製造量を向上させつつ、好適な熱収縮率を有するガラス板を得ることができる。
このように、成形工程、徐冷工程を行う炉室11、第1の徐冷炉12、及び第2の徐冷炉13内では、ガラスリボンBが上述した温度を有するように、ガラスリボンBの周りの雰囲気温度が加熱手段で制御される。
検出制御部30は、図4に示すように、搬送ローラ対18,19に対応して配された温度センサ34と、周速度決定部38として機能する図示されないコンピュータとを備える。図4は、搬送ローラ対18,19の回転駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。各温度センサ34は、周速度決定部38に接続されている。また、周速度決定部38は、駆動部32を介して搬送ローラ対18,19を駆動するように接続されている。検出制御部30の詳細は、後述する。
駆動部32は、後述する記憶部36に記憶された搬送ローラ18a,19aの周速度に基づいて、搬送ローラ18a,19aを回転駆動させる。駆動部32は、各搬送ローラ対18,19に対応して設けられた、図示されないモータを有している。なお、モータは、各搬送ローラ対18,19に対応して設けられていなくてもよく、その数は、例えば、各搬送ローラ対18,19の数より少なくてもよい。この場合、複数の搬送ローラ18a,19aが1台のモータで駆動されるように、各搬送ローラ18a,19a間で速度比を変更できるギアを備えたものを用いることができる。この場合、モータからの駆動力は、例えば、ユニバーサルジョイントなどを介して搬送ローラ18a,19aに伝達される。
(検出制御部)
ここで、検出制御部30について、より詳細に説明する。
温度センサ34は、第1の徐冷炉12及び第2の徐冷炉13内での配置位置における雰囲気温度をそれぞれ検出する。
周速度決定部38は、複数の搬送ローラ18a,19aの周速度を、製造するガラス板の厚さなどに基づいて決定する。そして、搬送ローラ18a,19aの周速度は、温度領域Dに設けられた全ての搬送ローラ18aよりも、温度領域Eに設けられた全ての搬送ローラ19aの方が速くなるよう、好ましくはガラスリボンBの温度が歪点StPとなる位置よりも下流に設けられた搬送ローラ19aの方が速くなるよう決定される。すなわち、徐冷工程では、ガラスリボンBに波形状の塑性変形が生じないように、ガラスリボンBの温度がガラス転移点以上軟化点以下となる温度領域において、ガラスリボンBに対して搬送方向に張力を働かせるように、複数の搬送ローラ18a,19aが制御される。
具体的に、周速度決定部38は、まず、後述する記憶部36に記憶されたガラスリボンBの軟化点SP、ガラス転移点Tg、徐冷点AP、歪点StPを参照し、温度センサ34により検出された雰囲気温度に基づいて、徐冷炉12,13内でのこれらの点SP,Tg,AP,StPの位置を推定する。次いで、周速度決定部38は、温度領域Eに設けられた3本の搬送ローラ19aの周速度を、温度領域Dに設けられた2本の搬送ローラ18aの周速度と比べて速くする。この周速度の差異を比でいうと、遅い周速度に対する速い周速度の比の上限は、例えば、ガラスリボンBの割れを抑える観点から、1.02とすることが好ましく、塑性変形を防止する効果を十分に得る観点から、上記比の下限を1.0003とすることが好ましい。すなわち、温度領域Eの3本の搬送ローラ19aの周速度は、温度領域Dの2本の搬送ローラ18aの周速度に対して、0.03〜2%速いことが好ましく、0.05〜1.7%速いことがより好ましく、0.1〜1.5%速いことがさらに好ましく、0.2〜1.0%速いことが一層好ましく、0.3〜0.8%速いことが好ましい。
このとき、徐冷点APより高くガラス転移点Tg未満の搬送ローラ18a,19aの周速度、及び温度領域Dの上流側外側にさらに搬送ローラ18aが位置する場合のその搬送ローラ18aの周速度は、温度領域Dの搬送ローラ18aの周速度と、同一又は異なってよく、特に異なっているのが好ましい。異なる場合は、温度領域Dより上流側の搬送ローラ18a、温度領域Dの搬送ローラ18a、徐冷点APより高くガラス転移点Tg未満の搬送ローラ19aの順に、下流側にある搬送ローラほど速いことが好ましい。
温度領域Dにおいて、最も上流側の搬送ローラ18aの周速度と、上流側から2番目の搬送ローラ18aの周速度は、同一又は異なってよく、特に異なっているのが好ましい。異なる場合は、上流側から2番目の搬送ローラ18aの周速度が、最も上流側の搬送ローラ18aの周速度より速いことが好ましい。また、温度領域Eにおいて、下流側から3つの搬送ローラ19aの周速度は、全て同一、一部同一又は全て異なってよく、特に全て異なっているのが好ましい。全て異なる場合は、最も下流側の搬送ローラ19aの周速度が最も速く、下流側から3番目の搬送ローラ19aの周速度が最も遅いことが好ましい。
また、搬送ローラ18a,19aで狭持される部分に対してガラスリボンBの幅方向内側に隣接する隣接領域に波形状の塑性変形が生じないように、隣接領域の温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域において、ガラスリボンBに対して搬送方向の引っ張り応力を働かせることが好ましい。
搬送ローラ対18,19のうち、ガラスリボンの搬送ローラで狭持される部分に対してガラスリボンの幅方向内側に隣接する隣接領域の温度がガラス徐冷点APとなる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、搬送ローラ対18,19のうち、隣接領域の温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対18の搬送ローラ18aの周速度よりも速くすることが、引っ張り応力を働かせる点で好ましい。
このように、搬送ローラ18a,19aの周速度を、温度領域Dに設けられた搬送ローラ18aよりも、温度領域Eに設けられた搬送ローラ19aの方が速くなるように決定され、これに従って回転駆動が制御されることで、ガラスリボンBの搬送方向に効果的に張力を働かせることができる、搬送ローラ18a,19aの幅方向内側の領域に発生する波形状の変形を防止することができる。
周速度決定部38は、記憶部36を有している。記憶部36は、上述のように決定された複数の搬送ローラ18a,19aの周速度を記憶する。記憶部36は、ガラスリボンBの軟化点SP、ガラス転移点Tg、徐冷点AP、歪点StPを、ガラスの組成ごとに記憶する。
また、図示されないコンピュータは、温度センサ34で検出された雰囲気温度に基づいて、徐冷炉12,13内の雰囲気温度がそれぞれ所定の温度範囲内で維持されるよう、徐冷炉12,13内の加熱手段を自動制御する。第1の徐冷炉12の所定の温度範囲は、例えば、500〜800度に設定されている。第2の徐冷炉13の所定の温度範囲は、例えば、200〜500度に設定されている。
採板装置4は、第2の徐冷炉13の下流側に配された図示しない採板室を有している。採板室では、ガラスリボンBが一定の長さ毎に切断され、ガラス板Cが採板される。ガラス板Cの厚さは、例えば、0.5mm以下である。また、ガラス板Cの大きさは、特に限定されず、例えば、幅方向長さ500〜3500mm×長手方向長さ500〜3500mmである。また、例えば、ガラス板Cの幅方向長さは1000mm以上、1500mm以上、2000mm以上、2500mm以上であってもよく、長手方向長さは1000mm以上、1500mm以上、2000mm以上、2500mm以上であってもよい。ガラス板Cが大型化するほど、ガラスリボンBにおいて幅方向の中央部の搬送ローラや徐冷炉の外壁からの距離が大きくなるため、ガラスリボンBの幅方向の中央部と搬送ローラ近傍でかつ幅方向内側のガラスリボンBの領域である隣接領域との間に温度差が生じやすい傾向にある。そのため、ガラス板Cの幅方向長さが1000mm以上である場合には、搬送ローラ近傍でかつ幅方向内側のガラスリボンBの領域に波形状変形が生じやすくなる傾向にあり、本発明の効果が顕著となる。なお、ガラス板Cの幅方向長さは1500mm以上、2000mm以上、2500mm以上であるほど本発明の効果が有用となる。
なお、搬送ローラ18a,19aの周速度は、周速度決定部38に代えて、オペレータによって決定されてもよい。この場合、ガラス板製造装置1は、オペレータの入力操作を受け付ける図示しない入力部をさらに有し、この入力部は、オペレータが入力する搬送ローラ18a,19aの周速度あるいは回転速度などを受け付ける。記憶部36は、ガラスリボンBの軟化点SP、ガラス転移点Tg、徐冷点AP、歪点StPなどを記憶するものでなくてもよく、オペレータにより、ガラスリボンBの軟化点SP、ガラス転移点Tg、徐冷点AP、歪点StPなどに基づいて決定され、入力された搬送ローラ18a,19aの周速度あるいは回転速度を記憶し、これらの情報を駆動部に伝達するものであればよい。なお、入力部は、駆動部に直接接続され、搬送ローラの周速度あるいは回転速度は駆動部に直接入力されるものであってもよい。
以上のように構成されたガラス板製造装置1によれば、ガラスリボンBの温度がガラス転移点Tg以上ガラス軟化点SP以下となる温度領域において、ガラスリボンBに対して搬送方向に引っ張り応力を働かせる。より具体的には、ガラスリボンBの温度がガラス徐冷点AP以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対19の搬送ローラ19aの周速度が、ガラスリボンBの温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域Dに設けられた搬送ローラ18aの周速度よりも速くなるように、搬送ローラ18a,19aの回転駆動が制御される。したがって、徐冷炉12,13内を搬送されるガラスリボンBに対し搬送方向に効果的に張力を働かせることができる。このため、搬送ローラ18a,19aで狭持される部分に対してガラスリボンBの幅方向内側に隣接する隣接領域に波形状の変形が生じるのを抑え、ガラス板の平坦度の悪化を防ぐことができる。この効果は、ガラスリボンBの幅方向の両端部と幅方向中央部との厚みの差が大きくなり易く、小さな応力でも変形し易い板厚0.5mm以下のガラス板を製造する場合でも奏され、発生する反り、割れの発生を低減できる。
この点をより具体的に説明する。
従来のように、図7に示す搬送ローラ対18,19に挟持される領域が冷却されてガラスが収縮する場合、図7において符号Sで示す領域(隣接領域)には、圧縮応力が働く。この時、搬送ローラの近傍でかつ搬送ローラより幅方向内側の隣接領域のガラス温度が軟化点(粘度ηがlogη=7.65となる温度)より高温である場合には、搬送ローラ対18,19に狭持される領域よりも幅方向内側であって搬送ローラ近傍の領域である隣接領域に働く圧縮応力が瞬時に緩和されるため、波形状の塑性変形は生じ難い。他方、同じ隣接領域のガラス温度がガラス転移点よりも低温である場合には、粘度が十分に上昇しているため、波形状の塑性変形は生じ難い。
これに対し、搬送ローラの近傍でかつ搬送ローラより幅方向内側の隣接領域のガラス温度がガラス軟化点よりは低温であり、かつガラス転移点よりも高温である場合には、上述の生成された圧縮応力により、搬送ローラ18a,18bの近傍でかつ幅方向内側のガラスリボンの隣接領域に塑性変形(波形状の変形)が生じ易く、ガラス板の平坦度が悪化する。より具体的には、例えば、ガラスリボンBの幅方向の中央部に搬送方向の引っ張り応力(テンション)がかかるようにガラスリボンの温度制御を行うと、隣接領域にコンプレッションが加わり、隣接領域に波形状をなした塑性変形が生じ易くなる。
なお、常にガラスリボンBの幅方向の中央部の冷却速度が最も早くなるように温度制御を行うと、ガラスリボンBの幅方向の中央部に搬送方向の引っ張り応力(テンション)が常にかかる。このため、ガラスリボンBの幅方向の中央部を含むガラスリボンの中央領域には上記隣接領域と比較して塑性変形が生じ難い。
成形体の直下からガラスリボンBの幅方向の両端部(耳部)を急冷することで、上述のような上記隣接領域で波形状の塑性変形の問題が顕著になる。また、ガラスリボンBの幅方向の中央部に搬送方向の引っ張り応力が常にかかるように、ガラスリボンBの温度制御を行うことで、上記隣接領域の塑性変形の問題が顕著となる。つまり、上述したようなガラスリボンBの幅方向の中央部に搬送方向の引っ張り応力が常にかかるような温度制御を行う場合には、塑性変形を抑制する本発明の製造方法の効果は顕著となる。
このような塑性変形の問題は、ガラスリボンBの幅方向の両端部と上記隣接領域の厚みとの差が大きくなり易く、かつ厚みが薄いことで小さな応力でも変形し易い板厚0.5mm以下のガラス板を製造する場合に顕著になる。すなわち、上述した特許文献1の製造方法だけを用いると、板厚0.5mm以下のガラス板を製造した場合、搬送ローラの幅方向内側の領域である上記隣接領域がより変形しやすく、ガラス板の平坦度をより悪化させてしまう。
一方、上述した特許文献2の製造方法では、下方に設けられた搬送ローラの周速度を上方に設けられた搬送ローラよりも速くするものであるが、特許文献2の段落番号[0045]〜[0049]の記載からも、板厚0.7〜1mm程度の比較的厚いガラスを前提としていると考えられ、また、搬送方向の上流側から下流側にかけて搬送ローラの周速度を順に速くしていくことで、ガラスリボンに対し搬送方向に常に張力を加えるという考え方に基づいている。
しかしながら、ガラスリボンの上記隣接領域に塑性変形が生じるのは、上述の通り、限られたガラスリボンの温度領域における現象であり、適切な温度領域の搬送ローラ間で周速度差をつけることが必要である。このため、特許文献2のように単に上流に対し、下流の搬送ローラの周速度を速くしても、効果が出ないばかりか、ガラスリボンに塑性変形が生じたり、板厚が0.5mm以下のガラス板を製造する場合に、例えば、実施例[0045]に記載されるような周速度差をつけると、ガラスリボンが割れるおそれがある。
これに対して、本実施形態は、ガラスリボンBの温度がガラス転移点Tg以上ガラス軟化点SP以下となる温度領域において、ガラスリボンBに対して搬送方向に張力を働かせる。このため、ガラスリボンBの隣接領域に波形状の変形が生じるのを抑え、ガラス板の平坦度の悪化を防ぐことができる。また、板厚が0.5mm以下のガラス板を製造する場合においても、ガラスリボンが割れることはない。
本実施形態では、具体的に、ガラスリボンBに対して搬送方向に引っ張り応力を働かせるために、ガラスリボンBの温度がガラス徐冷点AP以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対19の搬送ローラ19aの周速度が、ガラスリボンBの温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域Dに設けられた搬送ローラ18aの周速度よりも速くなるように、搬送ローラ18a,19aの回転駆動が制御される。
なお、複数の搬送ローラ対18,19は、少なくとも温度領域Dと温度領域Eとに設けられていればよい。また、複数の搬送ローラ対の数は、少なくとも2あればよく、特に制限されない。なお、軟化点SP、ガラス転移点Tg、徐冷点AP、歪点StPの位置、及びこれら各点を境界として形成される各領域に位置する搬送ローラ対の数は、特に制限されない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態であるガラス板製造装置について説明する。
ここでは、上述の第1実施形態との相違に注目して説明する。
第2実施形態では、検出制御部40のコンピュータは、周速度決定部48として機能するほか、図5に示すように、搬送ローラ状態検出部(以下、単に検出部ともいう)47のうち温度センサ44を除く部分としてさらに機能する。図5は、搬送ローラ対18,19の回転駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。図5において、第1実施形態で参照した符号と同じ符号で示す要素は、第1実施形態で説明した要素と同じである。検出部47は、温度センサ44と接続されている。温度センサ44は、搬送ローラ18a,19aの温度を検出する。ここで、搬送ローラ18a,19aの温度を検出することには、搬送ローラ18a,19aの温度を算出することも含まれる。この場合は、各温度センサ44により検出された雰囲気温度における、記憶部46に記憶された温度差データが参照されて、搬送ローラ18a,19aの温度が算出される。検出部47は、検出された搬送ローラ18a,19aの温度に基づいて、後述するように、搬送ローラ18a,19aの熱膨張量を直径の変化として算出する。
周速度決定部48の記憶部46は、温度差データを記憶する。温度差データは、徐冷炉12,13の設置時に予め測定された、徐冷炉12,13の雰囲気温度と各雰囲気温度での搬送ローラ18a,19aの温度(表面温度)との差のデータを含む。温度差データは、徐冷炉12,13の構造によって異なって記憶される。記憶部46には、搬送ローラ18a,19aの熱膨張係数(以下、ローラ熱膨張係数ともいう)がさらに記憶されている。ローラ熱膨張係数は、搬送ローラ18a,19aの材質から決定される。
記憶部46には、また、周速度決定部48で決定された各搬送ローラ18a,19aの回転速度、複数の搬送ローラ対18,19間で設定された基準となる周速度分布、各搬送ローラ18a,19aの直径の基準値がさらに記憶される。各搬送ローラ18a,19aの直径の基準値は、それぞれ常温(例えば、25度)での新品時の直径である。また、記憶部46は、基準となる周速度分布を達成するときの条件(搬送ローラの温度、ガラスリボンBの温度、ガラスリボンの熱膨張係数、ガラスリボンBの厚さ、幅、ガラスリボンの流量等)を記憶する。
周速度決定部48は、複数の搬送ローラ対18,19間で搬送ローラ18a,19aの周速度とガラスリボンBの搬送速度との相対速度が一定であるときの複数の搬送ローラ対18,19間の周速度比(周速度分布)を設定する。この周速度比では、温度領域Eに設けられた搬送ローラ対19の搬送ローラ19aの周速度が、温度領域Dに設けられた搬送ローラ対18の搬送ローラ18aの周速度よりも速くなるように設定されている。次いで、周速度決定部48は、第1実施形態で決定した温度領域D,Eにおける搬送ローラ18a,19aの周速度の大小関係を維持した状態で、検出部47により算出された搬送ローラ18a,19aの直径の変化に基づいて、複数の搬送ローラ対18,19間の周速度比を保つように各搬送ローラ18a,19aの回転速度を決定する。
なお、搬送ローラ18a,19aの周速度は、周速度決定部48に代えて、オペレータによって算出されてもよい。この場合、ガラス板製造装置1は、第1実施形態で説明したのと同様の入力部をさらに有する。記憶部46は、温度差データ、ローラ熱膨張係数、周速度分布、各搬送ローラ18a,19aの直径の基準値、基準となる周速度分布を達成するときの条件などを記憶するものでなくてもよく、オペレータにより、温度差データ、ローラ熱膨張係数、周速度分布、各搬送ローラ18a,19aの直径の基準値、基準となる周速度分布を達成するときの条件などに基づいて算出され、入力された搬送ローラ18a,19aの周速度を記憶するものであればよい。
((周速度比の設定))
複数の搬送ローラ対18,19間の周速度比は、例えば、最上流側の搬送ローラ18aの周速度を基準として、その直ぐ下流側の搬送ローラ18aから順に、最上流側の搬送ローラ18aの周速度の0.1%ずつ周速度が速くなるよう設定される。本実施形態で、最下流側の搬送ローラ19aの周速度は、最上流側の搬送ローラ18aの100.6%である。このような周速度比に従って複数の搬送ローラ対18,19が制御されることで、ガラスリボンBが搬送ローラ対18,19の上方で変形することなく、かつ、ガラスリボンBの表面に微細なキズが生じるのを抑えることができる。この場合、周速度比から設定される周速度は、最上流側の搬送ローラ18aの周速度を用いて値が設定される。このように基準として設定される周速度比は、従来ガラスリボンBがキズや形状変形の問題が生じることなく徐冷されたときの周速度比である。この基準となる周速度分布は、ガラスリボンBの温度、熱膨張係数、厚み、幅、ガラス流量等の条件とともに、周速度決定部48に記憶保持されている。この周速度比は、後述するように、ガラスリボンBの温度が変化するなどの徐冷時の条件が変化する場合に、基準となる周速度分布が修正されて設定される。
周速度決定部48は、ガラスリボンBの温度、熱膨張係数、厚み、ガラス流量等によって、基準の周速度比を修正して設定する。
具体的には、基準の周速度分布として設定される周速度比には、そのときの条件として各搬送ローラ対18,19における基準となる温度が設定されている。したがって、この基準となる温度に対して現在のガラスリボンBの温度が変化した場合、例えば、温度T1がT2に変化した場合、T2とT1の温度差における熱膨張率の差を用いて、周速度決定部48は基準の周速度分布として設定されている周速度比を修正する。ガラスリボンBの搬送速度は、ガラスリボンBの温度と熱膨張係数によって定まる熱膨張率によって変化するからである。この場合、ガラスリボンBの種類によって熱膨張係数は異なるので、ガラスリボンBの熱膨張係数と温度を考慮した熱膨張率の違いを用いてより一般的に周速度比を修正してもよい。このような周速度比は、ガラスリボンBの温度および熱膨張係数の温度依存性のほかに、ガラスリボンBの厚み、幅、ガラス流量等の条件の変化によっても修正されて設定される。したがって、ガラスリボンBの温度、熱膨張係数の温度依存性の特性、厚み、幅、ガラス流量等の基準の周速度比における条件は、周速度決定部48に予め記憶保持されている。ガラス熱膨張係数は、溶融ガラスの組成から決定される。設定された周速度比から、最上流側の搬送ローラ対の現在の周速度を基準として、下流側の各搬送ローラ対の周速度が算出される。
このように、周速度比をガラスリボンBの温度を含む状態の変化に応じて修正することにより、より適切な搬送ローラ18a,19aの回転速度を決定できる。
((搬送ローラの回転速度の決定))
周速度決定部48は、算出したあるいはオペレータにより入力された各搬送ローラ18a,19aの周速度に基づいて、下記式に従って各搬送ローラ18a,19aの回転速度を決定する。
回転速度=周速度/(熱膨張した搬送ローラの直径×π)
ここで、徐冷炉12,13内の各搬送ローラ対18,19の配置位置において検出された雰囲気温度が、上述した基準となる周速度比における搬送ローラ対18,19の温度に対して変化していた場合は、上述の周速度比を保つように、搬送ローラ18a,19aの回転速度を決定する。
具体的に、検出部47は、温度センサ44により検知された温度が変化していた搬送ローラ18a,19aについて、搬送ローラ18a,19aの温度におけるローラ熱膨張係数と、各搬送ローラ18a,19aの直径の基準値とを参照し、下記式に従ってこの搬送ローラ18aの膨張量(直径の変化量)を算出する。
dD=β・D・ΔT
dD:膨張量
β:熱膨張係数
D:搬送ローラの直径の基準値
ΔT:基準の周速度比において設定される搬送ローラの温度との温度差
周速度決定部48は、検出部47により算出された搬送ローラ18aの直径の変化量から、下記式に従い、周速度の変化量が1であるとして新たな回転速度を算出し、搬送ローラ18a,19aの回転速度を変更する。
新たな回転速度=(周速度+周速度の変化量)/((搬送ローラの直径+搬送ローラの直径の変化量)×π)
周速度決定部48により決定された回転速度は駆動部32に送られ、搬送ローラ18a,19aの回転が制御される。
周速度比は、上述のものに制限されない。また、周速度決定部48は、周速度分布として、周速度比に代えて、各搬送ローラ18a,19aの具体的な周速度を算出してもよい。この場合、基準となる周速度分布および修正後の周速度も具体的な速度の値として設定される。
第2実施形態では、搬送ローラの直径の温度に応じて、設定された周速度分布に成るように回転速度を調整する他、周速度分布をガラスリボンの温度に応じて基準となる周速度分布を修正して設定する。しかし、基準となる周速度分布をガラスリボンの現在の温度に応じて修正しなくてもよい。しかし、表面品質に優れたガラス板を製造する点で、基準となる周速度分布をガラスリボンの現在の温度に応じて修正することが好ましい。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、搬送ローラ18a,19aに生じる状態の変化を考慮し、その変化を補償するように、各搬送ローラ18a,19aの回転速度が制御されるので、各搬送ローラ18a,19aの周速度とガラスリボンBの搬送速度との相対速度が、複数の搬送ローラ対18,19において差が生じるのを、より高い精度で抑制することができる。これにより、ガラスリボンBと搬送ローラ18a,19aとの間でのスリップを防ぎ、ガラス板表面の品質を向上させることができる。
また、ガラスリボンBを搬送するために用いる複数の搬送ローラ対18,19の周速度分布をガラスリボンBの温度に応じて修正して設定するので、ガラスリボンBが余り、ガラスリボンBが変形してしまうのを防ぐことができ、また、必要以上に速くなることで、ガラスリボンBが引っ張られ、ガラスリボンBが割れるのを防ぐことができる。このような効果は、ガラスの搬送速度が速く、且つ、ガラスリボンBの強度が小さくて変形し易い厚さ0.5mm以下の薄板ガラスの製造において、より顕著である。
第1実施形態で説明したように徐冷炉12,13内の雰囲気温度が制御されても上述したようにガラスリボンBの温度や搬送ローラ18a,19aの温度は変化する。しかし、この変化は比較的小さいため、上述した基準となる周速度比が温度に応じて修正されても、その修正量は小さく、設定された基準となる周速度比の分布を大きく変えない。すなわち、温度領域Eに設けられた前記搬送ローラ対の搬送ローラの周速度が、温度領域Dに設けられた搬送ローラ対の前記搬送ローラの周速度よりも速いことは変化しない。
上述の例では、温度センサにおいて、徐冷炉12,13内の雰囲気温度が検出され、これを用いて搬送ローラ温度が算出されたが、搬送ローラ温度は直接測定されてもよい。そのために、例えば、搬送ローラ状態検出部として、搬送ローラの温度を連続的に測定するための温度計が用いられてよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態であるガラス板製造装置について説明する。
ここでは、上述の第1及び第2実施形態との相違に注目して説明する。
第2実施形態では、搬送ローラ状態検出部47として、搬送ローラ18a,19aの温度を検出する温度センサ44及びコンピュータが用いられたが、ここでは、図6に示すように、搬送ローラ状態検出部(以下、単に検出部ともいう)57として、搬送ローラ18a,19aの磨耗量を検出するための距離測定センサ54及び図示しないコンピュータが用いられる。なお、図6は、搬送ローラ対18,19の回転駆動を制御する制御系の構成を説明するブロック図である。図6において、第1及び第2実施形態で参照した符号と同じ符号で示す要素は、第1及び第2実施形態で説明した要素と同じである。検出部57は、距離測定センサ54と接続されている。
距離測定センサ54は、各搬送ローラ対18,19に対応して複数設けられている。距離測定センサ54は、駆動用シャフト間隔を検出する。駆動用シャフト間隔は、ガラスリボンBに対し同じ側にある搬送ローラ18a,19a同士を連結する駆動用シャフト18b,19bと、この駆動用シャフト18b,19bと対向して配された駆動用シャフト18b,19bとの距離をいう。搬送ローラ対18,19は、対の搬送ローラ18a,19a間が互いに付勢された状態でガラスリボンBを挟む。したがって、各搬送ローラ18a,19aの磨耗量は、下記式に従って算出されるローラ半径の新品時のローラ半径からの変化量が、搬送ローラ18a,19aの磨耗に起因して生じたとして検出部57により検出される。この式では、ガラスリボンBの厚みは、各搬送ローラ18a,19aの位置において一定であるため、駆動用シャフト18b,19b同士の間隔を測定することで、ローラ半径が算出される。
ローラ半径=(駆動用シャフト間隔−ガラスリボン厚み)/2
検出制御部50の周速度決定部58は、検出された搬送ローラ18a,19aの磨耗に起因する搬送ローラ18a,19aの半径の変化により生じた、搬送ローラ18a,19aの周速度の周速度比からのずれを補償するように搬送ローラ18a,19aの回転速度を決定する。
なお、第3実施形態では、搬送ローラ18a,19aの径変化として、磨耗の状態に基いて算出された半径の変化を用いるが、この磨耗の状態を第2実施形態で用いた搬送ローラ18a,19aの温度とともに統合して適用することもできる。この場合、搬送ローラ18a,19aの径は、磨耗量によって変化すると共に、熱膨張により変化する。この径を用いて、径の変化に伴って変化した搬送ローラ18a,19aの周速度が周速度比に維持されるように、搬送ローラ18a,19aの回転速度を算出することができる。
さらに、搬送ローラ18a,19aの径変化に加え、ガラスリボンの状態として、ガラスリボンBの熱膨張に起因しガラスリボンBの温度に応じて変化するガラスリボンBの搬送速度変化を統合して適用することもできる。
以上の第3実施形態のガラス板製造装置によれば、搬送ローラ18a,19aの磨耗による径変化による搬送ローラの周速度の周速度比からのずれを補償することができる。
なお、このガラス板製造装置において、距離測定センサ54は、搬送ローラ対18,19の駆動用シャフト18b,19b同士の距離に代えて、搬送ローラ対18,19の駆動用シャフト18b,19bの原点位置からのずれを読み取って、磨耗量を検出するように構成されてもよい。原点位置は、搬送ローラ18a,19aの新品時に駆動用シャフト18b,19bが位置する中心位置であり、記憶部56において記憶される。搬送ローラ対18,19の駆動用シャフト18b,19bの原点位置からのずれを用いて、搬送ローラ18a,19aの磨耗量を検出し、これによって磨耗した搬送ローラのローラ径は算出され得る。なお、搬送ローラ18a,19aの径は、検出部57が算出することに限定されず、例えば、磨耗量に基づいてオペレータが算出してもよい。この場合、オペレータにより算出され、周速度決定部58に入力された搬送ローラ18a,19aの径に基づいて、周速度決定部58により搬送ローラ18a,19aの回転速度が算出される。あるいは、オペレータが算出した搬送ローラ18a,19aの径に基づいてさらに搬送ローラ18a,19aの回転速度を算出し、この算出結果を周速度決定部58に入力してもよい。周速度決定部58において算出されあるいは入力された回転速度は、周速度決定部58により決定され、駆動部32に伝達される。また、搬送ローラ18a,19aの磨耗量、原点位置は、オペレータが算出してもよく、算出された値は記憶部56に記憶されてよい。
なお、第2実施形態、第3実施形態では、搬送ローラ対18,19の各ローラに生じる搬送ローラ18a,19aの径変化を補償するように、搬送ローラ18a,19aの回転速度が決定されるが、搬送ローラ18a,19aの他に、成形工程で冷却ローラ対として用いるローラ対17の各ローラの径変化を補償するように、ローラ対17の各ローラの回転速度が決定されてもよい。この場合、ローラ対17の各ローラは、上述した搬送ローラ状態検出部47,57のような検出部を用いて、ローラ対17の各ローラの状態を検出して、検出結果に基づいてローラ対17の各ローラの径変化を補償するように、ローラ対17の各ローラの回転速度が決定される。
一般に、ローラ対17の各ローラの周速度は、ガラス板の厚み分布やガラス表面の凹凸が最も小さくなるように適切な値に設定しているので、その値からずれることは、ガラス板の厚み分布やガラス表面の凹凸を悪化させることになる。
すなわち、ローラ対17の周速度が変化すると、成形体の下端からローラ対17の間で行われるガラスリボンBの引伸ばしの量と、ローラ対17から搬送ローラ対18の間で行われるガラスリボンBの引伸ばしの量が変ることにより、(成形体の下端〜ローラ対17間でのガラスリボンBの幅方向の温度分布と、ローラ対17〜搬送ローラ対18,19でのガラスリボンの幅方向の温度分布の形態が異なるため)製造されたガラス板の幅方向の厚み分布やガラス表面の凹凸の大きさが変化してしまう。このため、ローラ対17の各ローラの径変化を補償するように、ローラ対17の各ローラの回転速度が決定されることが好ましい。
また、搬送ローラ対18,19及びローラ対17の各ローラの少なくともいずれか1つの各ローラについて各ローラの径変化を補償するように回転速度を決定してもよい。
すなわち、冷却ローラや搬送ローラの径変化を補償するようにローラの回転速度を決定することは、全てのローラ(冷却ローラ、搬送ローラ)で行われる必要はなく、効果的なローラのみに対して行ってもよい。
例えば、ガラスリボンBの幅方向の中央部が軟化点(粘度ηがlogη=7.65となる温度)以下の領域に設けられた搬送ローラの径変化を補償するように搬送ローラの回転速度を決定し、搬送ローラを回転駆動させることで、ガラスリボンBのスリップなどを抑制することができ、ガラスリボンBの表面に傷が発生することを抑制できる。
ガラスが軟化点SP以上であるとガラスリボンBは粘度が低く、スリップは生じ難い。他方、軟化点SP以下のガラスリボンBではスリップが生じやすくなる。このため、ガラスリボンBの中央部が軟化点SP以下の領域に設けられた搬送ローラの径変化を補償するように搬送ローラの回転速度を決定することが好ましい。
また、上述した徐冷工程の中で、少なくともガラスリボンBの中央部の温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域に設けた搬送ローラの径変化を補償するように搬送ローラの回転速度を決定することで、ガラスリボンBの塑性変形の抑制効果は大きくなる。したがって、少なくともガラスリボンBの中央部の温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域に設けた搬送ローラの径変化を補償するように搬送ローラの回転速度を決定することが好ましい。
また、ガラスリボンBの中央部の温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域に設けた搬送ローラは、径変化が生じやいため、この領域に設けた搬送ローラの径変化を補償するように搬送ローラの回転速度を決定することが好ましい。
ガラス温度が軟化点SPより高温である場合には、ガラスに働く圧縮応力が瞬時に緩和されるため、ガラスリボンBに波形状の塑性変形は生じ難い。他方、ガラス温度がガラス転移点Tgよりも低温である場合には、ガラスリボンBの粘度が十分に上昇しているため、波形状の塑性変形は生じ難い。
また、上流側の搬送ローラほど磨耗や熱膨張によるローラ径変化が生じやすい。つまり、少なくとも温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域に設けた搬送ローラの径変化を補償するように搬送ローラの回転速度を決定することが好ましい。
(変形例)
第3実施形態のガラス板製造装置の搬送ローラ状態検出部57には、距離測定センサ54の代わりに、搬送ローラ18a,19aの使用日数に基づいて算出される搬送ローラ18a,19a直径の変化を搬送ローラ18a,19aの径変化としてカウントする装置が用いられてもよい。例えば、この径変化をカウントする装置は、搬送ローラ18a,19aの使用日数を周速度決定部58に送る。周速度決定部58は、周速度決定部58の記憶部56に記憶された、各搬送ローラ18a,19aについて過去の交換実績として、過去に交換した時のローラ直径のその新品時からの磨耗量と交換までの使用日数とを参照し、これらに基づいて1日あたりの磨耗量を算出する。次いで、記憶部56に記憶された新品時のローラ直径が参照され、下記式に従ってローラ直径が算出される。このとき、上記径変化をカウントする装置から送られた使用日数を用いて下記式に示すように、1日当りの磨耗量×使用日数の積が、搬送ローラ18a,19aの磨耗量に相当するとして検出される。
ローラ直径=新品時の直径−(1日当りの磨耗量×使用日数)
周速度決定部58は、記憶部56において、各搬送ローラ18a,19aについて過去の交換実績、新品時のローラ直径を記憶する。
この変形例によれば、より簡単な方法で、搬送ローラ18a,19aの直径の変化により生じた搬送ローラ18a,19aの周速度の周速度比からのずれを補償することができる。なお、1日あたりの磨耗量は、オペレータが算出して記憶部56に記憶させることもできる。また、上記磨耗量による搬送ローラ18a,19aの直径変化も、オペレータが算出して、検出制御部50あるいは駆動部32に伝達されるようにしてもよい。さらに、過去に交換した時のローラ直径のその新品時からの磨耗量、交換までの使用日数は、オペレータによって算出されてもよく、算出された値は記憶部56に記憶されてよい。
なお、第2実施形態と、第3実施形態の変形例は組み合わせることもできる。第2実施形態と、第3実施形態の変形例を組み合わせることで、第2実施形態又は第3実施形態を単独で適用する場合に比べ、より精度よく周速度比からのずれを補償することができる。
また、上記塑性変形の問題は、ガラスリボンの幅方向の両端部(耳部)をローラ対17で急冷することで生じやすくなる。ガラスの液相温度が1050℃〜1250℃と高温である場合、ガラスリボンの幅方向の両端部(耳部)をローラ対17で急冷するときの上記隣接領域と、ガラスリボンBの中心位置との間で温度低下量の差が大きく、塑性変形の問題が生じ易い。このため、塑性変形を生じさせにくい本発明の製造方法は、液相温度が1100℃〜1250℃のガラスを用いたガラス板の製造に好適である。液相温度が1150℃〜1250℃のガラスを用いたガラス板の製造が本発明により好適であり、液相温度が1180℃〜1250℃のガラスを用いたガラス板の製造がさらに好適であり、液相温度が1200℃〜1250℃のガラスを用いたガラス板の製造が特に好適である。
液相粘度が150000dPa・s以下と小さい液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用ガラス板は、成形工程時に失透が生じやすい状態にある。このため、成形工程時の溶融ガラスの温度を高温にする必要があり、上記塑性変形の問題が顕著となる。このため、液相粘度が150000dPa・s以下のガラスを用いたガラス板の製造に本発明が好適となり、35000〜150000dPaのガラスを用いたガラス板の製造に本発明の製造方法がより好適となる。50000〜100000dPa・sのガラスを用いたガラス板の製造に本発明の製造方法がさらに好適となり、50000〜80000dPa・sを用いたガラスのガラス板の製造に本発明の製造方法が一層好適となる。
また、上記塑性変形は、ガラスの熱膨張係数が大きいガラスほど、急激な温度変化による膨張差によって生じやすい。このため、熱膨張係数(100〜300℃)[×10-7℃]が、30以上のガラスを用いたガラス板の製造に本発明の製造方法が好適となる。ただし、本発明の製造方法をフラットパネルディスプレイ用ガラス板に適用する場合、熱膨張係数が大きすぎると、フラットパネルディスプレイ製造時の熱処理工程において、熱衝撃や熱収縮量が増大する傾向があるため、例えば、フラットパネルディスプレイ用ガラス板などには好ましくない。以上のことから、熱膨張係数(100〜300℃)[×10-7℃]が30〜40未満のガラス板の製造に本発明の製造方法が好適であり、熱膨張係数が32〜40未満のガラス板の製造に本発明の製造方法がより好適であり、34以上〜40未満のガラス板の製造に本発明の製造方法がより好適である。
(ガラス板の組成)
本実施形態のガラス板製造方法及びガラス板製造装置で製造されるガラス板は、例えば液晶ディスプレイ用ガラス基板が好適に挙げられる。
液晶ディスプレイ用ガラス基板のガラス組成は、以下のガラス組成が例示される。
SiO2 50〜70質量%、
23 0〜15質量%、
Al23 5〜25質量%、
MgO 0〜10質量%、
CaO 0〜20質量%、
SrO 0〜20質量%、
BaO 0〜10質量%、
RO 5〜20質量% (但し、RはMg、Ca,Sr及びBaから選ばれる、ガラス板に含有される全成分であって、少なくとも1種である)、
を含有することが好ましい。
さらに、液晶ディスプレイ用ガラス基板に形成されるTFT(Thin Film Transistor)の破壊を抑制する観点からは、無アルカリガラス(アルカリ成分を実質的に含まないガラス)であることが好ましい。他方、溶融ガラスの熔解性及び清澄性を向上させるために、あえてアルカリ成分を微量含有させるようにしてもよい。この場合、R’2O 0.05質量%を超え2.0質量%以下、より好ましくはR’2O 0.1質量%を超え2.0質量%以下(但し、R’はLi、Na及びKから選ばれる、ガラス板に含有される全成分であって、少なくとも1種である)を含むことが好ましい。
(実施例)
本発明の効果を調べるために、従来のガラス板製造装置と本実施形態のガラス板製造装置とを用いて、それぞれ下記方法に従ってガラスリボンを製造して、ガラスリボンに生じる波状の変形を測定した。なお、用いたガラス板製造装置は、いずれも、図3及び図4に示すダウンドロー法によるガラス板製造装置1であり、ガラスは下記に示す成分を含有するアルミノシリケートガラスを用いた。
SiO 60質量%
Al 19.5質量%
10質量%
CaO 5質量%
SrO 5質量%
SnO 0.5質量%
実施例1として、上述の第1実施形態に従って、周速度決定部38により、徐冷炉内を搬送されるガラスリボンBの温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域Dに設けられた搬送ローラ18aの周速度よりも、ガラスリボンBの温度が徐冷点APとなる位置よりも下流の温度領域Eに設けられた搬送ローラ19aの周速度の方が0.6%速くなるように搬送ローラ19aの周速度を決定し、決定後の周速度に基づいて各搬送ローラ18a,19aの回転駆動を制御して、0.5mm厚で幅方向長さ2000mm×長手方向長さ2500mmの大きさの液晶ディスプレイ用ガラス基板を作製した。
また、実施例2として、上述の第2実施形態に従って、周速度分布を保つように各搬送ローラ18a,19aの周速度を決定し、決定された搬送ローラの周速度に基づいて、搬送ローラ18a,19aを回転駆動させた点を除いて、実施例1と同様の条件で、0.5mm厚の液晶ディスプレイ用ガラス基板を作製した。
実施例3として、上述の第1実施形態に従って、周速度決定部38により、徐冷炉内を搬送されるガラスリボンBの温度がガラス転移点Tg以上軟化点SP以下となる温度領域Dに設けられた搬送ローラ18aの周速度よりも、ガラスリボンBの温度が徐冷点APとなる位置よりも下流の温度領域Eに設けられた搬送ローラ19aの周速度の方が0.6%速くなるように搬送ローラ19aの周速度を決定し、決定後の周速度に基づいて各搬送ローラ18a,19aの回転駆動を制御して、0.7mm厚で幅方向長さ2000mm×長手方向長さ2500mmの大きさの液晶ディスプレイ用ガラス基板を作製した。
比較例1として、全ての搬送ローラ18a,19aの周速度を同じにした点を除いて、実施例1と同様の条件で、0.5mm厚の液晶ディスプレイ用ガラス基板を作製した。
また、比較例2として、全ての搬送ローラ18a,19aの周速度を同じにした点を除いて、実施例3と同様の条件で、0.7mm厚の液晶ディスプレイ用ガラス基板を作製した。
得られた実施例1〜3、比較例1〜2の液晶ディスプレイ用ガラス基板について、液晶ディスプレイ用ガラス基板の隣接領域に生じた波形状の変形(板厚方向の凹凸)をシックネスゲージを用いて計測した。この結果、実施例1では、波形状の変形(凹凸の高さ)は0.05mm以下であった。実施例2では、波形状の変形は0.04mm以下であった。実施例3では、波形状の変形が0.05mmであった。比較例1では、波形状の変形が0.4mmであった。比較例2では、波形状の変形が0.25mmであった。
なお、波形状の変形は、厚み0.5mmおよび厚み0.7mmの液晶ディスプレイ用ガラス基板においては、厚み方向に0.2mm以内のものを表面品質を満たしているとした。
従来の製造装置を用いて得られた比較例1の液晶ディスプレイ用ガラス基板は、波形状の変形による段差が0.4mmであり、上述の表面品質を満たさなかった。従来の製造装置を用いて得られた比較例2の液晶ディスプレイ用ガラス基板は、波形状の変形による段差が0.25mmであり、上述の表面品質を満たさなかった。
これに対し、本実施形態の製造装置1を用いて得られた実施例1〜3の液晶ディスプレイ用ガラス基板は、波形状の変形による段差が0.05mm以下であり、上述の表面品質を満たしていた。実施例1の波形状の凹凸の高さは1/8に改善された。実施例2の波形状の凹凸の高さは、1/10に改善された。実施例3の波形状の凹凸の高さは、1/5に改善された。
以上、本発明のガラス板の製造方法及びガラス板製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんのことである。
1 ガラス板製造装置
2 成形装置
3 徐冷装置
18,19 搬送ローラ対
18a,19a 搬送ローラ
30,40,50 検出制御部
32 駆動部
34,44 温度センサ
47,57 搬送ローラ状態検出部
38,48,58 周速度決定部
54 距離測定センサ
A 溶融ガラス
B ガラスリボン
C ガラス板
D ガラスリボンの温度がガラス転移点以上軟化点以下となる温度領域
E ガラスリボンの温度が徐冷点以下となる温度領域
SP 軟化点
Tg ガラス転移点
AP 徐冷点
S10 熔解工程
S40 成形工程
S50 徐冷工程

Claims (9)

  1. ガラス原料を熔解して溶融ガラスをつくる熔解工程と、
    溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形し、ガラスリボンを形成する成形工程と、
    前記ガラスリボンの幅方向の両端部に対して前記幅方向に隣接する近傍領域を、前記ガラスリボンの搬送方向に設けられた複数の搬送ローラ対で挟持しつつ、前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷を行う徐冷工程と、を有し、
    前記成形工程では、成形体からオーバーフローさせて前記成形体の側壁を流下する溶融ガラスを、前記成形体の下端で張り合わせることで前記ガラスリボンを形成した後に、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部を冷却し、かつ、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部を前記ガラスリボンの幅方向の中央部よりも速く冷却し、
    前記徐冷工程では、前記ガラスリボンに塑性変形が生じないように、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域において、前記ガラスリボンに対して前記搬送方向に張力を働かせ、
    板厚0.5mm以下のガラス板を製造する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速くする、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記徐冷工程では、前記搬送ローラで狭持される部分に対して前記ガラスリボンの幅方向内側に隣接する隣接領域に塑性変形が生じないように、前記隣接領域の温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域において、前記ガラスリボンに対して搬送方向の張力を働かせる、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの搬送ローラで狭持される部分に対して前記ガラスリボンの幅方向内側に隣接する隣接領域の温度がガラス徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記隣接領域の温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速くする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも0.03〜2%速くする、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記ガラス板の幅方向の長さが、1000mm以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記徐冷工程は、200m/時以上の搬送速度で前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷する、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  8. ガラス原料を熔解して溶融ガラスをつくる熔解工程と、
    溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形し、ガラスリボンを形成する成形工程と、
    前記ガラスリボンの幅方向の両端部に対して前記幅方向に隣接する近傍領域を、前記ガラスリボンの搬送方向に設けられた複数の搬送ローラ対で挟持しつつ、前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷を行い、板厚0.5mm以下のガラスリボンを形成する徐冷工程と、を有し、
    前記成形工程では、成形体からオーバーフローさせて前記成形体の側壁を流下する熔融ガラスを、前記成形体の下端で張り合わせることでガラスリボンを形成し、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部を冷却し、かつ、前記両端部の冷却速度を前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度よりも速く冷却し、
    前記徐冷工程では、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度が徐冷点となる位置よりも下流側に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度を、前記搬送ローラ対のうち、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度よりも速くする、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  9. ダウンドロー法を用いて溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形装置と、
    前記ガラスリボンの幅方向の両端部に対して前記幅方向に隣接する近傍領域を複数の搬送ローラ対で挟持しつつ、前記ガラスリボンを下方向に引き抜いて徐冷し、板厚0.5mm以下の前記ガラスリボンを形成する徐冷装置と、を有し、
    前記成形装置は、前記ガラスリボンの幅方向の前記両端部の粘度をηとしたときlogη=9以上となるまで前記両端部を冷却し、かつ、前記両端部の冷却速度を前記ガラスリボンの幅方向の中央部の冷却速度よりも速く冷却し、
    前記徐冷装置は、前記複数の搬送ローラ対と、駆動部とを含み、
    前記複数の搬送ローラ対の1つは、前記ガラスリボンの温度がガラス転移点以上ガラス軟化点以下となる第1温度領域に、前記複数の搬送ローラ対の他の1つは、前記ガラスリボンの温度がガラス徐冷点以下となる第2温度領域に設けられて、前記ガラスリボンを下方向に引き込むことで前記ガラスリボンを搬送し、
    前記駆動部は、前記第2温度領域に設けられた搬送ローラ対の搬送ローラの周速度が、前記第1温度領域に設けられた搬送ローラの周速度よりも速くなるように前記搬送ローラを回転駆動させる、ことを特徴とするガラス板製造装置。
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